JP4399078B2 - 水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの外部半導電層用剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物 - Google Patents

水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの外部半導電層用剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの外部半導電層として用いる剥離性半導電性樹脂組成物及びこれを水架橋ポリエチレン絶縁層上に被覆してなる水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルは、内部から外部に向けて導体、内部半導電層、有機過酸化物によって化学架橋させた架橋ポリエチレン絶縁層、外部半導電層及びジャケット層から構成されてきた。近年、架橋ポリエチレン絶縁層を従来の有機過酸化物による化学架橋方法による架橋ポリエチレンに代えて水架橋方法で形成された架橋ポリエチレンを用いる方法が低電圧分野の電力ケーブルに用いられるようになってきた。
この理由は、化学架橋方法による電力ケーブルの製造では、架橋装置が高価であり、これとは反対に、水架橋方法による電力ケーブルの製造では、架橋装置が比較的安価ですむからである。ところで、従来の化学架橋方法による電力ケーブルにおいて、架橋ポリエチレン絶縁層と外部半導電層は、通常の使用条件では密着しており、接続工事等で外部半導電層を架橋ポリエチレン絶縁層からはがす場合は容易に剥離しないため作業に手間どり、絶縁層を傷つけて電力ケーブルの品質を悪くする場合があり、剥離性は重要な外部半導電層の持つべき性質である。
従って、従来から化学架橋方法による電力ケーブルの外部半導電層に用いる剥離性半導電性樹脂組成物は、例えば、特開昭58−212007号、特開昭59−230205号、特開昭60−189110号、特開昭62−58518号、特開昭62−117202号、特開昭63−89552号、特開平3−29210号、特開平3−247641号の各公報等に数多く提案されてきた。
【0003】
ところが、この化学架橋方法による電力ケーブルの外部半導電層に用いる上記各特許公報等に開示されている剥離性半導電性樹脂組成物を、水架橋方法による電力ケーブルの外部半導電層に用いると、剥離性が発現しない場合があり、外部半導電層が水架橋ポリエチレン絶縁層から容易に剥離しなく、剥離作業が大変であり、絶縁層表面を傷つけ電力ケーブルの品質を損ない良い結果は得られなかった。
【0004】
この原因は、化学架橋方法で電力ケーブルを製造する場合、絶縁層用の化学架橋性樹脂組成物は比較的に低温(約120〜150℃)で押出機より押出されるので絶縁層と外部半導電層との界面を横断して架橋が発生する率が低いので比較的に両層の剥離性は、上記の剥離しやすい半導電性樹脂組成物を選択して使用すれば発現する。
しかし、水架橋方法で電力ケーブルを製造する場合は、絶縁層用の水架橋性樹脂組成物は、比較的に高温(210〜250℃)で押出機中で加熱混練しないと、ビニルシランのグラフト反応がおこらないのでかかる高温で加熱混練するが、この場合、グラフト反応をおこさせるために、使用している有機過酸化物が絶縁層と外部半導電層との界面を横断して架橋を発生させる率が高くなり、又、水架橋反応も界面を横断して発生するので上記した従来の剥離性半導電性樹脂組成物を使用した場合、剥離性が不十分となる。
【0005】
また、従来の剥離性半導電性樹脂組成物は、比較的に低温(約120〜150℃)で押出すことを前提として組成が構成されているので、これを比較的に高温(210〜250℃)で押出すと焼け(スコーチ)を発生し、電力ケーブルの品質を劣化させるので望ましくない。また、従来の化学架橋絶縁層の架橋剤配合タイプ外部半導電層用樹脂組成物は、水架橋絶縁層の外部半導電層として押出す場合は高温(210〜250℃)で押出さなければならないので、スコーチを発生し問題であり、架橋剤を配合しないタイプのものは、耐熱性が不十分であり安定した押出は望めなく、押出被覆された外部半導電層は、120℃の加熱変形試験にパスするだけの耐熱性はない。上記架橋剤配合タイプ外部半導電層用樹脂組成物は、タンデム方式で低温(120〜150℃)であらかじめ形成された水架橋絶縁層上に押出被覆し、その後、架橋管中で加熱し架橋させればスコーチはおこらず、120℃における加熱変形試験にはパスするがコストアップになり問題である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
外部半導電層は、外部からの屈曲や、ヒートサイクル等により架橋ポリエチレン絶縁層との部分的剥離や空隙の発生により生ずるコロナ劣化や、他の絶縁劣化を防止するため体積固有抵抗値を100Ω・cm程度の導電性にする必要がある。外部半導電層を上記の体積固有抵抗値にし、かつ架橋ポリエチレン絶縁層との密着性をよくし、外部からの屈曲や、ヒートサイクル等に追随し、部分的剥離や空隙の発生を防ぐには柔軟で、架橋ポリエチレンに対して密着性がよく、かつ大量のカーボンブラックの充填にもかかわらず機械的強度、伸び、柔軟性、加工性が低下しないポリマーが必要であり、従来代表的なものとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、アイオノマー、酸変性ポリエチレン等が使用されてきた。しかし上記のポリマーは、架橋ポリエチレン層との密着性は良好であるが、逆に剥離性や耐熱性は不十分である。
【0007】
上記の問題点を解決するには、絶縁層を水架橋ポリエチレンで構成した電力ケーブルの外部半導電層用の樹脂組成物として、下記の条件を満たすことが必要である。
(1)外部半導電層用樹脂組成物は半導電性で、体積固有抵抗値が100Ω・cm以下。
(2)電力ケーブルを屈曲したり、ヒートサイクルをかけたとき、水架橋ポリエチレン絶縁層との部分的剥離や空隙が発生しないための柔軟性、伸びを維持するために、伸び率が100%以上。
(3)水架橋ポリエチレン絶縁層と外部半導電層との界面が平滑であり、微小な突起がない。
(4)210〜250℃の高温で押出される水架橋ポリエチレン絶縁層と同様の高温での押出加工が可能。
(5)外部半導電層を引き剥がすとき、外部半導電層自体が弱い引張力で切断しないために、引張強度が10MPa以上。
(6)耐寒性がある。
(7)外部半導電層を水架橋ポリエチレン絶縁層から剥離するとき、ナイフで外部半導電層が比較的弱い力で切れ目が入れられ、水架橋ポリエチレン層を傷つけない程度に容易に切断作業ができ、かつ容易に剥離でき、剥離した後の水架橋ポリエチレン層の表面に残渣や傷が残らないために、水架橋ポリエチレン絶縁層との界面間の剥離強度が4kg/0.5inch以下。
(8)有機過酸化物による架橋が行われなくとも120℃の加熱変形に耐える耐熱性のために、120℃の加熱変形率が40%以下。
上記条件を満たす外部半導電性樹脂組成物として、本発明者等は、先に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(これは、エチレン−エチルアクリレート共重合体又はエチレン−ブチルアクリレート共重合体で置換してもよく、さらにはこれらの1種以上を混合してもよい)、直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、オルガノポリシロキサン、カーボンブラック及び有機過酸化物からなる樹脂組成物を発明し、特願平11−120937号として特許出願した。この樹脂組成物は、上記8つの条件を満たしているものの、近年、耐熱性及び引張強度のレベルが高い物性の外部半導電性樹脂組成物が要求されてきている。従って、本発明は、本発明者等の先の発明(特願平11−120937号)を更に改良し、耐熱性及び引張強度のレベルを向上させた水架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの外部半導電性樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、本発明者等が先に発明し、特許出願した特願平11−120937号に開示されている水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの外部半導電層用剥離性半導電性樹脂組成物の耐熱性レベルを更に向上させたるため、水架橋技術を適用し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明の第1の発明は、導体上に内部から外部に向けて内部半導電層、水架橋ポリエチレン絶縁層、外部半導電層及びジャケット層が形成されている水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの外部半導電層として用いる下記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)及び(g)成分からなる剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物である。
