先ず、本発明を適用したスロットマシン(遊技機)2に設定されている各種モードについて簡単に説明する。スロットマシン2では、遊技モードと設定変更モードと設定確認モードとが設定されている。遊技モードでは、スロットマシン2での遊技が実行可能となる。設定変更モードでは、当たりの抽選確率が互いに異なる6種類の抽選テーブル(詳しくは後述)の中から1つを選択して、その選択された抽選テーブルを後述する当選役決定部44の当選判定で用いるように設定することが可能となる。設定確認モードでは、遊技で用いるように設定されている抽選テーブルを確認することが可能となる。また、本実施形態では、6種類の抽選テーブルのそれぞれに対して1つずつ設定値が割り当てられている。具体的には、当たりの抽選確率の低い抽選テーブルから高い抽選テーブルにかけて順に1〜6までの数字が設定値として割り当てられている。
以下、本発明を適用したスロットマシン2の構成について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、スロットマシン2の筺体3は大別して、正面に開口部4(図2参照)を有する収納箱5と、開口部4を開閉自在に塞ぐ前面扉6とから構成されている。収納箱5の内部は仕切り板7(図2参照)によって上収納部5a(図2参照)と下収納部5b(図2参照)とに仕切られている。上収納部5aには第1〜第3リール11a〜11c(詳細は後述)が設置されており、下収納部5bには、ホッパーユニット30(詳細は後述)及び電源装置31(詳細は後述)が設置されている。
前面扉6は、上収納部5aに対応している上扉6aと下収納部5bに対応している下扉6bとから構成されており、上収納部5aと下収納部5bとのそれぞれの開口は、上扉6aと下扉6bとによって開閉自在に塞がれている。また、上扉6a及び下扉6bは、収納箱5にロックされている。
ここで、前面扉6と収納箱5とのロック方法、及びそのロックの解除方法について説明する。なお、このロック方法、及びそのロックの解除方法については周知であるため詳しい説明は省略する。上扉6aの裏側には、上扉6aと収納箱5とをロックする上扉ロック装置(不図示)と、この上扉ロック装置によるロックを解除するための解除つまみ(不図示)とが設けられている。また、下扉6bの裏側には下扉6bと収納箱5とをロックする下扉ロック装置(不図示)が設けられている。上扉ロック装置及び下扉ロック装置はともに、扉を閉めることで自動的に扉と収納箱5とをロックするように構成されている。
下扉6bの正面視右上には鍵穴7が設けられている。鍵穴7は、下扉6bと収納箱5とのロックを解除する際に用いられるものであり、この鍵穴7に所定の鍵(不図示)を差し込んで回すと、下扉6bと収納箱5とのロックが解除される。
閉扉時において、上扉6aの解除つまみは、扉内部に隠れてしまっているので、スロットマシン2の外側から操作可能な解錠手段は鍵穴7のみとなる。つまり、上記の鍵を用いて下扉6bを開けることはできるが、下扉6bが施錠されている状態で上扉6aを開けることはできないようになっている。下扉6bのロックを解除して開くと、上扉6aの解除つまみが操作可能となる。上扉6aのロックを解除する場合、下扉6bを開けて、解除つまみを操作してロックを解除する。このように、スロットマシン2は、下扉6bの鍵がなければ上扉6aのロックを解除できないように構成されている。
上扉6aには3個の図柄表示窓8〜10が設けられ、各々の表示窓の奥に第1リール11a,第2リール11b,第3リール11cが回転自在に設けられている。上収納部5aには第1〜第3リール11a〜11cを回転自在に取り付けるためのリール用支持部材12(図2参照)が設けられている。リール用支持部材12には第1〜第3リール11a〜11cに対応するようにステッピングモータ50a〜50c(図3参照)が取り付けられており、第1〜第3リール11a〜11cはステッピングモータ50a〜50cを介してリール用支持部材12に軸着されている。また、第1〜第3リール11a〜11cは手動で回転操作を行うことができるように構成されている。
