JP3771864B2 - 金属膜作製装置及び金属膜作製方法 - Google Patents

金属膜作製装置及び金属膜作製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気相成長法により基板の表面に金属膜を作製する金属膜作製装置及び金属膜作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、気相成長法により金属膜、例えば、銅の薄膜を作製する場合、例えば、銅・ヘキサフロロアセチルアセトナト・トリメチルビニルシラン等の液体の有機金属錯体を原料として用い、固体状の原料を溶媒に溶かし、熱的な反応を利用して気化して基板に成膜を実施している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、熱的反応を利用した成膜のため、成膜速度の向上を図ることが困難であった。また、原料となる金属錯体が高価であり、しかも、銅に付随しているヘキサフロロアセチルアセトナト及びトリメチルビニルシランが銅の薄膜中に不純物として残留するため、膜質の向上を図ることが困難であった。
【0004】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜作製装置及び金属膜作製方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容され上部が開口されたチャンバと、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの上部の開口を密閉する絶縁材製の天井部材と、天井部材の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するためのアンテナ部材と、基板と天井部材との間におけるチャンバの径方向に延びると共に周方向に複数配置されアンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態となる金属製の被エッチング部材と、被エッチング部材に設けられる表面積増加手段と、アンテナ部材に給電を行い被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることによりチャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されると共に一端側が開口する円筒状のチャンバと、チャンバの開口を密閉する絶縁材製の円盤状の天井部材と、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、天井部材の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するための平面リング形状のアンテナ部材と、基板と天井部材との間におけるチャンバの径方向に延びると共に周方向に複数配置されアンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態となる金属製の被エッチング部材と、被エッチング部材に設けられる表面積増加手段と、アンテナ部材に給電を行い被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることでチャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されると共に一端側が開口する円筒状のチャンバと、チャンバの開口を密閉する絶縁材製の外方側に湾曲した凸形状の天井部材と、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、天井部材の外方周囲に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するための円錐リング状のアンテナ部材と、基板と天井部材との間におけるチャンバの径方向に延びると共に周方向に複数配置されアンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態となる金属製の被エッチング部材と、被エッチング部材に設けられる表面積増加手段と、アンテナ部材に給電を行い被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることでチャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
そして、金属製の被エッチング部材はアンテナ部材の直下におけるチャンバ内で半径方向に延びる複数の棒部材であり、被エッチング部材に設けられる表面積増加手段は棒部材に設けられる円盤状のフィンであることを特徴とする。
【0009】
また、円盤状のフィンはアンテナ部材との位置状況に応じて径が変更されていることを特徴とする。
【0010】
また、円盤状のフィンに小孔を形成したことを特徴とする。
【0011】
また、金属製の被エッチング部材はアンテナ部材の直下におけるチャンバ内で半径方向に延びる複数の棒部材であり、被エッチング部材に設けられる表面積増加手段は棒部材に設けられ棒部材の軸方向に平行な面を有する板材であることを特徴とする。
【0012】
また、板材はアンテナ部材との位置状況に応じて幅が変更されていることを特徴とする。
【0013】
また、板材は波状に形成されていることを特徴とする金属膜作製装置。
【0014】
また、金属製の被エッチング部材はアンテナ部材の直下におけるチャンバ内で半径方向に延びる複数の棒部材であり、棒部材にメッシュ部材が設けられていることを特徴とする。
【0015】
また、金属製の被エッチング部材はアンテナ部材の直下におけるチャンバ内で半径方向に延びる複数の棒部材であり、棒部材に凹凸部を形成したことを特徴とする。
【0016】
また、凹凸部は棒部材の軸方向に延びる溝であることを特徴とする。
【0017】
また、凹凸部は棒部材の周方向に延びる溝であることを特徴とする。
【0018】
また、凹凸部は棒部材の表面に設けられる多数のディンプルであることを特徴とする。
【0019】
また、金属製の被エッチング部材はアンテナ部材の直下におけるチャンバ内に配され板面が垂直方向となる板部材であることを特徴とする。
