JP4391080B2 - 懸架コイルばね - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の懸架装置に用いる懸架コイルばねに関し、特に、軸方向圧縮荷重に対し非線形ばね特性を有する懸架コイルばねに係る。
【0002】
【従来の技術】
車両の懸架装置に関しては、種々の形式のものが知られており、種々の要請に応じた特性に調整することが企図されている。例えば、有効巻部の巻数を負荷に応じて変化させるため、ピッチ、コイル径、線径等を調整し、軸方向圧縮荷重に対し非線形ばね特性を有する種々の懸架コイルばねが提案されている。このような非線形コイルばねとしては、例えば、胴部に最大径を有する樽形状を呈し、コイル素線の線径が軸方向中心から両端に向かって漸減するように両端部の素線を切削した特殊コイルばねが提案されている。
【0003】
また、ニーアクションを行うサスペンションに要求されるばね特性も非線形であり、後輪用としてトレーリングアーム式サスペンションが知られている。これは、車両前方に配置したピボットと後輪の車軸をアームで結合し、ピボットを中心として上下方向に揺動し、所謂ニーアクションを行うもので、例えば下記の特許文献1及び2等に開示されている。このサスペンション構造は、車輪を懸架するサスペンションリンクと、車輪のバンプ・リバウンドの動きを緩衝する緩衝装置によって構成されているが、特許文献1及び2の何れにも懸架コイルばねの構成については言及されていない。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−46443号公報
【特許文献2】
特開平8−268018号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前掲の特殊コイルばねにおいては、両端部の線径が漸減するように形成することは容易ではなく、量産に適さず、必然的に高価となる。而して、少なくとも線径を変化させることなく所望の非線形特性を確保することが望まれている。このような要請に応え得る懸架コイルばねとしては、鼓形状の圧縮コイルばね、即ち鼓型コイルばねが有効である。この鼓型コイルばねは、上側座巻部及び下側座巻部と、これら上側座巻部及び下側座巻部から夫々軸方向中心に向かって外径が漸減する上側徐変部及び下側徐変部と、これら上側徐変部及び下側徐変部の最小径部に連続する略同径の胴部を備え、外形が鼓形状を呈するものであり、所望の非線形特性を容易に設定することができる。特に、車両の懸架装置においては、所望の(大きさ及び/又は方向の)横力に調整し得る懸架コイルばねが望まれており、これには鼓型コイルばねが好適である。
【0006】
そこで、本発明は、軸方向圧縮荷重に対し非線形ばね特性を有する懸架コイルばねにおいて、鼓型コイルばねを用い、所望の横力に調整し得る懸架コイルばねを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は請求項1に記載のように、上側座巻部及び下側座巻部と、該上側座巻部及び下側座巻部から夫々軸方向中心に向かって外径が漸減する上側徐変部及び下側徐変部と、該上側徐変部及び下側徐変部の最小径部に連続する略同径の胴部を備えた鼓型コイルばねから成り、該鼓型コイルばねに対する軸方向圧縮荷重に応じて、当該鼓型コイルばねの自由巻数が前記胴部並びに前記上側徐変部及び下側徐変部の各自由巻数の総和であって一定の値である第1のばね定数域、当該鼓型コイルばねの自由巻数が変化するばね定数変化域、及び当該鼓型コイルばねの自由巻数が前記胴部の自由巻数と略等しい一定の値である第2のばね定数域の何れかの状態となる懸架コイルばねにおいて、前記鼓型コイルばねが前記第1のばね定数域にあるときに前記鼓型コイルばねの軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第1の中間方向と、前記鼓型コイルばねが前記第2のばね定数域にあるときに前記鼓型コイルばねの軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第2の中間方向とを所定の関係に調整すると共に、前記鼓型コイルばねの総自由巻数の小数値を所定の値に設定することとしたものである。
【0008】
