JP2003229379A - 金属膜作製方法及び金属膜作製装置 - Google Patents

金属膜作製方法及び金属膜作製装置

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JP2003229379A JP2002027738A JP2002027738A JP2003229379A JP 2003229379 A JP2003229379 A JP 2003229379A JP 2002027738 A JP2002027738 A JP 2002027738A JP 2002027738 A JP2002027738 A JP 2002027738A JP 2003229379 A JP2003229379 A JP 2003229379A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて薄い状態で金属の拡散防止と金属との
密着性を保持したバリアメタル膜23を作成する。 【解決手段】 表層のTaN 層のN原子を除去してバリア
メタル膜23の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相
対的に低減させる表面処理を施して表層に実質的に金属
層23aを形成し、実質的な金属層23aと金属窒化物
の層23bとを一層の厚さで形成し、極めて薄い状態で
金属の拡散防止と金属との密着性を保持したバリアメタ
ル膜23を作成し、金属配線のプロセスを安定させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板に作製された
バリアメタル膜の表面を処理して、金属の拡散をなくし
て密着性を保持した状態で金属を成膜することができる
ようにした金属膜作製方法及び金属膜作製装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電気的な配線が施されている半導体で
は、スイッチングの速度や伝送損失の低減、高密度化等
により、配線の材料として銅が用いられるようになって
きている。銅の配線を施す場合、配線用の凹部を表面に
有する基板に対し、気相成長法やメッキ等を用いて凹部
を含む表面に銅を成膜することが行なわれている。
【0003】基板の表面に銅を成膜する際には、基板に
対する銅の拡散をなくして銅の密着性を保持するため
に、基板の表面には予めバリアメタル膜(例えば、タン
タル、タングステン、チタン等の窒化物)が作製されて
いる。メッキ等を用いる場合には、バリアメタル膜上に
物理的、あるいは化学的気相蒸着法により銅シールド層
を形成し、電極としても適用される。バリアメタル膜
は、スパッタ法等の物理的蒸着法により成膜されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】バリアメタル膜は、基
板に対する銅の拡散防止と銅の密着性の保持といった目
的で作製されている。このため、タンタル、タングステ
ン、チタン等の窒化物を一層目に形成して銅の拡散を防
止し、タンタル、タングステン、チタン等の活性金属を
二層目に形成して銅との密着性を保持している。しか
し、バリアメタル膜は非常に薄いため、現状では基板に
対する銅の拡散防止と銅の密着性の保持を両立させるこ
とは困難であり、十分に両者の機能を両立させたバリア
メタル膜の出現が望まれている。
【0005】特に、基板の表面に形成されている配線用
の凹部は、小さくなる傾向にあり、バリアメタル膜も一
層の薄膜化が要望されている。しかし、タンタル、タン
グステン、チタン等の窒化物を一層目に形成して銅の拡
散を防止し、タンタル、タングステン、チタン等の活性
金属を二層目に形成して銅との密着性を保持するため
に、バリアメタル膜を二層構造とした場合、必要な最低
膜厚が大きくなってしまっていた。
【0006】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、極めて薄い状態で金属の拡散防止と金属との密着性
を保持したバリアメタル膜を作製することができる金属
膜作製方法及び金属膜作製装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の金属膜作製方法は、金属窒化物のバリアメタ
ル膜が成膜された基板の表面を処理する金属膜作製方法
において、表層の窒素原子を除去してバリアメタル膜の
母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対的に低減させ
る表面処理を施すことにより表層に実質的に金属層を形
成することを特徴とする。
【0008】上記目的を達成するための本発明の金属膜
は、基板の表面における金属窒化物のバリアメタル膜
が、表層の窒素原子が除去されてバリアメタル膜の母材
内部と比べて表層の窒素含有量を相対的に低減させる表
面処理が施されることにより表層に実質的に金属層が形
成されたことを特徴とする。
【0009】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製方法は、金属窒化物のバリアメタル膜が成膜された
基板の表面を処理する金属膜作製方法において、希ガス
プラズマで基板表面のバリアメタル膜をエッチングする
ことによりバリアメタル膜を平坦化する表面処理を施す
ことを特徴とする。
【0010】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製方法は、金属窒化物のバリアメタル膜が成膜された
基板の表面を処理する金属膜作製方法において、希ガス
プラズマで基板表面のバリアメタル膜をエッチングする
ことによりバリアメタル膜を平坦化すると共に、希ガス
プラズマで表層の窒素原子を除去してバリアメタル膜の
母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対的に低減させ
る表面処理を施すことを特徴とする。
【0011】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製方法は、基板と金属製の被エッチング部材との間に
おけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給
し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマ
を発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッ
チングすることにより被エッチング部材に含まれる金属
成分と原料ガスとの前駆体を生成すると共に、基板が収
容されるチャンバとは隔絶して窒素を含有する窒素含有
ガスを励起し、励起された窒素により前駆体との間で金
属窒化物を生成し、基板側の温度を生成手段側の温度よ
りも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバリアメタ
ル膜とし、希ガスプラズマで基板表面のバリアメタル膜
をエッチングすることによりバリアメタル膜を平坦化す
る表面処理を施すことを特徴とする。
【0012】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製方法は、基板と金属製の被エッチング部材との間に
おけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給
し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマ
を発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッ
チングすることにより被エッチング部材に含まれる金属
成分と原料ガスとの前駆体を生成すると共に、基板が収
容されるチャンバとは隔絶して窒素を含有する窒素含有
ガスを励起し、励起された窒素により前駆体との間で金
属窒化物を生成し、基板側の温度を生成手段側の温度よ
りも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバリアメタ
ル膜とし、希ガスプラズマで基板表面のバリアメタル膜
をエッチングすることによりバリアメタル膜を平坦化す
ると共に、希ガスプラズマで表層の窒素原子を除去して
バリアメタル膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量を
相対的に低減させる表面処理を施すことを特徴とする。
【0013】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製方法は、金属窒化物のバリアメタル膜が成膜された
基板が収容されるチャンバ内に希ガスプラズマを発生さ
せ、希ガスプラズマで基板表面のバリアメタル膜をエッ
チングすることによりバリアメタル膜を平坦化する表面
処理を施した後、チャンバ内にハロゲンを含有する原料
ガスを供給し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガ
スプラズマを発生させ原料ガスプラズマで金属製の被エ
ッチング部材をエッチングすることにより被エッチング
部材に含まれる金属成分と原料との前駆体をチャンバの
内部に生成し、基板の温度を被エッチング部材側の温度
よりも低くしてバリアメタル膜が平坦化された基板に前
駆体の金属成分を成膜させることを特徴とする
【0014】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製方法は、金属窒化物のバリアメタル膜が成膜された
基板が収容されるチャンバ内に希ガスプラズマを発生さ
せ、希ガスプラズマで基板表面のバリアメタル膜をエッ
チングすることによりバリアメタル膜を平坦化すると共
に、希ガスプラズマで表層の窒素原子を除去してバリア
メタル膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対的
に低減させる表面処理を施した後、チャンバ内にハロゲ
ンを含有する原料ガスを供給し、チャンバの内部をプラ
ズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズ
マで金属製の被エッチング部材をエッチングすることに
より被エッチング部材に含まれる金属成分と原料との前
駆体をチャンバの内部に生成し、基板の温度を被エッチ
ング部材側の温度よりも低くして、バリアメタル膜が平
坦化されると共に表層の窒素含有量を相対的に低減され
た基板に前駆体の金属成分を成膜させることを特徴とす
る。
【0015】そして、バリアメタル膜を平坦化すると共
に表層の窒素含有量を相対的に低減させた後に表層の金
属原子を密状態にする密状態処理を施すことを特徴とす
る。また、希ガスプラズマは、アルゴンガスプラズマで
あることを特徴とする。また、金属窒化物は、窒化タン
タルもしくは窒化タングステンもしくは窒化チタンであ
ることを特徴とする。
【0016】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向
する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッ
チング部材と、基板と被エッチング部材との間における
チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給するハ
ロゲンガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化し
て原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エ
ッチング部材をエッチングすることにより被エッチング
部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成す
るバリアプラズマ発生手段と、窒素を含有する窒素含有
ガスをチャンバとは隔絶して励起する励起手段と、励起
手段で励起された窒素により前駆体との間で金属窒化物
を生成する生成手段と、基板側の温度を生成手段側の温
度よりも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバリア
メタル膜とする制御手段と、基板表面の上部に希ガスを
供給する希ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ
化して希ガスプラズマを発生させ、希ガスプラズマで基
板表面のバリアメタル膜をエッチングすることによりバ
リアメタル膜を平坦化する表面処理プラズマ発生手段と
を備えたことを特徴とする。
【0017】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向
する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッ
チング部材と、基板と被エッチング部材との間における
チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給するハ
ロゲンガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化し
て原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エ
ッチング部材をエッチングすることにより被エッチング
部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成す
るバリアプラズマ発生手段と、窒素を含有する窒素含有
ガスをチャンバとは隔絶して励起する励起手段と、励起
手段で励起された窒素により前駆体との間で金属窒化物
を生成する生成手段と、基板側の温度を生成手段側の温
度よりも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバリア
メタル膜とする制御手段と、基板表面の上部に希ガスを
供給する希ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ
化して希ガスプラズマを発生させ、希ガスプラズマで基
板表面のバリアメタル膜をエッチングすることによりバ
リアメタル膜を平坦化すると共に、希ガスプラズマで表
層の窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材内部と比
べて表層の窒素含有量を相対的に低減させる表面処理を
施す表面処理プラズマ発生手段とを備えたことを特徴と
する。
【0018】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製装置は、金属窒化物のバリアメタル膜が成膜された
基板が収容されるチャンバと、基板表面の上部における
チャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、チャ
ンバの内部をプラズマ化して希ガスプラズマを発生さ
せ、希ガスプラズマで基板表面のバリアメタル膜をエッ
チングすることによりバリアメタル膜を平坦化する表面
処理プラズマ発生手段と、チャンバ内に備えられる金属
製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材との
間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを
供給する原料ガス供給手段と、ハロゲンを含有する原料
ガスをプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料
ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすること
により被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガス
との前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温
度を被エッチング部材側の温度よりも低くして前駆体の
金属成分を平坦化されたバリアメタル膜の上に成膜させ
る制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製装置は、金属窒化物のバリアメタル膜が成膜された
基板が収容されるチャンバと、基板表面の上部における
チャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、チャ
ンバの内部をプラズマ化して希ガスプラズマを発生さ
せ、希ガスプラズマで基板表面のバリアメタル膜をエッ
チングすることによりバリアメタル膜を平坦化すると共
に、希ガスプラズマで表層の窒素原子を除去してバリア
メタル膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対的
に低減させる表面処理プラズマ発生手段と、チャンバ内
に備えられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エ
ッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含
有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、ハロゲ
ンを含有する原料ガスをプラズマ化して原料ガスプラズ
