JP2016047722A - 懸架コイルばね及びストラット型懸架装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮状態における胴曲がり量及びショックアブソーバに生じるフリクションを低減可能な懸架コイルばね、及びこの懸架コイルばねを備えたストラット型懸架装置を提供すること。
【解決手段】自動車用のストラット型懸架装置における上側座と下側座との間に装着される懸架コイルばねであって、前記自動車の前後方向に離間して設けられた二箇所の上側接触点で実質的に前記上側座に接触して着座する上側座巻と、装着状態において、曲率の最も大きい部位が車外側に位置するように形成された巻きを1つ以上有するばね有効部と、下側座巻中心点より車外側に位置する一箇所の下側接触点で実質的に前記下側座に接触して着座する下側座巻と、を有し、前記上側座巻は、前記二箇所の上側接触点が、前記自動車の前後方向に延在する線分に平行な線分上に形成されている懸架コイルばね。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用のストラット型懸架装置に用いられる懸架コイルばね、及びこの懸架コイルばねを備えたストラット型懸架装置に関する。
近年、自動車用の懸架装置として広く普及しているストラット型懸架装置は、シリンダ及びシリンダに摺動可能に支持されるロッドを有するショックアブソーバをホイールに対する位置決め用の支柱(ストラット)として構成され、懸架コイルばねがロッド及びシリンダの外周に設けられている。
上記構成において、ロッドの上端側はストラットマウント等を介して車体に連結され、シリンダの下端側はホイールを回転可能に支持するナックルに剛体結合されている。ナックルは、ロアーアームを介して車体にピボット結合されている。また、懸架コイルばねは、ロッドの上端が固定される上側座と、シリンダの下端が固定される下側座との間に圧縮状態となるように配設される。
このようなストラット型懸架装置は、他の独立懸架式のものと比較して、部品点数が少なく構造が簡単であると共に、設置スペースが小さくて済むというメリットがある。
しかしながら、ストラット型懸架装置では、ストラット軸と荷重入力軸(タイヤ接地点とストラットのアッパマウント点とを結んだ軸)とのずれにより、曲げモーメントが発生する。この曲げモーメントは、ショックアブソーバの摺動方向とは異なる横方向の力(横力)を生じさせ、ロッドの摩擦を増大させてショックアブソーバの円滑な動作を妨げ、自動車の乗り心地を悪化させる要因となる。
このような曲げモーメントを低減するために、様々な形状の懸架コイルばねが提案されている。例えば特許文献1には、懸架コイルばねをストラットに対して偏心させると共に、偏心させて連設したピッグテイル座巻を有する構成が提案されている。特許文献2には、ばね中心線が無負荷状態においてS字形状となるように構成された懸架コイルばねが提案されている。
また、特許文献3には、座巻部に複数の突起が設けられ、負荷される荷重の大きさにより選択的に突起部がばね座に接触する懸架コイルばねが提案されている。さらに、特許文献4には、上側座巻及び下側座巻にそれぞれ強当たり部が設けられた懸架コイルばねが提案されている。
実公昭58−032970号公報 特許2642163号 特許4336203号 欧州特許公開728602号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている懸架コイルばねは、ストラットに対して偏心しているため、小型化が難しい可能性がある。また、懸架コイルばねの下部にピッグテイル座巻を偏心させて連設するという構成では、十分な曲げモーメント低減効果が得られない可能性がある。特許文献2に開示されている懸架コイルばねは、S字形状にするために一定のスペースが必要となり、小型化が困難であるという問題点がある。
また、特許文献3に開示されている懸架コイルばねは、座巻部に複数の突起を設ける必要があり、製造工程が複雑化するという問題点がある。特許文献4に開示されている懸架コイルばねは、強当たり部が座巻の素線上一点であるため、特にばね反力の上側座に対する作用点(上側荷重位置)を座巻の中心にすることができず、曲げモーメントの低減が困難な可能性がある。
