JP4398209B2 - 磁性トナー用複合磁性酸化鉄粒子粉末 - Google Patents

磁性トナー用複合磁性酸化鉄粒子粉末 Download PDF

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本発明は、カップリング剤及びワックスを磁性酸化鉄粒子の粒子表面に均一に被覆したことによって、分散性に優れるとともに、耐久性に優れ、紙裏汚れが抑制された磁性トナー用複合磁性酸化鉄粒子粉末を提供することにある。
従来、静電潜像現像法の一つとして、キャリアを使用せずに樹脂中にマグネタイト粒子粉末等の黒色磁性酸化鉄粒子粉末を混合分散させた複合体粒子を現像剤として用いる所謂一成分系磁性トナーによる現像法が広く知られ、汎用されている。
近時、レーザービームプリンターやデジタル複写機の高速化や高画質化に伴い、トナーに要求される性能のうち最も重要なものに、定着性能がある。
レーザービームプリンターやデジタル複写機の定着工程に関しては、種々の方法が開発されているが、一般的な方法は熱ローラーによる圧着加熱方式である。
圧着加熱方式では、熱ローラー表面とトナー像とが溶融状態で加圧下で接触するため、オフセット現象が生じやすく、そのため熱ローラー表面へのトナーの付着を抑制することが要求されている。
これまでに、トナー中にワックスを含有する技術(特開昭61−138259号公報、特開昭56−87051号公報、特開昭63−188158号公報、特開昭63−113558号公報等)が知られているが、ワックスはトナー中に均一に分散されにくく、遊離あるいは偏在したワックスが現像性等に悪影響を与えやすい。
また、特許文献1乃至3には、有機溶剤中で磁性粉にカップリング剤及びワックスを処理する方法や、磁性酸化鉄粒子に直接ワックスを表面処理する方法が開示されている。
また、マグネタイト粒子粉末に種々の処理を行うことによって、カサ密度、タップ密度及び圧縮度を制御することが記載されている(特許文献4〜7)。
特開平1−259369号公報 特開平1−259372号公報 特開平9−319137号公報 特開昭62−143063号公報 特開平2−80号公報 特開平5−107802号公報 特開平6−67453号公報
分散性及び流動性に優れた磁性酸化鉄粒子粉末は、現在、最も要求されているところであるが、この要求を満たすような磁性酸化鉄粒子粉末は未だに提供されていない。
即ち、前記特許文献1乃至3記載の技術は、磁性酸化鉄粒子表面へのワックスの均一処理及び樹脂との分散性の点で未だ十分とは言い難い。
また、前記特許文献4乃至7記載の技術は、磁性酸化鉄粒子へのワックスを処理するものではなく、樹脂との分散性の点で未だ十分とは言い難い。
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点を改良し、磁性酸化鉄粒子粉末の粒子表面にカップリング剤とワックスが均一に表面処理され、分散性に優れた複合磁性酸化鉄粒子粉末を提供することにある。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、磁性酸化鉄粒子粉末にカップリング剤を加えて、せん断・へらなで・圧縮の作用を行えるホイール型混練機によって混合撹拌して、磁性酸化鉄粒子粉末の粒子表面をカップリング剤によって被覆し、次いで、該カップリング剤によって被覆された磁性酸化鉄粒子粉末にワックス加えて、せん断・へらなで・圧縮の作用を行えるホイール型混練機によって混合撹拌して、該カップリング剤によって被覆された磁性酸化鉄粒子粉末の粒子表面を更にワックスで被覆した複合磁性酸化鉄粒子粉末であって、該複合磁性酸化鉄粒子粉末のカサ密度ρaが1.00〜1.10g/cmであってタップ密度ρtが1.60〜1.85g/cmであり、圧縮度が40.0〜43.6%であることを特徴とする磁性トナー用複合磁性酸化鉄粒子粉末である(本発明1)。
また、本発明は、疎水化度(M値)が20%以上であることを特徴とする請求項1記載の磁性トナー用複合磁性酸化鉄粒子粉末である(本発明2)。
