JP4387502B2 - 画像授受システムおよびカメラ装置およびホスト装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置に内蔵したビデオカメラを無線通信手段を使用して取り外し可能とし、特にパーソナルコンピュータにおける内蔵カメラの利便性を図るに最適な画像授受システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ノートパソコン(携帯型パーソナルコンピュータ)の普及と高機能化に伴い、近年、表示装置にビデオカメラを内蔵するタイプの機種も出現しており、デジタルカメラを持ち歩かなくとも、いつでもどこでも手軽に画像情報を取得してファイル化し、利用できるようになってきている。
【0003】
ノートパソコンに設けられているビデオカメラは、例えば、ノートパソコンの表示装置(ディスプレイ)部枠位置に内蔵させるタイプの機種や、パソコン本体におけるディスプレイ部との連結部近傍にビデオカメラを着脱自在に装着したタイプの機種などが実用化されており、ノートパソコンの機能の一部として種々の用途に利用可能である。
【0004】
ところが、このカメラは着脱可能な構成のものであっても外したカメラを単独で使用できないものであり、せいぜい接続ケーブルの長さの範囲内で移動して使用できる程度の柔軟性しか持たないため、用途が限られてしまう。
【0005】
例えば、カメラを高い位置に配して下方にある被写体を撮影したいと思っても、パソコン本体があるのでこれを通常に掲げることのできる程度の高さでしか撮影できない。また、カメラを物陰や隙間に入れて中を撮影したりするにも制約がある。あるいは、草陰の昆虫を撮影したいと思ってもパソコン本体が一緒ではこれも思うように撮影できない。また、1つのカメラの映像を多数の他の装置で受信して共通に利用したいと云った要求もあるが、そのような分配機能もないので、当該要求に応えることができない。
【0006】
このように種々の制約を受けるので、カメラを思うように利用できない場面が多々生じる。
【0007】
そこで、カメラを切り離して利用できるようにすることが望まれる。このような要求に応えることができる技術としては、特開平10−173827号公報に開示される如きものがある。
【0008】
この技術は、画像データ送信装置と、画像データ受信装置とで構成される画像データ通信システムに関する技術であって、ビデオカメラからの撮像データを符号化して携帯電話経由で送信し、受信装置(パソコン)には当該受信装置に接続された携帯電話を経由して受信する。
【0009】
しかしながら、この場合、無線での画像伝送は携帯電話経由であることからコストがかかり、転送レートも限られている。
【0010】
また、特開平10−117302号公報に開示される如きものもある。
【0011】
この技術は、ビデオカメラにおいて、撮像部と画像表示部を分離して使用でき、しかも撮影時の自由度が大きく、また分離および合体の状況に応じて撮像部から表示部へ最適な画像転送を行えるようにする技術であって、図12(a)に示す如く、ビデオカメラ側には画像表示部に対する着脱装置があり、また、図12(b)に示す如く、画像表示部にもビデオカメラ側に対する着脱装置があって、両者は互いに着脱装置で着脱可能に構成されることで、両者を合体して使用したり、分離して使用したりできるものである。
【0012】
また、着脱装置にはそれぞれ内部に合体検出装置があり、この合体検出装置が分離を検出すると、ビデオカメラ側では撮像部の捉えた画像に対して圧縮制御マイコンが圧縮制御を行い、スペクトラム拡散送信部を介して無線で送信するように機能する構成としてある。またビデオカメラ側で圧縮率を変更することが可能である。また、画像表示部側では合体検出装置が分離を検出すると、信号選択マイコンがスペクトラム拡散受信部からの受信信号を取り込むように動作して、これにより得た受信信号を画像圧縮回路の持つ復号化処理機能により復号化してからNTSCエンコーダで映像信号化し、表示モニタで表示したり、記録媒体で記録したりして利用することができる。
【0013】
合体検出装置が合体を検出すると、画像は着脱装置の信号接続装置を介して授受される構成となる。
【0014】
このように、この従来技術では、ビデオカメラと表示部は着脱可能であり、また、両者の間は無線回線による伝送と有線回線による伝送とが利用できると共に、ビデオカメラと表示部の着脱状態によって、有線・無線転送をするかを判定し、画像圧縮率を変更することができるものである。
【0015】
しかしながら、表示装置と接続した状態では有線接続状態になってしまうため、多数の他の装置とカメラを共有したいといった要求には応えることができない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
カメラ内蔵のパソコンにおいて、カメラとパソコン本体を時には分離して利用できると便利である。そのような技術としてカメラを合体した状態においては有線回線により本体と接続して画像データを授受し、カメラを離した場合にはカメラと本体を無線回線で接続して画像データを授受できるようにしたものがある。
【0017】
しかしながら、この技術においてはカメラと本体との着脱は自動検出して有線接続とするか、無線接続とするかを判定し、カメラを合体した状態においては有線回線により本体と接続して画像データを授受し、カメラを離した場合にはカメラと本体を無線回線で接続して画像データを授受することから、カメラ合体状態では必ず有線接続状態になってしまうため、多数の他の装置とカメラを共有したいといった要求には応えることができない。
【0018】
また、有線・無線接続切り替え判定は、カメラ着脱の有無によってしか可能でなかったため、有線接続中に無線接続に変更したりすることができなかった。
【0019】
そこで、この発明の目的とするところは、伝送路としての有線・無線の切り替えを自在に変更できると共に、この変更に当たり伝送する画像の画像圧縮率を伝送路に応じて動的に変化させることができるように、またその際のビデオカメラ・画像表示装置間の画像転送をスムーズにでき、また、1台のカメラ画像を多数で共用できるようにして、ビデオカメラ・画像表示装置間のより汎用な接続と利用を可能にする画像授受システムを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、画像情報を取得するカメラ装置と、このカメラ装置と画像情報の通信を行うホスト装置とを備える画像授受システムであって、
