JP7068717B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
本発明は、かかる問題点に鑑み、スロットマシンなどの遊技機において、ATが連続しすぎないようにして射倖性が高くなりすぎるのを防ぐことを目的とする。
すなわち、本発明に係る遊技機は、外周面に複数の図柄が付された複数の回転リールと、前記複数の回転リールを回転させるスタートスイッチと、回転中の前記回転リールを個々に停止させる複数の停止スイッチと、遊技の進行を制御するメイン制御手段と、前記メイン制御手段からの出力信号が一方的に入力され演出を制御するサブ制御手段と、を備え、前記メイン制御手段は、複数種類の役について当選か否かの役抽選を行う役抽選手段と、前記スタートスイッチの操作信号の入力に基づき前記回転リールの回転を制御し、前記停止スイッチの操作信号の入力に基づき回転中の前記回転リールの停止を制御するリール制御手段と、特定の役の入賞を補助する補助演出が行われる補助演出状態の開始及び終了を制御する補助演出制御手段と、を備え、前記サブ制御手段は、演出を行う演出装置において前記補助演出を実行する演出実行制御手段を備え、前記補助演出状態は所定の遊技区間において開始し得るとともに、当該所定の遊技区間は、投入された遊技価値の数と払い出された遊技価値の数との差数の累積値が所定値に達することに基づいて終了し、前記所定の遊技区間への移行及び終了の制御、並びに、前記補助演出状態の開始及び終了の制御がいずれも前記メイン制御手段により行われ、前記補助演出状態の実行に関する有利度が相対的に高い第1状態及び前記補助演出状態の実行に関する有利度が相対的に低い第2状態を少なくとも有し、前記所定の遊技区間では前記第1状態が設定され、前記所定の遊技区間の終了時に、前記第2状態を設定する初期化処理を実行可能であり、前記所定の遊技区間への移行及び前記所定の遊技区間の終了のいずれによっても、前記役抽選の抽選態様が変更されないことを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機は、前記所定の遊技区間では前記第1状態が設定可能であり、前記所定の遊技区間の終了時に、必ず前記第2状態を設定する初期化処理を実行するように形成することができる。
(スロットマシンS)
スロットマシンSは、図1に示すように、正面側(遊技者と対向する前面側)に開口部を有する方形の筐体Bと、この筐体Bの開口部を塞ぐ前扉Dを備えている。
筺体Bの内部には、スロットマシンSの作動を制御するための制御装置1、外周面に複数の図柄が付された3個の回転リール61,62,63を有するリールユニット2、メダルを貯留するとともに貯留されているメダルを払い出すためのホッパーユニット3、スロットマシンSに備えられた各種装置に電力を供給するための電源装置4等が設置されている。
スタートスイッチ20は、上下方向に揺動可能なレバーを備え、スタートスイッチ20の筐体内部側には、押下操作によるレバーの位置移動を検出する検知部が設けられており、検知部の検出信号がスタートスイッチ20の操作信号として扱われるようになっている。
停止スイッチ31~33は、前後方向にプッシュボタンを備え、各停止スイッチ31~33の筐体内部側には、押圧操作によるプッシュボタンの位置移動を検出する検知部がそれぞれ設けられており、検知部の検出信号が各停止スイッチ31~33の操作信号として扱われるようになっている。
制御装置1は、図示しないメイン基板ケースにメイン基板を収納したメイン基板ユニットと、図示しないサブ基板ケースにサブ基板を収納したサブ基板ユニットとから構成される。メイン基板及びサブ基板は、IC等の各種電子部品を搭載した制御基板であり、メイン基板はスロットマシンSの遊技に関する制御を行うメイン制御装置100(図2参照)を構成し、サブ基板は演出や報知に関する制御を行うサブ制御装置200(図2参照)を構成する。また、メイン制御装置100とサブ制御装置200との間では、メイン制御装置100からサブ制御装置200への一方へ向けてのみコマンドやデータが出力され、サブ制御装置200からメイン制御装置100へ向けてはコマンドやデータが出力されないようになっている。
メイン制御装置100は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31~33の操作に基づき、回転リール61~63の回転及び停止を制御するものである。
メイン制御装置100の入力側には、図2に示すように、メダルセンサ7A、リールセンサ2A、払い出しセンサ3A、ベットスイッチ10、スタートスイッチ20、停止スイッチ31~33、精算スイッチ40及び設定変更操作部50が接続されている。ここで、メダルセンサ7Aは、図1に示すように、メダルセレクター7に設けられた検知部であって、メダル投入口5から投入されホッパーユニット3に移送されるメダルを検出するためのものである。リールセンサ2Aは、図示しないが、リールユニット2の枠体に設けられた検知部であって、回転リール61~63に設けられたスタートインデックスを検出して回転リール61~63の回転を検知するためのものである。払い出しセンサ3Aは、図示しないが、ホッパーユニット3に設けられた検知部であって、メダル払出装置から払い出されるメダルを検出するためのものである。設定変更操作部50は、図1に示すように、制御装置1の表面に設けられた操作部であって、スロットマシンSの出玉の設定を変更する際に使用されるものである。設定変更操作部50としては、設定キースイッチ51と、設定変更スイッチ52とが設けられている。
投入制御手段110は、メダル投入口5からのメダルの投入又はベットスイッチ10の操作(以下投入操作という)と、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、1回の遊技を行うためのメダルが掛けられた状態(ベット状態)を設定するためのものである。
具体的には、投入制御手段110は、メダル投入口5からメダルが投入されメダルセンサ7Aがメダルを検出することに伴って、規定数を限度として、検出された数のメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定する。ベット数はベット表示部11に表示される。規定数とは、1回の遊技に掛けることができるメダルの数であり、本実施の形態におけるスロットマシンSは規定数が3に設定されたいわゆる3枚掛け専用機である。また、規定数を超えてメダルが投入された場合には、所定数(50)を限度として、投入されたメダルがスロットマシンSに電子的に貯留(クレジット)されたものとして取り扱う。クレジット数はクレジット表示部12に表示される。なお、クレジット数が所定数に達した場合には、ブロッカー7Bが作動してメダル投入口5から投入されたメダルがキャンセルされるようになっている。
さらに、投入制御手段110は、入賞判定手段140が後述するリプレイの入賞を判定した場合には、前回の遊技と同一のベット数で自動的にベット状態を設定する。投入制御手段110によって自動的にベット状態が設定されることを、再遊技の作動という。