本発明に係る複合磁性酸化鉄粒子粉末は、ワックスが表面に被覆されているとともに、分散性に優れていることから、磁性トナー用磁性粒子粉末として好適である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
本発明に係る複合磁性酸化鉄粒子粉末は、芯粒子粉末である磁性酸化鉄粒子粉末の粒子表面がカップリング剤によって被覆されており、該カップリング剤被覆磁性酸化鉄粒子の粒子表面にワックスが付着している複合磁性酸化鉄粒子からなる。
本発明に係る複合磁性酸化鉄粒子粉末のカサ密度ρaは0.70〜1.50g/cmであり、タップ密度ρtは1.45〜2.50g/cmである。
カサ密度ρaが0.70g/cm未満の場合は、トナー化時の分散が不十分となる。1.50g/cmを超える場合は、磁性体ペレットが生成し、結果としてトナーとした時の分散が悪い。カサ密度ρaは好ましくは0.80〜1.35g/cm、より好ましくは0.85〜1.20g/cmである。
タップ密度ρtが1.45g/cm未満の場合は、トナー化時の分散が不十分となる。2.50g/cmを超える場合は、磁性体ペレットが生成し、結果としてトナーとした時の分散が悪い。タップ密度は好ましくは1.50〜2.30g/cm、より好ましくは1.55〜2.00g/cmである。
本発明に係る複合磁性酸化鉄粒子粉末の粒子形状は、球状、粒状、六面体状、八面体状のいずれの形状であってもよい。
本発明に係る複合磁性酸化鉄粒子粉末の粒子サイズは、特に制限はなく、用途に応じて適宜選べばよいが、好ましくは平均粒子径が0.05μm〜0.5μmである。平均粒子径が0.05μm未満の場合には、樹脂組成物中への分散が困難となる場合がある。また、平均粒子径が0.5μmを超える場合は粒子サイズが大きすぎるため、着色力が低下し、着色材としては好ましくない。
本発明に係る複合磁性酸化鉄粒子粉末の分散性は、圧縮度で35%以上が好ましい。圧縮度が35%未満の場合は、トナー化の際の充填混合性が十分とは言い難く、むしろ結果としてトナー中への分散不良を生じ、紙裏汚れ、耐久性等に不具合が生じる。より好ましくは40%以上である。
本発明に係る複合磁性酸化鉄粒子粉末の疎水化度(M値)は、後述する評価方法において、20%以上が好ましい。疎水化度(M値)が20%未満である場合は、ワックスによる処理が不均一であり、結着樹脂との分散性が悪く、結果としてトナーを製造した場合に、紙裏汚れ、耐久性等の不具合が生じる。より好ましくは30%以上である。
次に、本発明に係る複合磁性酸化鉄粒子粉末の製造法について述べる。
本発明に係る複合磁性酸化鉄粒子粉末は、磁性酸化鉄粒子粉末とカップリング剤とを混合し、磁性酸化鉄粒子粉末の粒子表面をカップリング剤によって被覆し、次いで、カップリング剤によって被覆された磁性酸化鉄粒子粉末とワックスとを混合することによって得ることができる。
本発明に用いる磁性酸化鉄粒子粉末は、磁性トナー用磁性酸化鉄粒子粉末として通常用いられるものを使用すればよいが、平均粒子径が0.05〜0.5μm、カサ密度ρaが0.1〜0.6g/cm、タップ密度ρtが0.2〜1.0g/cm、圧縮度が45〜60%及び疎水化度が0%程度であることが好ましい。
なお、本発明に用いる磁性酸化鉄粒子粉末は、Si、Al、Zn、Mg、Ti、Cu等の異種金属元素を含有してもよく、異種金属元素は磁性酸化鉄粒子に含有するか、粒子表面に被覆されていてもよい。
本発明におけるカップリング剤としては、磁性酸化鉄粒子の粒子表面へワックスを付着できるものであれば何を用いてもよく、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤及びジルコネート系カップリング剤等の一種又は二種以上であり、より好ましくはシラン系カップリング剤である。
シラン系カップリング剤としては、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン及びデシルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トルフルオロプロピルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン及びトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン等のフルオロアルキルシラン、ポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、変性ポリシロキサン等のオルガノポリシロキサン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤等が挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