前記カメラ装置は、
前記ホスト装置と無線通信する第1無線通信手段と、
前記ホスト装置と有線通信する第1有線通信手段と、
前記ホスト装置と当該カメラ装置との有線接続が解除されたことを検出する第1検出手段と、
前記ホスト装置から前記第1有線通信手段を介して取り外しコマンドを受信する受信手段と、
前記第1検出手段が有線接続の解除を検出した場合、あるいは前記受信手段が前記取り外しコマンドを受信した場合、前記第1無線通信手段をオンする第1通信制御手段とを具備し、
前記ホスト装置は
前記カメラ装置と無線通信する第2無線通信手段と、
前記カメラ装置と有線通信する第2有線通信手段と、
前記カメラ装置と当該ホスト装置との有線接続が解除されたことを検出する第2検出手段と、
ユーザからの指示により生成された取り外しコマンドを前記カメラ装置へ前記第2有線通信手段を介して送信する送信手段と、
前記第2検出手段が有線接続の解除を検出した場合、あるいは前記送信手段が前記カメラ装置へ取り外しコマンドを送信した場合、前記第2無線通信手段をオンする第2通信制御手段とを具備するものである。
本発明の他の態様によれば、画像情報をホスト装置へ送信するカメラ装置であって、
撮像し、画像情報を取得する撮像手段と、
前記ホスト装置と無線通信する無線通信手段と、
前記ホスト装置と有線通信する有線通信手段と、
前記ホスト装置との有線接続が解除されたことを検出する検出手段と、
前記ホスト装置から前記有線通信手段を介して取り外しコマンドを受信する受信手段と、
前記検出手段が有線接続の解除を検出した場合、あるいは前記受信手段が取り外しコマンドを受信した場合、前記無線通信手段をオンする通信制御手段とを具備するものである。
本発明の他の態様によれば、カメラ装置から画像情報を受信するホスト装置であって、
前記カメラ装置と無線通信する無線通信手段と、
前記カメラ装置と有線通信する有線通信手段と、
ユーザからの指示により生成された取り外しコマンドを前記カメラ装置へ前記有線通信手段を介して送信する送信手段と、
前記カメラ装置との有線接続が解除されたことを検出する検出手段と、
前記検出手段が有線接続の解除を検出した場合、あるいは前記送信手段が前記カメラ装置へ取り外しコマンドを送信した場合、前記無線通信手段をオンする通信制御手段とを具備するものである。
上述した本発明の態様によれば、カメラ装置がホスト装置に有線接続している状態であっても、ユーザの指示により生成された取り外しコマンドをホスト装置からカメラ装置へ送信可能としたので、無線通信を開始するために必ずしもカメラ装置をホスト装置から取り外し有線接続を解除する必要が無く、有線接続状態でも有線通信を無線通信に切り替えることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。実施例は、例えば、ホスト側装置である画像表示装置(パーソナルコンピュータ)と着脱可能なビデオカメラ間において、通信に用いる伝送路が有線であるか、無線であるかをそれぞれが自動的に認識できるようにし、これにより通信形態に適応した圧縮率での画像符号化・復号化をスムーズに実現できるようにする。
【0031】
有線接続時には、ホスト側装置では、有線伝送路でビデオカメラと接続されていることを認識し、画像符号化(MPEG−4等)の有無や圧縮率等の制御情報をビデオカメラ側と送受信し、ビデオカメラ側はそれを受けて、符号化の制御を行う。また、ホスト側装置は符号化された画像データを受信した場合、表示時に、復号化して表示する。
【0032】
また、無線接続時においては、表示装置側では、無線でビデオカメラと接続されていることを認識し、画像符号化(MPEG−4等)し、また、有線の場合に較べ、帯域が低い場合は画像符号化における圧縮率をより高くするよう、制御情報をビデオカメラ側と送受信し、ビデオカメラ側はそれを受けて、符号化の制御を行うようにする。また、表示装置側は符号化された画像データを受信した場合、表示時に、復号化して表示する。
【0033】
また、無線接続時に、撮像された画像データをブロードキャストすることにより、複数のホスト側装置(あるいは複数のパーソナルコンピュータ)で撮像画像受信して、共同利用できるようにする。
【0034】
以下、詳細を説明するが、ここでは本発明の一実施例として、ビデオカメラ装置付のパソコン(パーソナルコンピュータ)を例に説明する。図1はこのような実施例によるビデオカメラ装置付のパソコンのブロック図である。
【0035】
図1における(a)はビデオカメラ本体部分の構成例を示すブロック図であり、図1における(b)はパソコン部分の構成例を示すブロック図である。
図1(a)において、1は画像を撮像するためのビデオカメラ本体であり、2はこのビデオカメラ本体1の構成要素である撮像部(カメラ)、3は画像符号化部、4はカメラ制御インターフェース部、5は有線通信プロトコルインターフェース、6は有線通信インターフェース、7は無線通信プロトコルインターフェース、8は無線インターフェースである。
【0036】
本システムにおいては、撮像部2で撮像された画像はデジタル化され、入力画像信号として画像符号化部3へ送られる構成である。また、この撮像部2はカメラ制御インターフェース部4により、絞りやシャッタスピード等の制御が行われる。
【0037】
画像符号化部3は画像符号化(MPEG−4等)部であって、カメラ制御インターフェース部4により、符号化パラメータや、符号化の有無が指定される。符号化しないと指定されたときは、撮像部2からのデジタルデータをそのままカメラ制御インターフェース部4へ送る構成である。
【0038】
ビデオカメラのカメラ制御インターフェース部4は、ホスト側表示装置となるパソコン本体側と送受信するためのカメラ制御コマンドを、各通信プロトコルインターフェース部と送受信することにより授受して、そのコマンドに従い種々の制御を司るものであって、ビデオカメラ1の制御の中枢を担うものである。
【0039】
具体的には、ビデオカメラのカメラ制御インターフェース部4は、画像符号化部3や、有線通信プロトコルインターフェース5、有線通信インターフェース6、無線通信プロトコルインターフェース7、無線通信インターフェース8、撮像部2の制御を司る。また、ビデオカメラのカメラ制御インターフェース部4は、表示装置からのカメラ本体に対する種々の情報問い合わせにも応え、画像符号化部3からの画像データ、もしくは符号化画像データを通信プロトコルインターフェース5,7への転送制御も司る。