役抽選手段120は、回転リール61~63に付されている図柄による所定の図柄組合せが対応付けられた「役」について、当選か否かの役抽選を行うものであり、図示しないが、乱数発生手段、乱数抽出手段、役抽選テーブル、判定手段及び当選状態設定手段を備えている。乱数発生手段は、一定時間に所定(例えば0から65535)の数字を繰り返してカウントするループカウンタであり、乱数抽出手段は、スタートスイッチ20の操作信号を入力したタイミングで、ループカウンタのカウント値を読み取って記憶するものである。ループカウンタは乱数を発生しているわけではないが、ループカウンタのカウント値を乱数抽出手段が読み取ることにより、ランダムな数値を抽出できるので、便宜上乱数発生手段というものとする。役抽選テーブルは、ループカウンタがカウントする数値(乱数発生手段の発生可能な全乱数値)を全領域として各役についての当選領域を規定したものである。判定手段は、カウント値抽出手段の読み取ったカウント値と役抽選テーブルの当選領域とを照合し、カウント値が所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、カウント値がいずれの不当選の領域に属する場合には、「ハズレ」の決定をするものである。当選状態設定手段は、判定手段が当選を決定した場合に、当該当選に対応する当選フラグを成立させることにより当選状態を設定するものである。なお、当選状態設定手段は、判定手段の判定結果に関わらず当選状態を設定する場合があるがこれについては後述する。
本実施の形態においては、図4に示すように、ボーナスとして、「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せが対応付けられたRBB(レギュラービッグボーナス)と、「BAR・BAR・BAR」の図柄組合せが対応付けられたCBB(チャレンジビッグボーナス)とが設けられている。RBBが入賞すると、次の遊技からボーナス遊技としてのRBB遊技が開始され、CBBが入賞すると、次の遊技からボーナス遊技としてのCBB遊技が開始される。
CBB遊技は、役抽選の抽選結果に関わらず小役が当選状態になるとともに、少なくとも1個の回転リールについて、後述するスベリコマ数が最大スベリコマ数よりも少ないコマ数以下となる特別遊技としてのCB遊技が連続して行われるものである。CB遊技は、1回の遊技消化で終了するものであり、CBB遊技では、CB遊技が無条件で開始され、1回のCB遊技が終了すると、再び無条件で次のCB遊技が開始される。そして、CBB遊技は、払い出しメダルの総数があらかじめ定められた一定枚数、例えば36枚を超えた場合に終了する。1回のCBBでは、30枚のメダルを獲得することができる。
前記小役としては、「ベル・ベル・ベル」の図柄組合せが対応付けられたベル役と、スイカa図柄とスイカb図柄(合わせてスイカ図柄と省略する)から成る4つの図柄組合せがそれぞれ対応付けられたスイカA、スイカB、スイカC及びスイカD(スイカA~Dを総称してスイカ役という)と、「チェリー・ANY・ANY」(ANYは何の図柄でもよい意味)の図柄組合せが対応付けられたチェリー役とが設けられている。ベル役及びスイカ役は、入賞により9枚のメダルが払い出され、チェリー役は、入賞により1枚のメダルが払い出されるように形成されている。
役抽選テーブルは、後述する内部抽選状態に応じて、複数設けられている。具体的には、図5に示すように、通常状態において用いられる通常テーブルと、RT状態において用いられるRTテーブルと、ボーナス内部中において用いられる内部中テーブルと、ボーナス作動中において用いられるRBテーブル及びCBテーブルとが設けられている。そして、これらの複数のテーブル群が、出玉の設定ごとに設けられている。
また、「リプレイ2」及び「リプレイ3」の重複当選領域が当選した場合には、どのような打順で停止スイッチ31~33が操作(停止操作)されたかにより、入賞するリプレイが変化するようになっているが、この詳細については後述する。
なお、「ベル1」乃至「ベル6」の当選領域を「打順ベル」といい、「リプレイ2」「リプレイ3」の当選領域を「打順リプレイ」というものとする。
なお、上記した役抽選テーブルの構成や当選確率は一例であって、上記した態様や数値に限られるものではない。例えば、RBテーブルに小役やリプレイや不当選の当選領域が設けられていてもよい。
なお、CBテーブルに、全ての小役が同時に当選する当選領域を設け、ボーナス作動中は、役抽選の抽選結果に基づいて、全ての小役が当選状態となるように形成してもよい。
リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31~33の操作信号に基づいて、回転リール61~63の回転及び停止を制御するためのものである。以下、リール制御手段130による回転リール61~63の回転制御及び停止制御について説明する。
(回転制御)
リール制御手段130は、スタートスイッチ20の有効な操作信号を入力した場合に、リールモータM1~M3を駆動させて回転リール61~63を回転させるものである。すなわち、規定数のメダルがベットされている状態でスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール61~63の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、全ての回転リール61~63を一斉に、あるいは所定の順番で回転開始させる。そして、全ての回転リール61~63の回転速度が、停止スイッチ31~33の操作を可能とするためにあらかじめ設定された定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度を維持する定常回転を行わせるものとなっている。
リール制御手段130は、リールセンサ2A(図2参照)の検出信号に基づき回転リール61~63の回転角度を把握しつつ、停止スイッチ31~33の作動時点(停止スイッチ31~33の操作が検出された時点=停止操作のタイミング)での回転リール61~63の回転角度から、有効ライン上に位置している図柄を特定すること(以下図柄参照という)ができるようになっている。そして、リール制御手段130は、停止操作がされた時点において所定位置(例えば上段位置)にある回転リール61~63の図柄を基準図柄として、回転リール61~63の回転角度が前記基準図柄をあらかじめ定められたコマ数(最大スベリコマ数、例えば4コマ)だけ回転方向に移動させたコマ数(引き込み可能コマ数、例えば5コマ)の範囲内となるように、回転リール61~63を停止させることができる。
