JP4405058B2 - 静電潜像現像用キャリア - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電潜像現像用キャリアに関し、詳しくはアルミニウムと鉄の複合酸化鉄が粒子表面に存在する酸化鉄粒子からなる酸化鉄粉末、並びに、アルミニウムと鉄の複合酸化鉄にて被覆され、さらに該複合酸化鉄層の上にアミノ基を有する有機物の被覆層を有する酸化鉄粒子からなる酸化鉄粉末をそれぞれ含有する静電潜像現像用キャリアであり、流動性、分散性、ハンドリング性に優れ、かつ耐環境性等の諸特性をバランスよく向上させた酸化鉄粉末を含有していることにより、磁気特性や流動性、ハンドリング性に優れ、かつ低温低湿下、高温高湿下に拘わらず、高品質な画像が安定して得られる静電潜像現像用キャリアに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
電子写真法は、一般的にトナーのみを使用する一成分現像法と、トナーとキャリアを併用する二成分現像法に大別されるが、一成分トナーや二成分キャリアには磁性を有する各種酸化物が利用されている。この各種酸化物の中でも、酸化鉄粉末は、粉末を構成する微粒子が比較的容易に得られ、かつその磁気特性や黒色顔料としての安定性が優れているので広く汎用されている。
【0003】
この静電複写磁性トナー(以下、場合により磁性トナーと称する)及び静電潜像現像用キャリア(以下、場合により磁性キャリアと称する)の用途においては、最近、特にファイン化が進んでおり、種々の特徴ある酸化鉄粉末を利用して、様々な要求特性の改善を目的とした磁性トナー及び磁性キャリアが数多く提案されている。
【0004】
上記提案の内、昨今、アルミニウム元素を粒子表面に存在させた酸化鉄粉末を用いた事例が開示されており、代表的な例として、特開平4−162051号公報が挙げられる。
該公報は、使用する磁性体がアルミニウム原子を表面に有する球状磁性体である絶縁性磁性トナーであり、耐熱性の向上が効果として記載されている。
【0005】
該公報中記載の磁性体においては、表面に存在するアルミニウムの形態は酸化アルミニウムが好ましいとあり、基本的には金属成分がアルミニウム単独の化合物である。
この磁性体を用いたトナーは、確かに磁性体の耐熱性が向上されることから、該公報記載のとおり、トナー製造の際の酸化を抑制し、トナーの高抵抗化を抑制し、結果的にチャージアップを抑制する効果があると考えられる。
【0006】
しかし、金属成分がアルミニウム単独の化合物を磁性体表面に存在させることにより、その磁性体の黒色度は、その化合物の影響により劣ったものとなるのみならず、粒子表面に非磁性物質が多く存在することにより、磁気特性に悪影響を及ぼすおそれがあり、その結果、磁性トナー及び磁性キャリアの品質も劣ったものとなる。
【0007】
本来、アルミニウム成分を磁性体に含有させる理由としては、ケイ素成分よりも吸湿性が少なく、耐環境性向上を図ることができ、磁性体の抵抗調整、流動性改善、帯電量制御等の効果が得られること等が挙げられるが、金属成分がアルミニウム単独の化合物を使用したのでは、上記効果のバランスが取れず、このような磁性体を用いた磁性トナー及び磁性キャリアの改良には限界があった。
【0008】
本発明は、上記アルミニウム添加で得られる磁性体の効果をより引き出した酸化鉄粉末を含有させることにより、磁気特性のバランスが取れ、流動性、分散性、ハンドリング性に優れ、かつ低温低湿下、高温高湿下に拘わらず、高品質な画像が安定して得られる磁性キャリアを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述のように、磁気特性や流動性、ハンドリング性に優れ、かつ低温低湿下、高温高湿下に拘わらず、高品質な画像が安定して得られる磁性キャリアについて、本発明者等は鋭意検討の結果、アルミニウムと鉄の複合酸化鉄を粒子表面に配した酸化鉄粒子からなる酸化鉄粉末を磁性キャリアに応用することにより、上記各種特性をバランス良く向上できることを知見した。

【0010】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、アルミニウムと鉄の複合酸化鉄が粒子表面に存在する酸化鉄粒子からなる酸化鉄粉末を含有することを特徴とする静電潜像現像用キャリアを提供するものである。
【0011】
また、本発明は、アルミニウムと鉄の複合酸化鉄にて被覆され、さらに該複合酸化鉄層の上にアミノ基を有する有機物の被覆層を有する酸化鉄粒子からなる酸化鉄粉末を含有することを特徴とする静電潜像現像用キャリアを提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明は、静電潜像現像用キャリアに関するものであるが、説明の都合上、静電複写磁性トナーについても説明する。また、便宜上、静電複写磁性トナーを「本発明の静電複写磁性トナー」と言うことがある。