【0040】
有線通信プロトコルインターフェース5は、ビデオカメラの有線接続時における通信プロトコルを制御する部分であり、カメラ制御データをカメラ制御インターフェース部4と送受信し、また、画像データもしくは符号化された画像データを有線伝送路で表示部装置9へ送信するために、物理層である有線インターフェース6へ転送する。
【0041】
有線通信インターフェース6は、ビデオカメラの有線接続時の物理的インターフェースである。
【0042】
無線通信プロトコルインターフェース7は、ビデオカメラの無線接続時における通信プロトコルを制御する部分であり、カメラ制御データをカメラ制御インターフェース部4と送受信し、また、画像データもしくは符号化された画像データを無線で表示部装置9へ送信するために、物理層である無線インターフェース6へ転送する。
【0043】
無線通信インターフェース8は、ビデオカメラの無線接続時の物理的インターフェースである。
【0044】
次に図1(b)に示すパソコン本体部分の構成を説明する。ホスト側表示装置としてのパソコン本体9は、図に示すように、表示部10、画像復号化部11、カメラ制御インターフェース部12、マン・マシンインターフェース13、有線通信プロトコルインターフェース14、有線通信インターフェース15、無線通信プロトコルインターフェース16、無線通信インターフェース17とを備えている。
【0045】
表示部10は、ホスト側表示装置としてのパソコン本体9におけるディスプレイ部であり、画像復号化部11より受信した画像デジタルデータを像としてパーソナルコンピュータ上に表示する。また、ホスト側表示装置が、テレビモニタであれば、NTSCエンコーダによりNTSC方式のアナログ信号に変換して表示する。
【0046】
画像復号化部11は、ホスト側表示装置としてのパソコン本体9における画像復号化(MPEG−4等)部であり、ビデオカメラ1より符号化されて送られてきた画像データを受信した場合は復号化し、符号化されていない画像データをビデオカメラ1より受信した際は、デジタルデータをそのまま表示部10へ送る機能を有する。
【0047】
カメラ制御インターフェース部12は、表示装置と送受信するカメラ制御コマンドを各通信プロトコルインターフェース部14,17と送受信し、種々の制御を司るものである。具体的には、画像復号化部11や、有線通信プロトコルインターフェース14、有線通信インターフェース15、無線通信プロトコルインターフェース16、無線通信インターフェース17、表示部10の制御である。また、ホスト側表示装置(パソコン本体9)へのカメラ本体1に対する種々の情報問い合わせも行い、通信プロトコルインターフェース14,16から符号化画像データを画像復号化部11へ転送する制御、もしくは復号化画像データを表示部10へ転送する制御なども行う。この機能要素は、一般的にパーソナルコンピュータ上ではデバイスドライバとして実装されることが多い。
【0048】
マン・マシンインターフェース13はホスト側表示装置(パソコン本体9)におけるマン・マシンインターフェースであり、ユーザが、ビデオカメラ1や表示部10の表示方法、カメラを複数の表示装置で共有したいとき等において、それを指示するためのインターフェースである。
【0049】
有線通信プロトコルインターフェース14は、ホスト側表示装置(パソコン本体9)の有線接続時における通信プロトコルを制御する部分であり、カメラ制御データをカメラ制御インターフェース12と送受信し、また、画像データもしくは符号化された画像データを物理層である有線インターフェース部17より受信し、画像復号化部11へ転送する機能を有する。
【0050】
有線インターフェース15はホスト側表示装置(パソコン本体9)の有線接続時の物理的インターフェースである。
【0051】
無線通信プロトコルインターフェース16は、ホスト側表示装置(パソコン本体9)の無線接続時における通信プロトコルを制御する部分であり、カメラ制御データをカメラ制御インターフェース12と送受信し、また、画像データもしくは符号化された画像データを物理層である有線インターフェース部17より受信し、画像復号化部11へ転送する機能を有する。
【0052】
無線通信インターフェース17はホスト側表示装置(パソコン本体9)の無線接続時の物理的インターフェースである。
【0053】
以下、それぞれの装置の作用について説明する。本システムは、ビデオカメラ1をパソコン本体9にドッキングしたままの状態で撮像に使用したり、ビデオカメラ1をパソコン本体9から取り外してビデオカメラ1単独で持ち歩き、撮像したりできる。
【0054】
そして、本システムは、ビデオカメラ1をパソコン本体9にドッキングしてある状態で画像を授受する場合には、高品質のデータ通信を期待できる有線通信を使用し、このとき、画像の品質を損なわないように、画像は符号化しないで、そのままのデジタルデータとしてパソコン本体9へデータ送信し、また、ビデオカメラ1をパソコン本体9にドッキングしてない状態で画像を授受する場合には、無線通信を使用し、この場合にはデータ通信の負荷を軽減するために、画像は符号化して圧縮した上で、パソコン本体9へデータ送信する構成となっている。この切り替えは基本的にはビデオカメラ1がパソコン本体9にドッキングされているか否かで自動的に定まるように構成してあるが、その検出はパソコン本体9のOS(オペレーションシステム)の持つプラグインプレイ機能に等によるデバイス管理機能や機械的検出機能などを利用して実現できる。
【0055】
図1(a),(b)において、各カメラ制御インターフェース部4,12におけるカメラ制御コマンド送受信に関する基本的なフローチャートを、図2および図3に、また、各種カメラコマンドの典型的な例を図4に示す。
【0056】
ビデオカメラ1側がホスト側表示装置(パソコン本体9側)に何らかのメッセージを伝達したい時、もしくはホスト側表示装置(パソコン本体9側)がビデオカメラ1側を制御したいとき、それぞれカメラ制御インターフェース部4,12が、適切なカメラ制御コマンドを作成、送信(ステップS1,S2)、または受信する(ステップS11)。
【0057】