(a)(I)酢酸ビニル含有量10〜50重量%、メルトマスフローレート1.0〜100.0g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体、(II)エチルアクリレート含有量10〜50重量%、メルトマスフローレート1.0〜100.0g/10分のエチレン−エチルアクリレート共重合体、並びに(III)ブチルアクリレート含有量10〜50重量%、メルトマスフローレート1.0〜100.0g/10分のエチレン−ブチルアクリレート共重合体から選ばれた1種あるいは1種以上100重量部、(b)メルトマスフローレート0.5〜30.0g/10分、密度0.900〜0.920g/cmプロピレン単独重合体5〜50重量部、(c)シリコーンガムストック及びシリコーンオイルから選ばれたオルガノポリシロキサン2.0〜50重量部、(d)カーボンブラック6.0〜350重量部、(e)不飽和アルコキシシラン0.5〜20重量部、(f)有機過酸化物0.05〜4.0重量部、(g)シラノール縮合触媒0.01〜20重量部
【0010】
また、本発明の第の発明は、上記第1の発明において、(a)(I)エチレン−酢酸ビニル共重合体、(II)エチレン−エチルアクリレート共重合体、並びに(III)エチレン−ブチルアクリレート共重合体から選ばれた1種あるいは1種以上の100重量部に対して、(b)プロピレン単独重合体5〜50重量部及び(c)シリコーンガムストック及びシリコーンオイルから選ばれたオルガノポリシロキサン2.0〜50重量部を含む樹脂組成物と、(d)カーボンブラック6.0〜350重量部を150〜200℃で加熱混練し、これに(e)不飽和アルコキシシラン0.5〜20重量部、(f)有機過酸化物0.05〜4.0重量部及び(g)シラノール縮合触媒0.01〜20重量部を配合し、次いで、200〜250℃で加熱混練し不飽和アルコキシシランを樹脂成分にグラフトさせて作った、導体上に内部から外部に向けて内部半導電層、水架橋ポリエチレン絶縁層、外部半導電層及びジャケット層が形成されている水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの外部半導電層として用いる剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物である。
【0011】
さらに、本発明の第の発明は、上記第1又は2の発明に係り、導体上に内部半導電層用樹脂組成物、水架橋性ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物及び剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物を順次被覆する工程は、上記内部半導電層用樹脂組成物及び水架橋性ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物を被覆する工程が二層同時押出装置により行われ、かつ、該水架橋性ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物は、モノシル方式で絶縁層押出機中で調製され、次いで上記剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物を被覆する工程を行い、水蒸気又は熱水と接触させて水架橋反応を起こさせ、その後ジャケット層を押出被覆することを特徴とする水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの製造方法である。
【0012】
さらに、本発明の第の発明は、上記第1又は2の発明に係り、導体上に内部半導電層用樹脂組成物、水架橋性ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物及び剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物を順次被覆する工程が三層同時押出装置により行われ、かつ、該水架橋性ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物は、モノシル方式で三層同時押出装置の絶縁層押出機中で調製され、水蒸気又は熱水と接触させて水架橋反応を起こさせ、その後ジャケット層を押出被覆することを特徴とする水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの製造方法である。
【0013】
さらに、本発明の第の発明は、上記第3又は4の発明の方法によって製造される水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
1.導体及び内部半導電層
本発明で用いられる導体及び内部半電層は、通常水架橋ポリエチレン絶縁電線において使用されるものならば何でもよい。それらのうち、導体としては、例えば、軟銅、半硬銅、硬銅、アルミニウム等を素材とする導体や撚線導体等が好ましい。また、内部半導電層としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリエチレン系共重合体にカーボンブラック等を配合したものが好ましい。ポリエチレン系共重合体が内部半導電層に好んで用いられる理由は、内部半導電層を半導電性とする上で、大量のカーボンブラックを配合する必要があるが、ポリエチレン系共重合体が他の樹脂に比べてカーボンブラックとの混和性や分散性に優れ、かつ、導体や絶縁層との密着性にすぐれているためである。内部半導電層の役目は、電位傾向の改善や同電位化を図り、耐電圧性能を向上させることであり、その結果、屋外電線の長寿命化が計られる。
【0015】
内部半導電層用に配合されるカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の導電性のものが挙げられる。カーボンブラックの配合量は、ポリエチレン系共重合体100重量部に対してカーボンブラック8〜350重量部である。カーボンブラックの配合量が8重量部未満であると、たとえ良導電性のケッチェンブラックを使用しても、導電性能が不足し、一方、カーボンブラックの配合量が350重量部を超えると、経済性が悪くなる上、押出性、表面特性等が悪くなり望ましくない。
【0016】
2.水架橋ポリエチレン絶縁層
本発明で用いられる水架橋ポリエチレン絶縁層は、ポリエチレン系樹脂、不飽和アルコキシシラン、有機過酸化物、酸化防止剤、シラノール縮合触媒、その他の添加剤等を絶縁層押出機に投入し、これらの成分のすべてを押出機の胴部の最初の部分で混合し、混合が完了したならば、該混合物を同一押出機の胴部の次の部分で不飽和アルコキシシランがポリエチレン系樹脂にグラフト反応を完了するまで約210〜250℃の高温で加熱混練し、アルコキシシラン変性ポリエチレン系樹脂とし、これと上記の酸化防止剤、シラノール縮合触媒、その他の添加剤を同一押出機の胴部の最後の部分で均一に加熱混練し、ダイより押出し、水架橋性ポリエチレン絶縁層とし、その後水(高温の水蒸気又は温水、熱水)と反応させることにより形成される。上記の方法は、モノシル法(Monosil process)といわれ、この方法自体は公知の方法であり特公昭58−25583号公報に詳細に説明されている。
【0017】
上記ポリエチレン系樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体、直鎖状超低密度エチレン−α−オレフィン共重合体、メタロセン触媒によって製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。
【0018】
上記不飽和アルコキシシランとしては、一般式:RR’SiY(式中、Rは、ポリエチレン系樹脂中に発生した遊離ラジカルと反応性を有する脂肪族不飽和炭化水素基またはハイドロカーボンオキシ基、Yはアルコキシ基、R’は水素原子またはオレフィン性不飽和基を含まない一価の炭化水素基を表す。)で表されるアルコキシシラン化合物である。式中、Rの脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えばビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基またはシクロペンタジエニル基が挙げられ、ビニル基が特に好ましい。Yは、例えばメトキシ基、エトキシ基またはブトキシ基が挙げられる。好適な不飽和アルコキシシランは、γ−メタアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルトリメトキシシランである。不飽和アルコキシシランの使用量は、ポリエチレン系樹脂100重量部を基準として0.5〜20重量部が好ましい。
【0019】
上記有機過酸化物としては例えば、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、2,5−ジ(パーオキシベンゾエート)ヘキシン−3等が使用される。有機過酸化物の使用量はポリエチレン系樹脂100重量部を基準として0.01〜4.0重量部が好ましい。
