JP2019045602A - 手技シミュレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】実際の人体に対して手技を行う場合により近い環境で手技トレーニングを実施することが可能な手技シミュレータを提供する。
【解決手段】手技シミュレータ10は、人体の皮下組織を模擬した模擬皮下組織18と、模擬皮下組織18に接続される循環チューブ14とを備える。模擬皮下組織18には、模擬皮下組織18を貫通する孔状の模擬血管24が形成される。循環チューブ14の第1端部14aは、模擬血管24の一端に接続可能である。循環チューブ14の第2端部14bは、模擬血管24の他端に接続可能である。循環チューブ14は、第1端部14aと第2端部14bとの間に注入ポート44を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、人体に対する外科手技のトレーニングに用いられる手技シミュレータに関する。
従来、人体に対する外科手技のトレーニングに用いられる手技シミュレータは公知である。例えば、下記特許文献1には、超音波診断装置を用いて模型内に埋設した模擬血管を検知するための穿刺練習用模型が開示されている。この穿刺練習用模型は、模型を貫通した孔により形成された模擬血管を有し、液体を貯留させた容器内に模型を浸漬したときに模擬血管内に液体が満たされるように構成されている。
特開2010−49071号公報
特許文献1の穿刺練習用模型では、液体を貯留させた容器内に模型を浸漬させるだけあり、模擬血管内には血圧を模擬した圧力を付加することができない。このため、デバイス穿刺時に逆血を確認することができない。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、実際の人体に対して手技を行う場合により近い環境で手技トレーニングを実施することが可能な手技シミュレータを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、人体の皮下組織を模擬した模擬皮下組織と、前記模擬皮下組織に接続される循環チューブと、を備え、前記模擬皮下組織には、前記模擬皮下組織を貫通する孔状の模擬血管が形成され、前記循環チューブの第1端部は、前記模擬血管の一端に接続可能であり、前記循環チューブの第2端部は、前記模擬血管の他端に接続可能であり、前記循環チューブは、前記第1端部と前記第2端部との間に注入ポートを有する。
上記のように構成された本発明の手技シミュレータによれば、模擬皮下組織に形成された模擬血管の一端及び他端に循環チューブの第1端部及び第2端部をそれぞれ接続することにより、模擬血液の回路が形成される。このため、回路内に一定の圧力を付加することが可能であり、これにより、デバイス穿刺時の逆血を確認することができる。従って、実際の人体に対して手技を行う場合に近い環境で手技トレーニングを実施することが可能となる。
前記循環チューブは、第1ポート、第2ポート及び前記注入ポートが設けられた3方チェックバルブを有し、前記3方チェックバルブは、前記注入ポートの圧力が所定未満であるときに前記第1ポートと前記第2ポートとを連通させ、前記注入ポートの圧力が所定以上であるときに前記第1ポートと前記注入ポートとを連通させてもよい。
この構成により、注入ポートを介して回路内に模擬血液を簡単に充填することができる。また、注入ポートに所定以上の圧力を付加しない状態では循環チューブからの模擬血液の漏れを防止することができる。
前記循環チューブは、前記模擬皮下組織の前記模擬血管に向けて模擬血液を流通させる第1可撓性チューブと前記模擬皮下組織の前記模擬血管から流出する前記模擬血液を流通させる第2可撓性チューブとを有し、前記第2可撓性チューブは、コネクタを介して前記第2ポートに接続可能であってもよい。
この構成により、回路内に模擬血液を簡単に充填することができる。
