JP2004027352A - 金属膜作製装置及び金属膜作製方法 - Google Patents

金属膜作製装置及び金属膜作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製する。
【解決手段】CuCl板部材7が備えられたチャンバ1内にArガスを供給し、Arガスプラズマを発生させてCuCl板部材7をエッチングすることによりCuCl板部材7に含まれるCuClの離脱種を生成し、更に、CuClの離脱種からArガスプラズマによりCuとClの解離種を生成し、基板3側の温度をCuCl板部材7の温度よりも低くして直接還元により基板3にCu薄膜16を成膜させ、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気相成長法により基板の表面に金属膜を作製する金属膜作製装置及び金属膜作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、気相成長法により金属膜、例えば、銅の薄膜を作製する場合、例えば、銅・ヘキサフロロアセチルアセトナト・トリメチルビニルシラン等の液体の有機金属錯体を原料として用い、固体状の原料を溶媒に溶かし、熱的な反応を利用して気化して基板に成膜を実施している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、熱的反応を利用した成膜のため、成膜速度の向上を図ることが困難であった。また、原料となる金属錯体が高価であり、しかも、銅に付随しているヘキサフロロアセチルアセトナト及びトリメチルビニルシランが銅の薄膜中に不純物として残留するため、膜質の向上を図ることが困難であった。
【0004】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製できる金属膜作製装置を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製できる金属膜作製方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して希ガスプラズマを発生させ希ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に希ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容され上方が開口するチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバの上方開口部に設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、被エッチング部材に給電を行うことでチャンバ内をプラズマ化して希ガスプラズマを発生させ希ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に希ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容される円筒状のチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバの上方部に設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、チャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、チャンバの筒部の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するためのコイル状のアンテナ部材と、アンテナ部材に給電を行うことでチャンバ内をプラズマ化して希ガスプラズマを発生させ希ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に希ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容され上方が開口するチャンバと、チャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、チャンバの上部の開口を密閉する絶縁材製の天井部材と、天井部材の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するためのアンテナ部材と、アンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態で基板と天井部材との間に複数配置されるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、アンテナ部材に給電を行い被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることによりチャンバの内部をプラズマ化して希ガスプラズマを発生させ希ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に希ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、チャンバとは隔絶した部位で希ガスをプラズマ化し励起された希ガス成分によりハロゲン化金属製の被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成する生成手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
そして、希ガスはアルゴンであることを特徴とする。
【0012】
また、上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に原料ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容され上方が開口するチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバの上方開口部に設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、被エッチング部材に給電を行うことでチャンバ内をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に原料ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、
基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容される円筒状のチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバの上方部に設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの筒部の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するためのコイル状のアンテナ部材と、アンテナ部材に給電を行うことでチャンバ内をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に原料ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容され上方が開口するチャンバと、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの上部の開口を密閉する絶縁材製の天井部材と、天井部材の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するためのアンテナ部材と、アンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態で基板と天井部材との間に複数配置されるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、アンテナ部材に給電を行い被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることによりチャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に原料ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、チャンバとは隔絶した部位でハロゲンを含有する原料ガスをプラズマ化し励起された原料ガス成分によりハロゲン化金属製の被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成する生成手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
そして、ハロゲンを含有する原料ガスは、塩素を含有する原料ガスであることを特徴とする。
【0018】
また、被エッチング部材を塩化銅製とすることにより、離脱種としてCuClを生成すると共に解離種としてCu及びClを生成し、基板にCuを成膜させることを特徴とする。
【0019】
また、ハロゲン化金属の金属成分はハロゲン化物形成金属であるタンタルもしくはタングステンもしくはチタンであることを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成するための本発明の金属膜作製方法は、基板が収容されるチャンバ内の内部をプラズマ化して希ガスプラズマを発生させ、希ガスプラズマでハロゲン化金属製の被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に希ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成し、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くすることで解離種の金属成分を基板に成膜させることを特徴とする。
【0021】
そして、希ガスプラズマを発生させる希ガスはアルゴンであることを特徴とする。
【0022】
また、上記目的を達成するための本発明の金属膜作製方法は、基板が収容されるチャンバ内の内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、ハロゲンガスプラズマでハロゲン化金属製の被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共にハロゲンガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成し、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くすることで解離種の金属成分を基板に成膜させることを特徴とする。
【0023】
そして、ハロゲンガスプラズマを発生させるハロゲンは塩素を含有する原料ガスであることを特徴とする。
【0024】