【0020】
上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられ、酸化防止剤の使用量は、ポリエチレン系樹脂100重量部を基準として、0.001〜5重量部程度である。
【0021】
上記シラノール縮合触媒は、シリコーンのシラノール間の脱水縮合を促進する触媒として使用されるものであり、その例としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオリテート、酢酸第一錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、カプリル酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸鉄、チタン酸エステル、チタン酸テトラブチルエステル、チタン酸テトラノニルエステル、ビス(アセチルアセトニトリル)ジ−イソプロピルチタン−エチルアミン、ヘキシルアミン、ジブチルアミン、ピリジン等が挙げられる。このシラノール縮合触媒の配合量は、ポリエチレン系樹脂100重量部に対して0.001〜10重量部程度であり、0.005〜5重量部が好ましい。
【0022】
なお、ポリエチレン系樹脂に不飽和アルコキシシラン及び/又は有機過酸化物を予め含浸させたもの、ポリエチレン系樹脂に酸化防止剤及び/又はシラノール縮合触媒を予め含浸させたもの等から選択して絶縁層押出機に投入してもよい。
【0023】
本発明で用いる水架橋ポリエチレン絶縁層の他の形成方法としては、不飽和アルコキシシラングラフト水架橋性ポリエチレン組成物を他の押出機で上記したモノシル方法又は2工程Sioplas方法(不飽和アルコキシシランをグラフトしたポリエチレン系樹脂を押出機で製造し、これに酸化防止剤、カーボンブラック、シラノール縮合触媒等を直接配合するか、マスターバッチとして配合した水架橋性ポリエチレン樹脂組成物の製法)で準備し絶縁層押出機に投入し、被覆する方法がある。上記の水架橋ポリエチレン絶縁層の形成方法は内部半導電層、水架橋ポリエチレン層及び外部半導電層を、順次押出被覆してもよいし、又は二層又は三層を同時押出し被覆(以降、コモン三層押出と略称することもある。)モノシル方法と三層同時押出方法を併用した場合が、コストが低く最も品質のよい水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルが得られる。本発明の剥離性半導電性樹脂組成物は上記した水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの各種製造方法で得られた電力ケーブルの外部半導電層として有効であるが、特に三層同時押出方法による電力ケーブルにおいて、最も効果を発現する。
【0024】
3.外部半導電層
(1)剥離性半導電性樹脂組成物の成分
本発明の外部半導電層用剥離性半導電性樹脂組成物は、次の(a)〜(g)成分からなる。
(a)(I)エチレン−酢酸ビニル共重合体、(II)エチレン−エチルアクリレート共重合体、並びに(III)エチレン−ブチルアクリレート共重合体から選ばれた1種あるいは1種以上の成分
(I)エチレン−酢酸ビニル共重合体
本発明で用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル含有量10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%、メルトマスフローレート1.0〜100.0g/10分の特性をもつ。酢酸ビニル含有量が10重量%未満であると、剥離性、柔軟性、伸び、カーボンブラック充填性が悪くなり、界面状態、加工性等が悪くなり界面から水トリー、電気トリーが発生し電力ケーブルの寿命が短かくなり望ましくなく、50重量%を超えると引張強度が弱くなり、剥離作業がうまく行かず、これを用いて製造されたケーブルは、表面同士がくっつき望ましくない。また、メルトマスフローレートが1.0g/10分未満であると、加工性、柔軟性、伸び等が不十分であり、100.0g/10分を超えると、引張強度、耐熱性等が悪くなり望ましくない。
【0025】
(II)エチレン−エチルアクリレート共重合体
本発明で用いるエチレン−エチルアクリレート共重合体は、エチルアクリレート含有量10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%、メルトマスフローレート1.0〜100.0g/10分の特性をもつ。エチルアクリレート含有量が10重量%未満であると、剥離性、柔軟性、伸び、カーボンブラック充填性が悪くなり、界面状態、加工性等が悪くなり界面から水トリー、電気トリーが発生し電力ケーブルの寿命が短くなり望ましくなく、50重量%を超えたエチレン−エチルアクリレート共重合体は物性的には問題ないが製造が極めて困難である。また、メルトマスフローレートが1.0g/10分未満であると、加工性、柔軟性、伸び等が不十分であり、100.0g/10分を超えると、引張強度、耐熱性等が悪くなり望ましくない。
【0026】
(III)エチレン−ブチルアクリレート共重合体
本発明で用いるエチレン−ブチルアクリレート共重合体は、ブチルアクリレート含有量10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%、メルトマスフローレート1.0〜100.0g/10分の特性をもつ。ブチルアクリレート含有量が10重量%未満であると、剥離性、柔軟性、伸び、カーボンブラック充填性が悪くなり、界面状態、加工性等が悪くなり界面から水トリー、電気トリーが発生し電力ケーブルの寿命が短くなり望ましくなく、50重量%を超えたエチレン−ブチルアクリレート共重合体は物性的には問題ないが製造が極めて困難である。また、メルトマスフローレートが1.0g/10分未満であると、加工性、柔軟性、伸び等が不十分であり、100.0g/10分を超えると、引張強度、耐熱性等が悪くなり望ましくない。
【0027】
さらに、本発明の(a)成分としては、上記(I)エチレン−酢酸ビニル共重合体、(II)エチレン−エチルアクリレート共重合体、並びに(III)エチレン−ブチルアクリレート共重合体から選ばれた1種あるいは1種以上をブレンドしたものを用いることができる。
【0028】
(b)ポリプロピレン成分
(b)成分は、メルトマスフローレート0.5〜30.0g/10分、密度0.900〜0.920g/cmのポリプロピレンで、外部半導電層に耐熱性と剥離性を付与するために使用する。(b)成分のメルトマスフローレートが0.5g/10分未満であると、加工性が悪く、30.0g/10分を超えると、引張り強度が弱くなり望ましくない。また、密度が0.900g/cm未満のものは、耐熱性が悪くなり望ましくなく、0.920g/cmを超えるものは柔軟性が悪くなり望ましくない。
(b)成分の使用量は、(a)成分100重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは15〜30重量部である。(b)成分の使用量が5重量部未満であると、耐熱性や剥離性が不十分となり、50重量部を超えると、柔軟性、耐寒性、カーボンブラックの充填性が悪くなり望ましくない。
本発明で使用するポリプロピレンは、上記物性の範囲のプロピレン単独重合体であることが望ましく、プロピレンとエチレン又は他のオレフィンとの共重合体であってもよい。
【0029】
(c)オルガノポリシロキサン成分
本発明において使用されるオルガノポリシロキサンは、その分子構造が直鎖状、分岐鎖状、環状、網状、立体網状などのいずれのものであってもよいが、鎖状のものが好適である。このオルガノポリシロキサンの重合度は特に限定されないが、エチレン系樹脂との混練に支障をきたさない程度の重合度が必要であり、250以上の重合度が望ましい。本発明において使用されるオルガノポリシロキサンとしては、例えば、シリコーンゴムの引き裂き強度改良材として市販されているいわゆるシリコーンガムストックが挙げられる。また、本発明で使用される直鎖状のオルガノポリシロキサンは、次式(B)
【0030】
【化1】
Figure 0004399078
(式中、Rは非置換または置換1価炭化水素基を表し、nは10以上の数を表す。)で表され、一般にシリコーンオイルと呼称されるものである。該式中のRは、アルキル基、アリール基、及び水素から選ばれる基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、フェニル基、水素が代表的なものであるが、全ての基が同一基であっても、一部のRが別の基であってもよく、Rの一部がビニル基、水酸基であってもよい。nは10〜10000であり、100〜1000が好適である。nが10未満であるとポリエチレンとの混練が困難であり、nが10000を超えると成形が困難となり望ましくない。
【0031】
本発明で使用される式(B)のオルガノポリシロキサン系重合体の23℃における粘度は、10cSt以上、好ましくは1,000〜1,000,000cStのものが望ましい。10cSt未満の粘度の場合、加熱混練が難しく、また成形品の表面からオルガノポリシロキサン系重合体が滲み出す場合もある。
