JP2001268926A - インバータ制御装置 - Google Patents
インバータ制御装置Info
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- JP2001268926A JP2001268926A JP2000083223A JP2000083223A JP2001268926A JP 2001268926 A JP2001268926 A JP 2001268926A JP 2000083223 A JP2000083223 A JP 2000083223A JP 2000083223 A JP2000083223 A JP 2000083223A JP 2001268926 A JP2001268926 A JP 2001268926A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】インバータのゲート電圧とゲート抵抗を可変に
することにより、過電流保護を容易にしたインバータ制
御装置を提供する。 【解決手段】本発明のインバータ制御装置はインバータ
部分のそれぞれのIGBTにIGBTの可変ゲート電圧と、
IGBTの可変ゲート抵抗と、それを制御するゲート駆
動制御回路を備えている。その結果、ゲート抵抗とゲー
ト電圧と可変させることでターンオン速度と可変させ、
特にインバータ起動時に立ち上がり電流を緩くできるた
めに、従来から備えられている過電流保護回路の過電流
保護を容易にできる手段を備えている。
することにより、過電流保護を容易にしたインバータ制
御装置を提供する。 【解決手段】本発明のインバータ制御装置はインバータ
部分のそれぞれのIGBTにIGBTの可変ゲート電圧と、
IGBTの可変ゲート抵抗と、それを制御するゲート駆
動制御回路を備えている。その結果、ゲート抵抗とゲー
ト電圧と可変させることでターンオン速度と可変させ、
特にインバータ起動時に立ち上がり電流を緩くできるた
めに、従来から備えられている過電流保護回路の過電流
保護を容易にできる手段を備えている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流を交流に変換
するインバータを制御するインバータ制御装置に関す
る。
するインバータを制御するインバータ制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】コンバータから出力された直流電源をイ
ンバータで交流電源に変換する制御装置がインバータ制
御装置である。インバータ制御装置は、変換した交流電
源の周波数で電動機の可変速制御を行う。電動機を利用
した製品は可変速が必要なものが多いので、電動機の可
変速制御にはインバータ制御装置が広く用いられてい
る。ここで、電動機の始動に着目すると、始動に必要な
ことは、始動電流を安全な値に抑えて始動中のトルクを
十分に大きくし、加速させることである。
ンバータで交流電源に変換する制御装置がインバータ制
御装置である。インバータ制御装置は、変換した交流電
源の周波数で電動機の可変速制御を行う。電動機を利用
した製品は可変速が必要なものが多いので、電動機の可
変速制御にはインバータ制御装置が広く用いられてい
る。ここで、電動機の始動に着目すると、始動に必要な
ことは、始動電流を安全な値に抑えて始動中のトルクを
十分に大きくし、加速させることである。
【0003】よって、インバータ起動時は、電動機を始
動させるための始動トルクが大きいため、過大電流によ
るトランジスタの破壊を招くおそれがある。この問題点
を解決する従来技術として、特開昭62−272877号があ
る。この公報には、起動時にパワートランジスタの非破
壊領域に存在する最大起動保護パルス幅以下のパルス幅
を有するパルス列を制御信号として起動して、起動時に
おけるトランジスタの破壊防止をすることが記載されて
いる。
動させるための始動トルクが大きいため、過大電流によ
るトランジスタの破壊を招くおそれがある。この問題点
を解決する従来技術として、特開昭62−272877号があ
る。この公報には、起動時にパワートランジスタの非破
壊領域に存在する最大起動保護パルス幅以下のパルス幅
を有するパルス列を制御信号として起動して、起動時に
おけるトランジスタの破壊防止をすることが記載されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、直流を