本発明でいう酸化鉄粒子とは、好ましくはマグネタイトを主成分とするものであり、コアとなるマグネタイトを主成分とする酸化鉄粒子にはアルミニウム、ケイ素等の各種の有効元素を含有するものも包含される。以下の説明では、酸化鉄粒子としてその代表的なものであるマグネタイト粒子について説明する。また、酸化鉄粉末又はマグネタイト粉末とは、酸化鉄粒子又はマグネタイト粒子の集合をいう。
【0013】
アルミニウム元素を粒子表面に存在させた酸化鉄粉末を用いた磁性トナーについては、従来の技術に述べたが、かかるアルミニウム元素を粒子表面に存在させた酸化鉄粉末については、おおよそ以下に述べる公知技術の開示がある。▲1▼アルミニウム酸化物や水酸化物等を粒子表面に湿式中和や物理処理で固着させた酸化鉄粒子(特開平5−281778号公報、特開平7−101731号公報、特開平10−182163号公報等)、▲2▼鉄及びアルミニウムを含む非磁性酸化鉄又は非磁性含水酸化物微粒子粉末を表面に固着させた酸化鉄粒子(特開平7−240306号公報、特開平10−171157号公報、特開平10−171158号公報等)。
【0014】
上記公知技術における酸化鉄粒子中のアルミニウム成分の含有形態は、▲1▼ではアルミニウム化合物単体、もしくは鉄を除く他元素との複合酸化物等、▲2▼ではアルミニウム成分と鉄との非磁性酸化物又は非磁性含水酸化物となっており、かかる技術による酸化鉄粒子からなる酸化鉄粉末は、酸化鉄粉末の黒色度が不良となったり、磁気特性の低下を生じたりするのみならず、磁性トナーに用いた場合の磁性トナーの耐環境性に対して何ら改善する思想がないか、又は改善が不十分なものであった。
【0015】
これに対し、本発明の磁性トナー及び磁性キャリアに用いられる酸化鉄粉末、例えばマグネタイト粉末は、アルミニウムと鉄の複合酸化鉄が粒子表面に存在していることにより、黒色度等の基本特性を損なうことなく、アルミニウム成分の長所である酸化鉄粉末の抵抗制御が容易で、磁気特性のバランスが取れ、流動性、ハンドリング性に優れ、かつ吸湿性を抑制することができるので、このような酸化鉄粉末を用いた磁性トナーや磁性キャリアにおいても、磁気特性のバランスが取れ、流動性、ハンドリング性に優れ、かつ低温低湿下、高温高湿下に拘わらず、高品質な画像が安定して得られる。
【0016】
即ち、本発明の静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアは、アルミニウムと鉄の複合酸化鉄が粒子表面に存在する酸化鉄粒子からなる酸化鉄粉末を含有することを特徴とする。
【0017】
本発明の静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリア中の酸化鉄粒子は、その表面にアルミニウムと鉄の複合酸化鉄が存在する。ここで粒子表面にアルミニウムと鉄の複合酸化鉄が存在するとは、芯材(コア材)となる酸化鉄コア粒子の表面にアルミニウムと鉄の複合酸化鉄の微粒子が分散又は被覆している状態をいう。さらに、被覆している状態は、緻密な形成層でも、多量の微粒子による固着や付着による形成層のどちらも意味するが、酸化鉄コア粒子の表面にアルミニウムと鉄の複合酸化鉄の微粒子が層状に被覆している状態が最も好ましい。また、ここでいうアルミニウムと鉄の複合酸化鉄とは、2価鉄成分をアルミニウム成分存在下で酸化することにより、アルミニウムを取り込む又は結合した酸化鉄をいう。酸化鉄コア粒子は、通常は湿式法で製造されるが、乾式法で製造されたものでもよい。また、この酸化鉄コア粒子中には、上記のように、粒子内部にアルミニウム、ケイ素等の各種の有効元素を含有していてもよい。
【0018】
なお、上記酸化鉄粒子表面にアルミニウムと鉄の複合酸化鉄が存在するかどうかを評価する簡便な方法については、後述する実施例中で詳しく述べるが、アルミニウム成分は水酸化アルカリ水溶液に可溶であることを利用する。試料となる酸化鉄粉末を水酸化アルカリ水溶液中に投入、超音波撹拌して粒子表面からアルミニウム成分を溶出させた際に、水酸化アルカリ水溶液中にアルミニウム成分しか溶出しない場合には、アルミニウム成分は鉄との複合酸化物を形成しておらず、水酸化アルカリ水溶液中にアルミニウム成分が溶出し、かつ水酸化アルカリ水溶液中に鉄成分が不溶のまま分散した場合には、アルミニウム成分は鉄との複合酸化物を形成しているものと判断できた。これは、複合酸化鉄中のアルミニウム成分が溶解しても、微細な酸化鉄粒子は不溶ながら、水酸化アルカリ水溶液中でコロイド状に存在することに起因するからである。
【0019】