前記循環チューブは、前記模擬皮下組織の前記模擬血管に向けて模擬血液を流す第1可撓性チューブと、前記第1可撓性チューブと前記模擬血管の前記一端とを接続する流入側ジョイントと、前記模擬皮下組織の前記模擬血管から流出する前記模擬血液を流す第2可撓性チューブと、前記第2可撓性チューブと前記模擬血管の前記他端とを接続する流出側ジョイントと、を有し、前記流出側ジョイントの前記模擬血管に接続される側の端部は、前記第2可撓性チューブに接続される側の端部に向かって内径が減少するテーパ状内周面を有していてもよい。
この構成により、カテーテル等の医療デバイスの挿入時に、カテーテル等が流出側ジョイントに引っ掛かることを抑制することができる。
前記手技シミュレータは、前記注入ポートに接続可能なシリンジを備えてもよい。
この構成により、注入ポートにシリンジを接続して模擬血液を注入することで、回路内に一定の圧力を容易に付加することができる。
前記模擬血管は、人体の静脈を模擬した模擬静脈であり、前記模擬皮下組織には、人体の動脈を模擬した模擬動脈が配置され、前記模擬動脈は、前記模擬皮下組織よりも硬質な材料により構成されたチューブ部材からなるものであってもよい。
この構成により、超音波プローブを当てたときの模擬静脈及び模擬動脈のつぶれ具合を実際の手技における血管像に近づけることができる。
前記模擬皮下組織には、前記模擬血管が複数設けられ、前記手技シミュレータは、前記循環チューブを複数有していてもよい。
この構成により、一層効率的に手技のトレーニングを実施することができる。
本発明の手技シミュレータによれば、実際の人体に対して手技を行う場合により近い環境で手技トレーニングを実施することが可能となる。
本発明の実施形態に係る手技シミュレータの概略図である。 モデル本体の斜視図である。 モデル本体の断面図である。 3方チェックバルブの周辺概略図である。 流出側ジョイントの周辺断面図である。 手技シミュレータの組立手順を説明する図である。 図7Aは、手技シミュレータを用いた手技トレーニングの第1説明図である。図7Bは、手技シミュレータを用いた手技トレーニングの第2説明図である。図7Cは、手技シミュレータを用いた手技トレーニングの第3説明図である。 模擬橈側皮静脈に中心静脈カテーテルを挿入する場合の説明図である。 変形例に係るモデル本体の断面図である。
以下、本発明に係る手技シミュレータについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1に示す本実施形態に係る手技シミュレータ10は、例えば、いわゆるCV(central venous)ポートと呼ばれる埋め込み式の中心静脈ポート60(図7C参照)を用いた手技をトレーニングするために用いられる簡易モデルである。手技シミュレータ10は、モデル本体12と、モデル本体12に接続される循環チューブ14と、循環チューブ14に接続されるシリンジ16とを備える。図1では、組立状態の手技シミュレータ10が示されている。
図2及び図3に示すように、モデル本体12は、人体の皮下組織を模した模擬皮下組織18と、模擬皮下組織18を覆い人体の皮膚を模した模擬皮膚20と、模擬皮下組織18と模擬皮膚20との間に設けられた補強部22とを有する。本実施形態では、モデル本体12は、直方体状に形成されている。なお、モデル本体12は、人体の上腕部を模擬するように横断面が半円状の形状に形成され、例えば、人体上腕部モデルに装着して使用するものであってもよい。
模擬皮下組織18は、モデル本体12の大部分を構成しているため、本実施形態では直方体状に形成されている。模擬皮下組織18は、人体の皮下組織に似せるために、適度な弾力性を持つ材料により構成される。模擬皮下組織18には、模擬皮下組織18を貫通する孔状の模擬血管24が形成されている。模擬血管24は、断面形状が円形であり、長方形状の模擬皮下組織18の長軸方向に沿って延在している。