また、被エッチング部材を塩化銅製とすることにより、離脱種としてCuClを生成すると共に解離種としてCu及びClを生成し、基板にCuを成膜させると共に基板上のCuClにClを反応させてCl2 として放出させることで基板にCuを成膜させることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明の金属膜作製装置及び金属膜作製方法を説明する。本発明の金属膜作製装置及び金属膜作製方法は、ハロゲン化金属製(CuCl製)の被エッチング部材が収容されたチャンバ内に希ガスとしてのアルゴンガスを供給し、アルゴンガスプラズマを発生させアルゴンガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることによりCuClの離脱種を生成し、更に、アルゴンガスプラズマによりCuClの離脱種からCuとClの解離種を生成し、基板側の温度を銅板部材側の温度よりも低くすることで解離種のCu成分を基板に成膜させると共に、CuClの離脱種に解離種のClを反応させてCl2 を放出してCu成分を基板に成膜させるようにしたものである。
【0026】
以下図面に基づいて本発明の金属膜作製装置及び金属膜作製方法の実施形態例を説明する。
【0027】
図1、図2に基づいて本発明の金属膜作製装置及び金属膜作製方法の第1実施例を説明する。図1には本発明の第1実施例に係る金属膜作製装置の概略側面、図2には成膜の概念状況を示してある。
【0028】
図1に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御される。
【0029】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部はハロゲン化金属製の被エッチング部材としての塩化銅製(CuCl製)のCuCl板部材7で塞がれている。CuCl板部材7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。CuCl板部材7には整合器9及び電源10が接続され、CuCl板部材7に給電が行われる(プラズマ発生手段)。
【0030】
支持台2の上方におけるチャンバ1の筒部には、チャンバ1の内部に希ガスとしてのアルゴン(Ar)ガスを供給する希ガス供給手段としてのArガスノズル11が接続されている。Arガスノズル11には流量制御器12を介してArガスが送られる。
【0031】
尚、ハロゲン化金属のハロゲンとしては、フッ素(F)、臭素(Br)及びヨウ素(I)等を適用することが可能である。また、ハロゲン化金属の金属としては、ハロゲン化物形成金属、好ましくは塩化物形成金属であれば、Ag,Au,Pt,Ta,Ti, W等を用いることが可能である。この場合、基板3の表面に生成される薄膜はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等になる。また、希ガスとしては、ヘリウムやキセノン、クリプトン等の他の希ガスを適用することが可能である。
【0032】
上述した金属膜作成装置では、チャンバ1の内部にArガスノズル11からArガスを供給し、CuCl板部材7から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Arガスがイオン化されてArガスプラズマ13が発生する。Arガスプラズマ13のAr* によりCuCl板部材7にエッチング反応が生じ、気相中にCuClの離脱種14が生成される。また、Arガスプラズマ13のAr* により離脱種14からCuとClの解離種15が生成される。このとき、CuCl板部材7は図示しない温度制御手段により基板3の温度より高い温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。
【0033】
チャンバ1の内部で生成された離脱種14及び解離種15は、CuCl板部材7よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。図2に示すように、解離種15のCu成分が基板3に成膜されると共に、離脱種14のCuClと解離種15のClが反応してCl2 が放出されCu成分が基板3に成膜される。これにより、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0034】
このときの反応状況は、
CuCl(s):CuCl板部材7がAr* によりCuCl(g) となる。
CuCl(g) がAr* によりCu,Cl となる。
同時に、
CuCl(g) がAr* によりCuCl(ad)となる。
【0035】
図2に示すように、解離種15のCuが基板3に成膜されると共に、CuCl(ad)と解離種15のClが反応してCl2 が放出され(直接還元反応)、金属(Cu)として析出する。反応に関与しないガス及びエッチング生成物は排気口17から排気される。
【0036】
上述した金属膜作製装置は、Arガスプラズマ13を用いてエッチング反応により離脱種14及び解離種15を生成し、直接還元反応によりCu薄膜16を作製しているので、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、温度制御手段6を用いて基板3をCuCl板部材7よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0037】
更に、CuCl板部材7自身をプラズマ発生用の電極として適用しているので、チャンバ1の筒部の周囲にプラズマアンテナ等の部材が不要となり、周囲の構成の自由度を増すことができる。
【0038】
そして、還元反応を行う原料ガスを全く必要としないため、原料ガスのための附帯設備が不要となり、設備コストを大幅に低減することができる。また、安価なCuCl板部材7及びArガスを使用するだけでCu薄膜16を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができる。
【0039】
図3に基づいて本発明の金属膜作製装置及び金属膜作製方法の第2実施例を説明する。図3には本発明の第2実施例に係る金属膜作製装置の概略側面を示してある。尚、図1に示した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0040】
図3に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御される。
【0041】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部はハロゲン化金属製の被エッチング部材としての塩化銅製(CuCl製)のCuCl板部材7で塞がれている。CuCl板部材7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。チャンバ1の筒部の周囲にはアンテナ部材としてのコイル状のプラズマアンテナ21が設けられ、プラズマアンテナ21には整合器9及び電源10が接続されて給電が行われる(プラズマ発生手段)。
【0042】
支持台2の上方におけるチャンバ1の筒部には、チャンバ1の内部に希ガスとしてのアルゴン(Ar)ガスを供給する希ガス供給手段としてのArガスノズル11が接続されている。Arガスノズル11には流量制御器12を介してArガスが送られる。
【0043】
上述した金属膜作成装置では、チャンバ1の内部にArガスノズル11からArガスを供給し、プラズマアンテナ21から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Arガスがイオン化されてArガスプラズマ13が発生する。Arガスプラズマ13のAr* によりCuCl板部材7にエッチング反応が生じ、気相中にCuClの離脱種14が生成される。また、Arガスプラズマ13のAr* により離脱種14からCuとClの解離種15が生成される。このとき、CuCl板部材7は図示しない温度制御手段により基板3の温度より高い温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。
【0044】
チャンバ1の内部で生成された離脱種14及び解離種15は、CuCl板部材7よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。解離種15のCu成分が基板3に成膜されると共に、離脱種14のCuClと解離種15のClが反応してCl2 が放出されCu成分が基板3に成膜される。これにより、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0045】
上述した金属膜作製装置は、Arガスプラズマ13を用いてエッチング反応により離脱種14及び解離種15を生成し、直接還元反応によりCu薄膜16を作製しているので、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、温度制御手段6を用いて基板3をCuCl板部材7よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0046】
そして、還元反応を行う原料ガスを全く必要としないため、原料ガスのための附帯設備が不要となり、設備コストを大幅に低減することができる。また、安価なCuCl板部材7及びArガスを使用するだけでCu薄膜16を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができる。
【0047】
更に、チャンバ1の筒部の外側にコイル状のプラズマアンテナ21を設けたので、大きなチャンバ1を用いても、即ち、大きな基板3に対してもCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0048】
図4乃至図6に基づいて本発明の金属膜作製装置及び金属膜作製方法の第3実施形態例を説明する。図4には本発明の第3実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面、図5には図4中のX−X 線矢視、図6には図5中のVI−VI 線矢視を示してある。尚、図1に示した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0049】
図に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製のチャンバ1のの底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御されるようになっている。
【0050】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材製(例えば、セラミックス製)の天井板22によって塞がれている。天井板22によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。支持台2の上方におけるチャンバ1の筒部には、チャンバ1の内部に希ガスとしてのアルゴン(Ar)ガスを供給する希ガス供給手段としてのArガスノズル11が接続されている。Arガスノズル11には流量制御器12を介してArガスが送られる。
