JP4388012B2 - 装着型刺針技術習得用疑似腕部 - Google Patents

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Description

本発明は、医師や看護師が採血や注射などの際に患者の腕の血管内もしくは肉組織に針を差し込む「刺針」技術を習得するために用いて好適な装着型刺針技術習得用疑似腕部に関するものである。
従来、医師や看護師が採血や注射などの際に患者の腕の血管内もしくは肉組織に針を差し込む「刺針」技術を習得するための器具として、数種の製品が知られている(例えば、株式会社京都科学から市販されている「装着式採血・静脈注射シミュレータ“フィット”5個組」)。このシミュレータは、内部に血管が埋設された肉厚な軟質樹脂を、例えば、学生の腕の前面に位置させて、バンドにて固定して使用する構成となっている(非特許文献1)。
株式会社京都科学ホームページhttp://www.kyotokagaku.jp「装着式採血・静脈注射シミュレータ"フィット"5個組」
しかしながら、前記非特許文献1に開示の刺針技術習得用の器具は、全体として厚板ブッロク形状であり、そのブロックをバンドにより患者役の人間の腕に固定して使用する。形状が厚板ブロック形状であるため、患者役の人間の腕部への固定が不安定になるという問題点があった。また、厚板ブロック形状であるため、患者役の人間の腕部の表面から刺針位置が離れており、実際の医療現場での採血や注射における緊迫した状況からかけ離れており、習得時の真剣度を低減させる傾向があった。また、皮膚や肉組織や血管を軟質樹脂を用いて擬似的に形成しているが、この樹脂の硬さが実際の人体の組織の硬さよりかなり硬いため、刺針時の押入力が現実の人体の腕部血管に刺針するときの押入力と異なることになり、練習による技術習得が実際に適合したものになりにくいという問題もあった。
したがって、医療、看護教育の現場では、採血や注射などにおける患者の腕部血管への刺針技術を習得するための練習用器具として、より実際の状態に近い練習用器具の開発が要望されているのが、現状である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題は、患者役の人間あるいはマネキンの腕部に簡単に且つ安定的に固定することができ、また取り付けた腕部に近接した位置に刺針練習位置があり、刺針練習部位の疑似肉組織や疑似血管の硬さや構造が実際の人体の腕部に近似した刺針技術習得用の疑似腕部を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明にかかる装着型刺針技術習得用疑似腕部は、腕部に巻着可能な可撓性支持層と、前記可撓性支持層の一方の表面上に積層されている中間層と、前記中間層の上に着脱可能に積層されている疑似肉組織層と、前記疑似肉組織層内に配置されている疑似血管と、を有し、前記疑似肉組織層が、互いに所定の間隔をあけて前記中間層の上に着脱可能に配置されている複数の分割片からなり、前記複数の分割片間に前記疑似血管が配置され、前記疑似血管が配置された前記疑似肉組織層上に疑似皮膚層が積層されている、ことを特徴とする。
疑似血管を配設する疑似肉組織をシート状とすることで、患者役の人体もしくは等身大のマネキンなどの腕部に巻着することが可能になり、その結果、安定的に固定され、しかも患者役の人体あるいはマネキンなどの腕部のごく近くに疑似血管を配置させることが可能になり、練習動作をより実際の採血もしくは注射時の動作に近づけることができる。
前記疑似肉組織層に疑似血管を配設するには、シート状の疑似肉組織層の裏面に開口する溝を形成し、この溝に疑似血管を埋め込むことによって可能としてもよい。あるいは、疑似肉組織を必要な形状に複数個に分割し、それら複数の疑似肉組織層片(分割片)の間に疑似血管を配置することによっても可能である。前者の場合は、疑似肉組織層の表面側は平坦な一つの面を構成しており、そのままで表面に皮膚が形成されている状態と見なせるので、その上にさらに疑似皮膚層を形成しなくてもよい。これに対して、後者の場合は、疑似肉組織層が分割され、各疑似肉組織層間に配置された疑似血管は表面に露出した状態であるので、表面に疑似皮膚層を積層する必要がある。
前記疑似血管の配設方向は、本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部を人体もしくはマネキンなどの腕部に取り付けた時に腕部の実際の血管と同じように腕の長手方向に沿うように設定する。また、疑似血管の配置本数は1本以上必要に応じて設定すればよい。また、複数本設ける場合、同じ太さのチューブを用いてもよいし、太さや、管の肉厚を異ならせて設けても良い。太さや管の肉厚を異ならせることにより、一つの装着型刺針技術習得用疑似腕部に年齢や性別その他の条件で様々に異なる実際の人体腕部の血管状態を同時に擬似的に反映させることが可能となる。