さらに、ストラット型懸架装置では、荷重入力軸と懸架コイルばねの中心軸との不一致により、特に懸架コイルばねの外径(幅)に対して高さを大きくした場合に、圧縮状態における胴曲がり量が大きくなるという問題がある。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、圧縮状態における胴曲がり量及びショックアブソーバに生じるフリクションを低減可能な懸架コイルばね、及びこの懸架コイルばねを備えたストラット型懸架装置を提供することを目的とする。
上記課題は、第1の観点からは、
前記自動車の前後方向に離間して設けられた二箇所の上側接触点で実質的に前記上側座に接触して着座する上側座巻と、
装着状態において、曲率の最も大きい部位が車外側に位置するように形成された巻きを1つ以上有するばね有効部と、
下側座巻中心点より車外側に位置する一箇所の下側接触点で実質的に前記下側座に接触して着座する下側座巻と、を有し、
前記上側座巻は、前記二箇所の上側接触点が、前記自動車の前後方向に延在する線分に平行な線分上に形成されている
ことを特徴とする懸架コイルばねによって解決される。
本発明の実施形態によれば、圧縮状態における胴曲がり量及びショックアブソーバに生じるフリクションを低減可能な懸架コイルばね、及びこの懸架コイルばねを備えたストラット型懸架装置を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態である懸架コイルばねの正面図である。 図2は、本発明の一実施形態である懸架コイルばねが組み付けられたストラット型懸架装置の構成を示す側面図である。 図3は、本発明の一実施形態である懸架コイルばねの斜視図である。 図4は、本発明の一実施形態である懸架コイルばねのばね有効部の形状を説明するための図である。 図5は、本発明の一実施形態である懸架コイルばねの動作を説明するための図である。 図6は、本発明の一実施形態である懸架コイルばねの第1変形例を示す斜視図である。 図7は、本発明の一実施形態である懸架コイルばねの第2変形例を示す斜視図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
図1及び図3は、本発明の一実施形態である懸架コイルばね10を例示する図である。また、図2は、懸架コイルばね10が組み付けられたストラット型懸架装置12(以下、単に懸架装置12という)を例示する図である。なお、図2では、懸架コイルばね10の上端の支持部分を除く部分については、二点鎖線で示されている。また、以下に示す図面において、白抜き矢印のIN方向は車体側を示し、OUT方向は車外側を示している。
まず、懸架装置12の構成について説明する。
懸架装置12は、図2に示されるように、車輪44を位置決めするための支柱(ストラット)としてショックアブソーバ14を備えている。ショックアブソーバ14は、ガス、オイル等の流体が封入されたシリンダ16と、シリンダ16内に摺動可能に配置されているピストン(図示省略)に連結されてシリンダ16から上方へ突出するロッド18とを備えている。
ロッド18は、上端部がストラットマウント20を介して自動車の車体30に弾性的に連結されている。また、ロッド18の上端側には、上側座22が配設され、シリンダ16の中段部分には下側座24が配設されている。
懸架コイルばね10は、ショックアブソーバ14の外周位置に、上側座22と下側座24との間に圧縮状態で配置される。この結果、装着状態の懸架コイルばね10には、ばね反力WRが発生する。以下の説明では、ばね反力WRが作用する軸線をばね反力軸ARというものとする。
ショックアブソーバ14の下端部は、車輪44を回転可能に支持するナックル26に剛体結合されている。ナックル26は、ロアーアーム28を介して自動車の車体30にピボット結合されている。
このような構成により、ナックル26に軸支される車輪44は、ショックアブソーバ14及び懸架コイルばね10を介して車体30を支持すると共に、ロアーアーム28を介して車体30を支持する。
次に、懸架コイルばね10の構成について説明する。
図1は、自由状態の懸架コイルばね10を例示する正面図である。懸架コイルばね10は、ばね有効部11の上側に上側座22に着座する上側座巻部32が形成され、下側に下側座24に着座する下側座巻部34が形成されている。
本実施形態に係る懸架コイルばね10は、荷重が負荷されない自由状態において、ばね有効部11の外形線mが一直線となるよう構成されているが、これに限定されるものではない。また、自由状態において、ばね有効部11の上側座巻部32、下側座巻部34及び各座巻部への移行部を除く部分のコイルの正面視外径Dは、一定の大きさに形成されているが、これに限定されるものではない。
