JP3771865B2 - 金属膜作製装置及び金属膜作製方法 - Google Patents

金属膜作製装置及び金属膜作製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気相成長法により基板の表面に金属膜を作製する金属膜作製装置及び金属膜作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、気相成長法により金属膜、例えば、銅の薄膜を作製する場合、例えば、銅・ヘキサフロロアセチルアセトナト・トリメチルビニルシラン等の液体の有機金属錯体を原料として用い、固体状の原料を溶媒に溶かし、熱的な反応を利用して気化して基板に成膜を実施している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、熱的反応を利用した成膜のため、成膜速度の向上を図ることが困難であった。また、原料となる金属錯体が高価であり、しかも、銅に付随しているヘキサフロロアセチルアセトナト及びトリメチルビニルシランが銅の薄膜中に不純物として残留するため、膜質の向上を図ることが困難であった。
【0004】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜作製装置及び金属膜作製方法を提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と、反応に関与しないガス及びエッチング生成物を被エッチング部材寄りで排出する排気手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
そして、排気手段はチャンバの側部に設けられることを特徴とする。
【0008】
また、排気手段はチャンバの天井部の中央に設けられることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを被エッチング部材の反基板側から供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と、反応に関与しないガス及びエッチング生成物を基板寄りで排出する排気手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
そして、原料ガス供給手段は被エッチング部材の反基板側におけるチャンバの側部に設けられるノズルであることを特徴とする。
【0011】
また、原料ガス供給手段は被エッチング部材の反基板側におけるチャンバの天井部に設けられるノズルであることを特徴とする。
【0012】
また、原料ガス供給手段は被エッチング部材の反基板側におけるチャンバの天井をシャワープレートとした手段であることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを基板の周囲から供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と、被エッチング部材の反基板側でチャンバの側部に設けられ反応に関与しないガス及びエッチング生成物を排出する排気手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを基板の周囲から供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と、被エッチング部材の反基板側でチャンバの天井部の中央に設けられ反応に関与しないガス及びエッチング生成物を排出する排気手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを基板の周囲から供給する一方、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを被エッチング部材寄りから供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と、反応に関与しないガス及びエッチング生成物を基板寄りで排出する排気手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
そして、ハロゲンを含有する原料ガスは、塩素を含有する原料ガスであることを特徴とする。
【0017】
また、被エッチング部材を銅製とすることにより、前駆体としてCuxClyを生成することを特徴とする。
【0018】
また、被エッチング部材は、ハロゲン化物形成金属であるタンタルもしくはタングステンもしくはチタンであることを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成するための本発明の金属膜作製方法は、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成し、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させ、反応に関与しないガス及びエッチング生成物を被エッチング部材寄りで排出することを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成するための本発明の金属膜作製方法は、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを被エッチング部材寄りから供給し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成し、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させ、反応に関与しないガス及びエッチング生成物を基板寄りで排出することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1乃至図9に基づいて本発明の金属膜作製装置及び金属膜作製方法の実施形態例を説明する。
【0023】
図1乃至図3に基づいて第1実施形態例を説明する。
【0024】
図1には本発明の第1実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面、図2には図1中のII-II 線矢視、図3には図2中のIII-III 線矢視を示してある。
【0025】
図1に示すように、円筒状に形成された、金属製(例えば、アルミ製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御されるようになっている。
【0026】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材製(例えば、セラミックス製)の天井部材である円盤状の天井板7によって塞がれている。天井板7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。チャンバ1の内部における支持台2の周囲には原料ガス供給手段としてのガスリング12が設けられ、ガスリング12にはハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好ましくは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)が送られ、ガスリング12に供給された原料ガスはチャンバ1の内部に供給される。
【0027】
ガスリング12からは天井板7に向けて、例えば、45度の角度で原料ガスが供給される。原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素(F)、臭素(Br)及びヨウ素(I)等を適用することが可能である。
【0028】
尚、ガスリング12から供給される原料ガスの角度は、上向きの90度に設定したり、円周方向で角度を変更して種々の角度で設定することが可能である。これにより、原料ガスの供給状況(プラズマの発生状況)を任意に設定することが可能である。
【0029】
チャンバ1の上面の開口部と天井板7との間には金属製(Cu製)の被エッチング部材18が挟持されている。図1、図2に示すように、被エッチング部材18は、チャンバ1の上部に挟持されるリング部19が備えられ、リング部19の内周側にはチャンバ1の径方向中心部近傍まで延び同一幅となっている某部材としての突起部20が円周方向に複数(図示例では12個)設けられている。
【0030】
突起部20は、リング部19に対して一体、もしくは、取り外し自在に取り付けられている。天井板7とチャンバ1の内部との間には突起部20の間で形成される切欠部35(空間)が存在した状態になっている。リング部19はアースされており、複数の突起部20は電気的につながれて同電位に維持されている。
【0031】
尚、突起部20の間に突起部20よりも径方向に短い第2突起部を配置することも可能であり、更に、突起部20と第2突起部との間に短い突起部を配置することも可能である。このようにすると、誘導電流を抑制しつつエッチング対象となる銅の面積を確保することができる。
【0032】
天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのアンテナ部材としてのプラズマアンテナ9が設けられ、プラズマアンテナ9は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ9にはプラズマ発生手段としての整合器10及び電源11が接続されて給電が行われる。
【0033】
被エッチング部材18は、リング部19の内周側に突起部20が円周方向に複数設けられ、突起部20の間で形成される切欠部35(空間)が存在しているので、プラズマアンテナ9の電気の流れ方向に対して不連続な状態で基板3と天井部材との間に突起部20が配置された状態になっている。
【0034】
被エッチング部材18と天井板7との間(被エッチング部材18の反基板3側:被エッチング部材18寄り)におけるチャンバ1の壁部には排気手段としての排気口21が周方向に複数設けられている。排気口21からは反応に関与しないガス及びエッチング生成物が排出される。
【0035】
