JP4386873B2 - 薄膜作製装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属薄膜を作成する薄膜作製装置及び薄膜作製方法に関する。
現在、半導体等の製造においては、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いた成膜が知られている。プラズマCVD装置とは、チャンバ内に導入した膜の材料となる有機金属錯体等のガスを、高周波アンテナから入射する高周波によりプラズマ状態にし、プラズマ中の活性な励起原子によって基板表面の化学的な反応を促進して金属薄膜等を成膜する装置である。
これに対し、本発明者等は、高蒸気圧ハロゲン化物を作る金属成分であって、成膜を望む金属成分からなる被エッチング部材をチャンバに設置し、ハロゲンガスをプラズマ化して前記被エッチング部材をハロゲンのラジカルによりエッチングすることで金属成分のハロゲン化物である前駆体を生成させるとともに、前駆体の金属成分のみを基板上に成膜するプラズマCVD装置(以下、新方式のプラズマCVD装置という)および成膜方法を開発した(例えば、下記、特許文献1参照)。
上記新方式のプラズマCVD装置では、所定の低圧力下(例えば、0.1Torr〜0.2Torr)で、成膜される金属源となる被エッチング部材の温度に対して基板の温度が低くなるように制御して基板に当該金属膜を成膜している。例えば、被エッチング部材の金属をM、ハロゲンガスをClとした場合、被エッチング部材を高温(例えば300℃〜700℃)に、また基板を低温(例えば200℃程度)に制御することにより、前記基板にM薄膜を形成することができる。これは、次のような反応によるものと考えられる。
(1)プラズマの解離反応;Cl→2Cl
(2)エッチング反応;M+Cl→MCl(g)
(3)基板への吸着反応;MCl(g)→MCl(ad)
(4)成膜反応;MCl(ad)+Cl →M+Cl
ここで、ClはClのラジカルであることを、(g)はガス状態であることを、(ad)は吸着状態であることをそれぞれ表している。
前述した新方式のCVD装置においては、MClとClとの割合を適正に保つことで、成膜反応が適切に行われる。即ち、成膜条件として、Clガスの流量、圧力、パワー、基板及び被エッチング部材の温度、基板と被エッチング部材との距離等を適正に設定することで、MClとClとの割合をほぼ等しく制御することができ、成膜速度を低下させることなく、しかも、基板に対してClによるエッチング過多が生じることなくMが析出される。
上述した新方式のCVD装置において、成膜が終了した際には、塩素ガスを停止すると共にプラズマを停止するが、この時、Clガス及びMCl、Clは排気されて徐々に減少していく。このため、プラズマを停止した後にもClが残留することになり、残留するClによって作製された薄膜がエッチングされる虞があった。プラズマの停止のタイミングやClガスの供給停止のタイミング等の条件を適宜選定することで残留するClの影響を最小限にすることが行われているが、金属の種類や使用するガスの種類、装置の形態等により一義的に条件を選定することは困難であり、残留するClの影響を抑制する技術は確立されていないのが実情であった。
特開2003−147534号公報
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、成膜が終了した際に残留するハロゲンラジカルの影響を抑制することができる薄膜作製装置及び薄膜作製方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の薄膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、前記基板が対向する位置における前記チャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、前記チャンバの内部にハロゲンを含有する作用ガスを供給する作用ガス供給手段と、成膜終了時に前記チャンバの内部に希ガスを供給する希ガス供給手段と、前記チャンバの内部をプラズマ化して作用ガスプラズマを発生させ、ハロゲンラジカルを生成して前記ハロゲンラジカルで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲン成分とからなる前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くして前記前駆体の金属成分を前記基板側に成膜させると共に、成膜終了後にプラズマを停止させて前記希ガス供給手段から前記希ガスをチャンバ内に供給して残留する前記ハロゲンラジカルの影響を抑制する制御手段とを備えた薄膜作製装置であって、前記被エッチング部材はAl製であり、前記プラズマ発生手段は、Al成分とハロゲンXとからなる前駆体AlX