JP6938393B2 - 車両用懸架装置 - Google Patents

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Description

この発明は、コイルばねと、このコイルばねを用いた車両用懸架装置に関する。
自動車等の車両の懸架装置に使用される懸架ばねとして、コイルばねが知られている。懸架装置用のコイルばねは、最大に伸びた状態(リバウンド)と、最大に圧縮された状態(フルバンプ)との間で伸縮し、路面から車両に伝わる振動を吸収する。例えば特許文献1に記載されているニーアクションタイプの懸架装置は、ピボットを中心に上下方向に回動するアーム部材と、アーム部材と車体との間に配置されたコイルばね(懸架ばね)とを備えている。特許文献2に記載されているストラットタイプの懸架装置は、ロア側のばね座とアッパ側のばね座との間に配置されたコイルばね(懸架ばね)と、ショックアブソーバとを備えている。
当業界では、車両を軽量化する観点から懸架装置用のコイルばねを軽量化することが強く望まれている。コイルばねは、荷重が負荷された状態において素線の長さ方向各部の応力が一定でないことが知られている。このようなコイルばねを軽量化するには、応力のばらつきを可能な限り小さくすることが有効である。コイルばねの応力のばらつきを小さくする1つの手段として、例えば特許文献3に記載されているように、素線の長さ方向に大径素線部と小径素線部とを交互に形成することが提案されている。しかし大径素線部と小径素線部とを有するコイルばねを製造するには、特殊な製造設備が必要である。
特開2004−50906号公報 特開2000−103216号公報 特開昭59−219534号公報
従来の懸架装置では、コイルばねが圧縮された状態において、素線の長さ方向の一部に応力が特に大きなピーク部が存在することがあった。このような応力のピーク部はコイルばねの応力均等化を図る上で妨げとなる。そこで本発明者達が懸架装置用のコイルばねの応力を均等化すべく鋭意研究したところ、コイルばねのロア側座巻部の先端(ロア端末)の位置を最適化することが応力の均等化に効果があるとの知見が得られた。
本発明の目的は、素線に生じる応力のピークが下がり、かつ、応力のばらつきを小さくすることができる車両用懸架装置を提供することにある。
本発明の1つの実施形態は、螺旋形に形成された素線からなり、ロア側のばね座に支持されるロア側座巻部と、アッパ側のばね座に支持されるアッパ側座巻部と、前記ロア側座巻部と前記アッパ側座巻部との間の有効部とを有したコイルばねであって、該コイルばねが圧縮され前記素線に応力が生じた状態において、前記有効部の周方向に、前記応力のピーク部を有する第1の部分と、前記応力のピーク部とは周方向の反対側の第2の部分とを有し、かつ、前記ロア側座巻部が、前記第2の部分の下方に配置されたロア端末を具備している。
前記有効部が実質的に円筒形でかつ等ピッチであり、前記有効部の周方向の一部に前記応力のピーク部を有してもよい。あるいは前記有効部のピッチがコイルばねの軸線方向に変化する不等ピッチであり、前記有効部の周方向の一部に前記応力のピーク部を有してもよい。前記有効部の全長にわたり素線径が一定であってもよい。
車両用懸架装置の1つの実施形態は、ピボットを中心に上下方向に回動するアーム部材と、該アーム部材を付勢するコイルばねとを有したニーアクションタイプであって、前記コイルばねが、ロア側のばね座に支持されるロア側座巻部と、アッパ側のばね座に支持されるアッパ側座巻部と、有効部とを有している。前記ロア側座巻部のコイル径は前記有効部のコイル径よりも小さい。このコイルばねが圧縮され、素線に応力が生じた状態において、前記有効部の周方向に、前記応力のピーク部を有する第1の部分と、前記応力のピーク部とは周方向の反対側の第2の部分とを有し、かつ、前記ロア側座巻部が、前記ピボットから遠い側の前記第2の部分の下方に配置されたロア端末を具備している。前記第2の部分が前記コイルばねの中心に対し前記ピボットから遠い側に存し、車両の上方から見て、前記アーム部材の長さ方向に延びる線分に関し前記ロア端末が前記コイルばねの中心に対し前記ピボットから最も遠い位置に配置され、かつ、前記ロア端末が前記アッパ側座巻部の端末よりも前記ピボットから遠い位置に配置されている。
