JP7032741B2 - 穿刺練習用模型 - Google Patents

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Description

本発明は、穿刺練習用模型に関し、特に、腕部への穿刺の練習に好適に利用される穿刺練習用模型に関する。
人体に対する穿刺は痛みを伴う操作であり、穿刺ミスによる再穿刺は患者への負担が大きいため、医療スタッフの技量向上のため、穿刺練習用模型が種々開発・販売されている。穿刺練習用模型の多くは、人体を模擬した模擬生体組織内に模擬血管を配置した構成を基本構成とするものである。
しかし、現在一般に使用されている穿刺練習用模型は、(i)模擬血液の漏れが生じやすく、改良の余地があった。
(i)模擬血液漏れは、穿刺によって模擬血管、模擬生体組織が損傷し、注射器を引き抜いた後に、損傷箇所から模擬血液が漏れ出してしまうという問題である。模擬血液漏れが生じると、損傷した箇所か、場合によっては全部を交換しなければならなかった。そして、模擬血液漏れが頻発すると、それに伴い部材の交換頻度も増すことになり、高コスト化を招いていた。このように、穿刺訓練一回当たりのコストを下げるためには、一製品当たりの材料コスト以上に、模擬血液漏れの抑制が重要となる。
また、(ii)穿刺抵抗の再現が不十分であるためにリアル感にも乏しいものが殆どであり、この点でも改良の余地があった。具体的には、実際の穿刺において、(a)表皮を貫く、(b)血管まで針を進める、(c)血管を貫くという段階があるが、(a)、(c)において穿刺抵抗のピークがある。特に、(c)における血管を貫いたときの感覚としては、「プチッ」という表現が近い。しかし、従来、模擬血管に対する穿刺感については特に検討されていなかった。
例えば、特許文献1では、「模擬血管2の材質としては、ポリウレタンが好ましいが、天然ゴム、EPDM,低密度ポリエチレン、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム等が適宜選択して用いられる。」(段落[0018])と記載され、また、特許文献2では、「模擬血管30は、弾性チューブを用いて形成される。弾性チューブを用いることにより、注射針の刺入時の抵抗感やぶれが生じ、実際に近い感覚が得られる。素材としては、エチレン・プロピレン共重合体、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の合成ゴム類、天然ゴム、あるいは、ポリウレタンフォーム等の軟質合成樹脂類などを用いることができるが、実際の血管刺入時にできるだけ近い感覚を得るためには、ウレタンゴムから形成することが好ましい。」(段落[0025])と記載されているが、模擬血管の種類や構成と穿刺感との関係について、十分な検討はなされていない。
そのため、特に、模擬血管へ穿刺したときの感覚が、実際の穿刺の感覚と乖離していた。特に、高齢者の血管は、動脈硬化によって穿刺抵抗が大きいが、その再現はできていない。
特開2007-206379号公報 特開2015-176073号公報
そこで、本発明は、模擬血液漏れが抑制され、さらに好ましくは、穿刺抵抗の再現性(特にプチッと感の再現性)に優れた穿刺練習用模型を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者は、以下の如く鋭意検討を行った。
まず、生体組織を模擬した模擬生体組織に対し、様々なチューブを模擬血管として組み合わせて、模擬血液漏れの有無を確認したところ、模擬血液の漏れを生じる場合があることが分かった。特に、液状の硬化性材料を模擬生体組織の材料として用いた場合に生じる模擬血液漏れは、チューブが硬化性材料の硬化阻害を招くことにより、模擬生体組織がチューブとの境界付近において硬化不良を起こしていることなどが原因と考えられた。
そこで、模擬生体組織と組み合わせた際に模擬血液漏れが生じ難いチューブの材料や構成等の条件を詳細に検討した。
そして、ソーセージを食べたり、フォークで突き刺したりしたときの感覚が、穿刺針を皮膚や血管に突き刺す感覚に類似していることにヒントを得て、ソーセージのケーシング材料を転用することで、実際の穿刺に近い穿刺感を持たせつつ、模擬血液漏れを防止することを着想し検証したところ、その有効性が確認できた。また、イソプレンゴム、スチレン系エラストマー、天然ゴムにおいては、ケーシング材料による被覆がなくとも模擬血液漏れが防止できることが分かった。
本発明は、以上の如き検討の結果、完成されるに至った。
すなわち、本発明に係る穿刺練習用模型は、生体組織を模擬した模擬生体組織と、前記模擬生体組織の内部又は前記模擬生体組織の内面側に配置されたゴム状弾性を有するチューブとを備え、前記チューブの外表面の少なくとも一部がチューブ被覆層で被覆されており前記チューブは、イソプレンゴムからなり、その外径が5~10mm、若しくは内径が1~6mmであり、前記チューブは、厚みが0.5~1.0mm、A硬度が0~50であり、前記チューブ被覆層は、コラーゲン、プラスチックおよびセルロースから選ばれる1種(ただし、繊維材料を除く)からなり、その厚みが10~100μmである
