JP4397579B2 - 1−置換−4−カルバモイル−1,2,4−トリアゾール−5−オン誘導体の製造方法 - Google Patents

1−置換−4−カルバモイル−1,2,4−トリアゾール−5−オン誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、除草剤の有効成分として有用な化合物である 1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体を、相間移動触媒を用いる反応により、簡便かつ低コストで、高収率かつ高品質に製造する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
下記一般式(I)
【0003】
【化4】
Figure 0004397579
【0004】
[式中において、Xはハロゲン原子または低級アルキル基を示し、Yはハロゲン原子を示し、Rは低級アルキル基を示し、nおよびmは0〜5の整数を示す。] で表される 1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体は、除草剤の有効成分として有用な化合物であり、その製造方法としては、有機溶媒中で下記一般式(II)
【0005】
【化5】
Figure 0004397579
【0006】
[式中において、Xおよびnは前記と同義である。] で表される 1 - 置換 - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体に、下記一般式(III)
【0007】
【化6】
Figure 0004397579
【0008】
[式中において、Y、Rおよびmは前記と同義である。] で表されるカルバモイルクロライド類を、脱塩酸剤の存在下に反応させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記した特許文献1に記載の製造方法においては、反応性などを考慮すれば、たとえば有機溶媒のアセトニトリルと脱塩酸剤の炭酸カリウムとの組み合わせや、溶媒と脱塩酸剤両方の役割をするピリジンのように、比較的高価な有機溶媒と脱塩酸剤の組み合わせを用いる必要がある場合がある。また、有機溶媒と脱塩酸剤の組み合わせによっては反応速度が遅く、また反応が進行しても満足のいく収率で目的物が得られないか、あるいは反応が全く進行しない場合がある。
【0009】
また、目的物の精製工程においては、反応溶媒を留去した後に、抽出溶媒をあらためて加えるなど、操作が煩雑であるためにコスト高となる場合があり、工業的に有利な製造方法とはいいがたい。
そこで、より安価に目的物を提供するため、より簡便かつ低コストで、高収率に目的とする一般式(I)の 1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体を製造することのできる工業的手法の開発が望まれていた。
【0010】
【特許文献1】
国際公開第98/38176号パンフレット(第85−87頁)
【0011】
【発明の目的】
本発明は、上記の従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、簡便かつ低コストで、高収率に、高品質の 1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体を製造する方法を提供することを目的としている。
【0012】
【発明の概要】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、相間移動触媒を用いることにより、安価な反応溶媒、脱塩酸剤の組み合わせを用いて、上記一般式(I)で表される 1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体が、高収率で、かつ純度が高く高品質で得られ、工業的に有利に製造することができることを見出し、本発明に到達した。
【0013】
すなわち、本発明に係る1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体の製造方法は、上記一般式(II)で表される 1 - 置換 - 1,2,4 -トリアゾール - 5 - オン誘導体と、上記一般式(III)で表されるカルバモイルクロライド類とを溶媒中で、脱塩酸剤の存在下に脱塩酸反応させて、上記一般式(I)の 1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体を製造するにあたり、相間移動触媒を加えて反応させることを特徴としている。
【0014】
また、本発明では、上記製造方法において、溶媒として、芳香族炭化水素および/または水を用い、脱塩酸剤として、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩を用いることが好ましい。
また、本発明では、上記製造方法において、相間移動触媒として、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、クラウンエーテル、クリプタンド、鎖状ポリエチレングリコール誘導体およびシクロデキストリンからなる群より選択されるいずれかの化合物を用いることが好ましい。
【0015】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。本発明の反応をスキームで示すと、以下のとおりである。
