JP4391100B2 - 折り畳み自転車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、収納・運搬状態における自転車の高さを低くすることができるだけでなく、縦置きをも可能とした折り畳み自転車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、タテパイプを折り畳むことによって自転車の高さを低くし、簡単に収納・運搬することができるようにした折り畳み自転車が知られている。即ち、図3に示すように、メインパイプ1の中間部にタテパイプ3が折り畳み自在に取り付けられており、タテパイプ3を支持するバックホーク4を、図3(A)の状態から図3(B)のように前輪6側に内向き(<字状)に折り曲げると、タテパイプ3が折り畳まれるようにしたものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
登録実用新案第3090531号公報 (第2−3頁、図1−9)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3に示す特許文献1の折り畳み自転車は、バックホーク4の回転軸4Aが後輪7側に位置しており、バックホーク4を前輪6側に内向き(<字状)に折り曲げるようになっているので、乗車時にバックホーク4を折り曲げる方向の荷重が作用しやすく、上パイプ4B内にスライドキーを設けて乗車時の強度を確保する必要があった。
【0005】
ところが、スライドキーを設けると、スライドキーを上下に移動させなければ折り畳み操作ができない。また、乗車時の荷重がスライドキーとパイプ内面の端部に集中することとなるので、フレーム精度が悪くなり、スライドキーが動かなくなることがある。すると、折り畳み操作ができなくなる可能性がある。
【0006】
一方、折り畳み後の収納・運搬時においては、自転車の高さは低くなるものの折り畳んだ自転車を横置きにしておくことしかできない。そのため、折り畳みの利便性が制限されることとなり、更なる改善が望まれている。
【0007】
そこで本発明は、収納・運搬状態における自転車の高さを低くすることができるだけでなく、操作性及び強度安全性の向上を図ることができ、しかも、横置き及び縦置きの両方を可能とした折り畳み自転車を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであって、請求項1に記載の発明は、メインパイプ(1)の前輪(6)側に取り付けられたヘッドパイプ(2)と、メインパイプ(1)の中間部に折り畳み自在に取り付けられたタテパイプ(3)と、メインパイプ(1)の後輪(7)側でタテパイプ(3)を支持するバックホーク(4)とを有する折り畳み自転車であって、バックホーク(4)が回転軸(4A)で折り曲げ自在に連結された上パイプ(4B)と下パイプ(4C)とからなり、バックホーク(4)の折り曲げ部分に接地部材が設けられており、バックホーク(4)を後輪(7)側に外向きに折り曲げるとタテパイプ(3)が折り畳まれ、かつ、バックホーク(4)の折り曲げ部分の接地部材と後輪(7)とを同時に接地させると自転車の縦置きが可能となることを特徴とする折り畳み自転車に係るものである。
【0009】
そして、接地部材としては、バックホークの回転軸に取り付けられたローラーが好ましい。
【0010】
また、バックホークの回転軸をタテパイプ側に位置させ、上パイプの端面と下パイプの端面とでバックホークに作用する荷重を受けるようにすることが好ましい。そして、ヘッドパイプには取っ手を設けることが好ましく、ハンドルポストは折り畳み自在とすることが好ましい。更に、後ブレーキはメインパイプの下側に位置させることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の折り畳み自転車は、使用状態から収納・運搬状態とする際に、バックホークを折り曲げてタテパイプを折り畳むものであるが、折り畳み時に、バックホークを後輪側に外向き(>字状)に折り曲げるようになっている。即ち、従来の折り畳み自転車のように、バックホークを前輪側に内向き(<字状)に折り曲げるのではなく、逆向きにすることによって操作性及び強度安全性の向上を図ったものである。
【0012】
例えば、バックホークの回転軸を従来と逆にタテパイプ側に位置させれば、上パイプと下パイプとが回転軸を中心に外向きに折れ曲がるようになる。そして、上パイプの端面と下パイプの端面とでバックホークに作用する荷重を受けるようにし、回転軸やその他の部材に負担をかけないようにするのである。
