JP2018136384A - 外科手技モデル及び手技シミュレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】人体の皮膚の縫合を含む手技を効率的に習得することが可能な外科手技モデル及び手技シミュレータを提供する。【解決手段】手技シミュレータ12の外科手技モデル10は、人体の皮膚の縫合を含む手術を訓練するためのものである。この外科手技モデル10は、人体の皮膚を模した模擬皮膚50と、人体の皮下組織を模した模擬皮下組織46と、模擬皮膚50と模擬皮下組織46との間に設けられ、織物又は編み物として構成された補強部52とを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、人体の皮膚の縫合を含む手技を訓練するための外科手技モデル及び手技シミュレータに関する。
従来より、ポート本体に中心静脈カテーテルが接続された皮下埋め込み型の中心静脈ポートが用いられている。この中心静脈ポートは、中心静脈に中心静脈カテーテルを留置した後、皮膚を切開して中心静脈カテーテルとともにポート本体を皮下内に配置し、切開された皮膚を縫合することにより皮下に埋め込まれる。
ところで、特許文献1には、超音波ガイド下で人体の血管へのニードルの挿入を訓練するためのモデルが開示されている。このモデルでは、皮膚模倣層と組織模倣層とをラテックスで構成している。
上述した特許文献1のモデルを用いて縫合を含む手技を訓練しようとすると、皮膚模倣層と組織模倣層とがラテックスで構成されているため、縫合時に皮膚模倣層及び組織模倣層が縫合糸によって容易に裂けてしまう。従って、この外科手技モデルを人体の皮膚の縫合を含む手技の訓練に用いることはできない。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、人体の皮膚の縫合を含む手技を効率的に習得することが可能な外科手技モデル及び手技シミュレータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る外科手技モデルは、人体の皮膚を模した模擬皮膚と、人体の皮下組織を模した模擬皮下組織と、前記模擬皮膚と前記模擬皮下組織との間に設けられ、織物又は編み物として構成された補強部と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、模擬皮膚と模擬皮下組織の間に織物又は編み物として構成された補強部を設けているため、縫合時に模擬皮膚及び模擬皮下組織が縫合糸によって裂けることを抑えることができる。これにより、人体の皮膚の縫合を含む手技を効率的に習得することができる。
上記の外科手技モデルにおいて、前記補強部は、前記模擬皮膚及び前記模擬皮下組織を構成する材料が含浸されることによって前記模擬皮膚及び前記模擬皮下組織に接着されていてもよい。
このような構成によれば、簡易な構成で補強部を模擬皮膚及び模擬皮下組織に接着させることができる。
上記の外科手技モデルにおいて、前記補強部の厚みは、前記模擬皮膚よりも薄くてもよい。
このような構成によれば、補強部により模擬皮膚及び模擬皮下組織を適度に補強することができる。
上記の外科手技モデルにおいて、前記模擬皮下組織内に配設されて人体の血管を模した模擬血管をさらに備え、前記模擬皮下組織は、シリコーンオイルを含んでいてもよい。
このような構成によれば、ユーザは、外科手技モデルを用いて、超音波検査装置によるエコー画像下でカテーテル等の医療機器を模擬血管に経皮的に挿入する手技を訓練することができる。
上記の外科手技モデルにおいて、前記模擬血管は、人体の動脈を模した模擬動脈と、人体の静脈を模した模擬静脈と、を有していてもよい。
このような構成によれば、医療機器を模擬血管に挿入する手技を実際の手技に近似させることができる。
上記の外科手技モデルにおいて、前記模擬皮下組織は、横断面が円弧状の湾曲面を有し、前記補強部及び前記模擬皮膚は、前記湾曲面に沿って湾曲して設けられていてもよい。