マを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエ
ッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金
属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手
段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも
低くして前駆体の金属成分を、平坦化されると共に表層
の窒素含有量が相対的に低減されたバリアメタル膜の上
に成膜させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】そして、バリアメタル膜を平坦化すると共
に表層の窒素含有量を相対的に低減させた後に表層の金
属原子を密状態にする密状態処理手段を備えたことを特
徴とする。また、希ガスプラズマは、アルゴンガスプラ
ズマであることを特徴とする。また、金属窒化物は、窒
化タンタルもしくは窒化タングステンもしくは窒化チタ
ンであることを特徴とする。
【0021】上記目的を達成するための本発明の金属膜
は、基板の表面における金属窒化物のバリアメタル膜
が、希ガスプラズマによりエッチングされることにより
平坦化されたことを特徴とする。
【0022】上記目的を達成するための本発明の金属膜
は、基板の表面における金属窒化物のバリアメタル膜
が、希ガスプラズマによりエッチングされることにより
平坦化されると共に、希ガスプラズマにより表層の窒素
原子を除去してバリアメタル膜の母材内部と比べて表層
の窒素含有量を相対的に低減させる表面処理が施された
ことを特徴とする。
【0023】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製方法は、金属窒化物のバリアメタル膜が成膜された
基板の表面を処理する金属膜作製方法において、基板表
面のバリアメタル膜を還元性ガス雰囲気で反応させるこ
とにより表層の窒素原子を除去してバリアメタル膜の母
材内部と比べて表層の窒素含有量を相対的に低減させる
表面処理を施すことを特徴とする。
【0024】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製方法は、基板と金属製の被エッチング部材との間に
おけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給
し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマ
を発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッ
チングすることにより被エッチング部材に含まれる金属
成分と原料ガスとの前駆体を生成すると共に、基板が収
容されるチャンバとは隔絶して窒素を含有する窒素含有
ガスを励起し、励起された窒素により前駆体との間で金
属窒化物を生成し、基板側の温度を生成手段側の温度よ
りも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバリアメタ
ル膜とし、基板表面のバリアメタル膜を還元性ガス雰囲
気で反応させることにより表層の窒素原子を除去してバ
リアメタル膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相
対的に低減させる表面処理を施すことを特徴とする。
【0025】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製方法は、金属窒化物のバリアメタル膜が成膜された
基板が収容されるチャンバ内で、基板表面のバリアメタ
ル膜を還元性ガス雰囲気で反応させることにより表層の
窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材内部と比べて
表層の窒素含有量を相対的に低減させる表面処理を施し
た後、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給
し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマ
を発生させ原料ガスプラズマで金属製の被エッチング部
材をエッチングすることにより被エッチング部材に含ま
れる金属成分と原料との前駆体をチャンバの内部に生成
し、基板の温度を被エッチング部材側の温度よりも低く
してバリアメタル膜が平坦化された基板に前駆体の金属
成分を成膜させることを特徴とする。
【0026】そして、還元性ガス雰囲気は、水素ガスプ
ラズマであることを特徴とする。また、金属窒化物は、
窒化タンタルもしくは窒化タングステンもしくは窒化チ
タンであることを特徴とする。
【0027】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向
する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッ
チング部材と、基板と被エッチング部材との間における
チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給するハ
ロゲンガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化し
て原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エ
ッチング部材をエッチングすることにより被エッチング
部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成す
るバリアプラズマ発生手段と、窒素を含有する窒素含有
ガスをチャンバとは隔絶して励起する励起手段と、励起
手段で励起された窒素により前駆体との間で金属窒化物
を生成する生成手段と、基板側の温度を生成手段側の温
度よりも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバリア
メタル膜とする制御手段と、基板表面の上部に還元性ガ
スを供給する還元性ガス供給手段と、基板表面のバリア
メタル膜を還元性ガス雰囲気で反応させることにより表
層の窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材内部と比
べて表層の窒素含有量を相対的に低減させる表面処理手
段とを備えたことを特徴とする。
【0028】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製装置は、金属窒化物のバリアメタル膜が成膜された
基板が収容されるチャンバと、基板表面の上部に還元性
ガスを供給する還元性ガス供給手段と、基板表面のバリ
アメタル膜を還元性ガス雰囲気で反応させることにより
表層の窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材内部と
比べて表層の窒素含有量を相対的に低減させる表面処理
手段と、チャンバ内に備えられる金属製の被エッチング
部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャン
バ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス
供給手段と、ハロゲンを含有する原料ガスをプラズマ化
して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被
エッチング部材をエッチングすることにより被エッチン
グ部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成
するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング
部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を表層の
窒素含有量を相対的に低減させたバリアメタル膜の上に
成膜させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0029】そして、還元性ガス供給手段は、水素を含
有するガスを供給する手段であり、表面処理手段は、水
素ガスプラズマを発生させる水素ガスプラズマ発生手段
であることを特徴とする。また、金属窒化物は、窒化タ
ンタルもしくは窒化タングステンもしくは窒化チタンで
あることを特徴とする。
【0030】上記目的を達成するための本発明の金属膜
は、基板の表面における金属窒化物のバリアメタル膜
が、還元性ガス雰囲気で反応させることにより表層の窒
素原子を除去してバリアメタル膜の母材内部と比べて表
層の窒素含有量を相対的に低減させる表面処理が施され
たことを特徴とする。
【0031】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製方法は、金属窒化物のバリアメタル膜が成膜された
基板の表面を処理する金属膜作製方法において、シリコ
ンを含有するガスプラズマにより基板表面のバリアメタ
ル膜の表面にシリコン原子の核を形成する表面処理を施
すことを特徴とする。
【0032】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製方法は、基板と金属製の被エッチング部材との間に
おけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給
し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマ
を発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッ
チングすることにより被エッチング部材に含まれる金属
成分と原料ガスとの前駆体を生成すると共に、基板が収
容されるチャンバとは隔絶して窒素を含有する窒素含有
ガスを励起し、励起された窒素により前駆体との間で金
属窒化物を生成し、基板側の温度を生成手段側の温度よ
りも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバリアメタ
ル膜とし、シリコンを含有するガスプラズマにより基板
表面のバリアメタル膜の表面にシリコン原子の核を形成
する表面処理を施すことを特徴とする。
【0033】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製方法は、金属窒化物のバリアメタル膜が成膜された
基板が収容されるチャンバ内で、シリコンを含有するガ
スプラズマにより基板表面のバリアメタル膜の表面にシ
リコン原子の核を形成する表面処理を施した後、チャン
バ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給し、チャンバ
の内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原
料ガスプラズマで金属製の被エッチング部材をエッチン
グすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分
と原料との前駆体をチャンバの内部に生成し、基板の温
度を被エッチング部材側の温度よりも低くしてバリアメ
タル膜の表面にシリコン原子の核を形成された基板に前
駆体の金属成分を成膜させることを特徴とする。
【0034】そして、シリコンを含有するガスは、シラ
ンであることを特徴とする。また、金属窒化物は、窒化
タンタルもしくは窒化タングステンもしくは窒化チタン
であることを特徴とする。
【0035】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向
する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッ
チング部材と、基板と被エッチング部材との間における
チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給するハ
ロゲンガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化し
て原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エ
ッチング部材をエッチングすることにより被エッチング
部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成す
るバリアプラズマ発生手段と、窒素を含有する窒素含有
ガスをチャンバとは隔絶して励起する励起手段と、励起
手段で励起された窒素により前駆体との間で金属窒化物
を生成する生成手段と、基板側の温度を生成手段側の温
度よりも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバリア
メタル膜とする制御手段と、基板表面の上部にシリコン
を含有するガスを供給するシリコン含有ガス供給手段
と、シリコンを含有するガスプラズマを発生させ、基板
表面のバリアメタル膜の表面にシリコン原子の核を形成
する表面処理プラズマ発生手段とを備えたことを特徴と
する。
【0036】上記目的を達成するための本発明の金属膜
作製装置は、金属窒化物のバリアメタル膜が成膜された
基板が収容されるチャンバと、基板表面の上部にシリコ
ンを含有するガスを供給するシリコン含有ガス供給手段
と、シリコンを含有するガスプラズマを発生させ、基板
表面のバリアメタル膜の表面にシリコン原子の核を形成
する表面処理プラズマ発生手段と、チャンバ内に備えら
れる金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング
部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原
料ガスを供給する原料ガス供給手段と、ハロゲンを含有
する原料ガスをプラズマ化して原料ガスプラズマを発生
させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチング
することにより被エッチング部材に含まれる金属成分と
原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基
板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして
前駆体の金属成分を表面にシリコン原子の核を形成させ
たバリアメタル膜の上に成膜させる制御手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0037】そして、シリコンを含有するガスは、シラ
ンであることを特徴とする。また、金属窒化物は、窒化
タンタルもしくは窒化タングステンもしくは窒化チタン
であることを特徴とする。上記目的を達成するための本
発明の金属膜は、基板の表面における金属窒化物のバリ
アメタル膜が、シリコンを含有するガスプラズマにより
基板表面のバリアメタル膜の表面にシリコン原子の核が
形成された表面処理が施されたことを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の金属
膜作製方法及び金属膜作製装置を説明する。本発明の金
属膜作製方法は、基板の表面に、拡散を防止するため
の、例えば、窒化タンタル(TaN) のバリアメタル層が作
製されたものに対して、更に、密着性を向上させる処理
を施したものである。
【0039】第1の実施形態例では、TaN のバリアメタ
ル膜に対して、希ガス(例えば、アルゴン:Ar)プラズ
マにより表面をエッチングして平坦化し、更に、Ar+
よって表層の窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材
内部と比べて表層の窒素含有量を相対的に低減させる表
面処理(以下脱窒処理と称する)を施したものである。
これにより、一層のバリアメタル膜に対して表層に実質
的に金属(Ta)の膜が形成された状態とし、安価で質量
数の高いガスを用いて効率よくかつ確実に、しかも薄膜
の状態で金属の拡散防止と金属との密着性を保持したバ
リアメタル膜が作製される。
【0040】尚、バリアメタル膜の材質によっては、プ
ラズマのパワーや通電時間等を制御して希ガス(例え
ば、アルゴン:Ar)プラズマにより表面をエッチングし
て平坦化する処理だけを行なうことも可能であり、密着
性を向上させることができる。バリアメタル膜として
は、TaN の他に、窒化タングステン、窒化チタン等が適
用可能であり、希ガスとしては、Arの他に、ヘリウム、
クリプトン、ネオン、クリプトン等が適用可能である。
【0041】第1の実施形態例における具体的な装置構
成としては、基板とTa製の被エッチング部材との間にお
けるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガス(例え
ば、塩素含有ガス)を供給し、チャンバの内部をプラズ
マ化して塩素ガスプラズマを発生させ、塩素ガスプラズ
マで被エッチング部材をエッチングすることにより被エ
ッチング部材に含まれるTa成分と塩素ガスとの前駆体を
生成すると共に、窒素を含有する窒素含有ガスを励起
し、励起された窒素により前駆体との間で金属窒化物で
あるTaN を生成し、基板側の温度を低くしてTaN を基板