本発明では、下記スキームに示すように、下記一般式(II)で表される 1 - 置換 - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体(以下、1 - 置換 - 1,2,4 -トリアゾール - 5 - オン誘導体(II)、化合物(II)などともいう)を、下記一般式(III)で表されるカルバモイルクロライド類(以下、カルバモイルクロライド類(III)、化合物(III)などともいう)と、有機溶媒および/または水中で、脱塩酸剤の存在下に、相間移動触媒を加えて室温あるいは加熱条件下に反応させることにより、下記一般式(I)で表される 1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体(以下、1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体(I)、化合物(I)などともいう)を製造することができる。
【0016】
【化7】
Figure 0004397579
【0017】
[式中において、Xはハロゲン原子または低級アルキル基を示し、Yはハロゲン原子を示し、Rは低級アルキル基を示し、nおよびmは0〜5の整数を示す。n個のXおよびm個のYは、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。また、XとYがハロゲン原子である場合、互いに同一でも異なっていてもよい。また、XとRが低級アルキル基である場合、互いに同一でも異なっていてもよい。]
上記一般式(I)、(II)中において、Xの定義における「低級アルキル基」としては、炭素数1 〜 6個の直鎖状または分岐状のものが挙げられる。具体的には、たとえばメチル、エチル、n - プロピル、イソプロピル、n - ブチル、イソブチル、s - ブチル、t - ブチル、n - ペンチル、イソペンチル、2 - メチルブチル、ネオペンチル、n - ヘキシル、4 - メチルペンチル、3 - メチルペンチル、2 - メチルペンチル、3,3 - ジメチルブチル、1,1 - ジメチルブチル、1,3 - ジメチルブチル、2,3 - ジメチルブチル、1 - エチルブチル、1 - エチル - 2 - メチルプロピル、 1 - メチル - 1 - エチルプロピル、1 - メチル - 2 - エチルプロピル、2 - メチル - 1 - エチルプロピル、2 - メチル - 2 - エチルプロピル基などが挙げられる。
【0018】
上記一般式(I)、(III)中において、Rの定義における「低級アルキル基」としては、たとえば上記Xの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
上記一般式(I)、(II)、(III)中において、XおよびYの定義における「ハロゲン原子」としては、具体的には、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素の各原子である。
【0019】
特に、Xとしては塩素原子、フッ素原子またはメチル基が好ましく、Xがフェニル基の2,4位、2,3位または2位に結合しているものが、生成物の収率の点から好ましい。
また、特に、Yとしてはフッ素原子、塩素原子が好ましく、フェニル基の2,4位または4位に結合しているものが、生成物の収率の点から好ましい。
【0020】
上記一般式(II)の1 - 置換 - 1,2,4 トリアゾール - 5 - オン誘導体としては、具体的には、たとえば1 - フェニル - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - クロロフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (3 - クロロフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - フルオロフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - ブロモフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - ヨードフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - メチルフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2,4 - ジクロロフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2,4 - ジフルオロフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2,4 - ジブロモフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2,4 - ジヨードフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2,4 - ジメチルフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2,3 - ジメチルフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - フルオロ - 4 - クロロフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - クロロ - 4 - メチルフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - フルオロ - 4 - メチルフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - ブロモ - 4 - メチルフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - ヨード - 4 - メチルフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - メチル - 4 - クロロフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - メチル - 4 -フルオロフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - メチル - 4 - ブロモフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - メチル - 4 - ヨードフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オンなどが挙げられる。
