JP4400090B2 - インクジェットヘッド用ノズル板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッド用ノズル板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のノズル板は、プラスチックフィルムにレーザビームを照射してあるいはエッチング法などによる化学的腐食によりノズル口を穿孔して形成したフィルム状のものが知られている。
【0003】
この方法により得られるノズル板は、ノズル口が略円筒形状のいわゆるストレート状となる。インクジェット記録時にはノズル口の吐出側に絶えずインクを送り込む必要があるが、ストレート状のノズル口では、インクの吐出方向が安定するものの、インクを吐出側に積極的に誘い込むことはなく、結果として記録時にインク途切れや量不足を起こしやすい。また、多ノズルのノズル板にしたときには、例えばレーザビーム照射時にマスク処理するものであるが、同じマスクを用いても全部のノズル口について照射条件などを同じに揃えることは困難であり、その結果ノズル口の形状などにばらつきが生じてしまう。また、プラスチックフィルムを使用することから、強度、耐久性に問題があって、仮に強度不足を補うためにフィルムを厚くするとフィルムに照射されたレーザビームがフィルム内で減衰するため、ノズル口始端と終端間の孔径に差が生じてしまいノズル口を確実に穿孔できなくなる虞がある。また、ノズル口の直径と深さの比であるアスペクト比は1前後で揃えるのが限界で、それ以上の均一な仕様の加工は困難であった。
【0004】
一方で、従来のノズル板として、電鋳で形成した金属膜状のものなどが知られている。特に、この方法は、微細な形状を有する部品を製造するのに適した加工方法として広く知られている。
【0005】
この方法では、例えば図7(a)に示したように、導電性基板200上に、感光性材料、すなわちレジストを用いたフォトリソグラフィー法にて非導電性(絶縁性)膜310を所望の形状になるように形成する。次に図7(b)に示したように、導電性基板200を電極として用いて電鋳を行って、電鋳構造体110を形成し、最後に導電性基板200および非導電性膜310を電鋳構造体110から分離して、図7(c)に示したような曲面形状の断面を有する孔が形成されたノズル板が得られる。このような一定の曲率で形成される壁面を有し、孔が深くなるにしたがって孔の大きさが徐々に異なっていく形状の孔をベルマウス形状の孔という。
【0006】
この方法により得られるノズル板は、ベルマウス形状の孔径の大きい側をインクの導入側として、孔径の小さい側をインクの吐出側として使用される。この場合において、インクを吐出側へ誘い込むことに関しては非常に優れた性能が得られるのであるが、ストレート形状の部分がほとんど存在しないため、インク吐出方向が安定しない。また、この電鋳はドーナツ形の空孔を作成するポーラス電鋳法であり、ノズル口の径は電鋳層が形成されない空孔部分の径により決定される。しかしながら、電鋳条件の管理が困難であるため、径にばらつきが生じやすい。また、ストレート部分を有しない欠点を補うために、電鋳層の厚さを大きくして、結果的にストレート形状部分を形成することも考えられるが、この場合も厚い電鋳層を形成するための電鋳条件を管理が困難であるため、ベルマウス形状にばらつきが生じやすい。
【0007】
そこで、特許文献1には、二つの電鋳層を形成することによってストレート形状部分と、ベルマウス形状とを形成する技術が記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2003−1829号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に記載の技術であっても、上述の場合と同様に、ストレート形状の部分の径は、最初になされるポーラス電鋳処理により電鋳層が形成されなかった空孔部分の径により決定されること、およびベルマウス形状は電鋳層の厚さにより決定されることにより、インク吐出側の径およびベルマウス形状にばらつきが生じやすくなる。これは、多ノズル化を目指したときに深刻な問題となる。
【0010】
本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであり、インクを吐出側に誘い込む形状と、ストレート形状とを連通させ、穿孔された突出型貫通孔を備えた孔構造体の形状を精度よく制御することを可能にするインクジェットヘッド用ノズル板の製造方法を提供することを目的としている。