を生成し、前記制御手段は、流体の滞留時間を制御してAlX 及びAlXの中間体を介して前記前駆体AlX のAl成分を前記基板側に成膜させるものであることを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、プラズマを停止させた時に、供給される希ガスによりハロゲンラジカルを反応させてハロゲンガスとして排出することで、残留するハロゲンラジカルの影響を抑制することができる。
請求項に係る本発明では、Alの薄膜を作成した後に残留するハロゲンラジカルの影響を抑制することができる。
また、請求項に係る本発明の薄膜作製装置は、請求項1に記載の薄膜作製装置において、希ガス供給手段は、作用ガスのハロゲンを希釈する希ガスを供給するものであり、制御手段には、成膜終了後にハロゲンの供給を停止すると共に希ガスの供給を継続する機能が備えられていることを特徴とする。
請求項に係る本発明では、成膜に用いられる作用ガスのハロゲンを停止することで希ガスを供給することができる。
また、請求項に係る本発明の薄膜作製装置は、請求項1又は2に記載の薄膜作製装置において、希ガスはHeであることを特徴とする。
請求項に係る本発明では、作用ガスのハロゲンを希釈するHeを適用することができる。
また、請求項に係る本発明の薄膜作製装置は、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の薄膜作製装置において、作用ガスに含有されるハロゲンは塩素であることを特徴とする。
請求項に係る本発明では、安価な塩素ガスを用いることができる。
本発明の薄膜作製装置は、残留するハロゲンラジカルの影響を抑制することができる薄膜作製装置となる。
また、本発明の薄膜作製方法は、残留するハロゲンラジカルの影響を抑制することができる薄膜作製装置となる。
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。以下に示した実施形態例では、金属としてアルミニウム(Al)の薄膜を作製する場合を例に挙げて説明してあるが、金属としてはAlに限らず、銅、タンタル、チタン、貴金属等他の金属を適用することも可能である。
図1には本発明の一実施形態例に係る薄膜作製装置の概略側面、図2にはプラズマの発光状況を表すグラフ、図3には圧力と前駆体及び塩素ラジカルとの関係を表すグラフ、図4にはプラズマ密度と前駆体及び塩素ラジカルとの関係を表すグラフ、図5には本発明の他の実施形態例に係る薄膜作製装置の概略側面、図6にはプラズマの状況とチャンバ内の流体の状況との関係を経時的に表すグラフを示してある。
図1に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃から300℃に維持される温度)に制御される。尚、チャンバの形状は円筒状に限らず、例えば、矩形状のチャンバを適用することも可能である。
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材料製(例えば、セラミックス製)の板状の天井板7によって塞がれている。天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのプラズマアンテナ8が設けられ、プラズマアンテナ8は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ8には整合器9及び電源10が接続されて高周波が供給される。プラズマアンテナ8、整合器9及び電源10により誘導プラズマを発生させるプラズマ発生手段が構成されている。
チャンバ1には、アルミニウム製(Al製)の被エッチング部材11が保持され、被エッチング部材11はプラズマアンテナ8の電気の流れに対して基板3と天井板7の間に不連続状態で配置されている。例えば、被エッチング部材11は、格子状に形成されてプラズマアンテナ8の電気の流れ方向である周方向に対して構造的に不連続な状態とされている。