周知のように、第1〜第3リール11a〜11cの外周には様々な図柄が一定ピッチで配列され、リールが停止した状態では対応する表示窓を通して1リール当たり3個の図柄が観察される。これにより各リールの図柄を1個ずつ組み合わせた直線状の入賞ラインが横3本斜め2本の合計5本設定されている。
上扉6aにおいて、図柄表示窓8〜10の下方にはクレジット枚数表示窓13が設けられている。クレジット枚数表示窓13の奥には、クレジット枚数表示装置14(図3参照)が設けられている。スロットマシン2では50枚を限度に適正なメダルを貯留することが可能になっており、クレジット枚数表示装置14は貯留されているメダルの枚数をクレジット枚数表示窓13を通して表示する。
下扉6bには操作パネル16が設けられている。この操作パネル16には、1枚ベットボタン17、MAXベットボタン18、精算ボタン19、スタートレバー21、第1〜第3ストップボタン22〜24などの操作ボタンが設けられている。また、この操作パネル16にはメダル投入口25が設けられている。なお、これら操作ボタンやメダル投入口25の機能については周知であるため、詳細については省略する。
図2に示すように、前面扉6を開けると、上収納箱5aには、第1〜第3リール11a〜11cが設けられており、下収納部5bにはホッパーユニット30と電源装置31とが設けられている。ホッパーユニット30は、遊技の実行によりメダル投入口25から投入されたメダルを貯留するメダル貯留箱30aと、ホッパー装置30bとから構成されている。ホッパー装置30bから払い出されたメダルは、メダル払い出し口32を経てメダル受け皿33に払い出される。
電源装置31の前面には、スロットマシン2の主電源を入れるための電源スイッチ31aと、鍵穴31bとが設けられている。電源スイッチ31aをオンすると主電源が投入されて各種制御装置に電源が供給される。
鍵穴31bは、所定の鍵(不図示)が差し込まれ、その鍵を回転操作することによりオフ位置とオン位置との間で回動するように構成されている。電源スイッチ31aがオフのときに、鍵穴31bに所定の鍵を差し込んでオフ位置からオン位置に回転操作した後、電源スイッチ31aをオンすることにより設定変更モードになる。
設定変更モードでは、後述する当選役決定部44の当選判定で用いられる当たりの抽選確率が互いに異なる複数種類の抽選テーブルの中から1つを選択することが可能となる。予め定められた操作(詳しくは後述)を行うことによって抽選テーブルが選択された後、その選択された抽選テーブルは、スタートレバー21を操作することにより当選役決定部44の当選判定で用いられるように設定される。抽選テーブルが設定された後、鍵穴31bに差し込まれている鍵をオン位置からオフ位置に回転操作すると遊技モードに移行する。
電源スイッチ31aをオンしてスロットマシン2の主電源を投入してから鍵穴31bに所定の鍵を差し込んでオフ位置からオン位置に回転操作することにより設定確認モードになる。また、鍵穴31bに鍵を差し込まない状態で、あるいは鍵穴31bに差し込んだ鍵をオン位置にしない状態で、電源スイッチ31aをオンすることにより遊技モードとなる。なお、鍵穴31aは鍵がオフ位置にあるときにのみ鍵を引き抜くことが可能になるような構造を成しており、鍵がオン位置、あるいはオフ位置とオン位置との間にあるときには引き抜くことはできないようになっている。
上扉6aの前面には設定値表示窓34が設けられている。この設定値表示窓34の奥には、設定変更モード中に選択された抽選テーブルに対応した設定値、当選役決定部44の当選判定で用いられるように設定されている抽選テーブルに対応した設定値を設定値表示窓34を通して表示させる設定値表示装置35(図3参照)が設けられている。設定変更モード中に抽選テーブルが選択されると、その選択された抽選テーブルに対応した設定値が設定値表示窓34を通して点灯表示され、その選択された抽選テーブルがスタートレバー21を操作することにより当選役決定部44の当選判定で用いることができるように設定されると、その設定した抽選テーブルに対応した設定値が確定表示される。
