JP4208745B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、スロットマシン、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
本明細書中では遊技機の1つとしてパチスロ機を例に挙げて説明しているため、遊技媒体としてメダルを用いて説明するが、遊技媒体としてはコインやパチンコ玉など他の媒体も含む。また、「メダル(遊技媒体)投入」には、実際にメダル投入口にメダルを投入することの他に、クレジットされたメダルをベットボタンなどによりベットすることを含む。さらに、図柄を入賞有効ライン上に揃えた状態を入賞、入賞となる前の状態で、当選役を決定する抽選(以下、当選役抽選と称する)により当選役が抽選されている状態を内部入賞とする。
パチンコ店などの遊技場に設置して使用されるスロットマシンはパチスロ機と称され、その遊技媒体となっているメダルに一定の価値が与えられて、遊技を行って獲得したメダルを種々の景品に交換することができる。
パチスロ機では、遊技の際にメダルが払い出される確率はペイアウト率と称されている。一般に、パチスロ機ではペイアウト率は互いにその確率が異なるように複数種類設定されている。ペイアウト率が変更されると、例えば当選役の当選確率やハズレの当選確率が変化して、遊技者に利益が付与される確率が変動する。各ペイアウト率は設定値と称する値に1対1で対応づけられており、この設定値を選択することによってパチスロ機のペイアウト率の選択を行うことが可能になる。そして、設定値を各パチスロ機ごとに設定し、また、これを変更することによって、遊技場にとっては営業上の利益を確保することができ、遊技者にとっては公平に遊技を行うことができるメリットがある。さらに、遊技者にとってはペイアウト率の高い設定値が設定されたパチスロ機を推測する楽しみもあるため、遊技の興趣を盛り上げる点でも設定値は重要なものとなっている。
設定値を設定する場合は、変更の際に用いられる鍵である設定選択キーを、この設定選択キーに対応したキーシリンダに差し込んで回転させる。そして、パチスロ機の電源をONにすると、設定値を選択する設定値選択ボタンの操作が有効化され、設定値を設定することが可能な状態となる。設定値選択ボタンが押下されて選択された設定値は所定の設定値表示手段から表示され、表示された設定値を視認しながら設定値の選択は行われる。設定値の設定は、パチスロ機の前面に設けられた前面扉の施錠を解除しないと行うことができないため、前面扉を施錠を解除するドアキー及び設定選択キーを遊技場の従業員のみが所有すれば、遊技者など遊技場以外の者によって任意に設定値の変更が行われてしまうことを防止できる。
ところで、例えば、前面扉に孔を開けたり、前面扉を正規の方法とは異なる方法で開放することによって予め複製した設定選択キーを用いて設定値を変更するなど、設定されている設定値が不正に変更して設定される、いわゆる、ゴト行為が行われることが問題となっている。不正に設定値を設定するゴト行為は年々悪質さを増しており、遊技場の利益の損失は大きくなる一方であり、また、遊技が公平に行われないことは遊技者のスロットマシンへの興味を失わせる一因となっていた。
本発明は、不正に設定値を設定するゴト行為を防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
本発明の遊技機は、遊技者に利益を付与する複数の確率のそれぞれに対応づけられた複数の設定値の内のいずれか1つの設定値を選択する設定値選択ボタンと、前記設定値選択ボタンの操作を有効化するON位置と無効化するOFF位置とを切り替える設定選択キーと、前記設定値選択ボタンの選択した設定値を表示する表示装置と、遊技が行われる通常状態で設定されるOFF位置と前記設定値の設定変更を行うときに設定されるON位置とに切り替え可能に設けられ前記ON位置では前記設定値選択ボタンによって選択された設定値と同一の数値である正設定値が選択され前記OFF位置では前記設定値に予め対応づけられた異なる数値である偽設定値が選択される表示許可キーと、前記設定選択キーがONされて前記設定値選択ボタンが有効化されたとき前記設定値選択ボタンの操作ごとに前記表示許可キーによって選択された正設定値または偽設定値が表示されるように前記表示装置を制御する表示制御手段と、を備える。
なお、前記偽設定値の表示中に前記設定値の設定変更操作が行われた場合、前記設定値選択ボタンによって選択された設定値を無効にして直前の設定値を据え置くようにしても良い。
