JP2007073191A - 表示パネルの封着方法およびその装置 - Google Patents

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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
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Abstract

【課題】パネル封着時のパネル内とパネル外の圧力差を適切に設定することで、パネルの封着状態を良好にする。
【解決手段】表示パネルとして機能する構成要素を形成した前面側の基板と背面側の基板とを、一方の基板の周辺に加熱により溶着する封着材を配置して対向させ、両基板からなるパネルの封着材を加熱して封着する際、パネル内の圧力をパネル外の圧力よりも小さくし、かつパネル内外の圧力差が5〜95kPaの範囲となるように調整しながら、パネル内の排気を行うとともにパネル内に圧力調整ガスを導入する。
【選択図】図2

Description

本発明は、表示パネルの封着方法およびその装置に関し、さらに詳しくは、たとえば前面側の基板と背面側の基板からなるプラズマディスプレイパネル(PDP)を封着する際の封着状態を良好にする封着方法およびその装置に関する。
表示パネルとしてPDPを例に挙げて説明する。従来のPDPとして、AC駆動型の3電極面放電型PDPが知られている。このPDPは、一方の基板(例えば前面側の基板)の内面に面放電が可能な表示電極を水平方向に多数設け、他方の基板(例えば背面側の基板)の内面に発光セル選択用のアドレス電極を表示電極と交差する方向に多数設け、表示電極とアドレス電極との交差部を1つのセル(単位発光領域)とするものである。1画素は、赤色(R)セルと、緑色(G)セルと、青色(B)セルとの3つのセルで構成される。
前面側の基板の表示電極は誘電体層で覆われている。背面側の基板のアドレス電極も誘電体層で覆われ、アドレス電極とアドレス電極との間には隔壁が形成され、Rセル、Gセル、Bセルの各対応領域の隔壁間には、それぞれR用、G用、B用の蛍光体層が形成されている。
PDPは、このように作製した前面側の基板と背面側の基板とを対向させ、一方の基板の周辺に封着材を配置し、加熱により封着材を溶融させて両基板を封着した後、パネル内部に放電ガスを封入することにより製造されている。
このパネルを封着する工程は、通常は、大気圧(1気圧)中、つまりパネル内とパネル外とを同じ大気圧状態にして行われるか、あるいはパネル外を大気圧状態にし、パネル内を真空状態にして行われていた(特許文献1参照)。
特開2001−15026号公報
しかしながら、パネル内とパネル外を大気圧にしてパネルの封着を行うと、封着材のつぶれ量が不十分になるため、背面側の隔壁と前面側の基板との間に空隙が生じ、その空隙により、パネルを表示した際にパネル内の電極に印加される周期的な電圧に前面側の基板が共振し、それにより騒音が発生することがあった。
また、パネル外を大気圧状態にし、パネル内を真空状態にしてパネルの封着を行うと、封着材がつぶれすぎるため、この場合も背面側の隔壁と前面側の基板との間に空隙が生じ、上記と同様に騒音が発生することがあった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、パネル封着時のパネル内とパネル外の圧力差を適切に設定することで、パネルの封着状態を良好にするものである。
本発明は、表示パネルとして機能する構成要素を形成した前面側の基板と背面側の基板とを、一方の基板の周辺に加熱により溶着する封着材を配置して対向させ、これらの基板からなるパネルの封着材を加熱して封着する際、パネル内の圧力をパネル外の圧力よりも小さくし、かつパネル内外の圧力差が5〜95kPaの範囲となるように調整しながら、パネル内の排気を行うとともにパネル内に圧力調整ガスを導入することを特徴とする表示パネルの封着方法である。