に成膜させてバリアメタル膜とするバリアメタル膜作製
装置を適用し、バリアメタル膜を作製した後にチャンバ
内でArガスプラズマを発生させ、エッチング及び脱窒処
理を施す構成とすることが可能である。
【0042】また、第1の実施形態例における具体的な
装置構成としては、チャンバ内に塩素ガスを供給し、チ
ャンバの内部をプラズマ化して塩素ガスプラズマを発生
させ塩素ガスプラズマで銅(Cu)製の被エッチング部材を
エッチングすることにより被エッチング部材に含まれる
Cu成分と塩素との前駆体をチャンバの内部に生成し、基
板の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして基
板に前駆体のCu成分を成膜させる金属成膜装置を適用
し、TaN のバリアメタル膜が成膜された基板を収容し、
Cu成分を成膜する前に、Arガスプラズマを発生させてエ
ッチング及び脱窒処理を施す構成とすることが可能であ
る。
【0043】図1にはCu膜を成膜する成膜工程装置の概
要を示してある。例えば、図1に示すように、中心部位
に基板の搬送を行なうハンドリング用のロボット101
が備えられ、基板が収容される収容装置102、基板に
バリアメタル膜を成膜するバリアメタルCVD103、
Cu膜を成膜するCu−CVD104がロボット101の周
囲に備えられている。ロボット101により基板を収容
装置102からバリアメタルCVD103、バリアメタ
ルCVD103からCu−CVD104、Cu−CVD10
4から収容装置102へと搬送する。このような成膜工
程装置では、第1の実施形態例における金属膜作製装置
は、Cu−CVD4に備えられる。
【0044】尚、バリアメタルCVD103に第1の実
施形態例における金属膜作製装置を備えたり、専用で第
1の実施形態例における金属膜作製装置をロボット10
1の周囲に備えてもよい。
【0045】以下図面に基づいて第1の実施形態例にお
ける金属膜作製方法及び金属膜作製装置の実施例をCu−
CVD104に備えた場合を例に挙げて説明する。
【0046】図2には本発明の第1実施例に係る金属膜
作製装置の概略側面、図3には希ガス供給手段の他の例
を表す概略構成、図4にはバリアメタル膜を説明する基
板の断面状況、図5、図6には脱窒処理におけるバリア
メタル膜の概念状況を示してある。尚、図示の金属膜作
製装置は、図1に示したCu−CVD104に相当するも
のである。
【0047】図2に示すように、円筒状に形成された、
例えば、セラミックス製(絶縁材料製)のチャンバ1
(絶縁材料製)の底部近傍には支持台2が設けられ、支
持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4
及び冷媒流通手段5を備えた制御手段としての温度制御
手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所
定温度(例えば、基板3が100℃乃至200℃に維持
される温度)に制御される。
【0048】チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部
は金属製の被エッチング部材としての銅板部材7によっ
て塞がれている。銅板部材7によって塞がれたチャンバ
1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。
チャンバ1の筒部の周囲にはコイル状のプラズマアンテ
ナ9が設けられ、プラズマアンテナ9には整合器10及
び電源11が接続されて給電が行われる。プラズマアン
テナ9、整合器10及び電源11によりプラズマ発生手
段が構成されている。
【0049】支持台2の上方におけるチャンバ1の筒部
には、チャンバ1の内部にハロゲンとしての塩素を含有
する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好ましく
は10% 程度に希釈されたCl2 ガス)を供給するノズル1
2が接続されている。ノズル12には流量制御器13を
介して原料ガスが送られる。原料ガスは、チャンバ1内
で銅板部材7側に送られる(原料ガス供給手段)。尚、
原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素
(F)、臭素(Br)及びヨウ素(I)等を適用するこ
とが可能である。
【0050】上述した金属膜作製装置では、チャンバ1
の内部にノズル12から原料ガスを供給し、プラズマア
ンテナ9から電磁波をチャンバ1の内部に入射すること
で、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料
ガスプラズマ)14が発生する。真空装置8により設定
されるチャンバ1内の圧力は、Cl2 ガスプラズマ14の
プラズマ密度が、チャンバ1の内部で壁面側が高くなる
ように高圧状態に設定されている。尚、Cl2 ガスプラズ
マ14のプラズマ密度を壁面側が高くなるようにする手
段として、電源11側の周波数を高くすることも可能で
ある。
【0051】Cl2 ガスプラズマ14により、銅板部材7
にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)15が生成
される。このとき、銅板部材7はCl2 ガスプラズマ14
により基板3の温度よりも高い所定温度(例えば、20
0℃乃至400℃)に維持されている。
【0052】チャンバ1の内部で生成された前駆体(Cu
xCly)15は、銅板部材7よりも低い温度に制御された
基板3に運ばれる。基板3に運ばれる前駆体(CuxCly)
15は還元反応によりCuイオンのみとされて基板3に当
てられ、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0053】このときの反応は、次式で表すことができ
る。 2Cu+Cl2 →2CuCl→2Cu↓+Cl2 ↑ 反応に関与しないガス及びエッチング生成物は排気口1
7から排気される。
【0054】尚、原料ガスとして、He,Ar等で希釈され
たCl2 ガスを例に挙げて説明したが、Cl2 ガスを単独で
用いたり、HCl ガスを適用することも可能である。HCl
ガスを適用した場合、原料ガスプラズマはHCl ガスプラ
ズマが生成されるが、銅板部材7のエッチングにより生
成される前駆体はCuxClyである。従って、原料ガスは塩
素を含有するガスであればよく、HCl ガスとCl2 ガスと
の混合ガスを用いることも可能である。また、銅板部材
7の材質は、銅(Cu)に限らず、ハロゲン化物形成金
属、好ましくは塩化物形成金属であれば、Ag,Au,Pt,Ta,
Ti, W等を用いることが可能である。この場合、前駆体
はAg,Au,Pt,Ta,Ti, W等のハロゲン化物(塩化物)とな
り、基板3の表面に生成される薄膜はAg,Au,Pt,Ta,Ti,
W等になる。
【0055】上記構成の金属膜作製装置は、Cl2 ガスプ
ラズマ(原料ガスプラズマ)14を用いているため、反
応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、原
料ガスとしてCl2 ガスを用いているため、コストを大幅
に減少させることができる。また、温度制御手段6を用
いて基板3を銅板部材7よりも低い温度に制御している
ので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留を少なくす
ることができ、高品質なCu薄膜16を生成することが可
能になる。
【0056】また、Cl2 ガスプラズマ14のプラズマ密
度を壁面側が高くなるようにしているので、高密度のCl
2 ガスプラズマ14を生成することができ、成膜速度を
大幅に速くすることができると共に、大型のチャンバ1
を用いても、即ち、大きな基板3に対してもCu薄膜16
を生成することが可能になる。
【0057】ところで、上述した金属膜作製装置には、
基板3の表面の上部におけるチャンバ1内に希ガスとし
てのArガスを供給する希ガス供給手段としての希ガスノ
ズル21が設けられている。希ガスノズル21からArガ
スを供給すると共に、プラズマアンテナ9から電磁波を
チャンバ1の内部に入射することで、Arガスがイオン化
されてArガスプラズマが発生するようになっている(表
面処理プラズマ発生手段)。一方、支持台2にはバイア
ス電源20が接続され、基板3を支持台2に支持させる
ためのバイアス電圧が印加される。
【0058】尚、希ガス供給手段としては、Cl2 ガスの
希釈ガスとしてArガスを適用した場合、図3に示すよう
に、原料ガス(Cl2 ガス)と希釈ガス(Arガス)との合
流部に制御弁22を設け、Arガスプラズマを発生させる
際にCl2 ガスを止めてArガスのみをノズル12から供給
する構成とすることも可能である。これにより、希ガス
ノズル21を特別に設ける必要がなく、スペース的に有
利となる。
【0059】上述した金属膜作製装置に搬入される基板
3の表面には、図4に示したように、TaN のバリアメタ
ル膜23が成膜されている。Arガスプラズマを発生させ
ることで、Ar+ により、基板2の表面のバリアメタル膜
23をエッチングしてバリアメタル膜23を平坦化する
と共に、表層のTaN の窒素原子(N) を除去してバリアメ
タル膜23の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対
的に低減させる処理(脱窒処理)が施される。尚、バリ
アメタル膜23としては、WN,TiNを適用することも可能
である。
【0060】Arガスプラズマを発生させてバリアメタル
膜23を平坦化する処理及び脱窒処理は、前述したCu薄
膜16を生成する前に実施される。即ち、TaN のバリア
メタル膜23が成膜されている基板3が支持台2上に搬
入されると、Cu薄膜16の生成に先立って、希ガスノズ
ル21からArガスを供給すると共に、プラズマアンテナ
9から電磁波をチャンバ1の内部に入射してArガスプラ
ズマを発生させる。
【0061】Arガスプラズマを発生させると、Ar+ によ
りバリアメタル膜23の表面がエッチングされて平坦化
される。また、図5に示すように、バリアメタル膜23
はTaとN がアモルファス状態で混在し、Ar+ により質量
の小さいNが優先的に除去され、バリアメタル膜23の
表層(例えば、最大で全体膜厚の半分:好ましくは1/
3程度)が脱窒処理される。これにより、図6に示すよ
うに、実質的にTaで構成される金属層23aとTaN 層2
3bとの二層構造のバリアメタル膜23の状態となる。
この時、バリアメタル膜23の全体の膜厚は一層で構成
された膜厚のままである。
【0062】Ar+ の発生量を多くするために、プラズマ
アンテナ9に印加する電圧を高くしたり、Arガスの流量
を多くする制御が行なわれる。また、Ar+ を基板3側に
引き込むために、バイアス電源20を制御して基板2の
電位をマイナス側に下げる制御が行なわれる。制御とし
ては、予め決められたスケジュールでスケジュール制御
することが容易である。脱窒処理を行なっている時に、
金属層23aの深さ分布を実測し、実測結果に応じてプ
ラズマアンテナ9の電圧やArガスの流量、バイアス電源
20の制御を実施することも可能である。
【0063】脱窒処理を行なった後に、除去されたNの
部位が隙間になって原子レベルでの凹凸が生じるため、
残ったTa原子を密状態にすることが好ましい。Ta原子を
密状態にするため本実施例では、ヒータ4を用いて基板
3を加熱して熱処理を行い、Ta原子を密状態にしている
(密状態処理手段)。熱処理は、原子が結晶構造になら
ない程度(アモルファス状態を維持した状態)で実施さ
れる。尚、密状態処理手段としては、プラズマ加熱で基
板3を加熱することも可能である。
【0064】上述した金属膜作製装置では、バリアメタ
ル膜23が成膜された基板3が収容されるチャンバ1内
にArガスプラズマを発生させ、Arガスプラズマでバリア
メタル膜23をエッチングすることによりバリアメタル
膜23を平坦化すると共に、Arガスプラズマで窒素原子
を除去してバリアメタル膜23の脱窒処理を施したの
で、実質的にTaで構成される金属層23aとTaN 層23
bとの二層構造のバリアメタル膜23の状態とすること
ができ、しかも、全体の膜厚を一層で構成された膜厚の
ままとすることができる。このため、バリアメタル膜2
3を厚くすることなく二層構造状態にして金属層23a
によりCu薄膜16との密着性を保持することができ、Ta
N 層23bによりCuの拡散を防止することができる。こ
のため、Cu薄膜16を基板3への拡散をなくして密着性
よく成膜することができ、Cu配線プロセスを安定させる
ことが可能になる。
【0065】図7乃至図9に基づいて本発明の第2実施
例の金属膜作製方法及び金属膜作製装置を説明する。図
7には本発明の第2実施例に係る金属膜作製装置の概略
側面、図8には図7中のVIII-VIII 線矢視、図9には図
8中のIX-IX 線矢視を示してある。尚、図2に示した部
材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略
してある。
【0066】チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部
は絶縁材製(例えば、セラミックス製)の円盤状の天井
板30によって塞がれている。チャンバ1の上面の開口
部と天井板30との間には金属製である銅(Cu)製の被
エッチング部材31が挟持されている。被エッチング部
材31は、チャンバ1の上面の開口部に挟持されるリン
グ部32が備えられ、リング部32の内周側にはチャン
バ1の径方向中心部近傍まで延び同一幅となっている突
起部33が円周方向に複数(図示例では12個)設けら
れている。
【0067】突起部33は、リング部32に対して一
体、もしくは、取り外し自在に取り付けられている。天
井板30とチャンバ1の内部との間には突起部33の間
で形成される切欠部35(空間)が存在した状態になっ
ている。リング部32はアースされており、複数の突起
部33は電気的につながれて同電位に維持されている。
被エッチング部材31にはヒータ等の温度制御手段(図
示省略)が設けられ、例えば、200℃乃至400℃程
度に温度制御される。
【0068】尚、突起部33の間に突起部33よりも径
方向に短い第2突起部を配置することも可能であり、更
に、突起部33と第2突起部との間に短い突起部を配置
することも可能である。このようにすると、誘導電流を
抑制しつつエッチング対象となる銅の面積を確保するこ
とができる。
【0069】天井板30の上方にはチャンバ1の内部を
プラズマ化するための平面巻線状のプラズマアンテナ3
4が設けられ、プラズマアンテナ34は天井板30の面
と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアン
テナ34には整合器10及び電源11が接続されて給電
が行われる。被エッチング部材31は、リング部32の
内周側に突起部33が円周方向に複数設けられ、突起部
33の間で形成される切欠部35(空間)が存在してい
るので、プラズマアンテナ34の電気の流れ方向に対し
て不連続な状態で基板3と天井板30との間に突起部3
3が配置された状態になっている。
【0070】上述した金属膜作製装置では、チャンバ1
の内部にノズル12から原料ガスを供給し、プラズマア
ンテナ34から電磁波をチャンバ1の内部に入射するこ
とで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原
料ガスプラズマ)14が発生する。プラズマアンテナ3
4の下部には導電体である被エッチング部材31が存在
しているが、以下の作用により被エッチング部材31と
基板3との間、即ち、被エッチング部材31の下側にCl
2 ガスプラズマ14が安定して発生するようになってい
る。
【0071】被エッチング部材31の下側にCl2 ガスプ
ラズマ14が発生する作用について説明する。図9に示
すように、平面リング状のプラズマアンテナ34の電気
の流れAは突起部33を横切る方向となり、このとき、
突起部33のプラズマアンテナ34との対向面には誘導
電流bが発生する。被エッチング部材31には切欠部3
5(空間)が存在している状態になっているので、誘導
電流bはそれぞれの突起部33の下面に流れてプラズマ
アンテナ34の電気の流れAと同一方向の流れaとなる
(ファラデーシールド)。
【0072】このため、基板3側から被エッチング部材
31を見た場合、プラズマアンテナ34の電気の流れA
を打ち消す方向の流れが存在しない状態になり、しか
も、リング部32がアースされて突起部33が同電位に
維持されている。これにより、導電体である被エッチン
グ部材31が存在していても、プラズマアンテナ34か
ら電磁波がチャンバ1内に確実に入射し、被エッチング
部材31の下側にCl2 ガスプラズマ14が安定して発生
するようになっている。
【0073】Cl2 ガスプラズマ14により、銅製の被エ
ッチング部材31にエッチング反応が生じ、前駆体(Cu
xCly)15が生成される。このとき、被エッチング部材
31はCl2 ガスプラズマ14により基板3の温度よりも
高い所定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持
されている。チャンバ1の内部で生成された前駆体(Cu
xCly)15は、被エッチング部材31よりも低い温度に