また、前記表示許可キーは前記遊技機の上部前面を覆う上部扉を開放することによって操作可能となり、前記設定選択キーは前記遊技機の下部前面を覆う下部扉を開放することによって操作可能となるようにすることが好ましい。
本発明の遊技機は、設定選択操作手段とは別個に設けられ、設定値表示手段に、前記設定選択操作手段で設定された設定値と同一の設定値の表示である正設定値を表示させるか否かを選択する表示選択操作手段と、前記表示選択操作手段によって前記正設定値を表示させることが選択されていない状態で前記設定選択操作手段の操作によって設定値の設定が行われた場合に、前記設定選択操作手段で設定された設定値とは異なる設定値の表示である偽設定値を表示するように前記設定値表示手段を制御する表示制御手段とを設けたので、不正に設定値の変更が行われた場合に偽設定値を正設定値と勘違いさせることが可能になり、これにより設定値を思い通りに変更することを困難にして、不正に設定値を設定するゴト行為を防止することができる。
また、前記表示選択操作手段によって前記正設定値を表示させることが選択されていない状態で前記設定選択操作手段の操作によって設定値の設定が行われた場合に、前記設定選択操作手段で設定された設定値を無効にして、設定されている設定値を据え置きにする設定選択無効手段を設けたので、不正に設定値の設定が行われた場合に実際に設定値の設定が行われたものと思いこませることが可能になり、これにより、ゴト行為を行った遊技者がゴト行為を行った後に遊技を行っても不当な利益を得ることを不可能にしてゴト行為を無効化することができる。
また、前記偽設定値の表示中に前記設定選択操作手段で設定値の設定が行われた場合、前記表示制御手段は、前記正設定値と同様に前記偽設定値の表示を切り替えていくので、表示されている設定値が偽設定値であることを見破られることを防止することが可能になり、これにより設定値を思い通りに設定することを防止できる。
図1に示すように、スロットマシン10は、収納箱11と収納箱11の前面に設けられた前面扉12とからなる筐体13を備えている。前面扉12は上部に設けられた上部扉12aと下部に設けられた下部扉12bとからなる。上部扉12aには表示窓14が3つ設けられている。表示窓14の奥には第1リール15a、第2リール15b、第3リール15cを有するリールユニットが設けられている。第1〜第3リール15a〜15cの外周面には複数種類の図柄が配列されており、リールが停止すると表示窓14を通して1リール当たり3個の図柄が外部に表示される。スロットマシン10では、各リールの図柄を1個ずつ組み合わせた直線状の入賞ラインが横に3本、斜めに2本の合計5本設定されている。表示窓14の側方には液晶表示装置16が設けられており、例えば、アニメーションを利用して当選した当選役の種類を報知するなど遊技上の様々な演出を行う。
表示窓14の下方には、数字や特定のアルファベットを表示する表示装置(設定値表示手段)17が設けられている。スロットマシン10では、互いに遊技者にメダルが払い出される確率が異なる6段階のペイアウト率(遊技者に利益を付与する複数の確率)のうちのいずれかのペイアウト率のもとで遊技が実行される。周知のように、6段階のペイアウト率にはそれぞれに予め定められた6種類の設定値が対応づけられている。この設定値は設定1〜6で構成されており、設定1→設定2→設定3→設定4→設定5→設定6の順にペイアウト率が高くなっていくように、各ペイアウト率との対応付けが行われている。表示装置17からは、この設定値の表示や通常モードよりも遊技者に利益が付与される確率が高くなるビックボーナス(BB)モードで遊技が行われた回数などが表示される。
下部扉12bには遊技の開始時に操作されるメダルが1枚づつ投入される1ベットボタン18、メダル上限の投入枚数である3枚が一度に投入されるMAXベットボタン19、クレジットされているメダルを払い出させるペイアウトボタン20などの各種操作ボタン、遊技を行う際にメダルを投入するためのメダル投入口21、第1〜第3リール15a〜15cの回転の開始及び設定値の設定時に選択した設定値を確定させる際に押下されるスタートレバー22、回転するリールをそれぞれ停止させるための第1〜第3ストップボタン23〜25などが設けられている。また、下部扉12bにはメダル受け皿26が設けられており、このメダル受け皿26には、入賞が得られたときに得られるメダルが払い出し口27から払い出される。