本発明によれば、封着時に、背面側の隔壁と前面側の基板との間に空隙が生じないので、パネルを表示した際の前面側の基板の共振がなくなり、パネル表示時の騒音の発生を抑制することができる。
本発明において、前面側の基板と背面側の基板は、表示パネルとして機能する構成要素を形成したものであればよい。この前面側の基板と背面側の基板としては、ガラス、石英、セラミックス等の基板が含まれる。表示パネルとして機能する構成要素としては、たとえば表示パネルがプラズマディスプレイパネルである場合には、電極、誘電体層、保護膜、隔壁、蛍光体層等が挙げられる。
封着材は、一方の基板の周辺に配置可能で、加熱により溶着するものであればよい。この封着材としては、たとえば低融点ガラスフリットに、バインダー樹脂、溶媒等を混合した低融点ガラスペーストを塗布して、仮焼成したものを用いることができる。
封着材の加熱、封着は、たとえばヒーターを設けたチャンバー内にパネルを配置することで行うことができる。このとき用いるヒーターは、ニクロム線や赤外線等の、当該分野で公知の各種のヒーターを適用することができる。
封着材を加熱して封着する際は、パネル内の圧力をパネル外の圧力よりも小さくし、かつパネル内外の圧力差が20〜80kPaの範囲となるように調整することが望ましい。
この場合、パネル内を真空状態にし、パネル外を大気圧よりも低い減圧状態にしてもよく、あるいは、パネル内を大気圧よりも低い減圧状態にし、パネル外を大気圧にしてもよく、またあるいは、パネル内を大気圧にし、パネル外を大気圧以上の加圧状態にしてもよい。
圧力調整ガスとしては、アルゴンガスを用いることが望ましいが、窒素ガスまたは乾燥空気を用いてもよい。あるいはアルゴンガス、窒素ガス、乾燥空気等を混合したガスを用いてもよい。また、たとえば表示パネルがPDPである場合には、PDP内に充填する放電ガスを圧力調整ガスとして用いてもよい。この場合には、PDP内から圧力調整ガスを抜いて、放電ガスを充填する手間が省ける。
本発明は、また、上記いずれかの封着方法で封着された表示パネルである。
本発明は、さらに、表示パネルとして機能する構成要素が形成されるとともに一方の基板の周辺に加熱により溶着する封着材が配置された前面側の基板と背面側の基板とからなるパネルを内部に配置することが可能なチャンバーと、チャンバー内に配置されたパネルを加熱する加熱部と、チャンバー内を減圧または加圧する第1圧力ポンプと、チャンバー内に圧力調整ガスを導入する第1ガス導入部と、チャンバー内の圧力を計測する第1圧力計と、パネル内を減圧または加圧する第2圧力ポンプと、パネル内に圧力調整ガスを導入する第2ガス導入部と、パネル内の圧力を計測する第2圧力計と、第1圧力計と第2圧力計との双方の圧力を検出し、パネル内の圧力をチャンバー内の圧力よりも小さくし、かつパネル内外の圧力差が5〜95kPaの範囲となるように、加熱部、第1圧力ポンプ、第1ガス導入部、第2圧力ポンプ、および第2ガス導入部を制御しながら、前面側の基板と背面側の基板とを加熱して封着した後、パネル内の排気を行うとともにパネル内に圧力調整ガスを導入させる制御部とを備えてなる表示パネルの封着装置である。
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を詳述する。なお、本発明はこれによって限定されるものではなく、各種の変形が可能である。
図1(a)および図1(b)は本発明の封着方法により封着されたPDPの構成を示す説明図である。図1(a)は全体図、図1(b)は部分分解斜視図である。このPDPはカラー表示用のAC駆動型の3電極面放電型PDPである。
PDP10は、PDPとして機能する構成要素が形成された前面側の基板11と背面側の基板21から構成されている。前面側の基板11と背面側の基板21としては、ガラス基板、石英基板、セラミック基板等を使用することができる。