制御された基板3に運ばれる。基板3に運ばれる前駆体
(CuxCly)15は還元反応によりCuイオンのみとされて
基板3に当てられ、基板3の表面にCu薄膜16が生成さ
れる。
【0074】このときの反応は、前述した第1実施例と
同様であり、反応に関与しないガス及びエッチング生成
物は排気口17から排気される。
【0075】上記構成の金属膜作製装置は、Cl2 ガスプ
ラズマ(原料ガスプラズマ)14を用いているため、反
応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、原
料ガスとしてCl2 ガスを用いているため、コストを大幅
に減少させることができる。また、温度制御手段6を用
いて基板3を被エッチング部材18よりも低い温度に制
御しているので、Cu薄膜16中に塩素等の不純物の残留
を少なくすることができ、高品質なCu薄膜16を生成す
ることが可能になる。
【0076】また、被エッチング部材31は、リング部
32の内周側に突起部33が円周方向に複数設けられ、
突起部33の間で形成される切欠部35(空間)が存在
しているので、被エッチング部材31に生じる誘導電流
は基板3側からみてプラズマアンテナ34の電気の流れ
と同一方向の流れとなる。これにより、導電体である被
エッチング部材31がプラズマアンテナ34の下に存在
していても、プラズマアンテナ34から電磁波がチャン
バ1内に確実に入射し、被エッチング部材31の下側に
Cl2 ガスプラズマ14を安定して発生させることが可能
となる。
【0077】ところで、上述した金属膜作製装置には、
基板3の表面の上部におけるチャンバ1内に希ガスとし
てのArガスを供給する希ガス供給手段としての希ガスノ
ズル21が設けられている。希ガスノズル21からArガ
スを供給すると共に、プラズマアンテナ34から電磁波
をチャンバ1の内部に入射することで、Arガスがイオン
化されてArガスプラズマが発生するようになっている
(表面処理プラズマ発生手段)。一方、支持台2にはバ
イアス電源20が接続され、基板3を支持台2に支持さ
せるためのバイアス電圧が印加される。
【0078】上述した金属膜作製装置に搬入される基板
3の表面には、図4に示したように、TaN のバリアメタ
ル膜23が成膜されている。Arガスプラズマを発生させ
ることで、Ar+ により、基板2の表面のバリアメタル膜
23をエッチングしてバリアメタル膜23を平坦化する
と共に、表層のTaN の窒素原子(N) を除去してバリアメ
タル膜23の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対
的に低減させる処理(脱窒処理)が施される。尚、バリ
アメタル膜23としては、WN,TiNを適用することも可能
である。
【0079】Arガスプラズマを発生させてバリアメタル
膜23を平坦化する処理及び脱窒処理は、前述したCu薄
膜16を生成する前に実施される。バリアメタル膜23
を平坦化する処理及び脱窒処理の詳細は第1実施例と同
一であるので説明は省略してある。
【0080】上述した金属膜作製装置では、第1実施例
と同様に、バリアメタル膜23を厚くすることなく二層
構造状態にして金属層23aによりCu薄膜16との密着
性を保持することができ、TaN 層23bによりCuの拡散
を防止することができる。このため、Cu薄膜16を基板
3への拡散をなくして密着性よく成膜することができ、
Cu配線プロセスを安定させることが可能になる。
【0081】図10に基づいて本発明の第3実施例の金
属膜作製方法及び金属膜作製装置を説明する。図10に
は本発明の第3実施例に係る金属膜作製装置の概略側面
を示してある。尚、図2及び図7に示した部材と同一部
材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0082】チャンバ1の上部の開口部は、例えば、セ
ラミックス製(絶縁材料製)の天井板30によって塞が
れている。天井板30の下面には金属製である銅(Cu)
製の被エッチング部材41が設けられ、被エッチング部
材41は四角錐形状となっている。チャンバ1の筒部の
上部の周囲の複数箇所(例えば、4箇所)には、スリッ
ト状の開口部42が形成され、開口部42には筒状の通
路43の一端がそれぞれ固定されている。通路43の途
中部には絶縁体製の筒状の励起室44が設けられ、励起
室44の周囲にはコイル状のプラズマアンテナ45が設
けられ、プラズマアンテナ45には整合器48及び電源
49に接続されて給電が行われる。プラズマアンテナ4
5、整合器48及び電源49によりプラズマ発生手段が
構成されている。
【0083】通路43の他端側には流量制御器46が接
続され、流量制御器46を介して通路43内に塩素を含
有する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好まし
くは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)が供給される。プ
ラズマアンテナ45から電磁波を励起室44の内部に入
射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラ
ズマ(原料ガスプラズマ)47が発生する。Cl2 ガスプ
ラズマ47の発生により励起塩素が開口部42からチャ
ンバ1内に送られ、被エッチング部材41が励起塩素に
よりエッチングされる。
【0084】上述した金属膜作製装置では、流量制御器
46を介して通路43内に原料ガスを供給して励起室4
4に原料ガスを送り込む。プラズマアンテナ45から電
磁波を励起室44の内部に入射することで、Cl2 ガスが
イオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)
47が発生する。真空装置8によりチャンバ1内の圧力
と励起室44の圧力とに所定の差圧が設定されているた
め、励起室44のCl2ガスプラズマ47の励起塩素が開
口部42からチャンバ1内の被エッチング部材41に送
られる。励起塩素により被エッチング部材41にエッチ
ング反応が生じ、チャンバ1の内部で前駆体(CuxCly)
15が生成される。
【0085】このとき、被エッチング部材41はヒータ
50により基板3の温度よりも高い所定温度(例えば、
200℃乃至400℃)に維持されている。チャンバ1
の内部で生成された前駆体(CuxCly)15は、被エッチ
ング部材31よりも低い温度に制御された基板3に運ば
れる。基板3に運ばれる前駆体(CuxCly)15は還元反
応によりCuイオンのみとされて基板3に当てられ、基板
3の表面にCu薄膜16が生成される。
【0086】このときの反応は、前述した第1実施例と
同様であり、反応に関与しないガス及びエッチング生成
物は排気口17から排気される。
【0087】上述した金属膜作製装置は、チャンバ1と
隔絶した励起室44でCl2 ガスプラズマ47を発生させ
るようにしているので、基板3がプラズマに晒されるこ
とがなくなり、基板3にプラズマによる損傷が生じるこ
とがない。尚、励起室44でCl2 ガスプラズマ47を発
生させる手段は、マイクロ波、レーザ、電子線、放射光
等を用いることも可能であり、金属フィラメントを高温
に加熱して前駆体を生成することも可能である。また、
Cl2 ガスプラズマ47を基板3と隔絶する構成は、通路
43に励起室44を設ける構成の他に、例えば、チャン
バ1を隔絶する等、他の構成とすることも可能である。
【0088】ところで、上述した金属膜作製装置には、
基板3の表面の上部におけるチャンバ1内に希ガスとし
てのArガスを供給する希ガス供給手段としての希ガスノ
ズル21が設けられている。また、チャンバ1の胴部に
はコイル状の表面処理プラズマアンテナ36が設けら
れ、表面処理プラズマアンテナ36には整合器37及び
電源38が接続されて給電が行なわれる。希ガスノズル
21からArガスを供給すると共に、プラズマアンテナ3
6から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Ar
ガスがイオン化されてArガスプラズマが発生するように
なっている(表面処理プラズマ発生手段)。一方、支持
台2にはバイアス電源20が接続され、基板3を支持台
2に支持させるためのバイアス電圧が印加される。
【0089】上述した金属膜作製装置に搬入される基板
3の表面には、図4に示したように、TaN のバリアメタ
ル膜23が成膜されている。Arガスプラズマを発生させ
ることで、Ar+ により、基板2の表面のバリアメタル膜
23をエッチングしてバリアメタル膜23を平坦化する
と共に、表層のTaN の窒素原子(N) を除去してバリアメ
タル膜23の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対
的に低減させる処理(脱窒処理)が施される。尚、バリ
アメタル膜23としては、WN,TiNを適用することも可能
である。
【0090】Arガスプラズマを発生させてバリアメタル
膜23を平坦化する処理及び脱窒処理は、前述したCu薄
膜16を生成する前に実施される。バリアメタル膜23
を平坦化する処理及び脱窒処理の詳細は第1実施例と同
一であるので説明は省略してある。
【0091】上述した金属膜作製装置では、第1実施例
と同様に、バリアメタル膜23を厚くすることなく二層
構造状態にして金属層23a(図6参照)によりCu薄膜
16との密着性を保持することができ、TaN 層23b
(図6参照)によりCuの拡散を防止することができる。
このため、Cu薄膜16を基板3への拡散をなくして密着
性よく成膜することができ、Cu配線プロセスを安定させ
ることが可能になる。
【0092】図11に基づいて本発明の第4実施例の金
属膜作製方法及び金属膜作製装置を説明する。図11に
は本発明の第4実施例に係る金属膜作製装置の概略側面
を示してある。尚、図2、図7及び図10に示した部材
と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略し
てある。
【0093】図2に示した第1実施例の金属膜作製装置
に対し、チャンバ1の筒部の周囲にはプラズマアンテナ
9が設けられておらず、銅板部材7に整合器10及び電
源11が接続されて銅板部材7に給電が行われる。上述
した金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にノズル1
2から原料ガスを供給し、銅板部材7から電磁波をチャ
ンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化さ
れてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)14が発生
する。Cl2 ガスプラズマ14により、銅板部材7にエッ
チング反応が生じ、前駆体(CuxCly)15が生成され
る。このとき、銅板部材7はCl2 ガスプラズマ14によ
り基板3の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃
乃至400℃)に維持されている。
【0094】チャンバ1の内部で生成された前駆体(Cu
xCly)15は、銅板部材7よりも低い温度に制御された
基板3に運ばれる。基板3に運ばれる前駆体(CuxCly)
15は還元反応によりCuイオンのみとされて基板3に当
てられ、基板3の表面にCu薄膜16が生成される。この
ときの反応は、前述した第1実施例と同様であり、反応
に関与しないガス及びエッチング生成物は排気口17か
ら排気される。
【0095】上述した金属膜作製装置は、銅板部材7自
身をプラズマ発生用の電極として適用しているので、チ
ャンバ1の筒部の周囲にCu薄膜16を作製するためのプ
ラズマアンテナ9が不要となる。
【0096】ところで、上述した金属膜作製装置には、
基板3の表面の上部におけるチャンバ1内に希ガスとし
てのArガスを供給する希ガス供給手段としての希ガスノ
ズル21が設けられている。ノズル12からの原料ガス
の供給を停止し、希ガスノズル21からArガスを供給す
ると共に、銅板部材7から電磁波をチャンバ1の内部に
入射することで、Arガスがイオン化されてArガスプラズ
マが発生するようになっている(表面処理プラズマ発生
手段)。一方、支持台2にはバイアス電源20が接続さ
れ、基板3を支持台2に支持させるためのバイアス電圧
が印加される。
【0097】上述した金属膜作製装置に搬入される基板
3の表面には、図4に示したように、TaN のバリアメタ
ル膜23が成膜されている。Arガスプラズマを発生させ
ることで、Ar+ により、基板2の表面のバリアメタル膜
23をエッチングしてバリアメタル膜23を平坦化する
と共に、表層のTaN の窒素原子(N) を除去してバリアメ
タル膜23の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対
的に低減させる処理(脱窒処理)が施される。尚、バリ
アメタル膜23としては、WN,TiNを適用することも可能
である。また、表面処理プラズマ発生手段として、チャ
ンバ1の胴部にコイル状の表面処理プラズマアンテナを
設け、整合器及び電源を介して給電を行なうことでArガ
スプラズマを発生させることも可能である。
【0098】Arガスプラズマを発生させてバリアメタル
膜23を平坦化する処理及び脱窒処理は、前述したCu薄
膜16を生成する前に実施される。バリアメタル膜23
を平坦化する処理及び脱窒処理の詳細は第1実施例と同
一であるので説明は省略してある。
【0099】上述した金属膜作製装置では、第1実施例
と同様に、バリアメタル膜23を厚くすることなく二層
構造状態にして金属層23a(図6参照)によりCu薄膜
16との密着性を保持することができ、TaN 層23b
(図6参照)によりCuの拡散を防止することができる。
このため、Cu薄膜16を基板3への拡散をなくして密着
性よく成膜することができ、Cu配線プロセスを安定させ
ることが可能になる。
【0100】次に、第1の実施形態例における金属膜作
製方法及び金属膜作製装置の実施例をバリアメタルCV
D103に備えた場合の一例を図12に基づいて説明す
る。図12には本発明の第5実施例に係る金属膜作製装
置の概略側面を示してある。
【0101】図に示すように、円筒状に形成された、例
えば、セラミックス製(絶縁材料製)のチャンバ51
(絶縁材料製)の底部近傍には支持台52が設けられ、
支持台52には基板53が載置される。支持台52には
ヒータ54及び冷媒流通手段55を備えた制御手段とし
ての温度制御手段56が設けられ、支持台52は温度制
御手段56により所定温度(例えば、基板3が100℃
乃至200℃に維持される温度)に制御される。
【0102】チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部
は金属製の被エッチング部材としての金属部材57(例
えば、W,Ti,Ta,TiSi等)によって塞がれている。金属部
材57によって塞がれたチャンバ51の内部は真空装置
58により所定の圧力に維持される。チャンバ51の筒
部の周囲にはバリアプラズマ発生手段のコイル状巻線ア
ンテナとしてのプラズマアンテナ59が設けられ、プラ
ズマアンテナ59には整合器60及び電源61が接続さ
れて給電が行われる。
【0103】金属部材57の下方におけるチャンバ51
の筒部には、チャンバ51の内部にハロゲンとしての塩
素を含有する原料ガスガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50
% 、好ましくは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)を供給
するノズル62が接続されている。ノズル62は水平に
向けて開口し、ノズル62には流量制御器63を介して
原料ガスが送られる(ハロゲンガス供給手段)。尚、原
料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素(F)、
臭素(Br)及びヨウ素(I)等を適用することが可能
である。
【0104】一方、チャンバ51の筒部の下方の周囲の
複数箇所(例えば、4箇所)には、スリット状の開口部
64が形成され、開口部64には筒状の通路65の一端
がそれぞれ固定されている。通路65の途中部には絶縁
体製の筒状の励起室66が設けられ、励起室66の周囲
にはコイル状のプラズマアンテナ67が設けられ、プラ
ズマアンテナ67は整合器68及び電源69に接続され
て給電が行われる。プラズマアンテナ67、整合器68
及び電源69により励起手段が構成されている。通路6
5の他端側には流量制御器70が接続され、流量制御器
70を介して通路65内に窒素含有ガスとしてのアンモ
ニアガス(NH3 ガス)が供給される。
【0105】上述した金属膜作製装置では、チャンバ5
1の内部にノズル62から原料ガスを供給し、プラズマ
アンテナ59から電磁波をチャンバ51の内部に入射す
ることで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ
(原料ガスプラズマ)71が発生する。Cl2 ガスプラズ
マ71により、金属部材57にエッチング反応が生じ、
前駆体(MxCly:M はW,Ti,Ta,TiSi等の金属)72が生成
される。
【0106】また、流量制御器70を介して通路65内
にNH3 ガスを供給して励起室66にNH3 ガスを送り込