尚、プラズマアンテナ8の電気の流れに対して不連続状態にする構成としては、被エッチング部材を網目状に構成したり、リングの内周側に複数の長尺突起を形成する等の構成とすることも可能である。
被エッチング部材11の上方におけるチャンバ1の筒部にはチャンバ1の内部にハロゲンとしての塩素を含有する作用ガス(Heにより所定の濃度に希釈されたガス:Clガス)17を供給するガスノズル14が1本設けられている。ガスノズル14はチャンバ1の中心部まで延び、先端が上方に向けられてガス噴出口15とされている。HeとClガスは流量制御器16に個別に制御されて送られ、ガスノズル14には流量及び圧力が制御される流量制御器16を介してHeで希釈されたClガス17が送られる(作用ガス供給手段)。
尚、ガスノズル14の形状及び配置は、例えば、チャンバ1の周方向に等間隔で複数(例えば8箇所)接続する等、図示の例に限られるものではない。また、作用ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素、臭素及びヨウ素等を適用することが可能である。ハロゲンとして塩素を用いたことにより、安価な塩素ガスを用いて薄膜を作製することができる。
また、チャンバ1の筒部には所望の成膜が終了した時点に基板3の表面近傍にArガスを適宜供給するアルゴン添加手段としてのノズル21が設けられている。ノズル21からは流量制御器23を介してArガス22がチャンバ1内に供給され、プラズマを発生させることにより基板3の近傍の電子温度を低下させて基板表面の輻射エネルギーを減少させる。このため、基板3の温度を低下させることができ、後述するClラジカルにより作製された薄膜がエッチングされることを抑制することができる。
成膜に関与しないガス等は排気口18から排気される。天井板7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置19によって所定の圧力に維持される。真空装置19の図示しないバルブは制御手段20により制御され、バルブの調整によりチャンバ内が所望の圧力に制御される。
一方、制御手段20により電源10の出力が適宜調整され、RFパワーが制御可能とされている。また、成膜の経時状況に応じて電源をON状態からOFF状態に切り換えてチャンバ1内のプラズマの発生が適宜制御されるようになっている。また、制御手段20の制御により、電源のON・OFFの制御に連動して流量制御器16、23でのガスの流量状況が制御される。
また、チャンバ1の筒部にはプラズマの発光状況(例えば、波長に対する発光強度)を検出するプラズマ分光器25が設けられ、分光データに基づいて後述するClラジカル、AlX、AlX、AlXの状況(分光データ)を求めて分光データを制御手段20に送る。
上述した薄膜作製装置では、塩素を含有する作用ガス17をチャンバ1内に供給し、流体の滞留時間を制御して(長くして)、即ち、チャンバ1内の圧力を高くして、塩素ラジカルによりAl製の被エッチング部材11をエッチングして被エッチング部材に含まれるAl成分とハロゲンClとからなる前駆体AlClを生成し、AlCl及びAlClの中間体を介して前駆体AlClのAl成分を基板3側に成膜させる。
流体の滞留時間を長くすることでAlCl及びAlClの中間体が生成され、中間体を介して前駆体AlXのAl成分を基板3側に成膜させるので、Clラジカルによる還元が容易になりAlの薄膜を確実に作製することができる。
ここで、流体の滞留時間の制御はチャンバ1内の圧力を高くすることで行われる。流体の滞留時間tは、
t=V/QTP
で表すことができる。
ここで、Qはガスの流量、Tは雰囲気の温度、Pは圧力{760(Torr)/P(Total)}、Vは反応雰囲気の容積である。このため、流体の滞留時間を長くしてAlCl及びAlClの中間体を生成するためには、圧力P(Total:Torr)を高くして圧力Pを小さい値にする、流量を減らす、温度を低くする、容積を大きくする、のいずれかにより達成することができる。本実施形態例では、制御性等を考慮して圧力P(Total:Torr)を高くすることで滞留時間を長くするようにしている。
通常、新方式のCVD装置を用いて金属薄膜を作製する場合、圧力P(Total:Torr)は0.1〜0.2(Torr)の範囲に設定されるが、本実施形態例では、例えば、圧力P(Total:Torr)を0.5〜1.0(Torr)の範囲に設定し、滞留時間を1.5倍程度に設定している。圧力Pの設定は真空装置19の図示しないバルブの制御により行われている。