本実施の形態では、役についての優先順位が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められており、停止テーブルでは、ボーナスと小役が同時に当選している場合(ボーナス内部中に小役が当選した場合)には小役に対応付けられた小役図柄を優先的に有効ライン上に引き込み、ボーナスとリプレイが同時に当選している場合(ボーナス内部中にリプレイが当選した場合)にはリプレイに対応付けられたリプレイ図柄を優先的に有効ライン上に引き込むように形成されている。したがって、ボーナス内部中において、ボーナスに対応付けられたボーナス図柄が優先的に引き込まれるのは、役抽選の結果がハズレの場合のみとなる。
次に、打順が設定された当選領域が当選した場合の引き込み制御について詳述する。
まず、「打順ベル」のいずれか、すなわち図5に示す「ベル1」~「ベル6」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態では、図3のリール図柄の配列に示すように、ベル役に対応する図柄組合せに含まれる図柄は、全ての回転リール61~63において、最大スベリコマ数の範囲内で有効ライン上に引き込み可能となるように配置されている。つまり、停止操作のタイミングにかかわらず、有効ライン上に引き込み可能な配置となっている。一方、スイカ役に対応するそれぞれの図柄の組合せに含まれる図柄は、全ての回転リール61~63において、最大スベリコマ数の範囲内で有効ライン上に引き込み可能となるように配置されているわけではない。つまり、停止操作のタイミングに応じて、有効ライン上に引き込み可能な配置となっている。そして、リール制御手段130は、役抽選により、「ベル1」などの所定の打順が設定されているベル役に関する重複当選領域に当選した場合には、停止スイッチ31~33の操作態様に応じて、ベル役に対応する図柄の組合せ、スイカ役に対応する図柄の組合せ、他のいずれの役に対応付けられた図柄にも該当しない特定のハズレの図柄の組合せであるブランク、のうちいずれかを、有効ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。
なお、本実施の形態では、図4に示すように、正解役(ベル役)と不正解役(スイカ役)の配当が同じ設定となっているが、不正解役は正解役よりも払い出しが少ないように設定してもよい。この場合には、不正解役についても、当選していれば必ず引き込める設定にしてもよい。また、有効ラインの設定や回転リール61~63の図柄配列や役構成を異なるものとして、同時当選している役の配当は同じだが、正解打順だと複数役が重複して入賞し、不正解打順だと単独の役しか入賞しないかいずれの役も入賞しないように形成してもよい。
リール制御手段130は、役抽選により上述した「打順リプレイ」のいずれかが当選した場合には、停止スイッチ31~33の操作態様に応じて、有効ライン上に停止表示させるリプレイに対応する図柄組合せが異なるものとなるように停止制御を行う。これらの制御は、停止スイッチ31~33の操作順に応じて設けられている停止テーブルを用いて行われる。
入賞判定手段140は、停止スイッチ31~33の操作によって回転リール61~63が全て停止したときに、当該遊技の結果(入賞したか否か、及び特定の図柄組合せが表示されたか)を判定するためのものである。
具体的には、回転リール61~63が停止したときに所定の記憶部に記憶される停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断する。そして、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、その判定結果情報を、払出制御手段150及び状態移行手段160に送信する。また、ブランクが表示されたと判断した場合には、その判定結果情報を状態移行手段160に送信する。
払出制御手段150は、入賞判定手段140の判定結果及び精算スイッチ40の操作に基づいて、ホッパーモータ3Bを作動させてホッパーユニット3からメダルを払い出させるものである。すなわち、入賞判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ40の操作信号を入力したときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出させるようになっている。
なお、入賞により払い出されるメダルを、クレジットに電子的に貯留し、クレジットを超過する払い出し分をホッパーユニット3から払い出させるようにしてもよい。
状態移行手段160は、スロットマシンSの制御状態の移行に関する制御を行うものである。スロットマシンSの制御状態としては、役抽選の抽選態様の違いに基づく内部抽選状態と、サブ制御装置200の制御による演出の実行態様の違いに基づく演出状態とがあり、それらとは異なるカテゴリの制御状態として、スロットマシンSの作動モードがある。作動モードとしては、遊技を実行可能な状態である遊技モードと、スロットマシンSの出玉の設定を変更可能な設定変更モードとが設けられている。
本実施の形態では、図6に示すように、内部抽選状態として、通常状態と、RT状態と、ボーナス内部中と、ボーナス作動中とが設けられている。通常状態とは、スロットマシンSの初期状態(工場出荷時又は設定変更後)の内部抽選状態であり、RT状態とは、リプレイ確率が通常状態とは異なるように設定されている内部抽選状態であっていわゆるリプレイタイムと呼ばれるものである。ボーナス内部中とは、ボーナスフラグが持ち越されている内部抽選状態であり、ボーナス内部中には、RBBフラグが持ち越されているRBB内部中と、CBBフラグが持ち越されているCBB内部中とがある。ボーナス作動中とはボーナス遊技が行われる内部抽選状態であり、ボーナス作動中には、RBB遊技が行われるRBB作動中と、CBB遊技が行われるCBB作動中とがある。
状態移行手段160の決定に基づき、役抽選手段120が内部抽選状態に応じた役抽選テーブルを取得し役抽選を行うことにより、通常状態、RT状態、ボーナス内部中、ボーナス作動中の各内部抽選状態が発動する。
本実施の形態では、図7に示すように、演出状態として、通常演出状態と、AT状態と、ボーナス演出状態とが設けられている。AT状態には、ART状態と、ART待機状態と、継続判定状態とが含まれる。AT状態は、サブ制御装置200の制御に基づき当選役に関する情報を遊技者に報知するAT(アシストタイム)が実行される演出状態である。ART状態は、演出状態がAT状態であって内部抽選状態がRT状態又はボーナス内部中である場合の演出状態であり、ART待機状態は、演出状態がAT状態であって内部抽選状態が通常状態又はボーナス内部中である場合の演出状態である。継続判定状態は、ART状態の終了後に滞在する所定期間の演出状態であり、ボーナス演出状態は、内部抽選状態がボーナス作動中である場合の演出状態である。通常演出状態は、上記のいずれにも該当しない演出状態である。
状態移行手段160による演出状態の決定は所定の記憶部に記憶されるとともに、当該決定に関する情報がサブ制御装置200に出力される。そして、サブ制御装置200が演出状態に応じた演出実行処理を行うことにより、AT状態やボーナス演出状態などの所定の演出実行状態が発動するようになっている。