本発明の静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアは、上記酸化鉄粒子の複合酸化鉄中のアルミニウム成分の存在量が、酸化鉄粒子全体に対してアルミニウムに換算して0.05〜2重量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2重量%である。アルミニウム成分の存在量が0.05重量%未満の場合、目的とする効果が少なく、2重量%を超える場合には、マグネタイト粒子に通常要求される磁気特性の低下を招く。この磁気特性(外部磁場796kA/mでの飽和磁化)は、70Am2 /kg以上が好ましく、さらには75Am2 /kg以上が好ましい。また、酸化鉄粒子中の複合酸化鉄を形成するアルミニウムと鉄のモル比は、好ましくはAl:Fe=1:100〜100:1、より好ましくは5:100〜75:25である。
【0020】
本発明の静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアは、上記酸化鉄粒子の複合酸化鉄中にヘルシナイトを含有することが好ましい。ヘルシナイトを含有することによりマグネタイト粒子の色味が黒味を帯びる。その作用は不明であるが、本発明者等がアルミニウムと鉄について種々検討した際に、鉄のみで製造したマグネタイト粒子に対し、アルミニウムと鉄で製造したマグネタイト粒子の色が黒いことを発見した。条件は、第一鉄塩の水溶液(Fe濃度;0.28mol/lを10リットル)、水可溶性アルミニウム塩の水溶液(アルミニウム:鉄のモル比=15:100)とアルカリ溶液を混合し、pH12、総液量20リットルとし、80℃で100リットル/minのエアーで反応し、反応終了後、常法の濾過、洗浄、乾燥してサンプルを得た。その時のX線分析結果を図1に示す。図1に示されるように通常のマグネタイトでは得られないヘルシナイトのピークが見られる。つまり、表面層の改質にアルミニウムと鉄の複合酸化鉄を使用することにより、表面改質時に黒みを劣化させることなく、さらに黒みを付与しているのではないかと推測される。
【0021】
本発明の静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアは、超音波探査映像装置を用いて、走査範囲24mm×16mm、超音波周波数25MHz、ゲイン30db、画像輝度出力0〜2.5V条件下にて測定した際に、0.5Vにて画像を2値化して得られた画像において、下記式(1)の画像解析分散性不良率が15%以下であることが好ましい。
画像解析分散性不良率(%)=(凝集粒子又はボイドによる分散不良部分による反射画像部分面積)/(画像全体面積)×100 ・・・ (1)
【0022】
この評価方法によれば、磁性トナーや磁性キャリア中の酸化鉄粉末の分散性が定量的に捉えることができ、この数値が低いほど凝集粒子又はボイドによる分散不良が少なく、磁性トナーや磁性キャリアの特性が安定しているものと評価できる。この画像解析分散性不良率が15%を超える場合には、磁性トナーや磁性キャリア中の酸化鉄粉末の分散性に劣ることにより、得られる画像濃度のムラ等が生じ易い。
【0023】
本発明の静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアは、10℃、20%RHと35℃、85%RHの各環境下で4Hr曝露された後の吸湿率(重量%)をそれぞれΔWLL、ΔWHHとし、比表面積(m2 /g)をAとした時に、上記酸化鉄粉末が、下記式(2)を満足することが好ましい。磁性トナーや磁性キャリアを製造する際、これら表面に露出する酸化鉄粒子の存在が考えられる。つまり、各環境下での吸湿変化に対し、下記式(2)の範囲外では磁性トナー及び磁性キャリアの流動性、帯電性、抵抗の安定性に悪影響を生じる恐れがある。
(ΔWHH−ΔWLL)/A≦0.05 ・・・ (2)
【0024】
本発明の静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアは、上記酸化鉄粉末の凝集度が40以下であることが好ましく、凝集度が40を超える場合には、酸化鉄粉末の取り扱い性、樹脂への混合性、トナー製造設備への供給安定性が悪いことに起因して、トナー自体の流動性に影響を及ぼす恐れがある。
【0025】
本発明の静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアは、上記酸化鉄粉末の付着力が5×10- N/contact以下であることが好ましく、付着力が5×10- N/contactを超える場合には、酸化鉄粒子同士の付着が強く、トナー製造時の粉末取り扱いのハンドリング性、つまり酸化鉄粒子同士が付着することによる搬送設備の負荷、及び磁性トナー製造時の樹脂と酸化鉄粉末の混合状態が悪くなり、分散性に劣り、製造された磁性トナー中での偏在が生じることになる。
【0026】