具体的な成膜の状況を以下に説明する。
0.5〜1.0(Torr)に制御されたチャンバ1の内部にガスノズル14からClガス21を供給する。プラズマアンテナ8から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Clガス17をイオン化してClガスプラズマを発生させ、Clラジカルを生成する。プラズマは、ガスプラズマ12で図示する領域に発生する。この時の反応は、次式で表すことができる。
Cl→2Cl
ここで、Clは塩素ラジカルを表す。
ガスプラズマ12がAl製の被エッチング部材11に作用することにより、被エッチング部材11が加熱されると共に、Alにエッチング反応が生じる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
AlCl→AlCl→AlCl
AlClに塩素ラジカルClが作用することにより、
AlCl+Cl→AlCl+Cl↑の反応が生じてAlClとなる。
また、AlClに塩素ラジカルClが作用することにより、
AlCl+Cl→AlCl+Cl↑の反応が生じてAlClとなる。
更に、AlClに塩素ラジカルClが作用することにより、
AlCl+Cl→Al+Cl↑の反応が生じてAl成分となる。
これにより、還元し易いAlCl及びAlClの中間体が生成され、還元し易い(不安定な)中間体を介して前駆体AlClのAl成分を基板3側に成膜させるので、Clラジカルによる還元が容易になりAlの薄膜を確実に作製することができる。
上述したAlの薄膜の作製に際し、成膜中はプラズマ分光器25によりプラズマの発光状況(例えば、波長に対する発光強度)を検出している。即ち、図2に示すように、AlCl、AlCl、AlCl、塩素ラジカルCl、Alの発光強度は波長により異なるため、発光強度を検出することによりAlCl、AlCl、AlCl、塩素ラジカルCl、Alの状況を検出することができる。
プラズマ分光器25での検出データは制御手段20に送られ、前述した反応の過程において、AlCl、AlCl、AlCl、塩素ラジカルCl、Alが所望状態に生成されているかをモニタする。モニタの結果、所望の生成物が得られていない場合(予め記憶された発光強度の状況と一致していない場合)、制御手段20の指令により、真空装置19の図示しないバルブの調整が行われてAlCl、AlCl、AlCl、塩素ラジカルCl、Alが所望状態に生成されるように圧力が制御される。
ところで、図3に示すように、圧力を高くすると、塩素ラジカルClが減少してAlClとのバランスが不均衡になる虞がある。図4に示すように、塩素ラジカルCl及びAlClはプラズマ密度を高くすると増加するので、圧力を高くする動作に連動して制御手段20により電源10の出力を適宜調整してRFパワーを上げてプラズマ密度を高くしている。これにより、塩素ラジカルClが増加し、圧力を高くしても塩素ラジカルClが減少する虞がなくなり、AlClとのバランスを維持することが可能になる。
尚、塩素ラジカルClを増加させる構成としては、RFパワーを上げること以外に別途塩素ラジカルClを供給する構成としてもよい。
図5に基づいて塩素ラジカルClを別途供給する構成の薄膜作製装置を説明する。図1に示した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。図5に示した薄膜作製装置は、ラジカル補給手段を備えている。
ラジカル補給手段40は、チャンバ1の周囲(例えば、4箇所)に開口部41が設けられ、開口部41には筒状のラジカル通路42の一端が固定されている。ラジカル通路42の途中部には絶縁体製の筒状の励起室43が設けられ、励起室43の周囲にはコイル状のプラズマアンテナ44が設けられている。プラズマアンテナ44には整合器45及び電源46が接続され、電源46から給電が行われる。ラジカル通路42にはハロゲンとしての塩素ガス(Clガス)が供給され、プラズマアンテナ44から電磁波を励起室43の内部に入射することでClガスが励起されてハロゲンラジカルとしての塩素ラジカルClが形成される。励起室43で形成された塩素ラジカルClは開口部41からチャンバ1内に供給される。
圧力を高くして塩素ラジカルClが減少する虞が生じた場合、ラジカル補給手段40によって塩素ラジカルClをチャンバ1内に供給する。これにより、塩素ラジカルClが増加し、圧力を高くしても塩素ラジカルClが減少する虞がなくなり、AlClとのバランスを維持することが可能になる。