【0051】
尚、ノズル11を円周方向に複数設け、円周方向でArガスノズル11の開口方向を2方向以上に変更して設け、開口方向が異なるArガスノズル11を使い分けることにより、Arガスの供給状況(プラズマの発生状況)を制御することが可能である。また、Arガスノズル11を設ける場所は、チャンバ1の上部に水平方向に設けたり、チャンバ1の上下に2段に設ける等が可能であり、図示例の状態に限定されるものではない。
【0052】
チャンバ1の上面の開口部と天井板22との間には塩化銅製(CuCl製)の被エッチング部材23が挟持されている。図4、図5に示すように、被エッチング部材23は、チャンバ1の上面の開口部に挟持されるリング部24が備えられ、リング部24の内周側にはチャンバ1の径方向中心部近傍まで延び同一幅となっている突起部25が円周方向に複数(図示例では12個)設けられている。
【0053】
突起部25は、リング部24に対して一体、もしくは、取り外し自在に取り付けられている。天井板22とチャンバ1の内部との間には突起部25の間で形成される切欠部26(空間)が存在した状態になっている。リング部24はアースされており、複数の突起部25は電気的につながれて同電位に維持されている(同電位維持手段)。
【0054】
尚、突起部25の間に突起部25よりも径方向に短い第2突起部を配置することも可能であり、更に、突起部25と第2突起部との間に短い突起部を配置することも可能である。このようにすると、誘導電流を抑制しつつエッチング対象となるCuClの面積を確保することができる。
【0055】
天井板22の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのアンテナ部材としてのプラズマアンテナ27(プラズマ発生手段)が設けられ、プラズマアンテナ27は天井板22の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ22には整合器9及び電源10が接続されて給電が行われる。
【0056】
被エッチング部材23は、リング部24の内周側に突起部25が円周方向に複数設けられ、突起部25の間で形成される切欠部26(空間)が存在しているので、プラズマアンテナ27の電気の流れ方向に対して不連続な状態で基板3と天井部材との間に突起部25が配置された状態になっている。
【0057】
上述した金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にArガスノズル11からArガスを供給し、プラズマアンテナ27から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Arガスがイオン化されてArガスプラズマ13が発生する。プラズマアンテナ27の下部には導電体である被エッチング部材23が存在しているが、以下の作用により被エッチング部材23と基板3との間、即ち、被エッチング部材23の下側にArガスプラズマ13が安定して発生するようになっている。
【0058】
被エッチング部材23に下側にArガスプラズマ13が発生する作用について説明する。図6に示すように、平面リング状のプラズマアンテナ27の電気の流れAは突起部25を横切る方向となり、このとき、突起部25のプラズマアンテナ27との対向面には誘導電流bが発生する。被エッチング部材23には切欠部26(空間)が存在している状態になっているので、誘導電流bはそれぞれの突起部25の下面に流れてプラズマアンテナ27の電気の流れAと同一方向の流れaとなる(ファラデーシールド)。
【0059】
このため、基板3側から被エッチング部材23を見た場合、プラズマアンテナ27の電気の流れAを打ち消す方向の流れが存在しない状態になり、しかも、リング部24がアースされて突起部25が同電位に維持されている。これにより、導電体である被エッチング部材23が存在していても、プラズマアンテナ27から電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング部材23の下側にArガスプラズマ13が安定して発生するようになっている。
【0060】
Arガスプラズマ13のAr* によりCuCl板部材7にエッチング反応が生じ、気相中にCuClの離脱種14が生成される。また、Arガスプラズマ13のAr* により離脱種14からCuとClの解離種15が生成される。このとき、CuCl板部材7は図示しない温度制御手段により基板3の温度より高い温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。
【0061】
チャンバ1の内部で生成された離脱種14及び解離種15は、CuCl板部材7よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。解離種15のCu成分が基板3に成膜されると共に、離脱種14のCuClと解離種15のClが反応してCl2 が放出されCu成分が基板3に成膜される。これにより、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0062】
上述した金属膜作製装置は、Arガスプラズマ13を用いてエッチング反応により離脱種14及び解離種15を生成し、直接還元反応によりCu薄膜16を作製しているので、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、温度制御手段6を用いて基板3を被エッチング部材23よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0063】
また、被エッチング部材23は、リング部24の内周側に突起部25が円周方向に複数設けられ、突起部25の間で形成される切欠部26(空間)が存在しているので、被エッチング部材23に生じる誘導電流は基板3側からみてプラズマアンテナ27の電気の流れと同一方向の流れとなる。これにより、導電体である被エッチング部材23がプラズマアンテナ27の下に存在していても、プラズマアンテナ27から電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング部材23の下側にArガスプラズマ13を安定して発生させることが可能となる。
【0064】
そして、還元反応を行う原料ガスを全く必要としないため、原料ガスのための附帯設備が不要となり、設備コストを大幅に低減することができる。また、安価なCuCl製の被エッチング部材23及びArガスを使用するだけでCu薄膜16を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができる。
【0065】
図7に基づいて本発明の金属膜作製装置及び金属膜作製方法の第4実施形態例を説明する。図7には本発明の第4実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面を示してある。尚、図1に示した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0066】
図に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製のチャンバ1のの底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御されるようになっている。
【0067】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は、例えば、セラミックス製(絶縁材料製)の天井板31によって塞がれている。天井板31の下面には塩化銅製(CuCl製)の被エッチング部材32が設けられ、被エッチング部材32は四角錐形状となっている。チャンバ1の筒部の周囲には、スリット状の開口部33が形成され、開口部33には筒状の通路34の一端がそれぞれ固定されている。
【0068】
通路34の途中部には絶縁体製の筒状の励起室35が設けられ、励起室35の周囲にはコイル状のプラズマアンテナ36が設けられ、プラズマアンテナ36は整合器9及び電源10に接続されて給電が行われる。通路34の他端側には流量制御器12が接続され、流量制御器12を介して通路34内にArガスが供給される。
【0069】
プラズマアンテナ36から電磁波を励起室35の内部に入射することで、Arガスがイオン化されてArガスプラズマ13が発生する(生成手段)。つまり、Arガスをチャンバ1と隔絶した励起室35で励起するようになっている。Arガスプラズマ13の発生により励起Arが開口部33からチャンバ1内に送られ、被エッチング部材32が励起Arによりエッチングされる。
【0070】
被エッチング部材32のエッチングにより、気相中にCuClの離脱種14が生成される。また、励起Arにより離脱種14からCuとClの解離種15が生成される。このとき、被エッチング部材32はヒータ37等の温度制御手段により基板3の温度より高い温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。
【0071】
チャンバ1の内部で生成された離脱種14及び解離種15は、被エッチング部材32よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。解離種15のCu成分が基板3に成膜されると共に、離脱種14のCuClと解離種15のClが反応してCl2 が放出されCu成分が基板3に成膜される。これにより、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0072】
上述した金属膜作製装置は、励起Arを用いてエッチング反応により離脱種14及び解離種15を生成し、直接還元反応によりCu薄膜16を作製しているので、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、温度制御手段6を用いて基板3を被エッチング部材32よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0073】
そして、還元反応を行う原料ガスを全く必要としないため、原料ガスのための附帯設備が不要となり、設備コストを大幅に低減することができる。また、安価なCuCl製の被エッチング部材32及びArガスを使用するだけでCu薄膜16を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができる。
【0074】
更に、チャンバ1と隔絶した励起室35でArガスプラズマ13を発生させるようにしているので、基板3がプラズマに晒されることがなくなり、基板3にプラズマによる損傷が生じることがない。例えば、前工程で別材料の膜が成膜された基板3では、前工程で成膜された材料の膜に損傷が生じることがなくなる。
【0075】
尚、励起室33でArガスプラズマ13を発生させる手段(励起手段)としては、マイクロ波、レーザ、電子線、放射光等を用いることも可能である。
【0076】