また、インク吐出の際の液離れが良好で、高精度なインクの着弾を可能となるインクジェットヘッド用ノズル板の製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、非導電性透明基板の一方の面上に導電性膜を形成する導電性膜形成工程と、
前記導電性膜上にネガ型のレジスト材料を塗布してレジスト層を形成し、当該レジスト層にプロキシミティー露光および現像処理し、露出した導電性膜を電極として電鋳処置した後に、現像して残ったテーパー形状を有するレジスト層およびその表面に該現像して残ったテーパー形状を有するレジスト層が形成された導電性膜を前記非導電性透明基板の表面から分離して、前記導電性膜上に第1の電鋳層を形成する第1電鋳層形成工程と、
前記非導電性透明基板の第1の電鋳層が形成された側の面からネガ型のレジスト材料を塗布してレジスト層を形成し、前記非導電性透明基板の他方の面から当該非導電性透明基板を介して前記レジスト層に露光および現像処理し、露出した第1の電鋳層を電極として電鋳処理し、前記第1の電鋳層の上に第2の電鋳層を形成する第2電鋳層形成工程と、
前記第2電鋳層形成工程で得られた積層物から、前記第1の電鋳層、前記露光および現像処理して残ったレジスト層および前記非導電性透明基板を分離して、インクジェットヘッド用ノズル板を形成するノズル板形成工程と
を有するインクジェットヘッド用ノズル板の製造方法である。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、非導電性透明基板の一方の面上に、導電性膜形成工程にて導電性膜を形成し、第1電鋳層形成工程にてこの導電性膜の上にさらにレジスト層を形成する。
【0013】
さらに、第1電鋳層形成工程では、レジスト層に円形穴を有するマスクを通じて所定の間隔を保ちながらプロキシミティー露光を行い、現像処理することで、マスクされて露光されなかった部分のレジスト層のみが取り除かれ、この部分では導電性膜が露出する。一方、露光された部分は現像処理しても突出して残り、このレジスト層はテーパー形状を有する。
【0014】
さらに、露出した導電性膜を電極として電鋳処理を行い、第1の電鋳層が形成される。第1の電鋳層の形成後、前記テーパー形状のレジスト層を剥離させて、このテーパー形状のレジスト層が面していた導電性膜を、溶剤などを用いて溶解させて取り除く。
【0015】
次に、第2電鋳層形成工程では、テーパー形状の空孔を含む第1の電鋳層の表面にレジスト層を形成する。非導電性透明基板の他方の面、すなわち第1の電鋳層が形成されていない側の面から露光を行う、いわゆるバック露光処理を行う。
【0016】
このバック露光処理においては、第1の電鋳層が形成されたところではマスクされ、前記テーパー形状の空孔に露出した部分のレジスト層のみが露光される。
【0017】
続いて、現像処理をすることで、マスクされて露光を受けなかった部分のレジスト層が取り除かれる。一方で、露光を受けた部分のレジスト層が残る。この残ったレジスト層は、前記テーパー形状の空孔と同じ形状であり、かつ、同じ径を底面とする円筒形状を有する。さらに、第1の電鋳層を電極として電鋳処理を行って、第1の電鋳層の上に第2の電鋳層を形成する。
【0018】
ノズル板形成工程では、第2の電鋳層形成工程で得られた電鋳構造物から、第2の電鋳層を残して、非導電性透明基板、第1の電鋳層および第2電鋳層形成工程でなされた現像処理後に残ったレジスト層を分離して、インクジェットヘッド用ノズル板を得る。得られた各ノズル口は、前記テーパー形状をインクを誘い込む側の形状とし、これに前記円筒形状のレジストと同じ形状および径のストレート形状を連通して穿孔させた孔構造体を有する。
【0019】
このようにノズル口である突出型貫通孔を備えた孔構造体の形状、すなわちインクを吐出側に誘い込む形状およびストレート形状は、プロキシミティー露光後現像して得られたレジスト層の形状で決まる。すなわち、従来のように精度よい管理が困難な電鋳条件に左右されることなく、比較的精度よい管理が容易なプロキシミティー露光の条件を管理すれば足りるため、ノズル口の形状を精度よく、容易に制御すること可能になる。
【0020】
請求項2に記載の発明は、前記第2電鋳層形成工程では、前記レジスト層に露光および現像処理した後に、露出した第1の電鋳層の表面に剥離層を形成させることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、第1の電鋳層および第2の電鋳層の間に剥離層を形成することで、前記ノズル板形成工程における第1の電鋳層および第2の電鋳層を容易に分離することができる。したがって、第1の電鋳層および第2の電鋳層がともに同じ材料で形成されている場合に、これら電鋳層の分離を容易に行うことができる。