図2に示すように、模擬血管24の一端は、模擬皮下組織18の長軸方向の一端面18aに開口している。模擬血管24の他端は、模擬皮下組織18の長軸方向の他端面18bに開口している。本実施形態では、模擬血管24が2本形成されている。一方の模擬血管24は、人体の尺側皮静脈を模した模擬尺側皮静脈25Aである。他方の模擬血管24は、人体の橈側皮静脈を模した模擬橈側皮静脈25Bである。2本の模擬血管24は、直線状且つ互いに平行に形成されている。なお、2本の模擬血管24の少なくとも一方は、湾曲した部分を有していてもよい。
図3において、模擬皮下組織18の上面18sから模擬血管24の中心までの距離Hは、例えば、10〜20mm程度に設定され、好ましくは15mm程度に設定される。模擬血管24の直径は、例えば、4〜8mm程度に設定され、好ましくは6mm程度に設定される。
模擬皮下組織18に用いる素材としては、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、天然ゴム、水溶性ゲル等が挙げられる。このなかでも、ウレタン樹脂が好ましく、超軟質ウレタンエラストマーが最も好ましい。模擬皮下組織18は、超音波検査装置のエコー画像下で、実際の皮下組織と同じ画像を得られるように調整される。模擬皮下組織18の硬度は、デュロメータ値(デュロメータ アスカーゴム硬度計CSC2型:高分子計器株式会社)で例えば10〜20°に設定される。
模擬皮下組織18は、超軟質ウレタンエラストマー、可塑剤及びシリコーンオイルを含んでよい。シリコーンオイルの配合量は、25〜50w/w%が好ましく、30〜50w/w%が最も好ましい。シリコーンオイルが25w/w%未満になると、エコー画像で模擬皮下組織18が反射しなくなり、実際の皮下組織と類似した像が得られなくなる。また、シリコーンオイルが50w/w%より多くなると、模擬皮下組織18の成型時に組織が硬化しにくくなるため、好ましくない。
シリコーンオイルとしては、いずれのシリコーンオイルも用いることができるが、変性シリコーンオイルが好ましい。変性シリコーンオイルのうち、非反応性シリコーンオイルを用いるのが特に好ましい。また、シリコーンオイルの代わりに、模擬皮下組織18を、高吸水性樹脂(ポリアクリル酸ナトリウム等)を含むように構成してもよい。
模擬皮膚20は、模擬皮下組織18の上面18sの全体を上方から覆うシート部材である。模擬皮膚20の厚さは、人体の皮膚の感触に近似させるために、0.5mm〜3.0mmであるのが好ましく、1.0mm〜2.0mmがより好ましい。ただし、模擬皮膚20の厚さは、任意に設定可能である。模擬皮膚20は、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、天然ゴム、水溶性ゲル等により構成してもよいが、ウレタン樹脂により構成されるのが好ましく、超軟質ウレタンエラストマーにより構成されるのが最も好ましい。
補強部22は、模擬皮下組織18の上面18sの全体を覆うシート状の織物又は編み物である。具体的には、補強部22は、天然繊維、化学繊維あるいはポリプロピレン等の樹脂性の線材を所定形状に織る又は編むことにより構成されている。補強部22の網目の大きさは、縫合糸を補強部22の網目に容易に挿通させることが可能なように、縫合糸の太さよりも大きく設定されている。
補強部22の厚さは、模擬皮膚20の厚さよりも薄い。具体的には、補強部22の厚さは、例えば、0.3mm〜0.7mmの範囲であるのが好ましく、0.5mmであるのがより好ましい。この場合、補強部22によって模擬皮下組織18及び模擬皮膚20の強度を適度に高めることができる。
補強部22は、模擬皮膚20及び模擬皮下組織18を構成する材料が含浸されることによって模擬皮下組織18及び模擬皮膚20に対して接着(粘着)されている。つまり、補強部22には、模擬皮膚20及び模擬皮下組織18を構成する高分子材料あるいは樹脂材料(実施形態ではウレタン)が含浸されている。