このような構成によれば、例えば、外科手技モデルを人体の上腕部に近似させることができる。
本発明に係る手技シミュレータは、人体の皮膚を模した模擬皮膚と、人体の皮下組織を模した模擬皮下組織と、前記模擬皮膚と前記模擬皮下組織との間に設けられ、織物又は編み物として構成された補強部と、前記模擬皮下組織に設けられて人体の血管を模した模擬血管と、を有する外科手技モデルと、人体の中心静脈を模した模擬中心静脈と、前記模擬血管と前記模擬中心静脈とを互いに連結する中間通路と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、ユーザは、中心静脈カテーテルを模擬皮膚から経皮的に模擬血管に挿入し、中心静脈カテーテルの先端を中間通路を介して模擬中心静脈に留置し、ポート本体を模擬皮膚の内側に埋め込む手技を訓練することができる。この際、模擬皮膚と模擬皮下組織の間に織物又は編み物として構成された補強部を設けているため、人体の皮膚の縫合を含む手技を効率的に習得することができる。
本発明によれば、模擬皮膚と模擬皮下組織の間に織物又は編み物として構成された補強部を設けているため、人体の皮膚の縫合を含む手技を効率的に習得することができる。
以下、本発明に係る外科手技モデル及び手技シミュレータについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1、図4A〜図4Cに示すように、本実施形態に係る手技シミュレータ12は、いわゆるCV(central venous)ポートと呼ばれる埋め込み式の中心静脈ポート200を用いた手技を訓練するためのものである。具体的には、手技シミュレータ12は、中心静脈カテーテル202を患者の上腕部から尺側皮静脈又は橈側皮静脈を介して中心静脈(上大静脈)に留置し、ポート本体204を上腕部に埋め込む手技を訓練するためのものである。
手技シミュレータ12は、人体の胸部を模した胸部モデル14と、模擬血液16が流通する血液回路モデル18と、血液回路モデル18に設けられた外科手技モデル10とを備える。
胸部モデル14は、人体の胸部の外形形状を模した胸部本体20と、胸部本体20を上方から覆うように設けられて人体の肋骨を模した模擬骨22とを有する。図1では、便宜上、胸部本体20及び模擬骨22の形状を簡素化して示している。胸部本体20及び模擬骨22は、例えば、硬質樹脂によって構成されている。
模擬血液16は、人体の血液を模したものであって、例えば、水を赤色で着色したものを用いることができる。血液回路モデル18は、貯留部24、第1通路26、ポンプ28、第2通路30、中間通路32、模擬中心静脈34及び模擬心臓36及び戻り通路38を有する。貯留部24は、模擬血液16を貯留する。第1通路26、第2通路30、中間通路32、模擬中心静脈34、模擬心臓36及び戻り通路38は、透明性を有する硬質な樹脂材料により構成されている。
第1通路26は、貯留部24とポンプ28とを連結して貯留部24内の模擬血液16をポンプ28に導く。ポンプ28は、血液回路モデル18内に模擬血液16を循環させるためのものであればよい。例えば、ポンプ28の代わりに、貯留部24内の模擬血液16を、落差によって第1通路26(第2通路30)に導いてもよい。第2通路30は、ポンプ28と外科手技モデル10とを連結してポンプ28から導出された模擬血液16を外科手技モデル10に導く。中間通路32は、外科手技モデル10と模擬中心静脈34とを連結する。中間通路32には、中間通路32内の模擬血液16の圧力を測定するための圧力センサ40が接続されている。戻り通路38は、中間通路32と貯留部24とを連結して中間通路32内の模擬血液16を貯留部24に戻す。戻り通路38には、血液回路モデル18内の模擬血液16の供給量を調整するための三方活栓42が接続されている。
模擬中心静脈34は、人体の中心静脈(上大静脈)を模したチューブ状部材であって、その内腔は中間通路32内に連通している。模擬心臓36は、人体の心臓を模して構成されており、模擬心臓36内は、模擬中心静脈34の内腔に連通している。模擬中心静脈34及び模擬心臓36は、胸部本体20に形成された溝に配置されている。