上述した金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にガスリング12から原料ガスを供給し、プラズマアンテナ9から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14が発生する。プラズマアンテナ9の下部には導電体である被エッチング部材18が存在しているが、以下の作用により被エッチング部材18と基板3との間、即ち、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14が安定して発生するようになっている。
【0036】
被エッチング部材18に下側にCl2 ガスプラズマ14が発生する作用について説明する。図3に示すように、平面リング状のプラズマアンテナ9の電気の流れAは突起部20を横切る方向となり、このとき、突起部20のプラズマアンテナ9との対向面には誘導電流bが発生する。被エッチング部材18には切欠部35(空間)が存在している状態になっているので、誘導電流bはそれぞれの突起部20の下面に流れてプラズマアンテナ9の電気の流れAと同一方向の流れaとなる(ファラデーシールド)。
【0037】
このため、基板3側から被エッチング部材18を見た場合、プラズマアンテナ9の電気の流れAを打ち消す方向の流れが存在しない状態になり、しかも、リング部19がアースされて突起部20が同電位に維持されている。これにより、導電体である被エッチング部材18が存在していても、プラズマアンテナ9から電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14が安定して発生するようになっている。
【0038】
尚、突起部20をリング部19につなげずに原料ガスの供給を制御することで電位の違いによるプラズマの不安定をなくすようにすることも可能である。
【0039】
Cl2 ガスプラズマ14により、銅製の被エッチング部材18にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)15が生成される。このとき、被エッチング部材18はCl2 ガスプラズマ14により基板3の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。チャンバ1の内部で生成された前駆体(CuxCly)15は、被エッチング部材18よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。基板3に運ばれる前駆体(CuxCly)15は還元反応によりCuイオンのみとされて基板3に当てられ、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0040】
このときの反応は、次式で表すことができる。
2Cu+Cl2 →2CuCl→2Cu↓+Cl2
反応に関与しないガス及びエッチング生成物は被エッチング部材18の上部の排気口21から排気される。
【0041】
尚、原料ガスとして、He,Ar等で希釈されたCl2 ガスを例に挙げて説明したが、Cl2 ガスを単独で用いたり、HCl ガスを適用することも可能である。HCl ガスを適用した場合、原料ガスプラズマはHCl ガスプラズマが生成されるが、被エッチング部材18のエッチングにより生成される前駆体はCuxClyである。従って、原料ガスは塩素を含有するガスであればよく、HCl ガスとCl2 ガスとの混合ガスを用いることも可能である。
【0042】
また、被エッチング部材18の材質は、銅(Cu)に限らず、ハロゲン化物形成金属、好ましくは塩化物形成金属であるAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等を用いることが可能である。この場合、前駆体はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等のハロゲン化物(塩化物)となり、基板3の表面に生成される薄膜はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等になる。
【0043】
上記構成の金属膜作製装置は、Cl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14を用いているため、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、原料ガスとしてCl2 ガスを用いているため、コストを大幅に減少させることができる。また、温度制御手段6を用いて基板3を被エッチング部材18よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0044】
また、被エッチング部材18は、リング部19の内周側に突起部20が円周方向に複数設けられ、突起部20の間で形成される切欠部35(空間)が存在しているので、被エッチング部材18に生じる誘導電流は基板3側からみてプラズマアンテナ9の電気の流れと同一方向の流れとなる。
【0045】
これにより、導電体である被エッチング部材18がプラズマアンテナ9の下に存在していても、プラズマアンテナ9から電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能となる。
【0046】
上述した金属膜作製装置では、支持台2の周囲に配置したガスリング12から原料ガスを、例えば、45度の上向きで供給しているため、基板3の表面には前駆体(CuxCly)15及び励起塩素だけが存在する状態となる。このため、余分なCl分子の淀みを抑制することができ、余分なCl分子とCu薄膜16との反応が生じて膜質を低下させる等の不具合をなくすことができ、成膜速度を向上さることができる。
【0047】
原料ガスを、例えば、90度の上向きで供給することにより、被エッチング部材18との反応が促進されて余分なCl分子の発生が抑制され、基板3側に到達するガスのCl濃度を最適にすることができる。
【0048】
また、反応に関与しないガス及びエッチング生成物は上部の排気口21から排気されるようになっているので、下部から供給された原料ガスと反応に関与しないガス及びエッチング生成物のガスとの干渉がなくなり、ガスの流れに淀みがなくなる。このため、成膜反応を阻害する余分なCl分子を含むガスを排出して膜質を低下させることがなくなる。更に、反応に関与しないエッチング生成物を排出してチャンバ1内に成膜されることをなくし、成膜物によるパーティクルの生成を抑制することができる。
【0049】
更に、排気口21はチャンバ1に設けられているため、簡単な加工で排気口21を形成することができる。しかも、排気口21は円周方向に複数設けられているため、反応に関与しないガス及びエッチング生成物を円周方向で均一に排気することができる。
【0050】
図4に基づいて第2実施形態例を説明する。
【0051】
図4には本発明の第2実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面を示してある。尚、図1乃至図3に示した部材と同一部材には同一符号を付してある。図4に示した第2実施形態例の金属膜作製装置は、図1に示した第1実施形態例の排気口21に代えて、天井板7の中心部に排気口22を設けた構成となっている。
【0052】
図4に示すように、円筒状に形成された、金属製(例えば、アルミ製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御されるようになっている。
【0053】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材製(例えば、セラミックス製)の天井部材である円盤状の天井板7によって塞がれている。天井板7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。チャンバ1の内部における支持台2の周囲には原料ガス供給手段としてのガスリング12が設けられ、ガスリング12にはハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好ましくは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)が送られ、ガスリング12に供給された原料ガスはチャンバ1の内部に供給される。
【0054】
ガスリング12からは天井板7に向けて、例えば、45度の角度で原料ガスが供給される。原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素(F)、臭素(Br)及びヨウ素(I)等を適用することが可能である。
【0055】
尚、ガスリング12から供給される原料ガスの角度は、上向きの90度に設定したり、円周方向で角度を変更して種々の角度で設定することが可能である。これにより、原料ガスの供給状況(プラズマの発生状況)を任意に設定することが可能である。
【0056】
チャンバ1の上面の開口部と天井板7との間には金属製(Cu製)の被エッチング部材18が挟持されている。被エッチング部材18は、チャンバ1の上部に挟持されるリング部19が備えられ、リング部19の内周側にはチャンバ1の径方向中心部近傍まで延び同一幅となっている突起部20が円周方向に複数設けられている。
【0057】
突起部20は、リング部19に対して一体、もしくは、取り外し自在に取り付けられている。天井板7とチャンバ1の内部との間には突起部20の間で形成される切欠部が存在した状態になっている。リング部19はアースされており、複数の突起部20は電気的につながれて同電位に維持されている。
【0058】
尚、突起部20の間に突起部20よりも径方向に短い第2突起部を配置することも可能であり、更に、突起部20と第2突起部との間に短い突起部を配置することも可能である。このようにすると、誘導電流を抑制しつつエッチング対象となる銅の面積を確保することができる。
【0059】