【0021】
請求項3に記載の発明は、前記剥離層は、前記第1の電鋳層の表面に酸化皮膜処理を行って得られる酸化皮膜であることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、剥離層として酸化皮膜を第1の電鋳層表面に形成することで、前記ノズル板形成工程における第1の電鋳層および第2の電鋳層の分離が容易になる。
【0022】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記第2電鋳層形成工程では、電鋳処理前に、露出された表面に撥水層を形成させることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、インク吐出側の穿孔部分の表面に撥水層を設けることで、この部分のインク吐出時の液離れが良好で、高精度なインクの着弾を可能とするインクジェットヘッド用ノズル板を提供することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明は、前記撥水層は、撥水性を有する材料と前記第1の電鋳層を形成する材料とを共析めっきして得られることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、通常通電性を示さない撥水性を有する材料を、第1の電鋳層を形成する材料と同じ材料と共析めっきすることで、撥水性を有する材料を第1の電鋳層の表面に確実に配置させることができる。これにより、上述した効果をより一層効率よく得ることができる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記第2電鋳層形成工程では、電鋳処理を、撥水性を有する材料との共析めっきにて行うことを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、第2の電鋳層自体に撥水性を持たせることで、インク吐出側の穿孔部分におけるインク吐出時の液離れが良好で、高精度なインクの着弾を可能とするインクジェットヘッド用ノズル板を提供することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1から図6を参照して説明する。
図1は、本発明を構成する導電性膜形成工程の実施形態を説明するもので、本工程では、図1(a)に示したような非導電性透明基板1の一方の表面に、スパッタ法、無電界めっき法などにより図1(b)に示したように均一な薄膜である導電性膜2を形成する。
【0026】
ここで、非導電性透明基板1としては、例えば0.5mm厚の硼珪酸ガラスを使用し、導電性膜2としては、例えばスパッタ法で成膜した0.1μm厚のNip(ニッケルリン)膜を使用した。
【0027】
図2は、本発明を構成する第1電鋳層形成工程の実施形態を説明するもので、まず図2(a)に示したように導電性膜2の表面にレジスト材料を塗布してレジスト層3を形成する。ここで、レジスト材料としては、ネガ型レジスト、例えばクライアントジャパン株式会社社製AZ5200Eが用いられ、レジスト層3の厚さは例えば50μmとする。
【0028】
次に、図2(b)に示したようにレジスト層3にプロキシミティー露光が行われる。このプロキシミティー露光は、円形状の孔17を有するマスク4を、レジスト層3から間隔tだけ離して行われる。このときの間隔tは、数10μm〜100μm程度、例えば80μmとし、孔17の直径は例えば25μmとする。また、光源としては、310nm〜405nmの紫外線を発するものが好ましく用いられるが、これに限らず、プロキシミティー露光が可能であればどのような波長の光を発するものであっても構わない。
【0029】
このようにマスク4をレジスト層3から一定間隔離して露光することで、マスク4の孔17よりもある程度広い範囲で照射され、孔17よりも外側では徐々に弱い光量での照射となるため、照射領域はテーパー形状となる。この照射領域は、レジスト層3にムラがなく、また照射の際のマスク4とレジスト層3との間隔tを一定に保つようにすれば、常に同じ形状とすることができる。
【0030】