オルガノポリシロキサンの使用量は、(a)成分100重量部に対して、2.0〜50重量部、好ましくは2〜10重量部である。オルガノポリシロキサンの使用量が2.0重量部未満であると剥離性が発現せず、50重量部を超えると、加工性、引張強度等が低下し望ましくない。
【0032】
(d)カーボンブラック成分
(d)成分は、カーボンブラック、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック及びケッチェンブラック等であり、これらの中ではケッチェンブラックが特に望ましい。ケッチェンブラックは、オランダのAKZO NOBEL社で開発された導電性の非常にすぐれたカーボンブラックであり、ケッチェンブラックECとケッチェンブラックEC600JDの2種類があり、ケッチェンブラックECは従来の導電性カーボンブラックに比べ1/2〜1/3の添加剤で同等の導電性が得られるので、半導電性樹脂組成物の引張強度、加工性、柔軟性、伸び、界面での平滑性等の物性に大きな影響を与えることなく混練による導電性能の低下が少なく、良好な品質の半導電性樹脂組成物の提供を可能ならしめる。
カーボンブラックの使用量は、(a)成分100重量部に対して、6.0〜350重量部、好ましくは40〜300重量部である。カーボンブラックの使用量が6.0重量部未満であると、電力ケーブルの外部半導電層として必要な体積固有抵抗値が100Ω・cm以上となり望ましくない。一方、上記の上限値を超えると、外部半導電層の界面平滑性、引張強度、加工性、柔軟性、伸び等が低下し、望ましくない。
【0033】
(e)不飽和アルコキシシラン成分
(e)成分の不飽和アルコキシシランとしては、一般式:RR’SiY(式中、Rは、ポリエチレン系樹脂中に発生した遊離ラジカルと反応性を有する脂肪族不飽和炭化水素基またはハイドロカーボンオキシ基、Yはアルコキシ基、R’は水素原子またはオレフィン性不飽和基を含まない一価の炭化水素基を表す。)で表されるアルコキシシラン化合物である。式中、Rの脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えばビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基またはシクロペンタジエニル基が挙げられ、ビニル基が特に好ましい。Yは、例えばメトキシ基、エトキシ基またはブトキシ基が挙げられる。好適な不飽和アルコキシシランは、γ−メタアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルトリメトキシシランである。
不飽和アルコキシシランの使用量は、(a)成分100重量部に対して、0.5〜20重量部、好ましくは0.5〜5.0重量部である。不飽和アルコキシシランの使用量が0.5重量部未満であると、外部半導電層の架橋度が低くなり、耐熱性、引張強度が不十分となる。一方、上記の上限値を超えて多量配合しても架橋度の向上が顕著に表れないばかりか、絶縁層と外部半導電層との間でガス化し、ボイドを発生させケーブルの品質を悪くし、更に、不飽和アルコキシランは高価であるのでコストアップとなり、望ましくない。
【0034】
(f)有機過酸化物成分
(f)成分の有機過酸化物は、加熱反応条件下において、樹脂成分に遊離ラジカル部位を生成させるものであり、反応温度において6分より短い半減期、好ましくは1分より短い半減期を有する任意の化合物を使用できる。有機過酸化物の代表的なものとしては、下記のものが挙げられる。ただし括弧内の数字は、分解温度(℃)である。
コハク酸パーオキシド(110)、ベンゾイルパーオキシド(110)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(113)、p−クロロベンゾイルパーオキシド(115)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(115)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(135)、t−ブチルパーオキシウラレート(140)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(140)、t−ブチルパーオキシアセテート(140)、ジ−t−ブチルジパーオキシフタレート(140)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(145)、ジクミルパーオキシド(150)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(155)、t−ブチルクミルパーオキシド(155)、t−ブチルヒドロパーオキシド(158)、ジ−t−ブチルパーオキシド(160)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(170)、ジ−イソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド(170)、p−メンタンヒドロパーオキシド(180)、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキシド(213)、クメンヒドロパーオキシド(149)。これらの中では、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、クメンヒドロパーオキシド等が望ましい。
有機過酸化物の使用量は、(a)成分100重量部に対して、0.05〜4.0重量部、好ましくは0.05〜2.0重量部である。有機過酸化物の使用量が0.05重量部未満であると、不飽和アルコキシシランを樹脂成分にグラフトさせる率が低くなり、架橋度が不足し、外部半導電層の耐熱性、引張強度が不十分となる。一方、上記の上限値を超えて多量配合すると、ゲルを発生し、表面が平滑な外部半導電層が得られなく、界面から水トリー、電気トリーを発生させ、電力ケーブルの寿命を短かくし望ましくない。
【0035】
(g)シラノール縮合触媒成分
(g)成分のシラノール縮合触媒は、本発明の樹脂成分にグラフトされた不飽和アルコキシシラン同士を加水分解し、脱水縮合反応を促進する触媒であり、その例としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオリテート、酢酸第一錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、カプリル酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸鉄、チタン酸エステル、チタン酸テトラブチルエステル、チタン酸テトラノニルエステル、ビス(アセチルアセトニトリル)ジ−イソプロピルチタン−エチルアミン、ヘキシルアミン、ジブチルアミン、ピリジン等が挙げられる。
このシラノール縮合触媒の使用量は、(a)成分100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。シラノール縮合触媒の使用量が0.01重量部未満であると、水架橋反応が促進されず、一方、上記の上限値を超えて使用しても、水架橋反応が顕著に向上するものでなく、かえって外部半導電層の電気的特性を悪化させ、望ましくない。
【0036】
(i)その他の成分
本発明においては、上記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)成分以外に、必要に応じて、(i)その他の成分として、本発明の特性を損なわない範囲で、その目的に応じて、架橋助剤、老化防止剤、加工助剤、他のポリオレフィン系樹脂、熱可塑性エラストマー、天然ゴム、合成ゴム等を使用してもよい。
【0037】
(2)樹脂組成物の製造
上記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)及び必要に応じて用いる(i)成分は、例えば下記の順番、組合せでグラフト反応、配合、ソーキング等を行って、樹脂組成物を製造することができる。
【0038】
(イ)(a)から選択された樹脂成分、(b)、(c)からなる樹脂成分、カーボンブラック(d)を押出機又はバンバリーで150〜200℃で加熱混練し、これに不飽和アルコキシシラン(e)、有機過酸化物(f)及びシラノール縮合触媒(g)を配合し、次いで200〜250℃で加熱混練し、不飽和アルコキシシランを樹脂成分にグラフトし、かつカーボンブラック(d)とシラノール縮合触媒(g)を樹脂成分中に均一に配合する方法。
【0039】
(ロ)(a)から選択された樹脂成分、(b)、(c)からなる樹脂成分、カーボンブラック(d)及びシラノール縮合触媒(g)を押出機又はバンバリーで150〜200℃で加熱混練し、これに不飽和アルコキシシラン(e)及び有機過酸化物(f)を配合し、次いで200〜250℃で加熱混練し、不飽和アルコキシシランを樹脂成分にグラフトし、かつカーボンブラック(d)とシラノール縮合触媒(g)を樹脂成分中に均一に配合する方法。
【0040】