下部扉12bの前面の側方にはシリンダー27が設けられている。シリンダー27に専用の鍵であるドアキーを差し込んで回転させると下部扉12bの施錠が解除される。これにより、下部扉12bを回動させることが可能になる。また、下部扉12bを回動させて収納箱11の前面の下部を開放した状態で収納箱11と上部扉12aとの係合を解除すると、上部扉12aを回動させることが可能になる。
図2に示すように、スロットマシン10の内部には、メダルをメダル受け皿26に払い出すホッパー装置40、設定値の設定を行う設定選択操作装置41、設定値の設定時に設定された設定値と同一の設定値の表示である正設定値を表示装置17に表示させるか否かを選択する表示許可キーシリンダ42が設けられている。ホッパー装置40にはメダルを貯留するための貯留タンク40aが設けられ、貯留タンク40aの下にはオーバーフロー用の貯留箱40bが備えられる。
設定選択操作装置41は下部扉12bの奥に設けられており、下部扉12bを回動させると、設定選択操作装置41が露呈して設定値の設定を行うことが可能になる。表示許可キーシリンダ42は上部扉12aの奥に設けられており、上部扉12aを回動させると、表示許可キーシリンダ42が露呈し、前述した正設定値の表示を行うか否かの選択を行うことが可能になる。
図3(a)に示すように、設定選択操作装置41には、設定値の設定を行うか否かを切り替えるための設定選択キーシリンダ41aと、スロットマシン10の電源のON/OFFを切り替える電源スイッチ41bと、設定値を選択するための設定値選択ボタン41cが設けられている。設定選択キーシリンダ41aには設定選択キー43が差し込まれる。設定選択キー43は設定選択キーシリンダ41aとともに設定選択操作手段を構成する。電源スイッチ41bをONにして設定選択キー43がOFF位置からON位置に回動されると設定値選択ボタン41cの操作が有効化され、設定値の設定を行うことが可能になる。設定値選択ボタン41cを押下すると設定値が選択される。設定値選択ボタン41cが1回操作されるごとに、6段階の設定値が設定1→設定2→設定3→設定4→設定5→設定6→設定1・・・の順番で一巡するように順次に選択されていく。設定値選択ボタン41cで設定値の選択が終了した後にスタートレバー22が押下されると選択された設定値が確定される。
図3(b)に示すように、表示許可キーシリンダ42には表示許可キー44が差し込まれる。表示許可キー44は表示許可キーシリンダ42とともに表示選択操作手段を構成する。表示許可キー44がOFF位置からON位置に回動されると表示装置17から正設定値を表示させることが選択される。そして、設定選択キー43がON位置に回動された状態で表示許可キー44がON位置に回動されると表示装置17から正設定値が表示される。また、正設定を表示させることが選択されていない状態である場合、すなわち設定選択キー43のみがON位置に回動された状態で表示許可キー44がON位置に回動されていない場合には、設定された設定値とは異なる設定値の表示である偽設定値が表示装置17から表示される。なお、設定選択キー43と表示許可キー44との形状はそれぞれ異なるように形成することが好ましい。
図4に示すように、スロットマシン10の作動は基本的にCPU(表示制御手段及び設定選択無効手段)60及びメモリ61を含む制御部62によって管制される。制御部62にはCPU60及びメモリ61の他、後述する電子抽選部70、当選役決定部71が設けられている。
メダルセンサ63はメダル投入口21から投入された適正なメダルを検知し、CPU60に入力する。メダル投入口21の奥にはセレクタが組み込まれ、不適正なメダルはメダル受け皿20に排出される。また、セレクタは不適切なタイミングでメダルの投入が行われたとき、例えば遊技の途中や各種の操作ボタンが押されたままの状態で投入されたメダルについても、メダルセンサ63を経由させずにメダル受け皿20に排出する。
なお、遊技の開始に先立って投入するメダルの枚数は1〜3枚に限られているため、クレジット機能を用いていないときには4枚目以降に投入されたメダルもメダルセンサ63で検知されることなくメダル受け皿26に排出される。クレジット機能のオン/オフはペイアウトボタンの1プッシュごとに切替えられる。そして、クレジット機能がオン状態のときには4枚目以降に投入されたメダルもメダルセンサ63で検知され、50枚を限度にスロットマシン内部にクレジットされる。