車両用懸架装置の他の実施形態は、ストラットとコイルばねとを有したストラットタイプであって、前記コイルばねが、ロア側のばね座に支持されるロア側座巻部と、アッパ側のばね座に支持されるアッパ側座巻部と、有効部とを有している。このコイルばねが圧縮され、素線に応力が生じた状態において、前記有効部の周方向に、前記応力のピーク部を有する第1の部分と、前記応力のピーク部とは周方向の反対側の第2の部分とを有し、かつ、前記ロア側座巻部が、車両外側の前記第2の部分の下方に配置されたロア端末を具備している。前記第2の部分が前記コイルばねの中心に対し車両外側に存し、前記車両の上方から見て、前記ロア端末と前記アッパ側座巻部の端末とが、前記車両の外側に存しかつ前記ロア端末と前記アッパ側座巻部の端末とが前記車両の前後方向の同じ側に配置されている。
本実施形態のコイルばねによれば、素線のロア端末の位置を最適化したことにより、有効部に生じる応力のピーク(極大値)を下げることができ、しかも素線の応力分布のばらつき(極大値と極小値との差)を従来のコイルばねよりも小さくすることができる。
第1の実施形態に係るニーアクションタイプの懸架装置のコイルばねがフルバンプ位置まで圧縮された状態を一部断面で示す側面図。 図1に示された懸架装置のコイルばねがリバウンド位置まで伸びた状態を一部断面で示す側面図。 同コイルばねのロア端末からの巻数位置と高さとの関係を表したグラフ。 同コイルばねのロア端末からの巻数位置とコイル内半径との関係を表したグラフ。 同コイルばねを鉛直方向から見た平面図。 同コイルばねと従来のコイルばねのそれぞれの応力分布を表した図。 第2の実施形態に係るコイルばねと従来のコイルばねのそれぞれの応力分布を表した図。 第3の実施形態に係るコイルばねと従来のコイルばねのそれぞれの応力分布を表した図。 第4の実施形態に係るコイルばねと従来のコイルばねのそれぞれの応力分布を表した図。 第5の実施形態に係るコイルばねのロア端末からの巻数位置と高さとの関係を表したグラフ。 図10のコイルばねのロア端末からの巻数位置とコイル内半径との関係を表したグラフ。 図10のコイルばねと従来のコイルばねのそれぞれの応力分布を表した図。 第6の実施形態に係るコイルばねを備えたストラットタイプの懸架装置の断面図。 図13に示されたコイルばねのロア端末からの巻数位置と高さとの関係を表したグラフ。 同コイルばねのロア端末からの巻数位置とコイル内半径との関係を表したグラフ。 同コイルばねを鉛直方向から見た平面図。 同コイルばねと従来のコイルばねのそれぞれの応力分布を表した図。
以下に本発明の第1の実施形態に係るコイルばねを備えたニーアクションタイプの懸架装置1について、図1から図6を参照して説明する。なお、ニーアクションタイプの懸架装置はリンクモーションタイプと称されることもある。
図1は懸架装置1を模式的に表している。この懸架装置1は、コイルばね2と、アーム部材3とを有している。コイルばね2は、螺旋形に成形されたばね鋼からなる素線(ワイヤ)4を有している。アーム部材3は、ピボット(揺動軸)5を中心に上下方向に回動する。図1は、コイルばね2がフルバンプ位置まで圧縮された状態を示している。「フルバンプ」とは、コイルばね2が荷重によって最大に圧縮された状態である。
図2は、コイルばね2がリバウンド位置まで伸びた状態を示している。「リバウンド」とは、車体をリフトしたときに、コイルばね2が最大に伸びた状態である。アーム部材3は、コイルばね2の圧縮量に応じて、ピボット5を中心に上下方向に移動する。すなわちコイルばね2は、図1に示すフルバンプ位置と、図2に示すリバウンド位置との間で伸縮し、路面から車両に伝わる振動を吸収する。
アーム部材3にロア側のばね座10が設けられている。ロア側のばね座10の上方にアッパ側のばね座11が設けられている。アッパ側のばね座11は、車体を構成する部材12の下面に配置されている。コイルばね2は、ロア側のばね座10とアッパ側のばね座11との間に圧縮された状態で配置され、アーム部材3を相対的に下方に付勢している。