(ハ)(a)から選択された樹脂成分、(b)、(c)からなる樹脂成分を押出機又はバンバリーで150〜200℃で加熱混練し、これに不飽和アルコキシシラン(e)及び有機過酸化物(f)を配合し、次いで200〜250℃で加熱混練し、不飽和アルコキシシランを樹脂成分にグラフトして得た水架橋性不飽和アルコキシシラングラフト樹脂を準備する。一方、カーボンブラック(d)のマスターバッチ及びシラノール縮合触媒(g)のマスターバッチを準備する。外部半導電層を製造するとき、上記3成分を外部半導電層用押出機のホッパーに投入する。
【0041】
(ニ)(a)から選択された樹脂成分、(b)、(c)からなる樹脂成分に、不飽和アルコキシシラン(e)をソーキングさせた樹脂及び、(a)から選択された樹脂成分に、有機過酸化物(f)をソーキングさせた樹脂を押出機又はバンバリーで200〜250℃で加熱混練し、不飽和アルコキシシランを樹脂成分にグラフトして得た水架橋性不飽和アルコキシシラングラフト樹脂を準備する。一方、カーボンブラック(d)のマスターバッチ及びシラノール縮合触媒(g)のマスターバッチを準備する。外部半導電層を製造するとき、上記3成分を外部半導電層用押出機のホッパーに投入する。
【0042】
(ホ)(a)から選択された樹脂成分、(b)、(c)からなる樹脂成分、カーボンブラック(d)のマスターバッチ、不飽和アルコキシシラン(e)、有機過酸化物(f)及びシラノール縮合触媒(g)を同時に外部半導電層用押出機のホッパーに投入する。
【0043】
(ヘ)上記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)及び(ホ)において、酸化防止剤(i)をそのまま、又はマスターバッチ、又は不飽和アルコキシシラン(e)及び有機過酸化物(f)とのミックスチャー(混合物)として、他の成分に配合する方法。
【0044】
4.ジャケット層
本発明の水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルのジャケット層は、通常ポリ塩化ビニル樹脂組成物を外部半導電層上に押出被覆して形成される。ジャケット層の形成は、内部半導電層、水架橋ポリエチレン絶縁層及び外部半導電層をコモン三層押出して、その後その上にポリ塩化ビニル樹脂組成物を押出被覆する。
【0045】
5.水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル
本発明の水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルは、導体上に内部半導電層用樹脂組成物、水架橋性ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物及び外部剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物を順次被覆する工程により作ることができる。
これには、上記内部半導電層用樹脂組成物及び水架橋性ポリエチレン絶縁用樹脂組成物を二層同時押出装置により二層同時に押出被覆し、次いで外部剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物を被覆し、水蒸気または熱水と接触させて水架橋反応を起こさせ水架橋ポリエチレン絶縁層を形成させるタンデム方式、あるいは上記内部半導電層用樹脂組成物、水架橋静ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物及び外部剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物を三層同時押出装置により三同時に押出被覆し、水蒸気または熱水と接触させて水架橋反応を起こさせ水架橋ポリエチレン絶縁層を形成させるコモン三層押出しで被覆し、その後ジャケット層を押出被覆することによってつくられる。
【0046】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例における試験方法は以下の通りである。
(1)界面平滑性:水架橋ポリエチレン絶縁層と外部半導電層との界面を目視で判断した。
(2)外部半導電層の加熱変形率:外部半導電層の120℃での耐熱性をJISC3005の加熱変形試験法に準拠して、下記の方法で測定した。
(イ)試験片の作製
外部半導電層用剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物を220℃で加熱混練し、熱プレス成形機で厚さ2.0mm、長さ150mm、幅180mmのシートを得て、これを、幅15mm、長さ30mmに打ち抜き試験片とした。
(ロ)測定方法
直径5mmの半円状の棒の半円部に試験片を載せ、試験片の上に平行板を重ね、120℃のオーブン中に入れ30分間加熱した後、2kgの圧力を平行板の上から加え30分経過後、試験片の厚さを測定して、厚さの減少率を測定した。
(3)外部半導電層の剥離テスト:下記の方法で行った。
(イ)試験片の作製水架橋性ポリエチレン樹脂組成物を220℃で加熱混練し、熱プレス成形機で厚さ1.5mm、長さ150mm、幅180mmのシートを得た。一方、外部半導電層用剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物を200℃で加熱混練し、熱プレス成形機で厚さ2.0mm、長さ150mm、幅180mmのシートを得た。両シートを180℃の温度、15MPaの圧力で一体化し、3mmのシートとし、80℃、水蒸気中で24時間水架橋を行った。この二層シートから幅12.7mm、長さ120mmの試験片を打ち抜き試験片とした。
(ロ)試験方法引張試験機を用い、23℃において200mm/分の引張速度で剥離試験を行い、外部半導電層を水架橋ポリエチレン層に対し180℃の角度で引き剥すときの力を剥離強度(kg/0.5inch)とした。
(4)外部半導電層の引張強度:外部半導電層用剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物を200℃で加熱混練し、熱プレス成形機で厚さ2.0mm、長さ150mm、幅180mmのシートを得て、試験片とし、JIS K−6760により引張強度を測定した。
(5)外部半導電層の伸び:引張強度に用いた試験片を用いJIS K−6760により伸びを測定した。
(6)水架橋ポリエチレン絶縁層のゲル分率:水架橋ポリエチレン絶縁層から試料を取り、110℃のキシレン中に24時間浸漬し、抽出残渣をゲル分率とした。
(7)押出加工性:外部半導電層用剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物のメルトマスフローレートをメルトインデクサーで温度190℃、荷重21.6kgの条件でメルトマスフローレートを測定して評価した(JIS K−6760)。
(8)体積固有抵抗値:外部半導電層用剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物の体積固有抵抗値をJIS K−6723の方法で測定した。
【0047】
実施例1
(A)内部半導電層用樹脂組成物の調製
酢酸ビニル含有量が28重量%、メルトマスフローレートが20.0g/10分、融点が91℃の高圧法エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、酸化防止剤であるテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャリティケミカル社製 イルガノックス1010)0.5重量部と、アセチレンブラック80重量部を配合し、これを130℃で10分間混練した後、直径3mm、高さ3mmの円柱状のペレットとした。次いでこのペレットに有機過酸化物である2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシン)ヘキシン0.5重量部を添加し、これを70℃で5時間ゆっくり攪拌することにより、ペレット内部まで有機過酸化物を均一に含浸させ、内部半導電層用樹脂組成物を調製した。
【0048】
(B)水架橋性ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物の調製
表面積300m/g、平均粒径70μm、細孔直径100μmの多孔質シリカ担体に三酸化クロム、チタン酸テトライソプロピル、(NHSiF等を担持させた重合触媒を用い、ユニポール法気相流動床中で、エチレン90重量部、1−ブテン10重量部からなるモノマー流体を流動床下方より上方に向けて流動させ、温度90℃、圧力2.5MPa、Gmf5の条件で重合させた。表面積1000cm/g、嵩密度0.4g/cm、平均粒径0.8mmのグラニュラー状物を得た。これはエチレン−ブテン−1共重合体からなり、密度は0.920g/cm、メルトマスフローレートは0.8g/10分であった。上記グラニュラー状の直鎖状低密度エチレン−ブテン−1共重合体100重量部を温度60℃に予熱しておいたものと、ビニルトリメトキシシラン(日本ユニカー製 NUCシランカップリング剤Y−9818)2重量部と、ジクミルパーオキシド(日本油脂製 パークミルD)0.1重量部を温度50℃に加熱したものとを、リボンブレンダーに投入した。温度60℃に加熱しながら30分間混合し、次いで、密閉容器中で温度60℃に保持しながら2時間静置し、不飽和アルコキシシランおよび有機過酸化物を含浸させた直鎖状低密度エチレン−ブテン−1共重合体を得た。