なお、上記において、「模擬生体組織の内部・・・に配置されたゴム状弾性を有するチューブ」とは、チューブの少なくとも一部が模擬生体組織の内部に埋設されたような状態を意味している。
また、上記の「模擬生体組織の内面側に配置されたゴム状弾性を有するチューブ」との表現に関しては、模擬生体組織において、注射針が穿刺される側の面を表面側とし、この表面側とは反対側の面を「模擬生体組織の内面側」と称しており、「模擬生体組織の内面側に配置されたゴム状弾性を有するチューブ」とは、チューブの少なくとも一部が模擬生体組織で被覆されたような状態を意味している。
本発明の穿刺練習用模型は、模擬血液漏れが顕著に抑制されている。中でも、チューブがイソプレンゴムからなり、当該チューブの外表面の少なくとも一部がケーシング材料からなるチューブ被覆層で被覆されている穿刺練習用模型においては、模擬血液漏れが顕著に抑制されるだけでなく、実際の穿刺感に近いリアル感(特にプチッと感)をも得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る穿刺練習用模型を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る穿刺練習用模型におけるチューブ及びチューブ被覆層を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る穿刺練習用模型の製造工程の一例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る穿刺練習用模型の使用状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る穿刺練習用模型を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る穿刺練習用模型におけるチューブ及びチューブ被覆層を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る穿刺練習用模型の製造工程の一例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る穿刺練習用模型の使用状態を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る穿刺練習用模型を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る穿刺練習用模型を示す分解斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る穿刺練習用模型におけるチューブ及びチューブ被覆層を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る穿刺練習用模型の使用状態を示す断面図である。 本発明の実施例で使用した評価試験装置を示す図である。 実施例の血液漏れ試験結果(実施例1、実施例2)を示す写真である。 実施例の血液漏れ試験結果(実施例3、実施例4)を示す写真である。 実施例の血液漏れ試験結果(実施例5)を示す写真である。 実施例の血液漏れ試験結果(実施例6、実施例7)を示す写真である。 実施例の血液漏れ試験結果(実施例8、実施例11)を示す写真である。 実施例の血液漏れ試験結果(実施例9、実施例12)を示す写真である。 実施例の血液漏れ試験結果(実施例10、実施例13)を示す写真である。 実施例の血液漏れ試験結果(実施例14、比較例1)を示す写真である。 実施例の血液漏れ試験結果(実施例17、実施例15)を示す写真である。 実施例の血液漏れ試験結果(実施例16)を示す写真である。 本発明の実施例1での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例2での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例3での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例4での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例5での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例6での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例7での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例8での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例9での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例10での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例11での