前面側の基板11の内側面には、水平方向に表示電極Xと表示電極Yが等間隔に配置されている。隣接する表示電極Xと表示電極Yとの間が全て表示ラインLとなる。各表示電極X,Yは、ITO、SnO2などの幅の広い透明電極12と、例えばAg、Au、Al、Cu、Cr及びそれらの積層体(例えばCr/Cu/Crの積層構造)等からなる金属製の幅の狭いバス電極13から構成されている。表示電極X,Yは、Ag、Auについてはスクリーン印刷のような厚膜形成技術を用い、その他については蒸着法、スパッタ法等の薄膜形成技術とエッチング技術を用いることにより、所望の本数、厚さ、幅及び間隔で形成することができる。
なお、本PDPでは、表示電極Xと表示電極Yが等間隔に配置され、隣接する表示電極Xと表示電極Yとの間が全て表示ラインLとなる構造のPDPを示したが、これに限定されず、対となる表示電極X,Yが放電の発生しない間隔(非放電ギャップ)を隔てて配置された構造のPDPであっても、本発明を適用することができる。
表示電極X,Yの上には、表示電極X,Yを覆うように交流(AC)駆動用の誘電体層17が形成されている。誘電体層17は、低融点ガラスペーストを、前面側の基板11上にスクリーン印刷法で塗布し、焼成することにより形成している。
誘電体層17の上には、表示の際の放電により生じるイオンの衝突による損傷から誘電体層17を保護するための保護膜18が形成されている。この保護膜はMgOで形成されている。保護膜は、電子ビーム蒸着法やスパッタ法のような、当該分野で公知の薄膜形成プロセスによって形成することができる。
背面側の基板21の内側面には、平面的にみて表示電極X,Yと交差する方向に複数のアドレス電極Aが形成され、そのアドレス電極Aを覆って誘電体層24が形成されている。アドレス電極Aは、Y電極との交差部で発光セルを選択するためのアドレス放電を発生させるものであり、Cr/Cu/Crの3層構造で形成されている。このアドレス電極Aは、その他に、例えばAg、Au、Al、Cu、Cr等で形成することもできる。アドレス電極Aも、表示電極X,Yと同様に、Ag、Auについてはスクリーン印刷のような厚膜形成技術を用い、その他については蒸着法、スパッタ法等の薄膜形成技術とエッチング技術を用いることにより、所望の本数、厚さ、幅及び間隔で形成することができる。アドレス電極Aの上には、アドレス電極Aを覆うように交流(AC)駆動用の誘電体層24が形成されている。誘電体層24は、誘電体層17と同じ材料、同じ方法を用いて形成することができる。
隣接するアドレス電極Aとアドレス電極Aとの間の誘電体層24上には、ストライプ状の複数の隔壁29が形成されている。隔壁29の形状はこれに限定されず、放電空間をセルごとに区画するメッシュ状(ボックス状)であってもよい。隔壁29は、サンドブラスト法、印刷法、フォトエッチング法等により形成することができる。例えば、サンドブラスト法では、低融点ガラスフリット、バインダー樹脂、溶媒等からなるガラスペーストを誘電体層24上に塗布して乾燥させた後、そのガラスペースト層上に隔壁パターンの開口を有する切削マスクを設けた状態で切削粒子を吹きつけて、マスクの開口に露出したガラスペースト層を切削し、さらに焼成することにより形成する。また、フォトエッチング法では、切削粒子で切削することに代えて、バインダー樹脂に感光性の樹脂を使用し、マスクを用いた露光及び現像の後、焼成することにより形成する。
隔壁29の側面及び隔壁間の誘電体層24上には、赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体層28R,28G,28Bが形成されている。蛍光体層28R,28G,28Bは、蛍光体粉末とバインダー樹脂と溶媒とを含む蛍光体ペーストを隔壁29間の凹溝状の放電空間内にスクリーン印刷、又はディスペンサーを用いた方法などで塗布し、これを各色毎に繰り返した後、焼成することにより形成している。この蛍光体層28R,28G,28Bは、蛍光体粉末と感光性材料とバインダー樹脂とを含むシート状の蛍光体層材料(いわゆるグリーンシート)を使用し、フォトリソグラフィー技術で形成することもできる。この場合、所望の色のシートを基板上の表示領域全面に貼り付けて、露光、現像を行い、これを各色毎に繰り返すことで、対応する隔壁間に各色の蛍光体層を形成することができる。