具体的に点灯表示とは、設定値表示窓34に「−(設定値)−」という態様で表示されることを示し、確定表示とは、設定値表示窓34に「(設定値)」という態様(「−」を非表示した態様)で表示されることを示す。
図3に示すように、スロットマシン2の作動は基本的にCPU(リール識別手段)40及びメモリ41を含む制御部42によって管制される。制御部42にはCPU40及びメモリ41の他、電子抽選部43、当選役決定部(抽選確率変更手段)44、順序判定部(順序判定手段)45が設けられている。
メダルセンサ47は、メダル投入口25から投入された適正なメダルを検知し、検知信号をCPU40に入力する。メダル投入口25の奥にはセレクタが組み込まれ、不適正なメダルは、メダル払い出し口32よりメダル受け皿33に排出される。また、セレクタは、不適切なタイミングでメダルの投入が行われたとき、例えばゲームの途中や各種の操作ボタンが押されたままの状態でメダル投入口25に投入されたメダルについても、メダルセンサ42を経由させずにメダル受け皿33に排出する。
1枚ベットボタン17及びMAXベットボタン18の内部にはセンサが設けられており、それぞれのボタンが押下されたときにはCPU40に信号を入力する。CPU40は、遊技の開始に先立って投入された1〜3枚のメダルの枚数をメダルセンサ47からの検知信号か、または1枚ベットボタン17、MAXベットボタン18のいずれかからの入力信号に基づいて計数し、これにより入賞ラインの有効化本数を決定する。また、遊技を開始する際にメダル投入口25に投入されたメダルのベット枚数はCPU40に設けられたクレジットメダルカウンタ(不図示)で計数され、1枚ベットボタン17やMAXベットボタン18の操作によりメダルの投入操作が行われる毎にメダルのベット枚数はクレジット枚数から逐次に減算される。
精算ボタン19の内部にはセンサが設けられており、精算ボタン19が押下操作されたときにはCPU40に信号を入力する。クレジットメダルカウンタにメダルが記憶されている状態で、精算ボタン19が押下操作されると、クレジットメダルカウンタに記憶されているメダルが全て減算され、クレジットメダルカウンタに記憶されているメダル枚数分のメダルが全てホッパー装置30bによってメダル受け皿33に払い出される。
スタートスイッチセンサ48は、スタートレバー21が操作されたときにオンとなり、遊技モード中にスタートレバー21を操作すると遊技スタート信号をCPU40に入力し、設定変更モード中にスタートレバー21を操作すると設定信号をCPU40に入力する。CPU40は、遊技スタート信号に応答してメモリ41のROM領域に格納された遊技実行プログラムに基づいて第1〜第3リール11a〜11cを回転させるとともに遊技の処理を開始する。なお、メモリ41のRAM領域はワーキングエリアとなっており、スロットマシン2のモード設定に利用されるフラグやデータ、毎回の遊技毎に利用されるフラグやデータなどの一時的保管や書き換えなどに用いられる。
各リールの駆動及び停止制御は、リール駆動コントローラ49によって行われる。第1〜第3リール11a〜11cのそれぞれは個別のステッピングモータ50a〜50cの駆動軸に固着され、各ステッピングモータ50a〜50cの駆動を制御することにより各リールの制御が行われる。
ステッピングモータ50a〜50cは供給された駆動パルスの個数に応じた回転角で回転するから、CPU40により駆動パルスの供給個数を制御することによって第1〜第3リール11a〜11cの回転角を制御することができ、また、駆動パルスの供給を絶つことによりリールの停止位置を決めることができる。また、各リールには、その基準位置に反射信号部51a〜51cが一体に形成され、その一回転毎にフォトセンサ52a〜52cがそれぞれの反射信号部の通過を光電検出する。フォトセンサ52a〜52cによる検知信号は、リール毎のリセット信号としてCPU40に入力される。
