JP3801548B2 - 金属膜作製装置のクリーニング方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気相成長法により基板の表面に金属膜を作製する金属膜作製装置及びクリーニング方法に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、気相成長法により金属膜、例えば、銅の薄膜を作製する場合、例えば、銅・ヘキサフロロアセチルアセトナト・トリメチルビニルシラン等の液体の有機金属錯体を原料として用い、固体状の原料を溶媒に溶かし、熱的な反応を利用して気化することにより基板に対する成膜を実施している。
【0003】
しかし、かかる従来技術は、熱的反応を利用した成膜のため、成膜速度の向上を図ることが困難であり、また原料となる金属錯体が高価であり、しかも銅に付随しているヘキサフロロアセチルアセトナト及びトリメチルビニルシランが銅の薄膜中に不純物として残留するため、膜質の向上を図ることが困難であるという欠点を有していた。
【0004】
これに対し、今回、本発明者等は次の知見を得た。すなわち、基板を収容する真空のチャンバ内に塩素ガスを供給し、この塩素ガスをプラズマ発生手段によりプラズマ化する一方、前記チャンバに配設した銅板からなる被エッチング部材を、塩素ガスプラズマでエッチングした場合、銅板と基板との温度の関係を適切に制御することにより、エッチングされた銅を基板に析出させて銅の薄膜を形成することができる、すなわちエッチング部材である銅板を高温(例えば300°C〜400°C)に、また基板を低温(200°C程度)にした場合、基板には銅薄膜を形成することができるというものである。
【0005】
したがって、相対的な高温雰囲気を形成する塩素ガスプラズマに臨んで銅板を配設する一方、このプラズマ雰囲気を挟んで銅板に対向する相対的な低温雰囲気に基板を配設するとともに、両者の温度を適切に制御することにより容易にCu薄膜の作製装置を提供することができる。ここで、被エッチング部材としては、Cuの他に、例えば、Ta、Ti、W等、高蒸気圧ハロゲン化物を作る金属であれば一般に用いることができ、また原料ガスとしてはCl2 の他に、ハロゲンガスであれば一般に用いることができる。
【0006】
かかる知見に基づく金属膜作製装置において、例えばCu薄膜を形成する場合には、先ずチャンバ内にArガスを供給してこのプラズマを形成することによりCuで形成した被エッチング部材を所定の温度にまで予備加熱し、この被エッチング部材が所定温度になった時点で、Cl2 ガスを供給してそのプラズマを形成する。この結果、被エッチング部材はCl2 ガスプラズマによりエッチングされてCuの前駆体(CuxCly)を発生する。この前駆体(CuxCly)は相対的な低温部である基板に搬送され、CuClとして基板の表面に吸着される。その後、基板に吸着された状態のCuClにCl* が作用してClを引き抜き、基板の表面にCu薄膜を析出させる。
【0007】
すなわち、上記金属膜作製装置においては次の様な反応が起こっていると考えられる。
▲1▼プラズマの解離反応;Cl2 →2Cl*
▲2▼エッチング反応;Cu+Cl* →CuCl(g)
▲3▼基板への吸着反応;CuCl(g)→CuCl(ad)
▲4▼成膜反応;CuCl(ad)+Cl* →Cu+Cl2
ここで、Cl* はClのラジカルであることを、(g)はガス状態であることを、(ad)は吸着状態であることをそれぞれ表している。
【0008】
上述の如き成膜工程では、成膜条件によっては、被エッチング部材にもCuClが吸着され、これが固化してCuCl膜が形成される。かかる現象が繰り返され、例えばCuで形成した被エッチング部材の表面の全域がCuClで覆われるような状態になると、Cl2 ガスプラズマによる被エッチング部材に対するエッチング反応が進行しなくなる。
【0009】
ここで、被エッチング部材にCuCl膜が付着し易い成膜条件とは、原料ガスであるCl2 ガスのガス圧が高い場合又は被エッチング部材の温度が低い場合に成立し易い。
【0010】
ちなみに、低パワーで成膜している状態で、成膜の終了とともにパワーの供給を遮断した場合、パワーの遮断に伴い被エッチング部材の温度が低下するのに対してチャンバ内に残存するCl2 ガスにより、被エッチング部材の温度が低く且つCl2 ガスのガス圧が高いという条件が成立する。したがって、特に低パワーによる成膜工程の終了の際に被エッチング部材に対するCuClの吸着反応が進行する。
【0011】
そこで、上述の如き金属膜作製装置では、成膜工程で被エッチング部材の表面に付着するCuCl膜からClを各成膜工程毎又は所定回数の成膜工程を経た後に除去する、いわゆるクリーニングを実施する必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の如き金属膜作製装置を始め、プラズマ処理装置において従来より一般に実施されているクリーニング法は、チャンバの内壁や天井部に付着したCuCl膜を除去するものであり、被エッチング部材の表面に付着するCuCl膜のClを除去する技術は確立されていないのが現状であった。
【0013】
本発明は、上述の如き問題点に鑑み、金属膜作製装置における被エッチング部材のクリーニング作業を容易且つ高効率で行うことができる金属膜作製装置及びクリーニング方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置のクリーニング方法は、
チャンバの内部に配設した高蒸気圧ハロゲン化物を作る金属で形成した被エッチング部材を、ハロゲンを含有する原料ガスのプラズマでエッチングして、被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとの前駆体を生成し、被エッチング部材の温度より低くした基板上に所定の金属膜を形成する金属膜作製装置のクリーニング方法において、