む。プラズマアンテナ67から電磁波を励起室66の内
部に入射することで、NH3 ガスがイオン化されてNH3
スプラズマ63が発生する。真空装置58によりチャン
バ51内の圧力と励起室66の圧力とに所定の差圧が設
定されているため、励起室66のNH3 ガスプラズマ73
の励起アンモニアが開口部64からチャンバ51内の前
駆体(MxCly )72に送られる。
【0107】つまり、窒素を含有する窒素含有ガスをチ
ャンバ51と隔絶した励起室66で励起する励起手段が
構成されている。これにより、前駆体(MxCly )72の
金属成分とアンモニアが反応して金属窒化物(MN)が生
成される(生成手段)。このとき、金属部材57及び励
起室66はプラズマにより基板53の温度よりも高い所
定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されて
いる。
【0108】チャンバ51の内部で生成された金属窒化
物(MN)は低い温度に制御された基板53に運ばれて、
基板53の表面にMN薄膜74(Ta製の金属部材57を適
用した場合TaN 膜)が生成される。
【0109】MN薄膜74が生成されるときの反応は、次
式で表すことができる。 2MCl+2NH3 →2MN↓+HCl↑+2H2 ↑ 反応に関与しないガス及びエッチング生成物は排気口7
7から排気される。
【0110】尚、原料ガスとして、He,Ar等で希釈され
たCl2 ガスを例に挙げて説明したが、Cl2 ガスを単独で
用いたり、HCl ガスを適用することも可能である。HCl
ガスを適用した場合、原料ガスプラズマはHCl ガスプラ
ズマが生成される。従って、原料ガスは塩素を含有する
ガスであればよく、HCl ガスとCl2 ガスとの混合ガスを
用いることも可能である。また、金属部材57の材質
は、Ag,Au,Pt,Si 等産業上適用可能な金属を用いること
が可能である。また、通路65内にNH3 ガスを供給して
励起室66にNH3 ガスを送り込み、プラズマアンテナ6
7から電磁波を励起室66の内部に入射することで、NH
3 ガスプラズマ63を発生させるようにしているが、チ
ャンバ51内にNH3 ガスを供給し、プラズマアンテナ5
9への給電によりチャンバ51内でNH3 ガスプラズマを
発生させることも可能である。この場合、通路65、励
起室66、プラズマアンテナ67、整合器68及び電源
69を省略することも可能である。
【0111】上記構成の金属膜作製装置では、プラズマ
により金属を生じさせてバリアメタル膜としてMN薄膜7
4を作製しているので、均一にしかも薄膜状にバリアメ
タル膜を成膜することが可能になる。このため、基板5
3に設けられる、例えば、数百nm幅程度の小さな凹部
に対しても内部にまで精度よく成膜され、埋め込み性に
優れ、極めて薄い状態で高速にバリアメタル膜を成膜す
ることが可能になる。
【0112】ところで、上述した金属膜作製装置には、
基板53の表面の上部におけるチャンバ51内に希ガス
としてのArガスを供給する希ガス供給手段としての希ガ
スノズル76が設けられている。希ガスノズル76から
Arガスを供給すると共に、プラズマアンテナ59から電
磁波をチャンバ51の内部に入射することで、Arガスが
イオン化されてArガスプラズマが発生するようになって
いる(表面処理プラズマ発生手段)。一方、支持台52
にはバイアス電源77が接続され、基板53を支持台5
2に支持させるためのバイアス電圧が印加される。
【0113】上述した金属膜作製装置では、バリアメタ
ル膜としてのMN薄膜74が成膜された後に、Arガスプラ
ズマを発生させることで、Ar+ により、基板53の表面
のバリアメタル膜をエッチングしてバリアメタル膜を平
坦化すると共に、表層のTaNの窒素原子(N) を除去して
脱窒処理が施される。バリアメタル膜を平坦化すると共
に、表層のTaN の窒素原子(N) を除去して脱窒処理が施
された後、成膜装置でバリアメタル膜の上に銅(Cu)薄
膜やアルミニウム(Al) 薄膜等が成膜される。Arガスプ
ラズマを発生させてバリアメタル膜を平坦化する処理及
び脱窒処理の詳細は第1実施例と同一であるので説明は
省略してある。
【0114】上述した金属膜作製装置では、第1実施例
と同様に、バリアメタル膜を厚くすることなく二層構造
状態にして金属層により後工程における成膜での金属薄
膜との密着性を保持することができ、TaN 層により後工
程における成膜での金属の拡散を防止することができ
る。このため、後工程における成膜での金属薄膜(Cu薄
膜)を基板53への拡散をなくして密着性よく成膜する
ことができ、Cu配線プロセスを安定させることが可能に
なる。
【0115】尚、バリアメタル膜を作製する金属膜作製
装置の構成は、容量結合プラズマを発生させる形式の装
置や、成膜室とは隔絶してプラズマを発生させるリモー
ト形式の装置を適用することも可能である。
【0116】次に本発明の第2の実施形態例を説明す
る。第2の実施形態例では、TaN のバリアメタル膜に対
して、還元性ガス(例えば、水素ガス)雰囲気(水素ガ
スプラズマ)で反応させることにより表層の窒素原子を
除去してバリアメタル膜の母材内部と比べて表層の窒素
含有量を相対的に低減させる表面処理(以下脱窒処理と
称する)を施したものである。これにより、一層のバリ
アメタル膜に対して表層に実質的に金属(Ta)の膜が形
成された状態とし、効率よくしかも薄膜の状態で金属の
拡散防止と金属との密着性を保持したバリアメタル膜が
作製される。尚、還元性ガスとしては、水素ガスの他に
窒素ガスを適用することが可能であり、また、一酸化炭
素ガスを適用することが可能である。一酸化炭素ガスを
適用した場合にはプラズマを発生させることなく一酸化
炭素ガス雰囲気中で脱窒処理が行なえる。
【0117】第2の実施形態例における具体的な装置構
成としては、基板とTa製の被エッチング部材との間にお
けるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガス(例え
ば、塩素含有ガス)を供給し、チャンバの内部をプラズ
マ化して塩素ガスプラズマを発生させ、塩素ガスプラズ
マで被エッチング部材をエッチングすることにより被エ
ッチング部材に含まれるTa成分と塩素ガスとの前駆体を
生成すると共に、窒素を含有する窒素含有ガスを励起
し、励起された窒素により前駆体との間で金属窒化物で
あるTaN を生成し、基板側の温度を低くしてTaN を基板
に成膜させてバリアメタル膜とするバリアメタル膜作製
装置を適用し、バリアメタル膜を作製した後にチャンバ
内で水素ガスプラズマ(もしくは窒素ガスプラズマ)を
発生させ、ラジカルな水素と窒素を反応させて脱窒処理
を施す構成とすることが可能である。つまり、例えば、
図12に示したバリアメタル膜作製装置を適用すること
が可能である。
【0118】また、第2の実施形態例における具体的な
装置構成としては、チャンバ内に塩素ガスを供給し、チ
ャンバの内部をプラズマ化して塩素ガスプラズマを発生
させ塩素ガスプラズマで銅(Cu)製の被エッチング部材を
エッチングすることにより被エッチング部材に含まれる
Cu成分と塩素との前駆体をチャンバの内部に生成し、基
板の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして基
板に前駆体のCu成分を成膜させる金属成膜装置を適用
し、TaN のバリアメタル膜が成膜された基板を収容し、
Cu成分を成膜する前に、チャンバ内で水素ガスプラズマ
(もしくは窒素ガスプラズマ)を発生させ、ラジカルな
水素と窒素を反応させて脱窒処理を施す構成とすること
が可能である。つまり、例えば、図2、図7、図10、
図11に示した金属膜作製装置を適用することが可能で
ある。
【0119】第2の実施形態例における金属膜作製方法
及び金属膜作製装置の実施例をCu−CVD104(図1
参照)に備えた場合を例に挙げて説明する。
【0120】図13には本発明の第6実施例に係る金属
膜作製装置の概念構成、図14には脱窒処理におけるバ
リアメタル膜の概念状況を示してある。尚、図示の金属
膜作製装置は、図2に示した第1実施例の金属膜作製装
置の概念構成であり、ノズル21から供給されるガスを
異ならせたものである。このため、金属膜作製装置にお
けるCu薄膜の成膜に関しては同一であるので説明は省略
してある。
【0121】図13に示すように、基板3の表面の上部
におけるチャンバ1内に還元性ガスとしての水素ガス
(H2ガス)を供給する還元性ガス供給手段としての還元
ガスノズル25が設けられている。還元ガスノズル25
からH2ガスを供給すると共にプラズマアンテナ9から電
磁波をチャンバ1内に入射することで、H2ガスがイオン
化されてH2ガスプラズマが発生するようになっている
(表面処理手段)。図示の金属膜作製装置に搬入される
基板3の表面には、TaN のバリアメタル膜23(図4参
照)が成膜されている。H2ガスプラズマを発生させるこ
とで、水素ラジカルH* が基板2の表層のTaN の窒素原
子(N) と反応してアンモニアNH3 が形成されて排出され
る。これにより、表層の窒素原子(N) が除去されてバリ
アメタル膜23の母材内部と比べて表層の窒素含有量を
相対的に低減させる処理(脱窒処理)が施される。
【0122】H2ガスプラズマを発生させて実施されるバ
リアメタル膜23(図4参照)の脱窒処理は、図2の第
1実施例で説明したCu薄膜16を生成する前に実施され
る。即ち、TaN のバリアメタル膜23(図4参照)が成
膜されている基板3が支持台2上に搬入されると、Cu薄
膜16(図2参照)の生成に先立って、還元ガスノズル
25からH2ガスを供給すると共に、プラズマアンテナ9
から電磁波をチャンバ1の内部に入射してH2ガスプラズ
マを発生させる。
【0123】H2ガスプラズマを発生させると、水素ラジ
カルH* が基板2の表層のTaN の窒素原子(N) と反応し
てアンモニアNH3 が形成されて排出される。水素ラジカ
ルH * は金属に影響せずに窒素原子(N) に対してのみ反
応し、アンモニアNH3 が形成される。つまり、N+3H
* →NH3の反応によりアンモニアNH3 が形成されて排出
される。
【0124】図14に示すように、バリアメタル膜23
はTaとN がアモルファス状態で混在し、水素ラジカルH
* がNと反応してアンモニアNH3 が形成されて排出さ
れ、バリアメタル膜23の表層(例えば、最大で全体膜
厚の半分:好ましくは1/3程度)が脱窒処理される。
これにより、図6に示すように、実質的にTaで構成され
る金属層23aとTaN 層23bとの二層構造のバリアメ
タル膜23の状態となる。この時、バリアメタル膜23
の全体の膜厚は一層で構成された膜厚のままである。
【0125】水素ラジカルH* は寿命が長く狭いところ
に入り込むので、チャンバ1内の圧力を低下させて密度
を下げたり、基板3の温度を制御することにより、水素
ラジカルH* を増加(互いに衝突しないようにする)さ
せたり、実質的にTaで構成される金属層23a(図6参
照)の深さを制御することができる。圧力の設定は、水
素ラジカルH* がどれくらいの距離で衝突せずに進行す
るかの値である平均自由工程(MFP)を大きくするこ
とで設定される。通常、プラズマの中心から基板3まで
の距離は装置により決まるため、平均自由工程を大きく
するために、チャンバ1内の圧力を下げて制御する。支
持台2が上下方向に移動可能な装置であれば、圧力を下
げることなく支持台2を上昇させてプラズマ中心に対し
て基板3を接近させ平均自由工程を相対的に大きくする
ことも可能である。
【0126】上述した金属膜作製装置では、バリアメタ
ル膜23が成膜された基板3が収容されるチャンバ1内
に水素ガスプラズマを発生させ、水素ラジカルH* と窒
素原子(N) と反応させてアンモニアNH3 を形成して排出
する脱窒処理を施したので、実質的にTaで構成される金
属層23a(図6参照)とTaN 層23b(図6参照)と
の二層構造のバリアメタル膜23の状態とすることがで
き、しかも、全体の膜厚を一層で構成された膜厚のまま
とすることができる。このため、バリアメタル膜23を
厚くすることなく二層構造状態にして金属層23a(図
6参照)によりCu薄膜16(図2参照)との密着性を保
持することができ、TaN 層23b(図6参照)によりCu
の拡散を防止することができる。このため、Cu薄膜16
(図2参照)を基板3への拡散をなくして密着性よく成
膜することができ、Cu配線プロセスを安定させることが
可能になる。しかも、極めて効率よく脱窒処理を行なう
ことができる。
【0127】尚、還元性ガスとして水素ガスを例に挙げ
て説明したが、水素雰囲気が使用できない金属膜作製装
置の場合、還元性ガスとして窒素ガスを使用することも
可能である。この場合、窒素ガスプラズマを発生させる
ことでN* とバリアメタル膜23の窒素原子(N) が反応
し、N+N* →N2 となって排出される。窒素ガスを使
用することで、還元性ガスの使用に制約があっても容易
に脱窒処理を行なうことができる。
【0128】また、還元性ガスとして一酸化炭素ガスを
使用することも可能である。この場合、プラズマを発生
させることなくそのままの雰囲気でCOとバリアメタル
膜23の窒素原子(N) が反応し、2N+2CO→2NN
+O2 となって排出される。一酸化炭素ガスを使用する
ことで、プラズマを発生させることなく基板3の温度制
御のみで脱窒処理を行なうことができ、消費電力の抑制
が可能となる。
【0129】上述した第6実施例は、図7、図10、図
11の第2実施例乃至第4実施例の金属膜作製装置に適
用することが可能である。また、図12に示した第5実
施例のバリア膜作製装置に適用することも可能である。
また、第1実施例乃至第5実施例のArガスプラズマを発
生させてAr+ で表面を平坦化する処理と、還元性ガスプ
ラズマによる脱窒処理とを組み合わせることも可能であ
る。この場合、Arガスと還元性ガスを混合してチャンバ
1内に供給してもよいし、Arガスと還元性ガスををシー
ケンシャルに供給してもよい。
【0130】次に本発明の第3の実施形態例を説明す
る。第3の実施形態例では、TaN のバリアメタル膜に対
して、シリコンを含有するガス(例えばシリコンの水素
化物であるシラン:SiH4)プラズマにより表面のエッチ
ングとシリコン原子の核の形成とを行なう処理を施した
ものである。異物ではないシリコンは金属に対して密着
性がよく、表面にシリコン原子の核を形成することによ
り、バリアメタル膜の金属と成膜される金属との密着性
を向上させることができる。これにより、効率よくしか
も性能低下をなくして金属の拡散防止と金属との密着性
を保持したバリアメタル膜が作製される。
【0131】尚、シリコンを含有するガスとしてはSiH4
ガスの他に、ジシラン(Si2H6 )ガス、トリシラン(Si
3H8 )ガスを適用することが可能であり、また、水素を
使用することはできない場合には、SiCl4 ガス、SiH2Cl
2 ガス、SiHCl3ガスを適用することが可能である。これ
らのガスは希ガスによって希釈して供給され、希釈比や
流量を制御したりプラズマのパワーを制御することで、
表面のエッチング深さとシリコン原子の核の大きさを制
御することができる。
【0132】第3の実施形態例における具体的な装置構
成としては、基板とTa製の被エッチング部材との間にお
けるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガス(例え
ば、塩素含有ガス)を供給し、チャンバの内部をプラズ
マ化して塩素ガスプラズマを発生させ、塩素ガスプラズ
マで被エッチング部材をエッチングすることにより被エ
ッチング部材に含まれるTa成分と塩素ガスとの前駆体を
生成すると共に、窒素を含有する窒素含有ガスを励起
し、励起された窒素により前駆体との間で金属窒化物で
あるTaN を生成し、基板側の温度を低くしてTaN を基板
に成膜させてバリアメタル膜とするバリアメタル膜作製
装置を適用し、バリアメタル膜を作製した後にチャンバ
内でシリコンを含有するガスであるSiH4ガスプラズマを
発生させ、Siの結晶粒を形成する構成とすることが可能
である。つまり、例えば、図12に示したバリアメタル
膜作製装置を適用することが可能である。
【0133】また、第3の実施形態例における具体的な
装置構成としては、チャンバ内に塩素ガスを供給し、チ
ャンバの内部をプラズマ化して塩素ガスプラズマを発生
させ塩素ガスプラズマで銅(Cu)製の被エッチング部材を
エッチングすることにより被エッチング部材に含まれる
Cu成分と塩素との前駆体をチャンバの内部に生成し、基
板の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして基
板に前駆体のCu成分を成膜させる金属成膜装置を適用
し、TaN のバリアメタル膜が成膜された基板を収容し、
Cu成分を成膜する前に、チャンバ内でシリコンを含有す
るガスであるSiH4ガスプラズマを発生させ、Siの結晶粒
を形成する構成とすることが可能である。つまり、例え
ば、図2、図7、図10、図11に示した金属膜作製装
置を適用することが可能である。
【0134】第3の実施形態例における金属膜作製方法
及び金属膜作製装置の実施例をCu−CVD104(図1
参照)に備えた場合を例に挙げて説明する。
【0135】図15には本発明の第7実施例に係る金属
膜作製装置の概念構成、図16にはSiの核の形成におけ