図1に示すように、循環チューブ14は、第1ポート40、第2ポート42及び注入ポート44が設けられた3方チェックバルブ28と、3方チェックバルブ28の第1ポート40に第1コネクタ30を介して接続される第1可撓性チューブ32と、第1可撓性チューブ32と模擬血管24の一端とを接続する流入側ジョイント33と、3方チェックバルブ28の第2ポート42に第2コネクタ34を介して接続される第2可撓性チューブ36と、第2可撓性チューブ36と模擬血管24の他端とを接続する流出側ジョイント38とを備える。本実施形態では、模擬血管24毎に、循環チューブ14が接続されている。すなわち、手技シミュレータ10は、2組の循環チューブ14を備える。
3方チェックバルブ28は、注入ポート44の圧力が所定未満であるときに第1ポート40と第2ポート42とを連通させ、注入ポート44の圧力が所定以上であるときに第1ポート40と注入ポート44とを連通させるように構成されている。
図4に示すように、具体的に、3方チェックバルブ28は、流路を形成するボディ28aと、ボディ28a内に設けられた弾性体からなる弁体28bとを有する。注入ポート44の圧力が所定未満であるとき、弁体28bは、第1ポート40と注入ポート44との間の流路を遮断し、且つ第1ポート40と第2ポート42との間の流路を開通させる。一方、注入ポート44の圧力が所定以上であるとき、弁体28bは、弾性変形して、第1ポート40と第2ポート42との間の流路の遮断し、且つ第1ポート40と注入ポート44との間の流路を開通させる。
第1ポート40の外周面は、オスルアーとして構成されている。第1ポート40の外側には、雌ネジが内周に形成されたロック部41が設けられている。第2ポート42は、内周面がメスルアーとして構成されており、外周に雄ネジ42aが形成されている。注入ポート44は、内周面がメスルアーとして構成されている。注入ポート44に、シリンジ16の先端ノズル48aが接続可能である。
第1コネクタ30は、第1可撓性チューブ32と3方チェックバルブ28とを接続する中空部材である。第1コネクタ30は、3方チェックバルブ28の第1ポート40に接続可能であるとともに、3方チェックバルブ28のロック部41に螺合可能な雄ネジ30aを有する。第2コネクタ34は、第2可撓性チューブ36と3方チェックバルブ28とを接続する中空部材である。第2コネクタ34は、3方チェックバルブ28の第2ポート42に接続可能であり、第2ポート42の雄ネジ42aに螺合可能なロック部35を有する。
図1において、第1可撓性チューブ32は、模擬皮下組織18の模擬血管24に向けて模擬血液Bを流通させる。第2可撓性チューブ36は、模擬皮下組織18の模擬血管24から流出する模擬血液Bを流通させる。第1可撓性チューブ32及び第2可撓性チューブ36は、例えば、シリコーン樹脂により構成される。
本実施形態において、流入側ジョイント33は、循環チューブ14の第1端部14aを構成する。流出側ジョイント38は、循環チューブ14の第2端部14bを構成する。
図5に示すように、流出側ジョイント38の模擬血管24に接続される側の端部(血管側端部38a)は、第2可撓性チューブ36に接続される側の端部(チューブ側端部38b)に向かって内径が減少するテーパ状内周面38cを有する。流出側ジョイント38は、血管側端部38aの開口の直径D1が、チューブ側端部38bの開口の直径D2よりも大きい。血管側端部38aの開口の直径D1とチューブ側端部38bの開口の直径D2との差(D1−D2)は、例えば、2〜4mm程度である。流出側ジョイント38の模擬血管24に挿入される部分の外周面には、径方向外側に突出した抜け止め用突起38dが設けられている。
詳細は図示しないが、図1に示す流入側ジョイント33の模擬血管24に挿入される部分の外周面にも、同様の抜け止め用突起が設けられている。
図1に示すように、シリンジ16は、3方チェックバルブ28の注入ポート44に接続可能な先端ノズル48aが設けられたバレル48と、バレル48内で摺動可能なガスケット50と、ガスケット50に接続されたプランジャ52とを備える。