ロゲンを含有するクリーニングガスを供給し、クリーニングガスのプラズマを発生させて、被エッチング部材の表面をエッチングする際、
供給したクリーニングガスそのものが直接被エッチング部材に接触しないように、供給したクリーニングガスがプラズマとなった後に該クリーニングプラズマを被エッチング部材に到達させて、被エッチング部材の表面に付着したハロゲンを除去することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の金属膜作製装置は、金属製(Cu製)の被エッチング部材が収容されたチャンバ内にハロゲンとしての塩素を含有する原料ガスを供給し、塩素ガスプラズマを発生させ塩素ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれるCu成分と塩素ガスとの前駆体を生成し、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くすることで前駆体のCu成分を基板に成膜させるようにしたものである。
【0026】
そして、成膜が進み被エッチング部材に前駆体のCuClが吸着した場合に、クリーニングガスプラズマで被エッチング部材の表面をエッチングし、吸着したCuClのClを除去するようにしたものである。
【0027】
【実施例】
以下図面に基づいて本発明の金属膜作製装置及びクリーニング方法の実施例を説明する。
【0028】
図1に基づいて本発明の金属膜作製装置及びクリーニング方法の第1実施例を説明する。
【0029】
図1には本発明の第1実施形態例に係るクリーニング方法を実施する金属膜作製装置の概略側面、図2には図1中のII-II 線矢視、図3には図2中のIII-III 線矢視を示してある。
【0030】
図1に示すように、円筒状に形成された、金属製(例えば、アルミ製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御されるようになっている。
【0031】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材製(例えば、セラミックス製)の天井部材である円盤状の天井板7によって塞がれている。天井板7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。
【0032】
チャンバ1の内部における支持台2の周囲には原料ガス供給手段及びクリーニングガス供給手段としてのガスノズル12が設けられ、ガスノズル12には流量制御装置13を介してハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好ましくは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)及びハロゲンとしての塩素を含有するクリーニングガス(He,Ar等で塩素濃度が原料ガスよりも高くされた、30% 程度に希釈されたCl2 ガス)が送られ、ガスノズル12からは原料ガス及びクリーニングガスがチャンバ1の内部に供給される。
【0033】
ハロゲンとしてCl2 ガスを含有する原料ガス及びクリーニングガスを用い、原料ガス及びクリーニングガスの供給系を同一にしたので、安価な原料を用い装置を簡単な構成とすることができる。尚、クリーニングガスのハロゲン濃度を原料ガスのハロゲン濃度と同じにし、希釈濃度の制御を省略することも可能である。
【0034】
原料ガスとクリーニングガスの切替え(濃度の変更)は、クリーニング時に流量制御装置13でハロゲンとしてのCl2 ガスの量が相対的に増量されることで実施される。尚、クリーニングガス供給手段は、原料ガス供給手段とは独立して設ける、即ち、クリーニングガスを専用に供給するノズルを設けることも可能である。
【0035】
原料ガス及びクリーニングガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素(F)、臭素(Br)及びヨウ素(I)等を適用することが可能である。
【0036】
尚、ガスノズル12から供給される原料ガス及びクリーニングガスの角度は、上向きの90度に設定したり、円周方向で角度を変更して種々の角度で設定することが可能である。これにより、原料ガス及びクリーニングガスの供給状況(プラズマの発生状況)を任意に設定することが可能である。
【0037】
チャンバ1の上面の開口部と天井板7との間には金属製(Cu製)の被エッチング部材18が挟持されている。図1、図2に示すように、被エッチング部材18は、チャンバ1の上部に挟持されるリング部19が備えられ、リング部19の内周側にはチャンバ1の径方向中心部近傍まで延び同一幅となっている棒部材としての突起部20が円周方向に複数(図示例では12個)設けられている。
【0038】
突起部20は、リング部19に対して一体、もしくは、取り外し自在に取り付けられている。天井板7とチャンバ1の内部との間には突起部20の間で形成される切欠部35(空間)が存在した状態になっている。リング部19はアースされており、複数の突起部20は電気的につながれて同電位に維持されている。
【0039】
尚、突起部20の間に突起部20よりも径方向に短い第2突起部を配置することも可能であり、更に、突起部20と第2突起部との間に短い突起部を配置することも可能である。このようにすると、誘導電流を抑制しつつエッチング対象となる銅の面積を確保することができる。
【0040】