なお、内部抽選状態がボーナス内部中に移行した場合には、演出状態がAT状態でなくてもサブ制御装置200の制御に基づき所定の確率でベルナビが行われるようにしてもよい。
状態移行手段160は、設定変更操作部50のうちの設定キースイッチ51(図1参照)のON/OFFの状態に基づいて、スロットマシンSの作動モードを遊技モードと設定変更モードとに切り替える。具体的には、設定キースイッチ51は、鍵穴にキーを差し込んで回転させることでON/OFFの切り替えができるようになっており、スロットマシンSの電源がONとなったときに、設定キースイッチ51がONとなっている場合には、スロットマシンSの作動モードを遊技モードから設定変更モードに切り替え、設定変更モード中に設定キースイッチ51がOFFとなった場合には、設定変更モードから遊技モードに切り替える。
AT制御手段170は、ATの開始及び終了を制御する手段であり、図2に示すように、モード決定手段171、AT抽選手段172及び回数管理手段173を備えている。
(モード決定手段171)
モード決定手段171は、ATに関する有利度がそれぞれ異なる複数種類のATモードの中から、適用すべきATモードを決定するものである。ATモードとしては、相対的にATに関する有利度が低い低確率モードと、低確率モードよりもATに関する有利度が高い通常モードと、通常モードよりもさらにATに関する有利度が高い高確率モードとが設けられている。これらのATモードの違いにより、以下に述べるAT抽選で当選する確率や内容が異なるものとなっている(図8(B)~(F)参照)。なお、図8に示す抽選対象や当選確率は一例であって、それらの内容に限定されるものではない。
AT抽選手段172は、ATに関する抽選(AT抽選)を行うものである。本実施の形態においては、AT抽選手段172は、天井ゲーム数抽選、ART遊技回数抽選、AT移行抽選、上乗せ抽選及び継続抽選を行う。
天井ゲーム数抽選は、天井ゲーム数、すなわち、AT移行抽選によらず次回AT状態(ART待機状態)への移行が解除される、いわゆる天井までの残遊技回数を、抽選により決定するものである。本実施の形態では、天井ゲーム数抽選は、初期化後、CBBが終了した場合、及びRBBが終了した場合に行われる。具体的には、AT抽選手段172は、初期化処理が行われた場合には、1%の確率で天井ゲーム数50回が当選し、9%の確率で天井ゲーム数100回が当選し、90%の確率で天井ゲーム数1000回が当選するように設定された天井ゲーム数抽選テーブルを用いて天井ゲーム数抽選を行い、CBBが終了した場合には、5%の確率で天井ゲーム数50回が当選し、80%の確率で天井ゲーム数100回が当選し、15%の確率で天井ゲーム数1000回が当選するように設定された天井ゲーム数抽選テーブルを用いて天井ゲーム数抽選を行う。また、RBBが終了した場合には、80%の確率で天井ゲーム数50回が当選し、18%の確率で天井ゲーム数100回が当選し、2%の確率で天井ゲーム数1000回が当選するように設定された天井ゲーム数抽選テーブルを用いて天井ゲーム数抽選を行う。天井ゲーム数抽選によって決定された残遊技回数は、後述する天井カウンタに記憶される。
具体的には、AT抽選手段172は、図8(D)に示すように、「RBB」「チェリー」「ベル7」が当選した場合に、AT移行抽選を行うものであり、低確率モードにおいては、「RBB」の当選時に1/2の確率、「チェリー」の当選時に1/16の確率、「ベル7」の当選時に1/32の確率で当選するようにAT移行抽選を行う。また、通常モードにおいては、「RBB」の当選時に3/4の確率、「チェリー」の当選時に1/8の確率、「ベル7」の当選時に1/16の確率で当選するようにAT移行抽選を行い、高確率モードにおいては、「RBB」の当選時に1/1の確率、「チェリー」の当選時に1/4の確率、「ベル7」の当選時に1/8の確率で当選するようにAT移行抽選を行う。AT移行抽選に当選した場合には、その旨が所定の記憶部に記憶(ATフラグがON)され、当該当選に基づくAT状態が終了するまでその記憶が維持される。
ここで、AT移行抽選、上乗せ抽選、継続抽選では、抽選結果が当選と不当選のいずれかに決定される。そして、これらの抽選処理においては、上述のATモード抽選や天井ゲーム数抽選やART遊技回数抽選とは異なる抽選手法が用いられるようになっているが、この詳細については後述する。
具体的には、AT抽選手段172は、図8(E)に示すように、「チェリー」「ベル7」の当選時に上乗せ抽選を行うものであり、低確率モードにおいては、「チェリー」の当選時に1/4の確率、「ベル7」の当選時に1/8の確率で当選するように上乗せ抽選を行う。また、通常モードにおいては、「チェリー」の当選時に1/2の確率、「ベル7」の当選時に1/4の確率で当選するように上乗せ抽選を行い、高確率モードにおいては、「チェリー」の当選時に1/1の確率、「ベル7」の当選時に1/2の確率で当選するように上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選に当選すると、ATカウンタに所定の上乗せ遊技回数が加算される。
なお、上乗せされる遊技回数は抽選契機役とATモードに応じてあらかじめ定められていてもよいし、上乗せの当否の決定後、上乗せ遊技回数を抽選により決定してもよい。
具体的には、AT抽選手段172は、低確率モードにおいては1/32の確率、通常モードにおいては1/8の確率、高確率モードにおいては1/2の確率で当選するように継続抽選を行う。継続抽選に当選すると、演出状態がART状態に移行する。
なお、継続抽選は、継続判定状態の終了に基づく初期化処理が行われる前に滞在していたATモードに応じた当選確率で行われるようになっている。
また、継続抽選は、ART遊技の終了後、特定抽選結果の発生時(例えば「打順ベル」や「リプレイ3」の当選時)に行われるようにしてもよい。この場合、継続判定状態は、ART遊技の終了後特定抽選結果が発生するまでの間の期間となる。
ここで、上述のAT移行抽選や、上乗せ抽選や継続抽選を行う場合の抽選手法について、図9に基づき説明する。
本実施の形態では、演出抽選用の乱数発生手段は、8ビットの数値、具体的には、0000 0000B~1111 1111B(Bは2進数であることを示す)を発生させることができ、演出抽選用の乱数抽出手段は、発生された乱数の中から基準となる乱数値を取得する。そして、AT抽選手段172は、取得した乱数値を所定の演算方法により演算して加工し、加工された乱数値によって、当否を判定する。具体的には、当選確率に応じて、取得した乱数値(2進数)に所定の数値(2進数)を乗じることにより、乱数値の上位所定ビットをマスクし、マスクした結果の下位所定ビットの数値が、あらかじめ定められた「当たり」や「ハズレ」の抽選結果に該当するかを参照して、当否の判定を行う。