【0013】
このように、バックホークを構成するパイプの端面同士が接触してタテパイプを支持するようにすれば、従来の折り畳み自転車には強度部材として必要であったスライドキーが不要となり、バックホークの折り曲げ部の構造が簡略化され、経年変化による折り畳み作動不良もなく、信頼性が向上する。
【0014】
なお、バックホークの不用意な折れ曲がりを防止し、信頼性を一層向上させるために、バックホークの回転部に回転を防止するための締め具を設けることが好ましい。この締め具は、バックホークの上パイプとタテパイプとの回転連結部に設ければ、サドルの高さ調整のための締め具と兼用することもできる。
【0015】
また、本発明の折り畳み自転車は、バックホークを後輪側に外向きに折り曲げるようにすることで、収納・運搬時の自転車の縦置きも可能としたものである。即ち、従来の折り畳み自転車であれば、折り畳み後に後輪近くに位置するのはサドルだけになるので、後輪とサドルとでは安定性が悪く、縦置きすることは困難であったが、本発明の自転車では、バックホークの折り曲げ部分を支点にでき、後輪と同時に接地させることで自転車の縦置きが可能となるのである。
【0016】
ここで、支点となるバックホークの折り曲げ部分とは、例えば、上パイプの端面や下パイプの端面等である。この場合、パイプ端面の保護のために、ゴムや樹脂等からなるカバーを接地部材として取り付けることが好ましい。また、パイプの端面を直接接地させるのではなく、バックホークの回転軸にローラーを取り付け、ローラーと後輪とを接地させるようにすれば、縦置きのままの移動が容易になる点で好ましい。そして特に、回転軸の両側に一対のローラーを設けて3点支持にすれば、縦置き時の安定性が一層向上する。更に、ヘッドパイプに取っ手を設ければ、移動が一層容易になる。
【0017】
ところで、バックホークを折り曲げてタテパイプを折り畳むと、タテパイプはメインパイプとほぼ平行になるが、今度はハンドルポストが立ったままで邪魔になる。この場合、短いヘッドパイプに対して長いハンドルポストを使用し、ハンドルポストを取り外すようにすることもできるが、ハンドルポストを取り外さずにハンドルポストも折り畳み自在としておくことが好ましい。
【0018】
また、バックホークを後輪側に外向きに折り曲げると、バックホークの下パイプと後ブレーキとが衝突し、バックホークの折り曲げに支障となることが懸念される。そこで、後ブレーキをメインパイプの下側に位置させ、バックホークの下パイプと後ブレーキとが干渉しないようにすることが好ましい。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施の形態の具体例を図面により説明する。図1は、本発明の折り畳み自転車の一例を示す使用状態における左側面図である。即ち、図1に示す自転車は、フレームが、メインパイプ1、メインパイプ1の前輪6側に取り付けられたヘッドパイプ2、メインパイプ1の中間部に折り畳み自在に取り付けられたタテパイプ3、メインパイプ1の後輪7側でタテパイプ3を支持するバックホーク4から構成されている。
【0020】
そして、バックホーク4は、回転軸4Aで折り曲げ自在に連結された上パイプ4Bと下パイプ4Cとからなっており、図1に示す使用状態においては、上パイプ4Bの端面と下パイプ4Cの端面とが面接触してバックホーク4に作用する荷重を受ける。そのため、図3に示す従来の折り畳み自転車に設けられていたスライドキーが削除されており、構造の簡略化が図られている。
【0021】
なお、バックホーク4の上パイプ4Bとタテパイプ3との回転連結部には締め具15が設けられ、バックホーク4の不用意な折れ曲がりを防止しているが、この締め具15は、サドル13の高さ調整のための締め具14と兼用にし、一方を省略してもよい。
【0022】
次に、図1及び図2に基づいて、本発明の自転車の折り畳み過程を説明する。即ち、図2は、図1に示す実施例の折り畳み自転車の、収納・運搬状態における左側面図である。図1の使用状態から図2の収納・運搬状態に移行するには、最初に締め具15を緩め、続いてバックホーク4を後輪7側に外向きに折り曲げればよい。
【0023】
すると、バックホーク4のタテパイプ3側に位置する回転軸4Aを中心に上パイプ4Bと下パイプ4Cとが>字状に折れ曲がり、それにつれてタテパイプ3が倒れるが、後ブレーキ11がメインパイプ1の下側に位置しているので、タテパイプ3は、メインパイプ1とほぼ平行になる。なお、サドル13は、邪魔にならないように横向きにしておく。
