以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の遊技機の一実施例であるパチンコ機Pにおける前面枠1及び遊技盤2の裏面(背面)図であり、ランプ制御基板7や音声制御基板8等に接続される接続線の図示を省略している。
前面枠1は、パチンコ機P(図4参照)の前面外周に周設される枠状体であり、合成樹脂材料等で略矩形額縁状に形成されている。前面枠1の上部略中央には遊技盤2の外形に適合した略矩形状の開口である収納空間1aが設けられている。この収容空間1aが設けられた前面枠1の一側(図1右側)縁部には、その縁部の上側および下側部分に機構盤9のヒンジピン9b,9b(図2参照)が回動可能に軸支されるピン係合部1b,1bが1つずつ設けられている。
遊技盤2は、木製の合板等で略矩形平板状に形成されており、その前面に球が打ち込まれる遊技領域(図示せず)が形成されている。この遊技盤2は、前面枠1の収容空間1aに着脱可能に収容されており、その裏面2aには遊技盤2の板厚方向(図1の紙面に対する垂直方向)へ貫通した複数の配設穴2b〜2eが穿設されている。配設穴2bは複数種類の図柄を表示する表示装置(図示せず)が配設される穴であり、配設穴2cは第1種始動口(普通電動役物に係る入賞口)を備えた入賞装置(図示せず)が配設される穴であり、配設穴2d,2dは、普通入賞口を備えた入賞装置(図示せず)が配設される穴であり、配設穴2eは、大入賞口を備えた可変入賞装置(図示せず)が配設される穴である。
また、配設穴2eの下方であって遊技盤2の裏面2aには、遊技盤2の板厚方向(図1の紙面に対する垂直方向)へ貫通したアウト口2fが穿設されている。このアウト口2fは、各種入賞装置の入賞口へ入賞しなかった球を遊技領域の外部へ排出するための穴である。このアウト口2fの上方であって遊技盤2の裏面2aには、セーフ球集合カバー3が取着されている。
セーフ球集合カバー3は、配設穴2c〜2eに配設される各種入賞装置の入賞口へ入賞した球を遊技領域の外部へ排出する部材であり、合成樹脂材料等で形成されている。このセーフ球集合カバー3の下側部分であって配設穴2bの下方には、球が通過可能な通路を有する球集合樋3aが設けられており、この球集合樋3aにより各種入賞装置へ入賞した入賞球を遊技領域の外部へ排出することができるのである。セーフ球集合カバー3には、配設穴2bの一側(図1左側)部分にサブ制御基板ボックス取付ベース4が取着され、このサブ制御基板ボックス取付ベース4にはランプ制御基板ボックス5及び音声制御基板ボックス6が着脱可能に取着されている。
ランプ制御基板ボックス5はランプ制御基板7を収容するものであり、音声制御基板ボックス6は音声制御基板8を収容するものである。ランプ制御基板ボックス5の側縁部分(図1右側)からは、ランプ制御基板7に搭載される2つのコネクタ7aがランプ制御基板ボックス5の外部に突出(露出)され、音声制御基板ボックス6の側縁部分(図1右側)からは、音声制御基板8に搭載される2つのコネクタ8aが音声制御基板ボックス6の外部に突出されている。よって、これらの各コネクタ7a,8aを介して各制御基板7,8に接続線をそれぞれ接続することができる。
ランプ制御基板7は、前面枠1、遊技盤2、ガラス扉枠等に配設される複数のランプの点灯又は消灯を制御する回路基板であり、各種の電気部品や電子部品で構成されたランプ制御回路を備えている。このランプ制御基板7は、各コネクタ7aに接続される接続線によって、複数のランプと後述する主制御基板15とにそれぞれ電気的に接続されるのである。また、音声制御基板8は、前面枠1に配設されるスピーカから発生される音声を生成する回路基板であり、各種の電気部品や電子部品で構成された音声制御回路を備えている。この音声制御基板8は、各コネクタ8aに接続される接続線によって、スピーカと後述する主制御基板15とにそれぞれ電気的に接続されるのである。尚、本実施例では、複数のランプ、ガラス扉枠及びスピーカの図示を省略している。
ところで、これらの各制御基板7,8には、その各制御基板7,8に搭載された各種の電気部品や電子部品を駆動するための直流(以下、「DC」と称す。)電圧を供給する電源回路が搭載されておらず、かかる駆動用のDC電圧は後述する電源回路基板13(図2参照)から主制御基板15(図2参照)を経由して供給される。