クレジットされたメダルの枚数は表示装置17でデジタル表示される。クレジット機能を用いているときには、1ベットボタン18やMAXベットボタン19の操作によりメダルの投入操作が行われ、そのベット枚数がクレジット枚数から逐次に減算される。また、遊技が行われて、メダルの払い出しを伴う入賞が得られたときには配当メダルもクレジットされ、ペイアウトボタンを操作したときにクレジットされたメダルが受け皿26に払い出される。
CPU60は、遊技の開始に先立って投入された1〜3枚のメダルの枚数をメダルセンサ63からの検知信号に基づいて計数し、これにより入賞有効ラインの有効化本数を決定する。なお、クレジット枚数は図示を省略した別のクレジットメダルカウンタで計数される。
スタート信号センサ64は1〜3枚のメダルが投入された後、スタートレバー22が操作されたときに遊技スタート信号をCPU60に入力する。遊技スタート信号を受けて、CPU60はメモリ61のROM領域に格納されたプログラムに基づいて第1〜第3リール15a〜15cを回転させるとともに遊技の処理を開始する。なお、メモリ61のROM領域に格納されたプログラムには、設定値の設定を実行するためのプログラムも含まれている。また、メモリ61のRAM領域はワーキングエリアとなっており、毎回の遊技ごとに利用されるフラグやデータなどの一時的保管や書き換えなどに用いられる。
第1〜第3リール15a〜15cの回転及び停止制御は、CPU60及びリール駆動コントローラ65によって行われる。第1〜第3リール15a〜15cは個別のステッピングモータ66a〜66cの駆動軸に固着され、各ステッピングモータ66a〜66cの駆動を制御することにより第1〜第3リール15a〜15cの回転及び停止制御が行われる。
ステッピングモータ66a〜66cは供給された駆動パルスの個数に応じた回転角で回転するから、CPU60により駆動パルスの供給個数を制御することによって第1〜第3リール15a〜15cの回転角を制御することができ、また駆動パルスの供給を絶つことによりリールの停止位置を決めることができる。また、第1〜第3リール15a〜15cには、その基準位置に反射信号部67a〜67cが一体に形成され、その一回転ごとにフォトセンサ68a〜68cがそれぞれの反射信号部の通過を光電検出する。フォトセンサ68a〜68cによる検知信号は、第1〜第3リール15a〜15cごとのリセット信号としてCPU60に入力される。
CPU60内にはステッピングモータ66a〜66cごとにパルスカウンタが設けられ、各々のステッピングモータ66a〜66cに供給された駆動パルスの個数を計数する。そして、フォトセンサ68a〜68cからリセット信号が入力されたときに、対応するパルスカウンタのカウント値をクリアする。したがって、それぞれのパルスカウンタには、各リールの1回転内の回転角に対応した駆動パルスの個数が逐次に更新しながら保存されることになる。
メモリ61のROM領域には図柄テーブルが格納され、図柄テーブルには、各リールの基準位置からの回転角に対応した駆動パルスの個数と、リールに一定ピッチで配列されたそれぞれの図柄を表す図柄コードとが対応づけられている。したがって、リールごとにパルスカウンタのカウント値を監視することによって、例えば中央の入賞有効ライン上にどの図柄が移動してきているのかを識別することができ、また、さらにどの程度リールを回転させれば目的の図柄がその入賞有効ライン上に移動してくるのかを予測することができる。
ストップボタンセンサ69a〜69cは、ストップボタン23〜25が操作されたときにCPU60にリールごとのストップ信号を入力する。スタートレバー22を操作して全リールの回転が始まり、これらの回転が定常速度に達した時点でストップボタン23〜25の操作が有効化される。その後、これらを操作することによってそれぞれ対応する第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が開始される。
第1〜第3リール14a〜14cの停止制御は、図柄5個分の0〜4コマの範囲(引き込み範囲)内で行われ、例えばストップボタン23〜25が操作されたときに、入賞有効ライン上に位置している図柄から連続する4個の図柄の中に、抽選で当選された当選役を構成する図柄が含まれている場合には、第1〜第3リール14a〜14cが停止するまでの時間が遅らせられ、当選役を構成する図柄が入賞有効ライン上に停止するように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が行われる(引き込み制御)。