【0021】
上記一般式(III)のカルバモイルクロライド類としては、具体的には、たとえばN - メチル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイルクロライド、N -エチル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイルクロライド、N - n - プロピル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイルクロライド、N - イソプロピル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイルクロライド、N - メチル - N - 4 - フルオロフェニルカルバモイルクロライド、N - エチル - N - 4 - フルオロフェニルカルバモイルクロライド、N - n - プロピル - N - 4 - フルオロフェニルカルバモイルクロライド、N - イソプロピル - N - 4 - フルオロフェニルカルバモイルクロライド、N - イソプロピル - N - フェニルカルバモイルクロライドなどが挙げられる。
【0022】
上記反応で製造可能な、一般式(I)の1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4トリアゾール - 5 - オン誘導体としては、具体的には、たとえば 1 - フェニル - 4 - (N - イソプロピル - N - 4 - フルオロまたは2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - クロロフェニル) - 4 - (N - イソプロピル - N - 4 - フルオロまたは2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (3 - クロロフェニル) - 4 - (N - イソプロピル - N - 4 - フルオロまたは2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2,4 - ジクロロフェニル) - 4 - (N - イソプロピル - N - 4 - フルオロまたは2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - フルオロフェニル) - 4 - (N - イソプロピル - N - 4 - フルオロまたは2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2,4 - ジフルオロフェニル) - 4 - (N - イソプロピル - N - 4 - フルオロまたは2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - フルオロ - 4 - クロロフェニル) - 4 -(N - イソプロピル - N - 4 - フルオロまたは2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - メチルフェニル) - 4 - (N - イソプロピル - N - 4 - フルオロまたは2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2,3 - ジメチルフェニル) - 4 - (N - イソプロピル - N - 4 - フルオロまたは2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン、1 - (2 - クロロ - 4 - メチルフェニル) - 4 - (N - イソプロピル - N - 4 - フルオロまたは2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オンなどが挙げられる。
【0023】
脱塩酸剤としては、たとえば水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、ピリジンなどの有機塩基があげられる。中でもアルカリ金属水酸化物およびアルカリ金属炭酸塩が好ましく、特にコスト面から水酸化ナトリウムが好ましい。
脱塩酸剤の量は、1 - 置換 - 1,2,4 -トリアゾール - 5 - オン誘導体(II)に対して当量かもしくはやや過剰に用いるのが好ましい。
【0024】
なお、相間移動触媒、溶媒などについては後述する。
本発明では、上記スキームに示すように、1 - 置換 - 1,2,4 -トリアゾール - 5 - オン誘導体(II)とカルバモイルクロライド類(III)を、有機溶媒および/または水中で、脱塩酸剤の存在下に、相間移動触媒を加えて反応させることにより、目的物である1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 - トリアゾール - 5
- オン誘導体(I)を得ることができる。
【0025】