前記疑似肉組織層および疑似血管は、実際の人体の組織層および血管に近似させた物理的特性および寸法に形成されているので、刺針に失敗した時には、針が疑似肉組織層や疑似血管を貫通してしまう虞がある。それに対応するために、前記疑似肉組織の裏面に針の貫通を阻止する針貫通防止層を形成しておくことが望ましい。
さらに、前記針貫通防止層の裏面に柔軟な支持層を設け、前記針貫通防止層、疑似肉組織、疑似血管、疑似皮膚層を一体的に支持することが好ましい。この構造では、前記支持層を人体もしくはマネキンなどの腕部に充分巻き付けることができるように幅広にしておき、この支持層に、前述のように、針貫通防止層、疑似肉組織、疑似血管、疑似皮膚層を一体的に固定するようにすれば、前記針貫通防止層、疑似肉組織層、疑似皮膚層の各層は、人体もしくはマネキンなどの腕部の前面側を覆うだけの幅にすることも可能であり、本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部の軽量化を図ることができる。なお、前記針貫通防止層、疑似肉組織、疑似血管、疑似皮膚層などの各部材を、後述の中間層が積層された前記支持層へ固定する場合には、着脱可能な両面テープを用いて前記中間層に固定することが好ましい。着脱可能な両面テープを用いて固定すれば、損耗の激しい部位の交換が可能になり、交換作業も容易に行うことができる。部材の交換を行うことで、本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部の製品寿命を向上させることができ、経済的である。
またさらに、前記支持層の裏面に柔軟な腕部接触層を積層してもよい。この柔軟な腕部接触層を設けることによって、患者役として学生などの人間がその腕部に本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部を装着する場合の快適さをもたらすことができる。なお、本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部をマネキンなどの人型模型の腕部に巻着、固定して学習する場合には、前記腕部接触層を特に設ける必要はない。
本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部は、人体もしくはマネキンなどの腕部に巻き付けて使用するため、巻き付けた状態で固定する巻着固定手段を端部に設けておく。この巻着固定手段は、前記支持層の上下端部、さらには中間の端部に設けることが望ましい。具体的には、例えば、バンドと面ファスナーとを組み合わせて巻着固定手段を構成することができる。
前記疑似肉組織を構成する材料としては、人体の肉組織の硬度や粘弾性などの物理的特性を擬似的に再現できる材料が望ましく、弾性材料と知られているエラストマーを好ましくは用いることができる。エラストマーとは弾性高分子材料を意味し、天然、合成ともに利用可能である。天然のものとしては、天然ゴムが挙げられ、合成のものとしては、ネオプレンゴムなどの合成ゴム、ポリウレタンなどの合成樹脂が挙げられる。
これらのエラストマーから構成する前記疑似肉組織の硬度や粘弾性は、ある程度の幅を持って設定してもよいし、それらの平均的な値に設定しても良い。ある程度の幅とは、実際の人体の腕の肉組織は、年齢、男女差や、生活環境などの影響によって、硬度も粘弾性も一定ではないからである。例えば、老人の腕部の肉組織は、弾性がなくなる一方で硬くなったり、逆に流動性が高くなったりする。しかも血管が細くなり、血管壁の弾性がなくなる。そのため、採血や注射のための刺針作業が大変難しいものとなる。このような状態にも対応できるように学習するためには、本発明においては、シート状の疑似肉組織層の粘弾性を低くするなどが必要になるが、材料としてエラストマーを用いるので、そのような調整が容易である。最近では、ゼリー状の物理的特性を有する樹脂も開発されており、そのようなゼリー状の樹脂から疑似肉組織層を構成すれば、かなり難度の高い刺針練習を行うことが可能となる。
前記疑似血管を構成する材料としては、可撓性ポリマーチューブを用いる。この可撓性ポリマーには前記疑似肉組織に用いたエラストマーも含まれるものとする。エラストマーチューブの他に、シリコンゴム製のチューブ、塩化ビニル樹脂製のチューブも使用可能である。エラストマーチューブなどから構成する疑似血管の物理的特性も、前記疑似肉組織の場合と同様に、刺針作業の難易度に応じて、様々に設定、調整しても良いし、平均的な値に調整しても良い。