図1〜図3Bに示すように、外科手技モデル10は、人体の右上腕部を模したものであって、支持部44と、支持部44に設けられて人体の皮下組織を模した模擬皮下組織46と、模擬皮下組織46内に配設されて人体の血管を模した模擬血管48と、模擬皮下組織46を覆い人体の皮膚を模した模擬皮膚50と、模擬皮下組織46と模擬皮膚50との間に設けられた補強部52とを有する。
支持部44は、例えば、硬質樹脂で構成されており、互いに対向するように離間して設けられた半円状の2つの板状部54と、これら板状部54を互いに連結する連結部56とを含む。各板状部54の底部の中央には、下方に開口した半円状の切り欠き部58が形成されている。各板状部54には、模擬血管48が挿通可能な第1孔部60と第2孔部62とが互いに離間して形成されている。連結部56は、横断面が半円弧状に形成されている(図3A参照)。
模擬皮下組織46は、円柱を軸方向に半分に切断した形状を有したブロック体である。換言すれば、模擬皮下組織46は、横断面が半円状に形成されている。すなわち、模擬皮下組織46は、円弧状の湾曲面46aと、平坦な底面46bを有している。模擬皮下組織46の底面46bには、連結部56が挿入される位置決め溝64が全長に亘って延在している。模擬皮下組織46の各端面は、各板状部54に接触又は近接する。
模擬皮下組織46に用いる素材としては、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、天然ゴム、水溶性ゲル等が挙げられる。このなかでも、ウレタン樹脂が好ましく、超軟質ウレタンエラストマーが最も好ましい。模擬皮下組織46は、超音波検査装置のエコー画像下で、実際の皮下組織と同じ画像を得られるように調整される。模擬皮下組織46は、酸化アルミニウム等の金属粉を添加した樹脂で成型する場合、成型中に金属粉の沈殿が生じる場合があるので、より実際に近いエコー画像を取得する模擬皮下組織46とするのが困難である。本発明においては、超軟質ウレタンエラストマー、可塑剤及びシリコーンオイルを含む。シリコーンオイルの配合量は、25〜50w/w%が好ましく、30〜50w/w%が最も好ましい。シリコーンオイルが25w/w%未満になると、エコー画像で模擬皮下組織46が反射しなくなり、実際の皮下組織と類似した像が得られなくなる。また、シリコーンオイルが50w/w%より多くなると、模擬皮下組織46の成型時に組織が硬化しにくくなるため、好ましくない。シリコーンオイルとしては、いずれのシリコーンオイルも用いることができるが、変性シリコーンオイルが好ましい。変性シリコーンオイルのうち、非反応性シリコーンオイルを用いるのが特に好ましい。また、シリコーンオイルの代わりに、模擬皮下組織46を、高吸水性樹脂(ポリアクリル酸ナトリウム等)を含むように構成してもよい。
模擬血管48は、模擬皮下組織46内に埋設されており、人体の尺側皮静脈を模した模擬尺側皮静脈66と、人体の橈側皮静脈を模した模擬橈側皮静脈68と、人体の上腕動脈を模した模擬上腕動脈70とを有する。
模擬尺側皮静脈66は各板状部54の第1孔部60に挿通され、模擬橈側皮静脈68は各板状部54の第2孔部62に挿通されている。模擬尺側皮静脈66の一端と模擬橈側皮静脈68の一端のそれぞれは第2通路30に連結され、模擬尺側皮静脈66の他端と模擬橈側皮静脈68の他端のそれぞれは、中間通路32に連結されている(図1参照)。模擬尺側皮静脈66及び模擬橈側皮静脈68のそれぞれは、例えば、シリコンチューブにより構成される。
模擬上腕動脈70は、模擬皮下組織46の全長と略同じ長さに設定されており、全長が一対の板状部54の間に収められている。模擬上腕動脈70内には模擬血液16が収容されており、模擬上腕動脈70の両端部は閉塞されている。模擬上腕動脈70は、例えば、軟質天然ゴムチューブにより構成される。