本発明の静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアは、使用する上記酸化鉄粉末の色差計による、黒色度を評価するL値が18.5以下、反射率(60度)が80%以上であることが好ましい。酸化鉄粉末においては、L値は低い方が黒みが強い方向にあり、反射率は高いと樹脂への分散性が良好となる。粉末として樹脂への分散性がよく、黒色度も凝集体ではなく、分散した際、黒色度の高いものが顔料として最も適しており、近年のトナー小径化に伴い、高解像度、かつ濃度の高い画像を得るためには、使用される磁性体も黒色度が高いものが要求されるので、上記条件を満たす酸化鉄粉末を用いた磁性トナーはそのような要求を満たしている。さらに、樹脂中への分散性や塗料としての分散性に優れていることから、本発明の酸化鉄粉末は黒色顔料用粉末としても好適な特性を有している。
【0027】
本発明の静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアは、上記複合酸化鉄中のアルミニウム成分の存在量が、上記酸化鉄粒子全体に対してアルミニウムに換算して0.3〜2重量%であり、かつ上記酸化鉄粉末の電気抵抗が1×104 Ω・cm以上であることが好ましい。アルミニウム成分が0.3重量%未満の場合には、抵抗は1×104 Ω・cm未満となり、抵抗が高いことが望まれる磁性トナーや磁性キャリアについては、アルミニウムを0.3重量%以上にする必要がある。アルミニウム成分が2重量%を超える場合には、酸化鉄粉末自体の飽和磁化が低下し、磁性トナーや磁性キャリアの磁気特性上好ましくない。
【0028】
以上、述べたアルミニウムと鉄の複合酸化鉄が粒子表面に存在する酸化鉄粒子からなる酸化鉄粉末を含有する静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアによれば、磁気特性や流動性、ハンドリング性に優れ、かつ低温低湿下、高温高湿下に拘わらず、高品質な画像が安定して得られる。
【0029】
また、本発明の静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアは、アルミニウムと鉄の複合酸化鉄にて被覆され、さらに該複合酸化鉄層の上にアミノ基を有する有機物の被覆層を有する酸化鉄粒子からなる酸化鉄粉末を含有することを特徴とする。
【0030】
このような磁性トナー及び磁性キャリアは、上記効果に加え、磁性トナー及び磁性キャリア中でのマグネタイト粉末の分散性がさらに向上される。また、マグネタイト粉末の帯電量をプラス側に調整できるので、プラス帯電磁性トナー及び磁性キャリア製造に有利である。
【0031】
マグネタイト粒子表面のアミノ基を有する有機物の被覆層とは、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、トリエタノールアミン、アミノ変性シリコーンオイル等の被覆層が例示される。
【0032】
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えばN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0033】
マグネタイト粒子表面にアミノ基を有する有機物の被覆層を設ける方法としては、湿式法、乾式法のいずれでもよく、何ら限定されるものではない。
【0034】
アミノ基を有する有機物の存在量は、マグネタイト粒子全体に対して0.1〜3.0重量%であることが好ましい。アミノ基を有する有機物の存在量が0.1重量%未満では分散性等の有機処理層での効果が得られず、3.0重量%を超えるとマグネタイト粒子に通常要求される磁性特性の低下を招く。
【0035】
本発明の静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアは、上記アミノ基を有する有機物の被覆層を有する酸化鉄粉末の色差計による黒色度(L)が15.0以下、反射率(60度)が95%以上であることが好ましい。アルミニウムと鉄の複合酸化鉄が粒子表面に存在するマグネタイト粒子表面にアミノ基を有する有機物の被覆層を施すと樹脂への分散性がさらに良好となることから、未処理品に比べ、このL値及び反射率は改善されたものとなる。
【0036】
また、本発明の静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアは、上記アミノ基を有する有機物の被覆層を有する酸化鉄粉末の帯電量が+10μC/g以上であることが好ましい。上記のように、アルミニウムと鉄の複合酸化鉄が粒子表面に存在するマグネタイト粒子表面にアミノ基を有する有機物の被覆層を設けることによって、プラス帯電磁性トナー及び磁性キャリア製造に有利である。
【0037】