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例12での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例13での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例14での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例15での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例16での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例17での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。 本発明の比較例1での穿刺抵抗測定結果を示すグラフである。
以下、本発明に係る穿刺練習用模型について、図面を参照しつつ詳説するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
なお、本発明に係る穿刺練習用模型に関し、各構成要素の硬度について、「A硬度」、「C硬度」による特定を行う場合、これらは、以下の定義に基づくものとする。
すなわち、A硬度は、JIS K 7311に準拠して測定されるデュロメータによる押し込み硬さ(硬度)を指すものとする。詳しくは、JIS K7311:1995に従い、試験片は厚さ6mm以上(6mm未満のものは重ねて6mm以上とする)(n=5)とし、JIS K7215のタイプAデュロメータにより測定して得た値と定義する。
C硬度は、JIS K 6253に準拠して測定されるデュロメータによる押し込み硬さ(硬度)を指すものとする。詳しくは、JIS K6253-3:2010に従い、試験片は厚さ6mm以上(6mm未満のものは重ねて6mm以上とする)(n=5)とし、JIS K7215のタイプCデュロメータにより測定して得た値と定義する。
〔第1の実施形態〕
穿刺練習用模型1は、図1に示すように、模擬生体組織10と、模擬生体組織10の内部に配置されたチューブ20と、チューブ20の外表面を被覆するチューブ被覆層21とを備える。
模擬生体組織10は、液状の硬化性材料の硬化物からなり生体組織を模擬したものである。生体組織に近い材料として、例えば、軟質樹脂、エラストマーなどを用いることができる。より具体的には、例えば、シリコーン樹脂や、スチレン系、エステル系、アミド系、ウレタン系などの各種熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
液状の硬化性材料としては、例えば、主材と硬化剤を用いる2液硬化型の材料が挙げられる。
模擬生体組織10は、その製造に際し、可塑剤を配合することにより、硬度を調整することもできる。
可塑剤としては、特に限定するわけではないが、ゴムや樹脂用の可塑剤として従来公知のものを使用することができ、例えば、パラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油、芳香族系鉱物油などの鉱物油系、ひまし油、綿実油、亜麻仁油、菜種油、大豆油、パーム油、椰子油、落花生油、木蝋、パインオイル、オリーブ油などの植物油系、ポリブテン、水添ポリブテン、ポリαオレフィン等などの合成油系などが挙げられる。樹脂やエラストマーとの相溶性等を考慮して適宜決定すれば良い。
模擬生体組織10の硬度は、トレーニングの目的等に応じて適宜設定すれば良く、特に限定されない。
例えば、人の皮膚の質感を模擬するという点では、C硬度50以下とすることが好ましく、C硬度1~20とすることがより好ましい。
チューブ20は、ゴム状弾性を有する中空部材であり、公知のゴムやエラストマーを用いることができる。具体的には、例えば、イソプレンゴム、スチレン系エラストマー、天然ゴム、シリコーンゴムなどが挙げられ、なかでも、イソプレンゴム又はスチレン系エラストマーが好ましい。本発明においては、イソプレンゴム又はスチレン系エラストマーからなるチューブを用いることで、模擬血液漏れが顕著に抑制される。穿刺抵抗再現性なども考慮すると、イソプレンゴムが特に好ましい。
チューブ20の寸法としては、例えば、外径5~10mm、内径1~6mm程度とすることができる。
厚みは、特に限定するわけではないが、1.5mm以下が好ましい。これより厚みが厚い場合、模擬血液漏れの抑制には有利であるが、穿刺抵抗が高くなり、実際の穿刺抵抗を再現することが難しくなる。厚み0.5~1.0mmの範囲が特に好ましい。
チューブ20の硬度は、特に限定するわけではないが、実際の穿刺抵抗にできるだけ近づけるためには、例えば、A硬度で0~50程度、C硬度5~80程度とすることが好ましい。
チューブ被覆層21は、ケーシング材料からなる。
「ケーシング」とは、ソーセージの表皮部分のことであるが、本発明では、このケーシングの材料を、チューブ被覆層として転用する。
ケーシングは、天然ケーシングと人工ケーシングに分類することができる。