磁性酸化鉄粒子粉末の粒子表面へのカップリング剤による被覆は、磁性酸化鉄粒子粉末とカップリング剤又はカップリング剤の溶液とを機械的に混合攪拌したり、磁性酸化鉄粒子粉末にカップリング剤の溶液又はアルコールで希釈したカップリング剤を噴霧しながら機械的に混合攪拌すればよい。また有機溶剤中での混合撹拌処理をおこなってもよい。これらの場合、必要に応じて加熱処理を行ってもよい。
磁性酸化鉄粒子粉末とカップリング剤との混合攪拌、ワックスと該カップリング剤が被覆されている磁性酸化鉄粒子粉末との混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができ、ホイール型混練機がより効果的に使用できる。
前記ホイール型混練機としては、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。前記ボール型混練機としては、振動ミル等がある。前記ブレード型混練機としては、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウターミキサー等がある。前記ロール型混練機としては、エクストルーダー等がある。
カップリング剤の添加量は、磁性酸化鉄粒子粉末に対して0.1〜10重量部が好ましい。0.1重量部未満の場合には、ワックスを十分に付着させることが困難である。10重量%を超える場合には、非磁性成分が増加するため好ましくない。より好ましくは0.5〜8重量部である。
磁性酸化鉄粒子粉末の粒子表面にカップリング剤を被覆した後、ワックスを添加し、混合攪拌してカップリング剤被覆磁性酸化鉄粒子表面にワックスを付着させる。この場合、必要に応じて加熱処理を行ってもよい。
本発明に用いるワックスは、具体的には、パラフィンワックス(日本石油製)、パラフィンワックス(日本精鑞製)、フィッシャートロプシュワックス(日本精鑞製)、マイクロワックス(日本石油製)、マイクロクリスタリンワックス(日本精鑞製)、硬質パラフィンワックス(日本精鑞製)、ポリワックス500(ペトロライト社)、三井ハイワックス110P(三井石油化学製)、三井ハイワックス220P(三井石油化学製)、三井ハイワックス660P(三井石油化学製)、三井ハイワックス210P(三井石油化学製)、三井ハイワックス410P(三井石油化学製)、三井ハイワックス420P(三井石油化学製)、三井ハイワックス4202E(三井石油化学製)、ハイレッツT−100X(三井石油化学製)、ハイレッツT−200X(三井石油化学製)、ハイレッツT−300X(三井石油化学製)、ペトロジン80(三井石油化学製)、ペトロジン100(三井石油化学製)、ペトロジン120(三井石油化学製)、タックエースA−100(三井石油化学製)、タックエースF−100(三井石油化学製)、タックエースB−60(三井石油化学製)、変性ワックスJC−1141(三井石油化学製)、ビスコール660−P(三洋化成製)、ビスコール550−P(三洋化成製)、ビスコール440−P(三洋化成製)、ビスコール330−P(三洋化成製)等を挙げることができる。
ワックスの添加量は、磁性酸化鉄粒子粉末100重量部に対し0.5〜20重量部が好ましい。ワックスの添加量が0.5重量部未満の場合には、定着工程で離型性が不十分となり、オフセット現像が悪化する。また20重量部を超える場合には、トナー粒子表面近傍に存在するワックス量が多くなり、帯電性が不十分となる。より好ましくは0.5〜15重量部である。
ワックスの被覆処理が終わった複合磁性粒子粉末は、常法に従って解砕処理すればよい。
<作用>