次に、本発明の金属膜作製装置及び金属膜作製方法の他の実施形態例を説明する。他の実施形態例の金属膜作製装置及び金属膜作製方法は、ハロゲン化金属製(CuCl製)の被エッチング部材が収容されたチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスとしての塩素ガス(希ガスにより所定濃度に希釈された状態)を供給し、塩素ガスプラズマを発生させ塩素ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることによりCuClの離脱種を生成し、更に、塩素ガスプラズマによりCuClの離脱種からCuとClの解離種を生成し、基板側の温度を銅板部材側の温度よりも低くすることで解離種のCu成分を基板に成膜させると共に、CuClの離脱種に解離種のClを反応させてCl2 を放出してCu成分を基板に成膜させるようにしたものである。
【0077】
以下図面に基づいて本発明の金属膜作製装置及び金属膜作製方法の他の実施形態例を説明する。
【0078】
図8、図9に基づいて本発明の金属膜作製装置及び金属膜作製方法の第5実施例を説明する。図8には本発明の第5実施例に係る金属膜作製装置の概略側面、図9には成膜の概念状況を示してある。尚、本実施例は、図1、図2に示した第1実施例に対応するものであり、図1、図2に示した部材と同一部材には同一符号を付してある。
【0079】
図8に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御される。
【0080】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部はハロゲン化金属製の被エッチング部材としての塩化銅製(CuCl製)のCuCl板部材7で塞がれている。CuCl板部材7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。CuCl板部材7には整合器9及び電源10が接続され、CuCl板部材7に給電が行われる(プラズマ発生手段)。
【0081】
支持台2の上方におけるチャンバ1の筒部には、チャンバ1の内部にハロゲンとしてのCl2 を含有する原料ガス(Cl2 ガス:He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好ましくは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)を供給する原料ガス供給手段としてのCl2 ガスノズル41が接続されている。Cl2 ガスノズル41には流量制御器42を介してCl2 ガスが送られる。
【0082】
尚、ハロゲン化金属のハロゲンとしては、フッ素(F)、臭素(Br)及びヨウ素(I)等を適用することが可能である。また、ハロゲン化金属の金属としては、ハロゲン化物形成金属、好ましくは塩化物形成金属であれば、Ag,Au,Pt,Ta,Ti, W等を用いることが可能である。この場合、基板3の表面に生成される薄膜はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等になる。また、希ガスとしては、ヘリウムやキセノン、クリプトン等の他の希ガスを適用することが可能である。
【0083】
上述した金属膜作成装置では、チャンバ1の内部にCl2 ガスノズル41からCl2 ガスを供給し、CuCl板部材7から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ43が発生する。Cl2 ガスプラズマ43のCl* によりCuCl板部材7にエッチング反応が生じ、気相中にCuClの離脱種14が生成される。また、Cl2 ガスプラズマ43のCl* により離脱種14からCuとClの解離種15が生成される。このとき、CuCl板部材7は図示しない温度制御手段により基板3の温度より高い温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。
【0084】
チャンバ1の内部で生成された離脱種14及び解離種15は、CuCl板部材7よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。図2に示すように、解離種15のCu成分が基板3に成膜されると共に、離脱種14のCuClと解離種15のClが反応してCl2 が放出されCu成分が基板3に成膜される。これにより、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0085】
このときの反応状況は、
CuCl(s):CuCl板部材7がCl* によりCuCl(g) となる。
CuCl(g) がCl* によりCu,Cl となる。
同時に、
CuCl(g) がCl* によりCuCl(ad)となる。
【0086】
図9に示すように、解離種15のCuが基板3に成膜されると共に、CuCl(ad)と解離種15のClが反応してCl2 が放出され(直接還元反応)、金属(Cu)として析出する。反応に関与しないガス及びエッチング生成物は排気口17から排気される。
【0087】
上述した金属膜作製装置は、Cl2 ガスプラズマ43を用いてエッチング反応により離脱種14及び解離種15を生成し、直接還元反応によりCu薄膜16を作製しているので、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、CuCl(ad)に対しCl* の一部が反応してCu薄膜16を作製しているので、成膜速度が更に速くなる。また、温度制御手段6を用いて基板3をCuCl板部材7よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0088】
更に、CuCl板部材7自身をプラズマ発生用の電極として適用しているので、チャンバ1の筒部の周囲にプラズマアンテナ等の部材が不要となり、周囲の構成の自由度を増すことができる。
【0089】
そして、原料ガスとして安価なCl2 ガスを用い、安価なCuCl板部材7を使用するだけでCu薄膜16を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができる。
【0090】
図10に基づいて本発明の金属膜作製装置及び金属膜作製方法の第6実施例を説明する。図10には本発明の第6実施例に係る金属膜作製装置の概略側面を示してある。尚、本実施例は、図3に示した第2実施例に対応するものであり、図3に示した部材と同一部材には同一符号を付してある。また、図8に示した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0091】
図3に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御される。
【0092】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部はハロゲン化金属製の被エッチング部材としての塩化銅製(CuCl製)のCuCl板部材7で塞がれている。CuCl板部材7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。チャンバ1の筒部の周囲にはアンテナ部材としてのコイル状のプラズマアンテナ21が設けられ、プラズマアンテナ21には整合器9及び電源10が接続されて給電が行われる(プラズマ発生手段)。
【0093】
支持台2の上方におけるチャンバ1の筒部には、チャンバ1の内部にハロゲンとしてのCl2 を含有する原料ガス(Cl2 ガス:He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好ましくは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)を供給する原料ガス供給手段としてのCl2 ガスノズル41が接続されている。Cl2 ガスノズル41には流量制御器42を介してCl2 ガスが送られる。
【0094】
上述した金属膜作成装置では、チャンバ1の内部にCl2 ガスノズル41からCl2 ガスを供給し、プラズマアンテナ21から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ43が発生する。Cl2 ガスプラズマ43のCl* によりCuCl板部材7にエッチング反応が生じ、気相中にCuClの離脱種14が生成される。また、Cl2 ガスプラズマ43のCl* により離脱種14からCuとClの解離種15が生成される。このとき、CuCl板部材7は図示しない温度制御手段により基板3の温度より高い温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。
【0095】
チャンバ1の内部で生成された離脱種14及び解離種15は、CuCl板部材7よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。解離種15のCu成分が基板3に成膜されると共に、離脱種14のCuClと解離種15のClが反応してCl2 が放出されCu成分が基板3に成膜される。これにより、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0096】
上述した金属膜作製装置は、Cl2 ガスプラズマ43を用いてエッチング反応により離脱種14及び解離種15を生成し、直接還元反応によりCu薄膜16を作製しているので、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、CuCl(ad)に対しCl* の一部が反応してCu薄膜16を作製しているので、成膜速度が更に速くなる。また、温度制御手段6を用いて基板3をCuCl板部材7よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0097】
そして、原料ガスとして安価なCl2 ガスを用い、安価なCuCl板部材7を使用するだけでCu薄膜16を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができる。
【0098】
更に、チャンバ1の筒部の外側にコイル状のプラズマアンテナ21を設けたので、大きなチャンバ1を用いても、即ち、大きな基板3に対してもCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0099】
図11に基づいて本発明の金属膜作製装置及び金属膜作製方法の第7実施形態例を説明する。図11には本発明の第7実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面を示してある。尚、本実施例は、図4乃至図6に示した第3実施例に対応するものであり、図4乃至図6に示した部材と同一部材には同一符号を付してある。また、図8乃至図10に示した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0100】