CPU60は、遊技スタート信号を受けて電子抽選部70を作動させる。電子抽選部70は乱数発生器と乱数値のサンプリング回路とを含み、遊技が開始されるごとに1つの乱数値を抽選する。抽選された乱数値は当選役決定部71に入力される。当選役決定部71では、入力された値に応じて現在実行された遊技でどのような当選役を与えるかを決定する。
CPU60は、決定された当選役の種類に応じて規定枚数のメダルをホッパー装置44にメダルを払い出させるか、あるいはクレジットカウンタにその規定枚数を加算する。当選役の種類ごとに払い出すメダルの枚数を決めた配当テーブルはメモリ61のROM領域に格納されており、CPU60がこれを読み取ってホッパー装置44を駆動する。これにより、メダルの払い出しが行われる。
当選役決定部71には、電子抽選部70の乱数発生器で発生される全乱数値を、複数の数値範囲にグループ分けし、それぞれのグループに当選役を割り当てた複数の当選テーブルが設けられている。第1当選テーブル72は、通常モードよりも遊技者に利益が付与される確率が高くなるBBモードに移行する権利を与えるBB、所定枚数のメダルの払出しを行う小役、メダルの投入なしに同じベット数で次回の遊技を行う権利を与えるリプレイなどの当選役、及びハズレが割り当てられており、通常モードでの遊技でサンプリングされた乱数値がいずれのグループに属しているかの判定に用いられる。そして、サンプリングされた乱数値がいずれの当選役が割り当てられたグループに属した値であるかによって当選となる当選役の種類と入賞が可能になる図柄が決められる。なお、小役は複数種類あり、それぞれの種類ごとに払い出すメダルの枚数が割り当てられている。
第1当選テーブル72には、6段階の設定値に対応づけられた第1〜第6設定テーブル73a〜73fが設けられている。第1〜第6設定テーブル73a〜73fは、上述した当選役及びハズレの当選確率が互いに異なるように乱数値のグループ分けが行われている。このため、電子抽選部70でサンプリングされた乱数値を第1〜第6設定テーブル73a〜73fの中のいずれのテーブルと照合するかによってスロットマシン10のペイアウト率が変化する。
第1〜第6設定テーブル73a〜73fは、第1設定テーブル73aが最もペイアウト率が低く、第2、第3、第4、第5、第6設定テーブルの順にペイアウト率が高くなるように当選役及びハズレの当選確率が設定されている。そして、設定1が設定されているときには第1設定テーブル73a、設定値2が設定されているときには第2設定テーブル73b、設定値3が設定されているときには第3設定テーブル73c、設定値4が設定されているときには第4設定テーブル73d、設定値5が設定されているときには第5設定テーブル73e、設定値6が設定されているときには第6設定テーブル73fが用いられる。
なお、詳しくは図示しないが、当選役決定部71には、第1当選テーブル72の他に、BBモードで用いられるテーブルやBBが内部入賞している遊技で用いられるテーブルなどが設けられている。当選役決定部71でハズレ又は当選役が決定されると、決定されたハズレ又は当選役の種類を示す当選役決定信号がCPU60に入力される。
設定選択キー43がON位置に回動されて電源スイッチ48がONされると、CPU60は設定値選択ボタン41cの操作を有効化する。これにより、設定値の設定を行うことが可能な状態になる。設定値選択ボタン41cが操作されて設定値の選択が行われると、設定値選択ボタン41cの操作信号がCPU60に入力される。これに応答して、CPU60は選択された設定値に対応する第1〜第6設定テーブル73a〜73fを識別する。そして、スタートレバー22が押下されると、選択された設定値に対応する第1〜第6設定テーブル73a〜73fの種類をメモリ61のRAM領域に書き込み、選択された設定値を確定させる。これにより、設定値の設定が完了する。遊技が行われると、CPU60は電子抽選部70でサンプリングされた乱数値を照合する設定テーブルの種類をメモリ61のRAM領域を参照して識別し、識別した第1〜第6設定テーブル73a〜73fと乱数値の照合を行う。
図5に示すように、CPU60は、設定選択キー43がON位置に回動されて電源スイッチ48がONされると表示装置17を駆動する。そして、設定選択キー43がON位置に回動され、さらに表示許可キー44がON位置に回動された状態で設定値の変更が行われた場合には、CPU60は、正設定値を表示装置17から表示させるように表示装置17を制御する。正設定値の表示は、例えば、設定1が設定されているときには「−1−」、設定2が設定されているときは「−2−」、設定3が設定されているときは「−3−」、設定4が設定されているときは「−4−」、設定5が設定されているときは「−5−」、設定6が設定されているときは「−6−」と表示装置17から表示される。