図2は、機構盤9の裏面図であり、図3は、その機構盤9の側面図である。なお、図2では、各種の基板11,13,15,17,19に接続される接続線の図示を省略し、図3では枠フレーム9aの一部を断面視している。
図2に示すように、機構盤9は、賞球や貸し球の払い出しを行う球払出装置10が搭載された部品であり、合成樹脂材料等で略矩形額縁状に形成された枠フレーム9aを備えている。ところで、この枠フレーム9aの下縁部(図2下側)には略平坦面状の支持面9a1が形成されている。この支持面9a1は、枠フレーム9aを縦姿勢(立て姿勢)で直立させるための面であり、枠フレーム9aの幅方向略中央部分から枠フレーム9aの一側端(図2右側)に亘って形成されている。このような支持面9a1を備えた枠フレーム9aによれば、かかる支持面9a1を床面等に当接させることにより機構盤9を壁面や支持用器具等に立て掛けることなく、床面等に縦姿勢で直立(縦立)させることができるのである。
枠フレーム9aの一側(図1右側)であって、その上側および下側部分には、上述した前面枠1のピン係合部1b,1bに回動可能に軸支されるヒンジピン9b,9bがそれぞれ1つずつ設けられている。このヒンジピン9b,9bは機構盤9を前面枠1の裏面側に開閉可能に軸支するための軸部材である。
枠フレーム9aの略中央部分には、略矩形状の開口である開口窓9cが枠フレーム9aの厚さ方向(図2の紙面に対する垂直方向)に貫通形成されている。この開口窓9cは、機構盤9が前面枠1に取着された場合(図4参照)に、遊技盤2の裏面2aに取着されたセーフ球集合カバー3の一部を機構盤9の裏面側に露出させるための開口であり、この開口窓9cから配設穴2b〜2eに配設される表示装置や各種入賞装置、並びに、ランプ制御基板ボックス5及び音声制御基板ボックス6が機構盤9の裏側に露出される。
機構盤9の枠フレーム9aの上部には台管理装置(図示せず)から供給される球が一旦貯留される球タンク9dが配設され、この球タンク9dの下方には球タンクレール9eが連設されている。球タンクレール9eは、球タンク9dへ供給された球を球払出装置10へ誘導する樋状の部材であり、この球タンクレール9eの下流側端部に球払出装置10の上部が連設されている(図2右側)。
球払出装置10は、後述する払出制御基板17からの電気信号を受けて、賞球や貸し球を所定個数払い出す装置である。この球払出装置10によれば、払出制御基板17からの電気信号を受信すると、球タンクレール9eにより球払出装置10の内部へ導かれた球が1個ずつ払出樋9fへ払い出すのである。払出樋9fは、球払出装置10により払い出された賞球や貸し球を前面枠1に設けられる上受皿または下受皿(図示せず)へ誘導する樋状の部材であり、この払出樋9fの内部には球払出装置10から払い出された球が通過可能な通路が設けられている。この払出樋9fの通路は、球払出装置10の下部から枠フレーム9aの下縁部(図2下側)へ向けて連通され、枠フレーム9aの支持面9a1に開口形成される払出口9gと連通されている。
払出口9gは、払出樋9fを通過した球を前面枠1の下受皿へ排出する開口であり、枠フレーム9aの幅方向(図2左右方向)略中央部分に形成されている。一方、払出口9gの左方には、球排出口9hが設けられている。この球排出口9hは、上述した各種入賞装置の入賞口へ入賞した入賞球やアウト口2fから排出されたアウト球を台管理装置へ排出するための開口である。
枠フレーム9aにおける球タンク9dの右方には、枠フレーム9aの裏面側に取着された電源中継基板11が配設されている。
電源中継基板11は、台管理装置から供給される交流(以下、「AC」と称す。)電圧24Vを中継して、後述する電源回路基板13へ供給する中継基板であり、台管理装置のAC電源と電気的に接続可能なACコード11aを備えている。よって、電源中継基板11は、ACコード11aを介して台管理装置からAC電圧24Vの供給を受けることができるのである。
電源中継基板11には、過電流保護器の1種である2本のヒューズ11b,11cがぞれぞれ電気的に接続されている。ヒューズ11bは、電源中継基板11がAC電圧24Vを電源回路基板13へ供給する場合に電源回路基板13への過電流を防止するものであり、ヒューズ11cは、電源中継基板11がAC電圧24Vをカードユニット(図示せず)へ供給する場合にカードユニットへの過電流を防止するものである。なお、カードユニットは、金銭と同等の有価価値を有するプリペイドカード等の有価価値媒体に記録された残高金額のデータを読み取るための装置である。