図に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製のチャンバ1のの底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御されるようになっている。
【0101】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材製(例えば、セラミックス製)の天井板22によって塞がれている。天井板22によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。
【0102】
支持台2の上方におけるチャンバ1の筒部には、チャンバ1の内部にハロゲンとしてのCl2 を含有する原料ガス(Cl2 ガス:He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好ましくは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)を供給する原料ガス供給手段としてのCl2 ガスノズル41が接続されている。Cl2 ガスノズル41には流量制御器42を介してCl2 ガスが送られる。
【0103】
尚、Cl2 ガスノズル41を円周方向に複数設け、円周方向でCl2 ガスノズル41の開口方向を2方向以上に変更して設け、開口方向が異なるCl2 ガスノズル41を使い分けることにより、Cl2 ガスの供給状況(プラズマの発生状況)を制御することが可能である。また、Cl2 ガスノズル41を設ける場所は、チャンバ1の上部に水平方向に設けたり、チャンバ1の上下に2段に設ける等が可能であり、図示例の状態に限定されるものではない。
【0104】
チャンバ1の上面の開口部と天井板22との間には塩化銅製(CuCl製)の被エッチング部材23が挟持されている。被エッチング部材23は、チャンバ1の上面の開口部に挟持されるリング部24が備えられ、リング部24の内周側にはチャンバ1の径方向中心部近傍まで延び同一幅となっている突起部25が円周方向に複数設けられている(図4、図5に示したものと同一)。
【0105】
突起部25は、リング部24に対して一体、もしくは、取り外し自在に取り付けられている。天井板22とチャンバ1の内部との間には突起部25の間で形成される切欠部26(空間)が存在した状態になっている(図5参照)。リング部24はアースされており、複数の突起部25は電気的につながれて同電位に維持されている(同電位維持手段)。
【0106】
尚、突起部25の間に突起部25よりも径方向に短い第2突起部を配置することも可能であり、更に、突起部25と第2突起部との間に短い突起部を配置することも可能である。このようにすると、誘導電流を抑制しつつエッチング対象となるCuClの面積を確保することができる。
【0107】
天井板22の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのアンテナ部材としてのプラズマアンテナ27(プラズマ発生手段)が設けられ、プラズマアンテナ27は天井板22の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ22には整合器9及び電源10が接続されて給電が行われる。
【0108】
被エッチング部材23は、リング部24の内周側に突起部25が円周方向に複数設けられ、突起部25の間で形成される切欠部26(空間)が存在しているので(図5参照)、プラズマアンテナ27の電気の流れ方向に対して不連続な状態で基板3と天井部材との間に突起部25が配置された状態になっている。
【0109】
上述した金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にCl2 ガスノズル41からCl2 ガスを供給し、プラズマアンテナ27から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ43が発生する。プラズマアンテナ27の下部には導電体である被エッチング部材23が存在しているが、前述した第3実施形態例で説明した作用により(図6参照)被エッチング部材23と基板3との間、即ち、被エッチング部材23の下側にCl2 ガスプラズマ43が安定して発生するようになっている。
【0110】
Cl2 ガスプラズマ43のCl* によりCuCl板部材7にエッチング反応が生じ、気相中にCuClの離脱種14が生成される。また、Cl2 ガスプラズマ43のCl* により離脱種14からCuとClの解離種15が生成される。このとき、CuCl板部材7は図示しない温度制御手段により基板3の温度より高い温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。
【0111】
チャンバ1の内部で生成された離脱種14及び解離種15は、CuCl板部材7よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。解離種15のCu成分が基板3に成膜されると共に、離脱種14のCuClと解離種15のClが反応してCl2 が放出されCu成分が基板3に成膜される。これにより、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0112】
上述した金属膜作製装置は、Cl2 ガスプラズマ43を用いてエッチング反応により離脱種14及び解離種15を生成し、直接還元反応によりCu薄膜16を作製しているので、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、CuCl(ad)に対しCl* の一部が反応してCu薄膜16を作製しているので、成膜速度が更に速くなる。また、温度制御手段6を用いて基板3を被エッチング部材23よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0113】
また、被エッチング部材23は、リング部24の内周側に突起部25が円周方向に複数設けられ、突起部25の間で形成される切欠部26(空間)が存在しているので(図5参照)、被エッチング部材23に生じる誘導電流は基板3側からみてプラズマアンテナ27の電気の流れと同一方向の流れとなる。これにより、導電体である被エッチング部材23がプラズマアンテナ27の下に存在していても、プラズマアンテナ27から電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング部材23の下側にCl2 ガスプラズマ43を安定して発生させることが可能となる。
【0114】
そして、原料ガスとして安価なCl2 ガスを用い、安価なCuCl製の被エッチング部材23を使用するだけでCu薄膜16を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができる。
【0115】
図12に基づいて本発明の金属膜作製装置及び金属膜作製方法の第8実施形態例を説明する。図12には本発明の第8実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面を示してある。尚、本実施例は、図7に示した第4実施例に対応するものであり、図7に示した部材と同一部材には同一符号を付してある。また、図8乃至図11に示した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0116】
図に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製のチャンバ1のの底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御されるようになっている。
【0117】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は、例えば、セラミックス製(絶縁材料製)の天井板31によって塞がれている。天井板31の下面には塩化銅製(CuCl製)の被エッチング部材32が設けられ、被エッチング部材32は四角錐形状となっている。チャンバ1の筒部の周囲には、スリット状の開口部33が形成され、開口部33には筒状の通路34の一端がそれぞれ固定されている。
【0118】
通路34の途中部には絶縁体製の筒状の励起室35が設けられ、励起室35の周囲にはコイル状のプラズマアンテナ36が設けられ、プラズマアンテナ36は整合器9及び電源10に接続されて給電が行われる。通路34の他端側には流量制御器12が接続され、流量制御器12を介して通路34内にハロゲンとしてのCl2 を含有する原料ガス(Cl2 ガス:He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好ましくは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)が供給される。
【0119】
プラズマアンテナ36から電磁波を励起室35の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ43が発生する(生成手段)。つまり、Cl2 ガスをチャンバ1と隔絶した励起室35で励起するようになっている。Cl2 ガスプラズマ43の発生により励起Clが開口部33からチャンバ1内に送られ、被エッチング部材32が励起Clによりエッチングされる。
【0120】
被エッチング部材32のエッチングにより、気相中にCuClの離脱種14が生成される。また、励起Clにより離脱種14からCuとClの解離種15が生成される。このとき、被エッチング部材32はヒータ37等の温度制御手段により基板3の温度より高い温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。
【0121】
チャンバ1の内部で生成された離脱種14及び解離種15は、被エッチング部材32よりも低い温度に制御された基板3に運ばれる。解離種15のCu成分が基板3に成膜されると共に、離脱種14のCuClと解離種15のClが反応してCl2 が放出されCu成分が基板3に成膜される。これにより、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0122】
上述した金属膜作製装置は、励起Clを用いてエッチング反応により離脱種14及び解離種15を生成し、直接還元反応によりCu薄膜16を作製しているので、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、CuCl(ad)に対し励起Clの一部が反応してCu薄膜16を作製しているので、成膜速度が更に速くなる。また、温度制御手段6を用いて基板3を被エッチング部材32よりも低い温度に制御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可能になる。
【0123】
そして、原料ガスとして安価なCl2 ガスを用い、安価なCuCl製の被エッチング部材32を使用するだけでCu薄膜16を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができる。