また、受信コマンドに対し、何らかの応答を相手装置に返答する必要があるときは、確認コマンドをカメラ制御インターフェース部4,12が作成し、送信する(ステップS14,S15)。
【0058】
ビデオ制御コマンド送信時において、コマンド作成と適切な有線・無線インターフェースを識別して送信を行うのは、カメラ制御インターフェース部4,12である。
【0059】
カメラ制御インターフェース部4,12は、常にどの有線・無線通信インターフェースがイネーブル状態であるかを把握し、かつ適切なインターフェースに対してビデオ制御コマンド要求・確認を送受信する(送信側;ステップS13,S14,15、受信側;ステップS3,S4,S5)。
【0060】
この処理の詳細のフローチャートを図5に示す。すなわち、カメラ制御インターフェース部4,12は、コマンド送信準備完了状態となったときには(ステップS21)まず、有線通信インターフェースがイネーブル状態であるかをチェックし(ステップS22)、イネーブルでなければ処理を終了し、イネーブルであれば有線インタフェースへコマンドを送信するようにし(ステップS23)、ついで、無線通信インターフェースがイネーブル状態であるかをチェックし(ステップS24)、イネーブルでなければ処理を終了し、イネーブルであれば無線インタフェースへコマンドを送信するようにする(ステップS25)。
【0061】
このようにカメラ制御インターフェース部4,12に処理させる結果、常にどの有線・無線通信インターフェースがイネーブル状態であるかを把握し、かつ適切なインターフェースに対してビデオ制御コマンド要求・確認を送受信することができる。
【0062】
次に、上記ビデオ制御コマンドによる本実施例システムの典型的な制御例を列挙する。
【0063】
<無線接続から有線接続への切り替え>
本システムでは、パソコン本体9からビデオカメラ1を外して使用中に、パソコン本体9に、このビデオカメラ1をパソコン本体9にドッキングさせて引き続き使用すると云った形態がとれる。すなわち、この場合、パソコン本体9とビデオカメラ1とは無線通信中に動的に有線接続に切り替えて通信が実施されるわけである。
【0064】
このように、無線通信中から動的に接続し、有線接続に切り替わる場合での動作は図6、図7に示す如きフローチャートのような制御を実施すれば良い。図に基づいて説明する。図6はビデオカメラ1側の、そして、図7はホスト側の表示装置(パソコン本体9)の動作のフローチャートを示している。
【0065】
初めに、ビデオカメラ1側の動作を説明する。
ビデオカメラ1側ではその有線通信プロトコルインターフェース部4でカメラと通信可能になったか否かを有線接続されたか否かを有線インターフェース部6を通してチェックし(ステップS31)、通信不可能ならば処理を終了し、通信可能ならば、すなわち、有線接続されたことを認識したならばカメラ取り付け要求コマンドを受信したか否かをチェックする(ステップS32)。そして、カメラ取り付け要求コマンドを受信していないならば処理を終了するが、カメラ取り付け要求コマンドを受信したならばカメラ取り付け確認コマンドを送信し(ステップS33)、次に有線通信要求コマンドを受信したか否かをチェックする(ステップS34)。
【0066】
そして、その結果、有線通信要求コマンドを受信したならば有線通信に切り替えるべく、切り替え制御し(ステップS35)、その後、有線通信確認コマンドを確認してから符号化部に関するコマンドを受信したか否かをチェックする(ステップS36,S37)。
【0067】
一方、ステップS34でのチェックの結果、有線通信要求コマンドを受信していないならば符号化部に関するコマンドを受信したか否かをチェックする(ステップS37)。
【0068】
そして、ステップS37でのチェックの結果、受信していれば要求コマンドに対する処理を実行し(ステップS38)、次に符号化部に関する種々のコマンドを送信し(ステップS39)、さらに無線部電源のオフ(切断)要求を受信したか否かをチェックする(ステップS40)。
【0069】
一方、ステップS37でのチェックの結果、受信していなければ、無線部電源のオフ(切断)要求を受信したか否かをチェックする(ステップS40)。
【0070】
そして、ステップS40でのチェックの結果、受信していなければ、処理を終了し、受信していれば無線部電源をオフ(切断)し、さらに無線部電源オフ確認コマンドを送信して処理を終了する(ステップS41,S42)。
【0071】
また、ホスト側の表示装置(パソコン本体9)では次のように動作する。
パソコン本体9では、その有線通信プロトコルインターフェース部14でカメラと通信可能になったか否かを有線インターフェース部15を通してチェックし(ステップS51)、通信不可能ならば処理を終了し、通信可能ならば、すなわち、有線接続されたことを認識したならばカメラ取り付け要求コマンドを受信したか否かをチェックする(ステップS52)。そして、カメラ取り付け要求コマンドを受信していないならば処理を終了するが、カメラ取り付け要求コマンドを受信したならばカメラ取り付け確認コマンドを送信し(ステップS53)、次に有線通信要求コマンドを受信したか否かをチェックする(ステップS54)。
【0072】
そして、その結果、有線通信要求コマンドを受信したならば有線通信に切り替えるべく、切り替え制御し(ステップS55)、その後、有線通信確認コマンドを確認してから符号化部に関するコマンドを受信したか否かをチェックする(ステップS56,S57)。
【0073】
一方、ステップS54でのチェックの結果、有線通信要求コマンドを受信していないならば符号化部に関するコマンドを受信したか否かをチェックする(ステップS57)。
【0074】
そして、ステップS57でのチェックの結果、受信していれば要求コマンドに対する処理を実行し(ステップS58)、次に符号化部に関する種々のコマンドを送信し(ステップS59)、さらに無線部電源のオフ(切断)要求を受信したか否かをチェックする(ステップS60)。
【0075】
一方、ステップS37でのチェックの結果、受信していなければ、無線部電源のオフ(切断)要求を受信したか否かをチェックする(ステップS40)。
【0076】
そして、ステップS40でのチェックの結果、受信していなければ、処理を終了し、受信していれば無線部電源をオフ(切断)し、さらに無線部電源オフ確認コマンドを送信して処理を終了する(ステップS41,S42)。
【0077】