上記の上側徐変部及び下側徐変部は、鼓型コイルばねが第1のばね定数域にあるときには夫々上側座巻部及び下側座巻部との境界を画し、鼓型コイルばねが第2のばね定数域となったときには線間接触又は座と接触して夫々上側座巻部及び下側座巻部と一体化し、夫々胴部との境界を画す部分であり、この部分を線間接触又は座との接触に応じて自由巻端が移動することになる。そして、第1のばね定数域と第2のばね定数域との間が、ばね定数変化域となる。これにより、横力の方向及び大きさを所望の方向及び値に調整することができる。
【0009】
前記請求項1に記載の懸架コイルばねにおいて、更に、請求項2に記載のように、前記第1の中間方向と前記第2の中間方向を一致させると共に、前記鼓型コイルばねが前記第1のばね定数域及び前記第2のばね定数域にあるときの前記鼓型コイルばねの総自由巻数の小数値を夫々略0.5に設定することとすれば、横力を最大値に調整することができる。特に、この記請求項2に記載の懸架コイルばねにおいて、請求項3に記載のように、前記第1及び第2の中間方向を、前記下側座巻部の端末からの巻数で設定した目標横力方向に対し、前記鼓型コイルばねの軸方向上方からみて前記鼓型コイルばねの上側に向かって+0.25巻の方向に設定することとすれば、横力を最大値に調整すると共に、目標とする方向に調整することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は本発明の懸架コイルばねに供する鼓型コイルばねの一実施形態に係り、懸架装置への装着前の状態を示すものである。本実施形態の鼓型コイルばね10は、図1の右側に概略範囲で示したように、上側座巻部11及び下側座巻部12と、これら上側座巻部11及び下側座巻部12から夫々軸方向中心に向かって外径が漸減する上側徐変部13及び下側徐変部14と、これら上側徐変部13及び下側徐変部14の最小径部に連続する略同径の胴部15を備えた鼓形状に形成されており、軸方向圧縮荷重に対し非線形ばね特性を有する。
【0014】
即ち、軸方向圧縮荷重に応じて、鼓型コイルばね10の自由巻数が胴部15並びに上側徐変部13及び下側徐変部14の各自由巻数の総和であって一定の値である第1のばね定数域、鼓型コイルばね10の自由巻数が変化するばね定数変化域、及び鼓型コイルばね10の自由巻数が胴部15の自由巻数と略等しい一定の値である第2のばね定数域の何れかの状態となる。従って、上側徐変部13及び下側徐変部14は、鼓型コイルばね10が第1のばね定数域にあるときには夫々上側座巻部11及び下側座巻部12との境界を画し、鼓型コイルばね10が第2のばね定数域となったときには線間接触又は座と接触して夫々上側座巻部11及び下側座巻部12と一体化し、夫々胴部15との境界を画す部分である。
【0015】
図2は、車両の懸架装置において、軸方向圧縮荷重に対し非線形ばね特性を有する上記の鼓型コイルばね10を用いた一例を示すもので、後輪用のトーションビームアクスル式サスペンションに適用したものである。図2において、車両(図示せず)の左右の車輪(図示せず)のサスペンションに関し、夫々車両前方の車体に設けられたピボット1と車両後方の車輪の軸2がトレーリングアーム(以下、単にアームという)3で結合されており、更に、左右のアーム3がトーションビーム4によって結合されている。而して、左右のアーム3が各々のピボット1を回転中心として上下方向に揺動し、ニーアクションが行なわれるように構成されている。そして、車体(図示せず)に支持される上側座5と、アーム3に支持される下側座6との間に図1の鼓型コイルばね10が介装されると共に、車体(図示せず)と軸2との間にショックアブソーバ20が介装されている。
【0016】
図3は上記鼓型コイルばね10の作動状態を示すもので、USは上側座巻部11の座面を示し、FBはフルバンプ状態の下側座巻部12の座面を、LDは積載状態の下側座巻部12の座面を、EMは空車状態の下側座巻部12の座面を、そしてFRはフルリバウンド状態の下側座巻部12の座面を、夫々示す。ここで、フルバンプ状態とは最大圧縮状態、即ち鼓型コイルばね10が最も圧縮された状態であり、積載状態(LADEN)とは例えば2名乗車時というように所定重量の積載物が存在する状態である。そして、フルリバウンド状態とは、乗員無の車両をリフトしたとき、車輪の自重によって鼓型コイルばね10が最も伸長する最大伸長状態であり、走行中に車輪が最も下方に位置する。
【0017】