次に、図1に示した手技シミュレータ10の組立方法を説明する。なお、以下に説明する組立方法は、あくまで一例であり、組立順序は適宜変更可能である。
まず、3方チェックバルブ28の第1ポート40に第1コネクタ30を接続し、第2ポート42に第2コネクタ34を接続する。次に、第1可撓性チューブ32の一端に、3方チェックバルブ28が接続された第1コネクタ30を接続するとともに、第1可撓性チューブ32の他端に、流入側ジョイント33を接続する。次に、第2可撓性チューブ36に流出側ジョイント38を接続する。
次に、図6に示すように、第1可撓性チューブ32が接続された流入側ジョイント33をモデル本体12(模擬皮下組織18)の模擬血管24(図6では、模擬橈側皮静脈25B)の一端に差し込んで接続するとともに、第2可撓性チューブ36が接続された流出側ジョイント38をモデル本体12(模擬皮下組織18)の模擬血管24の他端に差し込んで接続する。
そして、流入側ジョイント33及び流出側ジョイント38が模擬血管24にしっかり挿入されていることを確認したら、予め用意した模擬血液Bをシリンジ16内に吸引し、シリンジ16の先端ノズル48aを3方チェックバルブ28の注入ポート44に接続する。この段階では、第2コネクタ34は、3方チェックバルブ28の第2ポート42に対して未接続の状態としておく。模擬血液Bは、人体の血液を模したものであって、例えば、水を赤色で着色したものを用いることができる。模擬血液Bは、無着色の水であってもよく、他の液体であってもよい。
次に、シリンジ16のプランジャ52を押して、回路内に模擬血液Bを充填する。具体的には、シリンジ16のプランジャ52を押して注入ポート44に所定以上の圧力が付加されると、3方チェックバルブ28内の弁体28bが弾性変形して、注入ポート44と第1ポート40とを連通させる。このため、模擬血液Bは、シリンジ16から3方チェックバルブ28へと導入され、第1コネクタ30、第1可撓性チューブ32及び流入側ジョイント33を介して模擬血管24内へと流入する。
そして、模擬血液Bはさらに、模擬血管24から流出して、流出側ジョイント38及び第2可撓性チューブ36を介して第2コネクタ34へと到達する。そして、模擬血液Bが第2コネクタ34から出てきたことを確認したら、第2可撓性チューブ36を3方チェックバルブ28に接続する(第2コネクタ34を3方チェックバルブ28の第2ポート42に接続する)。これにより、一方の模擬血管24側の回路のセットアップが完了する。
必要に応じて、同様に他方の模擬血管24側についても、回路のセットアップ(モデル本体12に対する循環チューブ14の組付け)を行う。
次に、手技シミュレータ10を用い、埋め込み式の中心静脈ポート60(図7C参照)を人体に埋め込む手技のトレーニング手順を説明するが、手技シミュレータ10の使用方法は、ここに記載された手順に限るものではない。なお、手技のトレーニング開始時において、手技シミュレータ10は上述したセットアップが完了しているものとする。中心静脈ポート60は、中心静脈カテーテル62(以下、「カテーテル62」と略称する)とポート本体64とからなるデバイスであり、初期状態ではカテーテル62とポート本体64とが互いに分離している。
ユーザ(訓練者)は、例えば、患者の右腕に中心静脈ポート60を埋め込む手技を訓練する際、図示しない超音波検査装置のエコー画像下で模擬尺側皮静脈25Aを外筒付き穿刺針で穿刺する。ユーザは、エコー画像を確認しながら模擬尺側皮静脈25Aを穿刺する。この際、ユーザは、穿刺針で模擬橈側皮静脈25Bを穿刺してもよい。穿刺針を抜去した後、引き続き、ガイドワイヤー、ピールアウェイシースを挿入し、エックス線透視下でガイドワイヤーを所定位置まで進める。その後、図7Aに示すように、カテーテル62を挿入する。そして、ユーザは、カテーテル62を所定位置に進めて留置する。その後、ピールアウェイシースを取り除く。