天然ケーシングとしては、例えば、羊腸ケーシング(羊腸、羊盲腸など)、豚腸(豚小腸、豚大腸、豚直腸、豚膀胱、豚胃など)、牛腸(牛小腸、牛大腸、牛盲腸、牛膀胱、牛食道など)、馬腸(馬小腸など)などが挙げられる。
人工ケーシングとしては、例えば、コラーゲンケーシング(コラーゲン、プロテコンなど)、プラスチック系ケーシング(セロファン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、塩化ビニリデン、ポリアミドなど)、セルロース系ケーシング(セルロースなど)が挙げられる。
本発明のチューブ被覆層に使用するケーシング材料としては、経時劣化しにくい人工ケーシングが好ましく、特に、模擬血液漏れの防止および穿刺抵抗の再現性の観点から、コラーゲン、プラスチック(セロファンなど)、セルロースなどが好ましい。
チューブ被覆層21の厚みは、特に限定するわけではないが、10~100μmが好ましく、40~80μmがより好ましい。このような範囲であれば、抵抗が強すぎたり弱すぎたりする恐れが少なく、穿刺抵抗の再現性が高い。実際の血管の穿刺抵抗は、年齢や性別によっても異なるが、チューブ被覆層21の厚みを調整することで、所望の穿刺抵抗を再現することができる。
図2に示すように、チューブ20は、その全周をチューブ被覆層21で被覆されている。
この場合、チューブ被覆層21のチューブ20への被覆方法としては、例えば、ケーシング材料からなるシートをチューブ20に巻き付ける方法が挙げられる。巻き付ける回数により、厚みを調整することができる。
また、チューブ20の外径とほぼ同じ内径を有する筒状のケーシング材料を準備して、チューブ20を筒状のケーシング材料の空洞に挿入することにより、チューブ被覆層21を形成する方法も挙げられる。
チューブ20とチューブ被覆層21との密着性を向上させるため、接着層ないし粘着層を介在させてもよい。ただし、穿刺抵抗への影響を考慮すると、これらの層の厚みはできるだけ薄くすることが好ましい。なお、接着層ないし粘着層は、チューブ被覆層21とは別に準備してもよいが、セロファンテープのように、初めから接着層ないし粘着層が積層一体化したものを利用してもよい。
チューブ20とチューブ被覆層21の密着性を高めることで、チューブ被覆層21による効果が安定して発揮される。
チューブ被覆層21で被覆されたチューブ20の穿刺抵抗は、特に限定するわけではないが、上面からチューブ20への穿刺時に相当する最初の穿刺抵抗のピークが0.5~1.5Nであることが好ましい。この範囲において、実際に近い穿刺感をもたらすことができる。
このような構成の穿刺練習用模型1は、例えば、以下のようにして製造することができる。
すなわち、まず、図3(a)に示すように、穴の開いた型30と、チューブ被覆層21で全周が被覆されたチューブ20とを準備し、型30の穴に、チューブ被覆層21で被覆されたチューブ20を通す。
次に、図3(b)に示すように、模擬生体組織10の硬化前の硬化性材料を流し込む。図3(b)では、硬化性材料として、主材101及び硬化剤102(2液型)を用いる場合を図示している。
硬化性材料が硬化すると、図3(c)に示す状態となり、穿刺練習用模型1が得られる。硬化後は、図1に示すように、型30を取り外しても良い。
図4は、図1~3に示す穿刺練習用模型1を用いて穿刺練習を行う様子を側面から見た断面図である。
図4に示すように、穿刺針41は、模擬生体組織10、チューブ被覆層21、チューブ20の順に貫通し、チューブ20内へと至る。チューブ20内には模擬血液を流すことで、穿刺後、注射器40で模擬血液を吸引し、採血の練習を行うことができる。
本実施形態の穿刺練習用模型による穿刺練習では、穿刺針を引き抜いた後の模擬血液漏れが非常に抑制されているために、繰り返し練習に使用することができる。
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態では、チューブ20は、その全周をチューブ被覆層21で被覆されているが、本発明において、チューブ被覆層がチューブの全周を被覆することは必須ではなく、チューブの外周面の一部をチューブ被覆層が被覆する場合も、本発明に含まれる。
そのような実施形態を第2の実施形態として、以下に説明する。なお、各部材の基本的な内容については、第1の実施形態と共通するので、同じ符号を付し、重複する説明は割愛する。
第2の実施形態に係る穿刺練習用模型2は、図5,6に示すように、模擬生体組織10aと、模擬生体組織10aの内部に配置されたチューブ20と、チューブ20の外表面を被覆するチューブ被覆層21aとを備える。
第2の実施形態は、チューブ被覆層21aのみが第1の実施形態と異なり、図6に示すように、チューブ被覆層21aがチューブ20の上側の外表面のみを被覆している。
このような構成の穿刺練習用模型2は、例えば、以下のようにして製造することができる。
すなわち、まず、図7(a)に示すように、型30とチューブ20を準備し、型30にチューブ20を通す。
次に、図7(b)に示すように、模擬生体組織10aの硬化前の硬化性材料(主材101及び硬化剤102)をチューブ20の下半分が隠れるまで流す。