【0020】
また、板部材は複数枚で構成されていることを特徴とする。
【0021】
また、ハロゲンを含有する原料ガスは、塩素を含有する原料ガスであることを特徴とする。
【0022】
また、被エッチング部材を銅製とすることにより、前駆体としてCuxClyを生成することを特徴とする。
【0023】
また、被エッチング部材は、ハロゲン化物形成金属であるタンタルもしくはタングステンもしくはチタンであることを特徴とする。
【0024】
上記目的を達成するための本発明の金属膜作製方法は、アンテナ部材により基板が収容されたチャンバの内部を給電によりプラズマ化するに際し、基板とチャンバの天井部材との間におけるチャンバの径方向に延びると共に周方向に複数配置されアンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態となる金属製の被エッチング部材を配置し、アンテナ部材に給電を行い表面積が増加された被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることによりチャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成し、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1乃至図15に基づいて本発明の金属膜作製装置及び金属膜作製方法の実施形態例を説明する。
【0026】
図1には本発明の一実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面、図2には図1中のII-II 線矢視、図3には図2中のIII-III 線矢視、図4にはフィンが取り付けられている状況の拡大状態を示してある。また、図5には被エッチング部材の他の形状を表す平面視状況を示してある。また、図6乃至図14には表面積増加手段の実施形態例を表す概略構成を示してある。
【0027】
図1乃至図4に基づいて一実施形態例を説明する。
【0028】
図1に示すように、円筒状に形成された、金属製(例えば、アルミ製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御されるようになっている。
【0029】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材製(例えば、セラミックス製)の天井部材である円盤状の天井板7によって塞がれている。天井板7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。支持台2の上方におけるチャンバ1の筒部には、チャンバ1の内部にハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好ましくは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)を供給するノズル12が接続されている。
【0030】
ノズル12は天井板7に向けて開口し、ノズル12には流量制御器13を介して原料ガスが送られる。尚、原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素(F)、臭素(Br)及びヨウ素(I)等を適用することが可能である。
【0031】
尚、ノズル12を円周方向に複数設け、円周方向でノズル12の開口方向を2方向以上に変更して設け、開口方向が異なるノズル12を使い分けることにより、原料ガスの供給状況(プラズマの発生状況)を制御することが可能である。また、ノズル12を設ける場所は、チャンバ1の上部に水平方向に設けたり、チャンバ1の上下に2段に設ける等が可能であり、図示例の状態に限定されるものではない。
【0032】
チャンバ1の上面の開口部と天井板7との間には金属製(Cu製)の被エッチング部材18が挟持されている。図1、図2に示すように、被エッチング部材18は、チャンバ1の上面の開口部に挟持されるリング部19が備えられ、リング部19の内周側にはチャンバ1の径方向中心部近傍まで延び同一幅となっている棒部材としての突起部20が円周方向に複数(図示例では12個)設けられている。
【0033】
突起部20は、リング部19に対して一体、もしくは、取り外し自在に取り付けられている。天井板7とチャンバ1の内部との間には突起部20の間で形成される切欠部35(空間)が存在した状態になっている。リング部19はアースされており、複数の突起部20は電気的につながれて同電位に維持されている。
【0034】
尚、図5に示したように、突起部20の間に突起部20よりも径方向に短い第2突起部36を配置することも可能であり、更に、突起部20と第2突起部36との間に短い突起部を配置することも可能である。このようにすると、誘導電流を抑制しつつエッチング対象となる銅の面積を確保することができる。
【0035】
天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのアンテナ部材としてのプラズマアンテナ9が設けられ、プラズマアンテナ9は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ9にはプラズマ発生手段としての整合器10及び電源11が接続されて給電が行われる。
【0036】
被エッチング部材18は、リング部19の内周側に突起部20が円周方向に複数設けられ、突起部20の間で形成される切欠部35(空間)が存在しているので、プラズマアンテナ9の電気の流れ方向に対して不連続な状態で基板3と天井部材との間に突起部20が配置された状態になっている。
【0037】
上述した金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にノズル12から原料ガスを供給し、プラズマアンテナ9から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14が発生する。プラズマアンテナ9の下部には導電体である被エッチング部材18が存在しているが、以下の作用により被エッチング部材18と基板3との間、即ち、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14が安定して発生するようになっている。
