JP4399240B2 - プラズマディスプレイパネル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルの封着に関し、特に、前面板と背面板の間隙を一定に規定できる封着構造に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPとする)の両基板の封着構造に関する背景技術としては、特開2000−82401号に開示されるものがある。
かかる封着(封止ともいう)技術は、封着材を介して重ね合わせた前面基板と背面基板の基板間空隙を排気して減圧状態としながら当該封着材を融着させる加熱及び冷却を行うものであり、減圧による空隙内外の圧力差によって両基板が溶融状態の封着材を押し潰しながら空隙内の放電空間区画用隔壁の高さまで引き寄せられて、かつその隔壁で間隙規定された状態の両基板が封着材の融着によって接合され封着が行われる構成である。この封着技術によれば、封着材を押し潰すための両基板に対する外部圧力(強力なバネ力を持つクリップによる圧力)が必要なくなるので基板に局部的なストレスをかけずに封着可能となるとともに、封着時間の大幅な短縮が可能となる。
特開2000−82401号
上記特開2000−82401号に開示された封着技術では、封着材が焼結していない溶解状態で基板間空隙が減圧状態となるため、その減圧力が大きくなった時は溶融状態にある封着材の一部が当該空隙内に吸い込まれて流出する事態が生じることにより、焼結後の封着材による基板間間隔(封止部の高さ)が隔壁による基板間間隔(放電空間の間隙)よりも低くなり、その結果として隔壁の中央部において基板内面との間に隙間が生じ基板の相対的移動を可能とすることから、表示動作中に基板間振動を誘発するという課題がある。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、封止部の高さを正確に規定できるプラズマディスプレイパネルの封着構造を提供することを目的とする。
本発明に係るプラズマディスプレイパネルは、対向する前面板と背面板の片方に放電空間を区画する隔壁を備え、背面板又は前面板の片方の基板の表示領域の外側に該表示領域を囲むように前記隔壁の高さより20〜40μm低い外周隔壁を設け、当該外周隔壁の頂部から内側壁部までに封着材を形成し、外周隔壁と前面板との間の外周隔壁と隔壁の高さの差分に相当する間隙に残存する前記封着材により前面板と背面板を貼合しているものである。このように本発明においては、外周隔壁が表示領域の外側に該表示領域を囲むように前記隔壁と同時に形成され、当該外周隔壁の頂部から内側壁部までに封着材を形成し前面板と背面板を貼合しているので、外周隔壁を形成して封着材と外周隔壁とで封着構造をなし封着材の加熱により生じる不純ガスを低減化し、隔壁と同じ高さの外周隔壁で封着して両基板の間隙を規定し振動による音の発生を防止できると共に外周隔壁と隔壁が同一材質で同時に形成され別途外周隔壁のための機器の導入費用を必要とせず、且つ、作業性もよく、隔壁と同一材質からなり同一原料を用いることができて生産コストも抑えることができ、さらに、隔壁と同様に形成されたポーラス状の外周隔壁を表示領域内から覆って密閉性を高めることができる。
また、前記外周隔壁が、前記隔壁の高さより低いので、外周隔壁の頂部及び表示領域内の側壁に封着材の低融点ガラスペーストを塗布し両基板を貼り合せたときに、低融点ガラスが両基板に挟まれて押圧されて外周隔壁の幅方向に流出するが、外周隔壁と前面板との間には外周隔壁と隔壁の高さの差分だけ間隙が生じており、この間隙に低融点ガラスペーストが残存し、十分な接着性と密閉性とを実現することができる。
また、本発明に係るプラズマディスプレイパネルは、対向する前面板と背面板の片方に放電空間を区画する隔壁を備え、背面板又は前面板の片方の基板の表示領域の外側に該表示領域を囲むように前記隔壁の高さより20〜40μm低い外周隔壁を設け、当該外周隔壁の頂部から外側壁部までに封着材を形成し、外周隔壁と前面板との間の外周隔壁と隔壁の高さの差分に相当する間隙に残存する前記封着材により前面板と背面板を貼合しているものである。このように本発明においては、外周隔壁が表示領域の外側に該表示領域を囲むように前記隔壁と同時に形成され、当該外周隔壁の頂部から外側壁部までに封着材を形成し前面板と背面板を貼合しているので、同様に不純ガスの低減化、基板間隙の規定並びに作業量及び製造コストの抑制を実現できると共に、この封着材となる低融点ガラスペーストを外周隔壁の頂部から外側壁部まで塗布し焼成しているとき外側壁部で不純ガスが生じて不純ガスが表示領域内で略生じず、より不純ガスの悪影響を低下させることができ、また、外周隔壁の頂部に低融点ガラスペーストを塗布した後に別途塗布することができ、例えば、前面板と背面板とを貼り合わせクリップで固定し焼成し、放電空間を真空状態にするべく排気した場合に、所定の真空状態とならなかったときに、外周隔壁の外側壁部に封着材の低融点ガラスペーストを塗布し焼成することができ、不良のPDPを廃棄することなく正常なPDPとすることができる。