【0049】
一方、密度0.920g/cm、メルトマスフローレート0.8g/10分の高圧法低密度ポリエチレン(日本ユニカー製 NUCポリエチレン)100重量部に、ジブチル錫ジウラウレート1重量部およびテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャリティケミカル社製 イルガノックス1010)2重量部を混合し、バンバリーミキサーで温度150℃、10分間混練してから造粒してシラノール縮合触媒および酸化防止剤等を配合したポリエチレンを得た。上記不飽和アルコキシシランおよび有機過酸化物を含浸させた直鎖直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体95重量%に、上記シラノール縮合触媒および酸化防止剤等を配合したポリエチレン5重量%を加え、混合し、水架橋性ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物とした。
【0050】
(C)外部半導電層用剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物
次の(a)〜(i)からなる外部半導電層用剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物を、下記の方法で調製した。
(a)成分:酢酸ビニル含有量28重量%、メルトマスフローレート20.0g/10分、密度0.938g/cmのエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部
(b)成分:メルトマスフローレート0.9g/10分、密度0.900g/cmのポリプロピレン20重量部
(c)成分:23℃における粘度が300,000cStで、メチルビニルシリコーン含量1.0%のシリコーンガムストック5重量部
(d)成分:ケッチェンブラックEC(三菱化学製)30重量部
(e)成分:ビニルトリエトキシシラン(日本ユニカー製 A−151)2重量部
(f)成分:2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン(日本油脂製 パーヘキシン25B)0.3重量部
(g)成分:ジブチル錫ジラウリレート0.2重量部
(i)成分:テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャリティケミカル社製イルガノックス1010)0.3重量部
調製方法:(a)、(b)、(c)及び(d)成分をバンバリーミキサーで180℃、10分間加熱混練し、これに(e)、(f)、(g)及び(i)成分を添加し、更に230℃、5分間加熱混練し、ビニルトリエトキシシランを樹脂成分にグラフトし、各成分を均一に配合し、更に長さ3mm、直径3mmのペレットとした。このペレットは、調製後直ちに下記(E)工程で使用した。
【0051】
(D)コモン三層押出装置の準備
ダイプレートにそれぞれ150メッシュ、250メッシュ、120メッシュのスクリーンパックを設置した3台の押出機を準備し、これらを連結することにより、内部半導電層押出機、絶縁層押出機および外部半導電層押出機となるように順次配置したコモン三層クロスヘッドを有する押出装置とした。
【0052】
(E)水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの製造
上記(A)〜(C)で調製した内部半導電層用樹脂組成物、水架橋性ポリエチレン樹脂組成物及び外部半導電層用剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物の各成分をそれぞれ三層コモン押出装置の内部半導電層押出機、水架橋ポリエチレン層押出機及び外部半導電層押出機に供給した。これらの各成分を、内部半導電層押出機では130℃、水架橋ポリエチレン層押出機では220℃、外部半導電層押出機では220℃で加熱混練した後、それぞれ三層コモンクロスヘッドのダイスより硬銅撚線導体上に内部半導電層の厚みが1mm、水架橋ポリエチレン絶縁層の厚みが4mm、外部半導電層の厚みが1mmとなるように同時に押出した。次いで、80℃の水蒸気に24時間さらし、水架橋反応を完結し、乾燥後、ポリ塩化ビニルコンパウンドを厚み3mmとなるように被覆しジャケット層とし、本発明の水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルを製造した。
【0053】
本発明の水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの性能評価結果を次に示す。
(1)界面平滑性:水架橋ポリエチレン絶縁層と外部半導電層との界面は、平滑であり直径300μmを超える突起は認められなかった。
(2)外部半導電層の加熱変形率:厚さの減少率は0.8%であり耐熱性は十分であった。
(3)外部半導電層の剥離テスト:剥離強度は、1.2kg/0.5inchであり剥離性は十分であった。
(4)外部半導電層の引張強度:引張強度は、16.3MPaであり、外部半導電層を剥離するとき、引きちぎれないことを示した。
(5)外部半導電層の伸び:伸びは、458%であり、ケーブルを曲げたとき、十分曲げに追随し得ることを示した。
(6)水架橋ポリエチレン絶縁層のゲル分率:ゲル分率は62%であり、十分水架橋しており、耐熱性は十分であった。
(7)押出加工性:メルトマスフローレートは、67g/10分であり押出加工性は十分であった。
(8)体積固有抵抗値:体積固有抵抗値は、33Ω・cmであり適切な数値であった。
【0054】
実施例2(参考例)
(A)内部半導電層用樹脂組成物の調製
エチルアクリレート含有量が23重量%、メルトマスフローレートが10g/10分、融点が98℃の高圧法エチレン−エチルアクリレート共重合体100重量部に対して、酸化防止剤であるテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャリティケミカル社製 イルガノックス1010)0.5重量部と、アセチレンブラック80重量部を配合し、これを130℃で10分間混練した後、直径3m、高さ3mmの円柱状のペレットとした。次いでこのペレットに有機過酸化物である2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン0.5重量部を添加し、これを70℃で5時間ゆっくり攪拌することにより、ペレット内部まで有機過酸化物を均一に含浸させ、内部半導電層用樹脂組成物を調製した。
【0055】
(B)水架橋性ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物の調製
メルトマスフローレートが2.0g/10分、密度0.922g/cmの高圧法低密度ポリエチレン100重量部に、ジクミルパーオキシド0.1重量部及びビニルトリメトキシシラン2重量部を加え、230℃で押出機から押出してシラン変性ポリエチレンを製造した。一方、メルトマスフローレートが3.0g/10分、密度が0.917g/cmの高圧法低密度ポリエチレン100重量部に、ジブチル錫ジラウレート1重量部、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャリティケミカル社製 イルガノックス1010)5重量部を配合した触媒マスターバッチを調整した。シラン変性ポリエチレンと触媒マスターバッチとを100:5重量の割合で混合して水架橋性ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物とした。
【0056】
(C)外部半導電層用剥離製半導電性水架橋性樹脂組成物
次の(a)〜(i)からなる外部半導電層用剥離製半導電性水架橋性樹脂組成物を、下記の方法で調製した。
(a)成分:エチルアクリレート含有量32重量%、メルトマスフローレート10.0g/10分、密度0.941g/cmのエチレン−エチルアクリレート共重合体100重量部
(b)成分:メルトマスフローレート2.5g/10分、密度0.900g/cm3、エチレン5重量%含有のポリプロピレン40重量部
(c)成分:23℃における粘度が150,000cStで、メチルビニルシリコーン含量0.7%のシリコーンガムストック45重量部
(d)成分:ファーネスブラック(MMMカーボン社製 エンサコ250G)130重量部
(e)成分:ビニルトリエトキシシラン(日本ユニカー製 A−151)3重量部
(f)成分:2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン(日本油脂製 パーヘキシン25B)1.2重量部
(g)成分:ジブチル錫ジラウリレート0.15重量部
(i)成分:テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャリティケミカル社製イルガノックス1010)0.3重量部