上記アルミニウムと鉄の複合酸化鉄にて被覆され、さらに該複合酸化鉄層の上にアミノ基を有する有機物の被覆層を有する酸化鉄粒子からなる酸化鉄粉末を含有することを特徴とする静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアは、下記の要件を満足することが望ましく、その理由は上記アルミニウムと鉄の複合酸化鉄が粒子表面に存在する酸化鉄粒子からなる酸化鉄粉末を含有する静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアに関する場合と同様である。
【0038】
ア.超音波探査映像装置を用いて、走査範囲24mm×16mm、超音波周波数25MHz、ゲイン30db、画像輝度出力0〜2.5V条件下にて測定した際に、0.5Vにて画像を2値化して得られた画像において、下記式(1)の画像解析分散性不良率が15%以下である。
画像解析分散性不良率(%)=(凝集粒子又はボイドによる分散不良部分による反射画像部分面積)/(画像全体面積)×100 ・・・ (1)
イ.上記複合酸化鉄がヘルシナイトを有する。
ウ.10℃、20%RHと35℃、85%RHの各環境下で4Hr曝露された後の吸湿率(重量%)をそれぞれΔWLL、ΔWHHとし、比表面積(m2 /g)をAとした時に、上記酸化鉄粉末が、下記式(2)を満足する。
(ΔWHH−ΔWLL)/A≦0.05 ・・・ (2)
エ.上記酸化鉄粉末の凝集度が40以下である。
オ.上記酸化鉄粉末の付着力が5×10- N/contact以下である。
カ.上記複合酸化鉄中のアルミニウム成分の存在量が、上記酸化鉄粒子全体に対してアルミニウムに換算して0.3〜2重量%であり、かつ上記酸化鉄粉末の電気抵抗が1×104 Ω・cm以上である。
【0039】
次に、本発明の静電複写磁性トナー及び静電潜像現像用キャリアの具体的な製造方法について述べる。
【0040】
本発明の磁性トナーは、上述した酸化鉄粉末、下記に記載の結着樹脂、汎用の荷電性制御剤、ワックスを加え、常法の撹拌混合、溶融混練、冷却、粗粉砕、微粉砕、粗粉/微粉カットを行い、製造することができる。なお、上記原料に汎用の染料や外添剤を適宜加えても良い。
【0041】
〔結着樹脂例〕
ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレンビニルトルエン共重合体等のスチレン及びその置換体の単独重合体及びそれらの共重合体;スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体等のスチレンとアクリル酸エステルとの共重合体;スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸n−ブチル共重合体等のスチレンとメタクリル酸エステルとの共重合体;スチレンとアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとの多元共重合体;その他スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレンと他のビニル系モノマーとのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、フェノール樹脂、脂肪族又は脂肪族炭化水素樹脂、石油樹脂、塩素化パラフィン等が単独又は混合して使用でき、特に圧力定着方式に供せられるトナー用の結着樹脂として、低分子ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が単独又は混合して使用できる。
【0042】
また、本発明の磁性キャリアは、上述した酸化鉄粉末と下記に記載の結着樹脂を用いて、常法の撹拌混合、溶融混練、冷却、微粉砕を行い、製造することができる。なお、上記原料に汎用の荷電性制御剤を適宜加えても良い。
【0043】
〔結着樹脂例〕
エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のポリオレフィン系の化合物の他、以下のようなモノマーを単独又は共重合させた樹脂が使用可能である。
【0044】
スチレン、クロルスチレン、ビニルスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレンイソブチレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体あるいは共重合体が使用でき、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
【0045】
【実施例】
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。なお、本実施例及び比較例においては、発明の実施の形態の項で述べた通り、酸化鉄粉末として、代表的なマグネタイトを主成分とするものを選択、実施したが、本発明はかかる事例に限定されるものではない。また、以下の例における静電複写磁性トナーの製造例は、本発明の範囲外のものであり、参考例である。