本発明では、上記のスキームに示す反応を、反応系中に相間移動触媒を添加することにより行っているので、1 - 置換 - 1,2,4 -トリアゾール - 5 - オン誘導体(II)のアルカリ金属塩を、有機相に可溶化させるか水相界面に集める、あるいはカルバモイルクロライド類(III)を水相に可溶化させるか有機相界面に集めることで反応を促進すること、あるいは反応を引き起こすことが可能となり、結果として目的物である誘導体(I)の反応収率を向上させることが可能となっている。
【0026】
本発明では、このような反応は、カルバモイルクロライド類(III)を含む有機相と、誘導体(II)と脱塩酸剤を含む水相との二相系か、あるいは有機溶媒または水のみの単相系で進行させることもできる。
なお、本明細書において「界面」とは、有機相と水相との二相系で反応を行う場合には有機相と水相の接触界面近傍を、有機溶媒または水のみの単相系で反応を行う場合には溶媒の表面近傍を意味するものとする。
【0027】
以下、好適な例をあげて詳説すると、この反応における有機溶媒と脱塩酸剤の組み合わせとしては、有機溶媒がたとえばトルエン、キシレンのような芳香族炭化水素であり、脱塩酸剤が水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物、または炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩である態様が挙げられる。本発明では、このように比較的安価な溶媒と脱塩酸剤の組み合わせにおいても、上記のように相間移動触媒を用いているので、高収率で目的物である誘導体(I)を得ることができる。
【0028】
もし、上記反応を相間移動触媒の非存在下に行うと、このような有機溶媒と脱塩酸剤の組み合わせでは反応速度が遅く、反応が進行しても満足のいく収率で目的物が得られないか、あるいは反応が全く進行しない場合がある。これは、反応原料の1 - 置換 - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体(II)や、脱塩酸剤は有機相に対して溶解度が低く、もう一方の反応原料であるカルバモイルクロライド類(III)は水相に対して溶解度が低いので、これらが溶媒中で均一に混ざり合わないことに起因するものである。
【0029】
さらに詳説すると、この反応において原料となる 1 - 置換 - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体(II)は酸性物質であり、適当な濃度のアルカリ水溶液に対して安定かつ可溶である。つまりアルカリ金属水酸化物やアルカリ金属炭酸塩などの脱塩酸剤の存在下においては、アルカリ金属塩を形成しているため有機溶媒に対する溶解度は低く、水の存在下においては水中により多く溶解した状態にある。
【0030】
しかし、もう一方の原料となるカルバモイルクロライド類(III)は有機相に存在するため、反応を効率的に進行させるためには、たとえば 1 - 置換 - 1,2,4 -トリアゾール - 5 - オン誘導体(II)のアルカリ金属塩を有機相に可溶化させるか界面に集め、逆に、水系で反応させる場合には、たとえばカルバモイルクロライド類(III)を水相に可溶化させるか界面に集めることで、二種の反応原料同士が接触しやすい条件を与える必要がある。
【0031】
また、カルバモイルクロライド類(III)は脱塩酸剤により徐々に分解するため、反応速度が遅ければそれだけ分解する分が多くなり、このことが反応収率の低下につながるため、この点からも反応速度を向上させる必要がある。
そこで本発明では、上記の問題を解決するために、反応系中に相間移動触媒を添加する相間移動触媒反応を行うことにより、1 - 置換 - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体(II)のアルカリ金属塩を有機相に可溶化させるか界面に集める、あるいはカルバモイルクロライド類(III)を水相に可溶化させるか界面に集めることで反応を促進する、あるいは反応を引き起こすことが可能となり、結果として目的物である1 - 置換 - 4 - カルバモイル- 1,2,4 -トリアゾール - 5 - オン誘導体(I)の反応収率を向上させることが可能となっている。
【0032】
相間移動触媒反応は、お互いにまざり合わない基質、試剤間の二相系の反応において、反応種の一つを触媒とのイオン対などの形で有機相に可溶化させるか、あるいは界面に集めて反応を効率的に行わせる方法であり、たとえばアルキル化反応、シアノ化反応、酸化反応などに用いられるが、これまでのところ上記スキームで示すような反応に用いた例は全くない。
【0033】
なお、本発明に用いられる相間移動触媒は、反応用原料化合物とイオン対などを形成して相間移動する触媒作用を示し、移動先で反応相手となる原料化合物と反応を行った後、元の相間移動触媒に戻ることにより、さらに次の反応用原料化合物に対して相間移動用の触媒作用を示すことができるように再生される。
このように、相間移動触媒は相間移動を繰り返し触媒として作用するものであり、たとえば脂肪酸セッケンなどの乳化剤のように、水相中に油相を、あるいは油相中に水相を分散、安定化するものとは区別される。
【0034】
この反応に用いる相間移動触媒としては、特に限定されるものではないが、たとえば第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、クラウンエーテル、クリプタンド、鎖状ポリエチレングリコール誘導体、シクロデキストリンなどが挙げられる。
反応に有機溶媒を用いる場合は、相間移動触媒としては、第四級アンモニウム塩かホスホニウム塩が好ましい。
【0035】