調製方法:(a)、(b)、(c)、(d)及び(g)成分をバンバリーミキサーで180℃、10分間加熱混練し、これに(e)、(f)及び(i)成分を添加し、更に230℃、5分間加熱混練し、ビニルトリエトキシシランを樹脂成分にグラフトし、各成分を均一に配合し、更に長さ3mm、直径3mmのペレットとした。このペレットは、調製後直ちに下記(E)工程で使用した。
【0057】
(D)コモン三層押出装置の準備
ダイプレートにそれぞれ150メッシュ、250メッシュ、120メッシュのスクリーンパックを設置した3台の押出機を準備し、これらを連結することにより、内部半導電層押出機、絶縁層押出機および外部半導電層押出機となるように順次配置したコモン三層クロスヘッドを有する押出装置とした。
【0058】
(E)水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの製造
上記(A)〜(C)で調製した内部半導電層用樹脂組成物、水架橋性ポリエチレン樹脂組成物及び外部半導電層用剥離製半導電性水架橋性樹脂組成物の各成分をそれぞれ三層コモン押出装置の内部半導電層押出機、水架橋ポリエチレン層押出機及び外部半導電層押出機に供給した。これらの各成分を、内部半導電層押出機では130℃、水架橋ポリエチレン層押出機では220℃、外部半導電層押出機では220℃で加熱混練した後、それぞれ三層コモンクロスヘッドのダイスより硬銅撚線導体上に内部半導電層の厚みが1mm、水架橋ポリエチレン絶縁層の厚みが4mm、外部半導電層の厚みが1mmとなるように同時に押出した。次いで、80℃の水蒸気に24時間さらし、水架橋反応を完結し、乾燥後、ポリ塩化ビニルコンパウンドを厚み3mmとなるように被覆しジャケット層とし、本発明の水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルを製造した。
【0059】
本発明の水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの性能評価結果を次に示す。
(1)界面平滑性:水架橋ポリエチレン絶縁層と外部半導電層との界面は、平滑であり直径300μmを超える突起は認められなかった。
(2)外部半導電層の加熱変形率:厚さの減少率は0.7%であり耐熱性は十分であった。
(3)外部半導電層の剥離テスト:剥離強度は、1.1kg/0.5inchであり剥離性は十分であった。
(4)外部半導電層の引張強度:引張強度は、13.1MPaであり、外部半導電層を剥離するとき、引きちぎれないことを示した。
(5)外部半導電層の伸び:伸びは、432%であり、ケーブルを曲げたとき、十分曲げに追随し得ることを示した。
(6)水架橋ポリエチレン絶縁層のゲル分率:ゲル分率は59%であり、十分水架橋しており、耐熱性は十分であった。
(7)押出加工性:メルトマスフローレートは、49g/10分であり押出加工性は十分であった。
(8)体積固有抵抗値:体積固有抵抗値は、35Ω・cmであり適切な数値であった。
【0060】
実施例3
実施例1の外部半導電層剥離半導電性水架橋性樹脂組成物に代えて、下記の(a)〜(i)からなる樹脂組成物を用いその調整方法を下記の方法によった以外は、実施例1と同様な実験を行った。
(a)成分:ブチルアクリレート含有量17重量%、メルトマスフローレート5.0g/10分、密度0.937g/cmのエチレン−ブチルアクリレート共重合体100重量部
(b)成分:メルトマスフローレート1.2g/10分、密度0.910g/cmのポリプロピレン7重量部
(c)成分:23℃における粘度が3,000cStで、メチルビニルシリコーン含量0.8%のジメチルポリシロキサンオイル30重量部
(d)成分:ケッチェンブラックEC(三菱化学製)20重量部
(e)成分:ビニルトリエトキシシラン(日本ユニカー製 A−151)5重量部
(f)成分:2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン(日本油脂製 パーヘキシン25B)1.8重量部
(g)成分:ジブチル錫ジラウリレート1.2重量部
(i)成分:テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャリティケミカル社製イルガノックス1010)0.3重量部
調製方法:(a)、(b)、(c)、(d)及び(i)成分をL/D=32、φ=75mmの単軸押出機のホッパーに供給し、スクリューの外側を同軸に囲むシリンダー(Cylinderの頭文字Cと略称する。)を加熱し、スクリューで混練した。その際、シリンダーは、5つの部分から構成されており、押出機入口から出口にかけてシリンダーの各部分を順次C、C、C、C、Cと略称すると、C、C、C、C、C部分の温度をそれぞれ160℃、180℃、200℃、220℃、220℃とし、C部分において、(e)、(f)及び(g)を供給し、ビニルトリエトキシシランを樹脂成分にグラフトし、各成分を均一に配合し、更に3mm、直径3mmのペレットとした。
【0061】
その結果を以下に示す。
(1)界面平滑性:水架橋ポリエチレン絶縁層と外部半導電層との界面は、平滑であり直径300μm以上の突起は認められなかった。
(2)外部半導電層の耐熱性:減少率は1.0%であり耐熱性は十分であった。
(3)外部半導電層の剥離テスト:剥離強度は1.7kg/0.5inchであり剥離性は十分であった。
(4)外部半導電層の引張強度:11.7MPaであり、外部半導電層を剥離するとき、引きちぎれないことを示した。
(5)外部半導電層の伸び:485%であり、ケーブルを曲げたとき、十分曲げに追随し得ることを示した。
(6)水架橋ポリエチレン絶縁層のゲル分率:59%であり、十分水架橋しており耐熱性は十分であった。
(7)押出加工性:メルトマスフローレート(温度190℃、荷重21.6kg)は82g/10分であり押出加工性は十分であった。
(8)体積固有抵抗値:45Ω・cmであり適切な値であった。
【0062】
比較例1
実施例1において、(a)のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を、酢酸ビニル含有量8.0%のEVAに代替した以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の柔軟性伸びが悪化した。
【0063】
比較例2
実施例1において、(a)のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を、酢酸ビニル含有量55%のEVAに代替した以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の引張強度が弱くなり、外部半導電層の剥離作業がうまく行かなかった。
【0064】
比較例3
実施例1において、(a)のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を、メルトマスフローレートが0.8g/10分のEVAに代替した以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の押出加工性、柔軟性、伸び等が不十分であった。
【0065】
比較例4
実施例1において、(a)のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を、メルトマスフローレートが120g/10分のEVAに代替した以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の引張強度、耐熱性が不十分であった。
【0066】
比較例10
実施例1において、(b)のポリプロピレンを、メルトマスフローレートが0.3g/10分のものに代替した以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の加工性が悪化した。
【0067】
比較例11
実施例1において、(b)のポリプロピレンを、メルトマスフローレートが33.0g/10分のものに代替した以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の引張強度が弱くなった。
【0068】
比較例12
実施例1において、(b)のポリプロピレンを、メルトマスフローレートが2.0g/10分で、密度が0.895g/cmのものに代替した以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の120℃以上の加熱変形率が悪化した。
【0069】
比較例13
実施例1において、(b)のポリプロピレンを、メルトマスフローレートが5.4g/10分で、密度が0.925g/cmのものに代替した以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の柔軟性が悪化した。
【0070】
比較例14
実施例1において、(b)のポリプロピレンの使用量を3重量部に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の加熱変形率と剥離性が不十分であった。
【0071】