天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのアンテナ部材としてのプラズマアンテナ9が設けられ、プラズマアンテナ9は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ9にはプラズマ発生手段としての整合器10及び電源11が接続されて給電が行われる。
【0060】
被エッチング部材18は、リング部19の内周側に突起部20が円周方向に複数設けられ、突起部20の間で形成される切欠部が存在しているので、プラズマアンテナ9の電気の流れ方向に対して不連続な状態で基板3と天井部材との間に突起部20が配置された状態になっている。
【0061】
天井板7の中心部(被エッチング部材18の反基板3側:被エッチング部材18寄り)には排気手段としての排気口22が設けられている。排気口22からは反応に関与しないガス及びエッチング生成物が排出される。
【0062】
上述した金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にガスリング12から原料ガスを供給し、プラズマアンテナ9から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14が発生する。プラズマアンテナ9の下部には導電体である被エッチング部材18が存在しているが、被エッチング部材18はプラズマアンテナ9の電気の流れ方向に対して不連続な状態で基突起部20が配置された状態になっているので、被エッチング部材18と基板3との間、即ち、被エッチング部材18の下側にはCl2 ガスプラズマ14が安定して発生するようになっている。
【0063】
Cl2 ガスプラズマ14により、銅製の被エッチング部材18にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)15が生成される。このとき、被エッチング部材18はCl2 ガスプラズマ14により基板3の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。チャンバ1の内部で生成された前駆体(CuxCly)15は、被エッチング部材18よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。基板3に運ばれる前駆体(CuxCly)15は還元反応によりCuイオンのみとされて基板3に当てられ、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0064】
このときの反応は、次式で表すことができる。
2Cu+Cl2 →2CuCl→2Cu↓+Cl2
反応に関与しないガス及びエッチング生成物は天井板7の中央部の排気口22から排気される。
【0065】
尚、原料ガスとして、He,Ar等で希釈されたCl2 ガスを例に挙げて説明したが、Cl2 ガスを単独で用いたり、HCl ガスを適用することも可能である。HCl ガスを適用した場合、原料ガスプラズマはHCl ガスプラズマが生成されるが、被エッチング部材18のエッチングにより生成される前駆体はCuxClyである。従って、原料ガスは塩素を含有するガスであればよく、HCl ガスとCl2 ガスとの混合ガスを用いることも可能である。
【0066】
また、被エッチング部材18の材質は、銅(Cu)に限らず、ハロゲン化物形成金属、好ましくは塩化物形成金属であるAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等を用いることが可能である。この場合、前駆体はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等のハロゲン化物(塩化物)となり、基板3の表面に生成される薄膜はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等になる。
【0067】
上記構成の金属膜作製装置は、Cl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14を用いているため、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、原料ガスとしてCl2 ガスを用いているため、コストを大幅に減少させることができる。また、温度制御手段6を用いて基板3を被エッチング部材18よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0068】
また、被エッチング部材18は、リング部19の内周側に突起部20が円周方向に複数設けられ、突起部20の間で形成される切欠部35(空間)が存在しているので、被エッチング部材18に生じる誘導電流は基板3側からみてプラズマアンテナ9の電気の流れと同一方向の流れとなる。
【0069】
これにより、導電体である被エッチング部材18がプラズマアンテナ9の下に存在していても、プラズマアンテナ9から電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能となる。
【0070】
上述した金属膜作製装置では、支持台2の周囲に配置したガスリング12から原料ガスを、例えば、45度の上向きで供給しているため、基板3の表面には前駆体(CuxCly)15及び励起塩素だけが存在する状態となる。このため、余分なCl分子の淀みを抑制することができ、余分なCl分子とCu薄膜16との反応が生じて膜質を低下させる等の不具合をなくすことができ、成膜速度を向上さることができる。
【0071】
原料ガスを、例えば、90度の上向きで供給することにより、被エッチング部材18との反応が促進されて余分なCl分子の発生が抑制され、基板3側に到達するガスのCl濃度を最適にすることができる。
【0072】
また、反応に関与しないガス及びエッチング生成物は天井板7の中央部の排気口22から排気されるようになっているので、下部から供給された原料ガスと反応に関与しないガス及びエッチング生成物のガスとの干渉がなくなり、ガスの流れが理想的な流れとなって淀みがなくなる。特に、天井板7の周囲にガスが淀むことがなくなる。このため、成膜反応を阻害する余分なCl分子を含むガスを排出して膜質を低下させることがなくなる。更に、反応に関与しないエッチング生成物を排出してチャンバ1内に成膜されることをなくし、成膜物によるパーティクルの生成を抑制することができる。
【0073】
図5に基づいて第3実施形態例を説明する。
【0074】
図5には本発明の第3実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面を示してある。尚、図1乃至図3に示した部材と同一部材には同一符号を付してある。図5に示した第3実施形態例の金属膜作製装置は、図1に示した第1実施形態例の排気口21に代えて、チャンバ1の下部に排気口23を設け、天井板7と被エッチング部材18の間におけるチャンバ1の壁に原料ガス供給手段としてのノズル24を設けた構成となっている。
【0075】
図5に示すように、円筒状に形成された、金属製(例えば、アルミ製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御されるようになっている。
【0076】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材製(例えば、セラミックス製)の天井部材である円盤状の天井板7によって塞がれている。天井板7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。支持台2の周囲におけるチャンバ1の内部には原料ガス供給手段としてのガスリング12が設けられ、ガスリング12にはハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好ましくは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)が送られ、ガスリング12に供給された原料ガスはチャンバ1の内部に供給される。
【0077】
ガスリング12からは天井板7に向けて、例えば、45度の角度で原料ガスが供給される。原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素(F)、臭素(Br)及びヨウ素(I)等を適用することが可能である。
【0078】
尚、ガスリング12から供給される原料ガスの角度は、上向きの90度に設定したり、円周方向で角度を変更して種々の角度で設定することが可能である。これにより、原料ガスの供給状況(プラズマの発生状況)を任意に設定することが可能である。
【0079】
チャンバ1の上面の開口部と天井板7との間には金属製(Cu製)の被エッチング部材18が挟持されている。被エッチング部材18は、チャンバ1の上部に挟持されるリング部19が備えられ、リング部19の内周側にはチャンバ1の径方向中心部近傍まで延び同一幅となっている突起部20が円周方向に複数設けられている。
【0080】
突起部20は、リング部19に対して一体、もしくは、取り外し自在に取り付けられている。天井板7とチャンバ1の内部との間には突起部20の間で形成される切欠部が存在した状態になっている。リング部19はアースされており、複数の突起部20は電気的につながれて同電位に維持されている。
【0081】
尚、突起部20の間に突起部20よりも径方向に短い第2突起部を配置することも可能であり、更に、突起部20と第2突起部との間に短い突起部を配置することも可能である。このようにすると、誘導電流を抑制しつつエッチング対象となる銅の面積を確保することができる。
【0082】
天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのアンテナ部材としてのプラズマアンテナ9が設けられ、プラズマアンテナ9は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ9にはプラズマ発生手段としての整合器10及び電源11が接続されて給電が行われる。