図1、図5に示した薄膜作製装置では、基板3にAlの薄膜が作製されると(成膜の終盤)、流量制御器23を介してノズル21からArガス22がチャンバ1内に供給され、プラズマを発生させる。これにより、基板3の近傍の電子温度を低下させて基板表面の輻射エネルギーを減少させ、基板3の温度を低下させることができ、作製された薄膜がClラジカルClによりエッチングされることを抑制することができる。
更に、図1、図5に示した薄膜作製装置では、成膜終了時にプラズマを停止させた時に、Clガスだけを停止して希釈用のHeガス(希ガス)を流し続けるようになっている。Heガスを流し続けることで、プラズマを停止させた後に残留するClラジカルClとHeを反応させてClガスとして排出する。これにより、成膜されたAlの薄膜が残留するClラジカルClによって影響を受けることがない。
図6に基づいてチャンバ1内の流体の状況を詳細に説明して本発明の薄膜作製方法を説明する。
図に示すように、ガスノズル14(図1、図5参照)からHeガスで希釈されたClガスを供給すると、プラズマをONにするt1までHeとClを漸増させる。t1でプラズマをONすると共にガスノズル14(図1、図5参照)の流量を一定にすることで、ClラジカルClが生成されると共に被エッチング部材11(図1、図5参照)に対するエッチングによりAlClが生成される。
Alの薄膜が作製された後t2の時点でプラズマをOFF状態にし、Clガスだけを停止して希釈用のHeガス(希ガス)を流し続ける。この時、排気は続けて実施している。t2の時点でプラズマをOFF状態にした後、Cl、ClラジカルCl、AlClが徐々に減少していく。残留するClラジカルClは成膜されたAlの薄膜に影響を及ぼす虞があるが、Heガスが供給されているため、残留するClラジカルClがHeと反応してClガスとして排出される。
この時の反応は次式で表すことができる。
Cl+Cl→Cl↑+He
プラズマをOFF状態にした後もHeガス(希ガス)を流し続けることにより、残留するClラジカルClを排出することができ、成膜されたAlの薄膜が、残留するClラジカルClによって影響を受けることがない。
尚、本実施形態例では希釈用のHeガスを流し続けることで希ガスを供給する構成としたが、別途ノズルを設けてプラズマを停止した時にHeガスを供給する構成とすることも可能である。また、希ガスとしてはAr、Xeを適用することも可能である。Arを適用する場合、ノズル21からのArガス22を用いることができる。
上述した薄膜作製装置を用いてAlの薄膜を作製する他のプロセスの例を説明する。
塩素を含有する作用ガス17をチャンバ1内に供給し、流体の滞留時間を制御して(長くして)、即ち、チャンバ1内の圧力を高くして、塩素ラジカルによりAl製の被エッチング部材11をエッチングして被エッチング部材に含まれるAl成分とハロゲンClとからなる前駆体AlClを生成し、AlClのハロゲン成分同士を反応させてAl成分を基板3側に成膜させる。
流体の滞留時間を制御することでAlClが生成され、AlClのハロゲン成分同士が反応してAl成分が基板側に成膜され、前駆体AlXのAl成分の薄膜を確実に作製することができる。
前述同様に、圧力P(Total:Torr)を高くすることで滞留時間を長くし中間体AlCl(AlX)を生成するようにしている。例えば、圧力P(Total:Torr)を1.0〜2.0(Torr)の範囲に設定して中間体AlXを生成する。圧力Pの設定は真空装置19の図示しないバルブの制御により行われている。
図1を参照して具体的な成膜の状況を以下に説明する。
1.0〜2.0(Torr)に制御されたチャンバ1の内部にガスノズル14からClガス21を供給する。プラズマアンテナ8から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Clガス21をイオン化してClガスプラズマを発生させ、Clラジカルを生成する。プラズマは、ガスプラズマ12で図示する領域に発生する。この時の反応は、次式で表すことができる。
Cl→2Cl
ここで、Clは塩素ラジカルを表す。
ガスプラズマ12がAl製の被エッチング部材11に作用することにより、被エッチング部材11が加熱されると共に、Alにエッチング反応が生じてAlClが生成される。生成されたAlClは、