【0038】
被エッチング部材18に下側にCl2 ガスプラズマ14が発生する作用について説明する。図3に示すように、平面リング状のプラズマアンテナ9の電気の流れAは突起部20を横切る方向となり、このとき、突起部20のプラズマアンテナ9との対向面には誘導電流bが発生する。被エッチング部材18には切欠部35(空間)が存在している状態になっているので、誘導電流bはそれぞれの突起部20の下面に流れてプラズマアンテナ9の電気の流れAと同一方向の流れaとなる(ファラデーシールド)。
【0039】
このため、基板3側から被エッチング部材18を見た場合、プラズマアンテナ9の電気の流れAを打ち消す方向の流れが存在しない状態になり、しかも、リング部19がアースされて突起部20が同電位に維持されている。これにより、導電体である被エッチング部材18が存在していても、プラズマアンテナ9から電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14が安定して発生するようになっている。
【0040】
尚、突起部20をリング部19につなげずに原料ガスの供給を制御することで電位の違いによるプラズマの不安定をなくすようにすることも可能である。
【0041】
Cl2 ガスプラズマ14により、銅製の被エッチング部材18にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)15が生成される。このとき、被エッチング部材18はCl2 ガスプラズマ14により基板3の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。チャンバ1の内部で生成された前駆体(CuxCly)15は、被エッチング部材18よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。基板3に運ばれる前駆体(CuxCly)15は還元反応によりCuイオンのみとされて基板3に当てられ、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0042】
このときの反応は、次式で表すことができる。
2Cu+Cl2 →2CuCl→2Cu↓+Cl2
反応に関与しないガス及びエッチング生成物は排気口17から排気される。
【0043】
尚、原料ガスとして、He,Ar等で希釈されたCl2 ガスを例に挙げて説明したが、Cl2 ガスを単独で用いたり、HCl ガスを適用することも可能である。HCl ガスを適用した場合、原料ガスプラズマはHCl ガスプラズマが生成されるが、被エッチング部材18のエッチングにより生成される前駆体はCuxClyである。従って、原料ガスは塩素を含有するガスであればよく、HCl ガスとCl2 ガスとの混合ガスを用いることも可能である。
【0044】
また、被エッチング部材18の材質は、銅(Cu)に限らず、ハロゲン化物形成金属、好ましくは塩化物形成金属であるAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等を用いることが可能である。この場合、前駆体はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等のハロゲン化物(塩化物)となり、基板3の表面に生成される薄膜はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等になる。
【0045】
上記構成の金属膜作製装置は、Cl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14を用いているため、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、原料ガスとしてCl2 ガスを用いているため、コストを大幅に減少させることができる。また、温度制御手段6を用いて基板3を被エッチング部材18よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0046】
また、被エッチング部材18は、リング部19の内周側に突起部20が円周方向に複数設けられ、突起部20の間で形成される切欠部35(空間)が存在しているので、被エッチング部材18に生じる誘導電流は基板3側からみてプラズマアンテナ9の電気の流れと同一方向の流れとなる。
【0047】
これにより、導電体である被エッチング部材18がプラズマアンテナ9の下に存在していても、プラズマアンテナ9から電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能となる。
【0048】
ところで、上述した金属膜作製装置では、被エッチング部材18はリング部19の内周側に突起部20が円周方向に複数設けられているため、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能となっている。反面、基板3に対して形状が一様となっていないので、表面積を増大させて膜質及び膜厚の不均一性をなくす必要がある。この時、渦電流損の増大や励起塩素の基板3への到達率低下を起こすことは避けなければならない。
【0049】
このため、本実施形態例では、渦電流損の増大や励起塩素の基板3への到達率低下がない状態で被エッチング部材18の表面積を増大させるための表面積増加手段が備えられている。
【0050】
表面積増加手段を説明する。
【0051】
図1、図2乃び図4に示すように、被エッチング部材18の突起部20にはCu製の円盤状のフィン41が盤面が突起部20の軸方向に直交する状態で多数設けられ、フィン41は突起部20の先端側に向かって径が漸減されている。即ち、突起部20の先端側の直上にはプラズマアンテナ9が存在しないためにCl2 ガスプラズマ14の密度が低くなっている。
【0052】
このため、アンテナ部材であるプラズマアンテナ9との位置状況に応じてフィン41の径が変更され、Cl2 ガスプラズマ14の密度が高いプラズマアンテナ9の直下では大径のフィン41が設けられてより表面積が増大されるようになっている。従って、励起塩素との接触面積が最大となるようにフィン41が配置された状態になっている。