コイルばね2に圧縮の荷重が負荷されると、コイルばね2の長さは自由状態の長さよりも短くなる。コイルばね2は、ロア側のばね座10によって支持されるロア側座巻部20と、アッパ側のばね座11によって支持されるアッパ側座巻部21と、座巻部20,21間の有効部22とを含んでいる。座巻部20,21の巻数は、0.5巻から0.8巻程度である。
例えばロア側の座巻部20は、素線4の下端(ロア端末4a)から例えば0.7巻付近までである。アッパ側の座巻部21は、素線4の上端(アッパ端末4b)から例えば0.8巻付近までである。有効部22は、コイルばね2が最大に圧縮されたフルバンプ状態において、互いに隣り合う素線4の巻回部どうしが互いに接することがなく、ばねとして有効に機能する部分である。素線4の径(素線径)は、座巻部20,21と有効部22とで実質的に一定である。
図3は、コイルばね2のロア端末4aからの巻数位置と高さとの関係を表している。このコイルばね2の有効部22は等ピッチで巻かれているため、ロア端末4aからの巻数位置が増加するに従い、高さが線形に増加している。コイルばね2の総巻数は例えば6.75である。ただしこれ以外の総巻数であっても構わない。
図4は、コイルばね2のロア端末4aからの巻数位置とコイル内半径との関係を表している。有効部22のコイル内半径は一定である。座巻部20,21はピグテールエンド形状であるため、巻数位置に応じてコイル内半径が変化している。
図5は、コイルばね2を鉛直方向(例えば上方)から見た平面図である。鉛直方向は有効部22の軸線に沿う方向である。コイルばね2が図5中のC1はコイルばね2の中心を示している。図5中のC2はピボット5の回転中心軸を示している。コイルばね2の中心C1と回転中心軸C2とを結ぶ線分C3は、アーム部材3の長さ方向に延びている。
図5中のθ1は、中心C1を通る線分Y1が線分C3の延長線C3´に対して時計まわり方向になす角度を示している。ロア端末4aは、回転中心軸C2の反対側すなわちピボット5から最も遠い側に配置されている。アッパ端末4bの位置は必ずしも図5に限定されるものではないが、コイルばね2の総巻数が6.75の場合は、θ1=90°の位置にアッパ端末4bが配置される。
図6中の実線L1は、第1の実施形態のコイルばね2をフルバンプ位置付近まで圧縮した状態において、素線4のロア端末4aからの巻数位置と応力との関係を示している。図6から判るように、本実施形態のコイルばね2は、ロア端末4aから3.5巻付近に、応力が極大となる応力のピーク部P1を有している。
この明細書では、コイルばね2を鉛直方向から見て、応力のピーク部P1を中心として周方向に片側0.25巻ずつ、計0.5巻分に対応する領域を第1の部分S1と称している。また周方向の残りの領域を第2の部分S2と称している。第2の部分S2は、応力のピーク部P1とはコイル中心を挟んで反対側の片側0.25巻ずつ、計0.5巻分に対応する領域である。
本実施形態のロア端末4aは、応力のピーク部P1とは反対側の第2の部分S2と対応する位置(第2の部分S2の下方)に存するロア端末支持部10a(図1と図2に示す)に配置されている。すなわちニーアクションタイプの懸架装置1に使われるコイルばね2において、ピボット5に近い側に応力のピークが生じる場合、ロア端末4aは、ピボット5から最も遠い側(図5においてθ1=0°)に位置するように配置される。
図6中の2点鎖線L2は、従来のコイルばねのロア端末からの巻数位置と応力との関係を表している。従来のコイルばねの総巻数は、第1の実施形態のコイルばねと同様に6.75であり、図3と図4に示されるような形状である。しかし従来のコイルばねのロア端末は、応力のピーク部P2と同じ側(ピボット5に近い側)、すなわち図5においてθ1=180°の位置に配置されていた。図6に2点鎖線L2で示されるように従来のコイルばねの最大応力は1200MPaを越えており、しかも応力のばらつき(極大値と極小値の差)が約500MPaの範囲で大きく変動している。