前記疑似皮膚層を構成する材料としては、可撓性ポリマーフィルムを好ましくは使用する。この可撓性ポリマーには、前記エラストマーも含まれるものとする。エラストマーフィルムの他に、ポリエチレンフィルムなども使用可能である。
前記針貫通防止層の構成材料としては、刺針に使用する針の外形寸法より小さい径のメッシュサイズの金網材を好ましくは用いることができる。その他の材料としては、可撓性がありながら密度の高い難貫通性のゴムやプラスチック、さらには可撓性の金属板も使用可能である。最も好適には、前記金網材が使用できる。金網材の特徴は、可撓性が有り、湾曲変形が容易であること、また、金網の小さな目によって針の貫通を防止するとともに、針先を目で捕らえて、横方向に逸れることを防ぐことができるからである。このような効果は可撓性でありながら、密度の高いゴムを使うことによって可能となるが、密度の高いゴムの場合、非貫通性が高いと言ってもある程度の厚みが必要であり、密度が高いため重量も増えることになる。それに比較して金網材は、厚みが薄くでき、多孔性である分だけ軽量化を図ることができる。この金網材にゴム溶液を塗布し、乾燥させることにより、金網材の目にゴムを充填しておいてもよい。このようにすることにより、さらに針の貫通阻止能を高めることもでき、ゴムの滑り止め性により前記支持層や疑似肉組織層、疑似血管の固定も容易になる。また、このゴム溶液として接着性のあるものを使用して、ゴムの乾燥と、前記支持層や疑似肉組織、疑似血管の固定とを同時に実現することも可能である。
前記支持層の構成材料としては、人体などの腕部に巻き付け、フィット可能な可撓性があれば、どのような材料であっても良いが、可撓性に加えて柔軟性があることが望ましい。シート状の皮革、ゴムシート、布製のシート、不織布製のシートなどを用いることができる。巻き付けやすさ、良好なフィット性を同時に満足させるものとして、発泡ゴムシートが好適である。この発泡ゴムシートとしては表面に繊維が積層されて引き裂き強度などの物理的強度が補強されたものがより好ましい。
前記腕部接触層の構成材料としては、布織物や不織布、あるいはこれらを表面に貼り付けた柔軟な発泡樹脂シートなどの肌触りがよく、柔らかい材料が好ましい。
前記説明では、支持層の上に針貫通防止層を設け、この貫通防止層の上に疑似肉組織と疑似血管を設け、必要に応じて最上層に疑似皮膚層を設けた3層もしくは4層構造を説明したが、前記針貫通防止層と、前記疑似肉組織層および疑似血管との間に中間層を設けることが好ましい。本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部の最低積層構造は、疑似血管と、この疑似血管を保持するシート状の疑似肉組織層と、前記疑似血管および疑似肉組織層とを支持する中間層と、これらを支持するとともに人体等の腕部に巻き付ける役目を果たす支持層とからなる層構造である。前記針貫通防止層は望ましくはあった方がよいが、支持層の構成材料を選択することにより針貫通防止機能を併有可能であるので、必須ではない。また、疑似肉組織層への疑似血管の配設を前記疑似肉組織層の裏面に開口する配設用の溝を用いることにより行えば、前記疑似肉組織層の表面部分が連続した一つの面となり、この面に疑似皮膚層を兼ねさせることができるので、その場合は前記疑似皮膚層は必須ではない。
本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部は、人体やマネキンなどの腕部の太さに応じて、その周長(幅寸法)を調整可能とすることが望ましい。その手段としてバンドに組み合わせる面ファスナーの取り付け位置に幅を持たせて、固定位置を自由に選択できる構成にすることが考えられる。その他に、ズボンなどのバンドと同様に、バックルと複数の係止用の孔が穿設されたベルトを巻着固定手段として用いることも考えられる。その他に、支持層シートを筒状に形成しておき、その筒状の寸法を装着対象である腕部の太さに合わせて、例えば、大、中、小の3種類程度の各種サイズに準備し、装着する対象の腕部の太さに応じて使い分けることによって対応することも考えられる。このように支持層を筒状とした場合は、患者役の人体もしくはマネキンの腕部を筒状をなす支持層内に差し込むようにして装着することになる。そのような装着形態も本発明では巻着という意味内容に含むものとする。
本発明にかかる装着型刺針技術習得用疑似腕部は、患者役の人間あるいはマネキンの腕部に簡単に且つ安定的に固定することができ、また取り付けた腕部に近接した位置に刺針練習位置があり、刺針練習部位の疑似肉組織や疑似血管の硬さや構造が実際の人体の腕部に近似させることができる。したがって、本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部を用いることによって、医療、看護教育の現場において、採血や注射などにおける患者の腕部血管への刺針技術を習得するための練習を、実際の現場に近い状態で実施することが可能になり、練習によって習得する刺針技術のレベルをより向上させることができる。