模擬皮膚50は、模擬皮下組織46の湾曲面46aの全体を上方から覆うシート部材である。模擬皮膚50の厚さは、人体の皮膚の感触に近似させるために、0.5mm〜3.0mmであるのが好ましく、1.0mm〜2.0mmがより好ましい。ただし、模擬皮膚50の厚さは、任意に設定可能である。模擬皮膚50は、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、天然ゴム、水溶性ゲル等により構成してもよいが、ウレタン樹脂により構成されるのが好ましく、超軟質ウレタンエラストマーにより構成されるのが最も好ましい。
補強部52は、模擬皮下組織46の湾曲面46aの全体を覆うシート状の織物又は編み物である。具体的には、補強部52は、天然繊維、化学繊維あるいはポリプロピレン等の樹脂性の線材を所定形状に織る又は編むことにより構成されている。補強部52の網目の大きさは、縫合糸78を補強部52の網目に容易に挿通させることが可能なように、縫合糸78(図4C参照)の太さよりも大きく設定されている。
補強部52の厚さは、模擬皮膚50の厚さよりも薄い。具体的には、補強部52の厚さは、例えば、0.3mm〜0.7mmの範囲であるのが好ましく、0.5mmであるのがより好ましい。この場合、補強部52によって模擬皮下組織46及び模擬皮膚50の強度を適度に高めることができる。
補強部52は、模擬皮膚50及び模擬皮下組織46を構成する材料が含浸されることによって模擬皮下組織46及び模擬皮膚50に対して接着(粘着)されている。つまり、補強部52には、模擬皮膚50及び模擬皮下組織46を構成する高分子材料あるいは樹脂材料(実施形態ではウレタン)が含浸されている。
次に、上記のように構成された手技シミュレータ12による埋め込み式の中心静脈ポート200を用いた手技の訓練の手順について説明するが、本発明の手技シミュレータ12は、ここに記載された手技の訓練の手順に限るものではない。まず、図1に示すように手技シミュレータ12をセットして、ポンプ28を駆動することにより血液回路モデル18に模擬血液16を流通させる。これにより、貯留部24内の模擬血液16は、第1通路26、ポンプ28、第2通路30、模擬尺側皮静脈66又は模擬橈側皮静脈68、中間通路32及び戻り通路38を介して流通して貯留部24に戻される。なお、中間通路32の模擬血液16は、模擬中心静脈34及び模擬心臓36にも導かれる。初期状態において、中心静脈ポート200は、中心静脈カテーテル202とポート本体204とが互いに分離している。
続いて、ユーザは、例えば、図示しない超音波検査装置のエコー画像下で模擬尺側皮静脈66を外筒付き穿刺針で穿刺する。ユーザは、エコー画像を確認しながら模擬尺側皮静脈66を穿刺する。この際、ユーザは、穿刺針で模擬橈側皮静脈68を穿刺してもよい。穿刺針を抜去した後、引き続き、ガイドワイヤー、ピールアウェイシースを挿入し、エックス線透視下でガイドワイヤーを上大静脈に相当する位置まで進める。その後、図4Aに示すように、中心静脈カテーテル202を挿入する。そして、ユーザは、中間通路32を介して中心静脈カテーテル202の先端を模擬中心静脈34に進めて留置する。その後、ピールアウェイシースを取り除く。
その後、図4Bに示すように、模擬皮膚50におけるポート本体204を埋め込む部位を切開して第1切開部72を形成するとともに模擬皮膚50における中心静脈カテーテル202が挿入されている部位を切開して第2切開部74を形成する。ユーザは、第1切開部72から鉗子を挿入して模擬皮下組織46と模擬皮膚50との間を機械剥離させた後、指を挿入する等して、模擬皮下組織46と模擬皮膚50との間をさらに剥離させて皮下ポケットを形成する。第1切開部72は、ポート本体204が配置可能な大きさの皮下ポケットである。