本発明において最も重要な点は、磁性酸化鉄粒子の粒子表面がカップリング剤によって被覆されていると共に、該カップリング剤被覆磁性酸化鉄粒子表面にワックスが被覆している複合磁性酸化鉄粒子粉末は、ワックスが均一に被覆していると共に、トナー化の際に該複合磁性酸化鉄粒子粉末の分散性が優れるという事実である。
本発明に係る複合磁性酸化鉄粒子は、圧縮、せん断及びへらなでの三つの作用によって磁性酸化鉄粒子表面にカップリング剤及びワックスを処理することにより、ワックスが粒子表面に均一に被覆処理された磁性酸化鉄粒子粉末が得られ、しかも、圧縮、せん断力の付加により、粒子同士の凝集がほぐされることにより、カサ密度ρa及びタップ密度ρtが高く、流動性に優れた複合磁性酸化鉄粒子を得ることが可能となったものと本発明者は考えている。
本発明において、流動性に優れると共に、トナー化の際の分散性に優れる理由について、本発明者は、カップリング剤処理された酸化鉄粒子粉末に対して、圧縮、せん断及びへらなでの三つの作用によってカップリング剤処理酸化鉄粒子とワックスとを処理することによって、均一にワックスが処理されるとともに、粒子間の凝集がほぐされることによって、各複合酸化鉄粒子がトナー化の際に樹脂中に容易に分散することが可能となったためと考えている。
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
磁性酸化鉄粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡写真(×20000)の粒子200個の定方向について測定し、その平均値で示した。
カサ密度ρa(g/cm)は、JISK−5101(顔料測定法)に準じて測定した。
タップ密度ρt(g/cm)は下記仕様にて測定した。
即ち、カサ密度ρaで得られた試料10gを上皿天秤で秤量し、25mlメスシリンダーに入れる。次に、タップ試料台にこのメスシリンダーをセットし、落下高さ30mmに調節されたタップを600回繰り返し、メスシリンダー中の試料の容積を読み取る。
タップ密度ρt(g/cm)=試料量(g)/容積(cm
圧縮度(%)は、上記測定により得られたカサ密度(ρa)及びタップ密度(ρt)より次の計算式より算出した。
圧縮度(%)=(ρt−ρa)/ρt
複合磁性酸化鉄粒子粉末の疎水化度M値(%)は、種々の濃度(体積%)のメタノール水溶液に、複合磁性酸化鉄粒子粉末を添加して浮き沈みを目視確認する。沈み始めたときのメタノール水溶液のメタノールの濃度(体積%)を疎水化度M値として表す。
複合磁性酸化鉄粒子粉末の磁気特性は、「振動試料型磁力計 VSM−3S−15」(東英工業(株)製)を用いて外部磁場796kA/m(10kOe)下で測定した値で示した。
複合磁性酸化鉄粒子粉末の粒子表面に被覆されているカップリング剤の被覆量は、各カップリング剤に含有されている金属について、「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。
複合磁性酸化鉄粒子粉末を被覆しているカップリング剤の被覆量及びワックスの被覆量は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用い、炭素量を測定することにより求めた。
<磁性トナーの製造>
複合磁性酸化鉄粒子粉を下記混合割合でヘンシェルミキサーにより混合し、二軸押し出し混練機(栗本鉄鋼社製 商品名:S−1)を用いて溶融混練した。混練物を冷却後、微粉砕した。ついで、これを分級して体積平均粒子径が8〜10μm(コルターカウンター社製 商品名:Multisizer IIで測定)の磁性トナーを製造した。得られた磁性トナー100重量部に対して疎水性シリカ微粉末(日本アエロジル社製 商品名:RX−200)0.5重量部を外添処理し、磁性トナーを得た。
スチレン−アクリル系共重合樹脂: 100重量部、
複合磁性酸化鉄粒子粉末: 60重量部、
負帯電制御剤: 0.5重量部。
得られた磁性トナーをレーザービームプリンター(キヤノン製 商品名レーザーショットLBP−B406E)を用いて常温常湿(25℃ 50%RH)環境化、連続して10,000枚のベタ黒(A4)を印刷し、紙裏汚れ及び耐久性について、下記3段階で評価をした。
紙裏汚れについては、10000枚プリントアウト後のプリント紙裏汚れについて目視で観察評価した。