この電源中継基板11は、枠フレーム9aの裏面下部に取着された電源回路基板ボックス12に収容される電源回路基板13と接続線(図示せず)を介して電気的に接続されている。
電源回路基板ボックス12は、後述する主制御基板15及び払出制御基板17等を駆動するためのDC電圧を一括して供給する電源回路基板13を収容するものであり、透明な合成樹脂材料等で略中空箱状体に形成されている。図3に示すように、電源回路基板ボックス12の下端面12aは略平坦面状に形成されており、枠フレーム9aの支持面9a1と面一とされている。よって、機構盤9の下端面の面積は、枠フレーム9aの支持面9a1の面積に加えて、電源回路基板ボックス12の下端面12aの面積分だけ拡大される。
このため、機構盤9を床面等に直立させる場合には、かかる電源回路基板ボックス12の下端面12aの面積分、機構盤9と床面等との接地面積が拡大されるので、機構盤9を安定した状態で床面等に直立させることができる。しかも、図2に示すように、電源回路基板ボックス12は、枠フレーム9aの幅方向(図2左右方向)略中央部分に取着されるので、機構盤9を更に安定した状態で床面等に直立させることができるのである。
また、電源回路基板ボックス12の一側(図2右側)縁部からは、電源回路基板13に搭載されたコネクタ13a,13bが電源回路基板ボックス12の外部に突出されており、かかるコネクタ13a,13bを介して電源回路基板13に接続線を接続することができる。よって、電源回路基板13は、図4に示すように、各コネクタ13a,13bに接続される接続線KB1,KB2を介して、後述する主制御基板15及び払出制御基板17とそれぞれ電気的に接続されるのである。
電源回路基板13は、図2に示すように、電源回路基板ボックス12内に収容されている。電源回路基板13は、電源中継基板11で中継されたAC電圧24Vを所定値のDC電圧に変換して、そのDC電圧を主制御基板15及び払出制御基板17へ供給する電源回路を備えている。この電源回路は、多数の電気部品や電子部品で構成されており、主に、AC電圧を全波整流するダイオードブリッジと、そのダイオードブリッジにより全波整流された電圧値波形を平滑化するコンデンサーと、そのコンデンサーにより平滑化された電圧を所定の電圧値に安定化して出力するレギュレータと、そのレギュレータの放熱を行う放熱フィンとで構成されている。
この電源回路基板13によれば、その電源回路で変換されるDC電圧の値は、例えば、DC電圧5V、DC電圧12V、DC電圧24V、DC電圧30Vであり、これらの各DC電圧がコネクタ13a,13bに接続される接続線を介して、主制御基板15及び払出制御基板17へ供給され、更に、この各制御基板15,17を経由して、他の制御基板7,8,19へ供給されるのである。
また、電源回路基板13の電源回路を構成する多数の電気部品や電子部品は、重量が比較的大きな部品であるので、その分、電源回路基板13の重量が大きくなる。一方、電源回路基板ボックス12には、電源回路基板13の半田面との対向部分にその半田面と間隔を隔てて金属製のアース板(図示せず)が配設されている。アース板は、電源回路基板13の電源回路へ侵入する電気的ノイズを遮蔽するものであり、電源回路基板13のグランドと電気的に接続されている。
このように電源回路基板ボックス12には、重量の大きな電源回路基板13や金属製のアース板が配設されるので、その重量が大きくなる。かかる重量の大きな電源回路基板ボックス12は、枠フレーム9aの幅方向(図2左右方向)略中央部分であって、枠フレーム9aの支持面9a1側に取着されるので、機構盤9全体としての重心位置を枠フレーム9aの支持面9a1側に位置させることができる。このように、機構盤9の重心位置を枠フレーム9aの支持面9a1側に位置させることにより、機構盤9を更に安定した状態で床面等に直立させることができるのである。
電源回路基板ボックス12の上方であって、枠フレーム9aにおける開口窓9cの下縁部分には、主制御基板ボックス取付ベース14aを介して、主制御基板ボックス14が配設されている。