また、CPU60は、表示許可キー44がON位置に回動されていない状態で設定選択キー43のみがON位置に回動された場合は偽設定値を表示装置17から表示させるように表示装置17を制御する。この偽設定値は、例えば、設定1が設定されているときには「−5−」、設定2が設定されているときは「−6−」、設定3が設定されているときは「−1−」、設定4が設定されているときは「−2−」、設定5が設定されているときは「−3−」、設定6が設定されているときは「−4−」と表示装置17から表示される。
CPU60は、偽設定値の表示中に設定値の選択が行われた場合に、正設定値を表示した状態の場合と同様に「−1−」→「−2−」→「−3−」→「−4−」→「−5−」→「−6−」の順番で設定値の表示を切り替える。そして、CPU60は、偽設定値が表示された状態でスタートレバー22の押下によって選択された設定値が確定された場合には、メモリ61のRAM領域に書き込まれている第1〜第6設定テーブル73a〜73fの種類を書き換えずに確定された設定値を無効にする。このため、設定選択キー43と表示許可キー44との両方がON位置に回動された状態で設定値を設定しないと、設定値は据え置きのままとなる。なお、CPU60は、設定選択キー43がON位置に回動されていない状態で表示許可キー44がON位置に回動された場合は表示装置17を駆動せないため、この場合は、設定値の表示が行われない。
次に、上記のように構成されたスロットマシン10の作用について説明する。図6に示すように、スロットマシン10で設定値の選択を行うには、先ず、シリンダー27に専用のキーを差し込んで回動させ、下部扉12bの施錠を解除する。また、下部扉12bを回動させた状態で上部扉12aを回動させる。これにより、収納箱11の前面が開放され、設定選択キーシリンダ41a及び表示許可キーシリンダ42が露呈される。
そして、設定選択キーシリンダ41aに設定選択キー43を差し込んでON位置に回動した状態で表示許可キーシリンダ42に表示許可キー44を差し込んでON位置に回動する。この後、電源スイッチ41をONにする。これに応答して、CPU60は、メモリ61のROM領域に格納された設定値の設定を実行するためのプログラムを読み出して表示装置17を駆動させる。表示装置17からは正設定値が表示される。この状態で、設定値選択ボタン41cが押下されると、設定値選択ボタン41cが1回押下されるごとに表示装置17に表示されている正設定値の表示が切り替わる。そして、設定値の選択が終了した後に、スタートレバー22を押下すると、選択された設定値が確定され、設定値の設定が完了する。設定値の設定の完了後、設定選択キー43をOFF位置に回動させるとCPU60は遊技を実行するためのプログラムをメモリ61のROM領域から読み出す。これにより、メダルの投入が受け付けられ、遊技を行うことが可能になる。設定値の選択が終了した後は、表示許可キー44をOFF位置に回動させ、設定選択キー43及び表示許可キー44を引き抜く。
また、例えば、前面扉に孔を開けたり、前面扉を正規の方法とは異なる方法で開放することによって予め設定選択キー43を複製した複製キーを用いて設定値を変更するゴト行為によって、設定選択キーシリンダ41aに複製キーが差し込まれてON位置に回動された場合、CPU60は、表示装置17から偽設定値を表示させる。この状態で、設定値選択ボタン41cを押下されると、設定値選択ボタン41cが1回押下されるごとに表示装置17に表示されている偽設定値の表示が切り替わる。このとき、設定値選択ボタン41cが押下されるたびに、偽設定値の表示は正設定値と同様の順番で表示が切り替わるので、ゴト行為を行う遊技者に設定値の選択が行われているものと思いこませることができる。そして、設定値の選択が終了した後に、スタートレバー22によって設定値が確定されたときには設定値選択ボタン41cで選択された設定値が確定されたように表示装置17から偽設定値が表示される。これにより、ゴト行為を行う遊技者には設定値の設定が行われたものと思いこませることができる。スタートレバー22によって設定値が確定されると、CPU60はメモリ31のRAM領域に書き込まれている第1〜第6設定テーブル73a〜73fの種類を書き換えず、スタートレバー22の押下によって確定された設定値を無効にする。この後、複製キーがOFF位置に回動されると、CPU60は遊技を行うことが可能になるようにスロットマシン10の駆動を制御する。この後、ゴト行為を行った遊技者が所望の設定値を設定したと思いこんで遊技を行っても、実際には設定値の設定が行われずに据え置きとなっているため、遊技場の利益の損失を防止することができ、また、どの遊技者にも遊技を公平に行わせることができる。