続いて、プロキシミティー露光後の積層物に現像処理、および必要に応じてポストベーク処理を行って、図2(c)に示したようにレジスト層3のうちプロキシミティー露光時の照射領域となっていた部分が、導電性膜2の上に突出した硬化物5となって残る。一方で、照射を受けなかった領域が、現像処理にて除去され、その部分だけ導電性膜2が露出することになる。
【0031】
次に、露出している導電性膜2を電極にして電鋳処理を行う。図2(d)に示したように、めっき成長を制御しながら、第1の電鋳層6を導電性膜2の上に形成する。ここでは、例えばニッケル電鋳法により、第1の電鋳層6をニッケルで構成することができる。電鋳処理で用いられる金属材料であるが、ニッケルのほかに、電気めっき成長可能な金属材料、例えば金、銅、スズ、亜鉛、コバルト、白金、銀、鉛およびこれらを含む合金などが挙げられる。また、第1の電鋳層6の厚さであるが、硬化物5の厚さと同じにすることが好ましい。すなわち、レジスト層3の厚さを上述のように50μmとした場合には、硬化物5の厚さも50μmになるため、第1の電鋳層6の厚さも50μmとするのが好ましい。
【0032】
続いて、図2(e)に示したように、テーパー形状に形成された硬化物5およびこの硬化物5がその表面に形成されている導電性膜を非導電性透明基板1の表面から分離して、テーパー形状のくぼみであるパターン7を得る。
【0033】
図3は、本発明を構成する第2電鋳層形成工程の実施形態を説明するもので、まず図3(a)に示したように第1の電鋳層6および前記パターン7の表面にレジスト材料を塗布してレジスト層8を形成する。ここで、レジスト材料としては、ネガ型レジスト、例えば東京応化工業株式会社製BMRC−1000PMが用いられ、このレジスト層8の厚さを例えば非導電性透明基板1からの厚さと定義したときに、110μmとする。
【0034】
次に、図3(b)に示したように、非導電性透明基板1の第1の電鋳層の形成されていない側の面からの露光処理、いわゆるバック露光法により光照射を行う。このときの光線9としては、例えば紫外線が好適に用いられ、例えばその照射強度を500mJ/cm2とする。また、紫外線に限らず、レジスト層への露光を行うことができるものであれば、どんな光であっても用いることができる。
【0035】
このようにバック露光法による光照射を行うことで、第1の電鋳層6でマスクされた状態でレジスト層8は露光される。したがって、照射領域は前記パターン7と同一の形状を底面とする筒状となる。すなわち、前記図2(b)で行ったプロキシミティー露光の際に用いたマスクと同一形状を断面とする円筒状となる。
【0036】
続いて、バック露光法による光照射後の積層物に現像処理、および必要に応じてポストベーク処理を行って、図3(c)に示したようにレジスト層8のうち露光時の照射領域となっていた部分が、非導電性透明基板1の上に突出した円筒状の硬化物10となって残る。上述のように、前記プロキシミティー露光時に直径25μmのマスクを使用し、かつ、レジスト層8の厚さを110μmとしたときには、硬化物10は直径25μm、かつ、高さ110μmの円筒状となる。一方で、照射を受けなかった領域が、現像処理にて除去され、その部分だけ第1の電鋳層6が露出することになる。
【0037】
さらに、図4に示したように、必要に応じて第1の電鋳層6の表面に剥離層12を形成することが好ましい。この剥離層12は、後述の第2の電鋳層を分離する際に第1の電鋳層6を剥離するための剥離層として作用する。また、剥離層12は、例えば第1の電鋳層6の表面を例えば重クロム酸溶液を用いて酸化して得られる酸化皮膜層により形成することができる。このほかには、アルカリ溶液に全体を浸漬させて陽極酸化を行う方法、窒化チタンをスパッタ法により好ましくは0.1μm以下の厚さの層を形成するようコーティングする方法、親水性コロイド溶液に全体を浸漬させて吸着による薄いコロイドの剥離皮膜を作成する方法などが挙げられる。なお、図中では、剥離層12が全体が略均一な厚さで作成された状態が示されているが、硬化物10の付近における傾斜部分において、剥離層12を形成するための薬物の浸透のしやすさから、この部分における膜厚に多少の分布が生じることがあるが、この分布は本発明の作用、効果とは何ら関係がない。
【0038】
また、さらに図5に示したように、剥離層12の上に、撥水層13を形成することが好ましい。この撥水層13は、ノズル口の表面のインク吐出側の穿孔部分を構成するため、インク吐出時のノズル口での液離れを良好にするように作用する。また、この撥水層13は、例えば撥水性を有する高分子材料、例えば含フッ素化合物からなる高分子材料と、第1の電鋳層6の材料、例えばニッケルとの共析めっきにより形成することができる。また、上記剥離層12を形成しない場合にあっては、第1の電鋳層6の表面に直接形成してもよい。
