JP4389574B2 - SiC単結晶の製造方法および製造装置 - Google Patents

SiC単結晶の製造方法および製造装置 Download PDF

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この発明は、半導体材料等として用いられる単結晶の高温成長に関する。詳しくは、本発明は、高品質かつ実用的な大きさの炭化珪素 (SiC) 等の単結晶の成長を可能にする単結晶の製造方法および製造装置に関する。
炭化珪素等の単結晶の製造技術は、気相成長法である昇華法や化学気相成長法(CVD法) と、液相エピタキシャル法 (LPE法) に大別される。工業規模でこれらの手法を適用する場合、数多くの課題がある。
一般に、昇華法により製造された単結晶には、多数の格子欠陥が存在することが知られている。例えば、SiCの場合、昇華の際にはSiCが一旦分解して、Si、SiC2 、Si2Cなどとなって気化すると共に、黒鉛が昇華するが、温度によって単結晶基板表面に到達するガス種が異なる。これらの分圧を化学量論的に正確に制御することは困難である。このため、結晶内で特定の元素や分子が過剰に析出して欠陥と成りやすい。また、昇華法には、結晶の多形転位が生じやすいという欠点もある。
CVD法は、ガスで原料を供給するため、原料の供給量を増加させることが難しく、バルク (大型) 単結晶の成長法としては実用的でない。
LPE法では、例えばSiCの場合、その構成元素である炭素を含む坩堝 (例、黒鉛坩堝) にSi融液を収容し、このSi融液に、Siが坩堝の炭素と反応して生成したSiCを溶解させると共に、温度勾配を形成し、結晶保持具の先端に付けた単結晶基板を融液の低温部に浸漬して基板上にSiC単結晶を成長させるのが一般的である。通常は、Si融液に上部が下部より低温となるような温度勾配を形成して、結晶保持具の先端の単結晶基板をSi融液の液面と接触させ、SiC単結晶の成長につれて結晶保持具を引き上げていく。
LPE法で得られるSiC単結晶は、一般に、欠陥が少なく、多形転移が生じる欠点も少ないという特長を有する。しかし、LPE法でバルク単結晶を得るために長時間の単結晶成長を行うと、坩堝の低温部分、Si融液の低温部に浸漬された結晶保持具の周辺、あるいはSi融液の表面近傍などが、抜熱によって単結晶成長部より低温になり、そこに多くの多結晶が成長する。多結晶が成長すると単結晶の成長が阻害されるため、バルク単結晶は得られ難い。そのため、LPE法によるSiC単結晶の成長は、単結晶基板上に薄いSiC単結晶を形成するために適用されているに過ぎない。また、LPE法では、SiC単結晶の成長温度がSiの融点より約300 ℃高温であるため、Siの気化によりSi融液中のSiC濃度が増加して過飽和になりやすく多結晶が生じやすいという問題がある。
バルクSiC単結晶を成長させるためのLPE法の改良として、下記の技術が提案されている。
特開平7−172998号公報には、炭素を含む坩堝の周囲を断熱して均温化した状態で坩堝の炭素をSi融液に溶解させ、融液面に接触させた種結晶にSiC単結晶を成長させる方法が開示されている。Si融液の上方に設置された誘導加熱された炭素塊あるいは抵抗加熱ヒータなどの加熱手段を用いて融液面の温度を調整する点に特徴があるが、輻射加熱で融液面の温度を調整することは難しいと思われる。仮にこの手法で断熱化に成功した場合、Si融液内には温度勾配が存在しないことになるので、単結晶の成長は期待できないか、成長したとしても成長速度の増加は期待できない。
特開2000−264790号公報には、少なくとも一種の遷移金属と珪素と炭素を含む原料を炭素質坩堝内で加熱溶融して融液とし、この融液を冷却するか、あるいは融液に温度勾配を形成することによって、種結晶にSiC単結晶を析出成長させる方法が開示されている。適切な遷移金属を選択することによりSiを含む融液の蒸気圧を下げることができるので、種結晶以外の場所でのSiC多結晶の成長が抑制できると説明されているが、現実には蒸気圧を顕著に下げることが難しく、SiC濃度の過飽和を抑制して多結晶の成長を抑制することは難しいと考えられる。また、坩堝の低温部分、結晶保持具、Si融液の表面近傍などの低温部での多結晶発生に対する特別な技術が開示されていないので、温度管理の面からも多結晶の成長を抑制することは難しい。
特開平7−172998号公報 特開2000−264790号公報
本発明は、上述した多結晶の成長や結晶欠陥の増加といった問題を伴わずにLPE法によってバルク単結晶を効率よく製造することができる方法および装置を提供することを課題とする。
単結晶の液体原料である融液に、結晶保持具の先端に付けた種結晶を接触させて引き上げることによりバルク単結晶を成長させる場合、融液は結晶保持具や自由表面を介して抜熱される。この結果、結晶保持具の近傍の融液、融液の表面、さらには坩堝の低温部といった低温部分の融液中に多結晶が成長し、単結晶の成長を阻害する一因になっている。
本発明においては、この問題を下記着想に基づいて解決することができる。
(a) 単結晶成長部を除いて加熱が容易になる、隆起した表面形状を融液に付与し、かつその形状を安定して保持する。
(b) 融液を攪拌して、単結晶成長部を除いた融液の温度を均一にする。
(c) 結晶の成長に伴う原料の減少や、原料の一部 (例、Si) の気化による融液の組成の変化を補償する目的で、装置の運転中に固体原料の追加供給を可能にする。
(d) 壁を透過した融液の光学測温が可能となる構造の坩堝を用いて、融液温度を適正な温度範囲に制御する。
この着想に基づいて完成した本発明は下記の通りである。
(1) 坩堝内で加熱された珪素と炭素とを含むSiC単結晶原料の融液に結晶保持具により保持された種結晶を接触させ、前記融液から種結晶を引き上げることによりSiC単結晶を成長させるSiC単結晶製造方法であって、前記坩堝は、黒鉛質の材料からなり、前記融液の少なくとも底面と接して前記融液を下から支える融液保持部と、導電性材質からなり、前記融液の側周面を包囲する側壁部とから構成され、前記坩堝の外周には常伝導コイルが配置され、当該常伝導コイルに交流電流を通電することにより誘起されるローレンツ力によって前記坩堝内の融液をドーム状に隆起させることで前記融液の側周面を前記側壁部から離間させ、前記融液の側周面に対向する加熱手段によって前記融液の側周面を加熱しながら、隆起した融液の頂点付近に種結晶を接触させて種結晶上にSiC単結晶を成長させることを特徴とする、SiC単結晶製造方法。