また、本発明に係るプラズマディスプレイパネルは、対向する前面板と背面板の片方に放電空間を区画する隔壁を備え、背面板又は前面板の片方の基板の表示領域の外側に該表示領域を囲むように前記隔壁の高さより20〜40μm低い外周隔壁を設け、当該外周隔壁の内側壁部から頂部を介して外側壁部までに封着材を形成し、外周隔壁と前面板との間の外周隔壁と隔壁の高さの差分に相当する間隙に残存する前記封着材により前面板と背面板を貼合しているものである。このように本発明においては、外周隔壁が表示領域の外側に該表示領域を囲むように前記隔壁と同時に形成され、当該外周隔壁の内側壁部から頂部を介して外側壁部までに前面板と背面板を接着するための封着材を形成し前面板と背面板を貼合しているので、同様に不純ガスの低減化、基板間隙の規定並びに作業量及び製造コストの抑制を実現できると共に、外周隔壁の頂部及び両側壁に精度よく塗布しなくてもよく、大まかに外周隔壁を中心にして低融点ガラスペーストを塗布することができ作業性が著しく向上する。
また、本発明に係るプラズマディスプレイパネルは必要に応じて、前記前面板、背面板及び封着材によりに形成される空間の角部分に外周隔壁を設けないものである。このように本発明においては、前記前面板、背面板及び封着材によりに形成される空間の角部分に外周隔壁を設けないので、角部分に外周隔壁を設ける場合には、外周隔壁も角状に形成するために外周隔壁となる低融点ガラスペーストが角状に形成にされ、この角状に形成された低融点ガラスペーストを焼成すると、低融点ガラスペースト中の有機溶媒やバインダーがなくなって体積収縮し、その体積収縮により外周隔壁の角部分も隔壁の長手方向に引張られ、そのため角部分の中心部が盛り上がり角部分以外の外周隔壁の高さより高くなり通常であれば高さ調整を必要とするところであるが、角部分がないために外周隔壁の高さが一定となって適切に基板間隙を規定することができる。ここで、前記空間の角部分とは、PDPを上面から見た場合に形成されている角(直線的に曲がっているところ)部分であり、原則的には、封着材が形成されている部分を上面から見ると現れる矩形の四隅を指す。
また、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法は、対向する前面板と背面板を重ね合わせた後クリップにて仮固定するときに、当該クリップが隔壁群のうちの最外側に位置する隔壁の上を押圧するものである。このように本発明においては、クリップで前面板と背面板とを仮固定するときに、隔壁群のうちの最外側に位置する隔壁の上を押圧の上を押圧しているので、外周隔壁が隔壁より低く形成された場合に、表示領域内は隔壁により両基板の間隙が規定されており、また、外周隔壁を低く形成した部分に適切に封着材が形成される。すなわち、外周隔壁が隔壁より低く形成された場合に、外周隔壁をクリップで仮固定するとクリップの押圧力にもよるが、低く形成した分だけ外周隔壁部分の両基板の間隙が小さくなり、両基板全面に渡って両基板の間隙を一定に規定することができなくなる。
(本発明の第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るPDPについて図1ないし図4に基づき説明する。図1は本実施形態に係るPDPの背面板の上面図、図2は本実施形態に係る背面板の外周隔壁周辺の要部断面図、図3は本実施形態に係るPDPの要部斜視図、図4は本実施形態に係るPDPの両基板貼り付け後の外周隔壁周辺の要部断面図である。
前記各図において、本実施形態に係るPDPは、一対の表示電極12が複数形成された前面板10とアドレス電極22が複数形成された背面板20とを対向して配置し、これら複数の交差する表示電極12とアドレス電極22とが対応して3電極構造をなして表示領域40を有し、前面板10及び背面板20間の隔壁24で区画された放電空間にキセノンをネオンに混合した放電ガスを封入した構成で、特に、背面板20の表示領域の外側の基板周辺に枠状の外周隔壁30を隔壁24と共に形成し、この外周隔壁30の頂部30aから内側壁部30bまでに前面板10と背面板20を接着するための封着材31を形成し前面板10と背面板20を貼合している点に特徴を有するものである。なお、表示領域40の外側には数本のダミー隔壁(図示せず)が前記隔壁24と同時形成にて隣接して設けられている。
前記前面板10は、ガラス基板11上に表示電極12が形成され、この表示電極12上に誘電体層13が形成され、この誘電体層13の上には保護膜14が形成されている。面放電を発生する1対の表示電極12はガラス基板11上に平行して形成され、透明導電膜12aとこの透明導電膜12aの導電性を補うべく高い導電性を有するバス電極12bとからなる。誘電体層13は壁電荷による放電を維持するためのものであり、数十[μm]の膜厚を有する低融点ガラスからなる。保護膜14はMgOからなり、誘電体層13の上に数千[Å]の膜厚を有する。
前記背面板20は、ガラス基板21上にアドレス電極22がストライプ状に形成され、このアドレス電極22の上に誘電体層23が形成され、さらにこの誘電体層23の上にストライプ状に形成されたアドレス電極22間に隔壁24が形成されている。アドレス電極22はCr、Cu、Crの順の複数層の膜からなる。隔壁24は、膜厚が150[μm]ないし200[μm]であって、フィラーが含有した低融点ガラスからなる。この隔壁24間には誘電体層23の上及び隔壁側壁を覆うように蛍光体層25が形成される。この蛍光体層25は赤、緑、青の3色があり隔壁24間に順に連続して形成されている。駆動時には、表示電極対による放電によって短波長の紫外線が生じ、この紫外線で励起されて蛍光体層25が発光して表示がなされる。