上記実施形態では、設定値を表示する表示手段として表示装置17を用いたが、例えば、液晶パネルを用いるなど、適宜の表示装置を用いてよい。また、例えば、偽設定値の表示は設定値の設定が行われるたびにランダムにするなど、設定された設定値と偽設定値の表示の対応付けも適宜に行ってよい。
上記実施形態では、偽設定値が表示された状態で選択された設定値が確定された場合には、選択された設定値を無効にしたが、必ずしも無効にしなくてもよい。この場合、例えば、偽設定値の表示を、例えば、設定1が設定されているときには「−6−」、設定2が設定されているときは「−5−」、設定3が設定されているときは「−4−」、設定4が設定されているときは「−3−」、設定5が設定されているときは「−2−」、設定6が設定されているときは「−1−」とすれば、ゴト行為を行った遊技者が設定値を高くすればするほど実際の設定値が低くなっていくので、ゴト行為を行った遊技者が設定値を高くして遊技を行ったときに不当な利益を得ることを防止できる。
スロットマシンの外観を示す斜視図である。 スロットマシンの内部構成を示す斜視図である。 設定選択キーシリンダの周辺及び表示許可キーシリンダの周辺を示した説明図である。 スロットマシンの電気的な構成の概略を示したブロック図である。 正設定値及び偽設定値と選択された設定値との関係を示す説明図である。 設定値の変更の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10 スロットマシン(遊技機)
17 表示装置(設定値表示手段)
41 設定選択操作装置
41a 設定選択キーシリンダ
41b 電源スイッチ
41c 設定値選択ボタン
42 表示許可キーシリンダ
43 設定選択キー
44 表示許可キー
60 CPU(表示制御手段及び設定選択無効手段)
73a 第1設定テーブル
73b 第2設定テーブル
73c 第3設定テーブル
73d 第4設定テーブル
73e 第5設定テーブル
73f 第6設定テーブル

Claims (3)

  1. 遊技者に利益を付与する複数の確率のそれぞれに対応づけられた複数の設定値の内のいずれか1つの設定値を選択する設定値選択ボタンと、
    前記設定値選択ボタンの操作を有効化するON位置と、無効化するOFF位置とを切り替える設定選択キーと、
    前記設定値選択ボタンの選択した設定値を表示する表示装置と、
    遊技が行われる通常状態で設定されるOFF位置と前記設定値の設定変更を行うときに設定されるON位置とに切り替え可能に設けられ、前記ON位置では前記設定値選択ボタンによって選択された設定値と同一の数値である正設定値が選択され、前記OFF位置では前記設定値に予め対応づけられた異なる数値である偽設定値が選択される表示許可キーと、
    前記設定選択キーがONされて前記設定値選択ボタンが有効化されたとき、前記設定値選択ボタンの操作ごとに前記表示許可キーによって選択された正設定値または偽設定値が表示されるように前記表示装置を制御する表示制御手段と
    を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記偽設定値の表示中に前記設定値の設定変更操作が行われた場合、前記設定値選択ボタンによって選択された設定値を無効にして直前の設定値を据え置く設定選択無効手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記表示許可キーは前記遊技機の上部前面を覆う上部扉を開放することによって操作可能となり、前記設定選択キーは前記遊技機の下部前面を覆う下部扉を開放することによって操作可能となることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
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