【0083】
被エッチング部材18は、リング部19の内周側に突起部20が円周方向に複数設けられ、突起部20の間で形成される切欠部が存在しているので、プラズマアンテナ9の電気の流れ方向に対して不連続な状態で基板3と天井部材との間に突起部20が配置された状態になっている。
【0084】
一方、天井板7と被エッチング部材18との間(被エッチング部材18の反基板3側:被エッチング部材18寄り)におけるチャンバ1の壁部には原料ガス供給手段としてのノズル24が設けられ、ノズル24からはガスリング12から供給される原料ガスと同一の原料ガスが上部からチャンバ1内に供給される。また、チャンバ1の下部(基板3の反被エッチング部材18側:基板3寄り)には排気手段としての排気口23が設けられ、排気口23からは反応に関与しないガス及びエッチング生成物が排出される。
【0085】
尚、原料ガス供給手段としては、ガスリング12を省略してノズル24からのみ原料ガスを供給するようにすることも可能である。また、ノズル24を天井板7の中心部に設けることも可能である。
【0086】
上述した金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にガスリング12及びノズル24から原料ガスを供給し、プラズマアンテナ9から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14が発生する。プラズマアンテナ9の下部には導電体である被エッチング部材18が存在しているが、被エッチング部材18はプラズマアンテナ9の電気の流れ方向に対して不連続な状態で基突起部20が配置された状態になっているので、被エッチング部材18と基板3との間、即ち、被エッチング部材18の下側にはCl2 ガスプラズマ14が安定して発生するようになっている。
【0087】
Cl2 ガスプラズマ14により、銅製の被エッチング部材18にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)15が生成される。このとき、被エッチング部材18はCl2 ガスプラズマ14により基板3の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。チャンバ1の内部で生成された前駆体(CuxCly)15は、被エッチング部材18よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。基板3に運ばれる前駆体(CuxCly)15は還元反応によりCuイオンのみとされて基板3に当てられ、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0088】
このときの反応は、次式で表すことができる。
2Cu+Cl2 →2CuCl→2Cu↓+Cl2
反応に関与しないガス及びエッチング生成物はチャンバ1の下部の排気口23から排気される。
【0089】
尚、原料ガスとして、He,Ar等で希釈されたCl2 ガスを例に挙げて説明したが、Cl2 ガスを単独で用いたり、HCl ガスを適用することも可能である。HCl ガスを適用した場合、原料ガスプラズマはHCl ガスプラズマが生成されるが、被エッチング部材18のエッチングにより生成される前駆体はCuxClyである。従って、原料ガスは塩素を含有するガスであればよく、HCl ガスとCl2 ガスとの混合ガスを用いることも可能である。
【0090】
また、被エッチング部材18の材質は、銅(Cu)に限らず、ハロゲン化物形成金属、好ましくは塩化物形成金属であるAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等を用いることが可能である。この場合、前駆体はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等のハロゲン化物(塩化物)となり、基板3の表面に生成される薄膜はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等になる。
【0091】
上記構成の金属膜作製装置は、Cl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14を用いているため、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、原料ガスとしてCl2 ガスを用いているため、コストを大幅に減少させることができる。また、温度制御手段6を用いて基板3を被エッチング部材18よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0092】
また、被エッチング部材18は、リング部19の内周側に突起部20が円周方向に複数設けられ、突起部20の間で形成される切欠部35(空間)が存在しているので、被エッチング部材18に生じる誘導電流は基板3側からみてプラズマアンテナ9の電気の流れと同一方向の流れとなる。
【0093】
これにより、導電体である被エッチング部材18がプラズマアンテナ9の下に存在していても、プラズマアンテナ9から電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能となる。
【0094】
上述した金属膜作製装置では、支持台2の周囲に配置したガスリング12から原料ガスを、例えば、45度の上向きで供給しているため、基板3の表面には前駆体(CuxCly)15及び励起塩素だけが存在する状態となる。このため、余分なCl分子の淀みを抑制することができ、余分なCl分子とCu薄膜16との反応が生じて膜質を低下させる等の不具合をなくすことができ、成膜速度を向上さることができる。
【0095】
原料ガスを、例えば、90度の上向きで供給することにより、被エッチング部材18との反応が促進されて余分なCl分子の発生が抑制され、基板3側に到達するガスのCl濃度を最適にすることができる。
【0096】
また、被エッチング部材18の上部(反基板3側)から原料ガスを供給し、チャンバ1の下部(反被エッチング部材18側)の排気口23から反応に関与しないガス及びエッチング生成物を排気するようになっているので、上部から供給された原料ガスと反応に関与しないガス及びエッチング生成物のガスとの干渉がなくなり、ガスの流れに淀みがなくなる。このため、成膜反応を阻害する余分なCl分子を含むガスを排出して膜質を低下させることがなくなる。また、構造が簡単なノズルを用いているため、作成が容易で実現性が高い構造となっていると共に、排気を下部から行う既存の成膜装置の構造を適用することができる。更に、反応に関与しないエッチング生成物を排出してチャンバ1内に成膜されることをなくし、成膜物によるパーティクルの生成を抑制することができる。
【0097】
図6に基づいて第4実施形態例を説明する。
【0098】
図6には本発明の第4実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面を示してある。尚、図1乃至図3に示した部材と同一部材には同一符号を付してある。図6に示した第4実施形態例の金属膜作製装置は、図1に示した第1実施形態例の排気口21に代えて、チャンバ1の下部に排気口26を設け、ガス供給手段としてガスリング12に代えて天井板27(被エッチング部材18の反基板3側:被エッチング部材18寄り)にシャワーノズル28を設け、シャワープレートから原料ガスを供給するようにした構成となっている。
【0099】
図6に示すように、円筒状に形成された、金属製(例えば、アルミ製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御されるようになっている。
【0100】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材製(例えば、セラミックス製)の天井部材である円盤状の天井板27によって塞がれている。天井板27によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。天井板27には原料ガス供給手段としての原料ガス供給通路29が形成され、原料ガス供給通路29につながる多数のシャワーノズル28が形成されている。シャワーノズル28はチャンバ1内に開口し、チャンバ1の上部から原料ガスが供給される。
【0101】
原料ガス供給通路29にはハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好ましくは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)が送られ、原料ガス供給通路29に供給された原料ガスはシャワーノズル28からチャンバ1の内部に供給される。原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素(F)、臭素(Br)及びヨウ素(I)等を適用することが可能である。
【0102】
尚、図1に示したガスリング12を設けてガスリング12からも原料ガスを供給することも可能である。
【0103】
チャンバ1の上面の開口部と天井板27との間には金属製(Cu製)の被エッチング部材18が挟持されている。被エッチング部材18は、チャンバ1の上部に挟持されるリング部19が備えられ、リング部19の内周側にはチャンバ1の径方向中心部近傍まで延び同一幅となっている突起部20が円周方向に複数設けられている。
【0104】
突起部20は、リング部19に対して一体、もしくは、取り外し自在に取り付けられている。天井板7とチャンバ1の内部との間には突起部20の間で形成される切欠部が存在した状態になっている。リング部19はアースされており、複数の突起部20は電気的につながれて同電位に維持されている。
【0105】
尚、突起部20の間に突起部20よりも径方向に短い第2突起部を配置することも可能であり、更に、突起部20と第2突起部との間に短い突起部を配置することも可能である。このようにすると、誘導電流を抑制しつつエッチング対象となる銅の面積を確保することができる。