【0046】
<マグネタイト粉末製造例>
〔製造例1〕
Fe2+2. 0mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液50リットルと3. 6Nの水酸化ナトリウム水溶液50リットルとを混合撹拌した。この時のpHは6. 5であった。そのスラリーを85℃に維持しながら65リットル/minの空気を吹き込み反応を終了させた(マグネタイトコア粒子の製造)。
【0047】
このスラリーにAl濃度1.1mol/lの硫酸アルミニウム水溶液を3リットルとFe2+濃度1.4mol/lの硫酸第一鉄水溶液5リットルと水酸化ナトリウム水溶液とを混合し、pH9.0に調整した。スラリー温度は80℃であった。次いで65リットル/minの空気を吹き込み再度酸化し反応を終了させた(粒子表面への複合酸化鉄層形成)。
【0048】
得られた生成粒子は、通常の濾過洗浄、乾燥、粉砕工程により処理しマグネタイト粉末を得た。このマグネタイト粉末について、下記の方法にて、諸特性を評価した。その結果を表1に示す。
【0049】
(マグネタイト粉末の特性評価)
(1)アルミニウム含有量分析
サンプルを溶解し、ICPにて測定した。
【0050】
(2)マグネタイト粉末中のマグネタイト粒子表面における、アルミニウムと鉄の複合酸化鉄の有無
試料5gを0.1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液100mlに添加した後、温度を50℃に維持し4時間撹拌を続ける。撹拌終了後、室温まで放冷した後、シャープ(株)製超音波洗浄槽(サイレントソニックUC−602型)にて5分間分散を行った。分散後、磁石を用いてマグネタイトを直ちに沈降させ、沈降したマグネタイトスラリーの上部に漂っている未沈降分散粒子を含む上澄み部分を分取した。この分取液5mlに塩酸+フッ酸(1:1)混合溶液1mlを加えて酸性とし、さらに全量が10mlになるように純水を加えて溶液化し、ICPにてアルミニウム、鉄元素の有無を確認した。それぞれの元素について0.1μg/mlの濃度を確認できた場合を○、確認できなかった場合を×と評価した。
【0051】
(3)比表面積
島津−マイクロメリティックス製2200型BET計にて測定した。
【0052】
(4)磁気特性
東英工業製振動試料型磁力計VSM−P7にて測定した。
【0053】
(5)各環境下での吸湿率
乾燥機で105℃、1hrにて予め乾燥(乾燥重量W)させ、環境室内に10℃、20%RHと35℃、85%RHの環境下に各々4時間曝露し(吸湿後の重量W)、各々の重量測定を以下の式にて吸湿率(重量%) を算出した(ΔWLL;10℃、20%、ΔWHH;35℃、85%)。
ΔW:吸湿率(重量%) =〔(W−W)/W〕×100
また、単位面積当たりの吸湿率変化は、以下の式にて表される。
(ΔWHH−ΔWLL)/A(比表面積)
【0054】
(6)凝集度
Hosokawa Micron製「Powder Tester TypePT−E」(商品名)を用いて、振動時間65secにて測定した。測定結果を所定の計算式にて凝集度を求めた。
【0055】
(7)付着力
島津粉体付着力測定装置(EB−3300CH)を用いて、試料をセル内に容器の縁いっぱいに入れる(粉重量を測定)、セル内の切断面より1cm上まで、プレス後、上記測定器により測定し、所定の計算式にて算出した(比重は5.2、粒径はSEM写真におけるフェレ径の個数平均値を使用)。
【0056】
(8)黒色度、反射率
スチレンアクリル系樹脂(TB−1000F)をトルエン(樹脂:トルエン=1: 2)にて溶解した液を60g、試料10g、直径1mmのガラスビーズ90gを内容積140mlのビンに入れ、蓋をした後、ペイントシェーカー(トウヨウセイキ社製)にて30分混合した。これをガラス板上に4milのアプリケーターを用いて塗布し、乾燥後、色差計にて黒色度、ムラカミ式GLOSS METER(GM−3M)にて60度の反射率を測定した。
【0057】
(9)電気抵抗
試料10gをホルダーに入れ600kg/cm2 の圧力を加えて25mmφの錠剤型に成形後、電極を取り付け150kg/cm2 の加圧状態で測定する。測定に使用した試料の厚さ、及び断面積と抵抗値から算出して、マグネタイト粒子の電気抵抗値を求めた。
【0058】
(10)帯電量
試料を鉄粉キャリア(パウダーテック(株)製、TEFV 200/300)を用いて、ブローオフ型帯電量測定装置(東芝ケミカル(株)製、TB−200型)にて測定した。
【0059】
〔製造例2〕
製造例1で得られたマグネタイト粉末に、アミノ系シランカップリング剤(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)をマグネタイト粒子全体に対して1.0重量%となるように添加し、乳鉢にて30分混合し、有機被覆マグネタイト粉末を得た。このマグネタイト粉末について、製造例1と同様の方法にて、諸特性を評価した。その結果を表1に示す。