その後、硬化性材料を硬化する。これにより、図7(c)に示すように、模擬生体組織10aにチューブ20の下半分が埋没し、上半分が露出した状態となる。
次に、図7(d)に示すように、ケーシング材料からなるシートを模擬生体組織10aの表面及びチューブ20の上半分を覆うように被せてチューブ被覆層21aを形成する。そして、図7(e)に示すように、硬化性材料を流し込む。
最後に、追加分の硬化性材料を硬化させて、図7(f)に示すように、チューブ20の上半分のみがチューブ被覆層21aで被覆された穿刺練習用模型2が得られる。
ケーシング材料からなるシートの厚みや積層枚数を調整することにより、チューブ被覆層21aの厚みを調整することができる。
図8は、図5~7に示す穿刺練習用模型2を用いて穿刺練習を行う様子を側面から見た断面図である。
図8に示すように、穿刺針41は、模擬生体組織10a、チューブ被覆層21a、チューブ20の順に貫通し、チューブ20内へと至る。チューブ20内には模擬血液を流すことで、穿刺後、注射器40で模擬血液を吸引し、採血の練習を行うことができる。
〔第3の実施形態〕
第1の実施形態及び第2の実施形態に係る穿刺練習用模型は、チューブが模擬生体組織の内部に配置された一体型の構造を備えるものであるが、これらと異なり、以下に説明する第3の実施形態に係る穿刺練習用模型3のような分離型の構造を備えるものであってもよい。
第3の実施形態に係る穿刺練習用模型3では、図9(斜視図)及び図10(分解斜視図)に示すように、シート状の模擬生体組織10bの内面側にチューブ20が配置されている。
シート状の模擬生体組織10bとしては、特に限定するわけではないが、例えば、1~5mm程度とすることができ、1.5~3mm程度がより好ましい。
チューブ20は、土台50の上に載置されている。土台50の材料は、特に限定されず、チューブ20を支持することができればよい。
ここで、土台50が完全な平坦面であると、チューブ20の上を模擬生体組織10bで被覆した際、模擬生体組織10bと土台50の間に挟まれることで、チューブ20の形が崩れたり、あるいは、模擬生体組織10bの外表面が過剰に隆起したりしてしまう恐れがある。そこで、本実施形態では、土台50に、チューブ20の外径に対応させた凹部51を形成し、この凹部21にチューブ20の下側を嵌め込むようにしている。凹部51の深さを適宜調整することによって、模擬生体組織10bの外表面の隆起度合いを調整することができる。
なお、凹部51を設ける代わりに、土台50の材料として、上から圧力が掛かった際にチューブが沈み込むような柔軟性のある材料を用いるようにしてもよい。
土台50の上に載置されたチューブ20の上に、シート状のケーシング被覆層21bが配置され、さらにその上に、シート状の模擬生体組織10bが配置されている。
第3の実施形態では、第2の実施形態と同様に、図11に示すように、チューブ被覆層21bがチューブ20の上側の外表面のみを被覆している。
なお、図示しないが、チューブ20、ケーシング被覆層21b及び模擬生体組織10bの密着性を高めるために、周縁に締結部材(ボルト・ナットなどに代表される公知の部材でよい)を設けて、厚み方向に荷重をかけられるように構成してもよい。チューブ20、ケーシング被覆層21b及び模擬生体組織10bの密着性を高めることで、模擬血液漏れの抑制効果が向上する。
図12は、図9~11に示す穿刺練習用模型3を用いて穿刺練習を行う様子を側面から見た断面図である。
図12に示すように、穿刺針41は、模擬生体組織10b、チューブ被覆層21b、チューブ20の順に貫通し、チューブ20内へと至る。チューブ20内には模擬血液を流すことで、穿刺後、注射器40で模擬血液を吸引し、採血の練習を行うことができる。
〔その他の実施形態〕
上記各実施形態は、チューブ20がケーシング材料からなるチューブ被覆層21,21a,21bで被覆されたものであるが、適当なチューブを選択することで、チューブ被覆層21,21a,21bを設けなくとも、模擬血液漏れを十分に抑制することができる。
具体的には、チューブとして、イソプレンゴム、スチレン系エラストマーや天然ゴムからなるチューブを選択することで、模擬血液漏れを抑制することができる。
なお、イソプレンゴムチューブは、薄肉の場合、一定以上の圧力が加わる場合には、チューブ被覆層がなければ模擬血液漏れが発生するが、厚肉とすることで、高い圧力下でも、チューブ被覆層を設けることなく模擬血液漏れを防止することができる。
このような実施形態も本発明に含まれる。チューブ被覆層21,21a,21bを設けないこと以外は第1~第3の実施形態と同様の構成であるので、図示は省略する。
穿刺抵抗再現性と模擬血液漏れの抑制を両立する高いレベルで両立させるためには、薄肉のイソプレンゴムチューブを用いた上で、模擬血液漏れをチューブ被覆層により抑制する構成が最も好ましい。
以下、実施例を用いて、本発明に係る穿刺練習用模型について詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1〕
まず、側壁に直径6mmの穴を開けた型(55mm×95mm×20mm)を準備した。穴の位置は、深さ(側壁の上端から穴の上端までの距離)5mmとした。