(2) 前記融液保持部の上面が、前記側壁部から距離をおいて凹部を有する上記方法。
(3) 前記加熱手段が前記常伝導コイルであって、当該常伝導コイルへの通電に基づくジュール熱によって前記融液の側周面が加熱されるとともに、前記常伝導コイルへの通電により前記融液が電磁攪拌される上記方法。
(4) 前記常伝導コイルの外周に配置された超伝導コイルに直流電流を供給して静磁場を形成させた状態でSiC単結晶を成長させる上記方法。
(5) SiC単結晶の成長中に、珪素または珪素と炭素とからなるSiC単結晶成長用の固体原料を前記融液に追加供給する上記方法。
(6) 光学手段により融液温度を測定し、その値に基づいて融液温度を調整する、上記方法。
(7) 前記前記SiC単結晶成長が不活性ガス雰囲気下で行われる上記方法。
(8) SiC単結晶原料の融液を保持する坩堝と、前記融液に種結晶を接触させてSiC単結晶を成長させ、融液よりSiC単結晶を引き上げる結晶保持具と、坩堝内を加熱する加熱手段と、交流電流により前記融液を隆起させるローレンツ力発生手段とを備え、前記坩堝が、黒鉛質の材料からなり、前記融液の少なくとも底面と接して前記融液を下から支える融液保持部と、導電性材質からなり、前記融液の側周面を包囲する側壁部とから構成されることを特徴とする、SiC単結晶製造装置。
(9) 前記側壁部の周囲に多重螺旋構造の常伝導コイルが配置され、前記側壁部は常伝導コイルと略直交方向に複数のスリットを有し、該常伝導コイルと該側壁部との組み合わせにより前記加熱手段および前記ローレンツ力発生手段を構成し、さらに側壁部を冷却する手段を有する上記装置。
(10) 前記融液保持部の上面が、前記側壁部から距離をおいて凹部を有する上記装置。
(11) 常伝導コイルの外周に超伝導コイルが配置された上記装置。
(12) 前記融液保持部と前記側壁部とが略鉛直方向を回転軸として略同じ速度で回転可能であり、結晶保持具も回転可能である、上記装置。
(13) 常伝導コイルおよび/または超伝導コイルと単結晶成長部との相対的な上下位置が変更可能である上記装置
次に、上述した (a)〜(d) の着想の詳細とその実現手段について説明する。
(a) 融液表面の隆起形状の付与
LPE法によりバルク単結晶を製造する場合、一般に単結晶は概略上方に向けて引き上げられるため、融液を収容する坩堝の上方には、引き上げが可能な結晶保持具が配置されている。そのため、融液やそれを収容する坩堝の局部的な温度低下を防ぐ目的で、温度が低下し易い融液表面や結晶保持具の周辺を効率よく加熱する装置を坩堝内に配置することは、空間的な制約から困難である。従って、坩堝や坩堝に収容した融液の局部的な温度低下を防止できる加熱装置は、坩堝あるいは融液の周囲に配置することが合理的である。
融液を加熱するための装置を融液の周囲に配置して融液を加熱するには、融液の表面形状を、重力により形成される略平坦な形状ではなく、重力以外の外力を印加して融液表面を隆起させることにより、加熱装置と対向する表面 (即ち、側周面) を融液に形成することが有利である。重力以外の外力としては交流電流により形成されるローレンツ力が有効である。なぜなら、直流電流に比べて、交流電流では、ローレンツ力により隆起した形状が安定化すると同時に、ジュール熱による融液の加熱効果も期待できるからである。
融液にローレンツ力を与えるには、融液を収容する坩堝を工夫すればよい。例えば、黒鉛坩堝のような坩堝では、坩堝の厚さが薄い、あるいは交流電流の周波数が低い、といった実用化には不利な条件を採用しないと、重力に逆らって融液を効果的に隆起させるためのローレンツ力を発生させることはできない。
融液の周囲に坩堝を配置せず、水冷された多重巻き (多重螺旋構造) の常伝導コイルに交流電流を通電することにより、コイル内に配置した融液にローレンツ力を発生させることは可能である。しかし、この場合、予期せぬ停電や、隆起した融液の形状が何らかの原因で不安定になると、融液が常伝導コイルと接触し、コイルが溶損する等のトラブルが発生するので、このトラブルを避ける対策がなされていることが工業規模の装置には不可欠である。従って、隆起した融液の頂点(融液と単結晶基板の接触部分)の周囲は、坩堝が存在せずに、常伝導コイルだけが存在するだけでも構わないが、停電などで隆起が解消して融液表面が平坦になった時の融液の周囲には坩堝を存在させて、停電が起きても融液が常伝導コイルと接触することがないよう、融液とコイルとの間に坩堝が介在するようにすることが好ましい。
LPE法によるSiC単結晶の成長を工業規模で行うような量の融液を、周囲に配した常伝導コイルによるローレンツ力により隆起させるには、融液を保持する坩堝の構造を工夫する必要がある。具体的には、融液の側周面 (即ち、隆起部) を離間して包囲する側壁部と、融液の少なくとも底面に接して、融液を下から支える融液保持部という2つの坩堝部分の材質を、次に述べるように異なる材質とし、坩堝の側壁部の周囲に多重螺旋構造の常伝導コイルを配置することが好ましい。
坩堝の側壁部は、常伝導コイルにより発生する誘導電流をこの側壁部を介して融液に印加し、融液の隆起に必要なローレンツ力を発生させるために、導電性材質から構成し、かつ常伝導コイルの巻き方向と略直交方向にスリットを設けた構造とする。このスリットは絶縁機能を果たす。そのため、常伝導コイルにより発生する誘導電流はスリットに遮られて、側壁部の外側から内側へ流れるので、融液に効率よくローレンツ力を発生させることができる。側壁部はジュール熱により発熱するので、水冷等による冷却構造とすることが好ましい。
坩堝内の融液を下から支える融液保持部の材質は必要な耐熱性があれば特に制限されないが、成長させる単結晶がSiCである場合には、坩堝から炭素を供給するため、従来同様に黒鉛質のものがよい。この融液保持部の形状は特に制限されず、融液と接触する表面は、平面であってもよいが、後述するように、好ましくは中央部が凹んだ形状である。
但し、坩堝が側壁部を持たずに融液保持部のみから構成され、常伝導コイルが側壁部を介さずに融液の隆起部に作用する場合には、停電等で融液が平坦化した際に融液保持部に融液全量が収容されるような深さの凹部を融液保持部の上面に設けることが好ましい。