【0060】
〔製造例3〕
硫酸アルミニウム水溶液の添加を行わない以外は、製造例1と同様の方法にてマグネタイト粉末を得た。このマグネタイト粉末について、製造例1と同様の方法にて、諸特性を評価した。その結果を表1に示す。
【0061】
〔製造例4〕
製造例1において、マグネタイトコア粒子の製造を終えたスラリーに、硫酸アルミニウム水溶液(Al1.6mol/l)を3リットルと水酸化ナトリウム水溶液を混合し、pHを10とした後、そのスラリーを80℃に維持しながら希硫酸にてpH6まで中和した。
【0062】
得られた生成粒子は、通常の濾過洗浄、乾燥、粉砕工程により処理しマグネタイト粉末を得た。このマグネタイト粉末について、製造例1と同様の方法にて、諸特性を評価した。その結果を表1に示す。
【0063】
<静電複写磁性トナー製造例>
〔実施例1〕
製造例1により得られたマグネタイト粉末、熱可塑性樹脂(三洋化成(株)製、TB−1000F)、荷電性制御剤(オリエント化学(株)製、ボントロンS−34)、ワックス(三洋化成(株)製、ビスコール550P)をそれぞれ重量比100:100:1:2にて計量し、ヘンシェルミキサーにて混合、さらに2軸ニーダーにて180℃での溶融混練を行った。得られた混練物を冷却ローラーにて板状に成形し、混練物のプレートを得た。得られたプレートをバンタムミルにて粉砕後、ジェットミルにて微粉砕を行い、風力分級機(日清エンジニアリング(株)製、ターボクラシファイア TC−15M)にて、平均粒径8μmの粒子を得た。この粒子に対して流動化剤としてのシリカ微粒子(日本エアロジル(株)製、R−972)を1.2重量%添加して、現像用トナーを作成した。得られたトナーとLBPプリンター(キャノン(株)製、LBP−930)を使って実写した。
【0064】
この試験において、下記の評価を行い、得られた結果を表2に示す。
(11)ヘンシェルミキサー混合時の内面へのマグネタイト粒子の居付きの観察
現像用トナー製造の際、ヘンシェルミキサーにて混合後、ミキサーの内面を目視観察し、マグネタイト粒子の居付きが確認できなかったものを○、居付きが確認できたものを×と評価した。
【0065】
(12)混練物プレート中におけるマグネタイト粉末のSEMによる分散状態の観察。
板状のプレートを切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡にて観察し(観察倍率20〜5000倍)、破断面に酸化鉄凝集粒子が確認できなかったものを○、凝集粒子が多く観察されたものを×と評価した。
【0066】
(13)混練物プレート中における超音波探査法による分散性の評価
板状のプレートを超音波探査映像装置(日立建機(株)製、AT−7500)を使用して、観察条件として走査範囲24mm×16mm、超音波周波数25MHz、ゲイン30dbにて測定した。得られた画像について、画像の輝度の出力を0〜2.5Vとした際の0.5Vでの画像を2値化し、凝集粒子又はボイドによる分散不良部分によって反射画像部分の面積を、画像全体の面積に対する百分率で評価した。
【0067】
(14)磁性トナーを用いた実写画像濃度による耐環境性評価
上記LBPプリンター(キャノン(株)製、LBP−930)を1.3倍のプリントスピードに改造したものを用いて、10℃、20%RHの環境と、35℃、80%RHの環境で初期プリントと1000枚の耐刷プリント試験を行い、それぞれの画像について「マクベス反射濃度計」(グレタグマクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、各環境における初期画像濃度と耐刷画像濃度を測定した。
【0068】
〔実施例2、比較例1、及び比較例2〕
使用するマグネタイト粉末を製造例2〜4により得られたものを使用した以外は、実施例1と同様に現像用トナーを作成した。作成した現像用トナーについて実施例1と同様に評価した結果を表2に示す。
【0069】
<静電潜像現像用キャリア製造例>
〔実施例3〕
製造例1により得られたマグネタイト粉末と熱可塑性樹脂(三洋化成(株)製、TB−1000F)をそれぞれ重量比70:30にて計量し、ヘンシェルミキサーにて混合、さらに2軸ニーダーにて180℃での溶融混練を行った。得られた混練物を冷却ローラーにて板状に成形し、混練物のプレートを得た。得られたプレートを粉砕及び分級して、平均粒径30ミクロンのキャリアを得た。得られたキャリア粉末に、実施例1で得られた磁性トナーを5重量%混合し、現像剤とした。
【0070】
〔実施例4〕
使用するマグネタイト粉末を製造例2により得られたものを使用してキャリア粉末を作成し、実施例2で得られた磁性トナーを現像剤に用いた以外は、実施例3と同様に現像剤を作成した。作成した現像剤について実施例3と同様に評価した結果を表3に示す。