以上、前面板10及び背面板20の基本的構造について説明したが、前記したように本実施形態に係るPDPは以下説明する外周隔壁30及び封着材31に特徴を有する。外周隔壁30は表示領域40の外側にそれを囲むように形成されている。前面板10及び背面板20の表示領域40には隔壁24で区画された放電空間41が構成されている。この放電空間41内に放電ガスが封入されており、放電ガスが外部に洩れないようにするために、一般的には、前面板10と背面板20間の周辺部を封着材31を用いて封止している。すなわち、前面板10のガラス基板11、背面板20のガラス基板21及び封着材31の低融点ガラス31aにより放電ガスがもれないようにしている。しかし、封着時に封着材31を融着させるべく加熱した際に不純ガスが発生し、この不純ガスにより前面板10の保護膜14や背面板20の蛍光体層25が影響を受ける。よって、本実施形態に係るPDPにおいては、従来封着材31のみで構成されていた封着構造に、外周隔壁30追加し、封着材31の構成比率を減らすことで、封着材31の焼成時に発生する不純ガスの低減化を図った。さらに、封着材31だけであれば、両基板の貼り合せ時に両基板に容易に押し潰されて確実に基板間隙を規定することができないため、貼り合せ時に既に焼成され十分な硬さを持った外周隔壁30を形成することでより確実に基板間隙を規定できるようにした。
外周隔壁30は、隔壁24と同じ高さであり、前記隔壁24と同一材質からなって隔壁24と同時に背面板20に形成する。したがって、隔壁形成工程内で同時に形成することができ、隔壁24を形成するための装置でそのまま外周隔壁30を形成することができる。すなわち、既存装置を用いるので、新たな装置の購入費用が発生せず、同一装置で連続して外周隔壁30を形成することができるので作業性の観点からも優れている。また、隔壁24と同一材質であり別途原料を用意する必要もない。隔壁24の形成方法としては、サンドブラスト法が一般的であるが、他の方法を用いても、隔壁24と同一材質からなり同時に同じ背面板20に形成するので、前記したよう経済性・作業性のメリットを得ることができる。サンドブラス法以外の他の方法は、例えば、印刷ペーストを複数回重ねて印刷して焼成する印刷法、感光性ドライフィルムフォトレジストをガラス基板21全体に貼付し露光して生じた隙間に低融点ガラスペーストを流入させて残りの感光性ドライフィルムフォトレジストを除去するアディティブ法及び低融点ガラスペーストを塗布し型押し成形する型押法がある。
封着材31は、このような外周隔壁30の頂部30aから内側壁部30bまでに塗布され、前面板10と背面板20を接着する。封着材31が外周隔壁30の頂部30aに塗布されるのは、封着材31により外周隔壁30と前面板10とを接着するためである。また、封着材31が外周隔壁30の内側壁部30bに塗布されるのは、接着するためではなく、焼成されてポーラス状に形成されている外周隔壁30を表示領域内部から覆って密封性を向上させるためである。したがって、放電空間41に面する外周隔壁30の全ての内側壁に封着材31が形成される必要がある。封着材31は、ディスペンサ等により塗布するのであるが、外周側壁30に直接塗布してもよいし、前面板10の背面板20の外周側壁30に対応する位置に塗布してもよいし、さらには、そのどちらにも塗布してもよく、前面板10と背面板20とを貼付したときに、図4に示すように形成されていればよい。但し、図4は加熱融着前の封着材について図示してあり、なお加熱して焼結すると塗布された封着材はこの図4の封着材より小さくなる。このようにバインダ等が消失する分まで考慮して封着材31を塗布する必要がある。ディスペンサ方式以外にも、スクリーン版を用いた印刷方式により封着材31を形成してもよい。
隔壁24は、材質的には、低融点ガラスフリット、バインダ、溶剤、アルミナ等のフィラーを混入させた低融点ガラスペーストを焼成したものであり、外周隔壁31も同様である。一方、封着材31は、材質的には、低融点ガラスフリット、バインダ、溶剤、鉛等のフィラーを混入させた低融点ガラスペースト31aを焼成したものである。外周隔壁30と封着材31の材質的相違点は、構成比率を別として、主にフィラーの種類による。隔壁24は単位発光領域を構成し、前面板10を支持すべくある程度の高さをもった所定形状としなければならず、外周隔壁24も両基板の間隙を規定するためにある程度の高さをもった所定形状としなければならない。このことから隔壁24と外周隔壁30は、ある程度の高さをもった所定形状を維持するために、アルミナ等のフィラーを必要とする。他方、封着材31は、前面板10と背面板20とを接着し、放電空間41の気密性を保つ必要があるので、焼成後にポーラス状となるフィラーを混入してはいけない。また、封着材31は、隔壁24及び外周隔壁30と同時に焼成(加熱)されるのではなく、隔壁24及び外周隔壁30が焼成されて背面板20を作成し、前面板10と背面板20とを貼り合わせた後に焼成され、隔壁24及び外周隔壁30を再び軟化させないために封着材31の焼成温度が隔壁24及び外周隔壁30の焼成温度より低くしないといけないので、Pb、Bi、Zn、P又はSnの酸化物を混入する。
次に、本実施形態に係るPDPの形成方法について説明する。形成方法を大まかに分けると、前面板10の製造工程、背面板20の製造工程、並びに、貼り合わせ、封着、排気及び放電ガスの封入からなる組立工程からなる。