そして、第1切開部72と第2切開部74とを連通させる皮下トンネル76を模擬皮下組織46に形成する。具体的には、トンネラーと呼ばれる細い棒状部材やシースを用いて、中心静脈カテーテル202のうち皮膚の外側に露出している基端側を第1切開部72から皮下トンネル76を介して第2切開部74に通し、第2切開部74にポート本体204を配置するとともにこのポート本体204に中心静脈カテーテル202を接続し、皮下ポケットにポート本体204を挿入する。その後、ポート本体204を模擬皮下組織46に縫合糸78によって固定する。
次いで、ユーザは、第1切開部72と第2切開部74が閉じられるように模擬皮膚50を縫合糸78によって縫合する。これにより、手技シミュレータ12による埋め込み式の中心静脈ポート200を用いた手技の訓練は終了する。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
外科手技モデル10は、模擬皮膚50と模擬皮下組織46との間に織物又は編み物として構成された補強部52を備える。これにより、縫合時に模擬皮膚50及び模擬皮下組織46が縫合糸78によって裂けることを抑えることができる。これにより、人体の皮膚の縫合を含む手技をより実際に近い形態で習得することができる。
補強部52は、模擬皮膚50及び模擬皮下組織46を構成する材料が含浸されることによって模擬皮膚50及び模擬皮下組織46に接着されている。これにより、簡易な構成で補強部52を模擬皮膚50及び模擬皮下組織46に接着させることができる。
補強部52の厚みは、模擬皮膚50よりも薄いため、補強部52により模擬皮膚50及び模擬皮下組織46を適度に補強することができる。これにより、皮下トンネル形成時のように、直接ユーザが模擬皮膚50及び模擬皮下組織46に触れる際に、模擬皮下組織46及び模擬皮膚50が破損することを抑制しつつ、模擬皮膚50と模擬皮下組織46の剥離具合をより実際の手技に近づけることができる。臨床においては、カテーテル挿入部において皮下組織の剥離が不十分な場合、中心静脈カテーテルがキンクして不具合の原因になることが知られている。外科手技モデル10を用いた訓練により、中心静脈ポート留置手技における重要な箇所について、より実際に近い訓練を行うことができる。
外科手技モデル10は、模擬血管48を備え、模擬皮下組織46はシリコーンオイルを含んでいる。これにより、ユーザは、外科手技モデル10を用いて、超音波検査装置によるエコー画像下にカテーテル等の医療機器を模擬血管48に経皮的に挿入する手技を訓練することができる。
模擬血管48は、模擬上腕動脈70と模擬静脈(模擬尺側皮静脈66及び模擬橈側皮静脈68)を含み、模擬上腕動脈70と模擬静脈(模擬尺側皮静脈66及び模擬橈側皮静脈68)とは、互いに異なる材料で構成されている。これにより、ユーザが、穿刺針の先端で各々の血管に触れた際に、ユーザに伝わる感触を異なるものとすることができる。また、模擬静脈(模擬尺側皮静脈66及び模擬橈側皮静脈68)よりも模擬上腕動脈70を硬い素材で構成することで、血管穿通時における実際の血管の挙動を模することができる。これにより、医療機器を模擬血管48に挿入する手技を実際の手技に近似させるだけでなく、目的とする血管を見分ける訓練を行うことができる。
模擬皮下組織46は、横断面が円弧状の湾曲面46aを有し、補強部52及び模擬皮膚50は、湾曲面46aに沿って湾曲して設けられている。これにより、外科手技モデル10を実際の人体の上腕部に近似させることができる。
手技シミュレータ12は、模擬中心静脈34と、模擬血管48と模擬中心静脈34とを互いに連結する中間通路32とを有する。そのため、ユーザは、中心静脈ポート200の中心静脈カテーテル202を模擬皮膚50から経皮的に模擬血管48に挿入し、中心静脈カテーテル202の先端を中間通路32を介して模擬中心静脈34に留置し、中心静脈ポート200のポート本体204を模擬皮膚50の内側に埋め込む手技を訓練することができる。