た溶媒として有機溶媒と水とを併用する場合には、上記相間移動触媒としては、第四級アンモニウム塩かホスホニウム塩が好ましい。
第四級アンモニウム塩としては、具体的には、たとえばテトラn−ブチルアンモニウムブロミド、テトラn−ブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。
【0036】
ホスホニウム塩としては、具体的には、たとえばテトラn−ブチルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラオクチルホスホニウムブロミドなどが挙げられる
【0037】
クラウンエーテルは環式ポリエーテルであり、たとえば18 - クラウン - 6や、15 - クラウン - 2などが挙げられる。クラウンエーテルは、陽イオンを、クラウン中心、すなわち環式構造中の酸素分子間の近似中間点に引きつけることによって相間移動触媒として作用すると考えられる。陽イオンが引きつけられてわずかに正に帯電すると、クラウンエーテルはその相間移動触媒機能を発揮すると考えられる。
【0038】
鎖状ポリエチレングリコールおよびその誘導体としては、具体的には、たとえばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールエーテルまたはポリエチレングリコールエステルなどが挙げられる。
鎖状ポリエチレングリコールおよびその誘導体は、それらが酸化エチレン構造単位からなるために、2個以上のエーテル結合を含み、クラウンエーテルのように、陽イオンをそのエーテル結合に引きつけることによって触媒として作用し、それによって相間移動触媒作用を発揮すると考えられる。
【0039】
シクロデキストリンは、カプセル状の化合物であり、疎水性の化合物(III)を、疎水性のカプセル内部に包摂した状態で水中へ導入し、化合物(II)と反応させることで、相間移動触媒として作用すると考えられる。
なお、本発明では、上記相間移動触媒を、1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0040】
相間移動触媒の量は、一方の原料化合物として用いるカルバモイルクロライド類(III)のモル数に対して、通常1〜10%モル、好ましくは1〜5%モルである。
反応の当量関係は、先に挙げた理由により、より効率的にカルバモイルクロライド類(III)を1 - 置換 - 1,2,4 -トリアゾール - 5 - オン誘導体(II)と反応させるために、1 - 置換 - 1,2,4 -トリアゾール - 5 - オン誘導体(II)を、カルバモイルクロライド類(III)に対して当量かもしくはやや過剰に用いるのが好ましい。
【0041】
この反応に用いられる有機溶媒としては特に限定されるものではないが、反応溶媒および抽出溶媒両方の役割を果たし、精製工程時の洗浄、分液操作が容易となるトルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素が特に好ましい。
この反応に用いられる有機溶媒の使用量としては、反応時に原料化合物(II)、(III)などを溶解でき、かつ精製工程時に目的物である 1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体(I)を溶解可能な量が必要であり、たとえば原料の1 - 置換 - 1,2,4 -トリアゾール - 5 - オン誘導体(II)1モルに対して、1.0〜20リットルの量で使用されるが、必要量以上の溶媒の使用は反応釜効率やコスト面から好ましくない。
【0042】
また、分液の際には、溶媒使用量の削減および分液性向上のために、加温下にて分液操作を実施するのが有効である。
また、反応溶媒として水を用いる場合、水の使用量は目的物の 1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体(I)を生成させ得る量が必要であり、また生成した目的物(I)が必要により固化して分散するのに十分な量が必要である。望ましくは、たとえば原料の1 - 置換 - 1,2,4 -トリアゾール - 5 - オン誘導体(II)1モルに対して、1.0〜10リットルの量で用いられる。
【0043】
本発明では、上記化合物(II)、(III)、脱塩酸剤、相間移動触媒を用いて有機溶媒および/または水中で上記条件下に反応を行うが、反応効率の向上を図る上で上記反応が有機溶媒を用いて行われる場合には、たとえば、化合物(II)と脱塩酸剤と相間移動触媒とを有機溶媒に分散または溶解させ、必要に応じて混合溶液を加熱して攪拌し、次いでこれに化合物(III)を、必要に応じて有機溶媒で洗いこみながら加え、反応させることが好ましい。
【0044】
また、上記反応が溶媒として有機溶媒および水を用いて行われる場合には、たとえば、化合物(II)および脱塩酸剤を水に溶解または分散させ、次いで相間移動触媒を加え、次いで化合物(III)と有機溶媒を好ましくは混合して加えて、反応させることができる。
また、上記反応が溶媒として、水のみを用いて行われる場合には、化合物(II)および脱塩酸剤を水に溶解または分散させ、次いで、相間移動触媒、化合物(III)、の順で加えて反応させることが好ましい。
【0045】
反応温度は通常、室温から150℃までの範囲の温度であり、好ましくは20〜90℃である。反応時間は、反応温度や化合物(II)、(III)、溶媒、触媒などの種類などにより異なるが、通常30分〜4時間で完結する。