PDPは、このような構成要素を形成した前面側の基板11と背面側の基板21とを、表示電極X,Yとアドレス電極Aとが交差するように対向配置し、周囲を封着し、隔壁29で囲まれた放電空間30にXeとNeとを混合した放電ガスを充填することにより作製されている。このPDPでは、表示電極X,Yとアドレス電極Aとの交差部の放電空間30が、表示の最小単位である1つのセル(単位発光領域)となる。1画素はR、G、Bの3つのセルで構成される。
図2はPDPの封着装置の構成を示す説明図である。
図において、31はチャンバー、32はヒーター、33は第1圧力ポンプ、34は第1ガス導入バルブ、35は第1圧力計、36は第2圧力ポンプ、37は第2ガス導入バルブ、38は第2圧力計、39は放電ガス導入バルブ、40はマニホールド、41は通気管チップオフ機構、42は制御装置である。
チャンバー31内には、封着部22を形成した背面側の基板21と前面側の基板11とを対向させたパネルを、横置きの状態で保持することが可能である。
ヒーター32は、PDP10を封着部22の軟化温度まで加熱することが可能である。このヒーター32は赤外線ヒーターである。第1圧力ポンプ33は、チャンバー31内を減圧または加圧するポンプである。第1ガス導入バルブ34は、圧力調整ガスを収容したボンベ34aからチャンバー31内に圧力調整ガスを導入するバルブである。第1圧力計35はチャンバー31内の圧力を計測する。
第2圧力ポンプ36は、PDP10内を減圧または加圧するポンプである。第2ガス導入バルブ37は、圧力調整ガスを収容したボンベ37aからPDP10内に圧力調整ガスを導入するバルブである。放電ガス導入バルブ39は、放電ガスを収容したボンベ39aからPDP10内に放電ガスを導入するバルブである。第2圧力計38はPDP10内の圧力を計測する。マニホールド40は複数の通路を制御装置41の指示に応じて制御する多岐管である。
前面側の基板11と背面側の基板21とを封着する際、つまりパネル封着の工程に際しては、表示電極、誘電体層、保護膜を形成した前面側の基板11と、アドレス電極、誘電体層、隔壁、蛍光体層を形成した背面側の基板21を用意する。
背面側の基板21の裏面には、事前に、PDP10内の不純物ガスを排気したり、PDP10内に圧力調整ガスや放電ガスを導入するための通気孔(図示していない)を設けておく。また、背面側の基板21の周辺には、低融点ガラスフリットに、バインダー樹脂、溶媒等を加えた低融点ガラスペーストからなる封着材を塗布し、これを仮焼成することで封着部22を形成しておく。
そして、背面側の基板21と前面側の基板11とを対向させ、背面側の基板21の通気孔に通気管23を配置する。この際、通気管23の基板当接面には、封着材と同じ程度の軟化点を有する接着材を配置しておく。そして、通気管23を前面側の基板11および背面側の基板21と共にクリップで仮止めして、チャンバー31内に配置する。通気管23には、通気管チップオフ機構41を配置しておき、PDP10内に放電ガスを導入した後、通気管23を加熱してチップオフすることで、PDP10内に放電ガスを封入することができるようにしておく。
制御装置42は、第1圧力計35と第2圧力計38との双方の圧力を検出し、PDP10内の圧力をチャンバー31内の圧力よりも小さくし、かつパネル内外の圧力差が5〜95kPaの範囲、好ましくは20〜80kPaの範囲となるように、ヒーター32、第1圧力ポンプ33、第1ガス導入バルブ34、第2圧力ポンプ36、第2ガス導入バルブ37、および放電ガスバルブ39を制御しながら、ヒーター32に通電して、前面側の基板11と背面側の基板21とを加熱して封着した後、PDP10内の排気を行うとともにPDP10内に圧力調整ガスを導入させる。