【0106】
天井板27の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのアンテナ部材としてのプラズマアンテナ9が設けられ、プラズマアンテナ9は天井板27の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ9にはプラズマ発生手段としての整合器10及び電源11が接続されて給電が行われる。
【0107】
被エッチング部材18は、リング部19の内周側に突起部20が円周方向に複数設けられ、突起部20の間で形成される切欠部が存在しているので、プラズマアンテナ9の電気の流れ方向に対して不連続な状態で基板3と天井部材との間に突起部20が配置された状態になっている。
【0108】
チャンバ1の下部(基板3の反被エッチング部材18側:基板3寄り)には排気手段としての排気口26が設けられ、排気口26からは反応に関与しないガス及びエッチング生成物が排出される。
【0109】
上述した金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にガスリング12及びノズル24から原料ガスを供給し、プラズマアンテナ9から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14が発生する。プラズマアンテナ9の下部には導電体である被エッチング部材18が存在しているが、被エッチング部材18はプラズマアンテナ9の電気の流れ方向に対して不連続な状態で基突起部20が配置された状態になっているので、被エッチング部材18と基板3との間、即ち、被エッチング部材18の下側にはCl2 ガスプラズマ14が安定して発生するようになっている。
【0110】
Cl2 ガスプラズマ14により、銅製の被エッチング部材18にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)15が生成される。このとき、被エッチング部材18はCl2 ガスプラズマ14により基板3の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。チャンバ1の内部で生成された前駆体(CuxCly)15は、被エッチング部材18よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。基板3に運ばれる前駆体(CuxCly)15は還元反応によりCuイオンのみとされて基板3に当てられ、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0111】
このときの反応は、次式で表すことができる。
2Cu+Cl2 →2CuCl→2Cu↓+Cl2
反応に関与しないガス及びエッチング生成物はチャンバ1の下部の排気口26から排気される。
【0112】
尚、原料ガスとして、He,Ar等で希釈されたCl2 ガスを例に挙げて説明したが、Cl2 ガスを単独で用いたり、HCl ガスを適用することも可能である。HCl ガスを適用した場合、原料ガスプラズマはHCl ガスプラズマが生成されるが、被エッチング部材18のエッチングにより生成される前駆体はCuxClyである。従って、原料ガスは塩素を含有するガスであればよく、HCl ガスとCl2 ガスとの混合ガスを用いることも可能である。
【0113】
また、被エッチング部材18の材質は、銅(Cu)に限らず、ハロゲン化物形成金属、好ましくは塩化物形成金属であるAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等を用いることが可能である。この場合、前駆体はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等のハロゲン化物(塩化物)となり、基板3の表面に生成される薄膜はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等になる。
【0114】
上記構成の金属膜作製装置は、Cl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14を用いているため、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、原料ガスとしてCl2 ガスを用いているため、コストを大幅に減少させることができる。また、温度制御手段6を用いて基板3を被エッチング部材18よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0115】
また、被エッチング部材18は、リング部19の内周側に突起部20が円周方向に複数設けられ、突起部20の間で形成される切欠部35(空間)が存在しているので、被エッチング部材18に生じる誘導電流は基板3側からみてプラズマアンテナ9の電気の流れと同一方向の流れとなる。
【0116】
これにより、導電体である被エッチング部材18がプラズマアンテナ9の下に存在していても、プラズマアンテナ9から電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能となる。
【0117】
上述した金属膜作製装置では、天井板27に設けたシャワーノズル28(反基板3側)から原料ガスを下上向きに供給し、チャンバ1の下部(反被エッチング部材18側)の排気口26から反応に関与しないガス及びエッチング生成物を排気するようになっているので、上部から分散して供給された原料ガスと反応に関与しないガス及びエッチング生成物のガスとの干渉がなくなり、ガスの流れに淀みがなくなる。このため、成膜反応を阻害する余分なCl分子を含むガスを排出して膜質を低下させることがなくなり、成膜速度を向上さることができる。また、チャンバ1の下部の排気口26から排気を行うようにしているので、排気を下部から行う既存の成膜装置の構造を適用することができる。また、反応に関与しないエッチング生成物を排出してチャンバ1内に成膜されることをなくし、成膜物によるパーティクルの生成を抑制することができる。
【0118】
図7に基づいて第5実施形態例を説明する。
【0119】
図7には本発明の第5実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面を示してある。尚、図1乃至図3に示した部材と同一部材には同一符号を付してある。図7に示した第5実施形態例の金属膜作製装置は、図1に示した第1実施形態例のガスリング12に代えて、支持台2と被エッチング部材18の間におけるチャンバ1の筒部にノズル31を設けた構成となっている。
【0120】
図7に示すように、円筒状に形成された、金属製(例えば、アルミ製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御されるようになっている。
【0121】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材製(例えば、セラミックス製)の天井部材である円盤状の天井板7によって塞がれている。天井板7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。チャンバ1の筒部における支持台2の上部には原料ガス供給手段としてのノズル31が設けられ、ハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好ましくは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)がノズル31からチャンバ1内に供給される。原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素(F)、臭素(Br)及びヨウ素(I)等を適用することが可能である。
【0122】
チャンバ1の上面の開口部と天井板7との間には金属製(Cu製)の被エッチング部材18が挟持されている。被エッチング部材18は、チャンバ1の上部に挟持されるリング部19が備えられ、リング部19の内周側にはチャンバ1の径方向中心部近傍まで延び同一幅となっている突起部20が円周方向に複数設けられている。
【0123】
突起部20は、リング部19に対して一体、もしくは、取り外し自在に取り付けられている。天井板7とチャンバ1の内部との間には突起部20の間で形成される切欠部が存在した状態になっている。リング部19はアースされており、複数の突起部20は電気的につながれて同電位に維持されている。
【0124】
尚、突起部20の間に突起部20よりも径方向に短い第2突起部を配置することも可能であり、更に、突起部20と第2突起部との間に短い突起部を配置することも可能である。このようにすると、誘導電流を抑制しつつエッチング対象となる銅の面積を確保することができる。
【0125】
天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのアンテナ部材としてのプラズマアンテナ9が設けられ、プラズマアンテナ9は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ9にはプラズマ発生手段としての整合器10及び電源11が接続されて給電が行われる。
【0126】
被エッチング部材18は、リング部19の内周側に突起部20が円周方向に複数設けられ、突起部20の間で形成される切欠部が存在しているので、プラズマアンテナ9の電気の流れ方向に対して不連続な状態で基板3と天井部材との間に突起部20が配置された状態になっている。
【0127】
被エッチング部材18と天井板7との間(被エッチング部材18の反基板3側:被エッチング部材18寄り)におけるチャンバ1の壁部には排気手段としての排気口21が周方向に複数設けられている。排気口21からは反応に関与しないガス及びエッチング生成物が排出される。
【0128】
尚、排気口21に代えて図4に示した天井板7の中央部に設けられる排気口22を適用することも可能である。