この反応の主な副生物としては、カルバモイルクロライド類(III)の分解により副生するアニリン類が挙げられる。また、反応の際に用いられた過剰分の 1 - 置換 - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体(II)、相間移動触媒などが反応物中に残存している。過剰分の 1 - 置換 - 1,2,4 - トリアゾール - 5 -オン誘導体(II)は、脱塩酸剤を過剰量で用いている場合には水中に溶解しており、水中に分散している目的物の1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体(I)の粗結晶をろ取、水洗することで、アルカリ水溶液として容易に除去できる。アルカリ水溶液として除去された 1 - 置換 - 1,2,4 -トリアゾール - 5 - オン誘導体(II)は、その水溶液を塩酸、硫酸などで酸性にすることにより結晶として析出するので、これをろ取することで再生、再利用が可能である。
【0046】
また、カルバモイルクロライド類(III)の分解により副生するアニリン類は、精製工程時の洗浄操作後、溶媒を留去して得られる混合物固体や、あるいは水中に分散している目的物の誘導体(I)との混合物固体中に含まれるが、これらを適当な溶媒で洗浄あるいは再結晶することで容易に除去できる。混合物固体の洗浄あるいは再結晶による目的物(I)の損失はごくわずかであり、高収率かつ高純度で目的物の 1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 -トリアゾール - 5 - オン誘導体(I)が得られる。
【0047】
相間移動触媒は、用いるものの性質により除去する方法は異なるが、水溶性の高い触媒は先に述べた1 - 置換 - 1,2,4 -トリアゾール - 5 - オン誘導体(II)を除去する操作によって同時に水中に除去できる。
有機溶媒に対する溶解性の高い触媒は先に述べたカルバモイルクロライド類(III)の分解により副生するアニリン類を除去する操作によって同様に除去できる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明の具体的態様を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
なお、前述したごとくの種々の一般式(II)の化合物、一般式(III)の化合物、脱塩酸剤、溶媒および相関移動触媒を任意に選択して、以下に示したごとくの実施例に準じた方法により、所望の一般式(I)の化合物を製造することができ、実施例と同様の効果を得ることができる。
【0049】
【実施例1】
1 - (2,4 - ジクロロフェニル ) - 4 - N - イソプロピル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オンの製造
50mlの4つ口フラスコに、攪拌機、温度計、ジムロートコンデンサーを備え付けて反応容器とし、これに水10mlを入れ、1 - (2,4 - ジクロロフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン 2.0g (8.7mmol) 、水酸化ナトリウム 0.38g (9.1mmol)を室温で順次加え、同温度にて5分間攪拌した。次いで、テトラn - ブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート 0.27g (0.79mmol) を室温で加え、さらに同温度で10分間攪拌した。次いで、混合溶液中に、N - イソプロピル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイルクロライド 1.85g (7.9mmol) をトルエン20mlに溶解した溶液を、室温で一度に加え、激しく攪拌しながらマントルヒーターを用いて90℃で3時間加熱した。反応終了後、激しく攪拌しながら二層の混合溶液の温度を50℃まで放冷した後、分液ロートに移し、下層のアルカリ水層を抜き出し、トルエン層を反応容器に戻した。トルエン層の入った反応容器に1N - 水酸化ナトリウム水溶液10mlを加え、激しく攪拌しながらマントルヒーターを用いて加熱し、二層の混合溶液の温度を50℃に5分間保ち、トルエン層を洗浄した。さらにトルエン層を10%食塩水10mlで2回、最後に水10mlで前述と同様の操作により分液、洗浄した。分液後のトルエン層をナスフラスコに移し、減圧下に濃縮した。濃縮して得られた固体に、ヘキサン20mlを加えて洗浄し、桐山ロートを用いて固体を吸引ろ取した。ろ取した固体の上から、ヘキサン10mlを吸引しながら流して洗浄した後、乾燥して、標記の目的化合物固体3.0g(収率90%)を得た。
【0050】
【実施例2】
1 - (2,4 - ジクロロフェニル ) - 4 - N - イソプロピル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オンの製造
300mlの4つ口フラスコに、攪拌機、温度計、ジムロートコンデンサーを備え付けて反応容器とし、これにトルエン150mlを入れ、1 - (2,4 - ジクロロフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン 22.5g (0.098mol) 、水酸化ナトリウム 4.3g (0.103mol) 、テトラn - ブチルホスホニウムブロミド 1.7g (4.9mmol)を室温で順次加え、激しく攪拌しながらマントルヒーターを用いて90℃で1時間加熱した。攪拌しながらほぼ均一な混合溶液を60℃に放冷し、N - イソプロピル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイルクロライド 22.9g (0.098mol) を、10mlのトルエンで洗いこみながら該溶液中に一度に加え、再度激しく攪拌しながらマントルヒーターを用いて90℃で4時間加熱した。反応終了後、NaClの析出している混合溶液を激しく攪拌しながら50℃まで放冷した後、1N - 水酸化ナトリウム水溶液70mlを加え、激しく攪拌しながらマントルヒーターを用いて加熱し、二層の混合溶液の温度を50℃に5分間保ち、トルエン層を洗浄した。二層の混合溶液を分液ロートに移し、下層のアルカリ水層を抜き出し、トルエン層を反応容器に戻した。さらにトルエン層を10%食塩水70mlで2回、最後に水70mlで前述と同様の操作により分液、洗浄した。分液後のトルエン層をナスフラスコに移し、減圧下に濃縮した。濃縮して得られた固体をメタノール300mlで再結晶した。析出した結晶を、桐山ロートを用いて吸引ろ取した。ろ取した固体の上から、メタノール50mlを吸引しながら流して洗浄した後、乾燥して、標記の目的化合物結晶38.5g(収率92%)を得た。