交流に変換するインバータ制御装置において、初めて負
荷を駆動する場合は、負荷の初期故障や、配線の接続不
良などの理由から、その負荷が所望の特性通りでないお
それがある。一度インバータで正常運転した負荷でも長
期間使用せずにしておくと保存方法によっては、結露や
劣化などの理由により、その負荷の特性が変化してしま
うおそれがある。以上より、インバータ起動時、負荷そ
のものが所望の特性通りであるとは限らない。
交流に変換するインバータ制御装置において、初めて負
荷を駆動する場合は、負荷の初期故障や、配線の接続不
良などの理由から、その負荷が所望の特性通りでないお
それがある。一度インバータで正常運転した負荷でも長
期間使用せずにしておくと保存方法によっては、結露や
劣化などの理由により、その負荷の特性が変化してしま
うおそれがある。以上より、インバータ起動時、負荷そ
のものが所望の特性通りであるとは限らない。
【0005】また、通常、インバータの電流がトランジ
スタの破壊領域に達してしまいそうな時は、破壊領域に
達する直前に安全のためインバータを停止させている。
しかし、上記のように負荷が特性通りでない場合は、直
前にインバータを停止させようとしても、間に合わず、
インバータの立ち上がり電流が破壊領域に達してしま
い、トランジスタを破壊させてしまう問題がある。
スタの破壊領域に達してしまいそうな時は、破壊領域に
達する直前に安全のためインバータを停止させている。
しかし、上記のように負荷が特性通りでない場合は、直
前にインバータを停止させようとしても、間に合わず、
インバータの立ち上がり電流が破壊領域に達してしま
い、トランジスタを破壊させてしまう問題がある。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものである。インバータの起動時は、タ
ーンオン速度を下げ、通常運転時はターンオン速度を通
常に戻すことにする。よって、インバータ起動時の立ち
上がり電流を緩やかにし、トランジスタを破壊すること
なく十分安全にインバータを停止することができ、か
つ、定常運転時の損失を低減している。その結果、過電
流保護が容易なインバータ制御装置を提供することを目
的としている。
ためになされたものである。インバータの起動時は、タ
ーンオン速度を下げ、通常運転時はターンオン速度を通
常に戻すことにする。よって、インバータ起動時の立ち
上がり電流を緩やかにし、トランジスタを破壊すること
なく十分安全にインバータを停止することができ、か
つ、定常運転時の損失を低減している。その結果、過電
流保護が容易なインバータ制御装置を提供することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題がイ
ンバータ起動時のインバータの立ち上がり電流の傾きが
急に立ちあがることに起因することに着目し、起動時の
電流を緩やかにすることで過電流保護を図るものであ
る。
ンバータ起動時のインバータの立ち上がり電流の傾きが
急に立ちあがることに起因することに着目し、起動時の
電流を緩やかにすることで過電流保護を図るものであ
る。
【0008】具体的には、インバータ制御装置のインバ
ータのゲート電圧もしくはゲート抵抗をインバータ制御
装置内部で可変にする手段と、インバータ起動時はゲー
ト電圧を小さく、または抵抗を大きくするように前記装
置を制御する手段を設ける。
ータのゲート電圧もしくはゲート抵抗をインバータ制御
装置内部で可変にする手段と、インバータ起動時はゲー
ト電圧を小さく、または抵抗を大きくするように前記装
置を制御する手段を設ける。
【0009】このような構成にすることにより、起動時
のターンオン速度を下げることができ、起動時のインバ
ータに流れる電流の立ち上がりを緩やかにすることがで
きる。
のターンオン速度を下げることができ、起動時のインバ
ータに流れる電流の立ち上がりを緩やかにすることがで
きる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
づいて説明する。
【0011】図1は、エレベータを例とした本実施例の
全体構成を示す図である。図1の制御装置のブロック図
において、1は電源として利用する三相交流電源、2は
三相交流電源1のフィルタとして利用されるコンバータ
側のリアクトル、3はリアクトル2から出力された電流
を検出するコンバータ側の電流検出器、4は三相の交流