【0129】
上述した金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にノズル31から原料ガスを供給し、プラズマアンテナ9から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14が発生する。プラズマアンテナ9の下部には導電体である被エッチング部材18が存在しているが、被エッチング部材18はプラズマアンテナ9の電気の流れ方向に対して不連続な状態で基突起部20が配置された状態になっているので、被エッチング部材18と基板3との間、即ち、被エッチング部材18の下側にはCl2 ガスプラズマ14が安定して発生するようになっている。
【0130】
Cl2 ガスプラズマ14により、銅製の被エッチング部材18にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)15が生成される。このとき、被エッチング部材18はCl2 ガスプラズマ14により基板3の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。チャンバ1の内部で生成された前駆体(CuxCly)15は、被エッチング部材18よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。基板3に運ばれる前駆体(CuxCly)15は還元反応によりCuイオンのみとされて基板3に当てられ、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0131】
このときの反応は、次式で表すことができる。
2Cu+Cl2 →2CuCl→2Cu↓+Cl2
反応に関与しないガス及びエッチング生成物は被エッチング部材18の上部の排気口21から排気される。
【0132】
尚、原料ガスとして、He,Ar等で希釈されたCl2 ガスを例に挙げて説明したが、Cl2 ガスを単独で用いたり、HCl ガスを適用することも可能である。HCl ガスを適用した場合、原料ガスプラズマはHCl ガスプラズマが生成されるが、被エッチング部材18のエッチングにより生成される前駆体はCuxClyである。従って、原料ガスは塩素を含有するガスであればよく、HCl ガスとCl2 ガスとの混合ガスを用いることも可能である。
【0133】
また、被エッチング部材18の材質は、銅(Cu)に限らず、ハロゲン化物形成金属、好ましくは塩化物形成金属であるAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等を用いることが可能である。この場合、前駆体はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等のハロゲン化物(塩化物)となり、基板3の表面に生成される薄膜はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等になる。
【0134】
上記構成の金属膜作製装置は、Cl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14を用いているため、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、原料ガスとしてCl2 ガスを用いているため、コストを大幅に減少させることができる。また、温度制御手段6を用いて基板3を被エッチング部材18よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0135】
また、被エッチング部材18は、リング部19の内周側に突起部20が円周方向に複数設けられ、突起部20の間で形成される切欠部35(空間)が存在しているので、被エッチング部材18に生じる誘導電流は基板3側からみてプラズマアンテナ9の電気の流れと同一方向の流れとなる。
【0136】
これにより、導電体である被エッチング部材18がプラズマアンテナ9の下に存在していても、プラズマアンテナ9から電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能となる。
【0137】
上述した金属膜作製装置では、ノズル31から原料ガスを供給し、反応に関与しないガス及びエッチング生成物は上部の排気口21から排気されるようになっているので、下部から供給された原料ガスと反応に関与しないガス及びエッチング生成物のガスとの干渉がなくなり、ガスの流れに淀みがなくなる。このため、成膜反応を阻害する余分なCl分子を含むガスを排出して膜質を低下させることがなくなり、成膜速度を向上させることができる。更に、反応に関与しないエッチング生成物を排出してチャンバ1内に成膜されることをなくし、成膜物によるパーティクルの生成を抑制することができる。
【0138】
図8に基づいて第6実施形態例を説明する。
【0139】
図8には本発明の第6実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面を示してある。
【0140】
図8に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材料製)のチャンバ41にはの底部近傍には支持台42が設けられ、支持台42には基板43が載置される。支持台42にはヒータ44及び冷媒流通手段45を備えた温度制御手段46が設けられ、支持台42は温度制御手段46により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御されるようになっている。
【0141】
チャンバ41の上面は開口部とされ、開口部は金属製の被エッチング部材としての金属部材47によって塞がれている。金属部材47によって塞がれたチャンバ41の内部は真空装置48により所定の圧力に維持される。支持台42の周囲には原料ガス供給手段としてのガスリング52が設けられ、ガスリング52にはハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好ましくは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)が送られ、ガスリング52に供給された原料ガスはチャンバ1の内部に供給される。
【0142】
ガスリング52からは天井板7に向けて、例えば、45度の角度で原料ガスが供給される。原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素(F)、臭素(Br)及びヨウ素(I)等を適用することが可能である。
【0143】
チャンバ41の筒部の外周には円筒コイル状のプラズマアンテナ49が設けられ、プラズマアンテナ49にはプラズマ発生手段としての整合器50及び電源51が接続されて給電が行われる。また、金属部材47の直下におけるチャンバ41の筒部(被エッチング部材寄り)には排気手段としての排気口53が周方向に複数設けられている。排気口53からは反応に関与しないガス及びエッチング生成物が排出される。
【0144】
尚、排気口43に代えて、金属部材47の中央部に排気口を設けることも可能である。また、金属部材47に多数の小孔を形成して排気口とすることも可能である。
【0145】
上述した金属膜作製装置では、チャンバ41の内部にガスリング52から原料ガスを供給し、プラズマアンテナ49から電磁波をチャンバ41の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)54が発生する。Cl2 ガスプラズマ54により、銅製の金属部材47にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)55が生成される。このとき、金属部材47はCl2 ガスプラズマ54により基板43の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。
【0146】
チャンバ1の内部で生成された前駆体(CuxCly)55は、金属部材47よりも低い温度に制御された基板43に運ばれる。基板43に運ばれる前駆体(CuxCly)55は還元反応によりCuイオンのみとされて基板43に当てられ、基板43の表面にCu薄膜56が生成される。
【0147】
このときの反応は、次式で表すことができる。
2Cu+Cl2 →2CuCl→2Cu↓+Cl2
反応に関与しないガス及びエッチング生成物は金属部材47寄りの上部の排気口53から排気される。
【0148】
尚、原料ガスとして、He,Ar等で希釈されたCl2 ガスを例に挙げて説明したが、Cl2 ガスを単独で用いたり、HCl ガスを適用することも可能である。HCl ガスを適用した場合、原料ガスプラズマはHCl ガスプラズマが生成されるが、金属部材47のエッチングにより生成される前駆体はCuxClyである。従って、原料ガスは塩素を含有するガスであればよく、HCl ガスとCl2 ガスとの混合ガスを用いることも可能である。
【0149】
また、金属部材47の材質は、銅(Cu)に限らず、ハロゲン化物形成金属、好ましくは塩化物形成金属であるAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等を用いることが可能である。この場合、前駆体はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等のハロゲン化物(塩化物)となり、基板3の表面に生成される薄膜はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等になる。
【0150】
上記構成の金属膜作製装置は、Cl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)54を用いているため、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、原料ガスとしてCl2 ガスを用いているため、コストを大幅に減少させることができる。また、温度制御手段46を用いて基板43を金属部材47よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜56中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜56を生成することが可能になる。