【0039】
図3に戻り、次に、第1の電鋳層6を電極にして電鋳処理を行う。図3(d)に示したように、めっき成長を制御しながら、第2の電鋳層11を第1の電鋳層6の上に、または前記剥離層12および前記撥水層13を形成したときには表面に露出した層の上に形成する。
【0040】
ここでは、第1の電鋳層6を形成するときと同様に、例えばニッケル電鋳法により、第2の電鋳層11をニッケルで構成することができる。電鋳処理で用いられる金属材料であるが、ニッケルのほかに、電気めっき成長可能な金属材料、例えば金、銅、スズ、亜鉛、コバルト、白金、銀、鉛およびこれらを含む合金などが挙げられる。
【0041】
また、第2の電鋳層11を、撥水性を有する高分子材料、例えば含フッ素化合物からなる高分子材料と、第1の電鋳層6の材料、例えばニッケルとの共析めっきにより、第1の電鋳層6または剥離層12の上に形成してもよい。これにより、第2の電鋳層11自体に撥水性を持たせることができる。
【0042】
また、第2の電鋳層11の厚さであるが、硬化物10の厚さと同じにすることが好ましい。すなわち、レジスト層8の厚さを上述のように110μmとした場合には、硬化物10の厚さも110μmになるため、第2の電鋳層11の厚さも110μmとするのが好ましい。
【0043】
図6は、本発明を構成するノズル板形成工程の実施形態を説明するもので、図3(d)で得られた積層物から、前記第1の電鋳層6および導電性膜2と、前記硬化物10と、非導電性透明基板1と、必要に応じて剥離層12とを分離して、孔構造体14を得る。
この孔構造体14は、テーパー形状のインクの導入口15およびストレート形状のインクの吐出口16を有するインクジェットヘッド用ノズル板を構成する。
【0044】
本実施形態によれば、ノズル口である突出型貫通孔を備えた孔構造体の形状、すなわちインクを吐出側に誘い込む形状およびストレート形状は、プロキシミティー露光後現像して得られたレジスト層の形状で決まる。すなわち、従来のように精度よい管理が困難な電鋳条件に左右されることなく、比較的精度よい管理が容易なプロキシミティー露光の条件を管理すれば足りるため、ノズル口の形状を精度よく、容易に制御すること可能になる。
【0045】
また、第1の電鋳層6および第2の電鋳層11の間に剥離層12を形成することで、前記ノズル板形成工程における第1の電鋳層6および第2の電鋳層11を容易に分離することができる。したがって、第1の電鋳層6および第2の電鋳層11がともに同じ材料で形成されている場合に、これら電鋳層の分離を容易に行うことができる。
【0046】
また、剥離層12として酸化皮膜を第1の電鋳層6表面に形成することで、前記ノズル板形成工程における第1の電鋳層6および第2の電鋳層11の分離が容易になる。
【0047】
また、インク吐出側の穿孔部分の表面に撥水層13を設けることで、この部分のインク吐出時の液離れが良好で、高精度なインクの着弾を可能とするインクジェットヘッド用ノズル板を得ることができる。
【0048】
また、通常通電性を示さない撥水性を有する材料を、第1の電鋳層6を形成する材料と同じ材料と共析めっきすることで、撥水性を有する材料を第1の電鋳層6の表面に確実に配置させることができる。これにより、上述した効果をより一層効率よく得ることができる。
【0049】
あるいは、第2の電鋳層11自体に撥水性を持たせることで、インク吐出側の穿孔部分におけるインク吐出時の液離れが良好で、高精度なインクの着弾を可能とするインクジェットヘッド用ノズル板を提供することができる。
【0050】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ノズル口である突出型貫通孔を備えた孔構造体の形状、すなわちインクを吐出側に誘い込む形状およびストレート形状は、プロキシミティー露光後現像して得られたレジスト層の形状で決まる。すなわち、従来のように精度よい管理が困難な電鋳条件に左右されることなく、比較的精度よい管理が容易なプロキシミティー露光の条件を管理すれば足りるため、ノズル口の形状を精度よく、容易に制御すること可能になる。
【0051】
請求項2に記載の発明によれば、第1の電鋳層および第2の電鋳層の間に剥離層を形成することで、前記ノズル板形成工程における第1の電鋳層および第2の電鋳層を容易に分離することができる。したがって、第1の電鋳層および第2の電鋳層がともに同じ材料で形成されている場合に、これら電鋳層の分離を容易に行うことができる。