【0053】
フィン41の径は周方向で隣接するフィン41と平面視で重ならない大きさに設定され、フィン41の厚さは、例えば、0.5mm乃至3.0mm程度に設定されている。尚、同一径の円盤状のフィン41を適用することも可能である。
【0054】
上述したように、円盤状のフィン41を設けたことにより、被エッチング部材18の表面積が増大し、励起塩素との接触面積が増加して膜質及び膜厚の不均一性をなくすことができる。
【0055】
しかも、円盤状のフィン41を設けても平面視では被エッチング部材18は不連続な状態が保たれているので、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能となっており、渦電流損の増大や励起塩素の基板3への到達率低下を起こすことはない。
【0056】
また、フィン41が盤面が突起部20の軸方向に直交する状態で設けられているため、電流の流れ方向に対してCl2 ガスプラズマ14の均一性を保つことができる。更に、フィン41は取り外しができるため、メンテナンスが簡単で、しかも、取り付け位置や数を任意に選定することができる。
【0057】
図6乃至図14に基づいて表面積増加手段の他の実施形態例を説明する。
【0058】
図6に示した表面積増加手段は、上述したフィン41に小孔42が設けられているものである。小孔42を設けたことにより、突起部20の軸心寄りのCl2 ガスプラズマ14も均一性を保つことができる。
【0059】
図7に示した表面積増加手段は、被エッチング部材18の突起部20には、突起部20の軸方向に平行な面を有するCu製の板材43が上下に設けられている。板材43の上下方向の幅は略等しくされている。
【0060】
尚、図8に示すように、突起部20の先端側に向かって板材43の上下方向の幅を漸減させることも可能である。これにより、Cl2 ガスプラズマ14の密度が高いプラズマアンテナ9の直下では板材43の幅が広くなり表面積が増大され、励起塩素との接触面積が最大となるように板材43が配置された状態になる。
【0061】
上述したように、板材43を設けたことにより、被エッチング部材18の表面積が増大し、励起塩素との接触面積が増加して膜質及び膜厚の不均一性をなくすことができる。
【0062】
しかも、板材43を設けても平面視では被エッチング部材18は不連続な状態が保たれているので、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能となっており、渦電流損の増大や励起塩素の基板3への到達率低下を起こすことはない。
【0063】
また、板材43は取り外しができるため、メンテナンスが簡単で、しかも、取り付け位置や数を任意に選定することができる。
【0064】
尚、板材43を上下に設けた例を挙げて説明したが、左右や斜めに任意の枚数を設けることが可能である。
【0065】
図9に示した表面積増加手段は、被エッチング部材18の突起部20には、突起部20の軸方向に延びて配設されるCu製の波状板材44が上下に設けられている。
【0066】
上述したように、波状板材44を設けたことにより、被エッチング部材18の表面積が大幅に増大し、励起塩素との接触面積が大幅に増加して膜質及び膜厚の不均一性をなくすことができる。
【0067】
しかも、波状板材44を設けても平面視では被エッチング部材18は不連続な状態が保たれているので、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能となっており、渦電流損の増大や励起塩素の基板3への到達率低下を起こすことはない。
【0068】
また、波状板材44は取り外しができるため、メンテナンスが簡単で、しかも、取り付け位置や数を任意に選定することができる。
【0069】
図10に示した表面積増加手段は、被エッチング部材18の突起部20には、三角形状のCu製のメッシュ部材45が設けられている。
【0070】
上述したように、メッシュ部材45を設けたことにより、被エッチング部材18の表面積が大幅に増大し、励起塩素との接触面積が大幅に増加して膜質及び膜厚の不均一性をなくすことができる。
【0071】
しかも、メッシュ部材45を設けても平面視では被エッチング部材18は不連続な状態が保たれているので、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能となっており、渦電流損の増大や励起塩素の基板3への到達率低下を起こすことはない。
【0072】
また、メッシュ部材45は取り外しができるため、メンテナンスが簡単で、しかも、取り付け位置や数を任意に選定することができる。
【0073】
尚、プラズマアンテナ9から電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14が安定して発生するような形状であれば、リング部19の内側の全面にメッシュ部材45を配置することも可能である。
【0074】
図11に示した表面積増加手段は、被エッチング部材18の突起部20には、凹凸部として軸方向に延びる溝としての長溝46が複数設けられている。また、図12に示した表面積増加手段は、被エッチング部材18の突起部20には、凹凸部として周方向に延びる溝としての円環溝47が複数設けられている。更に、図13に示した表面積増加手段は、被エッチング部材18の突起部20の表面には凹凸部としての多数のディンプル48が設けられている。
【0075】
上述したように、長溝46もしくは円環溝47もしくは多数のディンプル48を設けたことにより、極めて簡単な構成で被エッチング部材18の表面積が増大し、励起塩素との接触面積が増加して膜質及び膜厚の不均一性をなくすことができる。
【0076】
しかも、長溝46もしくは円環溝47もしくは多数のディンプル48を設けたので隣接する突起部20の間には部材が全く存在せず、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能となっており、渦電流損の増大や励起塩素の基板3への到達率低下を起こすことは全くない。