電力を直流電力に変換するコンバータ、5はコンバータ
4で整流した直流電圧を平滑する平滑コンデンサ、6は
平滑コンデンサ5で平滑した直流電圧を所定電圧および
所定周波数の交流電力に変換するインバータ、7はイン
バータ側のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)
のトランジスタ素子、8はトランジスタ素子7のターン
オン速度を可変にするための可変ゲート電圧、9はトラ
ンジスタ素子7のターンオン速度を可変にするための可
変ゲート抵抗、10はインバータ6から出力された電流
を検出するインバータ側の電流検出器、11はインバー
タ6のフィルタとして利用されるインバータ側のリアク
トル、12はインバータ6の出力によって回転する誘導
電動機、13は誘導電動機12の速度検出のためのエン
コーダ、14は誘導電動機12に直結されたエレベータ
の巻上機、15はエレベータのそらせ車、16は乗りか
ご、17はつり合いおもり、18はコンバータ側の電圧
を制御する電圧制御回路、19は電流検出器3と電圧制
御回路18から出力された信号で電流制御するコンバー
タ側のACR、20はACR19より出力された信号を
計算してコンバータ4を制御するコンバータ側のPWM
制御回路、21はインバータ6を制御するインバータ制
御装置、22はエンコーダ13より出力された信号を受
けとる速度制御回路、23は電流検出器10と速度制御
回路22から出力された信号で電流制御するインバータ
側のACR、24はACR23より出力された信号を計
算するインバータ側のPWM制御回路、25はトランジ
スタ素子7のターンオン速度を可変する可変ゲート電圧
8と可変ゲート抵抗9を可変させて制御するゲート駆動
制御回路である。
全体構成を示す図である。図1の制御装置のブロック図
において、1は電源として利用する三相交流電源、2は
三相交流電源1のフィルタとして利用されるコンバータ
側のリアクトル、3はリアクトル2から出力された電流
を検出するコンバータ側の電流検出器、4は三相の交流
電力を直流電力に変換するコンバータ、5はコンバータ
4で整流した直流電圧を平滑する平滑コンデンサ、6は
平滑コンデンサ5で平滑した直流電圧を所定電圧および
所定周波数の交流電力に変換するインバータ、7はイン
バータ側のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)
のトランジスタ素子、8はトランジスタ素子7のターン
オン速度を可変にするための可変ゲート電圧、9はトラ
ンジスタ素子7のターンオン速度を可変にするための可
変ゲート抵抗、10はインバータ6から出力された電流
を検出するインバータ側の電流検出器、11はインバー
タ6のフィルタとして利用されるインバータ側のリアク
トル、12はインバータ6の出力によって回転する誘導
電動機、13は誘導電動機12の速度検出のためのエン
コーダ、14は誘導電動機12に直結されたエレベータ
の巻上機、15はエレベータのそらせ車、16は乗りか
ご、17はつり合いおもり、18はコンバータ側の電圧
を制御する電圧制御回路、19は電流検出器3と電圧制
御回路18から出力された信号で電流制御するコンバー
タ側のACR、20はACR19より出力された信号を
計算してコンバータ4を制御するコンバータ側のPWM
制御回路、21はインバータ6を制御するインバータ制
御装置、22はエンコーダ13より出力された信号を受
けとる速度制御回路、23は電流検出器10と速度制御
回路22から出力された信号で電流制御するインバータ
側のACR、24はACR23より出力された信号を計
算するインバータ側のPWM制御回路、25はトランジ
スタ素子7のターンオン速度を可変する可変ゲート電圧
8と可変ゲート抵抗9を可変させて制御するゲート駆動
制御回路である。
【0012】三相交流電源1より入力された交流は交流
電力を直流電力に変換するコンバータ4で整流され、整
流した直流電圧を平滑するコンデンサ5で平滑され一定
電圧の直流に変換される。平滑された直流電圧は所定電
圧および所定周波数の交流電力に変換するインバータ6
で交流電力に変換され、インバータ6から出力された交
流電力をもとに誘導電動機12が回転する。この誘導電
動機12の回転により、エレベータの巻上機14が回転
し、乗りかご16が上下に移動する。
電力を直流電力に変換するコンバータ4で整流され、整
流した直流電圧を平滑するコンデンサ5で平滑され一定