ここでは、フルリバウンド状態から空車状態までの間と、積載状態からフルバンプ状態までの間は、ばね定数が一定とされ、夫々前述の第1のばね定数域と第2のばね定数域に相当する。つまり、フルリバウンド状態から空車状態までの間と、積載状態からフルバンプ状態までの間は、自由巻数が一定である。これに対し、空車状態から積載状態(常用)までの間は自由巻数が変化し、前述のばね定数変化域に相当する。
【0018】
即ち、鼓型コイルばね10がフルリバウンド状態からフルバンプ状態の間で、上側徐変部13及び下側徐変部14は素線間の接触及び座との接触に従って変化するので、自由巻端の位置が移動し、自由巻数(即ち、有効巻数)は徐変(減少)することとなる。特に、鼓型コイルばね10がフルリバウンド状態にあるときには、鼓型コイルばね10の上下の自由巻端は夫々、上側座巻部11と上側徐変部13との境界及び下側座巻部12と下側徐変部14との境界に位置し、鼓型コイルばね10の自由巻数は上側徐変部13、胴部15及び下側徐変部14の各自由巻数の総和と略等しくなる。これに対し、鼓型コイルばね10がフルバンプ状態にあるときには上側徐変部13及び下側徐変部14が線間接触及び座と接触した状態となるため、鼓型コイルばね10の上下の自由巻端は夫々、上側徐変部13と胴部15との境界及び下側徐変部14と胴部15との境界に位置し、鼓型コイルばね10の自由巻数は胴部15の巻数と略等しくなる。
【0019】
そして、本実施形態においては、鼓型コイルばね10がフルリバウンド状態(第1のばね定数域)にあるときに鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を均等に分割、即ち二等分する第1の中間方向と、鼓型コイルばね10がフルバンプ状態(第2のばね定数域)にあるときに鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第2の中間方向とを所定の関係に調整すると共に、鼓型コイルばね10の総自由巻数の小数値を所定の値に設定するように構成されている。これら第1及び第2の中間方向は、図1に示すように、各荷重条件(第1及び第2のばね定数域)において、鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて鼓型コイルばね10の中心軸と上下の自由巻端とを結ぶ二つの線分(図1に示す上側自由巻端の半径方向及び下側自由巻端の半径方向)がなす角度を二等分する方向を表わしている。
【0020】
以下、本実施形態に係る鼓型コイルばね10の具体的態様に関し、種々のサンプルを設定してシミュレーションを行った結果に基づき、自由巻数と横力の関係について説明する。尚、シミュレーション時の各サンプルにおいて、上側座巻部11及び下側座巻部12の巻数、上側徐変部13及び下側徐変部14の巻数、並びに胴部15の巻数を変数として6種の態様を設定し、ばね特性及び圧縮条件は以下のように共通の値に設定し、計算には汎用有限要素法コードABAQUSを使用した。即ち、ばね特性については、第1のばね定数として42.0N/mm及び第2のばね定数として81.0N/mmの二つのばね定数を有するものに設定し、取付荷重を3125Nに設定した(但し、1割程度のバラツキを許容)。圧縮条件については、フルリバウンド状態からフルバンプ状態に至る高さ変化に相当する平行圧縮(軸方向圧縮荷重)とした。以下の説明においては、図4乃至図10に用いたサンプルについて個々に説明した後に、上記6種の態様をまとめて列挙する。
【0021】
図4は、鼓型コイルばね10がフルリバウンド状態にあるときに鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第1の中間方向と、鼓型コイルばね10がフルバンプ状態にあるときに鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第2の中間方向とを同一の方向に調整して、鼓型コイルばね10を平行に圧縮したときの荷重、横力の大きさ及び方向を示す。尚、この場合における横力と、その方向は図11に示すように定義している。即ち、鼓型コイルばね10を圧縮したときに発生するばね反力の下側座に及ぼす水平成分(図11に示すばね反力横力成分)を、ここでいう「横力」とする。そして、「横力の方向」は、鼓型コイルばね10の中心軸から下側端末を基準とした方向(図11に示す下側端末方向)とばね反力横力成分とがなす角とし、図4の右側の縦軸に「下側端末からの方向」として、下側端末からの巻数(図11に円弧矢印で示す範囲の巻数)で表わしている。
【0022】