図3は制御装置の制御の一例を示すフローチャートである。
パネル封着の工程においては、制御装置42は、まず、ヒーター32へ通電して、PDP10を加熱し、封着部22の封着材を軟化させて、前面側の基板11と背面側の基板21とを封着する(ステップS1)。
次に、第2圧力ポンプ36を制御して、PDP10内の真空引きを行い(ステップS2)、第1圧力ポンプ33を制御して、チャンバー31内を減圧し(ステップS3)、その後、第2ガス導入バルブ37を制御して、PDP10内に圧力調整ガスを導入する(ステップS4)。圧力調整ガスとしてはアルゴンガスを用いる。アルゴンガスの代わりに窒素ガスまたは乾燥空気を用いてもよい。あるいは、放電ガスを直接導入してもよい。放電ガスを直接導入した場合には、後述のステップS6,S7は不要である。
この工程の間、つまりPDP10を封着材の軟化点以上で加熱している間は、制御装置42は、PDP10内の圧力をチャンバー31内の圧力よりも小さくし、かつパネル内外の圧力差が5〜95kPaの範囲、好ましくは20〜80kPaの範囲となるように制御を行う。PDP10間の圧力が小さくなる、つまり負圧となることで、両基板間に吸引力が生じ、溶融(軟化)状態の封着材を押しつぶすことになる。
次に、ヒーター32への通電を停止して、PDP10を自然冷却し(ステップS5)、第2圧力ポンプ36を制御して、PDP10内の真空引きを行い(ステップS6)、放電ガスバルブ39を制御して、PDP10内に放電ガスを導入する(ステップS7)。その後、通気管23のチップオフを行う(ステップS8)。なお、ヒーター通電停止後の降温状態で溶融状態にあった封着材が固化して、前面側の基板と背面側の基板とを固着する。
通気管23のチップオフは、制御装置42で通気管チップオフ機構41を制御して、自動的に行うようにしてもよいし、人力で行うようにしてもよい。
図4は制御装置の制御の他の例を示すフローチャートである。
この例では、制御装置42は、まず、第1圧力ポンプ33を制御して、チャンバー31内を減圧する(ステップS11)。この際、前面側の基板11と背面側の基板21は、まだ封着されていないので、PDP10内もチャンバー31内の圧力と同じ圧力に減圧される。
次に、ヒーター32へ通電して、PDP10を加熱し、封着部22の封着材を軟化させて、前面側の基板11と背面側の基板21とを封着する(ステップS12)。
次に、第2圧力ポンプ36を制御して、PDP10内の真空引きを行い(ステップS13)、その後、第2ガス導入バルブ37を制御して、PDP10内に圧力調整ガスを導入する(ステップS14)。
この工程の間、制御装置42は、PDP10内の圧力をチャンバー31内の圧力よりも小さくし、かつパネル内外の圧力差が5〜95kPaの範囲、好ましくは20〜80kPaの範囲となるように制御を行う。PDP10冷却後のステップS15〜S18の工程については、図3と同じである。
図5は封着時のパネル内外の圧力差とパネル騒音との関係を示すグラフである。グラフに示したパネル騒音(任意単位)の1〜5のレベルは、1は騒音が気にならないレベル、2は時々気になるレベル、つまりPDPの表示パターンによっては気になるレベルである。3〜4は騒音が常時気になるレベルである。
このグラフに示すように、パネルの封着工程において、パネル内の圧力をパネル外の圧力よりも小さくし、かつパネル内外の圧力差を5〜95kPaの範囲に維持しておけば、パネルの騒音レベルを「2」以下とすることができる。また、パネル内外の圧力差を20〜80kPaの範囲に維持しておけば、パネルの騒音レベルを「1」以下とすることができる。
図6(a)および図6(b)はパネル封着時の基板の状態を示す説明図である。図6(a)は封着部が加熱される前の状態を示し、図6(b)は封着部が加熱されて常温に冷却された状態を示している。