次に、変形例に係る手技シミュレータ12Aについて図5を参照しながら説明する。なお、本変形例に係る手技シミュレータ12Aでは、上述した手技シミュレータ12と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図5に示すように、手技シミュレータ12Aは、胸部モデル14と、模擬血液16が流通する血液回路モデル18aと、血液回路モデル18aに設けられた左右一対の外科手技モデル10L、10Rとを備える。なお、人体の右上腕部を模した外科手技モデル10Rは、上述した外科手技モデル10と同一の構成を有し、人体の左上腕部を模した外科手技モデル10Lは、外科手技モデル10Rを左右反転させた構成を有している。
血液回路モデル18aは、貯留部24、第1通路26、ポンプ28、第2通路80、第1中間通路32R、第2中間通路32L、模擬中心静脈34、模擬心臓36及び戻り通路38を有する。第2通路80は、ポンプ28に連結された第2通路本体82と、第2通路本体82と外科手技モデル10Rとを連結する第1分岐通路84Rと、第2通路本体82と外科手技モデル10Lとを連結する第2分岐通路84Lとを有する。
第1中間通路32Rは、外科手技モデル10Rと模擬中心静脈34とを連結する。第1中間通路32Rには、第1中間通路32R内の模擬血液16の圧力を測定する圧力センサ40が設けられている。第2中間通路32Lは、外科手技モデル10Lと模擬中心静脈34とを連結する。戻り通路38は、第2中間通路32Lと貯留部24とを連結して第2中間通路32L内の模擬血液16を貯留部24に戻す。戻り通路38には、血液回路モデル18a内の模擬血液16の供給量を調整するための三方活栓42が接続されている。
手技シミュレータ12Aでは、外科手技モデル10Rの模擬尺側皮静脈66の一端及び模擬橈側皮静脈68の一端のそれぞれが第1分岐通路84Rに接続し、外科手技モデル10Rの模擬尺側皮静脈66の他端及び模擬橈側皮静脈68の他端のそれぞれが第1中間通路32Rに接続している。また、外科手技モデル10Lの模擬尺側皮静脈66の一端及び模擬橈側皮静脈68の一端のそれぞれが第2分岐通路84Lに接続し、外科手技モデル10Lの模擬尺側皮静脈66の他端及び模擬橈側皮静脈68の他端のそれぞれが第2中間通路32Lに接続している。
本変形例では、ポンプ28を駆動することにより、貯留部24内の模擬血液16は、第1通路26及びポンプ28を介して第2通路本体82に導かれ、第2通路本体82の模擬血液16は、第1分岐通路84Rと第2分岐通路84Lとに分岐される。第1分岐通路84Rの模擬血液16は、外科手技モデル10Rの模擬尺側皮静脈66又は模擬橈側皮静脈68を介して第1中間通路32Rに導かれ、第2分岐通路84Lの模擬血液16は、外科手技モデル10Lの模擬尺側皮静脈66又は模擬橈側皮静脈68を介して第2中間通路32Lに導かれる。第1中間通路32Rの模擬血液16と第2中間通路32Lの模擬血液16は、戻り通路38で合流して貯留部24に戻される。
本変形例によれば、1つの手技シミュレータ12Aによって、人体の右上腕部から中心静脈カテーテル202を経皮的に挿入して右上腕部の皮膚の内側にポート本体204を埋め込む手技と、人体の左上腕部から中心静脈カテーテル202を経皮的に挿入して左上腕部の皮膚の内側にポート本体204を埋め込む手技との両方を訓練することができる。
本発明に係る外科手技モデル及び手技シミュレータは、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10、10L、10R…外科手技モデル
12、12A…手技シミュレータ 46…模擬皮下組織
48…模擬血管 50…模擬皮膚
52…補強部 66…模擬尺側皮静脈
68…模擬橈側皮静脈
12、12A…手技シミュレータ 46…模擬皮下組織
48…模擬血管 50…模擬皮膚
52…補強部 66…模擬尺側皮静脈
68…模擬橈側皮静脈
Claims (7)
- 人体の皮膚を模した模擬皮膚と、
人体の皮下組織を模した模擬皮下組織と、
前記模擬皮膚と前記模擬皮下組織との間に設けられ、織物又は編み物として構成された補強部と、を備える、
ことを特徴とする外科手技モデル。 - 請求項1記載の外科手技モデルにおいて、