【0024】
その後、ハンドル12を半回転させて前輪6及び前ブレーキ10を反転し、前輪6の出っ張りを少なくした上でレバー16を操作し、ハンドルポスト5を折り畳む。なお、ハンドル12は、邪魔にならないように横向きにしておく。また、図1に示す実施例の折り畳み自転車は、ペダル18も折り畳みが可能で、折り畳んだ際の奥行きを最小限にすることができるようになっている。
【0025】
このようにして折り畳まれた自転車は、そのまま横置きしておいてもよいが、縦置きにすることもできる。即ち、バックホーク4の回転軸4Aの両側に一対のローラー8が設けられていることから、折り曲げ後のバックホーク4(図1の実施例の場合は一対のローラー8)と後輪7とを同時に接地させることにより、自転車の縦置きが可能なのである。そして、縦置きした自転車は、ヘッドパイプ2に設けられた取っ手9によって簡単に動かすことができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の折り畳み自転車は、メインパイプの前輪側に取り付けられたヘッドパイプと、メインパイプの中間部に折り畳み自在に取り付けられたタテパイプと、メインパイプの後輪側でタテパイプを支持するバックホークとを有する折り畳み自転車であって、バックホークが回転軸で折り曲げ自在に連結された上パイプと下パイプとからなり、バックホークを後輪側に外向きに折り曲げるとタテパイプが折り畳まれ、かつ、バックホークの折り曲げ部分と後輪とを同時に接地させると自転車の縦置きが可能となるので、収納・運搬状態における自転車の高さを低くすることができるだけでなく、操作性及び強度安全性の向上を図ることが可能となり、しかも、横置きにも縦置きにもすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の折り畳み自転車の一例を示す、使用状態における左側面図である。
【図2】図2は、図1に示す本発明の折り畳み自転車の、収納・運搬状態における左側面図である。
【図3】図3は、従来の折り畳み自転車の一例を示す左側面図である。
【符号の説明】
1‥メインパイプ
2‥ヘッドパイプ
3‥タテパイプ
4‥バックホーク
4A‥回転軸
4B‥上パイプ
4C‥下パイプ
5‥ハンドルポスト
6‥前輪
7‥後輪
8‥ローラー
9‥取っ手
10‥前ブレーキ
11‥後ブレーキ
12‥ハンドル
13‥サドル
14‥締め具
15‥締め具
16‥レバー
17‥留め具
18‥ペダル
Claims (6)
- メインパイプ(1)の前輪(6)側に取り付けられたヘッドパイプ(2)と、メインパイプ(1)の中間部に折り畳み自在に取り付けられたタテパイプ(3)と、メインパイプ(1)の後輪(7)側でタテパイプ(3)を支持するバックホーク(4)とを有する折り畳み自転車であって、
バックホーク(4)が回転軸(4A)で折り曲げ自在に連結された上パイプ(4B)と下パイプ(4C)とからなり、バックホーク(4)の折り曲げ部分に接地部材が設けられており、
バックホーク(4)を後輪(7)側に外向きに折り曲げるとタテパイプ(3)が折り畳まれ、かつ、バックホーク(4)の折り曲げ部分の接地部材と後輪(7)とを同時に接地させると自転車の縦置きが可能となることを特徴とする折り畳み自転車。 - 接地部材が、バックホーク(4)の回転軸(4A)に取り付けられたローラー(8)であることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み自転車。
- バックホーク(4)の回転軸(4A)がタテパイプ(3)側に位置しており、上パイプ(4B)の端面と下パイプ(4C)の端面とでバックホーク(4)に作用する荷重を受けることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の折り畳み自転車。
- ヘッドパイプ(2)に取っ手(9)が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の折り畳み自転車。
- ハンドルポスト(5)が折り畳み自在となっていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の折り畳み自転車。
- 後ブレーキ(11)がメインパイプ(1)の下側に位置していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の折り畳み自転車。
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