主制御基板ボックス14は、パチンコ機Pにおける遊技全体の制御を行う主制御基板15を収容するものであり、透明な合成樹脂材料等で略中空箱状体に形成されている。この主制御基板ボックス14の下縁部分(図2下側)からは、主制御基板15に搭載される1のコネクタ15aが主制御基板ボックス14の外部に突出されている。このコネクタ15aに接続される接続線KB1(図4参照)を介して、主制御基板15は電源回路基板13と電気的に接続されるのである。
一方、主制御基板ボックス14の上縁部分(図2上側)からは、主制御基板15に搭載される複数(9個)のコネクタ15bが主制御基板ボックス14の外部に突出されている。この複数のコネクタ15bに接続される各接続線(図示せず)を介して、主制御基板15は、遊技盤2に配設される表示装置や各種入賞装置、ランプ制御基板7および音声制御基板8等とそれぞれ電気的に接続されるのである。
ここで、主制御基板15は、パチンコ機Pの遊技全体を制御するため、MPUなどの各種の電気部品や電子部品で構成された主制御回路を備えている。一方で、主制御基板15には、その主制御回路を構成する電気部品や電子部品を駆動するためのDC電圧を供給する電源回路が搭載されていない。このため、かかる主制御基板15は、コネクタ15aに接続される接続線KB1(図4参照)を介して、電源回路基板13から駆動用のDC電圧の供給を受けるように構成されている。
具体的には、電源回路基板13の電源回路で変換された各種のDC電圧は、接続線KB1(図4参照)を介して主制御基板15の主制御回路へ供給される一方、その主制御基板15を経由して、表示装置、各種入賞装置、ランプ制御基板7および音声制御基板8へ供給されるのである。また、主制御基板15を収容する主制御基板ボックス14の右方には、枠フレーム9aの裏面右下部(図2右下側)に取着された払出制御基板ボックス16が配設されている。
払出制御基板ボックス16は、上述した球払出装置10等の制御を行う払出制御基板17を収容するものであり、透明な合成樹脂材料等で略中空箱状体に形成されている。図3に示すように、払出制御基板ボックス16の下端面16aは略平坦面状に形成されており、枠フレーム9aの支持面9a1と面一とされている。よって、機構盤9の下端面の面積は、枠フレーム9aの支持面9a1及び電源回路基板ボックス12の下端面12aの面積に加えて、払出制御基板ボックス16の下端面16aの面積分だけ更に拡大される。このため、機構盤9を床面等に直立させる場合には、かかる払出制御基板ボックス16の下端面16aの面積分、機構盤9と床面等との接地面積が拡大されるので、機構盤9を更に安定した状態で床面等に直立させることができる。
また、払出制御基板ボックス16には、払出制御基板17の半田面との対向部分にその半田面と間隔を隔てて金属製のアース板(図示せず)が配設されている。アース板は、払出制御基板17の電源回路へ侵入する電気的ノイズを遮蔽するものであり、払出制御基板17のグランドと電気的に接続されている。このように、払出制御基板17を収容し且つ金属製のアース板が配設された払出制御基板ボックス16を、枠フレーム9aの支持面9a1側に取着することによって、機構盤9全体としての重心位置がより枠フレーム9aの支持面9a1側に位置されるので、機構盤9を更に安定した状態で床面等に直立させることができる。
図2に示すように、払出制御基板ボックス16の下縁部(図2下側)からは、払出制御基板17に搭載される1のコネクタ17aが払出制御基板ボックス16の外部に突出されている。このコネクタ17aに接続される接続線KB2(図4参照)を介して、払出制御基板17は電源回路基板13と電気的に接続されるのである。
また、払出制御基板ボックス16の外壁面からは、コネクタ17aの他に、払出制御基板17に搭載される複数(8個)のコネクタ17bが払出制御基板ボックス16の外部に突出されている。この複数のコネクタ17bに接続される接続線(図示せず)を介して、払出制御基板17は、球貸操作ユニット、カードユニット、球払出装置10、発射制御基板19等とそれぞれ電気的に接続されるのである。
払出制御基板17は、前面枠1の前面に配設される球貸操作ユニット(図示せず)、カードユニット、並びに、機構盤9に配設される球払出装置10及び発射制御基板19(後述する)などの各種装置の制御を行う回路基板であり、これらの各種装置を制御するために各種の電気部品や電子部品で構成された払出制御回路を備えている。一方で、払出制御基板17は、その払出制御回路を構成する電気部品や電子部品を駆動するための直流電圧を供給する電源回路が搭載されていない。このため、かかる払出制御基板17は、コネクタ17aに接続される接続線を介して、電源回路基板13から駆動用のDC電圧の供給を受けるように構成されている。