【0124】
更に、チャンバ1と隔絶した励起室35でCl2 ガスプラズマ43を発生させるようにしているので、基板3がプラズマに晒されることがなくなり、基板3にプラズマによる損傷が生じることがない。例えば、前工程で別材料の膜が成膜された基板3では、前工程で成膜された材料の膜に損傷が生じることがなくなる。
【0125】
尚、励起室33でCl2 ガスプラズマ43を発生させる手段(励起手段)としては、マイクロ波、レーザ、電子線、放射光等を用いることも可能である。
【0126】
【発明の効果】
本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して希ガスプラズマを発生させ希ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に希ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたので、希ガスプラズマを用いてエッチング反応により離脱種及び解離種を生成し、直接還元反応により金属膜を作製することができる。
【0127】
この結果、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製できる金属膜作製装置とすることが可能になる。
【0128】
そして、還元反応を行う原料ガスを全く必要としないため、原料ガスのための附帯設備が不要となり、設備コストを大幅に低減することができると共に、安価なハロゲン化金属製の被エッチング部材及び希ガスを使用するだけで金属膜を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができる。
【0129】
また、本発明の金属膜作製装置は、基板が収容され上方が開口するチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバの上方開口部に設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、被エッチング部材に給電を行うことでチャンバ内をプラズマ化して希ガスプラズマを発生させ希ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に希ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたので、希ガスプラズマを用いてエッチング反応により離脱種及び解離種を生成し、直接還元反応により金属膜を作製することができる。
【0130】
この結果、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製できる金属膜作製装置とすることが可能になる。
【0131】
そして、還元反応を行う原料ガスを全く必要としないため、原料ガスのための附帯設備が不要となり、設備コストを大幅に低減することができると共に、安価なハロゲン化金属製の被エッチング部材及び希ガスを使用するだけで金属膜を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができ、更に、被エッチング部材自身をプラズマ発生用の電極として適用しているので、チャンバの筒部の周囲にプラズマアンテナ等の部材が不要となり、周囲の構成の自由度を増すことができる。
【0132】
また、本発明の金属膜作製装置は、基板が収容される円筒状のチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバの上方部に設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、チャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、チャンバの筒部の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するためのコイル状のアンテナ部材と、アンテナ部材に給電を行うことでチャンバ内をプラズマ化して希ガスプラズマを発生させ希ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に希ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたので、希ガスプラズマを用いてエッチング反応により離脱種及び解離種を生成し、直接還元反応により金属膜を作製することができる。
【0133】
この結果、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製できる金属膜作製装置とすることが可能になる。
【0134】
そして、還元反応を行う原料ガスを全く必要としないため、原料ガスのための附帯設備が不要となり、設備コストを大幅に低減することができると共に、安価なハロゲン化金属製の被エッチング部材及び希ガスを使用するだけで金属膜を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができ、更に、チャンバの筒部の外側にコイル状のアンテナ部材を設けたので、大きなチャンバを用いても、即ち、大きな基板に対しても金属膜を生成することが可能になる。
【0135】
また、本発明の金属膜作製装置は、基板が収容され上方が開口するチャンバと、チャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、チャンバの上部の開口を密閉する絶縁材製の天井部材と、天井部材の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するためのアンテナ部材と、アンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態で基板と天井部材との間に複数配置されるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、アンテナ部材に給電を行い被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることによりチャンバの内部をプラズマ化して希ガスプラズマを発生させ希ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に希ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたので、希ガスプラズマを用いてエッチング反応により離脱種及び解離種を生成し、直接還元反応により金属膜を作製することができる。
【0136】
この結果、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製できる金属膜作製装置とすることが可能になる。
【0137】
そして、導電体である被エッチング部材がアンテナ部材の下に存在していても、アンテナ部材から電磁波がチャンバ内に確実に入射し、被エッチング部材の下側に希ガスプラズマを安定して発生させることが可能となると共に、還元反応を行う原料ガスを全く必要としないため、原料ガスのための附帯設備が不要となり、設備コストを大幅に低減することができると共に、安価なハロゲン化金属製の被エッチング部材及び希ガスを使用するだけで金属膜を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができる。
【0138】
また、本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、チャンバとは隔絶した部位で希ガスをプラズマ化し励起された希ガス成分によりハロゲン化金属製の被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成する生成手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたので、励起希ガス成分を用いてエッチング反応により離脱種及び解離種を生成し、直接還元反応により金属膜を作製することができる。
【0139】
この結果、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製できる金属膜作製装置とすることが可能になる。
【0140】
そして、還元反応を行う原料ガスを全く必要としないため、原料ガスのための附帯設備が不要となり、設備コストを大幅に低減することができると共に、安価なハロゲン化金属製の被エッチング部材及び希ガスを使用するだけで金属膜を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができ、更に、チャンバと隔絶して希ガスプラズマを発生させるようにしているので、基板がプラズマに晒されることがなくなり、基板にプラズマによる損傷が生じることがない。
【0141】
そして、希ガスはアルゴンであるので、安価なアルゴンガスを使用することができる。
【0142】
また、本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に原料ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたので、ハロゲンを含有する原料ガスの原料ガスプラズマを用いてエッチング反応により離脱種及び解離種を生成し、直接還元反応により金属膜を作製することができる。
【0143】
この結果、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製できる金属膜作製装置とすることが可能となる。
【0144】
そして、安価なハロゲン化金属製の被エッチング部材及びハロゲンを含有する原料ガスを使用するだけで金属膜を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができる。
【0145】
また、本発明の金属膜作製装置は、基板が収容され上方が開口するチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバの上方開口部に設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、被エッチング部材に給電を行うことでチャンバ内をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に原料ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたので、ハロゲンを含有する原料ガスの原料ガスプラズマを用いてエッチング反応により離脱種及び解離種を生成し、直接還元反応により金属膜を作製することができる。
【0146】
この結果、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製できる金属膜作製装置とすることが可能になる。
【0147】