次に、外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブを型に開けた穴に通した。
その後、模擬生体組織の材料となるパッド用シリコーン材(主材:ELASTOSIL M 8400、硬化剤:CATALYST T 40、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)を型に流して、チューブをパッド用シリコーン材に埋没させた。
次いで、シリコーン材を硬化させることにより、チューブをシリコーン内に固定させ、穿刺練習用模型を得た。
硬化後のシリコーン樹脂は、ゴム硬度C10以下であった。
参考例2〕
まず、側壁に直径6mmの穴を開けた型(55mm×95mm×20mm)を準備した。
次に、外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブに人工ケーシング材を被覆したのち、これを型に開けた穴に通した。
その後、模擬生体組織の材料となるパッド用シリコーン材(主材:ELASTOSIL M 8400、硬化剤:CATALYST T 40、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)を型に流して、人工ケーシング材(チューブ被覆層)で被覆されたチューブをパッド用シリコーン材に埋没させた。
次いで、シリコーン材を硬化させることにより、チューブとチューブ被覆層をシリコーン内に固定させ、穿刺練習用模型を得た。
硬化後のシリコーン樹脂は、ゴム硬度C10以下であった。
人工ケーシング材料としては、セロファン(市販のセロファンテープを使用)を用いた。セロファンによるチューブ被覆層の厚みは、50μmであった。
参考例3〕
ケーシング材料として、厚み40μmのコラーゲン(株式会社ニッピ社製の「ニッピケーシング」)を用いたこと以外は、参考例2と同様にして、参考例3の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
参考例4〕
ケーシング材料として、厚み80μmのセルロース(ガーデンクック社の「ファイブラスケーシング クリア」)を用いたこと以外は、参考例2と同様にして、参考例4の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
〔実施例5〕
外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブに代えて、外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度35のイソプレンゴムからなるチューブを用いたこと以外は、参考例2と同様にして、実施例5の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
〔実施例6〕
外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブに代えて、外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度35のイソプレンゴムからなるチューブを用いたこと以外は、参考例3と同様にして、実施例6の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
〔実施例7〕
外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブに代えて、外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度35のイソプレンゴムからなるチューブを用いたこと以外は、参考例4と同様にして、実施例7の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
参考例8〕
外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブに代えて、外径6.5mm、内径3.5mm、厚み1.5mm、A硬度35のイソプレンゴムからなるチューブを用いたこと以外は、参考例1と同様にして、参考例8の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
参考例9〕
外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブに代えて、外径6.5mm、内径3.5mm、厚み1.5mm、A硬度35のイソプレンゴムからなるチューブを用いたこと以外は、参考例2と同様にして、参考例9の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
参考例10〕
外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブに代えて、外径6.5mm、内径3.5mm、厚み1.5mm、A硬度35のイソプレンゴムからなるチューブを用いたこと以外は、参考例3と同様にして、参考例10の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