るバリアメタル膜の概念状況を示してある。尚、図示の
金属膜作製装置は、図2に示した第1実施例の金属膜作
製装置の概念構成であり、ノズル21から供給されるガ
スを異ならせたものである。このため、金属膜作製装置
におけるCu薄膜の成膜に関しては同一であるので説明は
省略してある。
【0136】図15に示すように、基板3の表面の上部
におけるチャンバ1内にシリコンを含有するガスである
シランガス(SiH4ガス)を供給するシリコン含有ガス供
給手段としてのシリコン含有ガスノズル28が設けられ
ている。シリコン含有ガスノズル28から水素希釈のSi
H4ガスを供給すると共にプラズマアンテナ9から電磁波
をチャンバ1内に入射することで、水素希釈のSiH4ガス
がイオン化されてSiH4ガスプラズマが発生するようにな
っている(表面処理プラズマ手段)。図示の金属膜作製
装置に搬入される基板3の表面には、TaN のバリアメタ
ル膜23(図4参照)が成膜されている。SiH4ガスプラ
ズマを発生させることで、Siの結晶粒及びH2 となり、
成膜されながらH2 のエッチング作用によりSiの結晶粒
が基板3の表層に核として形成される。
【0137】SiH4ガスプラズマを発生させてSiの核の形
成処理は、図2の第1実施例で説明したCu薄膜16を生
成する前に実施される。即ち、TaN のバリアメタル膜2
3(図4参照)が成膜されている基板3が支持台2上に
搬入されると、Cu薄膜16(図2参照)の生成に先立っ
て、シリコン含有ガスノズル28から水素希釈のSiH4
スを供給すると共に、プラズマアンテナ9から電磁波を
チャンバ1の内部に入射してSiH4ガスプラズマを発生さ
せる。尚、水素希釈のSiH4ガスの水素とSiH4との割合
は、例えば、SiH4/水素≦5/100に設定される。希
釈ガスとしては、水素に限らずアルゴン、ヘリウム、ネ
オン等その他の希ガスを適用することが可能である。
【0138】SiH4ガスプラズマを発生させると、SiH4
Si+H2の反応により、図16に示すように、成膜されな
がらH2 のエッチング作用によりSiの結晶粒がバリアメ
タル膜23の表層に核として形成される。Siの核の大き
さは、プラズマの諸条件や水素希釈の比率、ガス流量等
をを制御することで適宜制御することができる。尚、H
2 のエッチング作用によりバリアメタル膜23の窒素原
子(N) を除去して実質的にTaで構成される金属層23a
(図6参照)とTaN 層23b(図6参照)との二層構造
のバリアメタル膜23の状態とすることもできる。
【0139】SiH4ガスを水素希釈とすることで、Siの結
晶性を向上させることができ核を形成しやすくなってい
る。異物ではないSiはTa及びCuに対して密着性がよく、
バリアメタル膜23の表面にSiの核を形成することによ
り、バリアメタル膜23のTaと成膜されるCuとの密着性
を向上させることができる。これにより、効率よくしか
も性能低下をなくして金属の拡散防止と金属との密着性
を保持したバリアメタル膜23が作製される。
【0140】上述した金属膜作製装置では、バリアメタ
ル膜23が成膜された基板3が収容されるチャンバ1内
にSiH4ガスプラズマを発生させ、Siの結晶粒をバリアメ
タル膜23の表層に核として形成するようにしたので、
Ta及びCuに対して密着性をよくすることができる。この
ため、バリアメタル膜23を厚くすることなく密着性及
び耐拡散性よく成膜することができ、Cu配線プロセスを
安定させることが可能になる。
【0141】上述した第7実施例は、図7、図10、図
11の第2実施例乃至第4実施例の金属膜作製装置に適
用することが可能である。また、図12に示した第5実
施例のバリア膜作製装置に適用することも可能である。
また、第1実施例乃至第5実施例のArガスプラズマを発
生させてAr+ で表面を平坦化する処理と、Siの結晶粒を
バリアメタル膜23の表層に核として形成する処理とを
組み合わせることも可能である。この場合、SiH4ガスを
Arガスで希釈することで共通のノズルを使用することが
できると共に、Arガスの流量を制御することで表面を平
坦化する処理とSiの核の形成処理とを容易に切り換えて
実施することができる。
【0142】
【発明の効果】本発明の金属膜作製方法は、金属窒化物
のバリアメタル膜が成膜された基板の表面を処理する金
属膜作製方法において、表層の窒素原子を除去してバリ
アメタル膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対
的に低減させる表面処理を施すことにより表層に実質的
に金属層を形成するようにしたので、実質的な金属層と
金属窒化物の層とを一層の厚さで形成することができ、
極めて薄い状態で金属の拡散防止と金属との密着性を保
持したバリアメタル膜を作製することができる。この結
果、金属配線のプロセスを安定させることが可能にな
る。
【0143】本発明の金属膜は、基板の表面における金
属窒化物のバリアメタル膜が、表層の窒素原子が除去さ
れてバリアメタル膜の母材内部と比べて表層の窒素含有
量を相対的に低減させる表面処理が施されることにより
表層に実質的に金属層が形成されたので、実質的な金属
層と金属窒化物の層とを一層の厚さで形成され、極めて
薄い状態で金属の拡散防止と金属との密着性を保持した
バリアメタル膜を備え、金属配線のプロセスを安定させ
ることが可能な金属膜となる。
【0144】本発明の金属膜作製方法は、金属窒化物の
バリアメタル膜が成膜された基板の表面を処理する金属
膜作製方法において、希ガスプラズマで基板表面のバリ
アメタル膜をエッチングすることによりバリアメタル膜
を平坦化する表面処理を施すようにしたので、金属の拡
散防止と金属との密着性を保持したバリアメタル膜を作
製することができる。この結果、金属配線のプロセスを
安定させることが可能になる。
【0145】本発明の金属膜作製方法は、金属窒化物の
バリアメタル膜が成膜された基板の表面を処理する金属
膜作製方法において、希ガスプラズマで基板表面のバリ
アメタル膜をエッチングすることによりバリアメタル膜
を平坦化すると共に、希ガスプラズマで表層の窒素原子
を除去してバリアメタル膜の母材内部と比べて表層の窒
素含有量を相対的に低減させる表面処理を施すようにし
たので、実質的な金属層と金属窒化物の層とを一層の厚
さで形成することができ、極めて薄い状態で金属の拡散
防止と金属との密着性を保持したバリアメタル膜を作製
することができる。この結果、金属配線のプロセスを安
定させることが可能になる。
【0146】本発明の金属膜作製方法は、基板と金属製
の被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲ
ンを含有する原料ガスを供給し、チャンバの内部をプラ
ズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズ
マで被エッチング部材をエッチングすることにより被エ
ッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体
を生成すると共に、基板が収容されるチャンバとは隔絶
して窒素を含有する窒素含有ガスを励起し、励起された
窒素により前駆体との間で金属窒化物を生成し、基板側
の温度を生成手段側の温度よりも低くして金属窒化物を
基板に成膜させてバリアメタル膜とし、希ガスプラズマ
で基板表面のバリアメタル膜をエッチングすることによ
りバリアメタル膜を平坦化する表面処理を施すようにし
たので、バリアメタル膜を作製した後に金属の拡散防止
と金属との密着性を保持した処理を施したバリアメタル
膜を作製することができる。この結果、金属配線のプロ
セスを安定させることが可能になる。
【0147】本発明の金属膜作製方法は、基板と金属製
の被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲ
ンを含有する原料ガスを供給し、チャンバの内部をプラ
ズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズ
マで被エッチング部材をエッチングすることにより被エ
ッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体
を生成すると共に、基板が収容されるチャンバとは隔絶
して窒素を含有する窒素含有ガスを励起し、励起された
窒素により前駆体との間で金属窒化物を生成し、基板側
の温度を生成手段側の温度よりも低くして金属窒化物を
基板に成膜させてバリアメタル膜とし、希ガスプラズマ
で基板表面のバリアメタル膜をエッチングすることによ
りバリアメタル膜を平坦化すると共に、希ガスプラズマ
で表層の窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材内部
と比べて表層の窒素含有量を相対的に低減させる表面処
理を施すようにしたので、バリアメタル膜を作製した後
に実質的な金属層と金属窒化物の層とを一層の厚さで形
成することができ、極めて薄い状態で金属の拡散防止と
金属との密着性を保持したバリアメタル膜を作製するこ
とができる。この結果、金属配線のプロセスを安定させ
ることが可能になる。
【0148】本発明の金属膜作製方法は、金属窒化物の
バリアメタル膜が成膜された基板が収容されるチャンバ
内に希ガスプラズマを発生させ、希ガスプラズマで基板
表面のバリアメタル膜をエッチングすることによりバリ
アメタル膜を平坦化する表面処理を施した後、チャンバ
内にハロゲンを含有する原料ガスを供給し、チャンバの
内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料
ガスプラズマで金属製の被エッチング部材をエッチング
することにより被エッチング部材に含まれる金属成分と
原料との前駆体をチャンバの内部に生成し、基板の温度
を被エッチング部材側の温度よりも低くしてバリアメタ
ル膜が平坦化された基板に前駆体の金属成分を成膜させ
るようにしたので、金属の拡散防止と金属との密着性を
保持した処理を施したバリアメタル膜を作製して金属を
成膜することができる。この結果、金属配線のプロセス
を安定させることが可能になる。
【0149】本発明の金属膜作製方法は、金属窒化物の
バリアメタル膜が成膜された基板が収容されるチャンバ
内に希ガスプラズマを発生させ、希ガスプラズマで基板
表面のバリアメタル膜をエッチングすることによりバリ
アメタル膜を平坦化すると共に、希ガスプラズマで表層
の窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材内部と比べ
て表層の窒素含有量を相対的に低減させる表面処理を施
した後、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供
給し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズ
マを発生させ原料ガスプラズマで金属製の被エッチング
部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含
まれる金属成分と原料との前駆体をチャンバの内部に生
成し、基板の温度を被エッチング部材側の温度よりも低
くして、バリアメタル膜が平坦化されると共に表層の窒
素含有量を相対的に低減された基板に前駆体の金属成分
を成膜させるようにしたので、実質的な金属層と金属窒
化物の層とを一層の厚さで形成することができ、極めて
薄い状態で金属の拡散防止と金属との密着性を保持した
バリアメタル膜を作製して金属を成膜することができ
る。この結果、金属配線のプロセスを安定させることが
可能になる。
【0150】そして、バリアメタル膜を平坦化すると共
に表層の窒素含有量を相対的に低減させた後に表層の金
属原子を密状態にする密状態処理を施すようにしたの
で、金属膜の成分の拡散を確実に防止することができ
る。
【0151】また、希ガスプラズマは、アルゴンガスプ
ラズマであるので、安価なガスを用いて確実に処理を施
すことが可能になる。
【0152】本発明の金属膜作製装置は、基板が収容さ
れるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバ
に設けられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エ
ッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含
有する原料ガスを供給するハロゲンガス供給手段と、チ
ャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生
させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチング
することにより被エッチング部材に含まれる金属成分と
原料ガスとの前駆体を生成するバリアプラズマ発生手段
と、窒素を含有する窒素含有ガスをチャンバとは隔絶し
て励起する励起手段と、励起手段で励起された窒素によ
り前駆体との間で金属窒化物を生成する生成手段と、基
板側の温度を生成手段側の温度よりも低くして金属窒化
物を基板に成膜させてバリアメタル膜とする制御手段
と、基板表面の上部に希ガスを供給する希ガス供給手段
と、チャンバの内部をプラズマ化して希ガスプラズマを
発生させ、希ガスプラズマで基板表面のバリアメタル膜
をエッチングすることによりバリアメタル膜を平坦化す
る表面処理プラズマ発生手段とを備えたので、金属の拡
散防止と金属との密着性を保持した処理を施したバリア
メタル膜を作製することができる。この結果、金属配線
のプロセスを安定させることが可能になる。
【0153】本発明の金属膜作製装置は、基板が収容さ
れるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバ
に設けられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エ
ッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含
有する原料ガスを供給するハロゲンガス供給手段と、チ
ャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生
させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチング
することにより被エッチング部材に含まれる金属成分と
原料ガスとの前駆体を生成するバリアプラズマ発生手段
と、窒素を含有する窒素含有ガスをチャンバとは隔絶し
て励起する励起手段と、励起手段で励起された窒素によ
り前駆体との間で金属窒化物を生成する生成手段と、基
板側の温度を生成手段側の温度よりも低くして金属窒化
物を基板に成膜させてバリアメタル膜とする制御手段
と、基板表面の上部に希ガスを供給する希ガス供給手段
と、チャンバの内部をプラズマ化して希ガスプラズマを
発生させ、希ガスプラズマで基板表面のバリアメタル膜
をエッチングすることによりバリアメタル膜を平坦化す
ると共に、希ガスプラズマで表層の窒素原子を除去して
バリアメタル膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量を
相対的に低減させる表面処理を施す表面処理プラズマ発
生手段とを備えたので、実質的な金属層と金属窒化物の
層とを一層の厚さで形成することができ、極めて薄い状
態で金属の拡散防止と金属との密着性を保持したバリア
メタル膜を作製することができる。この結果、金属配線
のプロセスを安定させることが可能になる。
【0154】本発明の金属膜作製装置は、金属窒化物の
バリアメタル膜が成膜された基板が収容されるチャンバ
と、基板表面の上部におけるチャンバ内に希ガスを供給
する希ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化し
て希ガスプラズマを発生させ、希ガスプラズマで基板表
面のバリアメタル膜をエッチングすることによりバリア
メタル膜を平坦化する表面処理プラズマ発生手段と、チ
ャンバ内に備えられる金属製の被エッチング部材と、基
板と被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロ
ゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段
と、ハロゲンを含有する原料ガスをプラズマ化して原料
ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチン
グ部材をエッチングすることにより被エッチング部材に
含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラ
ズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の
温度よりも低くして前駆体の金属成分を平坦化されたバ
リアメタル膜の上に成膜させる制御手段とを備えたの
で、金属の拡散防止と金属との密着性を保持した処理を
施したバリアメタル膜を作製して金属膜を成膜すること
ができる。この結果、金属配線のプロセスを安定させる
ことが可能になる。
【0155】本発明の金属膜作製装置は、金属窒化物の
バリアメタル膜が成膜された基板が収容されるチャンバ
と、基板表面の上部におけるチャンバ内に希ガスを供給