【0052】
請求項3に記載の発明によれば、剥離層として酸化皮膜を第1の電鋳層表面に形成することで、前記ノズル板形成工程における第1の電鋳層および第2の電鋳層の分離が容易になる。
【0053】
請求項4に記載の発明によれば、インク吐出側の穿孔部分の表面に撥水層を設けることで、この部分のインク吐出時の液離れが良好で、高精度なインクの着弾を可能とするインクジェットヘッド用ノズル板を提供することができる。
【0054】
請求項5に記載の発明によれば、通常通電性を示さない撥水性を有する材料を、第1の電鋳層を形成する材料と同じ材料と共析めっきすることで、撥水性を有する材料を第1の電鋳層の表面に確実に配置させることができる。これにより、上述した効果をより一層効率よく得ることができる。
【0055】
請求項6に記載の発明によれば、第2の電鋳層自体に撥水性を持たせることで、インク吐出側の穿孔部分におけるインク吐出時の液離れが良好で、高精度なインクの着弾を可能とするインクジェットヘッド用ノズル板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を構成する導電性膜形成工程の実施形態を説明する図である。
【図2】本発明を構成する第1電鋳層形成工程の実施形態を説明する図である。
【図3】本発明を構成する第2電鋳層形成工程の実施形態を説明する図である。
【図4】前記第2電鋳層形成工程の好ましい実施形態を説明する図である。
【図5】前記第2電鋳層形成工程の好ましい実施形態を説明する図である。
【図6】本発明を構成するノズル板形成工程の実施形態を説明する図である。
【図7】従来のノズル板製造方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 非導電性透明基板
2 導電性膜
3 レジスト層
6 第1の電鋳層
8 レジスト層
11 第2の電鋳層
12 剥離層
13 撥水層
14 孔構造体

Claims (6)

  1. 非導電性透明基板の一方の面上に導電性膜を形成する導電性膜形成工程と、
    前記導電性膜上にネガ型のレジスト材料を塗布してレジスト層を形成し、当該レジスト層にプロキシミティー露光および現像処理し、露出した導電性膜を電極として電鋳処置した後に、現像して残ったテーパー形状を有するレジスト層およびその表面に該現像して残ったテーパー形状を有するレジスト層が形成された導電性膜を前記非導電性透明基板の表面から分離して、前記導電性膜上に第1の電鋳層を形成する第1電鋳層形成工程と、
    前記非導電性透明基板の第1の電鋳層が形成された側の面からネガ型のレジスト材料を塗布してレジスト層を形成し、前記非導電性透明基板の他方の面から当該非導電性透明基板を介して前記レジスト層に露光および現像処理し、露出した第1の電鋳層を電極として電鋳処理し、前記第1の電鋳層の上に第2の電鋳層を形成する第2電鋳層形成工程と、
    前記第2電鋳層形成工程で得られた積層物から、前記第1の電鋳層、前記露光および現像処理して残ったレジスト層および前記非導電性透明基板を分離して、インクジェットヘッド用ノズル板を形成するノズル板形成工程と
    を有するインクジェットヘッド用ノズル板の製造方法。
  2. 前記第2電鋳層形成工程では、前記レジスト層に露光および現像処理した後に、露出した第1の電鋳層の表面に剥離層を形成させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記剥離層は、前記第1の電鋳層の表面に酸化皮膜処理を行って得られる酸化皮膜であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記第2電鋳層形成工程では、電鋳処理前に、露出された表面に撥水層を形成させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記撥水層は、撥水性を有する材料と前記第1の電鋳層を形成する材料とを共析めっきして得られることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記第2電鋳層形成工程では、電鋳処理を、撥水性を有する材料との共析めっきにて行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
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