以下に、本発明にかかる装着型刺針技術習得用疑似腕部の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明にかかる装着型刺針技術習得用疑似腕部の一実施形態例を示す斜視図である。この装着型刺針技術習得用疑似腕部は、人体またはマネキンなどの腕部の太さに合わせて周方向の長さを調整できるようにした巻着固定手段によって人体またはマネキンなどの腕部に取り付けて、刺針練習に供される。この図1に示す装着型刺針技術習得用疑似腕部は、いわゆるフリーサイズ型である。
図2は、本発明に係る装着型刺針技術習得用疑似腕部の他の実施形態例を示す斜視図である。この装着型刺針技術習得用疑似腕部は全体として筒状に形成されており、装着する腕部の太さに合わせて数種類のサイズ(例えば、LL、L、M、Sサイズ)のものを用意する形態の製品である。
図3は、図1に示したフリーサイズ型の装着型刺針技術習得用疑似腕部の平面図であり、図4は、図1のA−A’線に沿う断面図である。また、図5は、図2に示したサイズ固定型の装着型刺針技術習得用疑似腕部の平面図であり、図6は、図2のB−B’線に沿う断面図であり、図2のサイズ固定型の装着型刺針技術習得用疑似腕部を採血机などの平面15上に置いた状態を想定して示している。
前記図1のフリーサイズ型の装着型刺針技術習得用疑似腕部と、図2のサイズ固定型の装着型刺針技術習得用疑似腕部との違いは、フリーサイズ型では巻き付けてから固定するため、外形筒状であるが、展開すると両端を有するシート形状となっているのに対して、サイズ固定型では始めから筒体に形成されており、使用時には人体やマネキンなどの腕部を挿入するようにして取り付ける点が異なる。その他の構成は、同様であるので、以下の説明では、両型式の積層構成および使用材料について同一符号を付して同時に説明することとする。
図中、符号1,2は気泡入りネオプレンゴム製の支持層である。この支持層1,2は例えば0.3cmの厚みを有するネオプレンゴムシートから構成する。支持層1では装着対象の腕部の周方向をほぼ覆える幅寸法に裁断されている。一方のサイズ固定型における支持層2は筒状に成形されて筒体となっている。各支持層1,2の上面には液体ゴムを塗布した60メッシュの真鍮金網からなる針貫通防止層3が積層されている。この針貫通防止層3は前記支持層1,2の全周に配設されるのではなく、後述の疑似血管6が位置する領域を広めにカバーする領域に配置されて固定されている。この針貫通防止層3が配設された支持層1,2の上面に前記針貫通防止層3を覆い隠すように気泡入りネオプレンゴム製の中間層4が積層されている。この中間層4の積層領域は少なくとも前記針貫通防止層3を覆い隠す程度の領域であればよく、前記支持層1,2の全領域を覆う必要はない。前記中間層4の役目は、前記針貫通防止層3の固定を確実にするとともに、後述の疑似肉組織層5と疑似血管6とを同一面に偏り無く配置させることにある。
前記中間層4の上には、疑似肉組織層5と疑似血管6とが配設されている。前記疑似肉組織層5は0.2cm厚の気泡入りネオプレンゴムシートから形成されており、複数に分断されている。複数の分断された各疑似肉組織層5の分割片と分割片との間には0.3cm程の間隔が空けられ、その間に疑似血管6が配置されている。この疑似血管6は、透明シリコンゴム製のチューブから構成されており、チューブの寸法は、外径0.3cm、内径0.2cm、肉厚0.05cmである。
前記疑似肉組織層は全体として前記中間層4とほぼ同じ面積寸法に裁断され、前記中間層4に重なるように配置されている。前記疑似血管6を層内に固定した疑似肉組織層の上には、厚さ0.05の天然ゴムシートからなる疑似皮膚層7が積層されている。
図7は、図6においてC,D,E,Fの各点をつなぐ鎖線で囲まれた要部を拡大して示した図である。この図7によって、前記積層構造がより明確に確認できる。
なお、図示していないが、前記支持層1,2の内側(裏面)には、柔らかな織物、不織布、あるいは表面に布などが貼り付けられたネオプレーンゴムシートなどからなる腕部接触層を積層しておくことが望ましい。これによって、本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部を人体の腕部に装着した時に硬い圧迫感などの不快感を与えずに済むからである。