具体的には、電源回路基板13の電源回路で変換された各種のDC電源は、接続線KB2(図4参照)を介して払出制御基板17の払出制御回路へ供給される一方、その払出制御基板17を経由して、球貸操作ユニット、カードユニット、球払出装置10及び発射制御基板19等へ供給されるのである。
また、払出制御基板17を収容する払出制御基板ボックス16の左方には、枠フレーム9aの裏面左下部(図2左下側)に取着された発射制御基板ボックス18が配設されている。
発射制御基板ボックス18は、後述する球発射装置23の制御を行う発射制御基板19を収容するものであり、透明な合成樹脂材料等で略中空箱状体に形成されている。発射制御基板ボックス18の下縁部(図2下側)からは、発射制御基板19に搭載される複数のコネクタ19aが発射制御基板ボックス18の外部に突出されており、これらの各コネクタ19aを介して、発射制御基板19に接続線を接続することができる。この各コネクタ19aに接続される接続線を介して、発射制御基板19は、球発射装置23及び払出制御基板17とそれぞれ電気的に接続されるのである。
発射制御基板19は、球の発射を許可を示す発射許可信号等を払出制御基板17から受信することによって、球発射装置23の発射モータ23aを駆動するドライブ電圧を生成し、球発射装置23へ送信する回路基板であり、各種の電気部品や電子部品で構成された発射制御回路を備えている。
以上のように、機構盤9は、電源回路基板ボックス12、主制御基板ボックス14、払出制御基板ボックス16および発射制御基板ボックス18が本体フレーム9aの下側部分、即ち、支持面9a1の形成側部分に配設されることによって、かかる機構盤9の重心が、更に、支持面9a1の近傍側に位置するように構成されている。
図4は、パチンコ機Pの裏面図であり、図4では、接続線KB1,KB2を除く他の接続線の図示を省略している。図4に示すように、上述した機構盤9は、その各ヒンジピン9b,9bが前面枠1の各ピン係合部1b,1bに軸支され、かかる軸支により前面枠1の裏面側に開閉可能に支持されている。このように支持された機構盤9の開口窓9cには役物カバー20が被せられている。
役物カバー20は、機構盤9の開口窓9cから露出される遊技盤2の裏面2aを覆う部材であり、セーフ球集合カバー3に隣接されるカバー支持部材21により開閉可能に支持されている。このように役物カバー20で開口窓9cが覆い塞がれることによって、遊技盤2に配設される表示装置や各種入賞装置、ランプ制御基板ボックス5、音声制御基板ボックス6、及び、主制御基板15の各コネクタ15bが覆われている。
電源回路基板13のコネクタ13aには接続線KB1の一端側が接続され、この接続線KB1の他端側には主制御基板15のコネクタ15aが接続されている。かかる接続線KB1の接続により電源回路基板13と主制御基板15とは電気的に接続されるので、電源回路基板13から主制御基板15へDC電圧を供給することができるのである。
一方、電源回路基板13のコネクタ13bには接続線KB2の一端側が接続され、この接続線KB2の他端側には払出制御基板17のコネクタ17aが接続されている。かかる接続線KB2の接続により電源回路基板13と払出制御基板17とは電気的に接続されるので、電源回路基板13から払出制御基板17へDC電圧を供給することができるのである。
また、前面枠1の下部には、遊技盤2の遊技領域(図示せず)へ球を打ち込むための球発射装置23が配設されている。この球発射装置23は、主に、球を発射するための動力を発生させる発射モータ23aを備え、上述した発射制御基板19(図2参照)の発射制御回路で生成されたドライブ電圧を受信することにより発射モータ23aが駆動されるのである。
次に、上記のように構成されたパチンコ機Pの組立方法について説明する。まず、図2に示す機構盤9が縦姿勢で床面等に直立される。具体的には、機構盤9の下端面、即ち、枠フレーム9aの支持面9a1、電源回路基板ボックス12の下端面12a及び払出制御基板ボックス16の下端面16aが床面等に当接されると、機構盤9が床面等に縦姿勢で直立される。このように直立された機構盤9を複数並置させることにより、複数の機構盤9が壁面や支持用器具等に立て掛けられることなくストックされる。