懸架コイルばね10は、上側座巻部32が上側座22に着座し、下側座巻部34が下側座24に着座し、圧縮された状態で懸架装置12に装着される。懸架装置12の上側座22及び下側座24は、図2に示すように、略円板状に形成されており、それぞれの中央位置にはリブ状の装着部22a,24aが形成されている。懸架コイルばね10の上側座巻部32は、装着部22aが内部に挿入されるように上側座22に装着される。また、下側座巻部34は、装着部24aが内部に挿入されるように下側座24に装着される。このような構成により、懸架コイルばね10は上側座22と下側座24との間で位置決めされる。
ここで、懸架コイルばね10の上側座巻部32及び下側座巻部34の構成、上側座巻部32と上側座22との接触位置及び下側座巻部34と下側座24との接触位置について説明する。
なお、以下の説明において、上側座巻部32の中心位置を上側座巻中心点CMUといい、下側座巻部34の中心位置を下側座巻中心点CMLという(図3参照)。
また、上側座巻中心点CMUを通り自動車の車体前後方向に延在する線分を上側前後方向線FBUといい、上側座巻中心点CMUを通り自動車の車体左右方向に延在する線分を上側左右方向線RLUという。同様に、下側座巻中心点CMLを通り自動車の車体前後方向に延在する線分を下側前後方向線FBLといい、下側座巻中心点CMLを通り自動車の車体左右方向に延在する線分を下側左右方向線RLLという。
本実施形態に係る懸架コイルばね10は、下側座24と下側座巻部34とが、下側座巻部34上で下側座巻部34の中心点CMLより車外側に位置する一箇所の下側接触点P3で実質的に接触するように形成されている。
ここで、下側座24と下側座巻部34とが、一箇所の下側接触点P3で実質的に接触するとは、下側座巻部34の下側接触点P3以外の位置(以下、P3以外位置という)が下側座24と接触しても、このP3以外位置に作用する荷重が下側接触点P3に作用する荷重に比べて小さいことをいう。
下側座巻部34は、図1に示すように、ばね有効部11の外形線mに直交する方向に対して角度αを形成する逆ピッチ(ピッチが減少するようにばね素線が巻き回されること)とされている。また、下側接触部P3は、図3に示すように、下側左右方向線RLL上で、かつ下側座巻中心点CMLよりも車外側に距離Lだけ離間した位置に設けられている。
また、本実施形態に係る懸架コイルばね10は、上側座巻部32の巻数が、0.5巻(180°巻)であり、ばね有効部11に連結する部分で屈曲し、図1及び図3に示す上側接触部P1,P2で主に上側座22に接触するように形成されている。
図3に示すように、上側座巻部32は、略半円弧形状で上側前後方向線FBUよりも車外側に位置するように構成されている。また、上側座巻部32の上側接触部P1,P2は、上側前後方向線FBU上であって互いに180°離間して設けられ、上側接触部P1,P2を結ぶ線分と、上側前後方向線FBUとが重なるように構成されている。
ここで、上側座巻部32の上側接触部P1は、懸架コイルばね10を構成するばね素線の端部である。また、上側接触部P2は、上側接触部P1から0.5巻の位置(上側接触部P1から180°巻かれた位置)で、ばね有効部11に連結される部分である。上側座巻部32は、上側左右方向線RLUに対して略対称となるように構成されている。
上記構成により、懸架コイルばね10の上側座巻部32は、実質的に上側接触部P1,P2のみが、上側座巻部32の他の部位よりも強く上側座22に接触して懸架装置12に装着される。懸架コイルばね10の懸架装置12への装着状態において、上側接触部P1,P2は上側前後方向線FBU上に位置し、上側接触部P1と上側接触部P2との略中央位置が、上側座巻中心点CMUとなる。
ここで、上側座22と上側座巻部32とが、二箇所の上側接触点P1,P2のみで実質的に接触するとは、上側座巻部32の上側接触点P1,P2以外の位置(以下、P1,P2以外位置という)が上側座22と接触しても、このP1,P2以外位置に作用する荷重が上側接触点P1,P2に作用する荷重に比べて小さいことをいう。
次に図2に基づいて、懸架コイルばね10を装着した懸架装置12に作用する荷重について説明する。
図2において、ASはショックアブソーバ14の中心軸であるストラット軸、AKは車輪44の操舵中心軸であるキングピン軸、ALはロアーアーム28の中心軸であるロアーアーム軸、またAAは路面からショックアブソーバ14への荷重入力軸である。