天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのプラズマアンテナ9が設けられ、プラズマアンテナ9は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ9にはプラズマ発生手段及びクリーニングガスプラズマ発生手段としての整合器10及び電源11が接続されて給電が行われる。
【0041】
ガスノズル12からは天井板7に向けて、例えば、45度の角度で原料ガス及びクリーニングガスが供給される。つまり、クリーニングガスは、クリーニングガスプラズマ発生手段でプラズマ化された後に被エッチング部材18に到達する位置に向けてクリーニングガスを供給するようになっている。
【0042】
被エッチング部材18は、リング部19の内周側に突起部20が円周方向に複数設けられ、突起部20の間で形成される切欠部35(空間)が存在しているので、プラズマアンテナ9の電気の流れ方向に対して不連続な状態で基板3と天井部材との間に突起部20が配置された状態になっている。
【0043】
例えば、チャンバ1の下部には排気手段としての排気口21が設けられ、排気口21からは反応に関与しないガス及びエッチング生成物が排出される。
【0044】
上述した金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にガスノズル12から原料ガスを供給し、プラズマアンテナ9から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14(クリーニングガスプラズマ)が発生する。
【0045】
プラズマアンテナ9の下部には導電体である被エッチング部材18が存在しているが、以下の作用により被エッチング部材18と基板3との間、即ち、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14が安定して発生するようになっている。
【0046】
被エッチング部材18に下側にCl2 ガスプラズマ14が発生する作用について説明する。図3に示すように、平面リング状のプラズマアンテナ9の電気の流れAは突起部20を横切る方向となり、このとき、突起部20のプラズマアンテナ9との対向面には誘導電流bが発生する。被エッチング部材18には切欠部35(空間)が存在している状態になっているので、誘導電流bはそれぞれの突起部20の下面に流れてプラズマアンテナ9の電気の流れAと同一方向の流れaとなる(ファラデーシールド)。
【0047】
このため、基板3側から被エッチング部材18を見た場合、プラズマアンテナ9の電気の流れAを打ち消す方向の流れが存在しない状態になり、しかも、リング部19がアースされて突起部20が同電位に維持されている。これにより、導電体である被エッチング部材18が存在していても、プラズマアンテナ9から電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14が安定して発生するようになっている。
【0048】
尚、突起部20をリング部19につなげずに原料ガスの供給を制御することで電位の違いによるプラズマの不安定をなくすようにすることも可能である。
【0049】
Cl2 ガスプラズマ14により、銅製の被エッチング部材18にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)15が生成される。このとき、被エッチング部材18はCl2 ガスプラズマ14により基板3の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。チャンバ1の内部で生成された前駆体(CuxCly)15は、被エッチング部材18よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。基板3に運ばれる前駆体(CuxCly)15は還元反応によりCuイオンのみとされて基板3に当てられ、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0050】
このときの反応は、次式で表すことができる。
2Cu+Cl2 →2CuCl→2Cu↓+Cl2
反応に関与しないガス及びエッチング生成物は排気口21から排気される。
【0051】
尚、原料ガスとして、He,Ar等で希釈されたCl2 ガスを例に挙げて説明したが、Cl2 ガスを単独で用いたり、HCl ガスを適用することも可能である。HCl ガスを適用した場合、原料ガスプラズマはHCl ガスプラズマが生成されるが、被エッチング部材18のエッチングにより生成される前駆体はCuxClyである。従って、原料ガスは塩素を含有するガスであればよく、HCl ガスとCl2 ガスとの混合ガスを用いることも可能である。
【0052】
また、被エッチング部材18の材質は、銅(Cu)に限らず、ハロゲン化物形成金属、好ましくは塩化物形成金属であるAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等を用いることが可能である。この場合、前駆体はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等のハロゲン化物(塩化物)となり、基板3の表面に生成される薄膜はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等になる。
【0053】
上記構成の金属膜作製装置は、Cl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14を用いているため、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、原料ガスとしてCl2 ガスを用いているため、コストを大幅に減少させることができる。また、温度制御手段6を用いて基板3を被エッチング部材18よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0054】