【0151】
上述した金属膜作製装置では、支持台42の周囲に配置したガスリング52から原料ガスを、例えば、45度の上向きで供給しているため、基板43の表面には前駆体(CuxCly)55及び励起塩素だけが存在する状態となる。このため、余分なCl分子の淀みを抑制することができ、余分なCl分子とCu薄膜56との反応が生じて膜質を低下させる等の不具合をなくすことができ、成膜速度を向上さることができる。
【0152】
原料ガスを、例えば、90度の上向きで供給することにより、金属部材47との反応が促進されて余分なCl分子の発生が抑制され、基板43側に到達するガスのCl濃度を最適にすることができる。
【0153】
また、反応に関与しないガス及びエッチング生成物は上部の排気口53から排気されるようになっているので、下部から供給された原料ガスと反応に関与しないガス及びエッチング生成物のガスとの干渉がなくなり、ガスの流れに淀みがなくなる。このため、成膜反応を阻害する余分なCl分子を含むガスを排出して膜質を低下させることがなくなる。更に、反応に関与しないエッチング生成物を排出してチャンバ41内に成膜されることをなくし、成膜物によるパーティクルの生成を抑制することができる。
【0154】
更に、排気口53はチャンバ41に設けられているため、簡単な加工で排気口53を形成することができる。しかも、排気口53は円周方向に複数設けられているため、反応に関与しないガス及びエッチング生成物を円周方向で均一に排気することができる。
【0155】
尚、金属部材47の構成を、図6に示した天井板27のように、シャワーノズル28を備えたシャワープレートとすることも可能である。
【0156】
図9に基づいて第7実施形態例を説明する。
【0157】
図9には本発明の第7実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面を示してある。尚、図8に示した第6実施形態例の金属膜作製装置と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0158】
図9に示した第7実施形態例に係る金属膜作成装置は、図8に示した金属膜作成装置に対し、チャンバ41の筒部の周囲にはプラズマアンテナ49が設けられておらず、金属部材47に整合器50及び電源51が接続されて金属部材47に給電が行われ、支持台42側が接地されている(プラズマ発生手段)。
【0159】
上述した金属膜作製装置では、チャンバ41の内部にガスリング52から原料ガスを供給し、金属部材47から電磁波をチャンバ41の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)54が発生する。Cl2 ガスプラズマ54により、銅製の金属部材47にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)55が生成される。このとき、金属部材47はCl2 ガスプラズマ54(もしくは図示しない温度制御手段)により基板43の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。
【0160】
チャンバ1の内部で生成された前駆体(CuxCly)55は、金属部材47よりも低い温度に制御された基板43に運ばれる。基板43に運ばれる前駆体(CuxCly)55は還元反応によりCuイオンのみとされて基板43に当てられ、基板43の表面にCu薄膜56が生成される。反応に関与しないガス及びエッチング生成物は金属部材47寄りの上部の排気口53から排気される。
【0161】
上述した金属膜作製装置では、図8で示した金属膜作製装置と同様に、余分なCl分子の淀みを抑制することができ、余分なCl分子とCu薄膜56との反応が生じて膜質を低下させる等の不具合をなくすことができ、成膜速度を向上さることができる。また、下部から供給された原料ガスと反応に関与しないガス及びエッチング生成物のガスとの干渉がなくなり、ガスの流れに淀みがなくなり、成膜反応を阻害する余分なCl分子を含むガスを排出して膜質を低下させることがなくなる。
【0162】
更に、反応に関与しないエッチング生成物を排出してチャンバ41内に成膜されることをなくし、成膜物によるパーティクルの生成を抑制することができる。更に、簡単な加工で排気口53を形成することができる。しかも、排気口53は円周方向に複数設けられているため、反応に関与しないガス及びエッチング生成物を円周方向で均一に排気することができる。
【0163】
そして、金属部材47自身をプラズマ発生用の電極として適用しているので、チャンバ41の筒部の周囲にプラズマアンテナ49等の部材が不要となり、周囲の構成の自由度を増すことができる。
【0166】
本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と、反応に関与しないガス及びエッチング生成物を被エッチング部材寄りで排出する排気手段とを備えたので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜作製装置とすることができる。
【0167】
そして、原料ガスと反応に関与しないガス及びエッチング生成物のガスとの干渉がなくなり、ガスの流れに淀みがなくなり、成膜反応を阻害する余分なハロゲン分子を含むガスを排出して膜質を低下させることがなくなる。更に、反応に関与しないエッチング生成物を排出してチャンバ内に成膜されることをなくし、成膜物によるパーティクルの生成を抑制することができる。
【0168】
本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを被エッチング部材の反基板側から供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と、反応に関与しないガス及びエッチング生成物を基板寄りで排出する排気手段とを備えたので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜作製装置とすることができる。
【0169】
そして、原料ガスと反応に関与しないガス及びエッチング生成物のガスとの干渉がなくなり、ガスの流れに淀みがなくなり、成膜反応を阻害する余分なハロゲン分子を含むガスを排出して膜質を低下させることがなくなる。更に、反応に関与しないエッチング生成物を排出してチャンバ内に成膜されることをなくし、成膜物によるパーティクルの生成を抑制することができる。
【0170】
本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを基板の周囲から供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と、被エッチング部材の反基板側でチャンバの側部に設けられ反応に関与しないガス及びエッチング生成物を排出する排気手段とを備えたので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜作製装置とすることができる。
【0171】
そして、原料ガスと反応に関与しないガス及びエッチング生成物のガスとの干渉がなくなり、ガスの流れに淀みがなくなり、成膜反応を阻害する余分なハロゲン分子を含むガスを排出して膜質を低下させることがなくなる。更に、反応に関与しないエッチング生成物を排出してチャンバ内に成膜されることをなくし、成膜物によるパーティクルの生成を抑制することができる。
【0172】
本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを基板の周囲から供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と、被エッチング部材の反基板側でチャンバの天井部の中央に設けられ反応に関与しないガス及びエッチング生成物を排出する排気手段とを備えたので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜作製装置とすることができる。
【0173】
そして、原料ガスと反応に関与しないガス及びエッチング生成物のガスとの干渉がなくなり、ガスの流れに淀みがなくなり、成膜反応を阻害する余分なハロゲン分子を含むガスを排出して膜質を低下させることがなくなる。更に、反応に関与しないエッチング生成物を排出してチャンバ内に成膜されることをなくし、成膜物によるパーティクルの生成を抑制することができる。
【0174】
本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを基板の周囲から供給する一方、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを被エッチング部材寄りから供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と、反応に関与しないガス及びエッチング生成物を基板寄りで排出する排気手段とを備えたので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜作製装置とすることができる。
【0175】
そして、原料ガスと反応に関与しないガス及びエッチング生成物のガスとの干渉がなくなり、ガスの流れに淀みがなくなり、成膜反応を阻害する余分なハロゲン分子を含むガスを排出して膜質を低下させることがなくなる。更に、反応に関与しないエッチング生成物を排出してチャンバ内に成膜されることをなくし、成膜物によるパーティクルの生成を抑制することができる。
【0178】