図1のフリーサイズ型の装着型刺針技術習得用疑似腕部は、筒体でなく、ほぼシート状をなしており、人体などの腕部に巻着、固定して使用の準備が整うことになるので、巻着固定手段8が必要である。この巻着固定手段8は、一組で使用する凹面側面ファスナー9aと面ファスナー凸面側面ファスナー9bとから構成されている。凹面側面ファスナー9aは前記支持層1の一端側に取り付けられ、凸面側面ファスナー9bは前記支持層の他端側に取り付けられている。図では、取り付け位置は支持層1の長手方向の上部、中間部、下部の3ヶ所に取り付けられている。一方の凹面側面ファスナー9aが端部から延出するように長い寸法に形成されており、これによってフリーサイズな巻着が可能になっている。
前記疑似皮膚層7、疑似血管6は、繰り返し刺針されるので、経時的に疲労、損傷する。場合によっては、疑似肉組織層5も損傷することがある。それらの損傷の激しい部材を交換すれば、製品の寿命が延びるので、前記中間層4上に配設する疑似肉組織層5、疑似血管6、疑似皮膚層7の固定は、容易に着脱できる手段によって行うことが望ましい。例えば、両面テープなどの、貼り付け、剥がしを容易に繰り返すことのできる粘着剤製品を用いることができる。
例えば、前記両面テープは、交換用として、図8に示すように、疑似肉組織層5の分割片の形状に裁断したテープ片10,11,12を用意する。また、交換部材のセットには、図9に示すように疑似血管の交換用のシリコンゴムチューブ13も含めることが望ましい。さらに、この交換用部材のセットには、図10に示すように疑似皮膚層の交換用の天然ゴムシート14も同梱することが好ましい。
(評価)
前記構成の装着型刺針技術習得用疑似腕部の性能を評価するために、疑似血管6への刺入圧を計測した。比較のために前記非特許文献1に開示の市販製品の刺入圧も同時に計測した。この計測には、株式会社エイエムアイ・テクノ製接触圧測定器を使用した。注射針にはテルモ社22ゲージRBの新針を使用した。刺入回数は各144回であった。その結果、本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部の平均刺入圧は、3.99kPaであり、市販製品の平均刺入圧は7.84kPaであった。本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部の前記実施形態例における血管刺入圧が3.99kPaであり、実際の人体の腕部の血管への平均刺入圧は1.86kPaであるので、より人体の血管への刺入圧に近い値となっている。この刺入圧は、前述の疑似皮膚層7と疑似血管6とを構成する材料の厚みや硬度を調整することによって、さらに実際の人体における刺入圧に近づけることが可能である。したがって、この評価試験によって、従来製品に比べて、刺針圧という定量的測定によっても、人体のシミュレートの程度が大変高く、それによって、高度な刺針技術を習得することが可能になることが確認できた。
また、本実施形態例の装着型刺針技術習得用疑似腕部を採血熟練看護師に使用してもらい、その使用感をアンケート調査した。そのアンケート結果から実際の人体に実施した刺針時の圧感触と大差ない圧感触が得られることが確認された。
以下、前記構成の実施形態例に即して、本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部の作用効果を整理してみる。
従来の製品では、針の貫通防止のために、硬質プラスチックが使用されていたが、本発明では、真鍮金網を用いた薄く軽量で湾曲容易な針貫通防止層3を用いている。その結果、製品の軽量化、薄層化と、針貫通防止機能の向上とが両立できる。
また、支持層1,2、中間層4、疑似肉組織層5に、軽くて柔軟な気泡入りネオプレンゴムを用いているため、全体として、人体の腕部への巻き付け、装着が容易になっている。また、支持層1の厚みが0.3cm、中間層4の厚みが0.15cm、疑似肉組織層5の厚みが0.2cm、疑似皮膚層7の厚みが0.05cmで、合計0.7cmであり、疑似血管6を含めても、最も厚いところで、0.8cm以下となっている。このような薄さに形成したため、人体の腕部に巻着した場合でも、実際の腕部の太さと大差ない状態が実現できる。その結果、刺針練習が実際の人体への採血、注射時の刺針動作とほとんど同じリアルな状態を学習環境として準備できることになる。その結果、刺針練習に参加する学習者に適度な緊張感を与えることができ、刺針技術の習得に学習者を集中させ、学習に要する時間を短縮化し、学習の質的な向上を促進することができる。
図8〜図10に示したように、疑似皮膚層7、疑似血管6、疑似肉組織層5の交換部材と、これらを接着固定するための両面テープ裁断片を提供すれば、刺針の繰り返しにより損傷した部分を容易に交換することができ、それによって、製品の長寿命化を図ることができる。