【0077】
図14に示した表面積増加手段は、被エッチング部材としてリング部19に板面が垂直方向となるCu製の板部材49を配置して構成している。板部材49は一枚もしくは複数枚設けられ、プラズマアンテナ9の直下に配されている。
【0078】
上述したように、板部材49をプラズマアンテナ9の直下に配して被エッチング部材を構成して表面積増加手段としたので、被エッチング部材の表面積が増大し、励起塩素との接触面積が増加して膜質及び膜厚の不均一性をなくすことができる。
【0079】
しかも、板面が垂直方向となる板部材49を配置したので、平面視では被エッチング部材は不連続な状態が保たれ、被エッチング部材の下側にCl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能となっており、渦電流損の増大や励起塩素の基板3への到達率低下を起こすことはない。
【0080】
尚、板部材49を平面視で不連続となるように格子状態に配置したり、大きさの異なる板部材49を並べて円環状態に配置する等して被エッチング部材を構成することも可能である。
【0081】
図15に基づいて上述した表面積増加手段を有する被エッチング部材を備えた本発明の他の実施形態例に係る金属膜作製装置及び金属膜作製方法を説明する。図15には本発明の他の実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面を示してある。尚、図1に示した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0082】
図15に示した金属膜作製装置は、図1に示した金属膜作製装置に対して、天井部材、プラズマアンテナ及び被エッチング部材の形状が異なっている。即ち、チャンバ1の上部開口には絶縁材(セラミックス等)の外方に凸状となる碗型(ドーム形状)の天井部材28が固定されている。
【0083】
チャンバ1の上面の開口部と天井部材28との間には金属製(Cu製)の被エッチング部材29が挟持されている。被エッチング部材29は、チャンバ1の上面の開口部に挟持されるリング部30が備えられ、リング部30の内周側にはチャンバ1の径方向中心部近傍まで延び天井部材28の内側の碗型形状に沿って延びる突起部31が円周方向に複数設けられている。リング部30はアースされており、複数の突起部31は電気的につながれて同電位に維持されている。
【0084】
一方、天井部材28の上方周囲にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのアンテナ部材としてのプラズマアンテナ32が設けられ、プラズマアンテナ32は天井部材28の碗型形状に沿って円錐リング状に形成されている。
【0085】
プラズマアンテナ32にはプラズマ発生手段としての整合器10及び電源11が接続されて給電が行われる。被エッチング部材29は、リング部30の内周側に突起部31が天井部材28の碗型形状に沿って円周方向に複数設けられ、突起部31の間で形成される切欠部(空間)が存在する。
【0086】
このため、プラズマアンテナ32の電気の流れ方向に対して不連続な状態で基板3と天井部材28との間に突起部31が配置された状態になっている。
【0087】
上述した金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にノズル12から原料ガスを供給し、プラズマアンテナ32から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14が発生する。
【0088】
天井部材28を挟んでプラズマアンテナ32に対向するチャンバ1内には導電体である被エッチング部材29が存在しているが、切欠部(空間)が存在している状態のため、第1実施形態例と同様に、基板3側から被エッチング部材29を見た場合、プラズマアンテナ32の電気の流れを打ち消す方向の流れが存在しない状態になり、しかも、リング部30がアースされて突起部31が同電位に維持される。
【0089】
これにより、導電体である被エッチング部材29が存在していても、プラズマアンテナ32から電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング部材29の内側にCl2 ガスプラズマ14が安定して発生するようになっている。
【0090】
Cl2 ガスプラズマ14により、銅製の被エッチング部材29にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)15が生成される。このとき、被エッチング部材29は、Cl2 ガスプラズマ14により基板3の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。
【0091】
チャンバ1の内部で生成された前駆体(CuxCly)15は、被エッチング部材29よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。基板3に運ばれる前駆体(CuxCly)15は還元反応によりCuイオンのみとされて基板3に当てられ、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0092】
上記構成の金属膜作製装置は、天井部材28が碗型に形成され、プラズマアンテナ32が天井部材28の碗型形状に沿って円錐リング状に形成されているので、天井部材28の周囲から電磁波を入射してCl2 ガスプラズマ14を発生させることができ、天井部材28の内側のCl2 ガスプラズマ14を安定させることが可能になる。このため、一つの電源によりチャンバ1の内部のCl2 ガスプラズマ14の均一化を図ることができる。
【0093】
そして、上述した金属膜作製装置の突起部31にも、図1乃至図14で示した表面積増加手段及び被エッチング手段を適用することができ、被エッチング部材の表面積が増大し、励起塩素との接触面積が増加して膜質及び膜厚の不均一性をなくすことができる。しかも、被エッチング部材の下側にCl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能となっており、渦電流損の増大や励起塩素の基板3への到達率低下を起こすことはない。