融液の隆起形状が安定して保持できれば、坩堝の側壁部と融液保持部の間に空間が存在しても構わない。しかし、工業規模で運転する場合は、運転の開始、突然の停電などの不測の事態に対応可能な態様に装置を組み立てる必要がある。このため、実用上は、坩堝の側壁部と融液保持部は、両者の間隙から融液が流出しない程度に近接して配置する。この場合は、融液保持部の上面に設けた凹部の深さは融液全量を収容する必要はない。坩堝内に結晶保持具を挿入するため、坩堝の側壁部は上部に少なくとも一つの開口部を持つ必要がある。このため、坩堝の側壁部の下部に融液保持部の少なくとも一部を内装して坩堝を構成することが実用的である。
坩堝の外周に配置した常伝導コイルに交流電流を通電して坩堝内の融液をローレンツ力により隆起させる場合、交流電流を用いても、融液の隆起形状が不安定になることがある。交流電流は不安定現象を増大させない方向に作用はするものの、不安定現象は常に存在するからである。特に、常伝導コイルに供給する電流が小さいと、融液形状が不安定現象によって崩れて、冷却された坩堝の側壁部に接触した時に、融液が側壁部に固化して付着し、その箇所での融液からの抜熱量が増加する。抜熱量が増加するので、固化した融液は同一の運転条件では再溶融せず、逆に固化領域が成長して、融液の表面形状は初期とは異なる形状に変化することが多い。
このような融液形状の不安定化を避けるには、融液が坩堝の側壁部に接触せず、逆に側壁部は常に融液から離間しているようにする必要がある。それには、交流電流やその周波数を高めるといった運転方法の工夫以外に、坩堝の融液保持部の上面形状を工夫することが有効である。即ち、この坩堝の融液保持部が融液と接触する上面の形状を、坩堝の側壁部に近い周辺領域で盛り上がり、側壁部から距離を置いた中央領域で凹んだ、凹部形状とする。その結果、何らかの不安定原因により融液の隆起高さが減少して、融液が多少広がっても、融液が坩堝の側壁部と接触することが避けられる。
常伝導コイルの周囲に超伝導コイルを配置して、超伝導コイルで静磁場を形成すると、一般に融液の流動の顕著な部分にブレーキ効果が現れるので、融液形状が安定化する方向に向かう。この手段も融液形状を安定に維持するのに有用である。
(b) 融液の攪拌
融液の攪拌を促進し、単結晶成長部分を除いて融液温度を均一にすることができれば、多結晶の成長を抑制することができる。しかし、上記(a) に述べたように、融液の攪拌促進によって、冷却された坩堝の側壁部に融液が接触する事態は避けなければならない。つまり、融液の攪拌促進は、融液と坩堝の側壁部との非接触状態が安定して維持され、両者の間に気体等が常に存在することが前提条件となる。
上記の非接触状態を維持しながら融液を効果的に攪拌するには、融液に作用する前記ローレンツ力に分布を持たせると共に、その分布を制御する手段を用意すればよい。
ローレンツ力に分布を持たせるために、常伝導コイルが形成する磁場分布の端効果を利用する。端効果を利用するには、有限の長さの巻き高さを持つ多重螺旋構造の常伝導コイルを、融液の一部あるいは全部と重なる高さに配置すればよい。この場合、融液の高さに比べてコイルの巻き高さが極端に高いと、端効果が得られず、有効な電磁攪拌が得られない。
ローレンツ力の分布の制御は、融液と常伝導コイル (および/または、その周囲に超伝導コイルを配した場合には超伝導コイル) との相対的な上下方向の位置関係を変化させればよい。従って、常伝導コイルと坩堝の融液保持部の一方または両方に、上下に移動可能にする手段を設ければよい。
このようにすると、上記の非接触状態を維持しながら、融液の加熱条件の変更や融液の流動の向きを変えるなどの効果的な電磁攪拌を行うことが可能となる。
(c) 固体原料の追加供給
従来のLPE法と同様に、最初に珪素を主成分とする固体原料を供給し、これが溶融して融液となった後、その融液が坩堝の融液保持部を構成する炭素と反応して炭化珪素が生成し、これが融液中に溶解して、珪素と炭素とを含んだ融液が形成される。その後、種結晶基板を融液の隆起部の頂点付近に接触させると、基板上にSiC単結晶が成長するので、その成長に合わせて基板を引き上げていく。
最初に供給する固体原料は、珪素だけでもよいが、SiC単結晶の成長に何らかの効果を発揮する他元素を含有することもできる。そのような他元素として、SiC単結晶の成長促進に効果のあるMnおよびTiを挙げることができる。また、原料に、珪素に加えて、予め炭素を含有させておくことも可能である。
このSiC単結晶の成長に伴う融液量の減少や、Si等の気化による融液組成の変化を補償する目的で、運転中に固体原料を追加供給できることが有利である。
LPE法による従来の単結晶成長装置では、融液の表面は平坦である。また、融液の温度低下を避けるため、融液中への単結晶の浸漬深さはできるだけ浅い状態に維持される。このため、従来の単結晶成長装置において融液表面に固体原料を追加供給すると、融液の表面温度の低下、単結晶へのトラップなどの問題が予測されるため、現実には固体原料の追加供給は行われていない。
本発明によれば、上記(a) に説明したように融液表面が隆起していて、好ましくは上記(b) に説明したように融液が電磁攪拌されているため、固体原料を追加供給した場合の上記の問題が回避される。即ち、添加された固体原料は、隆起の頂点である単結晶成長部から離れた位置に落下するので、単結晶へのトラップは起こりにくく、また攪拌により融液の表面温度の低下が抑制される。
追加供給する固体原料は、直径数mm程度の大きさに予め整粒されていることが望ましい。融液表面に固体原料を供給する場合は、融液への固体原料の落下点における融液表面に、坩堝の側壁壁に向かう下降表面流が、電磁攪拌により誘起されて形成されていることが望ましい。
単位時間当たりの固体原料の供給量は、単結晶の成長と融液の蒸発によって失われる量にほぼ等しくすることが好ましい。供給された固体原料は、融液との間の界面張力、融液との密度差、固体原料に作用する重力、流動している融液から受ける粘性力等に起因して、融液の周辺部に集まる傾向がある。融液周辺部に集まった固体原料は、坩堝の融液保持部や融液からの伝導伝熱、あるいは条件によっては坩堝の側壁部からの誘導加熱の影響を受けて溶融し、融液に取り込まれる。融液に取り込まれた固体原料の一部は、最終的に単結晶に供給される。
SiC単結晶の成長において追加供給する固体原料は、珪素のみからなるものでも、または珪素+炭素からなるものでもよい。
(d) 融液の測温