例えば、抽選対象の当選確率データが1/2である場合には、取得した乱数値に、「0000 0001B」を乗じる演算処理を行う。これにより、上位7ビットが0になり(マスクされ)、下位1ビットが0か1のいずれかになる。すなわち、演算結果は「0000 0000B」か「0000 0001B」のいずれかとなる。AT抽選手段172は、演算結果が当選データである「0000 0001B」に該当している場合には、当選を判定する。演算結果が「0000 0000B」となる確率及び「0000 0001B」となる確率はともに1/2であるので、上記処理を行うことで1/2の当選確率での抽選が行われることとなる。
上記した手法では、取得した乱数値の上位所定ビットをマスクしていたが、下位所定ビットをマスクするようにしてもよい。例えば、1/2の当選確率での抽選を行う場合には、取得した乱数値に「1000 0000B」を乗じて下位7ビットをマスクし、上位1ビットが0の場合には「ハズレ」、1の場合には「当たり」と判定することができる。また、マスクするビットは上位所定ビット、下位所定ビットに限られず、途中のビットでもよい。要は、当選確率に応じた個数(1/2なら1ビット、1/4なら2ビット)だけ、マスクされないビットが残るようになっていればよい。
また、上記した手法では、2進数を用いた演算を行っていたが、16進数を用いた演算を行うようにしてもよい。
なお、上記した抽選手法は、「当たり」か「ハズレ」かの当否抽選に用いるだけでなく、抽選結果が第1の抽選結果と第2の抽選結果とに分かれる態様の抽選に用いることができる。例えば、上乗せ抽選に当選した場合おいて、10回の上乗せにするか20回の上乗せにするかを決定する抽選に用いたり、ATモードとして通常モードと通常モードよりも有利な天国モードとの2つが設けられている場合のATモード抽選に用いることができる。
また、上記した抽選手法は、メイン制御装置100における抽選に限られず、サブ制御装置200において行われる演出抽選に用いてもかまわない。
回数管理手段173は、次回ATまでの残遊技回数(天井ゲーム数)や、ART遊技回数の設定及び設定されているART遊技回数の上乗せを管理するものであり、図示しないATカウンタ及び天井カウンタを備えている。天井カウンタは通常演出状態において次回ATまでの残遊技回数をカウントするものであり、ATカウンタはART状態においてART遊技回数をカウントするものである。
具体的には、回数管理手段173は、天井ゲーム数抽選によって次回ATまでの残遊技回数が決定された場合に、決定された残遊技回数を天井カウンタに設定して記憶する。天井カウンタがすでに記憶値を有している場合には、天井ゲーム数抽選により決定された残遊技回数を上書きする。そして、当該ATの終了後、通常演出状態への移行が決定されることを契機に、すなわち、継続判定状態において継続抽選に当選しなかった場合に、天井カウンタの記憶値を、遊技開始ごとに1ずつ減算する。また、回数管理手段173は、天井カウンタが記憶値を有しているときにAT移行抽選に当選した場合には、天井カウンタの記憶値をリセット(0クリア)する。一方、通常演出状態中にボーナスが入賞した場合には、当該ボーナス終了後、通常演出状態に移行したら天井カウンタの減算を再開する。天井カウンタの記憶値が、遊技消化に基づく減算によって0になった場合には、状態移行手段160がAT状態(ART準備状態)への移行を決定する。天井カウンタの記憶値が0になったか否かの判定は遊技終了時に行う。
そして、ATカウンタの記憶値が、遊技消化に基づく減算によって0になると、状態移行手段160が継続判定状態への移行を決定してART状態が終了(以下ARTが終了という)し、その後の継続判定状態において継続抽選に当選しなかった場合には、状態移行手段160が通常演出状態への移行を決定してAT状態が終了(以下ATが終了という)する。ATカウンタの記憶値が0になったか否かの判定は遊技終了時に行う。
なお、ARTの終了条件を、入賞によるメダルの払い出し枚数や、投入したメダルと払い出されたメダルの差枚数としてもよい。例えば、払い出し枚数や差枚数が所定数(例えば100枚)を超えた場合に継続抽選が行われ、継続しない場合にはAT状態が終了するように設定することができる。この場合には、回数管理手段173の代わりに枚数管理手段を設け、ATカウンタはART状態中のメダルの払い出し数や差枚数をカウントする。また、上乗せ抽選では、ART状態の終了条件となる枚数の上乗せを決定する。
初期化判定手段180は、スロットマシンSの状態を初期状態に戻す初期化処理を行うか否かの判定を行うものである。初期化処理を行う判定をした場合には、初期化の決定を行い、初期化の決定に基づいて、所定の初期化処理が行われる。
ここで、初期化処理は、設定変更モード中に行われる場合と、遊技モード中に行われる場合とがある。設定変更モード中に行われる初期化処理においては、内部抽選状態に関する初期化と、演出状態に関する初期化とが行われ、遊技モード中に行われる初期化処理においては、演出状態に関する初期化が行われる。内部抽選状態に関する初期化には、持ち越されているボーナスフラグのリセットが含まれる。設定変更モード中に行われる演出状態に関する初期化には、演出状態のリセットやATモードや天井ゲーム数の再設定が含まれる。そして、遊技モード中に行われる演出状態に関する初期化には、ATモードや天井ゲーム数の再設定が含まれ、これらの処理は、設定変更モード中に行われるATモードや天井ゲーム数の再設定と同一の態様で行われるようになっている。
また、初期化判定手段180は、遊技モード中において、一連の増加区間の開始及び終了を判断するともに、一連の増加区間の終了時に、初期化の決定を行うものとなっている。具体的には、初期化判定手段180は、一連の増加区間の開始条件に該当した場合には、増加区間フラグをONにしてその旨を記憶し、増加区間フラグがONであるときに一連の増加区間の終了条件に該当した場合には、初期化の決定を行うとともに、増加区間フラグをOFFにする。初期化判定手段180が初期化の決定を行うと、モード決定手段171及びAT抽選手段172がそれぞれの抽選処理を行うものとなる。
なお、初期化処理が行われた後、初期化された設定以外の設定に再度設定し直すことができるようにしてもよい。
以下、初期化判定手段180による遊技モード中における初期化判定の具体例を、図10に基づき説明する。なお、設定変更モード中における初期化判定については後述する。
図10に示した例では、ARTの開始時(ART状態への移行時)を一連の増加区間の開始時とし、継続判定状態の終了時(通常演出状態又は次のART状態又はボーナス演出状態へ移行する前まで)を一連の増加区間の終了時としている。
例えば、図10(A)に示すように、通常演出状態において、抽選契機役の当選や天井に達したことにより演出状態がART待機状態に移行し、その後ART状態へ移行すると、初期化判定手段180は、一連の増加区間の開始を判定し増加区間フラグをONにする。そして、ART状態への移行後、ART状態が終了して継続判定状態へ移行すると、そのときのATモードに対応した継続抽選テーブル(図8(F)参照)を用いて継続抽選が行われる。そして、継続抽選に当選して継続判定状態が終了するか、継続抽選に当選しないまま所定回数の遊技が消化されて継続判定状態が終了するか、あるいは継続判定状態中にボーナスが入賞して継続判定状態が終了するかした場合には、初期化判定手段180は、一連の増加区間の終了を判定し増加区間フラグをOFFにするとともに、初期化の決定を行う。この決定に基づき、初期化後に対応するATモード抽選テーブルを用いてATモード抽選が行われ、初期化後に対応する天井ゲーム数抽選テーブルを用いて天井ゲーム数抽選が行われる。