CPU40にはステッピングモータ50a〜50c毎にパルスカウンタが設けられ、各々のステッピングモータ50a〜50cに供給された駆動パルスの個数を計数する。そして、フォトセンサ52a〜52cからリセット信号が入力されたときに、対応するパルスカウンタのカウント値をクリアする。したがって、それぞれのパルスカウンタには、各リールの1回転内の回転角に対応した駆動パルスの個数が逐次に更新しながら保存されることになる。
メモリ41のROM領域には図柄テーブルが格納され、図柄テーブルには、各リールの基準位置からの回転角に対応した駆動パルスの個数と、リールに一定ピッチで配列されたそれぞれの図柄を表す図柄コードとが対応づけられている。したがって、リール毎にパルスカウンタのカウント値を監視することによって、例えば中央の入賞ライン上にどの図柄が移動してきているのかを識別することができ、また、さらにどの程度リールを回転させれば目的の図柄がその入賞ライン上に移動してくるのかを予測することができる。
第1〜第3ストップボタン22〜24の内部にはセンサが設けられており、第1〜第3ストップボタン22〜24が操作されたときにCPU40にリール毎のストップ信号を入力する。スタートレバー21を操作して全リールの回転が始まり、これらの回転が定常速度に達した時点で第1〜第3ストップボタン22〜24の操作が有効化される。その後、これらを操作することによってそれぞれ対応する第1〜第3リール11a〜11cの停止制御が開始される。
CPU40は、スタートスイッチセンサ48から入力された遊技スタート信号を受けて電子抽選部43を作動させる。電子抽選部43は、乱数発生器と乱数値サンプリング回路とを含み、遊技が開始される毎に1つの乱数値を抽選により決定する。ここで決定された乱数値は当選役決定部44に入力される。当選役決定部44では、この入力された乱数値に応じて、現在実行された遊技でどのような当選役を与えるかを決定する。
当選役決定部44には、当たりの抽選確率が互いに異なる第1〜第6抽選テーブルが設けられている。これら抽選テーブルは、第1抽選テーブルから第6抽選テーブルにかけて順に当たりの抽選確率が高くなっており、第1〜第6抽選テーブルには設定値「1」〜「6」が割り当てられている。抽選テーブルは、通常モードでの遊技でサンプリングされた乱数値が、複数種類の当選役、ハズレのいずれに属しているかの判定、すなわち当選判定に用いられる。この当選判定は当選役決定部44で行われる。このように当選役決定部44は入力された乱数値と第1〜第6抽選テーブルのうちのいずれか1つを用いて当たりか否かを決定する。当選役決定部44で当選判定が行われると、決定されたハズレ又は当選役の種類を示す当選役決定信号がCPU40に入力される。
ホッパー装置30bは、入賞した当選役の種類に応じて規定枚数の配当メダルをメダル受け皿33に払い出す。なお、当選役の種類ごとに配当メダルの枚数を決めた配当テーブルはROM41に格納されており、CPU40がこれを読み取ってホッパー装置30bを駆動する。
鍵穴31bの内部にはモード選択スイッチ55が設けられている。モード選択スイッチ55は、鍵穴31bに所定の鍵が差し込まれてオフ位置からオン位置に回転操作された後に主電源が投入されるとオンとなり、CPU40にオン信号を入力する。これにより設定変更モードになる。設定変更モードにおいて、抽選テーブルが当選役決定部44の当選判定で用いられるように設定された後、鍵がオン位置からオフ位置に回転操作されるとモード選択スイッチ55はオフとなり、CPU40にオフ信号を入力する。これにより設定変更モードから遊技モードに移行する。
第1〜第3リール11a〜11cには第1〜第3リール用回転検知器56〜58が設けられている。第1〜第3リール用回転検知器56〜58は第1〜第3リール11a〜11cが回転したか否かを検知するためのものである。
第1〜第3リール用回転検知器56〜58はいずれも同様に構成されているので、以下、第1リール用回転検知器56を例に挙げて説明する。図4に示すように、第1リール用回転検知器56は、光線の送受を行う投光部56a及び受光部56bからなるフォトセンサである。ステッピングモータ50aの駆動軸59は円柱状に形成されており、この駆動軸59の外周には駆動軸59と同心円状の円盤60が固着されている。円盤60の表面には周方向に沿って複数の貫通孔60aが形成されている。投光部56aから投光された光は貫通孔60aを通って受光部56bで受光される。受光部56bは投光部56aからの光を受光すると、CPU40に検知信号を入力する。
