JP4392983B2 - シート給送装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート給送装置及びこれを備えた画像形成装置に関し、特にシートを分離する分離手段を構成する分離回転体の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプリンタ等の画像形成装置は、例えばシート積載手段に積載されているシートをシート給送手段により送り出した後、このシートを分離手段により1枚ずつ分離して画像形成部に給送するようにしたシート給送装置を備えている。
【0003】
ここで、このようなシート給送装置としては、分離手段として高摩擦部材である分離パットと、この分離パットに接離可能に設けられ、分離パットとの間でシートを分離する分離回転体である分離ローラとを備えたものがある。
【0004】
図16はこのようなシート給送装置の構成を示した図であり、シート積載手段102に積載されているシートPをシート給送手段101により送り出した後、分離ローラ103を分離パット104と圧接した状態で回転させることにより、シートPを分離パット104と分離ローラ103との間で1枚ずつ分離しながら搬送するようにしている。
【0005】
なお、このように1枚ずつ分離したシートPを下流側の搬送手段105に渡すと、分離ローラ103は上方に移動するようになっている。そして、このように分離ローラ103が上昇することにより、シートPに分離ローラ103が触れる時間を短くすることができる。これにより、分離ローラ103表面に付着する紙粉の量を少なくすることができ、紙粉の付着による分離ローラ103の給送力の低下を抑えることが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このように分離ローラをシートから離間することにより、分離ローラ表面に付着される紙粉をできる限り抑えるようにした従来のシート給送装置においても、付着される紙粉が累積されてくると、分離ローラとシートとの間で滑りが発生するようになる。そして、さらに紙粉が付着すると、分離ローラの給送力の低下が著しくなって分離ローラが空転し、シートを給送することが困難となる。
【0007】
ここで、このように分離ローラの給送力の低下が著しくなると、通常は、直ちに分離ローラの清掃や交換を行うようにしているが、このように分離ローラの給送力が低下する都度、清掃や交換を行うようにすると、手間がかかるだけでなく、コストも高くなるという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、分離ローラ(分離回転体)の清掃または交換の時期を延長させることのできるシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シート積載手段に積載されたシートを1枚ずつ分離して給送するシート給送装置において、シート搬送路に突出するように付勢された高摩擦部材と、降下することで前記高摩擦部材と圧接し、上昇することで前記高摩擦部材と離間する分離回転体とにより構成され、前記分離回転体を下降させて前記高摩擦部材に圧接させ、前記分離回転体を回転させてシートを1枚ずつ分離する分離手段と、前記分離回転体の下降及び上昇を制御する制御手段と、前記分離手段のシート搬送方向下流側に設けられ、該分離手段によりシートが分離給送されたことを検知する検知手段と、を備え、前記制御手段は、前記検知手段がシートの分離給送を検知した場合には前記分離回転体を上昇させて前記高摩擦部材をシート搬送路に突出させ、前記検知手段がシートの分離給送を検知しないときは、前記分離回転体を上昇させて前記高摩擦部材をシート搬送路に突出させた後、前記分離回転体を降下させ、再度、前記分離回転体と前記高摩擦部材とを圧接させ、前記分離回転体を回転させてシートを再給送させるようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
また本発明は、前記制御手段は、前記再給送を行った後、前記検知手段がシートの分離給送を検知しないときは、該再給送を所定回数行うことを特徴とするものである。
【0013】
また本発明は、前記分離回転体を前記高摩擦部材に対して圧接及び離間させる移動手段を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
また本発明は、前記分離回転体は、外周に切欠きを有する切欠きローラであり、回転に伴って前記高摩擦部材に対して圧接及び離間することを特徴とするものである。
【0015】
また本発明は、前記分離回転体は、弾性部材により形成され、周面全周にわたって多数の溝が形成されており、該溝は、シート給送方向と0度以上の角度を有することを特徴とするものである。また本発明は、前記高摩擦部材の前記シート搬送路に突出する上面は、シート搬送方向上流側が低くなるように傾斜した湾曲形状を有していることを特徴とするものである。