○:非常に良好(汚れ発生なし)
△:やや良好
×:悪い
耐久性については、10000枚プリントアウト後の現像部材への汚染状況を目視で観察評価した。
○:非常に良好
△:やや良好
×:悪い(汚染が多く、画像への影響がある)
<酸化鉄粒子>
硫酸第一鉄水溶液に鉄成分に対して当量または当量以上の水酸化ナトリウムなどアルカリを加え、水酸化第一鉄溶液を調整した。調整した水溶液のpHをpH6〜8に維持しながら80℃以上に加温し、空気を吹き込んで酸化反応を行い磁性酸化鉄粒子を生成した。次に、磁性酸化鉄粒子スラリーを常法にて水洗、ろ過、乾燥して0.20μmの磁性酸化鉄粒子を得た(酸化鉄1)。
<実施例1>
得られた磁性酸化鉄粒子粉末(酸化鉄1)2,000gに、デシルトリエトキシシラン60g(磁性酸化鉄粒子粉末に対して3重量部)を加え、エッジランナー「MPUV−2型」(松本鋳造鉄工所製)を用いて、線加重25kg/cmにて加圧しながら60分処理し、表面改質処理磁性酸化鉄粒子粉末を得た。
次いで、ここに得た表面改質処理された磁性酸化鉄粒子100部に対して軟化点100℃のパラフィン系ワックス3部を加え、エッジランナー「MPUV−2型」(松本鋳造鉄工所製)を用いて、線加重25kg/cmにて加圧しながら30分処理を行いワックスが粒子表面に処理された複合磁性酸化鉄粒子粉末を得た。
このときの製造条件を表2に、得られた複合酸化鉄粒子粉末の諸特性を表3に示す。
実施例2〜7
酸化鉄粒子粉末の種類、カップリング剤の種類及び添加量、ワックスの種類及び添加量を種々変化させた以外は、前記実施例1と同様にして複合酸化鉄粒子粉末を得た。なお、表1に示した酸化鉄2は常法に従って得られた八面体の酸化鉄粒子粉末である。
このときの製造条件を表2に、得られた複合酸化鉄粒子粉末の諸特性を表3に示す。
比較例1は、特開平1−259369号公報の記載に従って製造した。
即ち、磁性酸化鉄粒子1000部とヘキシルトリメトキシシラン30部とをトルエン中に加え、撹拌下で100℃まで加熱し、2時間混合・撹拌した後、トルエンを留去した。
次いで、ここに得た磁性酸化鉄粒子粉末500部に軟化点100℃のパラフィン系ワックス25部をトルエン中に加えて加熱溶解し、トルエンを留去してワックスを表面処理した複合酸化鉄粒子を得た。
比較例2は、カップリング剤による被覆処理を行わなかった以外は、前記実施例1と同様にして複合酸化鉄粒子粉末を得た。
得られた複合磁性酸化鉄粒子粉末の諸特性を表3に示す。
<使用例>
得られた各複合磁性酸化鉄粒子粉末を用いて磁性トナーを製造し、磁性トナーの常温常湿(25℃ 50%RH)環境下において、連続して10,000枚のベタ黒(A4)印刷テストを行い、紙裏汚れ及び耐久性を確認した。
このときの評価結果を表3に示す。
Figure 0004398209
Figure 0004398209
Figure 0004398209
本発明に係る複合磁性酸化鉄粒子粉末は、圧縮、せん断力を付加しながら表面にワックスを処理することにより、ワックスが粒子表面に均一に被覆されていると共に、分散性に優れているので、磁性トナー用磁性粒子粉末として好適である。

Claims (2)

  1. 磁性酸化鉄粒子粉末にカップリング剤を加えて、せん断・へらなで・圧縮の作用を行えるホイール型混練機によって混合撹拌して、磁性酸化鉄粒子粉末の粒子表面をカップリング剤によって被覆し、次いで、該カップリング剤によって被覆された磁性酸化鉄粒子粉末にワックス加えて、せん断・へらなで・圧縮の作用を行えるホイール型混練機によって混合撹拌して、該カップリング剤によって被覆された磁性酸化鉄粒子粉末の粒子表面を更にワックスで被覆した複合磁性酸化鉄粒子粉末であって、該複合磁性酸化鉄粒子粉末のカサ密度ρaが1.00〜1.10g/cmであってタップ密度ρtが1.60〜1.85g/cmであり、圧縮度が40.0〜43.6%であることを特徴とする磁性トナー用複合磁性酸化鉄粒子粉末。
  2. 疎水化度(M値)が20%以上であることを特徴とする請求項1記載の磁性トナー用複合磁性酸化鉄粒子粉末。
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