パネルの封着工程においては、クリップ51で前面側の基板11と背面側の基板21とを仮止めして、チャンバー内に保持し、加熱するのであるが、パネル内の圧力をパネル外の圧力よりも小さくし、パネル内外の圧力差を5〜95kPa、好ましくは20〜80kPaの範囲に維持しているので、封着部22の封着材が軟化すると、パネル内の空間52の負圧力により、封着部22の溶融状態にある封着材が適度につぶれ、背面側の隔壁29と前面側の基板11との間に空隙ができない。
比較例1
図7(a)および図7(b)は比較例1であり、パネル内とパネル外とを大気圧状態にして封着を行った場合の基板の状態を示している。図7(a)は封着部が加熱される前の状態を示し、図7(b)は封着部が加熱されて常温に冷却された状態を示している。
パネルの封着工程においては、クリップ51で前面側の基板11と背面側の基板21とを仮止めして、封着部22の軟化点以上にPDPを加熱する。この場合、図7(a)に示すように、クリップ51で仮止めしているため、クリップ51の押さえ位置である、図中Pの位置から封着部22の位置まで距離があり、これによりクリップ51のバネ力は封着部22に直接には伝わらず、基板11,21の弾性(ヤング率)を介して封着部22を押しつぶすことになる。ところが、封着部22の封着材は一定の粘度を持っているため、隔壁29の高さまで封着部22をつぶすことはできない。この場合、パネル内の空間52は大気圧であるので、それ以上の力は封着部22にはかからない。
封着完了後、PDPを常温に冷却するのであるが、常温になって封着材が固化した後、クリップ51を外すと、図7(b)に示すように、基板の弾力により、背面側の隔壁29と前面側の基板11との間に空隙53が生じる。この空隙53により、PDPを表示した際に、PDP内の電極に印加される周期的な電圧に前面側の基板11が共振し、騒音が発生される。
比較例2
図8(a)および図8(b)は比較例2であり、パネル外を大気圧状態にし、パネル内を真空状態にして封着を行った場合の基板の状態を示している。図8(a)は封着部が加熱される前の状態を示し、図8(b)は封着部が加熱されて常温に冷却された状態を示している。
パネルの封着工程においては、クリップ51で前面側の基板11と背面側の基板21とを仮止めして、封着材の軟化点以上にPDPを加熱する。この場合、パネル内の空間52が真空状態であるため、封着部22を押しつぶす力は、基板の弾性力と大気圧を加えたものとなる。そのため、図8(a)に示すように、封着部22は隔壁29の高さ以下にまで押しつぶされることになる。
封着完了後、PDPを常温に冷却するのであるが、常温になって封着材が固化した後、クリップ51を外すと、図8(b)に示すように、基板の弾力により、背面側の隔壁29と前面側の基板11との間に空隙54が生じる。この空隙53により、比較例1と同様に騒音が発生される。
このように、パネルの内側と外側の圧力差を調整した状態で封着材の軟化点あるいは融点まで加熱し、その状態のまま封着材を常温まで冷却することにより、封着材のつぶれ量を制御して、背面側の隔壁と前面側の基板との間の空隙をなくすことができる。そして、この空隙をなくすことにより、PDPを表示した際の、PDP内の電極に印加される周期的な電圧に対する基板の共振を抑制して、表示の際の騒音の発生を防止することができる。
本発明の封着方法により封着されたPDPの構成を示す説明図である。 PDPの封着装置の構成を示す説明図である。 制御装置の制御の一例を示すフローチャートである。 制御装置の制御の他の例を示すフローチャートである。 封着時のパネル内外の圧力差とパネル騒音との関係を示すグラフである。 パネル封着時の基板の状態を示す説明図である。 比較例1のパネル封着時の基板の状態を示す説明図である。 比較例2のパネル封着時の基板の状態を示す説明図である。
符号の説明
10 PDP
11 前面側の基板
12 透明電極
13 バス電極
17,24 誘電体層
18 保護膜
21 背面側の基板
22 封着部
23 通気管
28R,28G,28B 蛍光体層