【0016】
また本発明は、画像形成部と、前記画像形成部にシートを給送するシート給送装置とを備えた画像形成装置において、前記シート給送装置は上記のいずれかに記載のものであることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシート給送装置を備えた画像形成装置の一例であるカードプリンタの全体的な構成を示す側面図である。
【0019】
同図において、1はカードプリンタであり、このカードプリンタ1は画像形成部2と、この画像形成部2にシートPを1枚ずつ分離して給送するシート給送装置3とを備えている。
【0020】
ここで、画像形成部2は、矢印で示すシート搬送方向に並設され、かつシート搬送方向に直交する方向(幅方向)に、シートPの画像形成幅にほぼ等しい長さに多数のインクジェットノズル4aを配置したインクジェットヘッド4と、シート給送装置3により搬送されてきたシートPを載置してインクジェットヘッド4の下方を通過させる搬送ベルト13とを備えている。
【0021】
なお、この搬送ベルト13は、駆動軸12と、従動プーリ15と、駆動プーリ20とに掛け渡されると共に、駆動モータ19により回転駆動される駆動プーリ20によりシート搬送方向に周回運動するようになっている。
【0022】
また、この搬送ベルト13は図2に示すように駆動軸12と、従動プーリ15と、駆動プーリ20とに複数本(4本)掛け渡されている。なお、同図において、14は搬送ベルト13で搬送されるシートPを搬送ベルト13に押し付ける拍車ユニット、31は拍車ユニット14に設けられた拍車クリーナーユニットである。そして、このような搬送ベルト13と、所定の間隔で配置された拍車ユニット14とによりシートPを一定速度で搬送し、その間にインクジェットノズル4aからインクが吐出されてシート上に画像が形成されるようになっている。
【0023】
シート給送装置3は、図1に示すように昇降可能に設けられたシート積載手段であるシート積載台23に積載されたシートPをピックアップするシート給送手段である給紙ローラ24と、給紙ローラ24によりピックアップされたシートPを1枚ずつ分離する分離手段5と、分離手段5により1枚ずつ分離されたシートPの斜行を補正する斜行補正手段6と、斜行補正手段6により斜行が補正されたシートPに対してカール付けを行うカール付け手段7とを備えている。
【0024】
次に、このように構成されたカードプリンタ1の画像形成動作について説明する。
【0025】
給紙動作が開始されると、シート給送装置3のシート積載台23に積載されたシートPの最上位のシートP1は、まず給紙ローラ24によりピックアップされた後、分離手段5により1枚ずつ分離される。そして、この後、斜行補正手段6により斜行補正が行われた後、カール付け手段7によりカール付けされて画像形成部2に搬送される。
【0026】
次に、このようにしてシート給送装置3から画像形成部2に給送されたシートP1は、ピンチ前コロ16、ピンチローラ17及び拍車ユニット14によって押圧された状態で搬送ベルト13上に載置され、この搬送ベルト13の周回運動により、各インクジェットヘッド4の下方を通過する。
【0027】
そして、このようにシートP1が各インクジェットヘッド4の下方を通過する際、装置本体1Aに設けられている図3に示す制御手段である制御装置50は各インクジェットヘッド4を制御してインクを吐出させ、シートP1の表面に画像を形成する。なお、このようにシートP1の表面に画像を形成した後、排紙拍車18によりシートP1をカードプリンタ本体(以下、装置本体という)1Aの側壁面に設けられた排紙トレイ21上に排紙する。
【0028】
次に、シートPを画像形成部2に給送するシート給送装置3の構成を説明する。
【0029】
シート積載台23は、不図示の昇降手段により、積載されたシートPの最上面が給紙ローラ24によって給送される所定の高さに上昇されるようになっている。ここで、図1において、29はシートPの最上面の高さを検知する紙面検知フラグであり、この紙面検知フラグ29の位置を検知するシート高さ検知センサS1からの信号によりシートPの最上面の高さが所定の高さに上昇したと判断すると、図3に示す制御装置50によって不図示の昇降手段を停止するようにしている。
【0030】
これにより、シートPの最上面が、給紙ローラ24によって給送される所定の高さに保持される。なお、その後、シートP1が搬送されてシートPの最上面の高さが所定の高さよりも下がった場合、シート高さ検知センサS1からの信号に基づき制御装置50は、昇降手段を駆動するようにしている。これにより、積載されているシートPの最上位のシートP1が所定の位置に維持され、給紙ローラ24により、安定して給送されるようになる。