これに対し、第1の実施形態のコイルばね2は、図6に実線L1で示されるように最大応力が1020MPa程度に下がっており、しかも応力のばらつきが約80MPaの範囲に収まっている。このように応力分布が均等化に近付いたことにより、応力のピーク部(高応力部)に合わせて素線径を設計する必要がなく、従来のコイルばねよりも軽量化することができた。しかも本実施形態のコイルばね2の素線4は全長にわたって素線径が実質的に一定であるから、特殊な製造技術(素線径を変化させる加工)を用いることなく、応力を低減させることができた。
図1に示されるように、コイルばね2がフルバンプ位置まで圧縮された状態において、コイルばね2のピボット5に近い部分のコイル軸方向の長さX1は、ピボット5から遠い側の部分のコイル軸方向の長さX2よりも大きい。この圧縮状態において、ピボット5に近い側に存在する素線巻回部2aの数は7である。これに対しピボット5から遠い側に存在する素線巻回部2bの数は6である。
すなわちコイルばね2がフルバンプ位置付近まで圧縮された状態において、コイル軸方向の長さが小さい部分に配置される素線巻回部2bの数と比較して、長さが大きい部分に配置される素線巻回部2aの数が多い。その結果、コイルばね2は、フルバンプ位置付近まで圧縮された状態において、ピボット5に近い側とピボット5から遠い側とで、素線巻回部2a,2bのピッチのばらつきを小さくすることができる。このことにより、コイルばね2がフルバンプ位置まで圧縮された状態において、有効部22に胴曲りを生じることが抑制され、実質的に円筒形が維持されている。
図7は、ニーアクションタイプの第2の実施形態に係るコイルばね(総巻数:6.5)と、従来のコイルばね(総巻数:6.5)とのそれぞれの応力分布を示している。実線L3は、第2の実施形態に係るコイルばねを圧縮した状態の応力分布であり、ロア端末から3.5巻付近に応力が極大となる応力のピーク部P3が存在している。有効部を鉛直方向から見たとき、応力のピーク部P3を中心として周方向に片側0.25巻ずつ、計0.5巻分が第1の部分である。
この第2の実施形態のロア端末は、第1の実施形態のコイルばねと同様に、応力のピーク部P3とは反対側の第2の部分の下方に配置されている。すなわちピボットから最も遠い側にロア端末が位置するように、コイルばねが配置されている。第2の実施形態のコイルばねの総巻数は6.5であるから、アッパ端末は、ピボットに近い位置(図5においてθ1=180°)に配置される。
図7中の2点鎖線L4は、従来のコイルばねの応力分布を示している。従来のコイルばねのロア端末は、応力のピーク部P4から2巻目、すなわちピーク部P4と同じ側(ピボットに近い側)に配置されていた。このような従来のコイルばねの最大応力は1300MPa付近に達しており、しかも応力のばらつきが約600MPaの範囲で大きく変動している。これに対し第2の実施形態のコイルばねは、図7に実線L3で示されるように最大応力が1100MPa程度に下がっており、しかも応力のばらつきが約100MPaの範囲に収まっている。
図8は、ニーアクションタイプの第3の実施形態に係るコイルばね(総巻数:6.25)と従来のコイルばね(総巻数:6.25)のそれぞれの応力分布を表している。実線L5は、第3の実施形態に係るコイルばねを圧縮した状態の応力分布であり、ロア端末から3.4巻付近に応力が極大となる応力のピーク部P5が存在している。有効部を鉛直方向から見たとき、応力のピーク部P5を中心として周方向に片側0.25巻ずつ、計0.5巻分が第1の部分である。
この第3の実施形態のロア端末は、第1の実施形態のコイルばねと同様に、応力のピーク部P5とは反対側の第2の部分の下方に配置されている。すなわちピボットから最も遠い側にロア端末が位置するように、コイルばねが配置されている。第3の実施形態のコイルばねの総巻数は6.25であるから、アッパ端末は、ピボットに対して中間位置(図5においてθ1=270°)に配置される。