前面板10の製造工程は、まず、ガラス基板11の全面にスパッタリングにより酸化スズ(SnO2)やインジウムとスズの合金酸化膜(ITO)等の薄膜を成膜し、ファトリソグラフィでパターン形成して透明導電膜12aを形成する。透明導電膜12aをガラス基板11に形成した後、Cr、Cu、Crの3層をスパッタリングにより成膜し、ファトリソグラフィでパターン形成してバス電極12bを形成する。透明導電膜12aとバス電極12bが形成されたガラス基板11の全面に低融点ガラスペーストをベタ印刷して誘電体層13を形成する。前面板10の製造工程の最後に、真空蒸着等の蒸着法により、酸化マグネシウム(MgO)を成膜し、保護膜14を形成する。
背面板20の製造工程は、まず、銀(Ag)やアルミニウム(Al)を材料として、スパッタリングにより薄膜をガラス基板21全面に形成し、ファトリソグラフィによりパターン形成してアドレス電極22を形成する。アドレス電極22が形成されたガラス基板21の全面に低融点ガラスペーストを印刷して焼成し所定厚みの誘電体層23を形成する。次に、隔壁24と外周隔壁30をすべく、最初に、低融点ガラスペーストをスクリーン印刷法等によりアドレス電極22を形成したガラス基板21の全面に塗布する。この塗布した低融点ガラスペーストの上に金属研磨材の切削に耐えうるドライフィルムフォトレジストを貼付け、ファトマスクを介して露光、現像を行って、レジストを隔壁24形成部分及び外周隔壁30形成部分にパターン形成する。レジストがパターン形成されたガラス基板21に対して、サンドブラスト装置により金属研磨材を射出し、レジストがパターン形成されていない低融点ガラスペースを切削する。切削後、レジストを除去することで、ガラス基板21の隔壁24形成部分及び外周隔壁30形成部分に所定形状になされた低融点ガラスペーストが形成される。この状態で背面板20を焼成炉に搬入し、500ないし600[℃]で焼成する(焼成前に乾燥工程がなされる場合がある)。この焼成により所定形状の低融点ガラスペーストが焼結し、バインダと溶媒が揮発し、隔壁24及び外周隔壁30を形成する。ストライプ状に形成された隔壁24間に蛍光体ペーストを充満するように充填し、乾燥・焼成して蛍光体層25を形成する。
組み立て工程は、外周隔壁30の内側壁部30b及び外周側壁30の頂部30aにディスペンサを用いて封着材の低融点ガラスペーストを塗布する。塗布した後に必要に応じて低融点ガラスペーストを乾燥・焼成する(ここでの焼成は形状を保つための焼成であり、完全に焼結させるためのものではない)。この低融点ガラスペーストを塗布した背面板20と前記前面板10とを対向させ、位置決めしてクリップにより仮固定をする。両基板の封着は放電空間を排気しかつ放電ガスを充填するための基板上の通気孔を利用して行なう。すなわち通気孔から排気を行い放電空間を減圧する。このように減圧しているために、両基板を相互に近づけるような吸引力が生じる。この減圧した状態で貼り合せた両基板を焼成炉で400[℃]前後で焼成する。この焼成により低融点ガラスペーストが焼結し、外周隔壁30の内側壁部30b及び外周側壁30の頂部30aに封着材31が形成され両基板が封着される。最後に、ガラス基板11、12及び封着材31で密閉された放電空間から排気して真空状態にして、ネオン(Ne)やキセノン(Xe)の放電ガスを封入する。ここでクリップで仮固定するとしたが、外周隔壁30が形成され、この外周隔壁30が両基板の間隙を規定できるので、両基板の表示領域40部分でなくて外周隔壁30部分をクリップで押圧する。このように外周隔壁30部分をクリップで押圧し、例え若干損傷が生じたとしても外周隔壁30としての機能を果たすことができれば、プラズマディスプレイパネルの表示等に与える影響はない。一方で、隔壁24をクリップで押圧した場合で損傷が生じた場合には、特に、前面板10の場合には表示に直接影響を与え、場合によりプラズマディスプレイパネル自体を破棄しなければならなくなり、歩留りが著しく悪化する。
このように本実施形態に係るPDPによれば、背面板20の表示領域の外側に枠状の外周隔壁30を隔壁24と共に形成し、この外周隔壁30の頂部30aから内側壁部30bまでに前面板10と背面板20を接着するための封着材31を形成し前面板10と背面板20を貼合しているので、外周隔壁30を形成して封着材31と外周隔壁30とで封着構造をなし封着材30の焼成により生じる不純ガスを低減化し、隔壁24と同じ高さの外周隔壁30で封着して両基板の間隙を規定し振動による音の発生を防止し、隔壁24と同様に形成されたポーラス状の外周隔壁30を表示領域40内から覆って密閉性を高めることができる。また、隔壁24と同一材質で構成し、同時に形成しているので、低融点ガラスペーストを塗布する装置、サンドブラスト装置等の隔壁24を形成するための装置を別途装置を用意することなく用いて、隔壁24と同時に形成しており、機器の導入費用を必要とせず、且つ、作業性もよく、隔壁24と同一材質からなり同一原料を用いることができて生産コストも抑えることができる。
なお、本実施形態に係るPDPにおいては、外周隔壁30を背面板20に形成しているが、前面板10に外周隔壁30を形成することもできる。
また、本実施形態に係るPDPにおいては、両基板を貼り合せ後に減圧した状態で焼成しているが、従来通り、両基板を貼り合せした後に焼成し、排気減圧し放電ガスを封入してもよく、この場合では減圧による両基板からの押し潰しはなくなるものの、クリップによる押圧による押し潰しが強く働くために、外周隔壁30で表示領域の端近傍をしっかりと支持し基板間隙を規定することができる。
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るPDPについて説明する。