このときの鼓型コイルばね10のサンプルは、上側座巻部11及び下側座巻部12の巻数が夫々0.5巻、上側徐変部13及び下側徐変部14の巻数が夫々1.1巻、そして胴部15の巻数が3.5巻のもの(総巻数:6.7巻)とした。尚、図4(図5、図8乃至図10も同様)において、横軸はたわみ量、左側の縦軸は荷重の大きさ、右側の縦軸は横力の方向を表す。そして、2点鎖線が、鼓型コイルばね10を平行に圧縮したときの垂直荷重の1/10の値を示し、実線が横力の大きさ、破線が横力の方向を示している。更に、図4(及び図5、図8乃至図10)の白丸は、車載時における各状態の高さでの、鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する中間方向(上記第1及び第2の中間方向を含み、以下では代表して「自由巻端の中間方向」という)を、鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて下側座巻部12の端末からの巻数で表わしている。尚、図4、図5、図8乃至図10において、フルリバウンド状態(FR)から空車状態(EM)までの第1のばね定数域をaで示し、空車状態(EM)から積載状態(LD)までのばね定数変化域をbで示し、積載状態(LD)からフルバンプ状態(FB)までの第2のばね定数域をcで示している。
【0023】
図4から明らかなように、鼓型コイルばね10がフルリバウンド状態(FR)、フルバンプ状態(FB)等の何れの状態にあるときにも、横力の方向は自由巻端の中間方向(破線)から鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて鼓型コイルばね10の上側に向かって−0.25巻の方向で、同一の方向になる。この結果は、次に説明する図5の結果と共に、後述する3種のサンプル全てにおいて確認された。
【0024】
図5は、鼓型コイルばね10がフルリバウンド状態にあるときの第1の中間方向とフルバンプ状態にあるときの第2の中間方向とが逆方向となるように調整して、鼓型コイルばね10を平行に圧縮したときの荷重、横力の大きさ及び方向を示す。このときの鼓型コイルばね10のサンプルは、上側座巻部11及び下側座巻部12の巻数が夫々0.5巻、上側徐変部13及び下側徐変部14の巻数が夫々1.3巻、そして胴部15の巻数が3.8巻のもの(総巻数:7.4巻)とした。図5から明らかなように、鼓型コイルばね10がフルリバウンド状態(FR)にあるときの横力の方向は自由巻端の中間方向(破線)から鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて鼓型コイルばね10の上側に向かって−0.25巻の方向で、フルバンプ状態(FB)にあるときの横力の方向も自由巻端の中間方向(破線)から−0.25巻の方向であるが、後者ではフルリバウンド状態にあるときの横力の方向と逆の方向となっている。尚、横力方向は、フルリバウンド状態からフルバンプ状態まで徐々に変化する。
【0025】
次に、鼓型コイルばね10の自由巻数と横力の大きさの関係について、図4、図6及び図7を参照して説明する。図4において、フルリバウンド状態(FR)から空車状態(EM)までの横力の大きさの変化をΔf1とし、積載状態(LD)からフルバンプ状態(FB)までの横力の大きさの変化をΔf2としたときの、鼓型コイルばね10の総自由巻数の小数値に対するフルリバウンド状態(FR)から空車状態(EM)までの横力の大きさの変化(Δf1)を図6に示し、同総自由巻数の小数値に対する積載状態(LD)からフルバンプ状態(FB)までの横力の大きさの変化(Δf2)を図7に示す。尚、ここでは自由巻数と横力の大きさの関係を明らかにするため、横力の方向が変化しない第1の中間方向と第2の中間方向が同一の方向の鼓型コイルばね10のシミュレーション結果のみを示している。
【0026】
図6及び図7から明らかなように、フルリバウンド状態(FR)から空車状態(EM)までの横力の大きさの変化(Δf1)は、鼓型コイルばね10の総自由巻数の小数値が0.65近傍で最大の増加量を示し、0.15近傍で最小の増加量を示している。また、積載状態(LD)からフルバンプ状態(FB)までの横力の大きさの変化(Δf2)は、鼓型コイルばね10の総自由巻数の小数値が0.5近傍で最大の増加量を示し、0.0近傍で最小の増加量を示しており、通常のコイルばねと同様の特性を示している。
【0027】
