JP4400066B2 - エスカレータ等の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変速に制御される装置において、省エネを有効に実現できるエスカレータ或いは動く歩道(エスカレータ等と称す)の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエスカレータの中には、省エネを意図して普段は運転を休止させ、利用者が存在する場合だけ運転を行うものがある。又、店舗等の業務を営んでいる所では利用者がいない時に、低速度でエスカレータを運転し、利用者がやってくれば定格速度の運転に切り替えるように制御を行うケースも見受けられる。
【0003】
そこで、代表的なエスカレータの制御装置を図3に示す。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
【特許文献1】
特公平5−5752号公報
【0005】
即ち、利用者がいない場合は、インバータ1により接触器1Aを介して誘導電動機2に電圧を印加することにより誘導電動機2を駆動して低速運転を行ない、利用者が到着すると、インバータ1の周波数を徐々に高めて加速し、この周波数が商用交流電源3の周波数に一致すると、この商用電源3による運転に切り替えて高速運転を維持するものである。このような制御は、制御装置4によって行なわれるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように商用電源3による直入れ運転と、インバータ1による運転とを切り替えて行う制御装置では、切り替え時にかなりのショックを生ずる欠点があり、踏み面に乗っている利用者にとっては極めて不快である。又、この切り替えのタイミングをうまく調整するのも複雑な制御回路が必要で甚だ困難でもある。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、省エネを図ると共に、インバータの容量の低減も達成できるエスカレータ等の制御装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エスカレータ等を駆動する電動機に対し、接触器を介して商用電源から電力を供給する主回路と並列に、インバータを介して該電動機に電力を供給する第2の回路を設け、利用者がいない時には前記第2の回路により低速運転を行うものにおいて、前記インバータの出力波形を調整するインバータ点弧制御装置と、利用者の接近を検知した時には、前記インバータにより前記電動機を定格速度まで加速して、前記インバータの出力波形が前記商用電源の出力波形に一致すると、前記接触器を閉路するとともに、前記インバータの出力電流の振幅と位相を一定に保つ制御を前記インバータ点弧制御装置により継続し、前記主回路と前記第2の回路とを併用して前記電動機を駆動する手段とを備えるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、通常運転時には商用電源による運転とインバータによる運転を併用するものである。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について、図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施例を示す全体構成図、図2は本装置の動作を示すフローチャート図である。
【0011】
図中、図3と同一のものは同一のものを示すが、10は周知の過電流遮断器、11は誘導電動機2に電圧を直入れする直入装置で、上昇用と下降用の電磁接触器U、Dが設けられている。12はダイオードブリッジ12aと平滑コンデンサ12bとトランジスタブリッジ12cとからなるインバータ装置で、絶縁トランス13を介して主回路に接続されている。この絶縁トランス13は、インバータ装置12によるエスカレータ駆動時にはノイズ対策としても機能するものである。14は限流リアクトルで、インバータ装置12の出力がこの限流リアクトル14を介して誘導電動機2に接続されている。15はトランジスタブリッジ12cに所定のパルス信号を入力するインバータ点弧制御装置である。
【0012】
次に、本発明装置の動作について図2を用いて説明する。
先ず利用者がいない場合は、ステップ1において、直入装置11の電磁接触器U,Dは何れも開路しており、インバータ装置12のみで上昇用或いは下降用の何れかの方向に向けて、低速運転が行なわれる。
【0013】
次に、ステップ2において、利用者の接近をセンサー(図示しない)で検知すると、インバータ点弧制御装置15により、インバータの周波数を徐々に上げていきエスカレータを加速させ、定格速度までもってゆく。そして、ステップ3において定格速度に達すれば、インバータの出力電圧波形を商用電源3の電圧波形と一致するように、インバータ点弧制御装置15を働かせる。
【0014】
その後、ステップ4において相互の波形が一致すると、直入装置11の電磁接触器(上昇ならばU、下降ならばD)を閉路するとともに、インバータ装置12の出力電流の振幅と位相を一定に保つ制御をインバータ点弧制御装置15により継続する。
【0015】
一方、ステップ1において利用者が既に存在していれば、直ちにインバータ装置12により加速を行なって、その後の動作については前述の場合と同様、インバータ点弧制御装置15によりエスカレータを運転制御する。そして、通常運転中にもし利用者がいなくなれば、直入装置11の電磁接触器(上昇時ならU、下降時ならD)を即開路して商用電源3を切り離し、インバータ装置12により低速運転状態に移行させる。
【0016】
このように構成すれば、インバータと商用電源との切り替え方式ではないため、誘導電動機2が完全に開放される瞬間が全く発生せず、誘導電動機2内部の磁束に乱れが生じないので、商用電源3との併用が極めて円滑に開始されて低速運転モードから通常運転モードに速やかに移行する。
【0017】
この商用電源3が併用されている間も、インバータ装置12はインバータ点弧制御装置15により一定電流制御を継続しているため、利用者がいなくなって、低速運転に移行する時に、商用電源3を切り離す際にも、誘導電動機2に対し、適切な位相と振幅の電流がインバータ装置12から常に供給されるので、誘導電動機2の回転に擾乱を生じない円滑な切り離しが可能である。
【0018】
この場合も、インバータ制御方式は、商用電源3の切り離しと同時に、直ちに一定電流制御から定電圧制御に切り替えられ、その後速やかに低速運転に移行することになる。又、通常運転時の回生電力については商用電源3側で適正に処理されることになるため、インバータ内での回生電力処理は不要である。
【0019】
尚、以上の説明では、通常運転時に常時商用電源とインバータとを併用させる例を述べているが、所定時間が経過すれば商用電源のみの運転に切り替えるようにしてもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、低速運転時にはインバータのみを使用していても、少なくとも通常運転時の初期には商用電源とインバータとの併用方式を採用するため、運転モードの移行時には切り替えショックがほとんど生じないように構成することができる。又、低速運転時にはインバータのみの運転になるため、十分な省エネ効果を発揮することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】本装置の動作を示すフローチャート図である。
【図3】従来のエスカレータの制御装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1,12 インバータ装置
2 誘導電動機
3 商用電源
10 過電流遮断器
11 直入装置
12 インバータ装置
13 絶縁トランス
14 限流リアクトル
15 インバータ点弧制御装置
Claims (1)
- エスカレータ等を駆動する電動機に対し、接触器を介して商用電源から電力を供給する主回路と並列に、インバータを介して該電動機に電力を供給する第2の回路を設け、利用者がいない時には前記第2の回路により低速運転を行うものにおいて、前記インバータの出力波形を調整するインバータ点弧制御装置と、利用者の接近を検知した時には、前記インバータにより前記電動機を定格速度まで加速して、前記インバータの出力波形が前記商用電源の出力波形に一致すると、前記接触器を閉路するとともに、前記インバータの出力電流の振幅と位相を一定に保つ制御を前記インバータ点弧制御装置により継続し、前記主回路と前記第2の回路とを併用して前記電動機を駆動する手段とを備えたことを特徴とするエスカレータ等の制御装置。
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JP2003056797A JP4400066B2 (ja) | 2003-03-04 | 2003-03-04 | エスカレータ等の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003056797A JP4400066B2 (ja) | 2003-03-04 | 2003-03-04 | エスカレータ等の制御装置 |
Publications (2)
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2003
- 2003-03-04 JP JP2003056797A patent/JP4400066B2/ja not_active Expired - Lifetime
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