【0051】
【参考例3】
1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−(N−イソプロピル−N−2,4−ジフルオロフェニルカルバモイル)−1,2,4−トリアゾール−5−オンの製造
100mlの4つ口フラスコに、攪拌機、温度計、ジムロートコンデンサーを備え付けて反応容器とし、これに水50mlを入れ、1−(2,4−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアゾール−5−オン9.3g(0.04mol)、水酸化ナトリウム1.8g(0.042mol)、4−ジメチルアミノピリジン0.49g(4.0mmol)を室温で順次加え、同温度で10分間攪拌した。次いで、この混合溶液中にN−イソプロピル−N−2,4−ジフルオロフェニルカルバモイルクロライド9.4g(0.04mol)を室温で一度に加え、激しく攪拌しながらマントルヒーターを用いて90℃で2時間加熱した。反応終了後、水溶液中で分散している固体を、桐山ロートを用いて吸引ろ取した。ろ取した固体の上から、水50mlを吸引しながら流して洗浄した後、風乾した。風乾後の固体をメタノール100mlで再結晶した。析出した結晶を桐山ロートを用いて吸引ろ取した。メタノール20mlを吸引しながら流して洗浄した後、乾燥して、標記の目的化合物結晶15.2g(収率83%) を得た。
【0052】
【実施例4】
1 - (2 - クロロフェニル ) - 4 - N - イソプロピル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オンの製造
300mlの4つ口フラスコに、攪拌機、温度計、ジムロートコンデンサーを備え付けて反応容器とし、これにトルエン150mlを入れ、1 - (2 - クロロフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン 20g (0.10mol) 、水酸化ナトリウム 4.2g (0.105mol) 、テトラ n - ブチルホスホニウムブロミド1.7g (5.0mmol) を室温で順次加え、激しく攪拌しながらマントルヒーターを用いて90℃で1時間加熱した。攪拌しながらほぼ均一な混合溶液を60℃に放冷し、N - イソプロピル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイルクロライド 23.4g (0.10mol) を、10mlのトルエンで洗いこみながら該溶液中に一度に加え、再度激しく攪拌しながらマントルヒーターを用いて90℃で4時間加熱した。反応終了後、NaClの析出している混合溶液を激しく攪拌しながら温度を50℃まで放冷した後、1N - 水酸化ナトリウム水溶液70mlを加え、激しく攪拌しながらマントルヒーターを用いて加熱し、二層の混合溶液の温度を50℃に5分間保ち、トルエン層を洗浄した。二層の混合溶液を分液ロートに移し、下層のアルカリ水層を抜き出し、トルエン層を反応容器に戻した。さらにトルエン層を10%食塩水70mlで2回、最後に水70mlで前述と同様の操作により分液、洗浄した。分液後のトルエン層をナスフラスコに移し、減圧下に濃縮した。濃縮して得られた固体をメタノール300mlで再結晶した。析出した結晶を、桐山ロートを用いて吸引ろ取した。ろ取した結晶の上からメタノール50mlを吸引しながら流して洗浄した後、乾燥して、標記の目的化合物結晶36.1g(収率90%)を得た。
【0053】
【実施例5】
1 - (2 - メチルフェニル ) - 4 - N - イソプロピル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オンの製造
50mlの4つ口フラスコに、攪拌機、温度計、ジムロートコンデンサーを備え付けて反応容器とし、これに水10mlを入れ、1 - (2 - メチルフェニル) - 1,2,4 -トリアゾール - 5 - オン 2.0g (11.4mmol) 、水酸化ナトリウム 0.48g (12.0mmol)を室温で順次加え、同温度で5分間攪拌した。次いで、テトラn - ブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート 0.35g (1.04mmol) を室温で加え、さらに同温度で10分間攪拌した。次いで、混合溶液中に、N - イソプロピル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイルクロライド 2.42g (10.4mmol) をトルエン20mlに溶解した溶液を、室温で一度に加え、激しく攪拌しながらマントルヒーターを用いて90℃で3時間加熱した。反応終了後、激しく攪拌しながら二層の混合溶液の温度を50℃まで放冷した後、分液ロートに移し、下層のアルカリ水層を抜き出し、トルエン層を反応容器に戻した。トルエン層の入った反応容器に1N -水酸化ナトリウム水溶液10mlを加え、激しく攪拌しながらマントルヒーターを用いて加熱し、二層の混合溶液の温度を50℃に5分間保ち、トルエン層を洗浄した。さらにトルエン層を10%食塩水10mlで2回、最後に水10mlで前述と同様の操作により分液、洗浄した。分液後のトルエン層をナスフラスコに移し、減圧下に濃縮した。濃縮して得られた固体に、ヘキサン20mlを加えて洗浄し、桐山ロートを用いて固体を吸引ろ取した。ろ取した固体の上から、ヘキサン10mlを吸引しながら流して洗浄した後、乾燥して、標記の目的化合物固体3.8g(収率90%)を得た。
