JP4392616B2 - 車両のブレーキ - Google Patents
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Description
しかしながら、傾斜道等に台車を置くと、台車は傾斜道を自行するため、安全装置として、ブレーキが必要である。
そこで、出願人自身が、特開2003−237549号公報のブレーキ付きの台車を提案した。
そこで、バネ18の反発力によって、「ほぼ直線状となるトグル機構」を介してブレーキ板20は後車輪3bに当接してブレーキがかかった状態であるが(図4(A))、中央板17に付設のワイヤー40を引っ張って、中央板17を右方向に移動させると、「く字状となるトグル機構」によって、ブレーキ板20は後車輪3bから離脱して走行可能になる。
この機構は、常時は走行可能な状態であり、ワイヤーを引っ張るとブレーキがかかる状態になる。
又、請求項3の車両のブレーキは、ブレーキ板の先端に揺動可能なブレーキ片を取り付けてあるので、ブレーキをかけるとき、ブレーキ片が車輪に食い込み、より有効にブレーキをかけることができる。
請求項4の車両のブレーキは、ブレーキ板に対してブレーキ片の位置を調整可能であるので、車輪の大きさに対して、良好なブレーキ位置を容易に選定できる。
台車1は四角状のフレーム枠90と車輪で構成してあり、そのフレーム枠90の上には、薄板スチールや樹脂等で製作の台板1aが固定してある。
そして、そのフレーム枠90の前方の裏面側には、自在キャスタ2を介して1対の前車輪3aが取付けてあると共に、台板90の後方の裏面側には固定式の後車輪3bが取り付けてある。
又、台板1aの後方のフレーム枠90には、回動可能な逆U字状のハンドル19が取り付けてあって、折り畳み可能になっている。
この後車輪3bの取付け構造は、よく知られた構造であり、台車のフレーム枠90の裏面に逆U字状の取付け金具4がネジ5で固定されていて、この逆U字状の取付け金具4に回転可能に後車輪3bを取り付けてある。
又、前記左側支持板11aには挿入孔16が形成してあり、端部を丸棒17aに形成の平板状の中央板17が、前記挿入孔16から外側に突出して、前記左側支持板11aの外側に反発力を有するバネ18を圧縮挿入して取り付けてある。そのため、中央板17が挿入孔16から外側に突出している長さは、前記丸棒17aの長さで制限を受け、後述のトグル機構を構成する右上リンクプレート31、右下リンクプレート32、左上リンクプレート33、左下リンクプレート34が中央板17に対してほぼ垂直状態で維持可能に制限される。
そして、中央板17は、常時、図4(A)に示す位置で、左方向に付勢されていて往復動可能である。
尚、前記バネ18は中央板17に挿入して構成する必要はなく、中央板17と左側支持板11aの間にバネ18を設けて、常時、中央板17を左方向に付勢する構造であってもよい。
即ち、前記左側支持板11aと右側支持板11bの間には、後車輪3b側から、ブレーキ板20、中央板17、連結体15の順に、平行に設けてあり、連結体15は側支持板11a、11bと同じで不動であるが、中央板17は往復動可能であると共に、この中央板17の往復動と共にブレーキ板20が各リンクを介して往復動し、後車輪3bと係止、離脱可能である。
尚、前記ブレーキ板20は、前記左側支持板11aと右側支持板11bに形成の長細孔21a、21bに挿通して支持している。
また、前記連結体15の上下に挟着の一対の左上リンクプレート33と前記ブレーキ板20の上下に挟着の一対の左下リンクプレート34が各々回動可能に、中央板17の左端部に取り付けてある。
そして、前記右上リンクプレート31、右下リンクプレート32、左上リンクプレート33、左下リンクプレート34及びバネ18によって、トグル機構を構成し、常時、前記ブレーキ板20を後車輪3bから離脱状態にしている。
操作機構50は、握り棒19aの形状に合致する円形部51をネジ52を介して固定される。
又、操作機構50は、ネジ52に回動可能なS字状の操作片53が取り付けてあり、この操作片53に固定の操作レバー54を介して回動可能である。
又、前記操作片53の端部には、前記一対の後車輪3bに取付けのブレーキ機構に連結のワイヤー40が、ボルトナット55を介して固定してあり、操作レバー54を回動すると、ワイヤー40は引く。
尚、この操作レバー54を回動すると、操作片53の端部とワイヤー40との位置関係により回動した状態を保持可能である。
常時、ブレーキ板20はバネ18の反発力によって、中央板17を図4において左方向に付勢し、右上リンクプレート31と右下リンクプレート32、左上リンクプレート33と左下リンクプレート34を中央板17に対して直線状態にする。この結果、ブレーキ板20は後車輪3bに係合し、ブレーキがかかった状態(ロック状態)になり、台車の進行が不可能である(図4(A))。
このブレーキ板20は、トグル機構によって押し力が増強されて後車輪3bの外周部に係合するので、確実にブレーキがかかったロック状態を維持できる。
尚、前記トグル機構を構成する右上リンクプレート31等が、中央板17に対して垂直状態で維持されるのは、中央板17に形成の丸棒17aが挿入孔16に挿入可能である長さで制限を受けて、ストッパの作用をしており、操作レバー54を元の状態に回動すると、元の状態になる。
尚、前記図4と同じ部品には同じ符号を附して説明を略すが、バネ118の取付け位置を異にする。
中央板17の裏面側には、右上リンクプレート31に邪魔にならないように、取付板119が取り付けてあり、バネ118の端部は前記取付板119に、他端部は右側支持板11bに固定してある。