従来のLPE法による単結晶成長においても、融液の測温の重要性は認識されており、結晶保持具を挿入するために設けた坩堝の開口部を介して輻射温度計などの光学手段で測温する方法、あるいは融液を収容する坩堝の外側から熱電対を挿入し、坩堝温度を測温することにより融液の温度を推定することなどが行われている。後者の方法は間接的な方法である。前者の方法は、融液の温度を均一に保持するために融液を収容した坩堝全体を断熱材で覆うという手段と相いれないので、合理的ではない。
本発明では、上記(a) に記載した坩堝の側壁部とその周囲に配置した常伝導コイルが共に隙間を有する構造であり、常伝導コイルのコイル間の間隙と坩堝の側壁部に存在するスリットを介して、融液の表面からその周囲に向けて直線状の光路を配置することが可能である。また、融液の周囲に坩堝の側壁部を存在させずに常伝導コイルを配置した場合には、融液の表面からその周囲に向けて直線状の光路を配置することは一層容易である。この光路は公知の方法の光路に比べて短距離にすることが可能なので、融液から発生する蒸気による外乱の影響を受け難い。また、融液は電磁攪拌され、その表面は常に更新されているので、光学手段により測定される温度は融液の平均温度を一層正確に表示することができる。
本発明による単結晶の製造装置を用いて、本発明に示した方法で、特にSiC単結晶の製造を行うことにより、多結晶の成長や結晶欠陥の増加を生じることなく、バルクSiC単結晶を安定して製造することができる。
以下、本発明の方法および装置の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。全ての図示例において、単結晶製造装置は、導電性材料から形成された側壁部5と、その内部に配置された融液保持部6とから構成される坩堝、結晶保持具3、および坩堝の側壁部5の周囲に配置された常伝導コイル10を備えている。なお、以下ではSiC単結晶の製造について説明するが、本発明の単結晶製造方法および製造装置は、SiC以外の材料(例、AlNなど)の単結晶の製造にも適用できる。
第1の実施形態
まず、図1および図2に示す本発明の第1の実施形態の概要について説明する。
坩堝の側壁部5は概略円筒形状で、その内径は約100 mm、高さは約300 mmであり、銅材質から成る。図2に示すように、坩堝の側壁部は、その高さよりは短いが、しかし常伝導コイル10の巻き高さよりは長い長さで鉛直方向に延びるスリット11を介して分割された複数のセグメント14から組み立てられている。このスリット11が絶縁機能を示すため、側壁部5のセグメント14はスリット11を介して互いに周方向で絶縁される。常伝導コイル10の巻き高さは約100 mm、スリット11の長さは約200 mmである。
複数のセグメント14の内部には、図2に示すように二重管が配置され、それに冷却水を供給することにより側壁部5を水冷することが可能である。運転中、側壁部5の温度は、ほぼ冷却水の温度より100 ℃を越えて高くならない温度に維持される。側壁部5の上部には、結晶保持具3を坩堝内に挿入することを可能にする内径約100 mmの円形断面の開口部7が設けられている。
坩堝の側壁部5の内部には、その内壁と一部接触する状態で、坩堝の融液保持部6が挿入されている。坩堝の側壁部5と融液保持部6の間隙は、広いところで1mm、狭いところでは0mm(両者は接触している)である。融液保持部6は黒鉛質であって、その主な素材は炭素である。
坩堝の側壁部5の外周には、銅材質で中空円形断面の常伝導コイル10が、その一巻きが概略水平面に含まれるように4乃至5巻き程度の多重螺旋構造に配置されている。つまり、スリット11と常伝導コイル10は概略直交した、ねじれの位置関係にある。常伝導コイル10と坩堝の側壁部5が接触して導通が可能になる点は存在せず、両者の間隔は接近しているところで約1mm、離れているところで約10 mm の距離がある。常伝導コイル10は、ブスバー(図示せず)を介して高周波電源(図示せず)に接続されている。高周波電源の最大出力は300 kW、周波数は5kHz から30 kHzの間で可変である。
坩堝の融液保持部6の上面は、側壁部5に隣接する周辺部で若干隆起し、側壁部5から離れた中央部で窪んだ形状である。融液保持部6の上面の起伏の変化は約20 mm である。融液保持部6の上面と側壁部5の内面および開口部7とで囲まれた空間は自由空間8であり、この空間内に融液9、気体13、単結晶基板12、結晶保持具3の一部等を収容することができる。自由空間8の体積は概略1200 cm3である。
開口部7から坩堝内に挿入される結晶保持具3の直径は、高さに応じて、30 mm から60 mm の間で変化し、長さは約500 mmで、主に炭素からなる材質 (例、黒鉛質) のものである。結晶保持具3の先端には、約30 mm 直径の大きさの単結晶基板12が取り付けられている。
坩堝の側壁部5と融液保持部6、結晶保持具3の一部、常伝導コイル10の一部などは、加減圧、気体13の供給および排気が可能な、一部水冷構造のチャンバー4に収納されており、チャンバー4は気体供給装置(図示せず)、真空ポンプ(図示せず)、排ガス処理装置(図示せず)などと結合されている。チャンバー4は気密性と耐圧性を有しており、内容積は約35000 cm3 であり、材質はステンレス鋼である。チャンバー4には、運転に必要なバルブ、圧力計P、流量計、熱電対挿入口、輻射温度計窓、観察窓などが適宜装着されている。
上記の単結晶の製造装置を概略以下のようにして運転した。
側壁部5と融液保持部6とから構成される坩堝内の自由空間8に、珪素を含む固体原料を約1kg装入した。装入した固体原料は、珪素以外に、炭素と添加金属のMnを含んでいた。単結晶製造装置、高周波電源等の冷却を必要とする部分に、冷却水を供給した。チャンバー4内を約0.13 Pa まで減圧した後、チャンバー4内に不活性ガスとして主にArガスから成る気体13を供給すると共に供給分を排気し、チャンバー4 内の圧力を約0.2 MPa に維持した。
高周波電源を用いて、常伝導コイル10に、周波数10 kHz、出力100 kWの交流電流を供給した。数分で、固体原料は加熱を受けて溶融し、融液9に変化すると共に、融液9は、ドーム状に隆起して、その周囲が坩堝の側壁部5の内壁と接触しないように保持された。同時に、融液9は、電磁撹件の影響を受けて攪拌された。