電圧の直流に変換される。平滑された直流電圧は所定電
圧および所定周波数の交流電力に変換するインバータ6
で交流電力に変換され、インバータ6から出力された交
流電力をもとに誘導電動機12が回転する。この誘導電
動機12の回転により、エレベータの巻上機14が回転
し、乗りかご16が上下に移動する。
【0013】ここで、コンバータ側は、三相交流電源で
出力された交流電力を電流検出器3で検出し、それをA
CR19に送る。また、平滑コンデンサ5での直流電圧
の値をもとに電圧制御回路18に送り、ACR19で電
流検出器3からの信号とあわせてPWM回路20に送ら
れ、PWM回路で計算された信号でコンバータ側のそれ
ぞれのIGBTを制御している。
出力された交流電力を電流検出器3で検出し、それをA
CR19に送る。また、平滑コンデンサ5での直流電圧
の値をもとに電圧制御回路18に送り、ACR19で電
流検出器3からの信号とあわせてPWM回路20に送ら
れ、PWM回路で計算された信号でコンバータ側のそれ
ぞれのIGBTを制御している。
【0014】一方、インバータ側では、インバータ6で
変換された交流電力をインバータ側の電流検出器10で
検出し、それをACR23へ送る。また、インバータの
出力によって回転する誘導電動機12の速度を検出する
エンコーダ13から出力された信号を速度制御回路22
へ送り、ACR23で電流検出器10からの信号とあわ
せてPWM回路24に送られ、ゲート駆動制御回路を制
御するためにゲート駆動制御回路25へ送られる。ゲー
ト駆動制御回路25ではインバータの起動状態か定常運
転状態かを読み取り、IGBTのゲート電圧8およびI
GBTのゲート抵抗9の値を制御するようになってい
る。なお、ゲート電圧8はゲートにかかる電圧であり、
ゲート駆動制御回路25にてゲートにかかる電圧の値を
制御する。ゲート抵抗はゲート抵抗器の抵抗値であり、
ゲート駆動制御回路25にてゲート抵抗値を制御してい
る。
変換された交流電力をインバータ側の電流検出器10で
検出し、それをACR23へ送る。また、インバータの
出力によって回転する誘導電動機12の速度を検出する
エンコーダ13から出力された信号を速度制御回路22
へ送り、ACR23で電流検出器10からの信号とあわ
せてPWM回路24に送られ、ゲート駆動制御回路を制
御するためにゲート駆動制御回路25へ送られる。ゲー
ト駆動制御回路25ではインバータの起動状態か定常運
転状態かを読み取り、IGBTのゲート電圧8およびI
GBTのゲート抵抗9の値を制御するようになってい
る。なお、ゲート電圧8はゲートにかかる電圧であり、
ゲート駆動制御回路25にてゲートにかかる電圧の値を
制御する。ゲート抵抗はゲート抵抗器の抵抗値であり、
ゲート駆動制御回路25にてゲート抵抗値を制御してい
る。
【0015】最近のインバータ制御装置は、電圧駆動型
で制御が容易であり、大電流領域でのオン電圧が低く、
駆動周波数が高く、取り扱う電流や電圧範囲が広い、と
いう特徴を持つIGBTが用いられるようになってきて
いる。図1のブロック図は、IGBTを用いた電圧型イ
ンバータ装置で構成されている。
で制御が容易であり、大電流領域でのオン電圧が低く、
駆動周波数が高く、取り扱う電流や電圧範囲が広い、と
いう特徴を持つIGBTが用いられるようになってきて
いる。図1のブロック図は、IGBTを用いた電圧型イ
ンバータ装置で構成されている。
【0016】本発明の一実施例は、インバータ制御装置
21内のゲート駆動制御回路25を用いて、IGBTの
ゲート電圧8,IGBTのゲート抵抗9を制御してIG
BTのトランジスタ素子7のターンオン速度を変化させ
るものである。
21内のゲート駆動制御回路25を用いて、IGBTの
ゲート電圧8,IGBTのゲート抵抗9を制御してIG
BTのトランジスタ素子7のターンオン速度を変化させ
るものである。
【0017】図2は、図1中のインバータ制御装置21
のフロー図である。インバータ制御装置に、インバータ
起動の信号が入ると、速度制御回路が定常状態へ達する
までの速度を計算し、速度検出のエンコーダ13からの
信号をもとに、IGBTへ速度指令を送る。特にインバ
ータ起動時は誘導電動機12の始動トルクが大きいため
過電流となりやすいが、インバータ電流の立ち上がりを
緩くすることで過電流保護を容易にする。そのため、過
電流が発生しないように、スタート信号が入る(STE
P201)と、ゲート抵抗を大きく、もしくはゲート電