図1に示したフリーサイズ型の製品は、体格が様々な学習者が混在する教室で同時に刺針技術習得の教育を行う場合などに、一種類の製品を多数用意するだけで対応できるために経済的であり、常に一定量の在庫があっても無駄にならない。
一方、図2に示したようなサイズ固定型の製品では、各種サイズのものを準備しておきさえすれば、適したサイズを選び、腕を通すだけで簡易に装着(巻着)を終えることができる。このサイズ固定型の製品では、フリーサイズ型の製品に比べると、巻着固定手段という一つの部品とその設置工程を省くことができ、製造コストを低減できる。このサイズ固定型の製品では、内側の支持層2を気泡入りのネオプレンゴムシートなどの柔軟性の高い材料で構成することにより容易に装着でき、且つ腕部への固定も確実にすることができる。
前記実施形態例の製品では、肘、肘下部分にふくらみを持たせて手首上部を絞り、腕の自然な曲面に沿った形状に装着できるようにしてある。また、巻着固定手段8も支持層1,2の長手方向の上、中、下の3箇所に設けてあるので、装着位置がずれることがない。また、肘上部から手首上部までの長さは人体の腕部の平均的な長さに近い値(例えば、22cm)にしておく。また、図4に示したように、フリーサイズ型の製品でも、図6に示したサイズ固定型の製品でも、本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部は、断面が従来の製品より薄く、学習者に臨場感を与え、学習に集中させる効果がある。
以上のように、本発明にかかる装着型刺針技術習得用疑似腕部は、患者役の人間あるいはマネキンの腕部に簡単に且つ安定的に固定することができ、また取り付けた腕部に近接した位置に刺針練習位置があり、刺針練習部位の疑似肉組織や疑似血管の硬さや構造が実際の人体の腕部に近似させることができる。したがって、本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部を用いることによって、医療、看護教育の現場において、採血や注射などにおける患者の腕部血管への刺針技術を習得するための練習を、実際の現場に近い状態で実施することが可能になり、練習によって習得する刺針技術のレベルをより向上させることができる。また、本発明に係る装着型刺針技術習得用疑似腕部は、製造が容易であり、材料も安価であるので、大量生産可能であり、教材として使う場合のコストを低減することが可能である。
本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部の別の実施形態を示す斜視図である。 図1に示した装着型刺針技術習得用疑似腕部の平面図である。 図3のA−A’線に沿う断面図である。 図2に示した装着型刺針技術習得用疑似腕部の平面図である。 図5のB−B’線に沿う断面図である。 図6の鎖線で囲まれた要部の拡大断面図である。 本発明の装着型刺針技術習得用疑似腕部の損傷部分を交換する場合に用いて好適な成形両面テープの平面図である。 交換用の疑似血管の平面図である。 交換用の疑似皮膚層の平面図である。
符号の説明
1 支持層
2 支持層
3 針貫通防止層
4 中間層
5 疑似肉組織層
6 疑似血管
7 疑似皮膚層
8 巻着固定手段
9a 面ファスナー
9b 面ファスナー
10,11,12 交換用両面テープ
13 交換用疑似血管
14 交換用疑似皮膚層
15 採血机などの平面

Claims (4)

  1. 腕部に巻着可能な支持層と、前記支持層の一方の表面上に積層されている中間層と、前記中間層の上に着脱可能に積層されている疑似肉組織層と、前記疑似肉組織層内に配置されている疑似血管と、を有し、
    前記疑似肉組織層が、互いに所定の間隔をあけて前記中間層の上に着脱可能に配置されている複数の分割片からなり、
    前記複数の分割片間に前記疑似血管が配置され、
    前記疑似血管が配置された前記疑似肉組織層上に疑似皮膚層が積層されている、
    ことを特徴とする装着型刺針技術習得用疑似腕部。
  2. 前記疑似皮膚層が前記疑似肉組織層上に着脱可能に積層されていることを特徴とする請求項1に記載の装着型刺針技術習得用疑似腕部。
  3. 前記疑似肉組織層がゼリー状の樹脂から構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装着型刺針技術習得用疑似腕部。
  4. 前記中間層と前記支持層との間に針の貫通を阻止する針貫通防止層が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装着型刺針技術習得用疑似腕部。
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