本実施形態に係るPDPは、一対の表示電極12が複数形成された前面板10とアドレス電極22が複数形成された背面板20とを対向して配置し、これら複数の交差する表示電極12とアドレス電極22とが対応して3電極構造をなして表示領域40を有し、前面板10及び背面板20間の隔壁24で区画された放電空間にキセノンをネオンに混合した放電ガスを封入した前記第1の実施形態と同様の構成で、背面板20の表示領域40の外側に枠状の外周隔壁30を形成し、当該外周隔壁30の頂部30aから外側壁部30cまでに前面板10と背面板20を接着するための封着材31を形成し前面板10と背面板20を貼合している点に相違を有するものである。
本実施形態に係るPDPと前記第1の実施形態に係るPDPとの相違は、端的に説明すると、前者が封着材31を外側壁部30cに形成しているのに対し、後者が封着材31を内側壁部30bに形成していることである。この形成位置の相違の他に、形成方法においても違いはないが、他の形成方法を用いることができる。すなわち、封着材31を外周隔壁30の外側壁部30cに形成すればよいので、外周隔壁30の頂部30aに低融点ガラスペーストを塗布した後、前面板10と背面板20とを貼り合せてクリップで固定した後に、貼り合せた前面板10と背面板20との隙間から封着材の低融点ガラスペーストを外周隔壁30の外側壁部30cに塗布することができる。このように低融点ガラスペーストを外周隔壁30の外側壁部30cに塗布するのは、前面板10と背面板20とを貼り合せた後、放電ガスを封入する前までに行うことができる。例えば、外周隔壁30の頂部30aに塗布した低融点ガラスペーストを焼成した後に、この低融点ガラスペーストより融点の低い低融点ガラスペーストを外周隔壁30の外側壁部30cに塗布し、この低融点ガラスペーストだけを焼成することもできる。
このように本実施形態に係るPDPによれば、背面板20の表示領域40の外側に枠状の外周隔壁30を形成し、当該外周隔壁30の頂部30aから外側壁部30cまでに前面板10と背面板20を接着するための封着材31を形成し前面板10と背面板20を貼合しているので、前記第1の実施形態に係るPDPの効果に加えて、この封着材31となる低融点ガラスペーストを外周隔壁30の頂部30aから外側壁部30cまで塗布し焼成しているとき外周隔壁30の外側壁部30cで不純ガスが生じて不純ガスが表示領域40内で略生じずより不純ガスの悪影響を低下させることができ、また、外周隔壁30の頂部30aに低融点ガラスペーストを塗布した後に別途塗布することができ、例えば、前面板10と背面板20とを貼り合わせクリップで固定し、放電空間を真空状態にするべく排気した場合に、所定の真空状態とならなかったときに、外周隔壁30の外側壁部30cに低融点ガラスペーストを塗布し焼成することができ、不良のPDPを廃棄することなく正常なPDPとすることができる。
なお、本実施形態に係るPDPにおいて、封着材31を外周隔壁30の内側壁部30bから頂部30aを介して外側壁部30cまでに形成し(図5参照)、前面板10と背面板20を貼合することもでき、外周隔壁30の頂部30a及び両側壁に精度よく塗布しなくてもよく、大まかに外周隔壁30を中心にして低融点ガラスペーストを塗布することができ作業性が著しく向上する。なるべく、パネル内部に封着材の低融点ガラスペーストを塗布しないように、外周隔壁30の外側壁部30cを中心に塗布することが好ましい。
(本発明の第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るPDPについて説明する。
本実施形態に係るPDPは、前記第1の実施形態に係るPDPと同様に構成するが、枠上の外周隔壁30が、放電空間を区画する隔壁24の高さより20[μm]低く形成されている。
前記外周隔壁30が隔壁24より低く形成されると、外周隔壁30の頂部30aに塗布できる封着材31の低融点ガラスペーストの量を多くすることができる。すなわち、外周隔壁30の高さを変更することによって、外周隔壁30の頂部30aに塗布される低融点ガラスの塗布量を調整することができる。しかし、あまりにも外周隔壁30が隔壁24より低くすると、不純ガスの発生の低減化及び基板間の間隙の規定といった効果が働かなくなるので、おおよそ40[μm]程度までが望ましい。
このように外周隔壁30を隔壁24より低く形成するためには、以下のような方法で形成できる。隔壁24及び外周隔壁30の材料である低融点ガラスをアドレス電極22の上の誘電体層23に塗布する場合に、隔壁形成部分から基板の縁に向かって低くなるように塗布することで、後の工程は前記第1の実施形態に係る背面板20の製造工程と同様に行って、隔壁24より低い外周隔壁30を形成することができる。ここで、隔壁形成部分から基板の縁に向かって低くなるように塗布としたが、外周隔壁形成部分だけを低く低融点ガラスペーストを形成できればよい。他には、サンドブラスト法でなく、型押で行うときには、より単純に、隔壁より低い外周隔壁30の形状となるような型を用いることができる。
また、両基板をクリップで仮固定するとき、前記第1の実施形態のように両基板の外周隔壁30部分をクリップで仮固定するのではなく、隔壁24群のうちのダミー隔壁と呼ばれる外側の隔壁をクリップで仮固定することが望ましい場合がある。特に、両基板の間隙を小さくする程にクリップの押圧力が強い場合には、本実施形態に係る外周隔壁30は隔壁24より低く形成されており、外周隔壁30部分を押圧されると両基板の間隙が小さくなって間隙を適切に規定することができない。さらには、折角外周隔壁30を低くして封着材31が残存できずスペースを設けたにも拘らず、形成された封着材31が逃げて結局外周隔壁30の頂部30aに残存できず、所望の接着性を得ることができない。