比較例15
実施例1において、(b)のポリプロピレンの使用量を55重量部に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の柔軟性、耐寒性が悪化した。
【0072】
比較例16
実施例1において、(c)のシリコーンガムストックの使用量を0.3重量部に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の平面平滑剥離性が不十分であった。
【0073】
比較例17
実施例1において、(c)のシリコーンガムストックの使用量を55重量部に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の表面の平滑性が悪化し、引張強度が不十分であった。
【0074】
比較例18
実施例1において、(d)のケッチェンブラックの使用量を5重量部に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の体積固有抵抗値が200Ω・cmであった。
【0075】
比較例19
実施例1において、(d)のケッチェンブラックの使用量を420重量部に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の引張強度、加工性、柔軟性、伸びが不十分であった。
【0076】
比較例20
実施例1において、(e)のビニルトリエトキシシランの使用量を0.4重量部に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の耐熱性と引張強度が不十分であった。
【0077】
比較例21
実施例1において、(e)のビニルトリエトキシシランの量を50重量部に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の表面に300μm以上の多数の突起が発生し、電力ケーブルの寿命が短くなった。
【0078】
比較例22
実施例1において、(f)の有機過酸化物の量を0.001重量部に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の耐熱性と引張強度が不十分であった。
【0079】
比較例23
実施例1において、(f)の有機過酸化物の量を10重量部に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の表面に多数の突起が発生し、平滑な表面が得られなかった。
【0080】
比較例24
実施例1において、(g)のジブチル錫ジラウリレートの量を0.005重量部に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の耐熱性と引張強度が不十分であった。
【0081】
比較例25
実施例1において、(g)のジブチル錫ジラウリレートの量を50重量部に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、外部半導電層の電気特性が悪くなり、又外部半導電層の表面に300μm以上の多数の突起が発生し、電力ケーブルの寿命が短くなった。
【0082】
【発明の効果】
本発明は、水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの外部半導電層として用いる剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物の構成において、特定のエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体等から選択された1種あるいは1種以上のエチレン系共重合体、ポリプロピレン、オルガノポリシロキサン等を樹脂成分として用い、これらの樹脂成分に不飽和アルコキシシラン、有機過酸化物、カーボンブラック、シラノール触媒を配合しているので、外部半導電層として被覆されるときは、水架橋され適切な半導電性、剥離性、引張強度、加工性、界面平滑性、耐寒性、耐熱性等に優れ、特に引張強度、耐熱性が従来品と比較して優れている。

Claims (5)

  1. 導体上に内部から外部に向けて内部半導電層、水架橋ポリエチレン絶縁層、外部半導電層及びジャケット層が形成されている水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの外部半導電層として用いる下記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)及び(g)成分からなる剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物。
    (a)(I)酢酸ビニル含有量10〜50重量%、メルトマスフローレート1.0〜100.0g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体、(II)エチルアクリレート含有量10〜50重量%、メルトマスフローレート1.0〜100.0g/10分のエチレン−エチルアクリレート共重合体、並びに(III)ブチルアクリレート含有量10〜50重量%、メルトマスフローレート1.0〜100.0g/10分のエチレン−ブチルアクリレート共重合体から選ばれた1種あるいは1種以上100重量部、(b)メルトマスフローレート0.5〜30.0g/10分、密度0.900〜0.920g/cmプロピレン単独重合体5〜50重量部(c)シリコーンガムストック及びシリコーンオイルから選ばれたオルガノポリシロキサン2.0〜50重量部、(d)カーボンブラック6.0〜350重量部、(e)不飽和アルコキシシラン0.5〜20重量部、(f)有機過酸化物0.05〜4.0重量部、(g)シラノール縮合触媒0.01〜20重量部
  2. 請求項1に記載の(a)(I)エチレン−酢酸ビニル共重合体、(II)エチレン−エチルアクリレート共重合体、並びに(III)エチレン−ブチルアクリレート共重合体から選ばれた1種あるいは1種以上の100重量部に対して、(b)プロピレン単独重合体5〜50重量部及び(c)シリコーンガムストック及びシリコーンオイルから選ばれたオルガノポリシロキサン2.0〜50重量部を含む樹脂組成物と、(d)カーボンブラック6.0〜350重量部を150〜200℃で加熱混練し、これに(e)不飽和アルコキシシラン0.5〜20重量部、(f)有機過酸化物0.05〜4.0重量部及び(g)シラノール縮合触媒0.01〜20重量部を配合し、次いで、200〜250℃で加熱混練し不飽和アルコキシシランを樹脂成分にグラフトさせて作った、導体上に内部から外部に向けて内部半導電層、水架橋ポリエチレン絶縁層、外部半導電層及びジャケット層が形成されている水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの外部半導電層として用いる剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物。
  3. 導体上に内部半導電層用樹脂組成物、水架橋性ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物及び請求項1又は2に記載の剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物を順次被覆する工程は、上記内部半導電層用樹脂組成物及び水架橋性ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物を被覆する工程が二層同時押出装置により行われ、かつ、該水架橋性ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物は、モノシル方式で絶縁層押出機中で調製され、次いで上記剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物を被覆する工程を行い、水蒸気又は熱水と接触させて水架橋反応を起こさせ、その後ジャケット層を押出被覆することを特徴とする水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの製造方法。
  4. 導体上に内部半導電層用樹脂組成物、水架橋性ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物及び請求項1又は2に記載の剥離性半導電性水架橋性樹脂組成物を順次被覆する工程が三層同時押出装置により行われ、かつ、該水架橋性ポリエチレン絶縁層用樹脂組成物は、モノシル方式で三層同時押出装置の絶縁層押出機中で調製され、水蒸気又は熱水と接触させて水架橋反応を起こさせ、その後ジャケット層を押出被覆することを特徴とする水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの製造方法。
  5. 請求項3又は4の方法によって製造される水架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル。
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