その後、図7Bに示すように、模擬皮膚20におけるポート本体64を埋め込む部位を切開して第1切開部68を形成するとともに模擬皮膚20におけるカテーテル62が挿入されている部位を切開して第2切開部70を形成する。ユーザは、第1切開部68から鉗子を挿入して模擬皮下組織18と模擬皮膚20との間を機械剥離させた後、指を挿入する等して、模擬皮下組織18と模擬皮膚20との間をさらに剥離させて皮下ポケット68aを形成する。
そして、第1切開部68と第2切開部70とを連通させる皮下トンネル72を模擬皮下組織18に形成する。具体的には、トンネラーと呼ばれる細い棒状部材やシースを用いて、カテーテル62のうち皮膚の外側に露出している基端側を第2切開部70から皮下トンネル72を介して第1切開部68に通し、第1切開部68にポート本体64を配置するとともにこのポート本体64にカテーテル62を接続し、皮下ポケット68aにポート本体64を挿入する。その後、ポート本体64を模擬皮下組織18に縫合糸によって固定する。
次いで、図7Cに示すように、ユーザは、第1切開部68と第2切開部70がそれぞれ閉じられるように模擬皮膚20を縫合糸74によって縫合する。これにより、手技シミュレータ10を用いた埋め込み式の中心静脈ポート60の埋め込み手技のトレーニングが終了する。なお、図8に示すように、模擬橈側皮静脈25Bにカテーテル62を挿入する場合、模擬橈側皮静脈25B上の模擬皮膚20を切開して皮下ポケット75を形成し、当該皮下ポケット75にポート本体64を配置してもよい。また、患者の左腕への挿入を訓練する場合は、右腕に挿入した場合と同様に、血管の位置を確認しながら同様の訓練を行うことができる。
この場合、本実施形態に係る手技シミュレータ10は、以下の効果を奏する。
図1に示す手技シミュレータ10において、循環チューブ14の第1端部14aは、模擬皮下組織18に貫通形成された孔状の模擬血管24の一端に接続可能であり、循環チューブ14の第2端部14bは、模擬血管24の他端に接続可能であり、循環チューブ14は、第1端部14aと第2端部14bとの間に注入ポート44を有する。このように構成された手技シミュレータ10によれば、模擬皮下組織18に形成された模擬血管24の一端及び他端に循環チューブ14の第1端部14a及び第2端部14bをそれぞれ接続することにより、模擬血液Bが連通する閉鎖系回路が形成される。このため、回路内に模擬血液Bを充填することで、回路内に一定の圧力を付加することが可能である。これにより、デバイス穿刺時(上述した穿刺針の穿刺時)の逆血を確認することができる。従って、実際の人体に対して手技を行う場合に近い環境で手技トレーニングを実施することが可能となる。
手技シミュレータ10によれば、模擬血管24がチューブ部材ではなく貫通孔により形成されているため、図1に示す状態に組み立てる際に模擬皮下組織18にチューブ部材を挿入する作業が不要である。このため、セットアップ作業が簡単である。また、手技シミュレータ10は、循環チューブ14及び模擬血管24により形成される回路内に模擬血液Bを充填することで回路内に一定の圧力を付加することができるため、電源が不要である。従って、電源が設けられていない場所でも手技トレーニングを実施することが可能である。
循環チューブ14は、第1ポート40、第2ポート42及び注入ポート44が設けられた3方チェックバルブ28を有する。そして、3方チェックバルブ28は、注入ポート44の圧力が所定未満であるときに第1ポート40と第2ポート42とを連通させ、注入ポート44の圧力が所定以上であるときに第1ポート40と注入ポート44とを連通させる。この構成により、注入ポート44を介して回路内に模擬血液Bを簡単に充填することができるとともに、静脈圧に相当する所定の圧力を回路に付与することができる。また、注入ポート44に所定以上の圧力を付加しない状態では循環チューブ14からの模擬血液Bの漏れを防止することができる。