結局,図4乃至図7から明らかなように、鼓型コイルばね10を平行に圧縮したときの鼓型コイルばね10の自由巻数が横力に与える影響は、先ず、鼓型コイルばね10がフルリバウンド状態及びフルバンプ状態にあるときの横力の方向は自由巻端の中間方向から、鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて−0.25巻の方向で、フルリバウンド状態からフルバンプ状態まで徐々に変化する。次に、鼓型コイルばね10の総自由巻数の小数値が0.5〜0.7近傍で横力が最大の増加量を示し、0.0〜0.2近傍で最小の増加量となる。これらの特性に鑑み横力を適切に調整することができ、以下に説明するように、目標とする仕様に適合し得る荷重特性となる。
【0028】
先ず、目標とする方向に最大の横力を確保するには、第1に、鼓型コイルばね10がフルリバウンド状態にあるときに鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第1の中間方向と、鼓型コイルばね10がフルバンプ状態にあるときに鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第2の中間方向とを同一の方向に調整する。第2に、鼓型コイルばね10がフルリバウンド状態にあるとき及びフルバンプ状態にあるときの総自由巻数の小数値を略0.5に調整する。第3に、鼓型コイルばね10がフルリバウンド状態にあるときの自由巻端の中間方向を、目標とする横力方向に対し、鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて鼓型コイルばね10の上側に向かって+0.25巻の方向に調整する。
【0029】
上記のように調整した鼓型コイルばね10として、上側座巻部11及び下側座巻部12の巻数が夫々0.5巻、上側徐変部13及び下側徐変部14の巻数が夫々1.0巻、そして胴部15の巻数が3.5巻のサンプル(総巻数:6.5巻)を用いた。このサンプルのシミュレーション結果を図8に示すように、(前述の図4及び図5並びに後述の図9及び図10に比べて)横力が最大の荷重特性を示している。
【0030】
次に、最小の横力を確保するには、鼓型コイルばね10がフルリバウンド状態にあるとき及びフルバンプ状態にあるときの総自由巻数の小数値を略0.0に調整すればよく、例えば、上側座巻部11及び下側座巻部12の巻数が夫々0.5巻、上側徐変部13及び下側徐変部14の巻数が夫々1.1巻、そして胴部15の巻数が3.9巻のサンプル(総巻数:7.1巻)がある。このサンプルのシミュレーション結果を図9に示すように、(前述の図4、図5及び図8並びに後述の図10に比べて)横力が最小の荷重特性を示している。
【0031】
また、たわみ量の増加途中から目標とする方向に横力を増加させるには、第1に、鼓型コイルばね10がフルリバウンド状態にあるときの総自由巻数の小数値を略0.0に調整する。第2に、鼓型コイルばね10がフルバンプ状態にあるときの総自由巻数の小数値を略0.5に調整する。第3に、鼓型コイルばね10がフルバンプ状態にあるときに鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第2の中間方向を、目標とする横力方向に対し、鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて鼓型コイルばね10の上側に向かって+0.25巻の方向に調整する。
【0032】
上記のように調整した鼓型コイルばね10として、上側座巻部11及び下側座巻部12の巻数が夫々0.5巻、上側徐変部13及び下側徐変部14の巻数が夫々1.3巻、そして胴部15の巻数が3.5巻のサンプル(総巻数:7.1巻)を用いた。このサンプルのシミュレーション結果を図10に示すように、たわみ量の増加途中から(目標とする方向に)横力が増加する荷重特性を示している。
【0033】
更に、たわみ量の増加途中から目標とする方向に横力を減少させるには、第1に、鼓型コイルばね10がフルリバウンド状態にあるときに鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第1の中間方向を、目標とする横力方向に対し、鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて鼓型コイルばね10の上側に向かって+0.25巻の方向に調整する。第2に、上記第1の中間方向と、鼓型コイルばね10がフルバンプ状態にあるときに鼓型コイルばね10の軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第2の中間方向とを、逆方向とする。第3に、鼓型コイルばね10がフルリバウンド状態にあるときの総自由巻数の小数値を略0.5に調整し、第4に、鼓型コイルばね10がフルバンプ状態にあるときの総自由巻数の小数値を略0.0に調整する。