このような動作の結果、ホスト側の表示装置(パソコン本体9)が有線インターフェース部15を通して、有線通信プロトコルインターフェース部14が有線接続されたことを認識した時、カメラ制御インターフェース部12へその旨通知し、また、ビデオカメラ1が有線インターフェース部6を通して、有線通信プロトコルインターフェース部5が有線接続されたことを認識した時、カメラ制御インターフェース部4へその旨通知すると云った制御ができることになる。
【0078】
ここでホスト側の表示装置(パソコン本体9)とビデオカメラ1間で相互に接続を認識するために、適切なカメラ制御コマンドを、ホスト側表示装置(パソコン本体9)とビデオカメラ1間のカメラ制御インターフェース間で有線プロトコルを経由して相互交換した後、有線回線接続を確立し、通信を有線接続へ切り替える。
【0079】
有線回線接続が確立した後はホスト側表示装置(パソコン本体9)より、無線回線の電源をオフにしたり、もしくは、有線接続に適した画像圧縮率、もしくは非圧縮に関するカメラ制御コマンドを相互のカメラ制御インターフェース部間でやりとりする。
【0080】
これにより、有線接続時には、消費電力を抑えるために無線部系統の電源を落して省エネ化をはかったり、画像伝送には画像圧縮率を落とす、もしくは画像圧縮することなしに、データ伝送してホスト側表示装置(パソコン本体9)側に画像表示させることが可能となる。また有線無線切り替えにおける画像再生もスムーズに行えるようになる。
【0081】
以上は、無線通信中から動的に接続し、有線接続に切り替わる場合での動作を説明した。本システムでは、有線通信中の状態からカメラのドッキングを解くと、ビデオカメラ1とパソコン本体9とは有線接続から無線接続に自動的に切り替わる。従って、次に、この場合での動作を説明する。
【0082】
<有線接続から無線接続への切り替え>
有線通信中、ユーザからビデオカメラ取外し指示がある無しに関係無く、動的にビデオカメラを取り外した場合での有線接続状態から無線接続状態に切り替わるための処理の一例を図8、図9のフローチャートに示す。
【0083】
図8はビデオカメラ1側の、そして、図9はホスト側の表示装置(パソコン本体9)の動作のフローチャートを示している。
【0084】
初めに、ビデオカメラ1側の動作を説明する。
ビデオカメラ1側ではその有線通信プロトコルインターフェース部4でカメラとの通信が切断されたか否かを有線インターフェース部6を通してチェックし (ステップS71)、切断ならば無線通信への切り替え処理を実行し(ステップS72)、無線通信要求コマンドの受信を行い(ステップS73)、無線通信確認コマンドを送信する(ステップS74)。そして、無線通信の準備を完了させ(ステップS75)、符号化部に関するコマンドを受信したか否かをチェックし(ステップS76)、受信していなければ処理を終了し、受信していれば要求コマンドに対する処理を実行する(ステップS77)。そして、符号化部に関する種々の要求コマンドを送信し、その後、処理を終了する(ステップS78)。
【0085】
一方、ステップS71でのチェックの結果、有線通信プロトコル切断でなければ有線での通信を実行し(ステップS79)、カメラ取り外し要求コマンドの受信を行い(ステップS80)、カメラ取り外し確認コマンドの送信を行い(ステップS81)、無線部電源のオンを要求するコマンドを受信し(ステップS82)、無線部電源のオン制御を実施し(ステップS83)、無線部電源のオンの確認コマンドを送信してから(ステップS84)、ステップS73以降の処理に移る。
【0086】
また、ホスト側の表示装置(パソコン本体9)では次のように動作する。
パソコン本体9では、ユーザから事前にカメラ取り外し指示が無かったをチェックし(ステップS91)、指示があったならば有線通信プロトコルの切断を実施し(ステップS92)、さらに無線通信への切り替えを実施し(ステップS93)、次にカメラ取り外し要求コマンドを送信し(ステップS94)、カメラ取り外し確認コマンドを受信する(ステップS95)。
【0087】
そして、無線部電源のオンを要求するコマンドを送信し(ステップS96)、無線部電源のオン確認コマンドを受信し(ステップS97)、その後に無線通信要求コマンドを送信し(ステップS98)、無線通信要求に対する無線通信確認コマンドを受信して(ステップS99)、無線通信の準備を完了させる(ステップS100)。
【0088】
一方、ステップS91でのチェックの結果、ユーザからのカメラ取り外し指示があった場合には、有線で通信を実施し(ステップS104)、無線通信要求コマンド送信し(ステップS105)、無線通信確認コマンドを受信して(ステップS106)、無線通信の準備を完了させる(ステップS100)。
【0089】
無線通信の準備が完了したなら(ステップS100)、次に符号化部に関するコマンドを受信したか否かをチェックし(ステップS101)、受信がなければ処理を終了し、受信があれば要求コマンドに対する処理を実行する(ステップS102)。そして、符号化部に関する種々の要求コマンドを送信し、その後、処理を終了する(ステップS103)。
【0090】
このような動作により、有線通信中の状態からカメラのドッキングを解くと、ビデオカメラ1とパソコン本体9とは有線接続から無線接続に自動的に切り替わることになる。
【0091】
つまり、ユーザにより表示装置9と接続しているビデオカメラ1を取り外す旨、予めマン・マシンインターフェース部13より指示があった場合、パソコン本体9とビデオカメラ1はカメラ制御インターフェース12,4によりカメラコマンドを相互に交換し、無線通信に切り替えるように動作する。
【0092】
また、ユーザからの指定なくビデオカメラ1が取り外されたとき、もしくはマン・マシンインターフェースが搭載されていない時、パソコン本体9、ビデオカメラ1は、それぞれの無線インターフェースを使用可能な状況にした後、無線通信プロトコルインターフェース16,7、無線通信インターフェース部17,8を通じて、カメラ制御インターフェース12,4が相手の検出を試み、検出した際は、相互にカメラ制御コマンドを交換し、無線通信を確立する。確立後は表示装置より受信したカメラコマンド制御により、有線接続に適した画像圧縮率がビデオカメラ1に設定され、ビデオカメラ1側はその圧縮率で画像データを符号化し、符号化された画像データを受信したパソコン本体9側は画像復号化部11で復号化の後、表示部10で表示する。