圧を小さくする指令が入る(STEP202)。定常運
転になるまでこの状態でIGBTへ速度指令を送り続
け、13から一定速度、すなわち定常運転の信号が入っ
たら、ゲート抵抗、もしくはゲート電圧の値を元に戻す
指令が入り、この値で定常運転を行う(STEP20
3,204)。よって、インバータ起動時のターンオン
速度を下げ、インバータの立ち上がり電流を緩やかにす
ることで、インバータの立ち上がり電流がIGBTのト
ランジスタの破壊領域に達してしまいそうな時でも、十
分安全にインバータを停止することができるため、トラ
ンジスタを破壊することがないインバータ制御装置が提
供できる。
のフロー図である。インバータ制御装置に、インバータ
起動の信号が入ると、速度制御回路が定常状態へ達する
までの速度を計算し、速度検出のエンコーダ13からの
信号をもとに、IGBTへ速度指令を送る。特にインバ
ータ起動時は誘導電動機12の始動トルクが大きいため
過電流となりやすいが、インバータ電流の立ち上がりを
緩くすることで過電流保護を容易にする。そのため、過
電流が発生しないように、スタート信号が入る(STE
P201)と、ゲート抵抗を大きく、もしくはゲート電
圧を小さくする指令が入る(STEP202)。定常運
転になるまでこの状態でIGBTへ速度指令を送り続
け、13から一定速度、すなわち定常運転の信号が入っ
たら、ゲート抵抗、もしくはゲート電圧の値を元に戻す
指令が入り、この値で定常運転を行う(STEP20
3,204)。よって、インバータ起動時のターンオン
速度を下げ、インバータの立ち上がり電流を緩やかにす
ることで、インバータの立ち上がり電流がIGBTのト
ランジスタの破壊領域に達してしまいそうな時でも、十
分安全にインバータを停止することができるため、トラ
ンジスタを破壊することがないインバータ制御装置が提
供できる。
【0018】ここで、図3は、実施例により生じた出力
電流の関係図である。26はゲート電圧とゲート抵抗が
通常の一定の値である時のインバータ電流の立ち上がり
曲線、27はゲート電圧を小さくもしくはゲート抵抗を
大きくした時のインバータ電流の立ち上がり曲線、28
はゲート電圧とゲート抵抗が通常の一定の値である時の
インバータ電流の立ち上がり直線、29はゲート電圧を
小さくもしくはゲート抵抗を大きくした時のインバータ
電流の立ち上がり直線である。28および29の直線は
インバータ電流の立ち上げ時の曲線の傾きを示すための
直線である。
電流の関係図である。26はゲート電圧とゲート抵抗が
通常の一定の値である時のインバータ電流の立ち上がり
曲線、27はゲート電圧を小さくもしくはゲート抵抗を
大きくした時のインバータ電流の立ち上がり曲線、28
はゲート電圧とゲート抵抗が通常の一定の値である時の
インバータ電流の立ち上がり直線、29はゲート電圧を
小さくもしくはゲート抵抗を大きくした時のインバータ
電流の立ち上がり直線である。28および29の直線は
インバータ電流の立ち上げ時の曲線の傾きを示すための
直線である。
【0019】図3の結果、通常の値と比べて、IGBT
のゲート電圧8を小さく、もしくはIGBTのゲート抵
抗9を大きくすると、ターンオン速度を下げることがで
き、インバータ起動時のインバータに流れる立ち上がり
電流が緩やかになることから、インバータで駆動する負
荷にかかわらず、インバータ起動時の立ち上がり電流が
破壊領域に達してしまいそうな時でも、十分安全にイン
バータを停止することができ、トランジスタを破壊する
ことのないインバータ制御装置が提供できる。
のゲート電圧8を小さく、もしくはIGBTのゲート抵
抗9を大きくすると、ターンオン速度を下げることがで
き、インバータ起動時のインバータに流れる立ち上がり
電流が緩やかになることから、インバータで駆動する負
荷にかかわらず、インバータ起動時の立ち上がり電流が
破壊領域に達してしまいそうな時でも、十分安全にイン
バータを停止することができ、トランジスタを破壊する
ことのないインバータ制御装置が提供できる。
【0020】これは、IGBTの性質から生じる現象よ
り説明できる。図4に示されるIGBTのターンオン速度と
飽和電圧特性図より、飽和電圧が大きくなるほどターン
オン速度が早くなり、小さくなるほどターンオン速度が
遅くなる。よって、ターンオン速度を遅くするために
は、飽和電圧、すなわち、ゲート電圧を小さくすればよ
いことになる。また、図5のIGBTのゲート抵抗とタ