図3に示すように、CPU40は、設定変更モード中に第1リール用回転検知器56から入力される検知信号に基づいて第1リール11aが回転したか否かを識別する。同様にして、CPU40は、設定変更モード中に第2リール用回転検知器57、第3リール用回転検知器58から入力された検知信号に基づいて第2リール11b、第3リール11cが回転したか否かを識別する。
CPU40は、設定変更モード中に第1リール11aが回転したことを識別した場合に順序判定部45に第1リール回転識別信号を入力し、設定変更モード中に第2リール11bが回転したことを識別した場合に順序判定部45に第2リール回転識別信号を入力し、また、設定変更モード中に第3リール11cが回転したことを識別した場合に順序判定部45に第3リール回転識別信号を入力する。なお、上記の「リールが回転したか否かの識別」については、リールが1回転以上回転した場合にリールが回転したと識別することが好ましい。
順序判定部45は、設定変更モード中にCPU40から入力された第1〜第3リール回転識別信号に基づいて回転したリールの順序が予め定められた順序と一致したか否かを判定する。予め定められた順序としては、第1リール11a→第2リール11b→第3リール11c(以下、Aパターンと記す)、第1リール11a→第3リール11c→第2リール11b(以下、Bパターンと記す)、第2リール11b→第1リール11a→第3リール11c(以下、Cパターンと記す)、第2リール11b→第3リール11c→第1リール11a(以下、Dパターンと記す)、第3リール11c→第1リール11a→第2リール11b(以下、Eパターンと記す)、第3リール11c→第2リール11b→第1リール11a(以下、Fパターンと記す)の6通りのパターンが設定されている。また、Aパターンには設定値「1」、Bパターンには設定値「2」、Cパターンには設定値「3」、Dパターンには設定値「4」、Eパターンには設定値「5」、Fパターンには設定値「6」が対応付けされている。
順序判定部45は、回転したリールの順序とA〜Fパターンとを照合し、この照合結果に基づいてA〜Fパターン信号のいずれかをCPU40を介して当選役決定部44に入力する。例えば、回転したリールの順序がAパターンと一致していた場合には当選役決定部44にAパターン信号を入力し、回転したリールの順序がFパターンと一致していた場合には当選役決定部44にFパターン信号を入力する。
以上のように、CPU40は、設定変更モード中に、複数のリールのうち(第1〜第3リール11a〜11cのうち)、いずれのリールが回転したかを識別するリール識別手段として機能する。また、順序判定部45は、回転したリールの順序が所定の順序と一致したか否かをリール識別手段の識別結果に基づいて(第1〜第3リール回転識別信号に基づいて)判定する順序判定手段として機能する。
当選役決定部44は、順序判定部45から入力された上記パターン信号に応答して複数の抽選テーブルの中からパターン信号の種類に対応した抽選テーブルを1つ選択する。例えば、入力されたパターン信号がAパターン信号であれば、設定値「1」に対応した第1抽選テーブルを選択し、Fパターン信号であれば設定値「6」に対応した第6抽選テーブルを選択する。これにより、回転したリールの順序が、当選役決定部44の当選判定で用いられるように設定されている抽選テーブルを表す設定値に対応したパターン以外のパターンと一致した場合、当選役決定部44の当選判定で用いられるように設定されている抽選テーブルから、その一致したパターンに対応した設定値が示す抽選テーブルに変更される。