このように本実施形態に係るPDPによれば、前記外周隔壁30が、前記隔壁24の高さより20[μm]低いので、前記第1の実施形態に係るPDPの効果に加えて、外周隔壁30の頂部30a及び内側壁部30bに封着材31の低融点ガラスペーストを塗布し両基板を貼り合せたときに、低融点ガラスが両基板に挟まれて押圧されて外周隔壁30の幅方向に流出するが、外周隔壁30と前面板10との間には外周隔壁30と隔壁24の高さの差分だけ間隙が生じており、この間隙に低融点ガラスペーストが残存し、十分な接着性と密閉性とを実現することができる。
(本発明の第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係るPDPについて図6または図7に基づき説明する。図6は本実施形態に係るPDPの背面板の上面図、図7は本実施形態に係る背面板の外周隔壁周辺の要部断面図である。
本実施形態に係るPDPでは、前記外周隔壁30を第1の外周隔壁301とし、当該第1の外周隔壁301が形成されている基板に第1の外周隔壁301の外周に枠状の第2の外周隔壁302を形成、つまり外周隔壁30を2重に形成する。そして2重形態の第1の外周隔壁301及び第2の外周隔壁302の頂部301a、302a並びに第1の外周隔壁301と第2の外周隔壁302との間に封着材31を形成している。
このように第1の外周隔壁301だけでなく、第2の外周隔壁302をも形成するためには、前記第1の実施形態に係るPDPの隔壁24及び外周隔壁30の形成方法に用いたフォトマスクの形状に、第2の外周隔壁302の部分を形成するだけでよい。また、第1の外周隔壁301と第2の外周隔壁302との間に封着材31の低融点ガラスペーストを塗布するときは、第1の外周隔壁301と第2の外周隔壁302とで形成される凹部30fに低融点ガラスを第1の外周隔壁301と第2の外周隔壁302の高さ以上に山盛り状に塗布する。こうすることにより、両基板を貼り合せたときに、第1の外周隔壁301と第2の外周隔壁302の高さ以上に塗布された部分が両基板に押圧されて外周隔壁の幅方向に流出し、確実に第1の外周隔壁301及び第2の外周隔壁302の頂部301a、302aに低融点ガラスペーストが残留することとなる。なお、当然に、低融点ガラスペーストを、第1の外周隔壁301及び第2の外周隔壁302の頂部301a、302a、第1の外周隔壁301と第2の外周隔壁302により形成される凹部30fに塗布してもよい。このような凹部30fへの塗布には蛍光体ペーストを充填する技術を転用することができる。
このように本実施形態に係るPDPによれば、外周隔壁30を2重に形成し、その2重
の第1の外周隔壁301及び第2の外周隔壁302の頂部301a、302a並びに第1の外周隔壁301と第2の外周隔壁302との間に封着材31を形成しているので、前記第1の実施形態に係るPDPの効果に加えて、外周隔壁30の頂部30a及び両側壁部30b、30cに精度よく塗布しなくてもよく、大まかに第1の外周隔壁301と第2の外周隔壁302により形成される凹部30fに塗布することで、両基板の貼り付け後に封着材低融点ガラスペーストが第1の外周隔壁301及び第2の外周隔壁302の頂部301a、302aにも残留し、適切に封着材31が形成され、封着材31と前面板10との接する表面積が大きくなることでより安定した接着性を得ることができる。
(本発明の第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係るPDPについて図8または図9に基づき説明する。図8は本実施形態に係る背面板の外周隔壁周辺の要部断面図、図9は本実施形態に係るPDPの両基板貼り付け後の外周隔壁周辺の要部断面図である。
本実施形態に係るPDPは、隔壁24及び外周隔壁303が背面板20の基材であるガラス基板21を切削加工して形成し、当該外周隔壁303の頂部303aに前面板10と背面板20を接着するための封着材31を形成し前面板10と背面板20を貼合している点を特徴としている。
本実施形態に係るPDPと前記第1の実施形態に係るPDPとの相違は、端的に説明すると、外周隔壁303がガラス基板21の一部から構成され、外周隔壁303の頂部303aに低融点ガラスペーストを塗布して封着材31を形成していることである。
以下、本実施形態に係る背面板の形成方法について説明する。まず、ガラス基板21の上に感光性レジストを塗布し、パターンマスクを介して露光、現像してレジストを隔壁部分及び外周隔壁部分にパターン形成する。このレジストをパターン形成したガラス基板21に、フッ酸によるウェットエッチング(等方性エッチング)を行い、所定形状の隔壁24と外周隔壁303が形成される。なお、ガラス基板の切削はサンドブラスト加工法を使用してもよい。パターン形成したレジストを残置させたまま、スパッタリングによりレジストが形成されていない部分にニッケル(Ni)、金(Au)等の金属層を形成する。さらに、感光性レジストを金属層の上に塗布し、アドレス電極22を形成する部分のみレジストを残すように露光、現像して所望のレジストを形成する。このレジストを用いてアドレス電極部分だけに金属層を残存させて、アドレス電極22を形成する。最後に、レジストを除去した後に、蛍光体を隔壁24間に塗布する。