また、被エッチング部材18は、リング部19の内周側に突起部20が円周方向に複数設けられ、突起部20の間で形成される切欠部35(空間)が存在しているので、被エッチング部材18に生じる誘導電流は基板3側からみてプラズマアンテナ9の電気の流れと同一方向の流れとなる。
【0055】
これにより、導電体である被エッチング部材18がプラズマアンテナ9の下に存在していても、プラズマアンテナ9から電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング部材18の下側にCl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能となる。
【0056】
上述した金属膜作製装置では、成膜工程で、成膜条件によっては、被エッチング部材18にもCuClが吸着され、これが固化してCuCl膜が形成される。かかる現象が繰り返され、例えばCuで形成した被エッチング部材の表面の全域がCuClで覆われるような状態になると、Cl2 ガスプラズマ14による被エッチング部材18に対するエッチング反応が進行しなくなる。
【0057】
そこで、上述した金属膜作製装置では、成膜工程で被エッチング部材18の表面に付着するCuCl膜からClを各成膜工程毎又は所定回数の成膜工程を経た後に除去する、いわゆるクリーニングが実施される。
【0058】
クリーニングを実施する場合、真空装置8によりチャンバ1内を成膜とは異なる高い圧力に制御し、プラズマアンテナ9に通電すると共に流量制御装置13の制御により塩素濃度が原料ガスよりも高くされたクリーニングガスをガスノズル12からチャンバ1内に供給する。
【0059】
これにより、Cl2 ガスプラズマ(クリーニングガスプラズマ)が発生する。Cl2 ガスプラズマのCl* により被エッチング部材18の表面に吸着されたCuCl(ad)がエッチングされ、ClがCl2 として揮発されてCuが被エッチング部材18の表面に残る。
この時の反応は、
CuCl(ad)+Cl* →Cu+Cl2
で表すことができる。
【0060】
従って、被エッチング部材18の表面にCuClが吸着されても、Cl2 ガスプラズマ(クリーニングガスプラズマ)を発生させてCl* によりClをCl2 として排出することで、被エッチング部材18の表面に付着したCuClがCuとされて被エッチング部材18の表面を均一に清浄化することができる。このため、金属膜作製装置における被エッチング部材18のクリーニング作業を容易且つ高効率で行うことができ、再現性のよい成膜特性を得ることが可能になる。
【0061】
また、クリーニングガスは、クリーニングガスプラズマ発生手段でプラズマ化された後に被エッチング部材18に到達する位置に向けてクリーニングガスを供給するようになっているので、クリーニング時に生ガス(プラズマ化されていないガス)が被エッチング部材18に接触してCuCl(s)が表面に生成されることがない。従って、効率よく被エッチング部材18の表面を清浄化することができる。
【0062】
因みに、CuCl(s)が表面に生成されると、Cl2 ガスプラズマのCl* によりCuCl2 (s)となって、被エッチング部材18の表面からClを除去することが困難になる。
【0063】
また、原料ガスの塩素濃度に比べてクリーニングガスの塩素濃度を高くしたので、クリーニング時にCl2 ガスプラズマのCl* が多く確保され、効率よく被エッチング部材18の表面からClを除去することが可能になる。
【0064】
図4に基づいて第2実施を説明する。
【0065】
図4には本発明の第2実施例に係る金属膜作製装置の概略側面を示してある。尚、図1乃至図3に示した部材と同一部材(同一機能部材)には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0066】
図4に示すように、被エッチング部材18には直流電源であるバイアス電源23が接続され、被エッチング部材18はバイアス電源23によりマイナス電位に偏位される。バイアス電源23はスイッチ手段24により銅製の被エッチング部材18に接続され、例えば、クリーニングの時にのみ積極的に被エッチング部材18をマイナス電位に偏位させる。
【0067】
被エッチング部材18をマイナス電位に偏位させることにより、Cl2 ガスプラズマ中のプラスイオンが被エッチング部材18に電気的に吸引され、衝突エネルギーにより表面に吸着したCuClを物理的にエッチングすることができ、クリーニングの時のエッチング反応を促進することができる。
【0068】
尚、スイッチ手段24を省略し、成膜時における被エッチング部材18のエッチングの際にも被エッチング部材18をバイアス電源23によりマイナス電位に偏位させ、成膜時のエッチングを促進することも可能である。
【0069】
チャンバ1は金属製であるため、バイアス電源23を接続する際には被エッチング部材18とチャンバ1は絶縁状態にされている。即ち、チャンバ1の被エッチング部材18を保持する部位が絶縁円筒31で形成されている。
【0070】
従って、第2実施例の金属膜作製装置及びクリーニング方法では、第2実施例に加え、クリーニングの時のエッチング反応を促進することができ、より効率的に被エッチング部材18のクリーニングを実施することが可能になる。
【0071】
図5に基づいて第3実施を説明する。
【0072】
図5には本発明の第3実施例に係る金属膜作製装置の概略側面を示してある。尚、図1乃至図3に示した部材と同一部材には同一符号を付してある。