懸架装置12には、路面からの路面反力Wが車輪44の接触面の中心位置から鉛直方向に作用する。さらに、路面反力Wに対抗する荷重軸線力WUは、懸架装置12に対し、ショックアブソーバ14の上端から荷重入力軸AAに沿って作用する。路面反力Wと荷重軸線力WUとの合成力であるロアーアーム軸力WCは、ロアーアーム軸ALに沿ってロアーアーム28の根元部に作用する。
路面から車輪44を介しての路面反力Wが懸架装置12に入力され、下側座24に対して懸架コイルばね10が変位した場合、下側接触点P3に加え、P3以外位置が下側座24と接触することが考えられる。
しかしながら、この接触時にP3以外位置に作用する荷重は、下側接触点P3に作用する荷重に比べて小さいものとなる。従って、P3以外位置が下側座24と接触する場合であっても、ばね反力WRは主に下側接触点P3又はこれに近い位置に作用することになる。
ここで、荷重軸線力WUが作用する荷重入力軸AAと、懸架コイルばね10のばね反力WRが作用するばね反力軸ARに注目する。
本実施形態において、下側座24と下側座巻部34が実質的に接触する下側接触点P3又はその近接点は、ばね反力WRの下側の作用点となる。このばね反力WRの下側作用点は、下側座巻部34の角度α等の調整で移動可能であり、ばね反力軸ARと荷重入力軸AAとを略一致(AR≒AA)させる位置に設けられている。このような構成により、荷重軸線力WUをばね反力WRで打ち消して、ショックアブソーバ14に横力が生じるのを回避し、フリクションの発生を抑制することが可能になっている。
一方、本実施形態に係る懸架コイルばね10は、上側接触部P1,P2の略中央位置が上側座巻中心点CMUとなっており、また上側座巻部32は上側座22と実質的に二点で接触しているため、上側座巻部32は上側接触点P1,P2を結ぶ上側前後方向線FBUを中心として上側座22に対して揺動可能な構成となっている。
このため、本実施形態に係る懸架コイルばね10を懸架装置12に用いた場合、ばね反力WRの上側作用点は略上側座巻中心点CMUに位置し、この位置から外れることはない。
懸架コイルばね10を懸架装置12に装着した場合、路面から車輪44を介しての路面反力Wが懸架装置12に入力されることにより、懸架コイルばね10は上側座22に対して変位する(図5参照)。この際、上側座巻部32は上側接触点P1,P2を結ぶ上側前後方向線FBUを中心として揺動するため、上側接触点P1,P2に加え、P1,P2以外位置と上側座22とが接触することが考えられる。
しかしながら、この接触時にP1,P2以外位置に作用する荷重は、上側接触点P1,P2に作用する荷重に比べて小さい。従って、P1,P2以外位置が上側座22と接触しても、ばね反力WRは主に上側接触点P1,P2の中央位置、つまり上側座巻中心点CMUの位置に作用することになる。したがって、ストラットマウント20の軸受部42に略均一な荷重が掛かり、マウントのこじりが抑えられる。
次に、本実施形態に係る懸架コイルばね10のばね有効部11の形状について説明する。
図4は、本実施形態に係る懸架コイルばね10のばね有効部11の形状を説明するための図である。
図4に示すように、ばね有効部11は、車外側の第1ばね部11a、車体側の第2ばね部11bを有する。ばね有効部11は、第1ばね部11aと第2ばね部11bとが略半巻き(0.5巻き)ごとに交互に形成されている。
ここで、第1ばね部11aの最も車外側に位置するPoにおける曲率が、第1ばね部11aの他の位置、第2ばね部11bの全ての位置及び第1ばね部11aと第2ばね部11bとを連結する部分の全ての位置における曲率よりも大きくなるように形成されている。とりわけ、第1ばね部11aのPoにおける曲率が、第2ばね部11bの最も車体側に位置するPiにおける曲率より大きいことが特徴となっている。ばね有効部11は、それぞれ曲率が徐々に変化する第1ばね部11aと第2ばね部11bとが滑らかに連結され、上面視で略卵型に形成されている。
ばね有効部11の形状は、例えば下式(1)で表される曲率変化計算式に基づいて求められる。
(X/W)+(Y/H)=1 ・・・(1)
Hは車体前後方向のコイル半径であり、Wは車体左右方向のコイル半径である。ばね有効部11形状は、W,H,aを変数として変化させた形状の組み合わせをベースに形成される。