【0094】
【発明の効果】
本発明の金属膜作製装置は、基板が収容され上部が開口されたチャンバと、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの上部の開口を密閉する絶縁材製の天井部材と、天井部材の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するためのアンテナ部材と、基板と天井部材との間におけるチャンバの径方向に延びると共に周方向に複数配置されアンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態となる金属製の被エッチング部材と、被エッチング部材に設けられる表面積増加手段と、アンテナ部材に給電を行い被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることによりチャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜作製装置とすることができる。
【0095】
そして、被エッチング部材の表面積が増大し、励起ハロゲンとの接触面積が増加して膜質及び膜厚の不均一性をなくすことができ、被エッチング部材の下側にプラズマを安定して発生させることができ、渦電流損の増大や励起ハロゲンの基板への到達率低下を起こすことはない。
【0096】
本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されると共に一端側が開口する円筒状のチャンバと、チャンバの開口を密閉する絶縁材製の円盤状の天井部材と、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、天井部材の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するための平面リング形状のアンテナ部材と、基板と天井部材との間におけるチャンバの径方向に延びると共に周方向に複数配置されアンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態となる金属製の被エッチング部材と、被エッチング部材に設けられる表面積増加手段と、アンテナ部材に給電を行い被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることでチャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜作製装置とすることができる。
【0097】
そして、被エッチング部材の表面積が増大し、励起ハロゲンとの接触面積が増加して膜質及び膜厚の不均一性をなくすことができ、被エッチング部材の下側にプラズマを安定して発生させることができ、渦電流損の増大や励起ハロゲンの基板への到達率低下を起こすことはない。
【0098】
本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されると共に一端側が開口する円筒状のチャンバと、チャンバの開口を密閉する絶縁材製の外方側に湾曲した凸形状の天井部材と、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、天井部材の外方周囲に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するための円錐リング状のアンテナ部材と、基板と天井部材との間におけるチャンバの径方向に延びると共に周方向に複数配置されアンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態となる金属製の被エッチング部材と、被エッチング部材に設けられる表面積増加手段と、アンテナ部材に給電を行い被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることでチャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜作製装置とすることができる。
【0099】
そして、被エッチング部材の表面積が増大し、励起ハロゲンとの接触面積が増加して膜質及び膜厚の不均一性をなくすことができ、被エッチング部材の下側にプラズマを安定して発生させることができ、渦電流損の増大や励起ハロゲンの基板への到達率低下を起こすことはない。
【0100】
そして、金属製の被エッチング部材はアンテナ部材の直下におけるチャンバ内で半径方向に延びる複数の棒部材であり、被エッチング部材に設けられる表面積増加手段は棒部材に設けられる円盤状のフィンであるので、簡単な構成により被エッチング部材の表面積を増大して電流の流れ方向のプラズマを均一に保つことができる。
【0101】
また、円盤状のフィンはアンテナ部材との位置状況に応じて径が変更されているので、プラズマ密度に応じて被エッチング部材の表面積を増大させることができる。
【0102】
また、円盤状のフィンに小孔を形成したので、棒部材の軸心近傍のプラズマも均一に保つことができる。
【0103】
また、金属製の被エッチング部材はアンテナ部材の直下におけるチャンバ内で半径方向に延びる複数の棒部材であり、被エッチング部材に設けられる表面積増加手段は棒部材に設けられ棒部材の軸方向に平行な面を有する板材であるので、簡単な構成により被エッチング部材の表面積を大幅に増大することができる。
【0104】
また、板材はアンテナ部材との位置状況に応じて幅が変更されているので、プラズマ密度に応じて被エッチング部材の表面積を増大させることができる。
【0105】
また、板材は波状に形成されているので、簡単な構成により被エッチング部材の表面積を大幅に増大することができる。
【0106】
また、金属製の被エッチング部材はアンテナ部材の直下におけるチャンバ内で半径方向に延びる複数の棒部材であり、棒部材にメッシュ部材が設けられているので、簡単な構成により被エッチング部材の表面積を増大することができる。
【0107】