AlCl+AlCl→2Al↓+Cl↑の反応が生じてAlの薄膜が作製される。即ち、AlClのCl成分同士が反応してAl成分が基板側に成膜され、前駆体AlXのAl成分の薄膜が行われる。
この時、圧力条件を成膜中に変更することにより、AlClに塩素ラジカルClを作用させ、
AlCl+Cl→AlCl+Cl↑の反応を生じさせてAlClとし、更に、AlClに塩素ラジカルClを作用させることにより、
AlCl+Cl→Al+Cl↑の反応を生じさせてAl成分とすることも可能である。
これにより、不安定なAlClを生成し、AlClのAl成分を基板3側に成膜させるので、Alの薄膜を確実に作製することができる。
上述したAlの薄膜の作製に際し、成膜中はプラズマ分光器25によりプラズマの発光状況(例えば、波長に対する発光強度)を検出している。即ち、AlCl、AlCl、塩素ラジカルCl、Alの発光強度は波長により異なるため、発光強度を検出することによりAlCl、AlCl、塩素ラジカルCl、Alの状況を検出することができる。
プラズマ分光器25での検出データは制御手段20に送られ、前述した反応の過程において、AlCl、AlCl、塩素ラジカルCl、Alが所望状態に生成されているかをモニタする。モニタの結果、所望の生成物が得られていない場合(予め記憶された発光強度の状況と一致していない場合)、制御手段20の指令により、真空装置19の図示しないバルブの調整が行われてAlCl、AlCl、塩素ラジカルCl、Alが所望状態に生成されるように圧力が制御される。
尚、前述したAlClから中間体としてAlClを生成する過程において、圧力条件を変更して、AlClからAlClのCl成分同士を反応させてAl成分を基板側に成膜させるプロセスとすることも可能である。
製膜の終了時には、前述同様に、Arガスを用いて基板3の近傍の電子温度を低下させて基板表面の輻射エネルギーを減少させる。また、プラズマをOFF状態にした後もHeガス(希ガス)を流し続けて、残留するClラジカルClを排出し、残留するClラジカルClによるAlの薄膜への影響をなくす。
上述した薄膜作製装置を用いた更に他の実施形態例に係る薄膜作成方法を説明する。
塩素を含有する作用ガス17をチャンバ1内に供給し、流体の滞留時間を制御して(長くして)、即ち、チャンバ1内の圧力を高くして、塩素ラジカルによりAl製の被エッチング部材11をエッチングして被エッチング部材に含まれるAl成分とハロゲンClとからなる前駆体AlClを生成し、AlClと塩素ラジカルを反応させてAl成分を基板3側に成膜させる。
流体の滞留時間を制御することでAlClが生成され、AlClと塩素ラジカルが反応してAl成分が基板側に成膜され、前駆体AlCl(AlX)のAl成分の薄膜を確実に作製することができる。
前述同様に、圧力P(Total:Torr)を高くすることで滞留時間を長くし中間体AlCl(AlX)を生成するようにしている。例えば、圧力P(Total:Torr)を2.0(Torr)を超える範囲に設定してAlXを生成する。圧力Pの設定は真空装置19の図示しないバルブの制御により行われている。
図1を参照して具体的な成膜の状況を以下に説明する。
2.0(Torr)を超える圧力に制御されたチャンバ1の内部にガスノズル14からClガス21を供給する。プラズマアンテナ8から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Clガス21をイオン化してClガスプラズマを発生させ、Clラジカルを生成する。プラズマは、ガスプラズマ12で図示する領域に発生する。この時の反応は、次式で表すことができる。
Cl→2Cl
ここで、Clは塩素ラジカルを表す。
ガスプラズマ12がAl製の被エッチング部材11に作用することにより、被エッチング部材11が加熱されると共に、Alにエッチング反応が生じてAlClが生成される。生成されたAlClは、
AlCl+Cl→Al+Cl↑の反応が生じてAl成分とされ、Alの薄膜が作製される。
これにより、不安定なAlClを生成し、AlClのAl成分を基板3側に成膜させるので、Alの薄膜を確実に作製することができる。
上述したAlの薄膜の作製に際し、成膜中はプラズマ分光器25によりプラズマの発光状況(例えば、波長に対する発光強度)を検出している。即ち、AlCl、塩素ラジカルCl、Alの発光強度は波長により異なるため、発光強度を検出することによりAlCl、塩素ラジカルCl、Alの状況を検出することができる。