ーンオン速度特性図より、ゲート抵抗が大きくなるほど
ターンオン速度が遅くなり、小さくなるほどターンオン
速度が速くなる。よって、ターンオン速度を遅くするた
めには、ゲート抵抗を大きくすればよいことになる。
り説明できる。図4に示されるIGBTのターンオン速度と
飽和電圧特性図より、飽和電圧が大きくなるほどターン
オン速度が早くなり、小さくなるほどターンオン速度が
遅くなる。よって、ターンオン速度を遅くするために
は、飽和電圧、すなわち、ゲート電圧を小さくすればよ
いことになる。また、図5のIGBTのゲート抵抗とタ
ーンオン速度特性図より、ゲート抵抗が大きくなるほど
ターンオン速度が遅くなり、小さくなるほどターンオン
速度が速くなる。よって、ターンオン速度を遅くするた
めには、ゲート抵抗を大きくすればよいことになる。
【0021】以上より、IGBTのゲート電圧を小さ
く、もしくはIGBTのゲート抵抗を大きくすることに
より、ターンオン速度が遅くなることから、インバータ
起動時にこの特性を利用すれば、インバータ起動時のタ
ーンオン速度が遅くなり、インバータ起動時のインバー
タの立ち上がり電流が緩くなるので、インバータが破壊
領域に達してしまいそうな時でも、十分安全にインバー
タを停止することができる。
く、もしくはIGBTのゲート抵抗を大きくすることに
より、ターンオン速度が遅くなることから、インバータ
起動時にこの特性を利用すれば、インバータ起動時のタ
ーンオン速度が遅くなり、インバータ起動時のインバー
タの立ち上がり電流が緩くなるので、インバータが破壊
領域に達してしまいそうな時でも、十分安全にインバー
タを停止することができる。
【0022】次に、図3に示した本実施例により生じた
出力電流の関係図の通り、起動時には、ゲート電圧を小
さくもしくはゲート抵抗を大きくすることにより、ター
ンオン速度を遅くすることが可能になる。そのときイン
バータ電流の立ち上がり、すなわち直線の傾きが、ゲー
ト電圧やゲート抵抗が一定の場合と比較してゲート電圧
を小さくもしくはゲート抵抗を大きくした場合の方が小
さくなる。
出力電流の関係図の通り、起動時には、ゲート電圧を小
さくもしくはゲート抵抗を大きくすることにより、ター
ンオン速度を遅くすることが可能になる。そのときイン
バータ電流の立ち上がり、すなわち直線の傾きが、ゲー
ト電圧やゲート抵抗が一定の場合と比較してゲート電圧
を小さくもしくはゲート抵抗を大きくした場合の方が小
さくなる。
【0023】ここで、インバータを用いて駆動する負荷
によっては、初めて負荷を使用する場合は、負荷の初期
故障や、配線の接続不良などの理由から、その負荷が特
性通り駆動されないおそれがある。一度インバータで正
常運転した負荷でも長期間使用せずにしておくと保存方
法によっては、結露や劣化などの理由により、その負荷
の特性が変化してしまうおそれがある。以上より、負荷
そのものが特性通りであるとは限らない。そのため、タ
ーンオン速度を遅く設定すれば、インバータ起動時にイ
ンバータの立ち上がり電流が破壊領域に達してしまいそ
うな時でも、インバータを停止させることが十分可能と
なる。以上より、インバータの立ち上がり電流の傾きを
緩やかにすることで、インバータ起動時のインバータ立
ち上がり電流に対する過電流保護が容易となる。また、
過電流保護のレベルを上げることが可能になる。
によっては、初めて負荷を使用する場合は、負荷の初期
故障や、配線の接続不良などの理由から、その負荷が特
性通り駆動されないおそれがある。一度インバータで正
常運転した負荷でも長期間使用せずにしておくと保存方
法によっては、結露や劣化などの理由により、その負荷
の特性が変化してしまうおそれがある。以上より、負荷
そのものが特性通りであるとは限らない。そのため、タ
ーンオン速度を遅く設定すれば、インバータ起動時にイ
ンバータの立ち上がり電流が破壊領域に達してしまいそ
うな時でも、インバータを停止させることが十分可能と
なる。以上より、インバータの立ち上がり電流の傾きを
緩やかにすることで、インバータ起動時のインバータ立
ち上がり電流に対する過電流保護が容易となる。また、
過電流保護のレベルを上げることが可能になる。
【0024】さらに、この状態でターンオン速度が遅い
状態で定常運転状態になると、図6のIGBTのターン
オン速度と損失との関係図の通り、定常運転時の損失が
大きくなり熱が発生する。そのため、定常運転時はIG
BTのゲート電圧およびIGBTのゲート抵抗を通常の値に