そして、安価なハロゲン化金属製の被エッチング部材及び原料ガスを使用するだけで金属膜を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができ、更に、被エッチング部材自身をプラズマ発生用の電極として適用しているので、チャンバの筒部の周囲にプラズマアンテナ等の部材が不要となり、周囲の構成の自由度を増すことができる。
【0148】
また、本発明の金属膜作製装置は、基板が収容される円筒状のチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバの上方部に設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの筒部の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するためのコイル状のアンテナ部材と、アンテナ部材に給電を行うことでチャンバ内をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に原料ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたので、ハロゲンを含有する原料ガスの原料ガスプラズマを用いてエッチング反応により離脱種及び解離種を生成し、直接還元反応により金属膜を作製することができる。
【0149】
この結果、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製できる金属膜作製装置とすることが可能になる。
【0150】
そして、安価なハロゲン化金属製の被エッチング部材及びハロゲンを含有する原料ガスを使用するだけで金属膜を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができ、更に、チャンバの筒部の外側にコイル状のアンテナ部材を設けたので、大きなチャンバを用いても、即ち、大きな基板に対しても金属膜を生成することが可能になる。
【0151】
また、本発明の金属膜作製装置は、基板が収容され上方が開口するチャンバと、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの上部の開口を密閉する絶縁材製の天井部材と、天井部材の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するためのアンテナ部材と、アンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態で基板と天井部材との間に複数配置されるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、アンテナ部材に給電を行い被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることによりチャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に原料ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたので、ハロゲンを含有する原料ガスの原料ガスプラズマを用いてエッチング反応により離脱種及び解離種を生成し、直接還元反応により金属膜を作製することができる。
【0152】
この結果、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製できる金属膜作製装置とすることが可能になる。
【0153】
そして、導電体である被エッチング部材がアンテナ部材の下に存在していても、アンテナ部材から電磁波がチャンバ内に確実に入射し、被エッチング部材の下側に希ガスプラズマを安定して発生させることが可能となると共に、安価なハロゲン化金属製の被エッチング部材及びハロゲンを含有する原料ガスを使用するだけで金属膜を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができる。
【0154】
また、本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、チャンバとは隔絶した部位でハロゲンを含有する原料ガスをプラズマ化し励起された原料ガス成分によりハロゲン化金属製の被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成する生成手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたので、励起ハロゲンガス成分を用いてエッチング反応により離脱種及び解離種を生成し、直接還元反応により金属膜を作製することができる。
【0155】
この結果、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製できる金属膜作製装置とすることが可能になる。
【0156】
そして、安価なハロゲン化金属製の被エッチング部材及びハロゲンを含有する原料ガスを使用するだけで金属膜を作製することができるので、ランニングコストを大幅に低減することができ、更に、チャンバと隔絶してハロゲンガスプラズマを発生させるようにしているので、基板がプラズマに晒されることがなくなり、基板にプラズマによる損傷が生じることがない。
【0157】
また、ハロゲンを含有する原料ガスは、塩素を含有する原料ガスであるので、安価な塩素ガスを使用することができる。
【0158】
そして、被エッチング部材を塩化銅製とすることにより、離脱種としてCuClを生成すると共に解離種としてCu及びClを生成し、基板にCuを成膜させるようにしたので、安価な塩化銅を使用してCu膜を生成することができる。
【0159】
また、ハロゲン化金属の金属成分はハロゲン化物形成金属であるタンタルもしくはタングステンもしくはチタンであるので、タンタルもしくはタングステンの膜を生成することができる。
【0160】
本発明の金属膜作製方法は、基板が収容されるチャンバ内の内部をプラズマ化して希ガスプラズマを発生させ、希ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に希ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成し、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くすることで解離種の金属成分を基板に成膜させるようにしたので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製できる金属膜作製方法とすることが可能になる。
【0161】
そして、希ガスはアルゴンであるので、安価なアルゴンガスを使用することができる。
【0162】
本発明の金属膜作製方法は、基板が収容されるチャンバ内の内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、ハロゲンガスプラズマでハロゲン化金属製の被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共にハロゲンガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成し、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くすることで解離種の金属成分を基板に成膜させるようにしたので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、膜中に不純物が残留しない金属膜を作製できる金属膜作製方法とすることが可能になる。
【0163】
そして、ハロゲンガスプラズマを発生させるハロゲンは塩素を含有する原料ガスであるので、安価な塩素ガスを使用することができる。
【0164】
また、被エッチング部材を塩化銅製とすることにより、離脱種としてCuClを生成すると共に解離種としてCu及びClを生成し、基板にCuを成膜させると共に基板上のCuClにClを反応させてCl2 として放出させることで基板にCuを成膜させるようにしたので、安価な塩化銅を使用してCu膜を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図。
【図2】成膜の概念状況説明図。
【図3】本発明の第2実施例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図。
【図4】本発明の第3実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図。
【図5】図4中のX−X 線矢視図。
【図6】図5中のVI−VI 線矢視図。
【図7】本発明の第4実施例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略構成図。
【図8】本発明の第5実施例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略構成図。
【図9】成膜の概念状況説明図。
【図10】本発明の第6実施例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略構成図。
【図11】本発明の第7実施例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略構成図。
【図12】本発明の第8実施例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略構成図。
【符号の説明】
1 チャンバ
2 支持台
3 基板
4 ヒータ
5 冷媒流通手段
6 温度制御手段
7 冷媒流通手段
6 温度制御手段
7 CuCl板部材
8 真空装置
9 整合器
10 電源
11 Arガスノズル
12,42 流量制御器
13 Arガスプラズマ
14 離脱種
15 解離種
16 Cu薄膜
17 排気口
21 プラズマアンテナ
22 天井板
23 被エッチング部材
24 リング部材
25 突起部
26 切欠部
27 プラズマアンテナ
31 天井板
32 被エッチング部材
33 開口部
34 通路
35 励起室
36 プラズマアンテナ
41 Cl2 ガスノズル
43 Cl2 ガスプラズマ

Claims (19)

  1. 基板が収容されるチャンバと、
    基板に対向する位置におけるチャンバに設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、
    基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
    チャンバの内部をプラズマ化して希ガスプラズマを発生させ希ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に希ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と
    を備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  2. 基板が収容され上方が開口するチャンバと、