本発明の金属膜作製方法は、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成し、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させ、反応に関与しないガス及びエッチング生成物を被エッチング部材寄りで排出するようにしたので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜作製方法とすることができる。
【0179】
そして、原料ガスと反応に関与しないガス及びエッチング生成物のガスとの干渉がなくなり、ガスの流れに淀みがなくなり、成膜反応を阻害する余分なハロゲン分子を含むガスを排出して膜質を低下させることがなくなる。更に、反応に関与しないエッチング生成物を排出してチャンバ内に成膜されることをなくし、成膜物によるパーティクルの生成を抑制することができる。
【0180】
本発明の金属膜作製方法は、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを被エッチング部材寄りから供給し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成し、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させ、反応に関与しないガス及びエッチング生成物を基板寄りで排出するようにしたので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜作製方法とすることができる。
【0181】
そして、原料ガスと反応に関与しないガス及びエッチング生成物のガスとの干渉がなくなり、ガスの流れに淀みがなくなり、成膜反応を阻害する余分なハロゲン分子を含むガスを排出して膜質を低下させることがなくなる。更に、反応に関与しないエッチング生成物を排出してチャンバ内に成膜されることをなくし、成膜物によるパーティクルの生成を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図。
【図2】図1中のII-II 線矢視図。
【図3】図2中のIII-III 線矢視図。
【図4】本発明の第2実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図。
【図5】本発明の第3実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図。
【図6】本発明の第4実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図。
【図7】本発明の第5実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図。
【図8】本発明の第6実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図。
【図9】本発明の第7実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図。
【符号の説明】
1,41 チャンバ
2,42 支持台
3,43 基板
4,44 ヒータ
5,45 冷媒流通手段
6,46 温度制御手段
7,27 天井板
8,48 真空装置
9,49 プラズマアンテナ
10,50 整合器
11,51 電源
12,52 ガスリング
14,54 Cl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)
15,55 前駆体(CuxCly)
16,56 Cu薄膜
18 被エッチング部材
19 リング部
20 突起部
21,22,23,26,53 排気口
24,31 ノズル
28 シャワーノズル
35 空間
47 金属部材

Claims (15)

  1. 基板が収容されるチャンバと、
    基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、
    基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と、
    反応に関与しないガス及びエッチング生成物を被エッチング部材寄りで排出する排気手段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  2. 請求項において、
    排気手段はチャンバの側部に設けられることを特徴とする金属膜作製装置。
  3. 請求項において、
    排気手段はチャンバの天井部の中央に設けられることを特徴とする金属膜作製装置。
  4. 基板が収容されるチャンバと、
    基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、
    基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを被エッチング部材の反基板側から供給する原料ガス供給手段と、
    チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と
    反応に関与しないガス及びエッチング生成物を基板寄りで排出する排気手段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  5. 請求項において、
    原料ガス供給手段は被エッチング部材の反基板側におけるチャンバの側部に設けられるノズルであることを特徴とする金属膜作製装置。
  6. 請求項において、
    原料ガス供給手段は被エッチング部材の反基板側におけるチャンバの天井部に設けられるノズルであることを特徴とする金属膜作製装置。
  7. 請求項において、
    原料ガス供給手段は被エッチング部材の反基板側におけるチャンバの天井をシャワープレートとした手段であることを特徴とする金属膜作製装置。
  8. 基板が収容されるチャンバと、
    基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、
    基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを基板の周囲から供給する原料ガス供給手段と、
    チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と
    被エッチング部材の反基板側でチャンバの側部に設けられ反応に関与しないガス及びエッチング生成物を排出する排気手段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  9. 基板が収容されるチャンバと、
    基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、
    基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを基板の周囲から供給する原料ガス供給手段と、
    チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と、
    被エッチング部材の反基板側でチャンバの天井部の中央に設けられ反応に関与しないガス及びエッチング生成物を排出する排気手段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  10. 基板が収容されるチャンバと、
    基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、
    基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを基板の周囲から供給する一方、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを被エッチング部材寄りから供給する原料ガス供給手段と、
    チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と、
    反応に関与しないガス及びエッチング生成物を基板寄りで排出する排気手段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一項において、
    ハロゲンを含有する原料ガスは、塩素を含有する原料ガスであることを特徴とする金属膜作製装置。
  12. 請求項11において、
    被エッチング部材を銅製とすることにより、前駆体としてCuxClyを生成することを特徴とする金属膜作製装置。
  13. 請求項1乃至請求項11のいずれか一項において、
    被エッチング部材は、ハロゲン化物形成金属であるタンタルもしくはタングステンもしくはチタンであることを特徴とする金属膜作製装置。
  14. 基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給し、
    チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成し、
    基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させ、
    反応に関与しないガス及びエッチング生成物を被エッチング部材寄りで排出することを特徴とする金属膜作製方法。
  15. 基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを被エッチング部材寄りから供給し、
    チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成し、
    基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を基板に成膜させ、
    反応に関与しないガス及びエッチング生成物を基板寄りで排出することを特徴とする金属膜作製方法。
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