【0093】
これにより、無線接続時には画像圧縮率をあげて低データ容量化を図り、伝送負荷を軽減した状態でパソコン本体9側に伝送して、画像を表示させることが可能になり、また有線・無線切り替えにおける画像再生をスムーズに行えるようになる。
【0094】
<ブロードキャスト方式の適用例>
次に、1台のビデオカメラ1を複数の表示装置(パソコン本体9)で共有できるようにする例を説明する。1台のビデオカメラ1を複数の表示装置(パソコン本体9)で共有できるようにするために、ビデオカメラ1の撮像データを当該ビデオカメラ1がブロードキャストするためのフローチャートを図10、図11に示す。
【0095】
図10は表示装置(パソコン本体9)側の、そして、図11はビデオカメラ1側の動作のフローチャートを示す。
【0096】
図10に従って表示装置(パソコン本体9)側の動作を説明する。
【0097】
ここでは、ユーザによるカメラの共有指示を受けたか否かをチェックし(ステップS201)、受けている場合、共有のためのビデオ制御コマンドを送信し (ステップS202)、ビデオ制御コマンド確認を受信した後(ステップS203)、共有画面を見るために無線プロトコルより画像受信し(ステップS204)、共有画像を表示する(ステップS205)。
【0098】
次に、図11に従ってビデオカメラ1側の動作を説明する。
この場合、ビデオカメラ1側では共有のためのビデオ制御コマンドを受信したか否かをチェックし(ステップS211)、受信したならば無線によるブロードキャストが可能であるか否かをチェックし(ステップS212)、可能で有ればブロードキャスト設定してから共有のためのビデオ制御コマンドを送信する(ステップS213,S214)。そして、画像データをブロードキャストする(ステップS215)。
【0099】
また、ステップS212でのチェックの結果、可能でなければ共有のためのビデオ制御コマンドを送信し(ステップS214)、そして、画像データをブロードキャストする(ステップS215)。
【0100】
このように処理する結果、1台のビデオカメラ1の画像を複数の表示装置(パソコン本体9)でそれぞれ受信して観賞することができるようになる。
【0101】
すなわち、表示装置(パソコン本体9)のマン・マシンインターフェース部13より、ユーザによってカメラの共有指示を受けた場合、表示装置9のカメラ制御インターフェース12は、ビデオカメラ1のカメラ制御インターフェース4に対してブロードキャスト要求のカメラ制御コマンドを送信する。それを受信したビデオカメラ1側のカメラ制御インターフェース4は、無線プロトコルインターフェース部7に対し、複数表示装置問と無線通信を確立するために、必要ならば無線インターフェース部7に対してブロードキャスト可能なように設定し、ブロードキャスト用のMACアドレスヘカメラ制御コマンドを送信する。
【0102】
さらに、それを受信した各画像表示装置(パソコン本体9)は、それぞれ無線通信路をビデオカメラ1間と確立させ、無線通信路の確立後、カメラ制御インターフェース12はビデオカメラ1の無線インターフェース部8から送信される画像データが、自己の無線インターフェース部17で受信可能なように設定し、その後、画像受信と画像表示を実施する。
【0103】
このようなことができることにより、多数の表示装置で1台のビデオカメラを共有することが可能になる。
【0104】
以上、本実施例のシステムは、ホスト側装置である画像表示装置(パーソナルコンピュータ等)とこれに着脱自在で有線・無線通信が可能なビデオカメラ間において、有線・無線通信をそれぞれが自動的に認識できるようにしたことにより、通信形態に適応した圧縮率での画像符号化・復号化をスムーズに実現できるようにした。
本実施例は以下のような構成を有する。
(1)画像情報を取得するカメラ装置と、このカメラ装置と画像情報の通信を行うホスト装置を有する画像授受システムにおいて、カメラ装置は、無線回線による伝送機能および有線回線による伝送機能を有する伝送手段と、制御情報に従い当該カメラ装置を制御する処理手段と、上記制御情報を有線もしくは無線通信によりホスト装置と送受信するカメラ装置側送受信手段とを有し、ホスト装置は上記制御情報を出力する第1の手段と、上記カメラ装置と有線接続されているか否かにかかわらず上記制御情報を有線もしくは無線通信により前記カメラ装置と送受信するホスト側送受信手段とを有することを特徴とする画像授受システム。
(2)前記カメラ装置には、デジタル画像を取得する撮像手段と、この撮像手段にて得られた画像を符号化し、有線もしくは無線で伝送すべく前記カメラ装置側送受信手段に与える圧縮率変更可能な符号化手段と、有線もしくは無線の接続状況に応じてホスト側装置からの指示により上記符号化手段を制御する制御手段を具備させ、前記ホスト装置には、上記画像データを有線もしくは無線により受信する受信手段と、受信した画像データを復号化する復号化手段と、この復号化手段により復号化された画像データを表示する表示手段と、有線もしくは無線接続の状況に応じて前記カメラ装置の符号化手段の圧縮率を送受信手段による通信路経由で制御する制御手段とを具備する構成とすることを特徴とする(1)記載の画像授受システム。
(3)ホスト側装置には、無線通信中に前記カメラ装置を動的に有線伝送路による接続状態にした場合にこれを認識する認識手段と、この認識手段による認識が成されたとき、前記カメラ装置の符号化手段の圧縮率を低く、または非圧縮にすべく制御情報作成して前記ホスト側送受信手段に与える手段と、カメラ装置より圧縮率制御情報を受信して処理する手段と、無線伝送路による接続を有線伝送路による接続に切り替える切替手段とを具備させ、カメラ装置には、有線伝送路による接続状態にしたことを認識する手段と、ホスト側装置より得た前記制御情報対応に符号化手段の圧縮率を制御する制御手段と、符号化手段の圧縮率の情報をホスト装置へ送る手段と、無線伝送路による接続を有線伝送路による接続に切り替える手段とを具備する構成とすることを特徴とする(2)記載の画像授受システム。
(4)ホスト装置には、有線通信中に伝送路接続を切断したときこれを認識する認識手段と、この認識手段による認識結果に従い有線伝送路による接続を無線伝送路による接続に切り替える手段と、無線伝送路への接続に切り替えるとき上記カメラ装置の圧縮率を高くする制御情報をカメラ装置ヘ送る手段とを具備させ、カメラ装置には、有線伝送路による接続が切断したことを認識する手段と、有線接続を無線接続に切り替える手段と、ホスト装置からの制御情報を受けて符号化手段の圧縮率を制御する手段とを具備する構成とすることを特徴とする(2)記載の画像授受システム。