上記の条件で約5時間運転して、融液中に十分な量の炭素を溶解させた後、6H−SiC単結晶基板12をその(11-20) 方向が結晶保持具3の移動方向に対して平行になるように結晶保持具3に配置した。結晶保持具3の下降を開始し、単結晶基板12がドーム状に隆起した融液9の頂点に接触した時点で、結晶保持具3の下降を停止した。その後、平均約 500μm/h の速度で結晶保持具3を上昇させつつ100 時間の連続運転を行った。その際、引き上げの初期には、引き上げ速度を適宜増減した。その結果、長さ約50 mm 、直径約50 mm の単結晶が得られた。運転中、融液9は、坩堝の融液保持部6および気体13とは常時接触していたが、坩堝の側壁部5と接触することは無かった。
融液9は攪拌されているので、融液9の温度は単結晶の成長部分を除いて均一にすることが可能となり、融液9の表面に多結晶の成長は認められなかった。坩堝の融液保持部6には低温部が存在しないので、この融液保持部6にも多結晶の成長は認められなかった。このように、従来のLPE法と異なり、坩堝内に多結晶が成長することはなく、単結晶基板12にのみ、実用的な成長速度で、棒状の単結晶が成長した。
昇華法および本発明によるLPE法で製造された単結晶を対象に、結晶中の欠陥を表すと考えられるエッチピット密度を測定した。前者では、エッチピット密度は105/cm2 であった。これに対し、後者では103/cm2 程度に減少しており、高品質の単結晶が得られることが分かった。さらに、本発明では、結晶の多形転移も生じておらず、単結晶を製造する上で有効であることが分かった。
第2の実施形態
図3に示す本発明の第2の実施形態の概要について説明する。第1の実施形態との主な違いは次の通りである:
1) 固体原料1を坩堝内に供給するための固体原料供給治具18を設けている、
2) 超伝導コイル15を設けている、
3) 常伝導コイル10は上下に移動可能な機構を備え、上下に移動可能である、
4) 超伝導コイル15、常伝導コイル10、坩堝の側壁部5を透過して融液9の表面に至る光路17が設けられている。
上記の点以外は、使用した単結晶製造装置の構造は本発明の第1の実施形態にほぼ類似していた。超伝導コイルの材質はNbTi合金であった。
この単結晶製造装置は概略、以下のようにして運転される。
側壁部5と融液保持部6から構成される坩堝内の自由空間8に、珪素を含む固体原料1(第1の実施形態で使用したものと同じ)を約1kg装入した。単結晶製造装置、高周波電源等の冷却を必要とする部分に冷却水を供給した。チャンバー4内を約0.13 Pa まで減圧した後、チャンバー4内に主にArガスから成る気体13を供給すると共に、供給分を排気し、チャンバー4内の圧力を約0.2 MPa に維持した。
高周波電源を用いて、常伝導コイル10に周波数10 kHz、出力100 kWの交流電流を供給した。数分で、固体原料1は加熱を受けて溶融し、融液9に変化すると共に、融液9はドーム状に隆起して、その周囲が坩堝の側壁部5の内壁と接触しない状態に保持され、同時に電磁攪拌の影響を受けて、融液9は攪拌された。
続いて、超伝導コイル15を介して、自由空間8に対して水平方向の成分が平均4T の磁束密度の静磁場を与えた。この結果、電磁攪拌に起因して変化する融液9の表面形状は安定化し、軸対称に近い表面形状が得られた。
上記の条件で約5時間運転して、融液中に十分な量の炭素を溶解させた後、6H−SiC単結晶基板12をその(11-20) 方向が結晶保持具3の移動方向に対して平行になるように結晶保持具3に配置した。結晶保持具3の下降を開始し、単結晶基板12がドーム状に隆起した融液9の頂点に接触した時点で結晶保持具3の下降を停止した。この後、平均約500 μm/h の速度で結晶保持具3を500 時間連続して上昇させる運転を行った。引き上げの初期の段階では引き上げ速度を平均引き上げ速度以下にして、単結晶の直径を大きくした。
連続運転の過程で、固体原料供給治具18を用いて、結晶保持具3が0.2 cm上昇する度に、約10gの割合で平均2mm直径程度の固体原料1 (組成はSiのみ)を坩堝に供給した。その際、固体原料1はドーム状に隆起した融液9の1/2 高さ付近に供給すると共に、常伝導コイル10の高さを約25 mm 下げた。この結果、電磁攪拌による融液9における流れ構造が変化し、融液9の表面では、ドームの頂点からドームの裾に向かう、いわゆる表面下降流が形成され、供給された固体原料1は、坩堝の側壁部5に最も近い融液9の位置、即ち、ドームの裾部分に集積した。常伝導コイル10の高さが下降した結果、常伝導コイル10による融液9の加熱効率が低下し、融液9の温度が低下し始めた。温度低下は、坩堝の側壁部5の側壁を介した光路17から検出することができた。そこで、高周波電源の出力を高めて、融液9の温度を直ちに補償することで、融液温度は概略一定に維持された。
ドームの裾部分に集積した固体原料1は、坩堝の側壁部5の冷却壁からの誘導加熱、坩堝の融液保持部6および融液9からの伝導伝熱、輻射伝熱等による加熱効果で、1分程度で溶融し、やがて融液9に取り込まれ、一体となった。
連続運転の結果、長さ約200 mm、直径約50 mm の結晶が得られた。融液9は攪拌されているので、融液9の温度は単結晶の成長部分を除いて均一にすることが可能で、融液9の表面に多結晶の成長は認められなかった。坩堝の融液保持部6には低温部が存在しないので、この融液保持部6にも多結晶の成長は認められなかった。このように、従来のLPE法と異なり、坩堝内に多結晶が成長することはなく、単結晶基板12にのみ、実用的な成長速度で棒状の単結晶が成長した。
昇華法および本発明によるLPE法で製造された単結晶を対象に、結晶中の欠陥を表すと考えられるエッチピット密度を測定した。前者では、エッチピット密度は105/cm2 であった。これに対し、後者では103/cm2 程度に減少しており、高品質のバルク単結晶が得られることが分かった。さらに、本発明では、結晶の多形転移も生じておらず、単結晶を製造する上で有効であることが分かった。
第3の実施形態
図4に示す本発明の第3の実施形態の概要を説明する。第1の実施形態との主な違いは次の通りである:
1)結晶の引き上げ方向を回転軸とする、結晶保持具3を回転させるための結晶保持具回転治具(図示せず)が装着されている、
2)結晶の引き上げ方向を回転軸とする、坩堝の側壁部5と融液保持部6とを概略同じ回転速度で回転させるための坩堝回転治具(図示せず)が装着されている、
3)坩堝の融液保持部6と側壁部5の間隙が高さと共に変化する。
上記の点以外は、概略、本発明の第1の実施形態に類似の単結晶製造装置である。