参考例11〕
外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブに代えて、外径6mm、内径4mm、厚み1mm、C硬度20のスチレン系エラストマー製のチューブを用いたこと以外は、参考例1と同様にして、参考例11の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
参考例12〕
外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブに代えて、外径6mm、内径4mm、厚み1mm、C硬度20のスチレン系エラストマー製のチューブを用いたこと以外は、参考例2と同様にして、参考例12の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
参考例13〕
外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブに代えて、外径6mm、内径4mm、厚み1mm、C硬度20のスチレン系エラストマー製のチューブを用いたこと以外は、参考例3と同様にして、参考例13の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
参考例14〕
外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブに代えて、外径7mm、内径5mm、厚み1mm、A硬度35の天然ゴム製のチューブを用いたこと以外は、参考例1と同様にして、参考例14の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
参考例15〕
外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブに代えて、外径7mm、内径5mm、厚み1mm、A硬度35の天然ゴム製のチューブを用いたこと以外は、参考例2と同様にして、参考例15の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
参考例16〕
外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブに代えて、外径7mm、内径5mm、厚み1mm、A硬度35の天然ゴム製のチューブを用いたこと以外は、参考例3と同様にして、参考例16の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
参考例17〕
外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブに代えて、外径6mm、内径4mm、厚み1mm、C硬度60のシリコーンゴムからなるチューブを用いたこと以外は、参考例2と同様にして、参考例17の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
〔比較例1〕
外径6.5mm、内径4.5mm、厚み1mm、A硬度55のイソプレンゴムからなるチューブに代えて、外径6mm、内径4mm、厚み1mm、C硬度60のシリコーンゴムからなるチューブを用い、ケーシング材料による被覆を行わなかったこと以外は、参考例1と同様にして、比較例1の穿刺練習用模型(パッド)を作製した。
〔評価試験〕
上記実施例、参考例及び比較例の各穿刺練習用模型(パッド)について、模擬血液漏れの評価、穿刺感の評価及び穿刺抵抗の測定を行った。
評価試験のために構築した試験装置を図13に示す。穿刺練習用模型(パッド)には、模擬血液バッグから模擬血液が供給される。下流側を鉗子で閉塞し、圧力ポンプによって模擬血液の圧力を調整している。
<模擬血液漏れの評価>
上記実施例、参考例及び比較例の各穿刺練習用模型(パッド)に対し、18ゲージの注射針を模擬血管にまで穿刺し、抜き取った後に、一定の圧力(100mmHg又は300mmHg)をかけ、模擬血液が穿刺練習用模型上面から漏れ出てくるかどうかを確認し、以下の基準で評価した。
○:穿刺練習用模型上面への模擬血液の漏出がほとんど認められなかった。
×:穿刺練習用模型上面への模擬血液の漏出が明確に認められた。
各実施例、参考例及び比較例における圧力ごとの写真を図14~23に示す。模擬血液漏れが生じている箇所は、図中に丸で囲んで示した。
<穿刺感の評価:穿刺抵抗再現性>
上記実施例、参考例及び比較例の各穿刺練習用模型(パッド)について、熟練者に、18ゲージの注射針を穿刺してもらい、実際の人体への穿刺に近いものから、○、△、×の順で評価した。評価においては、特に、チューブ穿刺時の抵抗の強さ、模擬生体組織からチューブに移行する際の抵抗の変化等を考慮した。
<穿刺抵抗の測定>
上記実施例、参考例及び比較例の各穿刺練習用模型(パッド)について、穿刺抵抗を測定した。
具体的には、小型卓上試験機「EZ-test/CE」(島津製作所製)を用いて、18ゲージの注射針を穿刺角度40°で穿刺しつつ、連続的に穿刺抵抗を測定した。測定結果(穿刺抵抗のグラフ)を図24~41に示す。