【0073】
図に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材料製)のチャンバ1にはの底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御されるようになっている。
【0074】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は金属製の被エッチング部材としての金属部材(天井板)25によって塞がれている。天井板25によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。
【0075】
チャンバ1の内部における支持台2の周囲には原料ガス供給手段及びクリーニングガス供給手段としてのガスノズル12が設けられ、ガスノズル12には流量制御装置13を介してハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好ましくは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)及びハロゲンとしての塩素を含有するクリーニングガス(He,Ar等で塩素濃度が原料ガスよりも高くされた、30% 程度に希釈されたCl2 ガス)が送られ、ガスノズル12からは原料ガス及びクリーニングガスがチャンバ1の内部に供給される。
【0076】
尚、クリーニングガスのハロゲン濃度を原料ガスのハロゲン濃度と同じにし、希釈濃度の制御を省略することも可能である。
【0077】
原料ガスとクリーニングガスの切替え(濃度の変更)は、クリーニング時に流量制御装置13でハロゲンとしてのCl2 ガスの量が相対的に増量されることで実施される。尚、クリーニングガス供給手段は、原料ガス供給手段とは独立して設ける、即ち、クリーニングガスを専用に供給するノズルを設けることも可能である。
【0078】
ガスノズル12からは天井板25に向けて、例えば、45度の角度で原料ガスが供給される。原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素(F)、臭素(Br)及びヨウ素(I)等を適用することが可能である。
【0079】
チャンバ1の筒部の外周には円筒コイル状のプラズマアンテナ26が設けられ、プラズマアンテナ26にはプラズマ発生手段及びクリーニングガスプラズマ発生手段としての整合器10及び電源11が接続されて給電が行われる。
【0080】
ガスノズル12からは天井板25に向けて、例えば、45度の角度で原料ガス及びクリーニングガスが供給される。つまり、クリーニングガスは、クリーニングガスプラズマ発生手段でプラズマ化された後に被エッチング部材18に到達する位置に向けてクリーニングガスを供給するようになっている。
【0081】
上述した金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にガスノズル12から原料ガスを供給し、プラズマアンテナ26から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14が発生する。Cl2 ガスプラズマ14により、銅製の天井板25にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)15が生成される。このとき、天井板25はCl2 ガスプラズマ14により基板3の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。
【0082】
チャンバ1の内部で生成された前駆体(CuxCly)15は、天井板25よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。基板3に運ばれる前駆体(CuxCly)15は還元反応によりCuイオンのみとされて基板3に当てられ、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0083】
このときの反応は、次式で表すことができる。
2Cu+Cl2 →2CuCl→2Cu↓+Cl2
反応に関与しないガス及びエッチング生成物は排気口21から排気される。
【0084】
尚、原料ガスとして、He,Ar等で希釈されたCl2 ガスを例に挙げて説明したが、Cl2 ガスを単独で用いたり、HCl ガスを適用することも可能である。HCl ガスを適用した場合、原料ガスプラズマはHCl ガスプラズマが生成されるが、金属部材47のエッチングにより生成される前駆体はCuxClyである。従って、原料ガスは塩素を含有するガスであればよく、HCl ガスとCl2 ガスとの混合ガスを用いることも可能である。
【0085】
また、金属部材47の材質は、銅(Cu)に限らず、ハロゲン化物形成金属、好ましくは塩化物形成金属であるAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等を用いることが可能である。この場合、前駆体はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等のハロゲン化物(塩化物)となり、基板3の表面に生成される薄膜はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等になる。
【0086】