29 隔壁
30 放電空間
31 チャンバー
32 ヒーター
33 第1圧力ポンプ
34 第1ガス導入バルブ
34a 圧力調整ガスボンベ
35 第1圧力計
36 第2圧力ポンプ
37 第2ガス導入バルブ
37a 圧力調整ガスボンベ
38 第2圧力計
39 放電ガス導入バルブ
39a 放電ガスボンベ
40 マニホールド
41 通気管チップオフ機構
42 制御装置
51 クリップ
52 パネル内の空間
53,54 空隙
A アドレス電極
L 表示ライン
X,Y 表示電極

Claims (9)

  1. 表示パネルとして機能する構成要素を形成した前面側の基板と背面側の基板とを、一方の基板の周辺に加熱により溶着する封着材を配置して対向させ、これらの基板からなるパネルの封着材を加熱して封着する際、パネル内の圧力をパネル外の圧力よりも小さくし、かつパネル内外の圧力差が5〜95kPaの範囲となるように調整しながら、パネル内の排気を行うとともにパネル内に圧力調整ガスを導入することを特徴とする表示パネルの封着方法。
  2. 封着材を加熱して封着する際、パネル内の圧力をパネル外の圧力よりも小さくし、かつパネル内外の圧力差が20〜80kPaの範囲となるように調整することを特徴とする請求項1記載の表示パネルの封着方法。
  3. 封着材を加熱して封着する際、パネル内を真空状態にし、パネル外を大気圧よりも低い減圧状態にする請求項1記載の表示パネルの封着方法。
  4. 封着材を加熱して封着する際、パネル内を大気圧よりも低い減圧状態にし、パネル外を大気圧にする請求項1記載の表示パネルの封着方法。
  5. 封着材を加熱して封着する際、パネル内を大気圧にし、パネル外を大気圧以上の加圧状態にする請求項1記載の表示パネルの封着方法。
  6. 前記圧力調整ガスがアルゴンガス、窒素ガス、および乾燥空気から選択された1種または2種以上の混合ガスである請求項1記載の表示パネルの封着方法。
  7. 前記圧力調整ガスが放電ガスである請求項1記載の表示パネルの封着方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の封着方法で封着された表示パネル。
  9. 表示パネルとして機能する構成要素が形成されるとともに一方の基板の周辺に加熱により溶着する封着材が配置された前面側の基板と背面側の基板とからなるパネルを内部に配置することが可能なチャンバーと、
    チャンバー内に配置されたパネルを加熱する加熱部と、
    チャンバー内を減圧または加圧する第1圧力ポンプと、
    チャンバー内に圧力調整ガスを導入する第1ガス導入部と、
    チャンバー内の圧力を計測する第1圧力計と、
    パネル内を減圧または加圧する第2圧力ポンプと、
    パネル内に圧力調整ガスを導入する第2ガス導入部と、
    パネル内の圧力を計測する第2圧力計と、
    第1圧力計と第2圧力計との双方の圧力を検出し、パネル内の圧力をチャンバー内の圧力よりも小さくし、かつパネル内外の圧力差が5〜95kPaの範囲となるように、加熱部、第1圧力ポンプ、第1ガス導入部、第2圧力ポンプ、および第2ガス導入部を制御しながら、前面側の基板と背面側の基板とを加熱して封着した後、パネル内の排気を行うとともにパネル内に圧力調整ガスを導入させる制御部とを備えてなる表示パネルの封着装置。
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WO2008136055A1 (ja) * 2007-04-24 2008-11-13 Hitachi, Ltd. プラズマディスプレイパネルの製造方法及びその製造装置
JP2011146191A (ja) * 2010-01-13 2011-07-28 Panasonic Corp プラズマディスプレイパネルの製造方法

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