【0031】
一方、分離手段5は、図4に示すように高摩擦部材である分離パット8と、この分離パット8に圧接する分離回転体である分離ローラ25と、この分離ローラ25と分離パット8との圧接部よりも上流側に位置する前捌き手段である分離斜面ユニット28とを備えている。
【0032】
次に、これら分離ローラ25、分離パット8について説明する。
【0033】
分離ローラ25は、分離パット8に圧接及び離間可能となるように上下方向に移動自在に設けられており、シートPを搬送する際は、下方に移動して同図に示すように分離パット8に圧接するようになっている。また、シートPを1枚ずつ分離して、下流側搬送手段である斜行補正手段6に受け渡した後は、シートPにバックテンションが加わらないようにしている。また、分離ローラ25への紙粉の付着を最小限に抑えるように、上方に移動するようになっている。
【0034】
さらに、この分離ローラ25はゴム等の弾性部材で形成されると共に、その周面全周にわたり図5に示すように少なくともシート給送方向と0度以上の角度を成して延びた、本実施の形態においてはシート給送方向と直交する方向に延びた多数の溝25aを備えたローレット形状を有している。
【0035】
そして、このように分離ローラ25の周面全周にわたりローレット形状を形成することにより、分離ローラ25は、シートPを搬送する際、ローレット形状の凸部である当接部25bを後述する図14に示すように撓ませながらシートPを搬送するようになっている。
【0036】
なお、図6及び図7は、この分離ローラ25の移動手段である昇降機構を示すものであり、同図において、49aは不図示の駆動モータにより回転する駆動ギヤである。ここで、この駆動ギヤ49aの回転は、第1伝達ギヤ49b及び制御装置50により制御される分離クラッチ49を介して選択的に、即ちシートPを後述するように斜行補正手段6に受け渡した後、第2伝達ギヤ49cから第3伝達ギヤ49dに伝達されるようになっている。
【0037】
同図において、25aは分離ローラ25の回転軸であり、分離ローラ25は、この回転軸25aに取り付けられた駆動ギヤ25bに伝達される不図示の駆動モータからの駆動により回転するようになっている。
【0038】
ここで、この回転軸25aにはカムフォロアである分離コロ46が取り付けられており、またこの回転軸25aは、シート給送装置3の不図示のフレームに回動軸25cを支点として回動自在に支持されるとともに、一端に取り付けられた分離バネ47により時計回りの方向に回動するように付勢されている保持アーム25dの一端に保持されている。
【0039】
そして、このように構成することにより、駆動ギヤ49aの回転により分離カム48が回転すると、分離ローラ軸25aの両端部に取り付けられるとともに、分離バネ47により下方に付勢されている分離コロ46が、図8及び図9に示すように上昇する。そして、このように分離コロ46が上昇すると、これに伴い分離ローラ25も上昇する。
【0040】
この後、カムセンサS2により、分離カム48が所定の位置まで回転したことを検知すると、制御手段50は分離クラッチの49の作動を停止させるようにしている。これにより、分離ローラ25は、少なくとも斜行補正手段6により搬送されているシートPに当接することがない位置まで上昇した状態で停止する。
【0041】
そして、このようにシートPを斜行補正手段6に受け渡した後、このような位置に分離ローラ25が移動することにより、斜行補正手段6により搬送されるシートPが分離ローラ25に接することはなくなる。
【0042】
一方、給紙ローラ24によりシートPが給送される前の待機時、制御装置50は分離クラッチ49を作動させるようにしている。そして、このように分離クラッチ49を作動させることにより、分離カム48が回転し、これに伴い分離コロ46が分離バネ47の付勢力により図6及び図7に示す位置まで降下すると共に、分離ローラ25が分離ローラストッパ51に係止される位置まで降下する。ここで、このように降下することにより、分離ローラ25は図4に示すように分離パット8に圧接する。
【0043】
次に、分離パット8について説明する。
【0044】
この分離パット8は、図10に示すようにパットバネ36により分離ローラ25の方向に付勢されており、分離ローラ25が上昇しているときには、その上端が同図において破線で示すシート搬送経路Rよりも分離ローラ側に突出した状態となっている。また、この分離パット8は、分離ローラ25が降下すると、この分離ローラ25に押圧されて図4に示す位置にまで移動するようになっている。
【0045】