図8中の2点鎖線L6は、従来のコイルばねの応力分布を示している。従来のコイルばねのロア端末は、応力のピーク部P6から2巻目、すなわちピーク部P6と同じ側(ピボットに近い側)に配置されていた。このような従来のコイルばねの最大応力は1300MPaを越えており、しかも応力のばらつきが約600MPaの範囲で大きく変動している。これに対し第3の実施形態のコイルばねは、図8中に実線L5で示されるように最大応力が1100MPa程度に下がっており、しかも応力のばらつきが約100MPaの範囲に収まっている。
図9は、ニーアクションタイプの第4の実施形態に係るコイルばね(総巻数:6.0)と従来のコイルばね(総巻数:6.0)のそれぞれの応力分布を表している。実線L7は、第4の実施形態に係るコイルばねを圧縮した状態の応力分布であり、ロア端末から2.4巻付近に応力が極大となる応力のピーク部P7が存在している。有効部を鉛直方向から見たとき、応力のピーク部P7を中心として周方向に片側0.25巻ずつ、計0.5巻分が第1の部分である。
この第4の実施形態のロア端末は、第1の実施形態のコイルばねと同様に、応力のピーク部P7とは反対側の第2の部分の下方に配置されている。すなわちピボットから最も遠い側にロア端末が位置するようにコイルばねが配置されている。第4の実施形態のコイルばねの総巻数は6.0であるから、アッパ端末は、ピボットから遠い位置(図5においてθ1=0°)に配置される。
図9中の2点鎖線L8は、従来のコイルばねの応力分布を示している。従来のコイルばねのロア端末は、応力のピーク部P8から2巻目、すなわちピーク部P8と同じ側(ピボットに近い側)に配置されていた。このような従来のコイルばねの最大応力は1400MPaに達しており、しかも応力のばらつきが約600MPaの範囲で大きく変動している。これに対し第4の実施形態のコイルばねは、図9に実線L7で示されるように、最大応力が1200MPa以下に下がっており、しかも応力のばらつきが約100MPaの範囲に収まっている。
図10は、ニーアクションタイプの第5の実施形態に係る不等ピッチコイルばねのロア端末からの巻数位置と高さとの関係を表している。このコイルばねの有効部は不等ピッチで巻かれているため、ロア端末からの巻数位置が増加するに従い、高さが波形(非直線形状)に増加している。このコイルばねの総巻数は例えば6.75である。図11は、第5の実施形態に係るコイルばねのロア端末からの巻数位置とコイル内半径との関係を表している。
図12は、前記第5の実施形態に係るコイルばね(総巻数:6.75)と従来のコイルばね(総巻数:6.75)のそれぞれの応力分布を表している。実線L9は、本実施形態のコイルばねを圧縮した状態の応力分布であり、ロア端末から3.5巻付近に応力が極大となる応力のピーク部P9が存在している。有効部の鉛直方向から見たとき、応力のピーク部P9を中心として周方向に片側0.25巻、計0.5巻分が第1の部分である。本実施形態のロア端末は、第1の実施形態のコイルばねと同様に、応力のピーク部P9とは反対側の第2の部分の下方に配置されている。すなわちピボットから最も遠い側にロア端末が位置するように、コイルばねが配置されている。
図12中の2点鎖線L10は、従来のコイルばねの応力分布を示している。従来のコイルばねのロア端末は、応力のピーク部P10から2巻目、すなわちピーク部P10と同じ側(ピボットに近い側)に配置されていた。このような従来のコイルばねの最大応力は1200MPaを越えており、しかも応力のばらつきが約500MPaの範囲で大きく変動している。これに対し第5の実施形態のコイルばねは、図12中に実線L9で示されるように最大応力が1000MPaを少し上回る程度であり、しかも応力のばらつきが約100MPaの範囲に収まっている。
図13は、第6の実施形態に係るコイルばね100を備えたストラットタイプの懸架装置101を示している。この懸架装置101は、コイルばね100と、ショックアブソーバからなるストラット102とを備えている。コイルばね100は、螺旋形に成形されたばね鋼からなる素線104を有している。