前記補強部は、前記模擬皮膚及び前記模擬皮下組織を構成する材料が含浸されることによって前記模擬皮膚及び前記模擬皮下組織に接着されている、
ことを特徴とする外科手技モデル。 - 請求項1又は2に記載の外科手技モデルにおいて、
前記補強部の厚みは、前記模擬皮膚よりも薄い、
ことを特徴とする外科手技モデル。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の外科手技モデルにおいて、
前記模擬皮下組織内に配設されて人体の血管を模した模擬血管をさらに備え、
前記模擬皮下組織は、シリコーンオイルを含む、
ことを特徴とする外科手技モデル。 - 請求項4記載の外科手技モデルにおいて、
前記模擬血管は、人体の動脈を模した模擬動脈と、
人体の静脈を模した模擬静脈と、を有する、
ことを特徴とする外科手技モデル。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の外科手技モデルにおいて、
前記模擬皮下組織は、横断面が円弧状の湾曲面を有し、
前記補強部及び前記模擬皮膚は、前記湾曲面に沿って湾曲して設けられている、
ことを特徴とする外科手技モデル。 - 人体の皮膚を模した模擬皮膚と、人体の皮下組織を模した模擬皮下組織と、前記模擬皮膚と前記模擬皮下組織との間に設けられ、織物又は編み物として構成された補強部と、前記模擬皮下組織に設けられて人体の血管を模した模擬血管と、を有する外科手技モデルと、
人体の中心静脈を模した模擬中心静脈と、
前記模擬血管と前記模擬中心静脈とを互いに連結する中間通路と、を備える、
ことを特徴とする手技シミュレータ。
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JP2017029550A JP2018136384A (ja) | 2017-02-21 | 2017-02-21 | 外科手技モデル及び手技シミュレータ |
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---|---|---|---|---|
JP2020204714A (ja) * | 2019-06-18 | 2020-12-24 | 公立大学法人横浜市立大学 | 骨髄穿刺トレーニング用ファントムおよび該ファントムを使用した穿刺応力検出装置。 |
JP2021060567A (ja) * | 2019-10-09 | 2021-04-15 | 学校法人自治医科大学 | 模擬皮膚装置、模擬皮膚装置の使用方法、縫合評価方法および制御装置 |
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2017
- 2017-02-21 JP JP2017029550A patent/JP2018136384A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020204714A (ja) * | 2019-06-18 | 2020-12-24 | 公立大学法人横浜市立大学 | 骨髄穿刺トレーニング用ファントムおよび該ファントムを使用した穿刺応力検出装置。 |
JP7343110B2 (ja) | 2019-06-18 | 2023-09-12 | 公立大学法人横浜市立大学 | 骨髄穿刺トレーニング用のファントムを用いた人体部位の骨髄への穿刺針挿入をシミュレートする方法 |
JP2021060567A (ja) * | 2019-10-09 | 2021-04-15 | 学校法人自治医科大学 | 模擬皮膚装置、模擬皮膚装置の使用方法、縫合評価方法および制御装置 |
JP7370030B2 (ja) | 2019-10-09 | 2023-10-27 | 学校法人自治医科大学 | 模擬皮膚装置、模擬皮膚装置の使用方法、縫合評価方法および制御装置 |
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