【0034】
上記のように調整した鼓型コイルばね10として、上側座巻部11及び下側座巻部12の巻数が夫々0.5巻、上側徐変部13及び下側徐変部14の巻数が夫々1.3巻、そして胴部15の巻数が3.8巻のサンプル(総巻数:7.4巻)を用いた。このサンプルは下側座巻部12の端末から0.45巻の方向に横力を生じ、図5に示すように、たわみ量の増加途中から横力が減少する荷重特性となる。
【0035】
上記図4乃至図10に用いたサンプルを含む前述の6種の態様を以下に列挙する。先ず、上側座巻部11及び下側座巻部12の巻数が夫々0.5巻、上側徐変部13及び下側徐変部14の巻数が夫々1.1巻、そして胴部15の巻数が3.3乃至4.3巻(0.1巻毎に設定)のサンプルを態様Aとする。また、上側座巻部11及び下側座巻部12の巻数が夫々0.5巻、上側徐変部13及び下側徐変部14の巻数が夫々0.9乃至1.3巻、そして胴部15の巻数が3.8巻のサンプルを態様Bとする。更に、上側座巻部11及び下側座巻部12の巻数が夫々0.5巻、上側徐変部13及び下側徐変部14の巻数が夫々0.9乃至1.3巻、そして胴部15の巻数が3.5巻のサンプルを態様Cとする。
【0036】
前述の図4乃至図10で使用されたサンプルは上記の態様A乃至Cの何れかに包含されている。即ち、図4、図6及び図7では態様A、図5では態様B、図8では態様C、図9では態様A、図10では態様Cに、夫々包含されるサンプルの一例である。前述のように、ばね特性については、第1のばね定数が42.0N/mm、第2のばね定数が81.0N/mm、取付荷重が3125Nというように共通の値に設定され、圧縮条件については、フルリバウンド状態からフルバンプ状態に至る高さ変化に相当する平行圧縮とされている。
【0037】
尚、図2に示した実施形態は、鼓型コイルばね10をトーションビームアクスル式サスペンションに適用したものであるが、軸方向圧縮荷重に対し非線形ばね特性を有する懸架コイルばねを必要とする種々の形式のサスペンションに適用可能である。例えば、マルチリンク式サスペンション、後輪用のストラット式サスペンションに対しても、上記の実施形態と同様に適用することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、請求項1に係る懸架コイルばねは、鼓型コイルばねに対する軸方向圧縮荷重に応じて、その自由巻数が胴部並びに上側徐変部及び下側徐変部の各自由巻数の総和であって一定の値である第1のばね定数域、その自由巻数が変化するばね定数変化域、及びその自由巻数が胴部の自由巻数と略等しい一定の値である第2のばね定数域の何れかの状態となり、鼓型コイルばねが第1のばね定数域にあるときに軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第1の中間方向と、鼓型コイルばねが第2のばね定数域にあるときに軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第2の中間方向とを所定の関係に調整すると共に、鼓型コイルばねの総自由巻数の小数値を所定の値に設定することとしたものであり、横力の方向及び大きさを所望の方向及び値に調整することができるので、所期のばね特性を容易に確保することができる。
【0039】
前記懸架コイルばねにおいて、請求項2に記載のように構成すれば、容易に横力を最大値に調整することができる。