(5)ホスト装置には、カメラ装置を複数のホスト装置で共有するにあたり、カメラ装置を共有化するための制御情報を送る手段と、カメラ装置より送信された制御情報を受信・処理する手段と、無線によりブロードキャストされた画像データを受信する手段とを具備させ、カメラ装置には、上記カメラ装置の共有化制御情報を受けると共有化モードにする手段と、カメラ装置の共有化モード時には画像データを無線伝送路を用いてブロードキャストして送受信手段にて送信させるべく制御する手段とを具備する構成とすることを特徴とする(2)記載の画像授受システム。
(6)画像情報を取得するカメラ装置であって、ホスト装置への画像情報の通信が可能なカメラ装置において、カメラ装置は、無線回線による伝送機能および有線回線による伝送機能を有する伝送手段と、制御情報に従い当該カメラ装置を制御する処理手段と、上記制御情報を有線もしくは無線通信によりホスト装置と送受信するカメラ装置側送受信手段とを備えることを特徴とするカメラ装置。
(7)カメラ装置と画像情報の通信が可能なホスト装置において、上記カメラ装置と有線もしくは無線通信により接続する手段と、カメラ装置を制御するための制御情報を出力する第1の手段と、カメラ装置と有線接続されているか否かにかかわらず上記制御情報を有線もしくは無線通信により前記カメラ装置と送受信するホスト側送受信手段とを有することを特徴とするホスト装置。
【0105】
特に有線接続時には、ホスト側装置では、有線伝送路でビデオカメラと接続されていることを認識し、画像符号化(例えば、MPEG−4等を利用した符号化)の有無や圧縮率等の制御情報をビデオカメラ側と送受信し、ビデオカメラ側はそれを受けて、符号化の制御を行うようにし、また、ホスト側装置は符号化された画像データを受信した場合、表示時に、復号化して表示するようにした。
【0106】
また、無線接続時においては、表示装置側では、無線でビデオカメラと接続されていることを認識し、画像符号化(MPEG−4等)し、また、有線の場合に較べ、帯域が低い場合は画像符号化における圧縮率をより高くするよう、制御情報をビデオカメラ側と送受信し、ビデオカメラ側はそれを受けて、符号化の制御を行うようにした。また、表示装置側は符号化された画像データを受信した場合、表示時に、復号化して表示するようにした。
【0107】
また、無線接続時に、撮像された画像データをブロードキャストすることにより、複数のホスト側装置(あるいは複数のパーソナルコンピュータ)で撮像画像受信して、共同利用できるようにした。
【0108】
有線・無線切り替えに際して、伝送路に適合した伝送ができるようにすべく、画像圧縮率を動的に変化させた際のビデオカメラ・ホスト側装置間の画像転送をスムーズにでき、また、有線接続中にも無線接続が可能となったことにより、より汎用な接続が可能になるものである。また、無線接続時には、無線転送に適した画像圧縮方式(MPEG−4等)を利用して撮像画像を符号化し、無線伝送路上で転送するので、能率的に画像データを転送できリアルタイム性を維持してホスト側装置上で画像観賞可能にするものである。
【0109】
特に、本実施例は、カメラ付パソコンに応用した場合、カメラのパソコン本体に対する着脱を可能にし、かつ、パーソナルコンピュータとの親和性をよくする。
【0110】
また、本実施例により、ユーザはビデオカメラの着脱操作に無関係に、ビデオカメラ制御をホスト側装置で実施可能となる。また、カメラ側ではホスト側装置に対しての着脱の際に圧縮率の制御を行う必要がなくなり、しかも、カメラ着脱の際の画像再生がスムーズに行えるメリットがある。
【0111】
多数のホスト側装置によるカメラの共有化も可能となる
ホスト側装置とカメラを分離可能とすることにより、カメラの携帯性を向上することができる。
【0112】
また、本実施例では、有線・無線接続切り替え判定は、着脱操作による場合ばかりでなく、コマンド等によっても可能である。そのため、有線接続中に無線接続の形態に接続変更するように制御することができる。また、有線・無線接続時における切り替え時において、画像圧縮率等をビデオカメラ・表示装置(パソコン本体)間で相互にネゴシエーションし、やり取りすることができるため、その切り替えがスムーズに行えるようになる。
【0113】
また、画像表示装置において、無線接続しているか否かを意識させないようにするパーソナルコンピュータ分野でのハードウエアのサポート技術である一般的なプラグアンドプレイの技術をそのまま使用可能であるが、更にコマンドでも状態を変えることができるので運用上の柔軟性は極めて大きくなる。
【0114】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、種々変形して実施可能である。例えば、上述の実施例では画像表示装置としてパソコン用いる構成としているが、これはパソコンに限るものではなく、電子手帳や携帯電話機、ワープロ、テレビ電話機、テレビ受像機などにも適用可能である。
【0115】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、有線・無線切り替えにおける、画像圧縮率を動的に変化させた際のビデオカメラ・ホスト側装置間の画像転送をスムーズにでき、また、有線接続中にも無線接続が可能となったことにより、より汎用な接続が可能になるものである。また、無線接続時には、無線転送に適した画像圧縮方式(MPEG−4等)を利用して撮像画像を符号化し、無線伝送路上で転送するので、能率的に画像データを転送でき、リアルタイム性を維持してホスト側装置上で画像観賞可能にでき、特に、カメラ付パソコンに本発明を応用した場合、カメラのパソコン本体に対する着脱を可能にし、かつ、パーソナルコンピュータとの親和性をよくする。
【0116】
また、本発明により、ユーザはビデオカメラの着脱操作に無関係に、ビデオカメラ制御をホスト側装置で実施可能となる。また、カメラ側ではホスト側装置に対しての着脱の際に圧縮率の制御を行う必要がなくなり、しかも、カメラ着脱の際の画像再生がスムーズに行える他、多数のホスト側装置によるカメラの共有化も可能となるなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を説明するための図であって、本実施例システムの構成例を示すブロック図。