【0054】
【参考例1】
1 - (2,4 - ジクロロフェニル ) - 4 - N - イソプロピル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オンの製造(特許文献1(国際公開第 98/38176 号パンフレット)に記載の方法)
100mlの4つ口フラスコに、攪拌機、温度計、ジムロートコンデンサーを備え付けて反応容器とした。1 - (2,4 - ジクロロフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン 2.3g (0.01mol) を、アセトニトリル50mlに溶解し 、次いで炭酸カリウム 1.7g (0.012mol)を室温で加えた。得られた混合溶液を室温で30分攪拌した後、該溶液中にN - イソプロピル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイルクロライド 3.0g (0.013mol) を室温で加え、マントルヒーターを用いて80℃で1時間加熱攪拌した。反応終了後、反応液から無機塩を、桐山ロートを用いて吸引ろ過により除去した。次いで、減圧下にろ液からアセトニトリルを留去した。得られた残留物をトルエン80mlに溶解し、分液ロートに移してトルエン層を水40mlで洗浄した後、分液した。トルエン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトにて精製し、標記の目的化合物固体3.4g(収率80%)を得た。
【0055】
【参考例2】
1 - (2,4 - ジクロロフェニル ) - 4 - N - イソプロピル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オンの製造(特許文献1(国際公開第 98/38176 号パンフレット)に記載の方法)
100mlの4つ口フラスコに、攪拌機、温度計、ジムロートコンデンサーを備え付けて反応容器とした。1 - (2,4 - ジクロロフェニル) - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン 2.3g (0.01mol) を、ピリジン50mlに溶解し 、次いでN - イソプロピル - N - 2,4 - ジフルオロフェニルカルバモイルクロライド 3.0g (0.013mol) を室温で加えた。該混合溶液を、同温度で20時間放置した。反応終了後、ピリジンを減圧下に留去した。得られた残留物をトルエン80mlに溶解し、分液ロートに移してトルエン層を1規定塩酸水40ml、次いで水40mlで洗浄後、分液した。トルエン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトにて精製し、標記の目的化合物固体3.1g(収率71%)を得た。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば除草剤の有効成分として有用な化合物である 1 - 置換 - 4 - カルバモイル - 1,2,4 - トリアゾール - 5 - オン誘導体を、相間移動触媒を用いる反応により、簡便かつ低コストで、高収率に、高品質で製造することができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 0004397579
    [式中において、Xはハロゲン原子または低級アルキル基を示し、Yはハロゲン原子を示し、Rは低級アルキル基を示し、nおよびmは0〜5の整数を示す。]で表される1−置換−4−カルバモイル−1,2,4−トリアゾール−5−オン誘導体の製造方法において、下記一般式(II)
    Figure 0004397579
    [式中において、Xおよびnは前記と同義である。]で表される1−置換−1,2,4−トリアゾール−5−オン誘導体と、下記一般式(III)
    Figure 0004397579
    [式中において、Y、Rおよびmは前記と同義である。]で表されるカルバモイルクロライド類とを、芳香族炭化水素および/または水中で、脱塩酸剤の存在下に、相間移動触媒として、第四級アンモニウム塩、および、ホスホニウム塩からなる群より選択されるいずれかの化合物を加えて反応させることを特徴とする、
    上記式(I)で表される1−置換−4−カルバモイル−1,2,4−トリアゾール−5−オン誘導体の製造方法。
  2. 溶媒として、芳香族炭化水素および/または水を用い、脱塩酸剤として、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩を用いることを特徴とする、請求項1記載の1−置換−4−カルバモイル−1,2,4−トリアゾール−5−オン誘導体の製造方法。
  3. 前記芳香族炭化水素が、トルエン、キシレン、ベンゼンから選ばれる1種または2種以上の芳香族炭化水素であることを特徴とする請求項1または2に記載の1−置換−4−カルバモイル−1,2,4−トリアゾール−5−オン誘導体の製造方法。
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