その後、ストックされた複数の機構盤9から一つの機構盤9が取り上げられ、各ヒンジピン9b,9bが図1に示す前面枠1の各ピン係合部1b,1bにそれぞれ係合される。かかる係合によって、機構盤9のヒンジピン9b,9bが前面枠1のピン係合部1b,1bにそれぞれ軸支されて、機構盤9が前面枠1に開閉可能に支持される。
この機構盤9がヒンジピン9b,9bを中心に遊技盤2の裏面2aへ向けて閉鎖されると、その閉鎖に伴って、機構盤9の開口窓9cから遊技盤2の配設穴2b〜2eに配設される表示装置や各種入賞装置、並びに、ランプ制御基板ボックス5及び音声制御基板ボックス6が機構盤9の裏側に露出される。機構盤9の閉鎖後、役物カバー20がカバー支持部材に取着され、かかる役物カバー20が閉鎖されると、機構盤9の開口窓9cのほぼ全域が覆われて、パチンコ機Pが図4に示す状態となり、パチンコ機Pの組立作業が完了する。
次に、パチンコ機Pのメンテナンス方法について説明する。例えば、遊技機2の裏面2aに配設される表示装置や各種入賞装置のメンテナンス作業を行う場合には、上述したパチンコ機Pの組立作業の動作と逆の動作が行われる。即ち、まず、役物カバー20が開放され、カバー支持部材21から取り外される。役物カバー20の取り外し後、機構盤9が開放され、その機構盤9の各ヒンジピン9b,9bが前面枠1のピン係合部1b,1bから抜かれる。各ヒンジピン9b,9bが抜き外されると、機構盤9が前面枠1から取り外される。
取り外された機構盤9は、その下端面、即ち、枠フレーム9aの支持面9a1、電源回路基板ボックス12の下端面12a及び払出制御基板ボックス16の下端面16aが床面等に当接されて、床面等に縦姿勢で直立される。このように、パチンコ機Pのメンテナンス作業を行う場合に、前面枠1から取り外された機構盤9は、壁面や支持用器具等に傾けつつ立て掛けることなく直立されるので、機構盤9を不安定な状態で壁面等に立て掛ける必要がない。
以上説明したように、本実施例のパチンコ機Pの機構盤9によれば、その下端面、即ち、枠フレーム9aの支持面9a1、電源回路基板ボックス12の下端面12a及び払出制御基板ボックス16の下端面16aが平坦面状に形成され且つ面一にされるので、かかる機構盤9の下端面を床面等に当接させることにより床面等に縦姿勢で直立させることができる。このように直立された機構盤9を複数並置させることにより、複数の機構盤9を壁面や支持用器具等に立て掛けることなくストックすることができるのである。
このため、パチンコ機Pの組立作業において、複数の機構盤9を縦姿勢で支持する支持用器具を別途用意する必要がない。また、ストックされる機構盤9は略直立姿勢で直立されるので、機構盤9を支持用器具に若干傾けつつ立て掛ける必要がなく、その分、1つの機構盤9が占有する設置スペースを減少させることができる。よって、機構盤9を所定面積の設置スペースに複数個ストックする場合には、従来の機構盤を同一面積の設置スペースに複数個ストックする場合に比べて、より多くの機構盤9をストックすることができる。
しかも、パチンコ機Pのメンテナンス作業を行う場合に、パチンコ機Pから取り外された機構盤9は壁面や支持用器具等に立て掛けられることなく直立されるので、例えば、不安定な状態で壁面等に立て掛けられた機構盤9が誤って転倒して、機構盤9が破損することを防止することができる。
また、電源回路基板13は、ランプ制御基板7、音声制御基板8、主制御基板15、払出制御基板17、発射制御基板19とは別体に形成され、且つ、これらの各制御基板7,8,15,17,19を駆動するための各DC電圧(例えば、DC電圧5V、DC電圧12V、DC電圧24V、DC電圧30V)を一括して供給することができる。よって、各制御基板7,8,15,17,19にそれぞれ個別に電源回路を搭載する必要がないので、その分、各制御基板7,8,15,17,19のコストを低減することができる。
しかも、AC電源から供給される電力は、電源回路基板13へAC電圧の状態で供給され、かかる電源回路基板13が各DC電圧に変換して各制御基板7,8,15,17,19へ供給するので、各制御基板7,8,15,17,19にAC電圧の過電流を防止するヒューズをそれぞれ個別に設ける必要がない。即ち、電源中継基板11には、AC電源から電源回路基板13へ供給されるAC電圧の過電流を防止するヒューズ11bが1つ接続されるだけなので、パチンコ機Pに使用されるヒューズの数を低減することができる。