更に、請求項3に記載のように構成すれば、容易に横力を最大値に調整すると共に、目標とする方向に調整することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る鼓型コイルばねを示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る鼓型コイルばねを備えた車両の懸架装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態における鼓型コイルばねの作動状態を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る鼓型コイルばねがフルリバウンド状態にあるときに上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第1の中間方向と、鼓型コイルばねがフルバンプ状態にあるときに上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第2の中間方向とを同一の方向に調整して、鼓型コイルばねを平行に圧縮したときの荷重、横力の大きさ及び方向を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施形態に係る鼓型コイルばねがフルリバウンド状態にあるときの第1の中間方向とフルバンプ状態にあるときの第2の中間方向とが逆方向となるように調整して、鼓型コイルばねを平行に圧縮したときの荷重、横力の大きさ及び方向を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施形態に係る鼓型コイルばねの総自由巻数の小数値に対する、フルリバウンド状態(FR)から空車状態(EM)までの横力の大きさの変化を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施形態に係る鼓型コイルばねの総自由巻数の小数値に対する、積載状態(LD)からフルバンプ状態(FB)までの横力の大きさの変化を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施形態において、目標とする方向に最大の横力を確保するときの鼓型コイルばねの荷重特性を示すグラフである。
【図9】本発明の一実施形態において、最小の横力を確保するときの鼓型コイルばねの荷重特性を示すグラフである。
【図10】本発明の一実施形態において、たわみ量の増加途中から目標とする方向に横力を増加させるときの鼓型コイルばねの荷重特性を示すグラフである。
【図11】本発明の一実施形態に係る鼓型コイルばねにおける、横力とその方向の関係を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ピボット, 2 軸, 3 アーム, 4 トーションビーム,
5 上側座, 6 下側座, 10 鼓型コイルばね, 11 上側座巻部,
12 下側座巻部, 13 上側徐変部, 14 下側徐変部, 15 胴部,
20 ショックアブソーバ

Claims (3)

  1. 上側座巻部及び下側座巻部と、該上側座巻部及び下側座巻部から夫々軸方向中心に向かって外径が漸減する上側徐変部及び下側徐変部と、該上側徐変部及び下側徐変部の最小径部に連続する略同径の胴部を備えた鼓型コイルばねから成り、該鼓型コイルばねに対する軸方向圧縮荷重に応じて、当該鼓型コイルばねの自由巻数が前記胴部並びに前記上側徐変部及び下側徐変部の各自由巻数の総和であって一定の値である第1のばね定数域、当該鼓型コイルばねの自由巻数が変化するばね定数変化域、及び当該鼓型コイルばねの自由巻数が前記胴部の自由巻数と略等しい一定の値である第2のばね定数域の何れかの状態となる懸架コイルばねにおいて、前記鼓型コイルばねが前記第1のばね定数域にあるときに前記鼓型コイルばねの軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第1の中間方向と、前記鼓型コイルばねが前記第2のばね定数域にあるときに前記鼓型コイルばねの軸方向上方からみて上下の自由巻端の半径方向間に存在する自由巻小数部を二等分する第2の中間方向とを所定の関係に調整すると共に、前記鼓型コイルばねの総自由巻数の小数値を所定の値に設定することを特徴とする懸架コイルばね。
  2. 前記第1の中間方向と前記第2の中間方向を一致させると共に、前記鼓型コイルばねが前記第1のばね定数域及び前記第2のばね定数域にあるときの前記鼓型コイルばねの総自由巻数の小数値を夫々略0.5に設定することを特徴とする請求項1記載の懸架コイルばね。
  3. 前記第1及び第2の中間方向を、前記下側座巻部の端末からの巻数で設定した目標横力方向に対し、前記鼓型コイルばねの軸方向上方からみて前記鼓型コイルばねの上側に向かって+0.25巻の方向に設定することを特徴とする請求項2記載の懸架コイルばね。
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