ここで、例えばばね有効部11が上面視で真円状に形成されている場合には、ストラット型懸架装置であることに加え、下側接触部P3が車外側に偏っているため、圧縮状態において車体側が突出する胴曲がり量がより大きくなる。懸架コイルばね10の胴曲がり量が大きいと、ばね反力WRの作用方向が荷重入力軸AAからずれ、ショックアブソーバ14にフリクションが生じ、ショックアブソーバ14の円滑な動作が妨げられて自動車の乗り心地が悪化することとなる。また、胴曲がり量が大きいと、ばね有効部11に応力増大箇所が局所的に発生し、懸架コイルばね10の耐久性を低下させてしまう。
しかし、本実施形態に係る懸架コイルばね10は、上記した形状を有することにより、圧縮状態におけるばね有効部11の車体側への胴曲がり量が低減されている。したがって、ショックアブソーバ14に生じるフリクションが低減され、自動車の乗り心地が快適に保たれる。また、圧縮状態においてばね有効部11に局所的な応力増大箇所が発生することがなく、懸架コイルばね10の長期使用が可能となる。
次に、懸架装置12に車輪44から路面反力Wが入力された場合の懸架コイルばね10の状態について説明する。
図5は、車輪44から異なる大きさの路面反力Wが入力された場合の懸架コイルばね10の状態を例示する図である。図5(A)は路面反力W、図5(B)は路面反力W(>W)、図5(C)は路面反力W(>W)が入力された場合を示している。
図5に示すように、懸架コイルばね10は、路面反力Wの変化に応じて変形するが、圧縮時の胴曲がり量が低減される。
路面反力Wが変化することにより、懸架コイルばね10は路面反力Wの大きさに応じて変形する。この懸架コイルばね10の変形に伴い、下側座24に対する下側座巻部34、上側座22に対する上側座巻部32の各接触状態は変化する。
しかしながら、本実施形態に係る懸架コイルばね10は懸架装置12に装着された状態において、下側座24と下側座巻部34とが、下側座巻部34に設けられた一箇所の下側接触点P3で実質的に接触するよう構成されている。これにより下側座巻部34も下側座24と下側接触点P3において強く接触し、懸架コイルばね10が路面反力Wの大きさに応じて変形しても、下側左右方向線RLL上で、かつ下側座巻中心点CMLよりも車外側に離間した位置を維持する。
また、上側座巻部32についても、懸架装置12に装着された状態において、上側座22と上側座巻部32とが上側座巻部32に設けられた二箇所の上側接触点P1、P2のみで実質的に接触している。
よって、上側座巻部32と上側座22とは上側接触点P1、P2の2点で強く接触しているため、上側座22はこの上側接触点P1と上側接触点P2を結ぶ上側前後方向線FBUを中心として揺動する。このため、懸架コイルばね10が路面反力Wの大きさに応じて変形しても、上側前後方向線FBUは常に上側座巻中心点CMUを通る位置を維持する。
したがって、路面反力Wが変化してもばね反力軸ARが延出する方向(図5(A)〜(C)に一点鎖線の矢印で示す方向)が大きく変化することがない。そのため、荷重入力軸AAとばね反力軸ARとが一致した状態が維持され、ショックアブソーバ14におけるフリクションの発生が防止され、ストラットマウント20のこじりが抑制される。
次に、上記した懸架コイルばね10の変形例について説明する。
図6及び図7は、それぞれ懸架コイルばね10の変形例である懸架コイルばね60,70を示す図である。なお、図6及び図7において、図1乃至図5に示した懸架コイルばね10の構成に対応する構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
図6に示す変形例の懸架コイルばね60は、上側座巻部32が約0.6巻に形成されている。懸架コイルばね60は、上側接触点P1‘,P2’を結ぶ線分である上側前後方向線SFBU1と、上側前後方向線FBUとが平行になるように構成されている。また、約0.6巻とされた上側座巻部32は、上側左右方向線RLUに対して略対称となるよう形成されている。さらに、上側前後方向線SFBU1は、上側座巻中心点CMUから、上側座巻中心点CMUよりも車体側方向に図中矢印ΔM1で示す寸法だけ離間するように形成されている。
図7に示す変形例の懸架コイルばね70は、上側座巻部32が約0.4巻に形成されている。懸架コイルばね70は、上側接触点P1’’,P2’’を結ぶ線分である上側前後方向線SFBU2と、上側前後方向線FBUとが平行になるように構成されている。また、約0.4巻とされた上側座巻部32は、上側左右方向線RLUに対して略対称となるように形成されている。さらに、上側前後方向線SFBU2は、上側座巻中心点CMUから、上側座巻中心点CMUよりも車外側方向に図中矢印ΔM2で示す寸法だけ離間するように形成されている。