コイルばね100は、ロア側のばね座110とアッパ側のばね座111との間で圧縮され、ストラット102を軸線X0方向に付勢している。ストラット102の上端は、マウントインシュレータ112を介して車体113に取付けられている。ストラット102の下部にブラケット114が設けられている。ブラケット114には、車軸を支持するためのナックル部材115(一部のみ示す)が取付けられている。ストラット102は、重力の鉛直線XLに対し、上端側が車両内側に角度θ2だけ軸線X0が傾いた状態で車体113に取付けられている。ロア側のばね座110は、アッパ側のばね座111に対し、軸線X0に沿う方向に相対的に移動する。
コイルばね100は、ロア側のばね座110によって支持されるロア側座巻部120と、アッパ側のばね座111によって支持されるアッパ側座巻部121と、座巻部120,121間の有効部122とを含んでいる。素線104の径(素線径)は、コイルばね100の全長にわたり実質的に一定である。
図14は、コイルばね100のロア端末104aからの巻数位置と高さとの関係を表している。このコイルばね100の有効部122は等ピッチで巻かれているため、ロア端末104aからの巻数位置が増加するに従い、高さが線形に増加している。コイルばね100の総巻数は例えば6.0である。ただしこれ以外の総巻数であってもよい。
図15は、前記コイルばね100のロア端末104aからの巻数位置とコイル内半径との関係を表している。有効部122のコイル内半径は一定である。座巻部120,121はピグテールエンド形状である。
図16は、コイルばね2を鉛直方向(例えば上方)から見た平面図である。図16中のC10はコイルばね100の中心を示している。図16中のθ3は、車両の前後方向に沿う線分Zに対し、中心C10を通る線分Y2がなす角度を示している。ロア端末104aは、車両外側(θ3=108°付近)に存するロア端末支持部130に配置されている。コイルばね100の総巻数が6.0の場合、アッパ端末104bはロア端末104aと同様に車両外側に配置されている。
図17は、前記第6の実施形態のコイルばね100(総巻数:6.0)と、従来のコイルばね(総巻数:6.0)とのそれぞれの応力分布を示している。実線L11は、コイルばね100を圧縮した状態の応力分布であり、ロア端末から2.3巻付近に、応力が極大となる応力のピーク部P11が存在している。有効部122は応力のピーク部P11を有する第1の部分S1と、応力のピーク部P11とは反対側の第2の部分S2とを有している。有効部を鉛直方向から見たとき、第1の部分S1は、応力のピーク部P11を中心として周方向に片側0.25巻ずつ、計0.5巻分である。
このコイルばね100のロア端末は、第1の実施形態のコイルばねと同様に、応力のピーク部P11とは反対側の第2の部分S2の下方に配置されている。すなわちストラットタイプの懸架装置101において、車両外側にロア端末104aが位置するように、コイルばね100が配置されている。
図17中の2点鎖線L12は、従来のコイルばね(総巻数:6.0)の応力分布を示している。従来のコイルばねは、図14と図15に示す形状の有効部と座巻部とを有している。そして従来のコイルばねは、ロア端末から3巻付近に応力のピーク部P12が存在している。従来のコイルばねのロア端末は、応力のピーク部P12からほぼ3巻目、すなわちピーク部P12と同じ側(図16中のθ3=290°付近)に配置されていた。
図17に2点鎖線L12で示されるように、従来のコイルばねの最大応力は、約1190MPaであり、しかも応力のばらつきが約100MPaの範囲で変動している。これに対し、本実施形態のコイルばね100の最大応力は約1170MPaに下がり、しかも応力のばらつきが約70MPaの範囲に収まっている。このようにストラットタイプの懸架装置においても、コイルばねを等応力化に近付けることが可能となり、コイルばねの軽量化を図ることができた。
なお本発明を実施するに当たり、懸架装置の具体的な構成をはじめとして、コイルばねの形状や巻数、ロア端末の位置等を本発明を逸脱しない範囲で変更して実施できることは言うまでもない。