〔評価試験結果〕
各実施例、参考例及び比較例の評価試験結果を下表に示す。
Figure 0007032741000001
上記表1及び図14~23に示す通り、実施例及び参考例の各穿刺練習用模型(パッド)は、いずれも、模擬血液漏れが抑制されていることが分かった。特に、参考例1以外では、模擬血液の圧力300mmHgの場合でも、漏れが認められなかった。
これに対し、比較例1では、模擬血液の圧力100mmHgでも血液漏れが生じた。
以下、チューブ素材ごとに、より詳細に結果を考察する。
<イソプレンゴムをチューブ素材に用いた場合について>
実施例5~7、参考例1~4,8~10の結果から、イソプレンゴムをチューブ素材に用いる場合、ケーシング材料からなるチューブ被覆層があってもなくても、模擬血液漏れが防止できることが分かった。
ただし、薄肉のイソプレンゴムチューブを用いた参考例1の場合、ケーシング材料からなるチューブ被覆層がないと、模擬血液の圧力が高い条件下(300mmHg)では模擬血液漏れが生じ得ることが分かった。これに対し、参考例2のように、ケーシング材料からなるチューブ被覆層を設けることで、模擬血液の圧力が高い条件下(300mmHg)でも模擬血液漏れが防止できることが分かった。参考例3,4より、ケーシング材料としては、セロファン以外にも、コラーゲン、セルロースなど種々の材料を用いることができることが分かった。
参考例2~4と、実施例5~7は、イソプレンゴムチューブの硬度のみ異なるものであるが、両者の結果の対比から、硬度が高すぎると穿刺抵抗再現性が低下することが分かった。
参考例8~10は、参考例1~4,実施例5~7と比べて、イソプレンゴムチューブに厚みがあるものであるが、このように厚肉のイソプレンゴムチューブを用いる場合には、模擬血液の圧力が高い条件下(300mmHg)であっても、ケーシング材料からなるチューブ被覆層を設けずに模擬血液漏れが防止できることが分かった。ただし、穿刺抵抗再現性が薄肉の場合よりも劣ることが分かった。
<スチレン系エラストマーをチューブ素材に用いた場合について>
参考例11~13から、スチレン系エラストマーをチューブ素材に用いる場合、ケーシング材料からなるチューブ被覆層があってもなくても、模擬血液漏れが防止できることが分かった。
<天然ゴムをチューブ素材に用いた場合について>
参考例14~16から、天然ゴムをチューブ素材に用いる場合、ケーシング材料からなるチューブ被覆層があってもなくても、模擬血液漏れが防止できることが分かった。
<シリコーンゴムをチューブ素材に用いた場合について>
比較例1の結果から分かるように、シリコーンゴムをチューブ素材に用いた場合、ケーシング材料からなるチューブ被覆層がないと、模擬血液漏れが生じることが分かった。これに対し、参考例17のように、ケーシング材料からなるチューブ被覆層を設けると、模擬血液漏れが防止できることが分かった。
以上の結果は、第1の実施形態に係る穿刺練習用模型に相当するサンプルの実験に基づくものであるが、基本的な構成が共通する第2の実施形態に係る穿刺練習用模型においても同様の結果となることは、容易に推測できる。
また、第1,2の実施形態に係る穿刺練習用模型のように、チューブが模擬生体組織(硬化物)の内部に埋設されたものでは、模擬生体組織とチューブとの境界での硬化不良の可能性にも配慮を要したが、第3の実施形態に係る穿刺練習用模型のような分離型では、硬化不良の可能性は生じ得ない。従って、第3の実施形態に係る穿刺練習用模型の如き構成においても、特定のチューブ素材を選定したり、ケーシング材料を使用したりしていることにより、模擬血液漏れが抑制できると推察される。
1,2,3 穿刺練習用模型
10,10a,10b 模擬生体組織
101 主材
102 硬化剤
20 チューブ
21,21a,21b チューブ被覆層
30 型
40 注射器
41 穿刺針
50 土台
51 凹部

Claims (4)

  1. 生体組織を模擬した模擬生体組織と、前記模擬生体組織の内部又は前記模擬生体組織の内面側に配置されたゴム状弾性を有するチューブとを備え、
    前記チューブの外表面の少なくとも一部がチューブ被覆層で被覆されており
    前記チューブは、イソプレンゴムからなり、その外径が5~10mm、若しくは内径が1~6mmであり、
    前記チューブは、厚みが0.5~1.0mm、A硬度が0~50であり、
    前記チューブ被覆層は、コラーゲン、プラスチックおよびセルロースから選ばれる1種(ただし、繊維材料を除く)からなり、その厚みが10~100μmである、
    穿刺練習用模型。
  2. 前記チューブ被覆層の厚みが40~80μmである、請求項1に記載の穿刺練習用模型。
  3. 前記模擬生体組織が、液状の硬化性材料に前記チューブを埋設した状態で硬化されたものである、請求項1又は2に記載の穿刺練習用模型。
  4. 前記硬化性材料が2液硬化型シリコーン系材料である、請求項に記載の穿刺練習用模型。
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