上側座巻部32の巻数が0.4巻未満になった場合、及び上側座巻部32の巻数が0.6巻を超える場合には、上側接触点P1,P2が上側座巻中心点CMUからの離間量が大きくなり、ショックアブソーバ14の摺動部におけるフリクションが増大し、ストラットマウント20の軸受部に偏った荷重(ばね反力)が作用してマウントのこじりが生じる可能性が高くなる。
これに対し、上側座巻部32を0.4巻以上0.6巻以下とすると、ショックアブソーバ14の摺動部におけるフリクションが低減され、マウントのこじりが生じる可能性が低減される。
以上で説明したように、本実施形態に係る懸架コイルばね10は、例えばコイル外径を小さくしたり、巻き数を減らすことで小型化及び軽量化された場合であっても、圧縮状態における胴曲がり量が低減される。また、この懸架コイルばね10を備える懸架装置12は、ショックアブソーバ14におけるフリクションの発生が低減されると共に、ストラットマウント20のこじりが抑制され、自動車の乗り心地を快適に維持することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
例えば、上記実施形態では下側座巻部34を逆ピッチとし、これにより下側座巻部34が下側座24に対して実質的に一点で強く接触することによりばね反力軸ARが傾く構成となっている。しかしながら、下側座巻部をフラットにすると共に下側座に傾斜部を形成することにより、ばね反力軸ARを傾ける構成であってもよい。
また、上記実施形態では上側座巻部32を0.5巻等にすることにより、二点(上側接触部P1,P2)で上側座巻部32と上側座22とが強く接触する構成とした。しかしながら、上側座巻部32又は上側座22の上側接触部P1,P2に対応する位置に突起を形成する構成としてもよい。この構成とすることにより、上側座巻部32と上側座22とを確実に二点で強く接触させることが可能となる。
10,60,70 懸架コイルばね
11 ばね有効部
11a 第1ばね部
11b 第2ばね部
12 懸架装置
14 ショックアブソーバ
20 ストラットマウント
22 上側座
24 下側座
30 車体
32 上側座巻部
34 下側座巻部
42 軸受部
44 車輪
AA 荷重入力軸
AL ロアーアーム軸
AR ばね反力軸
AS ストラット軸
CA コイル軸
CMU 上側座巻中心点
CML 下側座巻中心点
FBU 上側前後方向線
FBL 下側前後方向線
FBM 前後方向線
m 外形線
RLU 上側左右方向線
RLL 下側左右方向線
RLM 左右方向線
SFBU1.SFBU2 上側前後方向線
W 路面反力
WU 荷重軸線力
WC ロアーアーム軸力
WR ばね反力
P1,P2 上側接触部
P3 下側接触部

Claims (5)

  1. 自動車用のストラット型懸架装置における上側座と下側座との間に装着される懸架コイルばねであって、
    前記自動車の前後方向に離間して設けられた二箇所の上側接触点で実質的に前記上側座に接触して着座する上側座巻と、
    装着状態において、曲率の最も大きい部位が車外側に位置するように形成された巻きを1つ以上有するばね有効部と、
    下側座巻中心点より車外側に位置する一箇所の下側接触点で実質的に前記下側座に接触して着座する下側座巻と、を有し、
    前記上側座巻は、前記二箇所の上側接触点が、前記自動車の前後方向に延在する線分に平行な線分上に形成されている
    ことを特徴とする懸架コイルばね。
  2. 前記上側座巻は、上側座巻中心点を通り前記自動車の左右方向に延在する線分に対して略対称に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の懸架コイルばね。
  3. 前記上側座巻は、0.4巻以上0.6巻以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の懸架コイルばね。
  4. 前記下側座巻は、逆ピッチに形成されている
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の懸架コイルばね。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の懸架コイルばねを備えることを特徴とするストラット型懸架装置。
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