1…懸架装置、2…コイルばね、3…アーム部材、4…素線、4a…ロア端末、4b…アッパ端末、5…ピボット、10…ロア側のばね座、10a…ロア端末支持部、11…アッパ側のばね座、20…ロア側座巻部、21…アッパ側座巻部、22…有効部、100…コイルばね、101…懸架装置、104…素線、104a…ロア端末、120…ロア側座巻部、121…アッパ側座巻部、122…有効部、130…ロア端末支持部、P1,P3,P5,P7,P9,P11…応力のピーク部、S1…第1の部分、S2…第2の部分。

Claims (7)

  1. ピボットを中心に上下方向に回動するアーム部材と、
    螺旋形に形成された素線からなり、車両のロア側のばね座とアッパ側のばね座との間に圧縮された状態で配置され前記アーム部材を前記車両の下方に付勢するコイルばねと、
    を有したニーアクションタイプの車両用懸架装置であって、
    前記コイルばねが、
    前記ロア側のばね座に支持されロア側座巻部と、
    前記アッパ側のばね座に支持されアッパ側座巻部と、
    前記ロア側座巻部と前記アッパ側座巻部との間の有効部とを有し、
    前記ロア側座巻部のコイル径が前記有効部のコイル径よりも小さく、
    前記コイルばねが圧縮され前記素線に応力が生じた状態において、
    前記有効部の周方向に、前記応力のピーク部を有する第1の部分と、前記応力のピーク部とは周方向の反対側の第2の部分とを有し、前記第2の部分が前記コイルばねの中心に対し前記ピボットから遠い側に存し、
    前記ロア側座巻部が、前記第2の部分の下方に配置されたロア端末を有し、
    前記車両の上方から見て、前記アーム部材の長さ方向に延びる線分に関し前記ロア端末が前記コイルばねの中心に対し前記ピボットから最も遠い位置に配置され、かつ、前記ロア端末が前記アッパ側座巻部の端末よりも前記ピボットから遠い位置に配置されたことを特徴とする車両用懸架装置。
  2. 前記有効部が実質的に円筒形でかつ等ピッチであり、前記有効部の周方向の一部に前記応力のピーク部を有したことを特徴とする請求項1に記載の車両用懸架装置
  3. 前記有効部のピッチが変化する不等ピッチであり、前記有効部の周方向の一部に前記応力のピーク部を有したことを特徴とする請求項1に記載の車両用懸架装置
  4. 前記有効部の全長にわたり素線径が一定であることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用懸架装置
  5. 軸線に沿う方向に伸縮するストラットと、
    螺旋形に形成された素線からなり、車両のロア側のばね座とアッパ側のばね座との間に圧縮された状態で配置され前記ストラットを前記軸線に沿う方向に付勢するコイルばねと、
    を有したストラットタイプの車両用懸架装置であって、
    前記コイルばねが、
    前記ロア側のばね座に支持されロア側座巻部と、
    前記アッパ側のばね座に支持されアッパ側座巻部と、
    前記ロア側座巻部と前記アッパ側座巻部との間の有効部とを有し、
    前記ロア側座巻部のコイル径が前記有効部のコイル径よりも小さく、
    前記コイルばねが圧縮され前記素線に応力が生じた状態において、
    前記有効部の周方向に、前記応力のピーク部を有する第1の部分と、前記応力のピーク部とは周方向の反対側の第2の部分とを有し、前記第2の部分が前記コイルばねの中心に対し車両外側に存し、
    前記ロア側座巻部が、前記第2の部分の下方に配置されたロア端末を有し、
    前記車両の上方から見て、前記ロア端末と前記アッパ側座巻部の端末とが、前記車両の外側に存しかつ前記ロア端末と前記アッパ側座巻部の端末とが前記車両の前後方向の同じ側に配置されたことを特徴とする車両用懸架装置。
  6. 前記有効部が実質的に円筒形でかつ等ピッチであり、前記有効部の周方向の一部に前記応力のピーク部を有したことを特徴とする請求項5に記載の車両用懸架装置。
  7. 前記有効部の全長にわたり素線径が一定であることを特徴とする請求項5または6に記載の車両用懸架装置。
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