側壁部5と融液保持部6とから構成される坩堝内の自由空間8に、珪素を含む固体原料(第1の実施形態で使用したものと同じ)を約1kg装入した。単結晶製造装置、高周波電源等の冷却を必要とする部分に冷却水を供給した。チャンバー4内を約0.13 Pa まで減圧した後、チャンバー4 内に主にArガスから成る気体13を供給すると共に、供給分を排気し、チャンバー4 内の圧力を約0.2 MPa に維持した。
高周波電源を用いて、常伝導コイル10に周波数10 kHz、出力90 kW の交流電流を供給した。数分で、固体原料は加熱を受けて溶融し、融液9に変化すると共に、融液9はドーム状に隆起して、その周囲が坩堝の側壁部5の内壁と接触しない状態に保持される、同時に電磁攪拌の影響を受けて、融液9は攪拌された。第1の実施形態に比べて高周波電源が低出力の状態で融液9が得られたのは、水冷された坩堝の側壁部5を介した高温の融液保持部6からの抜熱が緩和されたためと考えられる。
上記の条件で約5時間運転して、融液中に十分な量の炭素を溶解させた後、6H−SiC単結晶基板12を、その(11-20) 方向が結晶保持具3の移動方向に対して平行になるように結晶保持具3に配置した。結晶保持具3を角速度0.63 rad/s、坩堝の側壁部5と融液保持部6をいずれも角速度−0.52 rad/sで回転させた(負の角速度は回転向きが逆であることを意味する)。単結晶基板12を、ドーム状に隆起した融液9の頂点に接触するまで下降させた後、平均約500 μm/h の速度で、結晶保持具3を100 時間連続して上昇させる運転を行った。その結果、長さ約50 mm 、直径約50 mm の結晶が得られた。この間、融液9は坩堝の融液保持部6および気体13とは常時接触していたが、坩堝の側壁部5と接触することは無かった。
融液9は攪拌されているので、融液9の温度は単結晶の成長部分を除いて均一にすることが可能で、融液9の表面に多結晶の成長は認められなかった。坩堝の融液保持部6には低温部が存在しないので、この融液保持部6にも多結晶の成長は認めらなかった。このように、従来のLPE法と異なり、坩堝内に多結晶が成長することはなく、単結晶基板12にのみ、実用的な成長速度で棒状の単結晶が成長した。
昇華法および本発明によるLPE法で製造された単結晶を対象に、結晶中の欠陥を表すと考えられるエッチピット密度を測定した。前者では、エッチピット密度は105/cm2 であった。これに対し、後者では 8×103/cm2 程度に減少しており、LPE法および第1の実施形態より品質が優れていることが分かった。さらに、本発明では、結晶の多形転移も生じておらず、単結晶を製造する上で有効であることが分かった。
第4の実施形態
図5に示す本発明の第4の実施形態の概要について説明する。第1の実施形態との主な違いは次の通りである:
1)坩堝の融液保持部6と側壁部5の間隙が高さと共に変化している、
2)坩堝の側壁部5の高さは第1の実施形態の半分の150 mmである。
上記の点以外は、概略、本発明の第1の実施形態に類似の単結晶製造装置である。
側壁部5と融液保持部6とから構成される坩堝内の自由空間8に、珪素を含む固体原料(第1の実施形態で使用したものと同じ)を約1kg装入した。単結晶製造装置、高周波電源等の冷却を必要とする部分に冷却水を供給した。チャンバー4内を約0.13 Pa まで減圧した後、チャンバー4 内に主にArガスから成る気体13を供給すると共に、供給分を排気し、チャンバー4 内の圧力を約0.2 MPa に維持した。
高周波電源を用いて、常伝導コイル10に周波数10 kHz、出力80 kW の交流電流を供給した。数分で、固体原料は加熱を受けて溶融し、融液9に変化すると共に、融液9はドーム状に隆起して、その周囲が坩堝の側壁部5の内壁と接触しない状態で保持され、同時に電磁攪拌の影響を受けて、融液9は攪拌された。第1の実施形態に比べて高周波電源が低出力の状態で融液9が得られたのは、冷却されている坩堝の側壁部5を介した高温の坩堝の融液保持部6からの抜熱が緩和されたためと、融液9と常伝導コイル10との間に坩堝の側壁部5が存在しない領域があり、常伝導コイル10により融液9が直接誘導加熱されるためであると考えられる。
上記の条件で約5時間運転して、融液中に十分な量の炭素を溶解させた後、6H−SiC単結晶基板12をその(11-20) 方向が結晶保持具3の移動方向に対して平行になるように結晶保持具3に配置した。結晶保持具3の下降を開始し、単結晶基板12がドーム状に隆起した融液9の頂点に接触した時点で結晶保持具3の下降を停止した。その後、約500 μm/h の速度で結晶保持具3を100 時間連続して上昇させる運転を行った。その結果、長さ約50 mm 、直径約50 mm の結晶が得られた。この間、融液9は坩堝の融液保持部6および気体13とは常時接触していたが、坩堝の側壁部5と接触することは無かった。
融液9は攪拌されているので、融液9の温度は単結晶の成長部分を除いて均一にすることが可能で、融液9の表面に多結晶の成長は認められなかった。坩堝の融液保持部6には低温部が存在しないので、この融液保持部6にも多結晶の成長は認めらなかった。このように、従来のLPE法と異なり、坩堝内に多結晶が成長することはなく、単結晶基板12にのみ、実用的な成長速度で棒状の単結晶が成長した。
昇華法および本発明によるLPE法で製造された単結晶を対象に、結晶中の欠陥を表すと考えられるエッチピット密度を測定した。前者では、エッチピット密度は105/cm2 であった。これに対し、後者では103/cm2 程度に減少しており、高品質の単結晶が得られることが分かった。さらに、本発明では、結晶の多形転移も生じておらず、単結晶を製造する上で有効であることが分かった。
第5の実施形態
図6に示す本発明の第5の実施形態の概要について説明する。第1の実施形態との主な違いは次の通りである:
1 )坩堝の融液保持部6と側壁部5の間隙が高さと共に変化している、
2 )坩堝の側壁部5の高さは第1の実施形態の半分の150 mmである、
3 )常伝導コイル10の巻き半径が高さと共に変化する。
上記の点以外は、概略、本発明の第1の実施形態に類似の単結晶製造装置である。
側壁部5と融液保持部6とから構成される坩堝内の自由空間8に、珪素を含む固体原料(珪素以外に、炭素と添加金属としてTiを含有)を約1kg装入した。単結晶製造装置、高周波電源等の冷却を必要とする部分に冷却水を供給した。チャンバー4内を約0.13 Pa まで減圧した後、チャンバー4内に主にArガスから成る気体13を供給すると共に、供給分を排気し、チャンバー4内の圧力を約0.2 MPa に維持した。