そして、中央板17は、バネ118によって、常時、右方向に引っ張られて移動し、前記各リンクプレート(右上リンクプレート31と右下リンクプレート32、左上リンクプレート33と左下リンクプレート34)は「く」の字状を維持し、ブレーキ板20が後車輪3bから離脱のブレーキ解除状態である(図6(A))。
そこで、操作レバー54を回動すると、ワイヤー40は引っ張られ、中央板17は図6(B)に示すように、バネ118を伸長して左方向に移動し、前記中央板17に形成の丸棒17aが挿入孔16に挿入して左方向に移動するが、中央板17が左側支持板11aに当接してストッパの作用をして左移動の制限する。
一方、操作レバー54を元に戻すと、図6(A)に示すブレーキ解除状態になる。
以上のように、図6に示す機構は、前記図4に示す機構と逆動作をし、常時はブレーキ解除状態であり、ワイヤー40を引っ張るとブレーキがかかった状態になる。
この構成におけるブレーキ片88は、後車輪3bに当接したとき、食い込んでブレーキのきき具合を向上させるものであり、図7、図8を参照して説明する。
尚、図7(A)はブレーキ片の平面図、(B)はブレーキ片の正面図で後車輪に対してブレーキがかかっていない状態図、(C)は後車輪に対してブレーキがかかっている状態図である。又、図8(A)(B)は台車の裏面にブレーキ片の取付けのブレーキ機構の全体平面図であり、(A)は走行可能なアンロック状態、(B)はブレーキがかかっているロック状態を示す。
そして、ブレーキ板20は、前記取付部材80に、前記挿入孔81aと挿入孔20aに挿入の取付棒81を挿入してナット82で固定して連結してあると共に、前記取付部材80の左面には、溶接でコ字状のブレーキ片88が取り付けてある。尚、このブレーキ片88は、取付部材80より幅広で、取付部材80の中心軸より下方向に偏心して、ブレーキをかけると、上端部88aと下端部88bが後車輪3bに当接可能に取り付けてある。
ブレーキ板20は、操作レバー54の回動によってワイヤー40を引っ張るとブレーキがかかる機構である。
そこで、操作レバー54の回動によってブレーキをかけると、ブレーキ板20の端部20bは、後輪3b側に水平移動して、取付棒81を傾斜して取付部材80を押圧する。そして、ブレーキ片88は、偏心位置で押圧されるので、ブレーキ板20を中心に揺動し、上端部88aと下端部88bが後車輪3bに傾斜状に当接して、特に、下端部88bが後輪3bに食い込む状態になるので、ブレーキが良くきく。
又、前記コイルバネ85は必ずしも必要でないが、このコイルバネ85はブレーキ片88の姿態を一定に保持する場合に有効である。
ネジが形成してある取付棒91は、前記挿入孔81aと挿入孔20aに挿入し、ブレーキ板20の左右両側にナット82aとナット82aで固定すると共に、取付部材80の左右側にナット82bとナット82bを取り付けて固定する。
そして、ブレーキ片88(88a、88b)を後車輪3bに対して位置を変更するときには、前記ナット82b、82bを緩めて、ブレーキ片88(88a、88b)が所定位置になるように取付棒91を回転させた後に、前記ナット82b、82bを締め付ける。
このように、ブレーキ片88(88a、88b)を後車輪3bに対して位置調整可能に構成してあるので、車輪の大きさに対し、良好なブレーキ位置を容易に選定することができる。また、この構成におけるブレーキがかかっているロック状態は図7(C)とほぼ同じである。
10a、10b 基台
11a 左側支持板
11b 右側支持板
15 連結体
17 中央板
18 バネ
20 ブレーキ板
31 右上リンクプレート
32 右下リンクプレート
33 左上リンクプレート
34 左下リンクプレート
40 ワイヤー
88 ブレーキ片
91 取付棒
118 バネ
Claims (4)
- フレーム枠の裏面に前車輪と固定式の後車輪を取付けて走行可能な車両であって、
前記フレーム枠に左側支持板と右側支持板を取付け、
前記左側支持板と右側支持板の間に、連結体と、バネで常時付勢され往復動可能な中央板と、往復動可能で後車輪に当接可能なブレーキ板を取付け、
前記連結体と中央板との間に右上リンクプレートと左上リンクプレートを回動可能に取り付けると共に、中央板とブレーキ板との間に右下リンクプレートと左下リンクプレートを回動可能に取り付け、
ワイヤーを引っ張ると前記バネが圧縮して前記中央板を移動可能に構成してあることを特徴とする車両のブレーキ。 - フレーム枠の裏面に前車輪と固定式の後車輪を取付けて走行可能な車両であって、
前記フレーム枠に左側支持板と右側支持板を取付け、
前記左側支持板と右側支持板の間に、連結体と、往復動可能な中央板と、往復動可能で後車輪に当接可能なブレーキ板を取付け、
前記右側支持板と中央板との間に引っ張りバネを取付け、
前記連結体と中央板との間に右上リンクプレートと左上リンクプレートを回動可能に取り付けると共に、中央板とブレーキ板との間に右下リンクプレートと左下リンクプレートを回動可能に取り付け、
ワイヤーを引っ張ると前記バネが伸長して前記中央板を移動可能に構成してあることを特徴とする車両のブレーキ。 - ブレーキ板の先端に揺動可能なブレーキ片を取り付けることを特徴とする請求項1又は請求項2の車両のブレーキ。
- ブレーキ板に対してブレーキ片の位置を調整可能であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項の車両のブレーキ。
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