【0071】
〔比較例3及び比較例4〕
使用するマグネタイト粉末を製造例3及び4により得られたものを使用してキャリア粉末を作成し、それぞれ比較例1及び2で得られた磁性トナーを現像剤に用いた以外は、実施例3と同様に現像剤を作成した。作成した現像剤について実施例3と同様に評価した結果を表3に示す。
【0072】
【表1】
Figure 0004405058
【0073】
【表2】
Figure 0004405058
【0074】
【表3】
Figure 0004405058
【0075】
表2の結果より、実施例1及び2の磁性トナーは、トナー製造の際のヘンシェル内部でのマグネタイト粒子の居付きが無く、トナーの流動性、ハンドリング性が良好であり、SEM及び超音波探査法による樹脂中のマグネタイト粒子の分散性の評価、トナーの実写評価も良好であると同時に、環境によらず画像濃度も良好であった。これに比べ、比較例1及び比較例2の磁性トナーは、マグネタイト粒子表面に何も表面処理していないものや、中和共沈によりアルミニウム成分が単独で粒子表面に存在しているため、トナーの流動性、ハンドリング性、SEM及び超音波探査法による分散性の評価いずれにおいても劣っており、トナーの実写評価では実用に耐えるレベルであるものの、耐環境性評価については著しく劣った結果であった。
【0076】
また、表3の結果より、実施例3及び4の現像剤は、キャリア製造の際のヘンシェル内部でのマグネタイト粒子の居付きが無く、作業性が良好であり、SEM及び超音波探査法による分散性の評価も良好であり、かつ低温低湿下、高温高湿下でのキャリア帯電量の差も小さかった。これに比べ、比較例3及び比較例4の現像剤は、マグネタイト粒子表面に何も表面処理していないものやマグネタイト粒子表面にアルミニウム成分が単独で粒子表面に存在しているため、トナーの流動性、ハンドリング性、SEM及び超音波探査法による分散性の評価いずれにおいても劣るものであった。
【0077】
【発明の効果】
本発明に係るアルミニウムと鉄の複合酸化鉄が粒子表面に存在する酸化鉄粒子からなる酸化鉄粉末を含有する静電潜像現像用キャリアは、磁気特性のバランスが取れ、流動性、ハンドリング性に優れ、かつ低温低湿下、高温高湿下に拘わらず、高品質な画像が安定して得られる。
さらに、上記酸化鉄粉末の複合酸化鉄層の上にアミノ基を有する有機物の被覆層を有する酸化鉄粉末を含有する静電潜像現像用キャリアは、分散性が向上し、帯電量がプラス側に調整され、かつ安定している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、コア粒子なしに複合酸化鉄層の処理方法のみで作成し得られた粒子のX線分析図である。

Claims (6)

  1. アルミニウムと鉄の複合酸化鉄が粒子表面に存在する酸化鉄粒子からなる酸化鉄粉末を含有し、
    酸化鉄粒子の複合酸化鉄中のアルミニウム成分の存在量が、酸化鉄粒子全体に対してアルミニウムに換算して0.05〜2重量%であることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。
  2. 上記酸化鉄粒子が、アルミニウムと鉄の複合酸化鉄で表面が被覆されている請求項1記載の静電潜像現像用キャリア。
  3. 10℃、20%RHと35℃、85%RHの各環境下で4Hr曝露された後の吸湿率(重量%)をそれぞれΔW LL 、ΔW HH とし、比表面積(m 2 /g)をAとした時に、上記酸化鉄粉末が、下記式(2)を満足する請求項1又は2記載の静電潜像現像用キャリア。
    (ΔW HH −ΔW LL )/A≦0.05 ・・・ (2)
  4. 上記複合酸化鉄がヘルシナイトを有する請求項1、2、又は3記載の静電潜像現像用キャリア。
  5. 超音波探査映像装置を用いて、走査範囲24mm×16mm、超音波周波数25MHz、ゲイン30db、画像輝度出力0〜2.5V条件下にて測定した際に、0.5Vにて画像を2値化して得られた画像において、下記式(1)の画像解析分散性不良率が15%以下である請求項1〜4いずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
    画像解析分散性不良率(%)=(凝集粒子又はボイドによる分散不良部分による反射画像部分面積)/(画像全体面積)×100・・・ (1)
  6. 上記複合酸化鉄層の上にアミノ基を有する有機物の被覆層を有する酸化鉄粒子からなる酸化鉄粉末を含有する請求項1〜5いずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
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