高周波電源を用いて、常伝導コイル10に周波数10 kHz、出力70 kW の交流電流を供給した。数分で、固体原料は加熱を受けて溶融し、融液9に変化すると共に、融液9はドーム状に隆起して、その周囲が坩堝の側壁部5の内壁と接触しない状態に保持され、同時に電磁攪拌の影響を受けて、融液9は攪拌された。第1の実施形態に比べて高周波電源が低出力の状態で融液9が得られたのは、冷却された坩堝の側壁部5を介したより高温の坩堝の融液保持部6からの抜熱が緩和されたことと、融液9と常伝導コイル10との間に坩堝の側壁部5が存在しない領域があり、常伝導コイル10により融液9が直接誘導加熱されたことと、融液9と常伝導コイル10との間の距離の小さい部分が存在するためであると考えられる。
上記の条件で約5時間運転して、融液中に十分な量の炭素を溶解させた後、6H−SiC単結晶基板12をその(11-20) 方向が結晶保持具3の移動方向に対して平行になるように結晶保持具3に配置した。結晶保持具3の下降を開始し、単結晶基板12がドーム状に隆起した融液9の頂点に接触した時点で結晶保持具3の下降を停止した。その後、約500 μm/h の速度で結晶保持具3を100 時間連続して上昇させる運転を行った。その結果、長さ約50 mm 、直径約50 mm の結晶が得られた。この間、融液9は、坩堝の融液保持部6および気体13とは常時接触していたが、坩堝の側壁部5と接触することは無かった。
融液9は攪拌されているので、融液9の温度は単結晶の成長部分を除いて均一にすることが可能で、融液9の表面に多結晶の成長は認められなかった。坩堝の融液保持部6には低温部が存在しないので、この融液保持部6にも多結晶の成長は認められなかった。このように、従来のLPE法と異なり、坩堝内に多結晶が成長することはなく、単結晶基板12にのみ、実用的な成長速度で棒状の単結晶が成長した。
昇華法および本発明によるLPE法で製造された単結晶を対象に、結晶中の欠陥を表すと考えられるエッチピット密度を測定した。前者では、エッチピット密度は105/cm2 であった。これに対し、後者では103/cm2 程度に減少しており、高品質の単結晶が得られることが分かった。さらに、本発明では、結晶の多形転移も生じておらず、単結晶を製造する上で有効であることが分かった。
以上に、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、上述した実施形態に対して各種の変更を加えることができる。以下に、そのような変更例について説明する。
(a) 融液表面の隆起形状の付与
本発明では、坩堝の周囲に配置した常伝導コイル10の作用により、坩堝内に供給された固体原料を加熱・溶融して融液9を形成すると同時に、形成された融液9をローレンツ力によりドーム状に隆起させて、融液9を坩堝の側壁部5の内壁と接触しない状態に保持することが可能となる。この常伝導コイル10は、図示例では、一つに繋がった多重螺旋構造のコイルであったが、複数の分離した円形コイルを離間して上下に重なるように配置し、各コイルを電源に接続する構造とすることもできる。その場合、坩堝の側壁部5の形状、高さ、結晶保持具3の形状、単結晶の形状に応じて、融液9、坩堝の融液保持部6の一部あるいは全部、結晶保持具3の一部、単結晶等を効果的に加熱できる場所に、常伝導コイル10を、必要に応じて分割して、配置してもよい。
常伝導コイル10は、図示例のように、坩堝の側壁部5の外周に配置されることが多いが、坩堝の側壁部5と2点以上の位置で、あるいは融液9や結晶保持具3と接触していなければ、必ずしも坩堝の側壁部5の外周に配置する必要はない。例えば、常伝導コイルの少なくとも一部を、坩堝の側壁部5の上方や内部に配置することも可能である。
坩堝内に融液9をより安定した状態で保持するために使用される超伝導コイル15は、クライオスタットの内部に保持され、励磁電源より電流が供給されると直流の高磁場を発生することができる。超伝導コイル15は、液体ヘリウムを用いない冷凍機直冷方式で運転され、内径200 mmで6T 程度の磁束密度が得られる。単結晶製造装置が大きい場合は、複数の超伝導コイル15を使うことにより、融液9の全体に対して必要な磁束密度を発生させても良い。超伝導コイル15は、半径方向では常伝導コイル10の外側、高さ方向では、概略、融液9の高さと一部または全部重なる領域に配置される。
全ての図示例において、坩堝の側壁部5は、高さと共にその断面積が変化しない形態を示したが、下方に収斂して底面に開口部を持たない構造 (融液保持部は上から挿入する) 、中間高さで断面積が拡大する構造、円形断面以外の矩形、多角形等断面などの、多様な形状が考えられる。従って、本発明では坩堝の側壁部5の構造、形状は限定されない。
また、坩堝の側壁部5と融液保持部6、結晶保持具3、常伝導コイル10、超伝導コイル15といった装置の各部材の材質は、上記以外のものに変更することも可能である。例えば、坩堝の側壁部5の材質は、銅以外に、銀、アルミニウム等とすることもできる。
(b) 融液の攪拌
融液9の隆起高さに比べて極端に巻き高さが高くない常伝導コイル10を用いれば、融液9を攪拌することができる。固体原料の坩堝への追加供給に対応して電磁攪拌の向きを変える必要が生じた場合は、融液9と常伝導コイル10の相対位置を変えて、ローレンツ力の分布を変化させ電磁攪拌の向きを変えることができる。第2の実施形態では、常伝導コイル10を昇降させる例を示したが、常伝導コイル10の高さを固定して、坩堝の融液保持部6を坩堝の側壁部5および結晶保持具3と共に昇降させることによっても、電磁攪拌の向きを変えることができる。
(c) 固体原料の追加供給
第3の実施形態として、初期の融液9の組成を一定に維持するため、装置の運転中に固体原料1を坩堝内に追加供給する例を示した。この固体原料は、事前に整粒され、ホッパーで秤量して、融液9の表面の所定の位置に供給することができる。