プラズマ分光器25での検出データは制御手段20に送られ、前述した反応の過程においてAlCl、塩素ラジカルCl、Alが所望状態に生成されているかをモニタする。モニタの結果、所望の生成物が得られていない場合(予め記憶された発光強度の状況と一致していない場合)、制御手段20の指令により、真空装置19の図示しないバルブの調整が行われてAlCl、塩素ラジカルCl、Alが所望状態に生成されるように圧力が制御される。
製膜の終了時には、前述同様に、Arガスを用いて基板3の近傍の電子温度を低下させて基板表面の輻射エネルギーを減少させる。また、プラズマをOFF状態にした後もHeガス(希ガス)を流し続けて、残留するClラジカルClを排出し、残留するClラジカルClによるAlの薄膜への影響をなくす。
従って、新方式のCVD装置を用いてAlの薄膜を確実に作製することができる薄膜作製装置及び薄膜作製方法とすることができる。
本発明は、本発明は、Al成分を成膜することができる薄膜作製装置及び薄膜作製方法の産業分野で利用することができる。
本発明の一実施形態例に係る薄膜作製装置の概略側面図である。 プラズマの発光状況を表すグラフである。 圧力と前駆体及び塩素ラジカルとの関係を表すグラフである。 プラズマ密度と前駆体及び塩素ラジカルとの関係を表すグラフである。 本発明の他の実施形態例に係る薄膜作製装置の概略側面図である。 プラズマの状況とチャンバ内の流体の状況との関係を経時的に表すグラフである。
符号の説明
1 チャンバ
2 支持台
3 基板
4 ヒータ
5 冷媒流通手段
6 温度制御手段
7 天井板
8 プラズマアンテナ
9 整合器
10 電源
11 被エッチング部材
12 ガスプラズマ
14 ガスノズル
15 ガス噴出口
16 流量制御器
17 作用ガス
18 排出口
19 真空装置
20 圧力制御手段
21 ノズル
22 Arガス
25 プラズマ分光器
40 補給手段
41 開口部
42 ラジカル通路
43 励起室
44 プラズマアンテナ
45 整合器
46 電源

Claims (4)

  1. 基板が収容されるチャンバと、
    前記基板が対向する位置における前記チャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、
    前記チャンバの内部にハロゲンを含有する作用ガスを供給する作用ガス供給手段と、
    成膜終了時に前記チャンバの内部に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
    前記チャンバの内部をプラズマ化して作用ガスプラズマを発生させ、ハロゲンラジカルを生成して前記ハロゲンラジカルで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲン成分とからなる前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くして前記前駆体の金属成分を前記基板側に成膜させると共に、成膜終了後にプラズマを停止させて前記希ガス供給手段から前記希ガスをチャンバ内に供給して残留する前記ハロゲンラジカルの影響を抑制する制御手段とを備えた薄膜作製装置であって、
    前記被エッチング部材はAl製であり、

    前記プラズマ発生手段は、Al成分とハロゲンXとからなる前駆体AlXを生成し、

    前記制御手段は、流体の滞留時間を制御してAlX及びAlXの中間体を介して前記前駆体AlXのAl成分を前記基板側に成膜させることを特徴とする薄膜作製装置。
  2. 前記希ガス供給手段は、作用ガスのハロゲンを希釈する希ガスを供給するものであり、

    前記制御手段には、成膜終了後にハロゲンの供給を停止すると共に希ガスの供給を継続する機能が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜作製装置。
  3. 前記希ガスはHeであることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜作製装置。
  4. 前記作用ガスに含有されるハロゲンは塩素であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の薄膜作製装置。
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