【図2】 本発明の実施例を説明するための図であって、本実施例システムにおけるカメラコマンド送信時の処理例を示すフローチャート。
【図3】 本発明の実施例を説明するための図であって、本実施例システムにおけるカメラコマンド受信時の処理例を示すフローチャート。
【図4】 本発明の実施例を説明するための図であって、本実施例システムに用いるカメラ制御コマンド例を示す図。
【図5】 本発明の実施例を説明するための図であって、本実施例システムにおけるカメラ制御インターフェースの処理例を示すフローチャート。
【図6】 本発明の実施例を説明するための図であって、本実施例システムにおける無線通信中の動的接続時におけるビデオカメラ制御の処理例を示すフローチャート。
【図7】 本発明の実施例を説明するための図であって、本実施例システムにおける無線通信中の動的接続時におけるホスト側装置(パソコン本体9)制御の処理例を示すフローチャート。
【図8】 本発明の実施例を説明するための図であって、本実施例システムにおける無線通信中の動的カメラ取り外し時におけるビデオカメラ制御の処理例を示すフローチャート。
【図9】 本発明の実施例を説明するための図であって、本実施例システムにおける無線通信中の動的カメラ取り外し時におけるホスト側装置(パソコン本体9)制御の処理例を示すフローチャート。
【図10】 本発明の実施例を説明するための図であって、本実施例システムにおける画像データを共有するためのホスト側装置(パソコン本体9)制御の処理例を示すフローチャート。
【図11】 本発明の実施例を説明するための図であって、本実施例システムにおける画像データを共有するためのビデオカメラ制御の処理例を示すフローチャート。
【図12】 従来技術説明するための図。
【符号の説明】
1…ビデオカメラ本体、2…撮像部(カメラ)、3…画像符号化部、4…カメラ制御インターフェース部、5…有線通信プロトコルインターフェース、6…有線通信インターフェース、7…無線通信プロトコルインターフェース、8…無線インターフェース。
Claims (9)
- 画像情報を取得するカメラ装置と、
このカメラ装置と画像情報の通信を行うホスト装置と
を備える画像授受システムであって、
前記カメラ装置は、
前記ホスト装置と無線通信する第1無線通信手段と、
前記ホスト装置と有線通信する第1有線通信手段と、
前記ホスト装置と当該カメラ装置との有線接続が解除されたことを検出する第1検出手段と、
前記ホスト装置から前記第1有線通信手段を介して取り外しコマンドを受信する受信手段と、
前記第1検出手段が有線接続の解除を検出した場合、あるいは前記受信手段が前記取り外しコマンドを受信した場合、前記第1無線通信手段をオンする第1通信制御手段とを具備し、
前記ホスト装置は
前記カメラ装置と無線通信する第2無線通信手段と、
前記カメラ装置と有線通信する第2有線通信手段と、
前記カメラ装置と当該ホスト装置との有線接続が解除されたことを検出する第2検出手段と、
ユーザからの指示により生成された取り外しコマンドを前記カメラ装置へ前記第2有線通信手段を介して送信する送信手段と、
前記第2検出手段が有線接続の解除を検出した場合、あるいは前記送信手段が前記カメラ装置へ取り外しコマンドを送信した場合、前記第2無線通信手段をオンする第2通信制御手段とを具備することを特徴とする画像授受システム。 - 前記カメラ装置は、
撮像し、画像情報を取得する撮像手段と、
前記撮像手段で取得した画像情報を可変の圧縮率で符号化する符号化手段とを更に備え、
前記ホスト装置は、
前記カメラ装置から受信した画像情報を復号化する復号化手段を更に備え、
前記符号化手段の圧縮率は前記第1無線通信手段、第2無線通信手段がオンか否かに応じて制御されることを特徴とする請求項1記載の画像授受システム。 - 前記第1無線通信手段と前記第2無線通信手段がオンの場合の前記符号化手段の圧縮率は前記第1無線通信手段と前記第2無線通信手段がオフの場合に比べて高いことを特徴とする請求項2記載の画像授受システム。
- 前記ホスト装置は前記カメラ装置を他のホスト装置と共有するための制御情報を出力し、
前記カメラ装置は前記ホスト装置から当該制御情報を受信すると共有化モードとなり、
前記第1無線通信手段は、前記共有化モード時に、画像情報を前記ホスト装置及び前記他のホスト装置に送信することを特徴とする請求項1記載の画像授受システム。 - 画像情報をホスト装置へ送信するカメラ装置であって、
撮像し、画像情報を取得する撮像手段と、
前記ホスト装置と無線通信する無線通信手段と、
前記ホスト装置と有線通信する有線通信手段と、
前記ホスト装置との有線接続が解除されたことを検出する検出手段と、
前記ホスト装置から前記有線通信手段を介して取り外しコマンドを受信する受信手段と、
前記検出手段が有線接続の解除を検出した場合、あるいは前記受信手段が取り外しコマンドを受信した場合、前記無線通信手段をオンする通信制御手段とを具備することを特徴とするカメラ装置。 - 前記撮像手段で取得した画像情報を可変の圧縮率で符号化する符号化手段を更に備え、
前記符号化手段の圧縮率は前記無線通信手段がオンか否かに応じて制御されることを特徴とする請求項5記載のカメラ装置。 - 前記無線通信手段がオンの場合の前記符号化手段の圧縮率は前記無線通信手段がオフの場合に比べて高いことを特徴とする請求項6記載のカメラ装置。
- 前記ホスト装置からの制御情報に応じて、前記無線通信手段に前記ホスト装置及び他のホスト装置へ画像情報を送信させることを特徴とする請求項5記載のカメラ装置。
- カメラ装置から画像情報を受信するホスト装置であって、
前記カメラ装置と無線通信する無線通信手段と、
前記カメラ装置と有線通信する有線通信手段と、
ユーザからの指示により生成された取り外しコマンドを前記カメラ装置へ前記有線通信手段を介して送信する送信手段と、
前記カメラ装置との有線接続が解除されたことを検出する検出手段と、
前記検出手段が有線接続の解除を検出した場合、あるいは前記送信手段が前記カメラ装置へ取り外しコマンドを送信した場合、前記無線通信手段をオンする通信制御手段とを具備するホスト装置。
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