この分離パット8の上下動させる構成について説明する。図4において、27は分離パット8を上面に保持している分離パットホルダであり、この分離パットホルダ27はパットバネ36により、装置本体1Aのフレーム1Bに設けられた回動軸27aを支点として時計回り方向に付勢されている。パットバネ36の弾性力は分離ローラ25を分離パット8に向けて付勢するための分離バネ47よりも小さく設定されているため、分離ローラ25が下降したときに分離パット8も下側に移動する。
【0046】
これにより、分離パットホルダ27は分離ローラ25が上昇しているときはパットバネ36により、図10に示すように下端部がフレーム1Bに設けられたストッパ1Cに当接するまで回動する。そして、このように分離パットホルダ27が回動すると、分離パット8は、その上端がシート搬送経路Rよりも上方に突出する位置に移動する。
【0047】
ところで、本実施の形態において、給紙ローラ24は、シートPを分離手段5に受け渡した後、上方に移動することによりシートPの上方から離間してシートPにバックテンションが加わらないようにしている。
【0048】
図11及び図12は、このように給紙ローラ24を昇降させるための駆動機構を示す図であり、同図において、34は給紙ローラ24を回転自在に保持すると共に、回動軸34aを支点として回動するピックアップリンク、44は制御装置50の制御により作動するピックアップソレノイド42の作動により回転軸44aを支点として回動するソレノイドレバーである。
【0049】
ここで、ソレノイドレバー44の回転軸44aには、ピックアップリンク34の上端に形成された係止部34bを下方より支持する支持レバー35が固定されている。なお、図12に示すように、ソレノイドレバー44はピックアップバネ43により図中の反時計回りに付勢されており、レバーストッパ45により回転が規制されている。
【0050】
そして、シートを送り出す前の待機状態では、図12に示すようにソレノイド42を非通電状態としており、これによりピックアップバネ43で付勢されているソレノイドレバー44に設けられている支持レバー35がピックアップリンク34の係止部34bを上方に持ち上げるようになり、この結果、給紙ローラ24がシートの最上面から離間した位置に保持される。
【0051】
一方、ソレノイド42に通電されると、図11のようにピックアップバネ43の弾性力に抗してソレノイドレバー44が図中の時計回り方向に回転し、これにより支持レバー35によるピックアップリンク34の持ち上げ動作が解除され、この結果、給紙ローラ24が自重により積載されているシートの最上面に圧接する。
【0052】
分離手段5の下流側に配置されている斜行補正手段6は、例えば図4に示すようにシートの搬送方向と平行でかつ、画像形成部2における印字の基準位置の延長線上に配置されている基準ガイドGと、シートの搬送方向に対してシートP1を斜めに基準ガイドG側に向けて搬送する斜送ローラ26と、この斜送ローラ26に斜送ピンチバネ40により圧接している斜送ピンチコロ39とにより構成されている。
【0053】
これにより、分離手段5により分離されたシートP1は斜めに送られて基準ガイドGに突き当たると、シートの剛性により基準ガイドGに沿ってシート搬送方向と平行になるように補正されて搬送される。この斜行補正手段6によって、分離手段5によって分離されたシートP1が斜めであっても画像形成部2には補正されて真っ直ぐに送られる。
【0054】
次に、上述した給紙ローラ24の昇降動作、分離ローラ25の昇降動作の作動タイミングについて説明する。
【0055】
図4において、S3は給紙ローラ24により送り出されたシートPを検知する、例えば非接触型のセンサにより構成される第1シートセンサ、S4は分離手段5により1枚ずつ分離されて搬送された後、斜行補正手段6に搬送されたシートPをセンサフラグ37によって検知する接触型のセンサにより構成される第2シートセンサである。なお、この検知手段である第2シートセンサは、シート搬送方向に対し斜行補正手段6の位置または下流側に設けられている。
【0056】
そして、これら各センサS3,S4からの検知信号は、図3に示すように制御装置50に入力されるようになっている。
【0057】
ここで、制御装置50は、給紙ローラ24から送り出されたシートPが分離手段5に到達したことを第1シートセンサS3からの信号により検知すると、ピックアップソレノイド42を非通電状態にしてピックアップバネ43により給紙ローラ24を上方に移動するようにしている。
【0058】
また、図4に示すように分離手段5に送り出され、分離手段5の分離ローラ25と分離パット8との間で分離されたシートPが、図13に示すように、斜行補正手段6に向かう。そして、斜行補正手段6に到達したことを第2シートセンサS4からの信号を検知すると、制御装置50は、分離クラッチ49を作動させて分離ローラ25を上昇させるようにしている。
【0059】