上記構成の金属膜作製装置は、Cl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14を用いているため、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、原料ガスとしてCl2 ガスを用いているため、コストを大幅に減少させることができる。また、温度制御手段6を用いて基板3を天井板25よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0087】
上述した金属膜作製装置では、成膜工程で、成膜条件によっては、天井板25にもCuClが吸着され、これが固化してCuCl膜が形成される。かかる現象が繰り返され、例えばCuで形成した天井板25の表面の全域がCuClで覆われるような状態になると、Cl2 ガスプラズマ14による天井板25に対するエッチング反応が進行しなくなる。
【0088】
そこで、上述した金属膜作製装置では、成膜工程で天井板25の表面に付着するCuCl膜からClを各成膜工程毎又は所定回数の成膜工程を経た後に除去する、いわゆるクリーニングが実施される。
【0089】
クリーニングを実施する場合、真空装置8によりチャンバ1内を成膜とは異なる高い圧力に制御し、プラズマアンテナ26に通電すると共に流量制御装置13の制御により塩素濃度が原料ガスよりも高くされたクリーニングガスをガスノズル12からチャンバ1内に供給する。
【0090】
これにより、Cl2 ガスプラズマ(クリーニングガスプラズマ)が発生する。Cl2 ガスプラズマのCl* により天井板25の表面に吸着されたCuCl(ad)がエッチングされ、ClがCl2 として揮発されてCuが天井板25の表面に残る。
この時の反応は、
CuCl(ad)+Cl* →Cu+Cl2
で表すことができる。
【0091】
従って、天井板25の表面にCuClが吸着されても、Cl2 ガスプラズマ(クリーニングガスプラズマ)を発生させてCl* によりClをCl2 として排出することで、天井板25の表面に付着したCuClがCuとされて天井板25の表面を均一に清浄化することができる。このため、金属膜作製装置における天井板25のクリーニング作業を容易且つ高効率で行うことができ、再現性のよい成膜特性を得ることが可能になる。
【0092】
また、クリーニングガスは、クリーニングガスプラズマ発生手段でプラズマ化された後に天井板25に到達する位置に向けてクリーニングガスを供給するようになっているので、クリーニング時に生ガス(プラズマ化されていないガス)が天井板25に接触してCuCl(s)が表面に生成されることがない。従って、効率よく天井板25の表面を清浄化することができる。
【0093】
因みに、CuCl(s)が表面に生成されると、Cl2 ガスプラズマのCl* により表面のCuCl(s)がCuCl2 (s)となって、天井板25の表面からClを除去することが困難になる。
【0094】
また、原料ガスの塩素濃度に比べてクリーニングガスの塩素濃度を高くしたので、クリーニング時にCl2 ガスプラズマのCl* が多く確保され、効率よく天井板25の表面からClを除去することが可能になる。
【0095】
図6に基づいて第4実施例を説明する。
【0096】
図6には本発明の第4実施例に係る金属膜作製装置の概略側面を示してある。尚、図1乃至図5に示した金属膜作製装置と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0097】
図6に示した第4実施例に係る金属膜作成装置は、図5に示した金属膜作成装置に対し、チャンバ1の筒部の周囲にはプラズマアンテナ26が設けられておらず、天井板25に整合器10及び電源11が接続されて天井板25に給電が行われ、支持台2側が接地されている(プラズマ発生手段及びクリーニングガスプラズマ発生手段)。
【0098】
上述した金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にガスノズル12から原料ガスを供給し、天井板25から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14が発生する。Cl2 ガスプラズマ14により、銅製の天井板25にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)15が生成される。このとき、天井板25はCl2 ガスプラズマ14(もしくは図示しない温度制御手段)により基板3の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。
【0099】
チャンバ1の内部で生成された前駆体(CuxCly)15は、天井板25よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。基板3に運ばれる前駆体(CuxCly)15は還元反応によりCuイオンのみとされて基板3に当てられ、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。反応に関与しないガス及びエッチング生成物は排気口21から排出される。
【0100】
上述した金属膜作製装置では、金属部材47自身をプラズマ発生用の電極として適用しているので、チャンバ41の筒部の周囲にプラズマアンテナ49等の部材が不要となり、周囲の構成の自由度を増すことができる。
【0101】
上述した金属膜作製装置では、成膜工程で、成膜条件によっては、天井板25にもCuClが吸着され、これが固化してCuCl膜が形成される。かかる現象が繰り返され、例えばCuで形成した天井板25の表面の全域がCuClで覆われるような状態になると、Cl2 ガスプラズマ14による天井板25に対するエッチング反応が進行しなくなる。
【0102】
そこで、上述した金属膜作製装置では、成膜工程で天井板25の表面に付着するCuCl膜からClを各成膜工程毎又は所定回数の成膜工程を経た後に除去する、いわゆるクリーニングが実施される。