戻し、通常のターンオン速度で運転する。
状態で定常運転状態になると、図6のIGBTのターン
オン速度と損失との関係図の通り、定常運転時の損失が
大きくなり熱が発生する。そのため、定常運転時はIG
BTのゲート電圧およびIGBTのゲート抵抗を通常の値に
戻し、通常のターンオン速度で運転する。
【0025】本実施例では、IGBTの性質を生かし
て、インバータ起動時に、インバータのIGBTのゲー
ト電圧を小さく、もしくはゲート抵抗を大きくさせてタ
ーンオン速度を下げて起動することにし、インバータ起
動時のインバータ電流の立ち上がりを緩くすることによ
り、インバータ起動時にインバータ電流がトランジスタ
の破壊領域に達してしまいそうな時でも、安全にインバ
ータを停止させて、トランジスタを破壊させることのな
い、インバータ制御装置を提供し、過電流保護を容易に
するインバータ制御装置を提供するために行ったもので
ある。
て、インバータ起動時に、インバータのIGBTのゲー
ト電圧を小さく、もしくはゲート抵抗を大きくさせてタ
ーンオン速度を下げて起動することにし、インバータ起
動時のインバータ電流の立ち上がりを緩くすることによ
り、インバータ起動時にインバータ電流がトランジスタ
の破壊領域に達してしまいそうな時でも、安全にインバ
ータを停止させて、トランジスタを破壊させることのな
い、インバータ制御装置を提供し、過電流保護を容易に
するインバータ制御装置を提供するために行ったもので
ある。
【0026】また、本実施例によれば、定常運転時に
は、ゲート電圧およびゲート抵抗を通常の値に戻すこと
により損失が小さくなるため、インバータで駆動する負
荷に選択性のあるインバータ制御装置として提供するこ
とができる。
は、ゲート電圧およびゲート抵抗を通常の値に戻すこと
により損失が小さくなるため、インバータで駆動する負
荷に選択性のあるインバータ制御装置として提供するこ
とができる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、インバータ起動時にイ
ンバータ電流がトランジスタの破壊領域に達してしまい
そうな時でも、十分安全にインバータを停止させること
ができ、インバータの立ち上がり電流がトランジスタの
破壊領域に達することをなくすことができる。
ンバータ電流がトランジスタの破壊領域に達してしまい
そうな時でも、十分安全にインバータを停止させること
ができ、インバータの立ち上がり電流がトランジスタの
破壊領域に達することをなくすことができる。
【図1】エレベータを例とした本発明の一実施例を示す
制御装置のブロック図。
制御装置のブロック図。
【図2】本実施例のインバータ制御装置のフロー図。
【図3】本実施例により生じた出力電流の関係図。
【図4】IGBTのターンオン速度と飽和電圧特性図。
【図5】IGBTのゲート抵抗とターンオン速度特性
図。
図。
【図6】IGBTのターンオン速度と損失との関係図。
6…インバータ、7…インバータ側IGBTのトランジ
スタ素子、8…インバータ側IGBTのゲート電圧、9
…インバータ側IGBTのゲート抵抗、10…インバー
タ側の電流検出器、13…エンコーダ、21…インバー
タ制御装置、22…速度制御回路、23…インバータ側
のACR、24…インバータ側のPWM制御回路、25…
ゲート駆動回路、26…ゲート電圧とゲート抵抗が通常
の一定の値である時のインバータ電流の立ち上がり曲
線、27…ゲート電圧を小さくもしくはゲート抵抗を大
きくした時のインバータ電流の立ち上がり曲線、28…
ゲート電圧とゲート抵抗が通常の一定の値である時のイ
ンバータ電流の立ち上がり直線、29…ゲート電圧を小
さくもしくはゲート抵抗を大きくした時のインバータ電
流の立ち上がり直線。
スタ素子、8…インバータ側IGBTのゲート電圧、9
…インバータ側IGBTのゲート抵抗、10…インバー
タ側の電流検出器、13…エンコーダ、21…インバー
タ制御装置、22…速度制御回路、23…インバータ側
のACR、24…インバータ側のPWM制御回路、25…
ゲート駆動回路、26…ゲート電圧とゲート抵抗が通常
の一定の値である時のインバータ電流の立ち上がり曲
線、27…ゲート電圧を小さくもしくはゲート抵抗を大
きくした時のインバータ電流の立ち上がり曲線、28…
ゲート電圧とゲート抵抗が通常の一定の値である時のイ
ンバータ電流の立ち上がり直線、29…ゲート電圧を小
さくもしくはゲート抵抗を大きくした時のインバータ電