ところで、シートPの給送累計枚数が増えるに連れて紙粉の付着により分離ローラ25の給送力が低下し、この結果、分離ローラ25と分離パット8との間で分離されたシートPが斜行補正手段6に向かうとき、分離ローラ25とシートPとの間で滑りが発生する。
【0060】
そして、このように滑りが発生すると、シートPの給送速度が遅くなり、一定の時間内に第2シートセンサS4がシートPを検知できなくなる。この場合、本実施の形態において、制御装置50は分離クラッチ49を作動させて分離ローラ25を上昇させ、その後、直ぐに分離ローラ25を下降させるようにしている。
【0061】
ここで、このように分離ローラ25が下降すると、まず図14に示す分離ローラ25の複数の当接部25b1〜25b4がシートPに圧接して圧縮される。そして、この状態で分離ローラ25が回転すると、シートPに圧接している当接部25b1〜25b4が、同図に示すようにそれぞれがシートPとの摩擦により後方に撓みながらシート給送方向に移動する。
【0062】
そして、このように後方に撓みながらシートSに圧接していた当接部25b1〜25b4がシートPから離れる直前、当接部25b1〜25b4の復元力がシートPと分離パット8の間の摩擦力よりも大きくなると、当接部25b1〜25b4は瞬間的にシート給送方向に移動して元の状態に戻る。
【0063】
ここで、このように当接部25b1〜25b4が瞬間的に元の状態に戻る際、その復元力がシートPに作用し、これによりシートPには搬送力が付加される。なお、この復元力による搬送力は、紙粉により当接部表面の給送力が低下していることから僅かであるが、分離ローラ25が回転する時には連続的に当接部25b1〜25b4からの復元力がシートPに作用するようになる。
【0064】
そして、このように当接部25bからの復元力をシートPに連続的に作用させることにより、シートPを搬送することができる。なお、本実施の形態においては、このような再分離動作を行うときには、分離ローラ25を複数回回転させるようにしている。
【0065】
これにより、シートPを遅い給送速度であってもシートPを斜行補正手段6に向かわせることができる。なお、分離ローラ25を複数回回転させる間に、第2シートセンサS4がシートPを検知した場合には、回転を中止して分離ローラ25を上昇させるようにしている。
【0066】
一方、このように分離ローラ25を複数回回転させても、第2シートセンサS4がシートPを検知しない場合には、一旦、分離クラッチ49を作動させて分離ローラ25を上昇させ、再度分離ローラ25を下降させるようにする。即ち、再分離動作を所定回数、例えば2回繰り返すようにしている。
【0067】
そして、このように一旦シートPと分離ローラ25との間にすべりが生じた場合には、分離ローラ25を複数回回転させ、さらにこの動作を複数回繰り返すことにより、直ちに分離ローラ25の清掃又は交換を行わなくともシートPの給送が可能になる。この結果、分離ローラ25の清掃または交換の時期を延長させることができ、手間やコストを低減することができる。
【0068】
なお、この再分離動作を2回行った後でも、第2シートセンサS4がシートPを検知できないときには、制御装置50はエラーと判断しすべての動作を停止する。
【0069】
ところで、これまでの説明においては、分離ローラ25は円筒形状のものであったが、本発明はこれに限らず、外周に切欠きを有する切欠き形状(半月形状)のローラであってもよい。
【0070】
図15は、このような本発明の第2の実施の形態に係るシート給送装置の構成を説明する図である。なお、同図において、図4と同一符号は同一又は相当部分を示している。
【0071】
同図において、60は切り欠き部60bを有した半月形状の分離ローラであり、このような半月形状の分離ローラ60の円弧部60aが下方にあるときは、分離パット8に圧接され、平面部(切り欠き部)60bが下方にあるときは、分離パット8と離間された状態となる。
【0072】
そして、このように分離ローラ60を半月形状とすることにより、分離ローラ60を上下方向に移動させることなく分離ローラ60をシートSから選択的に分離させることができる。これにより、分離ローラ60を移動させる昇降機構(移動手段)が不要となり、装置の構造を簡単にすることができる。
【0073】
なお、本実施の形態においても、分離ローラ60を例えば1回転させてもシートPが斜行補正手段6に到達したことを第2シートセンサS4が検知できない場合には、制御装置50は、再分離動作を行い分離ローラ60をさらに1回転させる。そして、それでも第2シートセンサS4がシートを検知できないときには、再分離動作を所定回数行うように制御する。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、高摩擦部材と挟持した状態で回転する分離回転体によりシートが分離給送されない時には、分離回転体をシートから離間させた後、再度シートに圧接させて回転させるようにすることにより、すぐに分離回転体の清掃または交換をせずともシートの給送を可能にし、分離回転体の清掃および交換時期を延長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシート給送装置を備えた画像形成装置の一例であるカードプリンタの概略構成を示す側面図。