また、金属製の被エッチング部材はアンテナ部材の直下におけるチャンバ内で半径方向に延びる複数の棒部材であり、棒部材に凹凸部を形成したので、極めて簡単な構成により被エッチング部材の表面積を大幅に増大することができる。
【0108】
また、凹凸部は棒部材の軸方向に延びる溝であるので、極めて簡単な構成により被エッチング部材の表面積を大幅に増大することができる。
【0109】
また、凹凸部は棒部材の周方向に延びる溝であるので、極めて簡単な構成により被エッチング部材の表面積を大幅に増大することができる。
【0110】
また、凹凸部は棒部材の表面に設けられる多数のディンプルであるので、極めて簡単な構成により被エッチング部材の表面積を大幅に増大することができる。
【0111】
また、金属製の被エッチング部材はアンテナ部材の直下におけるチャンバ内に配され板面が垂直方向となる板部材であるので、簡単な構成により被エッチング部材の表面積を大幅に増大することができる。
【0112】
また、板部材は複数枚で構成されているので、簡単な構成により被エッチング部材の表面積を更に大幅に増大することができる。
【0113】
また、ハロゲンを含有する原料ガスは、塩素を含有する原料ガスであることを特徴とし、被エッチング部材を銅製とすることにより、前駆体としてCuxClyを生成するので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しないCu膜を作製することができる。
【0114】
また、被エッチング部材は、ハロゲン化物形成金属であるタンタルもしくはタングステンもしくはチタンであるので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しないタンタルもしくはタングステンもしくはチタンの膜を作製することができる。
【0115】
本発明の金属膜作製方法は、アンテナ部材により基板が収容されたチャンバの内部を給電によりプラズマ化するに際し、基板とチャンバの天井部材との間におけるチャンバの径方向に延びると共に周方向に複数配置されアンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態となる金属製の被エッチング部材を配置し、アンテナ部材に給電を行い表面積が増加された被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることによりチャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成し、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させるようにしたので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜作製方法とすることができる。
【0116】
そして、被エッチング部材の表面積が増大し、励起ハロゲンとの接触面積が増加して膜質及び膜厚の不均一性をなくすことができ、被エッチング部材の下側にプラズマを安定して発生させることができ、渦電流損の増大や励起ハロゲンの基板への到達率低下を起こすことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図。
【図2】図1中のII-II 線矢視図。
【図3】図2中のIII-III 線矢視図。
【図4】フィンが取り付けられている状況の拡大図。
【図5】被エッチング部材の他の形状を表す平面図。
【図6】表面積増加手段の実施形態例を表す概略構成図。
【図7】表面積増加手段の実施形態例を表す概略構成図。
【図8】表面積増加手段の実施形態例を表す概略構成図。
【図9】表面積増加手段の実施形態例を表す概略構成図。
【図10】表面積増加手段の実施形態例を表す概略構成図。
【図11】表面積増加手段の実施形態例を表す概略構成図。
【図12】表面積増加手段の実施形態例を表す概略構成図。
【図13】表面積増加手段の実施形態例を表す概略構成図。
【図14】表面積増加手段の実施形態例を表す概略構成図。
【図15】本発明の実施形態例に係る金属膜作製装置の概略側面図。
【符号の説明】
1 チャンバ
2 支持台
3 基板
4 ヒータ
5 冷媒流通手段
6 温度制御手段
7 天井板
8 真空装置
9,32 プラズマアンテナ
10 整合器
11 電源
12 ノズル
13 流量制御器
14 Cl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)
15 前駆体(CuxCly)
16 Cu薄膜
17 排気口
18,29 被エッチング部材
19,30 リング部
2031 突起部
28 天井部材
35 切欠部
41 フィン
42 小孔
43 板材
44 波状板材
45 メッシュ部材
46 長溝
47 円環溝
48 ディンプル

Claims (20)

  1. 基板が収容され上部が開口されたチャンバと、
    チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    チャンバの上部の開口を密閉する絶縁材製の天井部材と、
    天井部材の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するためのアンテナ部材と、
    基板と天井部材との間におけるチャンバの径方向に延びると共に周方向に複数配置されアンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態となる金属製の被エッチング部材と、
    被エッチング部材に設けられる表面積増加手段と、
    アンテナ部材に給電を行い被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることによりチャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  2. 基板が収容されると共に一端側が開口する円筒状のチャンバと、
    チャンバの開口を密閉する絶縁材製の円盤状の天井部材と、
    チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    天井部材の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するための平面リング形状のアンテナ部材と、