ここで、図10(B)の例において、1回目のAT当選時のATモードは低確率モード又は通常モードであったが、ボーナス終了後に行われるATモード抽選(図8(A)参照)によって高確率モードが当選したと仮定する。そうすると、再開したARTは高確率モードで行われ、ART終了後の継続判定状態においては高確率モードで継続抽選が行われるので、継続抽選に当選する可能性が高くなり、継続判定状態の終了後(ARTの終了後)、2回目のAT(ART)が連続して発生する可能性が高くなる。しかし、1回目のATの終了後(継続抽選の後)に初期化処理が行われるので、上記と同様に、2回目のATは低確率モードで行われる可能性が高く、2回目のARTの終了後の継続判定状態においてさらに継続抽選に当選し、3回目のATが(ART)が連続して発生する可能性は、継続判定状態の終了後に初期化処理を行わない場合に比べて低くなる。
ここで、図10(C)の例において、AT当選時のATモードは低確率又は通常モードであったが、ボーナス終了後に行われるATモード抽選によって高確率モードが当選したと仮定する。この場合も、ボーナス終了後に開始されたARTは高確率モードで行われ、当該ARTの終了後、継続判定状態において高確率モードで継続抽選が行われるので、継続抽選に当選する可能性が高く、継続判定状態の終了後(ARTの終了後)、2回目のAT(ART)が連続して発生する可能性が高い。しかし、1回目のATの終了後(継続抽選の後)に初期化処理が行われるので、上記と同様に、2回目のATは低確率モードで行われる可能性が高く、2回目のARTの終了後の継続判定状態においてさらに継続抽選に当選し、3回目のATが(ART)が連続して発生する可能性は、継続判定状態の終了後に初期化処理を行わない場合に比べて低くなる。
また、本実施形態では、ATの有利度に関する設定の所定の項目について、遊技モードにおける初期化処理と、設定変更モードにおいて行われる初期化処理とが、同一の態様で行われるようになっている。すなわち、同じ項目の初期化処理について、異なる処理を行うためのデータを設ける必要がないので、メイン制御装置100の処理負担を減らしデータ容量を削減することができる。
上述した一連の増加区間の態様は一例であって、一連の増加区間としては、AT(ART)の仕様に応じて種々の態様が考えられる。
例えば、一連の増加区間の開始時期として、以下の態様が考えられる。
(1)出玉が増えるAT状態への移行時
図10に示した例であり、ARTの開始時が含まれる。
(2)出玉が減少するAT状態への移行時
AT移行抽選の当選時、ART準備状態への移行時が含まれる。
(3)出玉が増えるボーナスの開始時
ボーナス(RBB、CBB)入賞時、ボーナス作動中への移行時が含まれる。
(a)ART終了後に連続してARTが行われる可能性が高い遊技区間の終了時
図10に示した例であり、本実施の形態の継続判定状態の終了時が含まれる。また、AT終了後にAT移行抽選の当選確率が高くなるチャンスゾーン(AT高確率状態)が設けられている仕様において、そのような状態が含まれる。
(b)出玉が増えるATの終了時
ARTの終了時、すなわちATカウンタが0になったときが含まれる。
(c)AT終了後、通常演出状態への移行時
ART終了後に連続してARTが行われる可能性が高い遊技区間(上述した継続判定状態やチャンスゾーン)でARTが連続しないことが決定された場合が含まれる。例えば、継続判定状態において継続抽選に当選しなかった場合や、チャンスゾーンにおいてAT移行抽選に当選しなかった場合である。
(d)AT状態中における出玉が増えるボーナスの入賞時
ボーナスの当選はAT状態中であってもよいしAT状態への移行前であってもよい。
(e)出玉が増えるボーナスの終了後、通常演出状態への移行時
ボーナス終了時にAT状態やチャンスゾーンへ移行し得る仕様において、ボーナス終了時にAT状態やチャンスゾーンへ移行しないことが決定された場合が含まれる。
ボーナスの入賞はAT状態中であってもよいしAT状態への移行前であってもよい。
(f)ART又はボーナス終了時において入賞による払い出しメダルの累積数又は増加数が所定数を超えているとき
例えば、ARTの終了時に継続抽選を行うとともに、継続抽選に当選した場合には、所定のAT潜伏期間(例えばあらかじめ定められたあるいは抽選により決定された所定回数の遊技期間)を経て、次のAT又はARTが開始される仕様において、上記(2)と(c)を組み合わせることができる。具体的には、図11(A)に示すように、通常演出状態において、抽選契機役の当選や天井に達したことにより演出状態がART待機状態に移行すると、初期化判定手段180は、一連の増加区間の開始を判定する。そして、ART状態への移行後、ART状態が終了すると、継続抽選が行われる。なお、この際行われる継続抽選は、ATモードにかかわらず、あらかじめ定められた当選確率で行われるようにしてもよい。そして、継続抽選に当選した場合には、初期化判定手段180は、一連の増加区間の終了を判定せず、所定遊技回数の潜伏期間を経て、次のAT(ART)が開始される。その後、ARTが終了し、継続抽選に当選しなかった場合には、初期化判定手段180は、一連の増加区間の終了を判定するとともに初期化の決定を行う。この決定に基づき、初期化後に対応するATモード抽選テーブルを用いてATモード抽選が行われ、初期化後に対応する天井ゲーム数抽選テーブルを用いて天井ゲーム数抽選が行われる。
このほか、一連の増加区間の開始時を上記(1)又は(2)とし、一連の増加区間の終了時期を上記(d)や(e)とすることができる。一連の増加区間の終了時期を上記(d)とした場合には、AT状態中にボーナスが入賞すると初期化処理が行われる(すなわち一連の増加区間にボーナス作動中が含まれない)ものとなり、一連の増加区間の終了時期を上記(e)とした場合には、AT状態中にボーナスが入賞すると当該ボーナスの終了後に初期化処理が行われる(すなわち一連の増加区間にボーナス作動中が含まれる)ものとなる。このように、一連の増加区間には、AT(ART)状態のみが含まれボーナス作動中は含まないものとしてもよいし、AT(ART)状態とボーナス作動中の双方を含むものとしてもよい。
初期化処理としては、上述した実施の形態のように抽選テーブルを変えて抽選を行う処理に限られない。例えば、初期状態におけるATモードは低確率モードに設定されており、ボーナス終了時やAT終了時にATモード抽選を行うものとし、初期化処理では、ATモード抽選によらず、ATモードを低確率モードに設定するようにしてもよい。また、初期状態における天井までの残遊技回数は1000回に設定されており、ATモードに応じて天井ゲーム数抽選を行うものとし、初期化処理では、天井ゲーム数抽選によらず、残遊技回数を1000回に設定するようにしてもよい。