また、回転したリールの順序が、当選役決定部44の当選判定で用いられるように設定されている抽選テーブルを表す設定値に対応したパターンと一致した場合、当選役決定部44の当選判定で用いられるように設定されている抽選テーブルが再選択される。例えば、当選役決定部44の当選判定で用いられるように設定されている設定値が「3」であり、回転したリールの順序がCパターンであった場合、設定値「3」が再選択される。以上のように、当選役決定部44は、回転したリールの順序が所定の順序と一致した場合に、抽選確率を変更する(抽選テーブルを変更する)抽選確率変更手段として機能する。なお、本実施形態では、パターン信号によって同一の抽選テーブルを再選択するということも広義的に「抽選確率を変更する(抽選テーブルを変更する)」という意味を包含する。
また、CPU40は、順序判定部45から入力された上記パターン信号に応答して、その入力されたパターン信号の種類に対応した設定値を設定値表示装置35に点灯表示させる。例えば、Aパターン信号ならば設定値「1」、Fパターン信号ならば設定値「6」が設定値表示装置35によって表示される。
設定変更モードにおいて、上述したように抽選テーブルが選択された後、CPU40は、スタートスイッチセンサ48からの設定信号に応答して設定実行信号を当選役決定部44に入力する。当選役決定部44はCPU40から入力された設定実行信号に応答して、上記のパターン信号によって選択された抽選テーブルを当選判定で用いるように設定する。
また、当選役決定部44は、設定実行信号によって抽選テーブルを設定したことを契機に、その設定した抽選テーブルの種類を示す信号をCPU40に入力する。CPU40は、当選役決定部44から入力された信号に応答して、当選役決定部44で設定された抽選テーブルに対応した設定値を設定値表示装置35に確定表示させる。このようにして抽選テーブルが設定された後、モード選択スイッチ55によるオフ信号がCPU40に入力されると抽選テーブル設定モードから遊技モードに移行する。
なお、設定変更モードにおいて、CPU40は、スタートスイッチセンサ48からの設定信号が入力される前のモード選択スイッチ55によるオフ信号を無視し、設定信号が入力された後の当該オフ信号にのみ応答する。つまり、スタートレバー21の操作によって抽選テーブルが設定されない限り設定変更モードを遊技モードに移行することができないように構成されている。
スロットマシン2の電源スイッチ31aがオンされてから、モード選択スイッチ55がオンされると、CPU40に設定確認信号が入力される。CPU40に設定確認信号が入力されると設定確認モードとなり、設定値表示装置35により設定値表示窓34を通して当選役決定部44の当選判定で用いられるように設定されている抽選テーブルに対応した設定値が表示される。モード選択スイッチ55がオフされると、CPU40に設定確認解除信号が入力される。CPU40に設定確認解除信号が入力されると設定値表示装置35による表示が終了され、遊技モードに移行する。
次に、本実施形態の作用について図5のフローチャートを参照しながら説明する。抽選テーブルを変更する場合、先ず、遊技店の管理者が下扉6bを開け、電源スイッチ31aをオフにする。そして、所定の鍵を鍵穴31bに差し込んで、その鍵をオフ位置からオン位置に回転操作した後に電源スイッチ31aをオンにし、設定変更モードにする。
次に、管理者は上扉6aを開け、第1〜第3リール11a〜11cのうちのいずれか1つを手動で回転させる。これと同様の操作を他のリールに対しても行う。第1〜第3リール用回転検知器56〜57は、各リールが回転するごとにCPU40に検知信号をする。CPU40は、第1〜第3リール用回転検知器56〜57から入力された検知信号に基づいて第1〜第3リール11a〜11cのうちのいずれのリールが回転したかを識別し、この識別結果を信号化して順序判定部45に入力する。
順序判定部45は、上記の識別結果に基づいて回転したリールの順序がA〜Fパターンのいずれに該当するか判定し、その判定結果に対応した信号(A〜Fパターン信号のいずれか)を当選役決定部44に入力する。当選役決定部44は、上記パターン信号に応答して複数の抽選テーブルの中からパターン信号の種類に対応した抽選テーブルを1つ選択する。