    基板と天井部材との間におけるチャンバの径方向に延びると共に周方向に複数配置されアンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態となる金属製の被エッチング部材と、
    被エッチング部材に設けられる表面積増加手段と、
    アンテナ部材に給電を行い被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることでチャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  3. 基板が収容されると共に一端側が開口する円筒状のチャンバと、
    チャンバの開口を密閉する絶縁材製の外方側に湾曲した凸形状の天井部材と、
    チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    天井部材の外方周囲に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するための円錐リング状のアンテナ部材と、
    基板と天井部材との間におけるチャンバの径方向に延びると共に周方向に複数配置されアンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態となる金属製の被エッチング部材と、
    被エッチング部材に設けられる表面積増加手段と、
    アンテナ部材に給電を行い被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることでチャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
    金属製の被エッチング部材はアンテナ部材の直下におけるチャンバ内で半径方向に延びる複数の棒部材であり、被エッチング部材に設けられる表面積増加手段は棒部材に設けられる円盤状のフィンであることを特徴とする金属膜作製装置。
  5. 請求項4において、
    円盤状のフィンはアンテナ部材との位置状況に応じて径が変更されていることを特徴とする金属膜作製装置。
  6. 請求項4もしくは請求項5において、
    円盤状のフィンに小孔を形成したことを特徴とする金属膜作製装置。
  7. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
    金属製の被エッチング部材はアンテナ部材の直下におけるチャンバ内で半径方向に延びる複数の棒部材であり、被エッチング部材に設けられる表面積増加手段は棒部材に設けられ棒部材の軸方向に平行な面を有する板材であることを特徴とする金属膜作製装置。
  8. 請求項7において、
    板材はアンテナ部材との位置状況に応じて幅が変更されていることを特徴とする金属膜作製装置。
  9. 請求項7もしくは請求項8において、
    板材は波状に形成されていることを特徴とする金属膜作製装置。
  10. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
    金属製の被エッチング部材はアンテナ部材の直下におけるチャンバ内で半径方向に延びる複数の棒部材であり、棒部材にメッシュ部材が設けられていることを特徴とする金属膜作製装置。
  11. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
    金属製の被エッチング部材はアンテナ部材の直下におけるチャンバ内で半径方向に延びる複数の棒部材であり、棒部材に凹凸部を形成したことを特徴とする金属膜作製装置。
  12. 請求項11において、
    凹凸部は棒部材の軸方向に延びる溝であることを特徴とする金属膜作製装置。
  13. 請求項11において、凹凸部は棒部材の周方向に延びる溝であることを特徴とする金属膜作製装置。
  14. 請求項11において、
    凹凸部は棒部材の表面に設けられる多数のディンプルであることを特徴とする金属膜作製装置。
  15. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
    金属製の被エッチング部材はアンテナ部材の直下におけるチャンバ内に配され板面が垂直方向となる板部材であることを特徴とする金属膜作製装置。
  16. 請求項15において、
    板部材は複数枚で構成されていることを特徴とする金属膜作製装置。
  17. 請求項1乃至請求項16のいずれか一項において、
    ハロゲンを含有する原料ガスは、塩素を含有する原料ガスであることを特徴とする金属膜作製装置。
  18. 請求項17において、
    被エッチング部材を銅製とすることにより、前駆体としてCuxClyを生成することを特徴とする金属膜作製装置。
  19. 請求項1乃至請求項17のいずれか一項において、
    被エッチング部材は、ハロゲン化物形成金属であるタンタルもしくはタングステンもしくはチタンであることを特徴とする金属膜作製装置。
  20. アンテナ部材により基板が収容されたチャンバの内部を給電によりプラズマ化するに際し、
    基板とチャンバの天井部材との間におけるチャンバの径方向に延びると共に周方向に複数配置されアンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態となる金属製の被エッチング部材を配置し、
    アンテナ部材に給電を行い表面積が増加された被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることによりチャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成し、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させることを特徴とする金属膜作製方法。
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