また、例えば、AT状態中に発生した特定抽選結果や特定遊技結果に応じてポイントが蓄積され、蓄積されたポイント数に応じて、上乗せ抽選や継続抽選などが行われたり、AT移行抽選に当選し易い高確率状態に移行したりする仕様となっている場合において、初期化判定手段180により初期化の決定がされた場合には、AT状態中に蓄積されたポイントを0クリアするようにしてもよい。要は、初期状態ではATに関する有利度が相対的に低い状態に設定されており、初期化処理によってATに関する有利度のパラメーターを初期設定(設定変更時の設定)に戻すことにより、AT(ART)の期間が長期化したりAT(ART)が連続して行われたりしてATによる出玉が多くなり過ぎることがないようになっていればよい。
また、初期化判定手段180による初期化の決定は、一連の増加区間の終了時に行われるものに限られず、ART中に内部抽選状態が通常状態に転落したときや、通常演出状態中において、中右正解の「打順ベル」の当選時にベル役が入賞した場合、又は内部抽選状態がRT状態に移行した場合に、初期化の決定が行われるようにしてもよい。前者の場合にはART中の操作ミスに対するペナルティとなり、後者の場合にはAT状態でないとき(ナビが行われていないとき)における変則押し(左第一停止以外の打順での停止操作)に対するペナルティとなる。
設定変更制御手段190は、設定変更操作部50の操作信号に基づき、スロットマシンSの出玉の設定を変更するためのものである。
ここで、設定変更操作部50としては、既述したように、設定キースイッチ51と設定変更スイッチ52とが設けられている。設定変更スイッチ52は、押しボタン式のスイッチであって、スロットマシンSの設定を変更するためのスイッチである。具体的には、スイッチを押圧する毎に設定値が変更されるように形成されている。また、本実施の形態においては、設定変更スイッチ52により変更した設定値をスロットマシンSの設定として確定させるための設定確定スイッチを、スタートスイッチ20と兼用させている。すなわち、スロットマシンSが設定変更モードになっている場合には、設定変更スイッチ52の操作後、スタートスイッチ20を操作することにより、設定が確定するようになっているものである。なお、設定確定スイッチを別途設けてもよい。
設定値確定手段は、設定確定スイッチとしてのスタートスイッチ20の操作信号に基づき、設定値変更手段により記憶されている設定値を確定するためのものである。設定値が確定されると、役抽選手段120が設定値に対応する抽選テーブル群を取得することにより、設定変更が行われたものとなる。また、設定値の確定に伴い、上述の初期化判定手段180が初期化の決定を行い、これに基づき既述した初期化処理が行われる。
サブ制御装置200は、メイン制御装置100から出力されるコマンドやデータ(遊技制御情報)に基づいて、遊技に付随するサブ演出を制御する演出制御手段である。メイン制御装置100がサブ制御装置200に出力する遊技制御情報としては、スタートスイッチ20等の操作スイッチの操作に関する情報や、役抽選の抽選結果に関する情報や、回転リール61~63の回転及び停止などのリールユニット2の作動情報や、停止図柄の表示態様などの遊技結果に関する情報や、内部抽選状態及び演出状態の移行に関する情報などがある。
サブ制御装置200を構成するサブ基板には、図示しないが、演出に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて演出の進行に関する制御を行うサブCPU、読み書き可能であって演出の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRAM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、少なくとも、演出実行制御手段220として機能する。
演出実行制御手段220は、画像表示部70や電飾ランプ80やスピーカ90等の演出装置の作動を制御するものであり、図示しない演出決定手段の決定に基づき、ROMに記憶されている演出データをもとに、AT中に行われる打順ナビや、その他の演出状態に応じた演出を行わせる。打順ナビには、既述したように、ベルナビ、移行ナビ、転落回避ナビが含まれる。
打順ナビは、画像表示部70の表示画面71に、特定の役(ベル役、リプレイ2)を入賞させるための打順や特定の役(リプレイ3)を入賞させないための打順を矢印で示したり、停止操作すべき停止スイッチ31~33の位置を左、中、右などの文字で表示させたり、それらをスピーカ90から音声により指示したり、停止スイッチ31~33のボタンの内部に設けた発光体の発光色を変化させて、操作すべき停止スイッチ31~33を示したりすることなどにより行われる。
演出状態に応じた演出には、画像表示部70の表示画面71に表示させる動画等によって、演出状態が通常演出状態であるときにAT状態への移行を期待させる演出や、演出状態がART状態やボーナス演出状態であるときにそれらの遊技を盛り上げる演出が含まれる。
上記構成を有するスロットマシンSの、メイン制御装置100の制御に基づく処理について説明する。
ここで、メイン制御装置100は、基本的に、回転リール61~63の回転中や入賞によるメダルの払い出し中、あるいは再遊技の作動中には、ベット操作(メダルの投入又はベットスイッチ10の操作)を無効としている。すなわち、メダルセレクター7をメダルキャンセル状態にし、ベットスイッチ10の操作を無効としている(操作信号を受け付けない、あるいは受け付けても無視する。以下同様)。また、回転リール61~63の回転中はもちろんのこと、回転リール61~63が停止していてもベットがされていない状態では、スタートスイッチ20の操作を無効とし、所定のウエイト時間が経過するまでは、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61~63の回転開始を保留する。すなわち、ウエイト時間の経過前にスタートスイッチ20の操作信号を入力しても、ウエイト時間が経過するまではリールモータM1~M3に駆動信号が出力されないようになっている。ただし、スタートスイッチ20の操作信号に基づく役抽選処理は行われ、ウエイト時間の経過後、回転リール61~63は再度のスタートスイッチ20の操作なしに回転開始する。また、回転リール61~63が停止している場合はもちろんのこと、回転リール61~63の回転開始後、回転速度が定常回転速度に達し、かつ全ての回転リール61~63についてスタートインデックスが検知されて図柄参照が可能な状態となるまでは、停止スイッチ31~33の操作を無効としている。
スロットマシンSは、規定数のメダルがベットされ(S100でYes)、スタートスイッチ20がONとなること(S101でYes)に伴って、役抽選処理が行われる(S102)とともに、役抽選に伴う処理が行われる(S103)。役抽選に伴う処理には、演出状態が通常演出状態である場合において抽選契機役が当選した場合に行われるAT移行抽選処理や、天井カウンタの減算処理が含まれ、演出状態がART準備状態又はART状態である場合において抽選契機役が当選した場合に行われる上乗せ抽選処理や、演出状態がART状態である場合において行われるATカウンタの減算処理などが含まれる。