融液9の表面には、坩堝の側壁部5の内壁に沿って下降し、融液9の表面に沿って上昇する熱対流が生じている。固体原料1の粒度が小さい場合は、融液9の表面に沿って上昇する熱対流によって気体13と共に坩堝外に飛散する。逆に大きい場合は、固体原料1が坩堝外に飛散することは無いが、比表面積が小さいために溶融して融液9と一体になるまでに時間を必要とする。また、融液9の流れ構造が変化し、融液9の形状が不安定になることもある。このため、追加供給する固体原料1の好ましい粒度が存在し、好ましい粒度は、坩堝の大きさ、融液9の体積、高周波の周波数などによって異なる。内径100 mmの坩堝の側壁部5の場合、固体原料1の粒度としては0.01〜20 mm の範囲が好ましい。
(d) 融液の測温
融液9の表面温度を測定するためには、光路17が、坩堝の側壁部5の側壁、常伝導コイル10および超伝導コイル15を貫通して設けられていることが好ましい。多重螺旋構造の常伝導コイル10の間隙が狭い場合、あるいは超伝導コイル15が分割できず、間隙を設けることができない場合は、光ファイバーあるいはプリズム等を介して光路17を適宜曲げて、直線でない光学系を構成しても良い。しかし、融液9の表面温度を測定するには、坩堝の側壁部5を貫通する光路17を設ける必要がある。
坩堝の側壁部5を貫通する光路17の幅はスリット11の幅に等しい。スリット11の幅は、坩堝の側壁部5の内側 (融液側) と外側 (常伝導コイル側) とで、或いはスリットの長さ方向において、必ずしも一様で同じとする必要はなく、変化していてもよい。光学測定の観点からは、スリット11の幅は、内側で狭く、外側に向かって拡大していることが好ましい。
坩堝の側壁部5の側壁を貫通する光路17を兼ねるスリット11の幅が広すぎると、結晶製造の停止など非定常の場合に、融液9がスリット11を通って坩堝の側壁部5の外に流出する問題が生じる。逆に、スリット11の幅が狭すぎると、測温に必要な光量が得られない問題が生ずる。その意味から、坩堝の側壁部5に設けたスリット11の幅は、側壁部の内側で概ね 0.1〜2 mm 程度、外側で0.2 mm〜坩堝の側壁部5の壁厚さと同程度である。
本発明の第1の実施形態を模式的に示す縦断面図である。 坩堝構造を一部透視的に示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態を模式的に示す縦断面図である。 本発明の第3の実施形態を模式的に示す縦断面図である。 本発明の第4の実施形態を模式的に示す縦断面図である。 本発明の第5の実施形態を模式的に示す縦断面図である。
符号の説明
1 :固体原料 10:常伝導コイル
3 :結晶保持具 11:スリット
4 :チャンバー 12:単結晶基板
5 :坩堝の側壁部 13:気体
6 :坩堝の融液保持部 14:セグメント
7 :開口部 15:超伝導コイル
8 :自由空間 17:光路
9 :融液 18:固体原料供給治具

Claims (13)

  1. 坩堝内で加熱された珪素と炭素とを含むSiC単結晶原料の融液に結晶保持具により保持された種結晶を接触させ、前記融液から種結晶を引き上げることによりSiC単結晶を成長させるSiC単結晶製造方法であって、
    前記坩堝は、
    黒鉛質の材料からなり、前記融液の少なくとも底面と接して前記融液を下から支える融液保持部と、
    導電性材質からなり、前記融液の側周面を包囲する側壁部とから構成され、
    前記坩堝の外周には常伝導コイルが配置され、
    当該常伝導コイルに交流電流を通電することにより誘起されるローレンツ力によって前記坩堝内の融液をドーム状に隆起させることで前記融液の側周面を前記側壁部から離間させ、
    前記融液の側周面に対向する加熱手段によって前記融液の側周面を加熱しながら、
    隆起した融液の頂点付近に種結晶を接触させて種結晶上にSiC単結晶を成長させることを特徴とする、SiC単結晶製造方法。
  2. 前記融液保持部の上面が、前記側壁部から距離をおいて凹部を有する請求項1記載のSiC単結晶製造方法。
  3. 前記加熱手段が前記常伝導コイルであって、当該常伝導コイルへの通電に基づくジュール熱によって前記融液の側周面が加熱されるとともに、
    前記常伝導コイルへの通電により前記融液が電磁攪拌される、請求項1または2記載のSiC単結晶製造方法。
  4. 前記常伝導コイルの外周に配置された超伝導コイルに直流電流を供給して静磁場を形成させた状態でSiC単結晶を成長させる、請求項1〜3のいずれかに記載のSiC単結晶製造方法。
  5. SiC単結晶の成長中に、珪素または珪素と炭素とからなるSiC単結晶成長用の固体原料を前記融液に追加供給する、請求項1〜4のいずれかに記載のSiC単結晶製造方法。
  6. 光学手段により融液温度を測定し、その値に基づき融液の温度を調整する、請求項1〜5のいずれかに記載のSiC単結晶製造方法。
  7. 前記SiC単結晶成長が不活性ガス雰囲気下で行われる、請求項1〜6のいずれかに記載のSiC単結晶製造方法。
  8. SiC単結晶原料の融液を保持する坩堝と、
    前記融液に種結晶を接触させてSiC単結晶を成長させ、融液よりSiC単結晶を引き上げる結晶保持具と
    坩堝内を加熱する加熱手段と、
    交流電流により前記融液を隆起させるローレンツ力発生手段とを備え、
    前記坩堝が、
    黒鉛質の材料からなり、前記融液の少なくとも底面と接して前記融液を下から支える融液保持部と、導電性材質からなり、前記融液の側周面を包囲する側壁部とから構成される
    ことを特徴とする、SiC単結晶製造装置。
  9. 前記側壁部の周囲に多重螺旋構造の常伝導コイルが配置され
    前記側壁部は常伝導コイルと略直交方向に複数のスリットを有し、
    該常伝導コイルと該側壁部との組み合わせにより前記加熱手段および前記ローレンツ力発生手段を構成し、
    さらに側壁部を冷却する手段を有する、
    請求項8記載のSiC単結晶製造装置。
  10. 前記融液保持部の上面が、前記側壁部から距離をおいて凹部を有する請求項8または9記載のSiC単結晶製造装置。
  11. 常伝導コイルの外周に超伝導コイルが配置された、請求項9または10記載のSiC単結晶製造装置。
  12. 前記融液保持部と前記側壁部とが略鉛直方向を回転軸として略同じ速度で回転可能であり、結晶保持具も回転可能である、請求項8〜11のいずれかに記載のSiC単結晶製造装置。
  13. 常伝導コイルおよび/または超伝導コイルと単結晶成長部との相対的な上下位置が変更可能である、請求項8〜12のいずれかに記載のSiC単結晶製造装置。
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