【0103】
クリーニングを実施する場合、真空装置8によりチャンバ1内を成膜とは異なる高い圧力に制御し、天井板25に通電すると共に流量制御装置13の制御により塩素濃度が原料ガスよりも高くされたクリーニングガスをガスノズル12からチャンバ1内に供給する。
【0104】
これにより、Cl2 ガスプラズマ(クリーニングガスプラズマ)が発生する。Cl2 ガスプラズマのCl* により天井板25の表面に吸着されたCuCl(ad)がエッチングされ、ClがCl2 として揮発されてCuが天井板25の表面に残る。
この時の反応は、
CuCl(ad)+Cl* →Cu+Cl2
で表すことができる。
【0105】
従って、天井板25の表面にCuClが吸着されても、Cl2 ガスプラズマ(クリーニングガスプラズマ)を発生させてCl* によりClをCl2 として排出することで、天井板25の表面に付着したCuClがCuとされて天井板25の表面を均一に清浄化することができる。このため、金属膜作製装置における天井板25のクリーニング作業を容易且つ高効率で行うことができ、再現性のよい成膜特性を得ることが可能になる。
【0106】
また、クリーニングガスは、クリーニングガスプラズマ発生手段でプラズマ化された後に天井板25に到達する位置に向けてクリーニングガスを供給するようになっているので、クリーニング時に生ガス(プラズマ化されていないガス)が天井板25に接触してCuCl(s)が表面に生成されることがない。従って、効率よく天井板25の表面を清浄化することができる。
【0107】
因みに、CuCl(s)が表面に生成されると、Cl2 ガスプラズマのCl* により表面のCuCl(s)がCuCl2 (s)となって、天井板25の表面からClを除去することが困難になる。
【0108】
また、原料ガスの塩素濃度に比べてクリーニングガスの塩素濃度を高くしたので、クリーニング時にCl2 ガスプラズマのCl* が多く確保され、効率よく天井板25の表面からClを除去することが可能になる。
【0109】
図7に基づいて第5実施例を説明する。
【0110】
図7には本発明の第5実施例に係る金属膜作製装置の概略側面を示してある。尚、図1乃至図6に示した金属膜作製装置と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0111】
図7に示した第6実施例の金属膜作製装置は、チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は、例えば、セラミックス製(絶縁材料製)の天井板7によって塞がれている。天井板7の下面には金属製(銅製:Cu製)の被エッチング部材41が設けられ、被エッチング部材41は、例えば、四角錐形状となっている。チャンバ1の筒部の周囲には、スリット状の開口部42が形成され、開口部41には筒状の通路43の一端がそれぞれ固定されている。
【0112】
通路43の途中部には絶縁体製の筒状の励起室44が設けられ、励起室44の周囲にはコイル状のプラズマアンテナ45が設けられ、プラズマアンテナ45はプラズマ発生手段及びクリーニングガスプラズマ発生手段としての整合器10及び電源11に接続されて給電が行われる。通路43の他端側には流量制御装置13が接続され、流量制御装置13を介して通路43内に原料ガス及びクリーニングガスが供給される。
【0113】
尚、原料ガス及びクリーニングガスは、前述した第1乃至第4実施例と同一のものである。
【0114】
プラズマアンテナ45から電磁波を励起室44の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマもしくはクリーニングガスプラズマ)46が発生する。つまり、原料ガス及びクリーニングガスをチャンバ1と隔絶した励起室46で励起するようになっている。Cl2 ガスプラズマ35の発生により励起塩素が開口部42からチャンバ1内に送られ、被エッチング部材41が励起塩素によりエッチングされる。
【0115】
上述した金属膜作製装置では、流量制御装置13を介して通路43内に原料ガスを供給して励起室44に原料ガスを送り込む。プラズマアンテナ45から電磁波を励起室44の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)35が発生する。真空装置8によりチャンバ1内の圧力と励起室44の圧力とに所定の差圧が設定されているため、励起室44のCl2 ガスプラズマ35の励起塩素が開口部42からチャンバ1内の被エッチング部材41に送られる。励起塩素により被エッチング部材41にエッチング反応が生じ、チャンバ1の内部で前駆体(CuxCly)15が生成される。
【0116】
チャンバ1の内部で生成された前駆体(CuxCly)15は基板3に運ばれ、基板3に運ばれる前駆体(CuxCly)15は還元反応によりCuイオンのみとされて基板3に当てられ、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。反応に関与しないガス及びエッチング生成物は排気口21から排出される。
【0117】
図7に示した金属膜作製装置は、チャンバ1と隔絶した励起室44で原料ガスプラズマ46を発生させるようにしているので、基板3がプラズマに晒されることがなくなり、基板3にプラズマによる損傷が生じることがない。例えば、前工程で別材料の膜が成膜された基板3では、前工程で成膜された材料の膜に損傷が生じることがなくなる。
【0118】
尚、励起室44でCl2 ガスプラズマ46を発生させる手段(励起手段)としては、マイクロ波、レーザ、電子線、放射光等を用いることも可能である。また、図7に示した金属膜作製装置は、チャンバ1内でのプラズマの発生がないため、チャンバ1内のプラズマを安定させるために希ガスを供給する必要がない。