する希ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化し
て希ガスプラズマを発生させ、希ガスプラズマで基板表
面のバリアメタル膜をエッチングすることによりバリア
メタル膜を平坦化すると共に、希ガスプラズマで表層の
窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材内部と比べて
表層の窒素含有量を相対的に低減させる表面処理プラズ
マ発生手段と、チャンバ内に備えられる金属製の被エッ
チング部材と、基板と被エッチング部材との間における
チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原
料ガス供給手段と、ハロゲンを含有する原料ガスをプラ
ズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズ
マで被エッチング部材をエッチングすることにより被エ
ッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体
を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッ
チング部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分
を、平坦化されると共に表層の窒素含有量が相対的に低
減されたバリアメタル膜の上に成膜させる制御手段とを
備えたので、実質的な金属層と金属窒化物の層とを一層
の厚さで形成することができ、極めて薄い状態で金属の
拡散防止と金属との密着性を保持したバリアメタル膜を
作製して金属膜を成膜することができる。この結果、金
属配線のプロセスを安定させることが可能になる。
【0156】そして、バリアメタル膜を平坦化すると共
に表層の窒素含有量を相対的に低減させた後に表層の金
属原子を密状態にする密状態処理手段を備えたので、金
属膜の成分の拡散を確実に防止することができる。
【0157】また、希ガスプラズマは、アルゴンガスプ
ラズマであるので、安価なガスを用いて確実に処理を施
すことが可能になる。
【0158】本発明の金属膜は、基板の表面における金
属窒化物のバリアメタル膜が、希ガスプラズマによりエ
ッチングされることにより平坦化されたので、密着性を
保持したバリアメタル膜を備え、金属配線のプロセスを
安定させることが可能な金属膜となる。
【0159】本発明の金属膜は、基板の表面における金
属窒化物のバリアメタル膜が、希ガスプラズマによりエ
ッチングされることにより平坦化されると共に、希ガス
プラズマにより表層の窒素原子を除去してバリアメタル
膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対的に低減
させる表面処理が施されたので、実質的な金属層と金属
窒化物の層とを一層の厚さで形成され、極めて薄い状態
で金属の拡散防止と金属との密着性を保持したバリアメ
タル膜を備え、金属配線のプロセスを安定させることが
可能な金属膜となる。
【0160】本発明の金属膜作製方法は、金属窒化物の
バリアメタル膜が成膜された基板の表面を処理する金属
膜作製方法において、基板表面のバリアメタル膜を還元
性ガス雰囲気で反応させることにより表層の窒素原子を
除去してバリアメタル膜の母材内部と比べて表層の窒素
含有量を相対的に低減させる表面処理を施すようにした
ので、実質的な金属層と金属窒化物の層とを一層の厚さ
で形成され、極めて薄い状態で金属の拡散防止と金属と
の密着性を保持したバリアメタル膜を作製することがで
きる。この結果、金属配線のプロセスを安定させること
が可能となる。
【0161】本発明の金属膜作製方法は、基板と金属製
の被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲ
ンを含有する原料ガスを供給し、チャンバの内部をプラ
ズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズ
マで被エッチング部材をエッチングすることにより被エ
ッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体
を生成すると共に、基板が収容されるチャンバとは隔絶
して窒素を含有する窒素含有ガスを励起し、励起された
窒素により前駆体との間で金属窒化物を生成し、基板側
の温度を生成手段側の温度よりも低くして金属窒化物を
基板に成膜させてバリアメタル膜とし、基板表面のバリ
アメタル膜を還元性ガス雰囲気で反応させることにより
表層の窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材内部と
比べて表層の窒素含有量を相対的に低減させる表面処理
を施すようにしたので、実質的な金属層と金属窒化物の
層とを一層の厚さで形成され、極めて薄い状態で金属の
拡散防止と金属との密着性を保持したバリアメタル膜を
作製することができる。この結果、金属配線のプロセス
を安定させることが可能となる。
【0162】本発明の金属膜作製方法は、金属窒化物の
バリアメタル膜が成膜された基板が収容されるチャンバ
内で、基板表面のバリアメタル膜を還元性ガス雰囲気で
反応させることにより表層の窒素原子を除去してバリア
メタル膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対的
に低減させる表面処理を施した後、チャンバ内にハロゲ
ンを含有する原料ガスを供給し、チャンバの内部をプラ
ズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズ
マで金属製の被エッチング部材をエッチングすることに
より被エッチング部材に含まれる金属成分と原料との前
駆体をチャンバの内部に生成し、基板の温度を被エッチ
ング部材側の温度よりも低くしてバリアメタル膜が平坦
化された基板に前駆体の金属成分を成膜させるようにし
たので、実質的な金属層と金属窒化物の層とを一層の厚
さで形成され、極めて薄い状態で金属の拡散防止と金属
との密着性を保持したバリアメタル膜を作製して金属膜
を成膜することができる。この結果、金属配線のプロセ
スを安定させることが可能となる。
【0163】本発明の金属膜作製装置は、基板が収容さ
れるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバ
に設けられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エ
ッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含
有する原料ガスを供給するハロゲンガス供給手段と、チ
ャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生
させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチング
することにより被エッチング部材に含まれる金属成分と
原料ガスとの前駆体を生成するバリアプラズマ発生手段
と、窒素を含有する窒素含有ガスをチャンバとは隔絶し
て励起する励起手段と、励起手段で励起された窒素によ
り前駆体との間で金属窒化物を生成する生成手段と、基
板側の温度を生成手段側の温度よりも低くして金属窒化
物を基板に成膜させてバリアメタル膜とする制御手段
と、基板表面の上部に還元性ガスを供給する還元性ガス
供給手段と、基板表面のバリアメタル膜を還元性ガス雰
囲気で反応させることにより表層の窒素原子を除去して
バリアメタル膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量を
相対的に低減させる表面処理手段とを備えたので、実質
的な金属層と金属窒化物の層とを一層の厚さで形成さ
れ、極めて薄い状態で金属の拡散防止と金属との密着性
を保持したバリアメタル膜を作製することができる。こ
の結果、金属配線のプロセスを安定させることが可能と
なる。
【0164】本発明の金属膜作製装置は、金属窒化物の
バリアメタル膜が成膜された基板が収容されるチャンバ
と、基板表面の上部に還元性ガスを供給する還元性ガス
供給手段と、基板表面のバリアメタル膜を還元性ガス雰
囲気で反応させることにより表層の窒素原子を除去して
バリアメタル膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量を
相対的に低減させる表面処理手段と、チャンバ内に備え
られる金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチン
グ部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する
原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、ハロゲンを含
有する原料ガスをプラズマ化して原料ガスプラズマを発
生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチン
グすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分
と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くし
て前駆体の金属成分を表層の窒素含有量を相対的に低減
させたバリアメタル膜の上に成膜させる制御手段とを備
えたので、実質的な金属層と金属窒化物の層とを一層の
厚さで形成され、極めて薄い状態で金属の拡散防止と金
属との密着性を保持したバリアメタル膜を作製して金属
膜を成膜することができる。この結果、金属配線のプロ
セスを安定させることが可能となる。
【0165】本発明の金属膜は、基板の表面における金
属窒化物のバリアメタル膜が、還元性ガス雰囲気で反応
させることにより表層の窒素原子を除去してバリアメタ
ル膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対的に低
減させる表面処理が施されたので、実質的な金属層と金
属窒化物の層とを一層の厚さで形成され、極めて薄い状
態で金属の拡散防止と金属との密着性を保持したバリア
メタル膜を備え、金属配線のプロセスを安定させること
が可能な金属膜となる。
【0166】本発明の金属膜作製方法は、金属窒化物の
バリアメタル膜が成膜された基板の表面を処理する金属
膜作製方法において、シリコンを含有するガスプラズマ
により基板表面のバリアメタル膜の表面にシリコン原子
の核を形成する表面処理を施すようにしたので、極めて
薄い状態で金属との密着性を保持したバリアメタル膜を
作製することができる。この結果、金属配線のプロセス
を安定させることが可能となる。
【0167】本発明の金属膜作製方法は、基板と金属製
の被エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲ
ンを含有する原料ガスを供給し、チャンバの内部をプラ
ズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズ
マで被エッチング部材をエッチングすることにより被エ
ッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体
を生成すると共に、基板が収容されるチャンバとは隔絶
して窒素を含有する窒素含有ガスを励起し、励起された
窒素により前駆体との間で金属窒化物を生成し、基板側
の温度を生成手段側の温度よりも低くして金属窒化物を
基板に成膜させてバリアメタル膜とし、シリコンを含有
するガスプラズマにより基板表面のバリアメタル膜の表
面にシリコン原子の核を形成する表面処理を施すように
したので、極めて薄い状態で金属との密着性を保持した
バリアメタル膜を作製することができる。この結果、金
属配線のプロセスを安定させることが可能となる。
【0168】本発明の金属膜作製方法は、金属窒化物の
バリアメタル膜が成膜された基板が収容されるチャンバ
内で、シリコンを含有するガスプラズマにより基板表面
のバリアメタル膜の表面にシリコン原子の核を形成する
表面処理を施した後、チャンバ内にハロゲンを含有する
原料ガスを供給し、チャンバの内部をプラズマ化して原
料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで金属製の
被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチ
ング部材に含まれる金属成分と原料との前駆体をチャン
バの内部に生成し、基板の温度を被エッチング部材側の
温度よりも低くしてバリアメタル膜の表面にシリコン原
子の核を形成された基板に前駆体の金属成分を成膜させ
るようにしたので、極めて薄い状態で金属との密着性を
保持したバリアメタル膜を作製し金属膜を成膜すること
ができる。この結果、金属配線のプロセスを安定させる
ことが可能となる。
【0169】本発明の金属膜作製装置は、基板が収容さ
れるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバ
に設けられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エ
ッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含
有する原料ガスを供給するハロゲンガス供給手段と、チ
ャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生
させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチング
することにより被エッチング部材に含まれる金属成分と
原料ガスとの前駆体を生成するバリアプラズマ発生手段
と、窒素を含有する窒素含有ガスをチャンバとは隔絶し
て励起する励起手段と、励起手段で励起された窒素によ
り前駆体との間で金属窒化物を生成する生成手段と、基
板側の温度を生成手段側の温度よりも低くして金属窒化
物を基板に成膜させてバリアメタル膜とする制御手段
と、基板表面の上部にシリコンを含有するガスを供給す
るシリコン含有ガス供給手段と、シリコンを含有するガ
スプラズマを発生させ、基板表面のバリアメタル膜の表
面にシリコン原子の核を形成する表面処理プラズマ発生
手段とを備えたので、極めて薄い状態で金属との密着性
を保持したバリアメタル膜を作製することができる。こ
の結果、金属配線のプロセスを安定させることが可能と
なる。
【0170】本発明の金属膜作製装置は、金属窒化物の
バリアメタル膜が成膜された基板が収容されるチャンバ
と、基板表面の上部にシリコンを含有するガスを供給す
るシリコン含有ガス供給手段と、シリコンを含有するガ
スプラズマを発生させ、基板表面のバリアメタル膜の表
面にシリコン原子の核を形成する表面処理プラズマ発生
手段と、チャンバ内に備えられる金属製の被エッチング
部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチャン
バ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス
供給手段と、ハロゲンを含有する原料ガスをプラズマ化
して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被
エッチング部材をエッチングすることにより被エッチン
グ部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成
するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング
部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を表面に
シリコン原子の核を形成させたバリアメタル膜の上に成
膜させる制御手段とを備えたので、極めて薄い状態で金
属との密着性を保持したバリアメタル膜を作製し金属膜
を成膜することができる。この結果、金属配線のプロセ
スを安定させることが可能となる。
【0171】本発明の金属膜は、基板の表面における金
属窒化物のバリアメタル膜が、シリコンを含有するガス
プラズマにより基板表面のバリアメタル膜の表面にシリ
コン原子の核が形成された表面処理が施されたので、極
めて薄い状態で金属との密着性を保持したバリアメタル
膜を備え、金属配線のプロセスを安定させることが可能
な金属膜となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成膜工程装置の概要図。
【図2】本発明の第1実施例に係る金属膜作製装置の概
略側面図。
【図3】希ガス供給手段の他の例を表す概略構成図。
【図4】バリアメタル膜を説明する基板の断面図。
【図5】脱窒処理におけるバリアメタル膜の概念図。
【図6】脱窒処理におけるバリアメタル膜の概念図。
【図7】本発明の第2実施例に係る金属膜作製装置の概
略側面図。
【図8】図7中のVIII-VIII 線矢視図。
【図9】図8中のIX-IX 線矢視図。
【図10】本発明の第3実施例に係る金属膜作製装置の
概略側面図。
【図11】本発明の第4実施例に係る金属膜作製装置の
概略側面図。
【図12】本発明の第5実施例に係る金属膜作製装置の
概略側面図。