第1の実施形態に係るPDPの形成方法と異なる部分は、両基板の貼り付け前に、背面板20の外周隔壁303の頂部303aのみに封着材31の低融点ガラスペーストを塗布する点である。なお、外周隔壁303の頂部303a以外の両壁に低融点ガラスペーストを塗布してもよいが、特に、表示領域40内の側壁部30bに塗布することは焼成時に不純ガスが発生し、折角封着材31を内側壁部303bに塗布しなくともガラス基板21の一部からなる外周隔壁303は密閉性を高く維持することができるため、不要である。
このように本実施形態に係るPDPによれば、背面板20のガラス基板を加工して隔壁24と外周隔壁303を形成し、当該外周隔壁303の頂部303aに前面板10と背面板20を接着するための封着材31を形成し前面板10と背面板20を貼合しているので、封着材31を外周隔壁303の内側壁部303b、外側壁部303cに形成しなくとも外周隔壁303がガラス基板21の一部からなりポーラス状となっておらず、接着性という観点から封着材31が外周隔壁303の頂部303aのみ形成されているだけで高い密閉性を有することができ、封着材31の塗布量を最小限に抑えることができ、不純ガスの発生の低減に繋がる。
(本発明の第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係るPDPについて図10に基づき説明する。図10は本実施形態に係るPDPの背面板の上面図及び要部拡大図である。
本実施形態に係るPDPは、前記第1の実施形態と同様の構成であり、前記前面板10、背面板20及び封着材31によりに形成される空間の角部分に外周隔壁304を設けない点に相違を有するものである。
このように外周隔壁304を角部分に形成しないためには、前記第1の実施形態に係るPDPの隔壁24及び外周隔壁30の形成方法に用いたフォトマスクの形状に角部分を形成しなければよい。その他の形成方法は、前記第1の実施形態に係るPDPと同様である。
前記第1の実施形態に係るPDPのように外周隔壁30を枠状に形成する場合には、外周隔壁30となる低融点ガラスペーストが枠上に形成にされ、この枠状に形成された低融点ガラスペーストを焼成すると、ペースト中の溶媒やバインダーがなくなって体積収縮し、その体積収縮により外周隔壁30の角部分が隔壁24の長手方向に引張られ、そのために角部分の中心部が盛り上がり角部分以外の外周隔壁30の高さより高くなり、従ってその高さ調整を必要とする。しかし、本実施形態は、当該角部分がないために外周隔壁304の高さが一定となってより適切に基板間隙を規定することができる。
なお、本実施形態に係るPDPにおいては、角部分の外周隔壁を形成しないとしたが、角部分を円弧状に形成することもでき、円弧状の一部分が集中的に両方向に引かれることがないために、盛り上がることなく外周隔壁の高さを一定に保つことができる。
また、本実施形態に係るPDPにおいては、角部分の外周隔壁を形成しないとしたが、角部分に小さな外周隔壁をスポット的に設けてもよく、盛り上がりを形成することなく角部分の基板間隙を確実に規定することができる。
(その他の実施形態)
前記各実施形態に係るPDPにおいて、前記外周隔壁30及び封着材31の熱膨張係数が、背面板20の熱膨張係数から10×10 -7 [cm・deg/℃]を引いた熱膨張係数以上にすることもでき、背面板20と外周隔壁30の熱膨張係数がこの関係を有する場合には外周隔壁30となる低融点ガラスペーストを焼成・焼結させた後の徐冷によるガラスの収縮度合いの差異が少なくクラックが生じず、また、封着材31も同様に外周隔壁30となる低融点ガラスペーストを焼成・焼結させた後の徐冷によるガラスの収縮度合いの差異が少なくクラックが生じず、歩留よくPDPを製造することができる。
また、前記各実施形態に係るPDPにおいて、前記封着材31が接着性を有する感光性材料からなることもでき、封着材31となる感光性材料を外周隔壁30の頂部30a又は側壁部30b、30cに塗布若しくは印刷し、両基板を貼り付けた後に焼成することなく露光・現像することで、封着材31が形成され、焼成しないためガラスの熱膨張を考慮することなく、また、PDPを冷却することなく迅速にPDPを製造することができる。感光性材料としては、例えば、紫外線硬化樹脂がある。
また、前記各実施形態に係るPDPにおいて、前記封着材31が樹脂からなることもでき、封着材31となる樹脂を外周隔壁30の頂部30a又は側壁部30b、30cに塗布し、両基板を貼り付けた後に低融点ガラスペーストを焼成する程基板が高温とならず、乾燥により封着材31を形成することができ、高温とならないためガラスの熱膨張を考慮することなく、また、PDPを冷却することなく迅速にPDPを製造することができる。樹脂としては、例えば、真空シール材がある。
また、前記各実施形態に係るPDPにおいて、外周隔壁30の頂部30aを粗面とすることもでき、封着材31となる低融点ガラスペーストを塗布したときに、塗布した低融点ガラスが頂部30aから流れ落ちても一部残留して頂部30aに適切に封着材31を形成することができる。このように頂部30aを粗面にする場合に、内側壁部30bに封着材31を形成するとき頂部30aの面を表示逆領域40方向へいく程粗くし、外側壁部30cに封着材31を形成するとき頂部の面を表示領域40方向へいく程粗くし、外周隔壁30の頂部30aから所望の方向のみに頂部30aに塗布した低融点ガラスペーストが流れ落ちるようにすることができる。