    基板に対向する位置におけるチャンバの上方開口部に設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、
    基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
    被エッチング部材に給電を行うことでチャンバ内をプラズマ化して希ガスプラズマを発生させ希ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に希ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と
    を備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  3. 基板が収容される円筒状のチャンバと、
    基板に対向する位置におけるチャンバの上方部に設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、
    チャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
    チャンバの筒部の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するためのコイル状のアンテナ部材と、
    アンテナ部材に給電を行うことでチャンバ内をプラズマ化して希ガスプラズマを発生させ希ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に希ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と
    を備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  4. 基板が収容され上方が開口するチャンバと、
    チャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
    チャンバの上部の開口を密閉する絶縁材製の天井部材と、
    天井部材の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するためのアンテナ部材と、
    アンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態で基板と天井部材との間に複数配置されるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、
    アンテナ部材に給電を行い被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることによりチャンバの内部をプラズマ化して希ガスプラズマを発生させ希ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に希ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と
    を備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  5. 基板が収容されるチャンバと、
    チャンバとは隔絶した部位で希ガスをプラズマ化し励起された希ガス成分によりハロゲン化金属製の被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成する生成手段と、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と
    を備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
    希ガスはアルゴンであることを特徴とする金属膜作製装置。
  7. 基板が収容されるチャンバと、
    基板に対向する位置におけるチャンバに設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、
    基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に原料ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と
    を備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  8. 基板が収容され上方が開口するチャンバと、
    基板に対向する位置におけるチャンバの上方開口部に設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、
    基板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    被エッチング部材に給電を行うことでチャンバ内をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に原料ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と
    を備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  9. 基板が収容される円筒状のチャンバと、
    基板に対向する位置におけるチャンバの上方部に設けられるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、
    チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    チャンバの筒部の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するためのコイル状のアンテナ部材と、
    アンテナ部材に給電を行うことでチャンバ内をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に原料ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と
    を備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  10. 基板が収容され上方が開口するチャンバと、
    チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    チャンバの上部の開口を密閉する絶縁材製の天井部材と、
    天井部材の外方に設けられチャンバの内部を給電によりプラズマ化するためのアンテナ部材と、
    アンテナ部材の電気の流れ方向に対して不連続状態で基板と天井部材との間に複数配置されるハロゲン化金属製の被エッチング部材と、
    アンテナ部材に給電を行い被エッチング部材の基板側にアンテナ部材の電気の流れ方向と同一方向の電気の流れを生じさせることによりチャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に原料ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と
    を備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  11. 基板が収容されるチャンバと、
    チャンバとは隔絶した部位でハロゲンを含有する原料ガスをプラズマ化し励起された原料ガス成分によりハロゲン化金属製の被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成する生成手段と、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして解離種の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と
    を備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  12. 請求項7乃至請求項11のいずれか一項に記載の金属膜作製装置において、ハロゲンを含有する原料ガスは、塩素を含有する原料ガスであることを特徴とする金属膜作製装置。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の金属膜作製装置において、
    被エッチング部材を塩化銅製とすることにより、離脱種としてCuClを生成すると共に解離種としてCu及びClを生成し、基板にCuを成膜させることを特徴とする金属膜作製装置。
  14. 請求項1乃至請求項12のいずれか一項にに記載の金属膜作製装置において、
    ハロゲン化金属の金属成分はハロゲン化物形成金属であるタンタルもしくはタングステンもしくはチタンであることを特徴とする金属膜作製装置。
  15. 基板が収容されるチャンバ内の内部をプラズマ化して希ガスプラズマを発生させ、希ガスプラズマでハロゲン化金属製の被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共に希ガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成し、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くすることで解離種の金属成分を基板に成膜させることを特徴とする金属膜作製方法。
  16. 請求項15に記載の金属膜作製方法において、
    希ガスプラズマを発生させる希ガスはアルゴンであることを特徴とする金属膜作製方法。
  17. 基板が収容されるチャンバ内の内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、ハロゲンガスプラズマでハロゲン化金属製の被エッチング部材をエッチングすることにより気相中にハロゲン化金属の離脱種を生成すると共にハロゲンガスプラズマにより離脱種からハロゲンと金属の解離種を生成し、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くすることで解離種の金属成分を基板に成膜させることを特徴とする金属膜作製方法。
  18. 請求項17に記載の金属膜作製方法において、
    ハロゲンガスプラズマを発生させるハロゲンは塩素を含有する原料ガスであることを特徴とする金属膜作製方法。
  19. 請求項15乃至請求項18のいずれか一項に記載の金属膜作製方法において、
    被エッチング部材を塩化銅製とすることにより、離脱種としてCuClを生成すると共に解離種としてCu及びClを生成し、基板にCuを成膜させると共に基板上のCuClにClを反応させてCl2 として放出させることで基板にCuを成膜させることを特徴とする金属膜作製方法。
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