その後、回転リール61~63の回転開始処理が行われ(S104)、いずれかの停止スイッチ31~33がONとなった場合には、対応する回転リール61~63について回転停止処理が行われる(S105、S106)。
まず、抽選対象について、当選確率に応じた当選確率データ、当選データ及び演算データが取得される(S200)。例えば、AT移行抽選を行う場合であって、ATモードが低確率モードで、抽選契機役がRBBである場合には、当選確率データ「1/2」、当選データ「0000 0001B」、演算データ「0000 0001B」が取得される。
次に、演出用乱数抽選手段により乱数抽出処理が行われ(S201)、抽出した乱数値を所定の一時記憶部に記憶する乱数記憶処理が行われる(S202)。そして、一時記憶部に記憶された乱数値(基準となる乱数値)に、S200で取得した演算データを乗じる演算処理が行われ(S203)、演算結果とS200で取得した当選データとを対比する処理が行われる(S204)。対比の結果、演算結果が当選データと合致する場合(S205でYes)、すなわち、演算結果が当選データに該当する場合や演算結果が当選データに含まれる場合には、当選の判定が行われ(S206)、演算結果が当選データと合致しない場合(S205でNo)には不当選の判定が行われる(S207)。そして、当否抽選処理が終了する。
まず、遊技開始時において、増加区間フラグがONであるか否かが判断され(S300)、増加区間フラグがONでない場合(S300でNo)、すなわち、一連の増加区間中でない場合には、増加区間の開始条件に該当したか否かが判断される(S301)。この判断は、増加区間の開始条件に応じて、遊技開始時(図12のS103役抽選に応じた処理)において判断される場合と、遊技終了時(S108判定結果に応じた処理)において判断される場合がある。例えば、一連の増加区間の開始時がARTの開始時やボーナスの入賞時に設定されている場合には、遊技終了時に判断され、一連の増加区間の開始時がATの開始時(AT移行抽選の当選時)に設定されている場合には、遊技開始時に判断される。そして、増加区間の開始条件に該当した場合(S301でYes)には、増加区間フラグがONとされ(S302)、初期化判定処理が終了する。増加区間の開始条件に該当していない場合(S301でNo)には、そのまま初期化判定処理が終了する。
設定変更モード中においては、設定値が確定された場合(S400でYes)、すなわち設定値確定スイッチとしてのスタートスイッチ20がONとなった場合に、初期化の決定が行われる(S401)。そして、初期化判定処理が終了する。
さらに本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。
10 ベットスイッチ 20 スタートスイッチ
31~33 停止スイッチ 50 設定変更操作部
61~63 回転リール
100 メイン制御装置 120 役抽選手段
130 リール制御手段 140 入賞判定手段
170 AT制御手段(補助演出制御手段)180 初期化判定手段
200 サブ制御装置
Claims (2)
- 外周面に複数の図柄が付された複数の回転リールと、
前記複数の回転リールを回転させるスタートスイッチと、
回転中の前記回転リールを個々に停止させる複数の停止スイッチと、
遊技の進行を制御するメイン制御手段と、
前記メイン制御手段からの出力信号が一方的に入力され演出を制御するサブ制御手段と、を備え、
前記メイン制御手段は、
複数種類の役について当選か否かの役抽選を行う役抽選手段と、
前記スタートスイッチの操作信号の入力に基づき前記回転リールの回転を制御し、前記停止スイッチの操作信号の入力に基づき回転中の前記回転リールの停止を制御するリール制御手段と、
特定の役の入賞を補助する補助演出が行われる補助演出状態の開始及び終了を制御する補助演出制御手段と、を備え、
前記サブ制御手段は、
演出を行う演出装置において前記補助演出を実行する演出実行制御手段を備え、
前記補助演出状態は所定の遊技区間において開始し得るとともに、当該所定の遊技区間は、投入された遊技価値の数と払い出された遊技価値の数との差数の累積値が所定値に達することに基づいて終了し、
前記所定の遊技区間への移行及び終了の制御、並びに、前記補助演出状態の開始及び終了の制御がいずれも前記メイン制御手段により行われ、
前記補助演出状態の実行に関する有利度が相対的に高い第1状態及び前記補助演出状態の実行に関する有利度が相対的に低い第2状態を少なくとも有し、
前記所定の遊技区間では前記第1状態が設定可能であり、
前記所定の遊技区間の終了時に、必ず前記第2状態を設定する初期化処理を実行し、
前記所定の遊技区間への移行及び前記所定の遊技区間の終了のいずれによっても、前記役抽選の抽選態様が変更されないことを特徴とする遊技機。 - 外周面に複数の図柄が付された複数の回転リールと、
前記複数の回転リールを回転させるスタートスイッチと、
回転中の前記回転リールを個々に停止させる複数の停止スイッチと、
遊技の進行を制御するメイン制御手段と、
前記メイン制御手段からの出力信号が一方的に入力され演出を制御するサブ制御手段と、を備え、
前記メイン制御手段は、
複数種類の役について当選か否かの役抽選を行う役抽選手段と、
前記スタートスイッチの操作信号の入力に基づき前記回転リールの回転を制御し、前記停止スイッチの操作信号の入力に基づき回転中の前記回転リールの停止を制御するリール制御手段と、
特定の役の入賞を補助する補助演出が行われる補助演出状態の開始及び終了を制御する補助演出制御手段と、
遊技価値の想定払出数がそれぞれ異なる複数段階の出玉の設定を変更する設定変更制御手段と、を備え、
前記サブ制御手段は、
演出を行う演出装置において前記補助演出を実行する演出実行制御手段を備え、
前記補助演出状態は所定の遊技区間において開始し得るとともに、当該所定の遊技区間は、投入された遊技価値の数と払い出された遊技価値の数との差数の累積値が所定値に達することに基づいて終了し、
前記所定の遊技区間への移行及び終了の制御、並びに、前記補助演出状態の開始及び終了の制御がいずれも前記メイン制御手段により行われ、
前記補助演出状態の実行に関する有利度が相対的に高い第1状態及び前記補助演出状態の実行に関する有利度が相対的に低い第2状態を少なくとも有し、
前記所定の遊技区間では前記第1状態が設定可能であり、
前記所定の遊技区間の終了時、及び前記設定変更制御手段による出玉の設定の変更時のいずれにおいても、必ず前記第2状態を設定する初期化処理を実行し、
前記所定の遊技区間への移行及び前記所定の遊技区間の終了のいずれによっても、前記役抽選の抽選態様が変更されないことを特徴とする遊技機。
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