また、前記各実施形態に係るPDPにおいて、2重、3重と複数外周隔壁30を形成する場合に、内周の外周隔壁を貼り付け時に鉛直上方向になるように形成し、この内周の外周隔壁を次に取り囲む外周の外周隔壁を取り付け時に鉛直下方向になるように形成し、封着材31の低融点ガラスペーストを内周の外周隔壁の頂部30a及び外側壁部30cに塗布することもでき、塗布した封着材31のための低融点ガラスペーストが内周の外周隔壁から外周の外周隔壁へ流れ出し、少なくとも外周の外周隔壁の頂部30aに確実に封着材31が形成される。
また、前記各実施形態に係るPDPにおいて、2重、3重と複数外周隔壁30を形成する場合に、この複数外周隔壁30に大量に封着材31のための低融点ガラスペーストを塗布することもでき、両基板を貼り付けることにより大量の低融点ガラスペーストが均されて確実に一部の外周隔壁30の頂部30a及び側壁部30b、30cを覆う封着材31を形成することができる。
また、前記各実施形態に係るPDPにおいて、外周隔壁30の側壁部30b、30cに低融点ガラスペーストを塗布する工程と、外周隔壁30の頂部30aに低融点ガラスペーストを塗布する工程とを別々にすることもでき、確実にそれぞれの封着材31を形成することができる。
本発明の第1の実施形態に係るPDPの背面板の上面図である。 本発明の第1の実施形態に係る背面板の外周隔壁周辺の要部断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るPDPの要部斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るPDPの両基板貼り付け後の外周隔壁周辺の要部断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る背面板の外周隔壁周辺の要部断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るPDPの背面板の上面図である。 本発明の第4の実施形態に係る背面板の外周隔壁周辺の要部断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る背面板の外周隔壁周辺の要部断面図である。 本発明の第5の実施形態に係るPDPの両基板貼り付け後の外周隔壁周辺の要部断面図である。 本発明の第6の実施形態に係るPDPの背面板の上面図及び要部拡大図である。
符号の説明
10 前面板
11 ガラス基板
12 表示電極
12a 透明導電膜
12b バス電極
13 誘電体層
14 保護膜
20 背面板
21 ガラス基板
22 アドレス電極
23 誘電体層
24 隔壁
25 蛍光体層
30 外周隔壁
30a 頂部
30b 内側壁部
30c 外側壁部
30f 凹部
301 第1の外周隔壁
301a 頂部
302 第2の外周隔壁
302a 頂部
303 外周隔壁
303a 頂部
303b 内側壁部
303c 外側壁部
304 外周隔壁
31 封着材
40 表示領域
41 放電空間

Claims (5)

  1. 対向する前面板と背面板の片方に放電空間を区画する隔壁を備えるプラズマディスプレイパネルにおいて、
    背面板又は前面板の片方の基板の表示領域の外側に該表示領域を囲むように前記隔壁の高さより20〜40μm低い外周隔壁を設け、当該外周隔壁の頂部から内側壁部までに封着材を形成し、外周隔壁と前面板との間の外周隔壁と隔壁の高さの差分に相当する間隙に残存する前記封着材により前面板と背面板を貼合していることを
    特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 対向する前面板と背面板の片方に放電空間を区画する隔壁を備えるプラズマディスプレイパネルにおいて、
    背面板又は前面板の片方の基板の表示領域の外側に該表示領域を囲むように前記隔壁の高さより20〜40μm低い外周隔壁を設け、当該外周隔壁の頂部から外側壁部までに封着材を形成し、外周隔壁と前面板との間の外周隔壁と隔壁の高さの差分に相当する間隙に残存する前記封着材により前面板と背面板を貼合していることを
    特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  3. 対向する前面板と背面板の片方に放電空間を区画する隔壁を備えるプラズマディスプレイパネルにおいて、
    背面板又は前面板の片方の基板の表示領域の外側に該表示領域を囲むように前記隔壁の高さより20〜40μm低い外周隔壁を設け、当該外周隔壁の内側壁部から頂部を介して外側壁部までに封着材を形成し、外周隔壁と前面板との間の外周隔壁と隔壁の高さの差分に相当する間隙に残存する前記封着材により前面板と背面板を貼合していることを
    特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記前面板、背面板及び封着材により形成される空間の角部分に外周隔壁を設けないことを
    特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルを製造するプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    対向する前面板と背面板を重ね合わせた後クリップにて仮固定するときに、当該クリップが隔壁群のうちの最外側に位置する隔壁の上を押圧することを
    特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法
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