流の立ち上がり直線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸川 孝生 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所昇降機グループ内 Fターム(参考) 5H007 AA02 AA06 AA17 BB06 CA01 CB04 CB05 CC12 CC23 DB01 DC02 DC05 DC07 EA02 FA03 GA02 5H576 AA07 BB06 CC05 DD02 DD04 EE11 EE18 FF01 GG02 GG04 GG05 HA04 HB02 LL07 LL22 LL24 MM02
Claims (2)
- 【請求項1】直流を交流に変換するインバータを制御す
るインバータ制御装置において、前記インバータの起動
時にインバータ電流を緩やかに立ち上げる手段を備えた
インバータ制御装置。 - 【請求項2】請求項1において、前記インバータ電流を
緩やかに立ち上げる手段は、インバータのゲート電圧も
しくはゲート抵抗を、可変して制御することを特徴とす
るインバータ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000083223A JP2001268926A (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | インバータ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000083223A JP2001268926A (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | インバータ制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001268926A true JP2001268926A (ja) | 2001-09-28 |
Family
ID=18599900
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000083223A Pending JP2001268926A (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | インバータ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001268926A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008220119A (ja) * | 2007-03-07 | 2008-09-18 | Toyota Motor Corp | ゲート電圧制御回路及びゲート電圧制御方法 |
JP2010213501A (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-24 | Omron Corp | 電源制御装置および方法、並びにプログラム |
US7821306B2 (en) | 2007-06-19 | 2010-10-26 | Panasonic Corporation | Switching device drive circuit |
-
2000
- 2000-03-21 JP JP2000083223A patent/JP2001268926A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008220119A (ja) * | 2007-03-07 | 2008-09-18 | Toyota Motor Corp | ゲート電圧制御回路及びゲート電圧制御方法 |
US7821306B2 (en) | 2007-06-19 | 2010-10-26 | Panasonic Corporation | Switching device drive circuit |
JP2010213501A (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-24 | Omron Corp | 電源制御装置および方法、並びにプログラム |
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