このようにして抽選テーブルが選択された後、管理者がスタートレバー21を操作すると、CPU40は、設定実行信号を当選役決定部44に入力する。当選役決定部44は、CPU40から入力された設定実行信号に応答して、パターン信号によって選択された抽選テーブルを当選判定で用いるように設定する。これにより抽選テーブルの設定が完了する。
以上のように、設定変更モードにおいて、第1〜第3リール11a〜11cを予め定められた正規の順序に従って手動で回転させた場合に抽選テーブルを変更するようにしたので、リールの回転順序を知らない者は、抽選テーブルを変更することができない。これにより不正に抽選テーブルを変更するといった行為を防止することができる。
また、抽選テーブルを変更する際には、第1〜第3リール11a〜11cを手動で回転操作するにあたって上扉6aを開放しなければならない。スロットマシン2では、上扉6aは下扉6bを開放しなければ開放することができないように構成されているので、抽選テーブルを変更する場合には、上扉6aとともに下扉6bも開放されることになり、周囲から見た場合、非常に目立った状態となる。この結果、不正に抽選テーブルを変更するといった行為を防止することができる。
上記実施形態では、第1〜第3リール11a〜11cを手動で回転させることができるように構成したが、第1〜第3リール11a〜11cが空回りしないようにロックするロック機構を設けても良い。この場合、上扉6aが全開になったことを検知する検知手段と、検知手段での検知結果に基づいて各リールに形成された穴にソレノイドの駆動鉄心を挿入する手段とを設け、検知手段が上扉6aの全開を検知しないときには、ソレノイドの駆動鉄心を上記穴に挿入してリールをロックし、手動で回転させることができないようにしても良い。これにより抽選テーブルを変更する際には上扉6aを全開にしなければならず、非常に目立ってしまうため、不正に抽選テーブルを変更するといった行為をより一層防止することができる。
上記実施形態では、第1〜第3リール用回転検知器56〜58を用いて第1〜第3リール11a〜11cが回転したか否かを検知するようにしたが、反射信号部51a〜51cとフォトセンサ52a〜52cとを用いて検知するようにしても良く、第1〜第3リール11a〜11cが回転したか否かを検知する手段は適宜に変更可能である。
上記実施形態では、抽選テーブルを変更する際にリールを手動で回転させたが、これに限ることなく、ステッピングモータ50a〜50cの駆動力を用いて回転させるようにしても良い。この場合、第1〜第3リール11a〜11cのそれぞれに対して1つずつ操作ボタンを設け、操作ボタンを操作したときに、その操作した操作ボタンに対応したリールのステッピングモータが駆動するようにすれば良い。これにより所望のリールを回転させることができる。また、不正行為を行う者には抽選テーブルの変更を迅速に行いたいという心理が働いていると考えられるので、ステッピングモータ50a〜50cを用いてリールを回転させる場合には、遊技時よりも遅い速度で、且つ不正行為を行う者が苛立つくらいの速度で回転させることが好ましい。
上記実施形態では、A〜Fパターンに対応するように設定値「1」〜「6」を対応付けしたが、Aパターンを設定値「6」、Fパターンを設定値「1」などとしても良く、A〜Fパターンと設定値「1」〜「6」との対応付けの形態は適宜に変更可能である。
上記実施形態では、リールの回転順序を表すパターンとしてA〜Fパターンを設定し、複数の抽選テーブルの中からパターンの種類に対応した抽選テーブルを選択するようにしたが、予め設定されているパターンを1つだけにして、リールの回転順序がそのパターンと一致したときに設定値を1だけカウントアップするようにしても良い。例えば、当選役決定部44の当選判定で用いられるように設定されている抽選テーブルが第3抽選テーブルであり、リールの回転順序が予め設定されているパターンに一致した場合、設定値を「3」から「4」にカウントアップする。以降、同様にして、設定値を「5→6→1→2・・・・」の順でカウントアップさせる。