循環チューブ14は、模擬皮下組織18の模擬血管24に向けて模擬血液Bを流通させる第1可撓性チューブ32と、模擬皮下組織18の模擬血管24から流出する模擬血液Bを流通させる第2可撓性チューブ36とを有する。そして、第2可撓性チューブ36は、コネクタを介して第2ポート42に接続可能である。この構成により、回路内に模擬血液Bを簡単に充填することができる。
循環チューブ14は、模擬皮下組織18の孔部に向けて模擬血液Bを流す第1可撓性チューブ32と、第1可撓性チューブ32と模擬血管24の一端とを接続する流入側ジョイント33と、模擬皮下組織18の模擬血管24から流出する模擬血液Bを流す第2可撓性チューブ36と、第2可撓性チューブ36と模擬血管24の他端とを接続する流出側ジョイント38とを有する。そして、流出側ジョイント38の模擬血管24に接続される側の端部は、第2可撓性チューブ36に接続される側の端部に向かって内径が減少するテーパ状内周面38c(図5)を有する。この構成により、カテーテル等の医療デバイスの挿入時に、カテーテル等が流出側ジョイント38に引っ掛かることを抑制することができる。
手技シミュレータ10は、3方チェックバルブ28の注入ポート44に接続可能なシリンジ16を有する。この構成により、注入ポート44にシリンジ16を接続して模擬血液Bを注入することで、回路内に一定の圧力を容易に付加することができる。
手技シミュレータ10は循環チューブ14を複数備え、模擬皮下組織18には模擬血管24が複数設けられている。この構成により、手技のトレーニングを一層効率的に実施することができる。
図3に示すように、モデル本体12は、模擬皮膚20と模擬皮下組織18との間に織物又は編み物として構成された補強部22を備える。これにより、縫合時に模擬皮膚20及び模擬皮下組織18が縫合糸によって裂けることを抑えることができる。よって、人体の皮膚の縫合を含む手技をより実際に近い形態で習得することができる。また、補強部22の厚みは、模擬皮膚20よりも薄いため、補強部22により模擬皮膚20及び模擬皮下組織18を適度に補強することができる。
模擬皮下組織46はシリコーンオイルを含んでいる。これにより、ユーザは、手技シミュレータ10を用いて、超音波検査装置によるエコー画像下にカテーテル等の医療デバイスを模擬血管24に経皮的に挿入する手技をトレーニングすることができる。
上述した手技シミュレータ10において、モデル本体12に代えて、図9に示す他の構成に係るモデル本体12Mが採用されてもよい。モデル本体12Mの模擬皮下組織18Mには、模擬血管24として、模擬静脈25(模擬尺側皮静脈25A及び模擬橈側皮静脈25B)が形成されているとともに、人体の動脈を模擬した模擬動脈76が配置されている。模擬動脈76は、模擬静脈25よりも硬質な材料により構成されたチューブ部材76aからなる。模擬動脈76は、例えば、人体の上腕動脈を模した模擬上腕動脈であり、軟質天然ゴムチューブにより構成される。模擬動脈76は、模擬静脈25よりも下方に配置されている。
上記のように構成されたモデル本体12Mを用いることにより、超音波検査装置の超音波プローブを当てたときの模擬静脈25及び模擬動脈76のつぶれ具合を実際の手技における血管像に近づけることができる。すなわち、人体において動脈は静脈よりも硬いため、実際の手技では、超音波プローブを皮膚に押し付けたときに、静脈の変形は大きく、動脈の変形は小さい。モデル本体12Mでは、模擬動脈76が、模擬静脈25を形成する模擬皮下組織18Mよりも硬質な材料により構成されたチューブ部材76aからなるため、超音波プローブを模擬皮膚20に押し付けたときに、模擬静脈25の変形は相対的に大きく、模擬動脈76の変形は相対的に小さい。従って、医療デバイスを模擬血管24に挿入する手技を実際の手技に近似させるだけでなく、目的とする血管を見分けるトレーニングも行うことができる。