また、電源回路基板ボックス12は枠フレーム9aの支持面9a1側に取着されるが、ヒューズ11bが接続される電源中継基板11は機構盤9の枠フレーム9aの上部に配設されるので、ヒューズ11bを交換する作業者が身体を屈める必要がなく、かかる交換作業を無理な姿勢をとることなく行うことができる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本実施例では、機構盤9を直立させるため、枠フレーム9aの下端面に略平坦面状の支持面9a1を形成したが、かかる支持面の形成箇所は必ずしもこれに限られるものではなく、機構盤の側端面に略平坦面状の支持面を形成し、かかる支持面を床面等に当接させて機構盤を直立(縦立)させても良い。
また、本実施例では、機構盤9を直立させるため、枠フレーム9aの支持面9a1を枠フレーム9aの幅方向略中央部分から枠フレーム9aの一側端(図2右側)に亘って形成したが、かかる支持面を枠フレーム9aの幅方向全域に亘って形成しても良い。
更に、本実施例では、本発明の遊技機本体として前面枠1および遊技盤2を例に説明したが、例えば、本発明の遊技機本体として、前面枠が取着可能な略矩形額縁状の外枠を適用しても良い。
本実施例では、機構盤9の枠フレーム9aの支持面9a1を略平坦面状に形成することにより、機構盤9を直立可能に構成したが、かかる支持面9a1の面形状は必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、枠フレームの下端面に複数の凸部を設け、かかる各凸部の先端部分をそれぞれほぼ面一に形成して、これらの複数の凸部の先端面で枠フレームの支持面を構成しても良い。具体的には、枠フレームの下端面に凸字状(リブ状)や尖状(スパイク状)の凸部を複数設け、これらの複数の凸部により枠フレームの支持面を構成しても良い。
また、電源回路基板ボックスの下端面、及び、払出制御基板ボックスの下端面についても複数の凸部を設け、かかる各凸部の先端部分をそれぞれほぼ面一に形成して、これらの複数の凸部の先端面が枠フレームの支持面と面一となるように構成しても良い。
尚、以下に本発明の変形例を示す。請求項1記載の遊技機において、前記支持面は前記枠部材の幅方向略中央に設けられていることを特徴とする遊技機1。
請求項1記載の遊技機、又は、遊技機1において、前記機構盤は前記枠部材における前記支持面の近傍に配設される構成部品を備え、その構成部品の1面は前記支持面と面一にされていることを特徴とする遊技機2。
請求項1記載の遊技機、又は、遊技機1あるいは2において、前記機構盤には重量の大きな構成部品が配設されており、その構成部品は前記枠部材における前記支持面の近傍に配設されていることを特徴とする遊技機3。
遊技機2または3において、前記構成部品は各種の電気部品や電子部品を搭載した回路基板を収容する基板ボックスであることを特徴とする遊技機4。
遊技機2から4のいずれかにおいて、交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換する電源回路を有する電源回路基板と、その電源回路基板と電気的に接続されその電源回路基板により電力供給される他の回路基板とを備え、前記構成部品は前記電源回路基板を収容する電源回路基板ボックスであることを特徴とする遊技機5。
遊技機5において、前記他の回路基板は、遊技における各種の制御を行う2以上の制御回路基板であり、前記電源回路基板は、その2以上の制御回路基板と別体に形成され、且つ、その2以上の制御回路基板へそれぞれ電力供給するように構成されていることを特徴とする遊技機6。
請求項1記載の遊技機、又は、遊技機1から6のいずれかにおいて、前記機構盤は、前記遊技盤の裏面側に着脱可能に形成されるとともに、前記枠部材に設けられ遊技内容に応じて球を払い出す払出装置と、その払出装置により払い出される球を誘導する誘導通路とを備えていることを特徴とする遊技機7。
遊技機7において、前記機構盤は、前記誘導通路を通過した球を排出するため、前記枠部材における1の端部に形成される払出口を備えており、前記支持面はその払出口が形成される端部に形成されていることを特徴とする遊技機8。