【図2】上記カードプリンタの構成を示す平面図。
【図3】上記カードプリンタの制御ブロックを示す図。
【図4】上記カードプリンタのシート給送装置の構成を説明するための図。
【図5】上記シート給送装置に設けられた分離手段の分離ローラの構造を説明する側面図。
【図6】上記分離ローラを昇降させる昇降機構を説明する正面図。
【図7】上記昇降機構を説明する側面図。
【図8】上記昇降機構の分離ローラが上昇したときの状態を示す正面図。
【図9】上記昇降機構の分離ローラが上昇したときの状態を示す側面図。
【図10】上記シート給送装置に設けられた分離手段の分離パットの動作を説明する図。
【図11】上記シート給送装置に設けられた給紙ローラを上方移動させるための駆動機構を示す図。
【図12】上記駆動機構により給紙ローラが上方移動したときの状態を示す図。
【図13】上記分離手段を経てシートが斜行補正手段に向かうときの状態を示す図。
【図14】上記シートを搬送するときの分離ローラの状態を示す側面図。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係るシート給送装置の概略構成を示す側面図。
【図16】従来のシート給送装置の概略構成を示す側面図。
【符号の説明】
1 カードプリンタ
2 画像形成部
3 シート給送装置
5 分離手段
6 斜行補正手段
8 分離パット
23 シート載置台
24 給紙ローラ
25 分離ローラ
26 斜送ローラ
49 分離クラッチ
60 分離ローラ
P シート
S1 シート高さ検知センサ
S2 カムセンサ
S3 第1シートセンサ
S4 第2シートセンサ
50 制御装置
Claims (7)
- シート積載手段に積載されたシートを1枚ずつ分離して給送するシート給送装置において、
シート搬送路に突出するように付勢された高摩擦部材と、降下することで前記高摩擦部材と圧接し、上昇することで前記高摩擦部材と離間する分離回転体とにより構成され、前記分離回転体を下降させて前記高摩擦部材に圧接させ、前記分離回転体を回転させてシートを1枚ずつ分離する分離手段と、
前記分離回転体の下降及び上昇を制御する制御手段と、
前記分離手段のシート搬送方向下流側に設けられ、該分離手段によりシートが分離給送されたことを検知する検知手段と、を備え、
前記制御手段は、前記検知手段がシートの分離給送を検知した場合には前記分離回転体を上昇させて前記高摩擦部材をシート搬送路に突出させ、前記検知手段がシートの分離給送を検知しないときは、前記分離回転体を上昇させて前記高摩擦部材をシート搬送路に突出させた後、前記分離回転体を降下させ、再度、前記分離回転体と前記高摩擦部材とを圧接させ、前記分離回転体を回転させてシートを再給送させるようにしたことを特徴とするシート給送装置。 - 前記制御手段は、前記再給送を行った後、前記検知手段がシートの分離給送を検知しないときは、該再給送を所定回数行うことを特徴とする請求項1記載のシート給送装置。
- 前記分離回転体を前記高摩擦部材に対して圧接及び離間させる移動手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のシート給送装置。
- 前記分離回転体は、外周に切欠きを有する切欠きローラであり、回転に伴って前記高摩擦部材に対して圧接及び離間することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート給送装置。
- 前記分離回転体は、弾性部材により形成され、周面全周にわたって多数の溝が形成されており、該溝は、シート給送方向と0度以上の角度を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート給送装置。
- 前記高摩擦部材の前記シート搬送路に突出する上面は、シート搬送方向上流側が低くなるように傾斜した湾曲形状を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート給送装置。
- 画像形成部と、前記画像形成部にシートを給送するシート給送装置とを備えた画像形成装置において、
前記シート給送装置は請求項1乃至6のいずれかに記載のものであることを特徴とする画像形成装置。
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