なお、上述した実施形態では、シリンジ16を用いて回路(循環チューブ14及び模擬血管24)内に模擬血液Bを充填することにより回路内に一定の圧力を付加したが、圧力を付加する方法はこれに限らない。例えば、模擬血液Bを入れた容器(バッグ等)を、送液チューブを介して循環チューブ14に接続し、当該容器から落差で模擬血液Bを循環チューブ14に供給することにより、回路内に一定の圧力を付加してもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。
10…手技シミュレータ 12…モデル本体
14…循環チューブ 16…シリンジ
18…模擬皮下組織 24…模擬血管
28…3方チェックバルブ 32…第1可撓性チューブ
36…第2可撓性チューブ

Claims (7)

  1. 人体の皮下組織を模擬した模擬皮下組織と、
    前記模擬皮下組織に接続される循環チューブと、を備え、
    前記模擬皮下組織には、前記模擬皮下組織を貫通する孔状の模擬血管が形成され、
    前記循環チューブの第1端部は、前記模擬血管の一端に接続可能であり、
    前記循環チューブの第2端部は、前記模擬血管の他端に接続可能であり、
    前記循環チューブは、前記第1端部と前記第2端部との間に注入ポートを有する、
    ことを特徴とする手技シミュレータ。
  2. 請求項1記載の手技シミュレータにおいて、
    前記循環チューブは、第1ポート、第2ポート及び前記注入ポートが設けられた3方チェックバルブを有し、
    前記3方チェックバルブは、前記注入ポートの圧力が所定未満であるときに前記第1ポートと前記第2ポートとを連通させ、前記注入ポートの圧力が所定以上であるときに前記第1ポートと前記注入ポートとを連通させる、
    ことを特徴とする手技シミュレータ。
  3. 請求項2記載の手技シミュレータにおいて、
    前記循環チューブは、前記模擬皮下組織の前記模擬血管に向けて模擬血液を流通させる第1可撓性チューブと、前記模擬皮下組織の前記模擬血管から流出する前記模擬血液を流通させる第2可撓性チューブとを有し、
    前記第2可撓性チューブは、コネクタを介して前記第2ポートに接続可能である、
    ことを特徴とする手技シミュレータ。
  4. 請求項2記載の手技シミュレータにおいて、
    前記循環チューブは、
    前記模擬皮下組織の前記模擬血管に向けて模擬血液を流す第1可撓性チューブと、
    前記第1可撓性チューブと前記模擬血管の前記一端とを接続する流入側ジョイントと、
    前記模擬皮下組織の前記模擬血管から流出する前記模擬血液を流す第2可撓性チューブと、
    前記第2可撓性チューブと前記模擬血管の前記他端とを接続する流出側ジョイントと、を有し、
    前記流出側ジョイントの前記模擬血管に接続される側の端部は、前記第2可撓性チューブに接続される側の端部に向かって内径が減少するテーパ状内周面を有する、
    ことを特徴とする手技シミュレータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の手技シミュレータにおいて、
    前記手技シミュレータは、前記注入ポートに接続可能なシリンジを備える、
    ことを特徴とする手技シミュレータ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の手技シミュレータにおいて、
    前記模擬血管は、人体の静脈を模擬した模擬静脈であり、
    前記模擬皮下組織には、人体の動脈を模擬した模擬動脈が配置され、
    前記模擬動脈は、前記模擬皮下組織よりも硬質な材料により構成されたチューブ部材からなる、
    ことを特徴とする手技シミュレータ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の手技シミュレータにおいて、
    前記模擬皮下組織には、前記模擬血管が複数設けられ、
    前記手技シミュレータは、前記循環チューブを複数有する、
    ことを特徴とする手技シミュレータ。
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