【0119】
上述した金属膜作製装置では、成膜工程で、成膜条件によっては、被エッチング部材41にもCuClが吸着され、これが固化してCuCl膜が形成される。かかる現象が繰り返され、例えばCuで形成した被エッチング部材41の表面の全域がCuClで覆われるような状態になると、励起塩素による被エッチング部材41に対するエッチング反応が進行しなくなる。
【0120】
そこで、上述した金属膜作製装置では、成膜工程で被エッチング部材41の表面に付着するCuCl膜からClを各成膜工程毎又は所定回数の成膜工程を経た後に除去する、いわゆるクリーニングが実施される。
【0121】
クリーニングを実施する場合、真空装置8によりチャンバ1内を成膜とは異なる高い圧力に制御し、プラズマアンテナ45に通電すると共に流量制御装置13の制御により塩素濃度が原料ガスよりも高くされたクリーニングガスを励起室44内に供給する。
【0122】
これにより、励起室44にCl2 ガスプラズマ(クリーニングガスプラズマ)が発生し、Cl2 ガスプラズマの励起塩素が開口部42からチャンバ1内の被エッチング部材41に送られる。励起塩素のCl* により被エッチング部材41の表面に吸着されたCuCl(ad)がエッチングされ、ClがCl2 として揮発されてCuが被エッチング部材41の表面に残る。
この時の反応は、
CuCl(ad)+Cl* →Cu+Cl2
で表すことができる。
【0123】
従って、被エッチング部材41の表面にCuClが吸着されても、励起室44でCl2 ガスプラズマ(クリーニングガスプラズマ)を発生させて励起塩素をチャンバ1に送り、Cl* によりClをCl2 として排出することで、被エッチング部材41の表面に付着したCuClがCuとされて被エッチング部材41の表面を均一に清浄化することができる。このため、金属膜作製装置における被エッチング部材41のクリーニング作業を容易且つ高効率で行うことができ、再現性のよい成膜特性を得ることが可能になる。
【0124】
また、原料ガスの塩素濃度に比べてクリーニングガスの塩素濃度を高くしたので、クリーニング時にCl2 ガスプラズマのCl* が多く確保され、効率よく被エッチング部材41の表面からClを除去することが可能になる。
【0133】
本発明の金属膜作製装置のクリーニング方法は、チャンバの内部に配設した高蒸気圧ハロゲン化物を作る金属で形成した被エッチング部材を、ハロゲンを含有する原料ガスのプラズマでエッチングして、被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとの前駆体を生成し、被エッチング部材の温度より低くした基板上に所定の金属膜を形成する金属膜作製装置のクリーニング方法において、ロゲンを含有するクリーニングガスを供給し、クリーニングガスのプラズマを発生させて、被エッチング部材の表面をエッチングする際、供給したクリーニングガスそのものが直接被エッチング部材に接触しないように、供給したクリーニングガスがプラズマとなった後に該クリーニングプラズマを被エッチング部材に到達させて、被エッチング部材の表面に付着したハロゲンを除去するので、前駆体の成分が被エッチング部材に付着した場合にクリーニングガスプラズマにより被エッチング部材の表面をエッチングすることで、前駆体のハロゲンの成分を除去することができる。
【0134】
この結果、被エッチング部材の表面のクリーニングを効率的かつ完全に行なうことができ、再現性のよい成膜特性を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る金属膜作製装置の概略側面図。
【図2】図1中のII-II 線矢視図。
【図3】図2中のIII-III 線矢視図。
【図4】本発明の第2実施例に係る金属膜作製装置の概略側面図。
【図5】本発明の第3実施例に係る金属膜作製装置の概略側面図。
【図6】本発明の第4実施例に係る金属膜作製装置の概略構成図。
【図7】本発明の第5実施例に係る金属膜作製装置の概略構成図。
【符号の説明】
1 チャンバ
2 支持台
3 基板
4 ヒータ
5 冷媒流通手段
6 温度制御手段
7 天井板
8 真空装置
9,26,45 プラズマアンテナ
10 整合器
11 電源
12 ガスノズル
13 流量制御装置
14,46 Cl2 ガスプラズマ
16 Cu薄膜
18,41 被エッチング部材
19 リング部
20 突起部
21 排気口
23 バイアス電源
24 スイッチ手段
25 天井板
26 プラズマアンテナ
31 絶縁円筒
35 切欠部
42 開口部
43 通路
44 励起室

Claims (1)

  1. チャンバの内部に配設した高蒸気圧ハロゲン化物を作る金属で形成した被エッチング部材を、ハロゲンを含有する原料ガスのプラズマでエッチングして、被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとの前駆体を生成し、被エッチング部材の温度より低くした基板上に所定の金属膜を形成する金属膜作製装置のクリーニング方法において、
    ロゲンを含有するクリーニングガスを供給し、クリーニングガスのプラズマを発生させて、被エッチング部材の表面をエッチングする際、
    供給したクリーニングガスそのものが直接被エッチング部材に接触しないように、供給したクリーニングガスがプラズマとなった後に該クリーニングプラズマを被エッチング部材に到達させて、被エッチング部材の表面に付着したハロゲンを除去することを特徴とする金属膜作製装置のクリーニング方法。
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