【図13】本発明の第6実施例に係る金属膜作製装置の
概念構成図。
【図14】脱窒処理におけるバリアメタル膜の概念図。
【図15】本発明の第7実施例に係る金属膜作製装置の
概念構成図。
【図16】Siの核の形成におけるバリアメタル膜の概念
図。
【符号の説明】
1,51 チャンバ 2,52 支持台 3,53 基板 4,54 ヒータ 5,55 冷媒流通手段 6,56 温度制御手段 7 銅板部材 8,58 真空装置 9,36,45,59,67 プラズマアンテナ 10,37,48,60,68 整合器 11,38,49,61,69 電源 12,21,62 ノズル 13,46,63,70 流量制御器 14,47,71 Cl2 ガスプラズマ 15,72 前駆体 16 Cu薄膜 20 バイアス電源 22 制御弁 23 バリアメタル膜 25 還元ガスノズル 30 天井板 31,41 被エッチング部材 32 リング部 33 突起部 42,64 開口部 43,65 通路 44,66 励起室 57 金属部材 73 NH3 ガスプラズマ 74 NH薄膜 76 希ガスプラズマ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西森 年彦 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 八幡 直樹 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 Fターム(参考) 4M104 BB04 BB30 BB32 BB33 DD44 DD89 FF18 HH08 5F033 HH04 HH07 HH11 HH13 HH14 HH18 HH19 HH21 HH32 HH33 HH34 LL09 MM08 MM13 PP06 QQ00 QQ14 XX13

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属窒化物のバリアメタル膜が成膜され
    た基板の表面を処理する金属膜作製方法において、表層
    の窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材内部と比べ
    て表層の窒素含有量を相対的に低減させる表面処理を施
    すことにより表層に実質的に金属層を形成することを特
    徴とする金属膜作製方法。
  2. 【請求項2】 基板の表面における金属窒化物のバリア
    メタル膜が、表層の窒素原子が除去されてバリアメタル
    膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対的に低減
    させる表面処理が施されることにより表層に実質的に金
    属層が形成されたことを特徴とする金属膜。
  3. 【請求項3】 金属窒化物のバリアメタル膜が成膜され
    た基板の表面を処理する金属膜作製方法において、希ガ
    スプラズマで基板表面のバリアメタル膜をエッチングす
    ることによりバリアメタル膜を平坦化する表面処理を施
    すことを特徴とする金属膜作製方法。
  4. 【請求項4】 金属窒化物のバリアメタル膜が成膜され
    た基板の表面を処理する金属膜作製方法において、希ガ
    スプラズマで基板表面のバリアメタル膜をエッチングす
    ることによりバリアメタル膜を平坦化すると共に、希ガ
    スプラズマで表層の窒素原子を除去してバリアメタル膜
    の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対的に低減さ
    せる表面処理を施すことを特徴とする金属膜作製方法。
  5. 【請求項5】 基板と金属製の被エッチング部材との間
    におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供
    給し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズ
    マを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエ
    ッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金
    属成分と原料ガスとの前駆体を生成すると共に、基板が
    収容されるチャンバとは隔絶して窒素を含有する窒素含
    有ガスを励起し、励起された窒素により前駆体との間で
    金属窒化物を生成し、基板側の温度を生成手段側の温度
    よりも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバリアメ
    タル膜とし、希ガスプラズマで基板表面のバリアメタル
    膜をエッチングすることによりバリアメタル膜を平坦化
    する表面処理を施すことを特徴とする金属膜作製方法。
  6. 【請求項6】 基板と金属製の被エッチング部材との間
    におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供
    給し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズ
    マを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエ
    ッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金
    属成分と原料ガスとの前駆体を生成すると共に、基板が
    収容されるチャンバとは隔絶して窒素を含有する窒素含
    有ガスを励起し、励起された窒素により前駆体との間で
    金属窒化物を生成し、基板側の温度を生成手段側の温度
    よりも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバリアメ
    タル膜とし、希ガスプラズマで基板表面のバリアメタル
    膜をエッチングすることによりバリアメタル膜を平坦化
    すると共に、希ガスプラズマで表層の窒素原子を除去し
    てバリアメタル膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量
    を相対的に低減させる表面処理を施すことを特徴とする
    金属膜作製方法。
  7. 【請求項7】 金属窒化物のバリアメタル膜が成膜され
    た基板が収容されるチャンバ内に希ガスプラズマを発生
    させ、希ガスプラズマで基板表面のバリアメタル膜をエ
    ッチングすることによりバリアメタル膜を平坦化する表
    面処理を施した後、チャンバ内にハロゲンを含有する原
    料ガスを供給し、チャンバの内部をプラズマ化して原料
    ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで金属製の被
    エッチング部材をエッチングすることにより被エッチン
    グ部材に含まれる金属成分と原料との前駆体をチャンバ
    の内部に生成し、基板の温度を被エッチング部材側の温
    度よりも低くしてバリアメタル膜が平坦化された基板に
    前駆体の金属成分を成膜させることを特徴とする金属膜
    作製方法。
  8. 【請求項8】 金属窒化物のバリアメタル膜が成膜され
    た基板が収容されるチャンバ内に希ガスプラズマを発生
    させ、希ガスプラズマで基板表面のバリアメタル膜をエ
    ッチングすることによりバリアメタル膜を平坦化すると
    共に、希ガスプラズマで表層の窒素原子を除去してバリ
    アメタル膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対
    的に低減させる表面処理を施した後、チャンバ内にハロ
    ゲンを含有する原料ガスを供給し、チャンバの内部をプ
    ラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラ
    ズマで金属製の被エッチング部材をエッチングすること
    により被エッチング部材に含まれる金属成分と原料との
    前駆体をチャンバの内部に生成し、基板の温度を被エッ
    チング部材側の温度よりも低くして、バリアメタル膜が
    平坦化されると共に表層の窒素含有量を相対的に低減さ
    れた基板に前駆体の金属成分を成膜させることを特徴と
    する金属膜作製方法。
  9. 【請求項9】 請求項3もしくは請求項5もしくは請求
    項7のいずれか一項において、バリアメタル膜を平坦化
    すると共に表層の窒素含有量を相対的に低減させた後に
    表層の金属原子を密状態にする密状態処理を施すことを
    特徴とする金属膜作製方法。
  10. 【請求項10】 請求項3乃至請求項9のいずれか一項
    において、希ガスプラズマは、アルゴンガスプラズマで
    あることを特徴とする金属膜作製方法。
  11. 【請求項11】 請求項3乃至請求項10のいずれか一
    項において、金属窒化物は、窒化タンタルもしくは窒化
    タングステンもしくは窒化チタンであることを特徴とす
    る金属膜作製方法。
  12. 【請求項12】 基板が収容されるチャンバと、基板に
    対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被
    エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間にお
    けるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給す
    るハロゲンガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ
    化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで
    被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチ
    ング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生
    成するバリアプラズマ発生手段と、窒素を含有する窒素
    含有ガスをチャンバとは隔絶して励起する励起手段と、
    励起手段で励起された窒素により前駆体との間で金属窒
    化物を生成する生成手段と、基板側の温度を生成手段側
    の温度よりも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバ
    リアメタル膜とする制御手段と、基板表面の上部に希ガ
    スを供給する希ガス供給手段と、チャンバの内部をプラ
    ズマ化して希ガスプラズマを発生させ、希ガスプラズマ
    で基板表面のバリアメタル膜をエッチングすることによ
    りバリアメタル膜を平坦化する表面処理プラズマ発生手
    段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  13. 【請求項13】 基板が収容されるチャンバと、基板に
    対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被
    エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間にお
    けるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給す
    るハロゲンガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ
    化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで
    被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチ
    ング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生
    成するバリアプラズマ発生手段と、窒素を含有する窒素
    含有ガスをチャンバとは隔絶して励起する励起手段と、
    励起手段で励起された窒素により前駆体との間で金属窒
    化物を生成する生成手段と、基板側の温度を生成手段側
    の温度よりも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバ
    リアメタル膜とする制御手段と、基板表面の上部に希ガ
    スを供給する希ガス供給手段と、チャンバの内部をプラ
    ズマ化して希ガスプラズマを発生させ、希ガスプラズマ
    で基板表面のバリアメタル膜をエッチングすることによ
    りバリアメタル膜を平坦化すると共に、希ガスプラズマ
    で表層の窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材内部
    と比べて表層の窒素含有量を相対的に低減させる表面処
    理を施す表面処理プラズマ発生手段とを備えたことを特
    徴とする金属膜作製装置。
  14. 【請求項14】 金属窒化物のバリアメタル膜が成膜さ
    れた基板が収容されるチャンバと、基板表面の上部にお
    けるチャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
    チャンバの内部をプラズマ化して希ガスプラズマを発生
    させ、希ガスプラズマで基板表面のバリアメタル膜をエ
    ッチングすることによりバリアメタル膜を平坦化する表
    面処理プラズマ発生手段と、チャンバ内に備えられる金
    属製の被エッチング部材と、基板と被エッチング部材と
    の間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガス
    を供給する原料ガス供給手段と、ハロゲンを含有する原
    料ガスをプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原
    料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングするこ
    とにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガ
    スとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の
    温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして前駆体
    の金属成分を平坦化されたバリアメタル膜の上に成膜さ
    せる制御手段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装
    置。
  15. 【請求項15】 金属窒化物のバリアメタル膜が成膜さ
    れた基板が収容されるチャンバと、基板表面の上部にお
    けるチャンバ内に希ガスを供給する希ガス供給手段と、
    チャンバの内部をプラズマ化して希ガスプラズマを発生
    させ、希ガスプラズマで基板表面のバリアメタル膜をエ
    ッチングすることによりバリアメタル膜を平坦化すると
    共に、希ガスプラズマで表層の窒素原子を除去してバリ
    アメタル膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対
    的に低減させる表面処理プラズマ発生手段と、チャンバ
    内に備えられる金属製の被エッチング部材と、基板と被
    エッチング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを
    含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、ハロ
    ゲンを含有する原料ガスをプラズマ化して原料ガスプラ
    ズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材を
    エッチングすることにより被エッチング部材に含まれる
    金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生
    手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度より
    も低くして前駆体の金属成分を、平坦化されると共に表
    層の窒素含有量が相対的に低減されたバリアメタル膜の
    上に成膜させる制御手段とを備えたことを特徴とする金
    属膜作製装置。
  16. 【請求項16】 請求項13もしくは請求項15におい
    て、バリアメタル膜を平坦化すると共に表層の窒素含有
    量を相対的に低減させた後に表層の金属原子を密状態に
    する密状態処理手段を備えたことを特徴とする金属膜作
    製装置。
  17. 【請求項17】 請求項12乃至請求項16のいずれか
    一項において、希ガスプラズマは、アルゴンガスプラズ
    マであることを特徴とする金属膜作製装置。
  18. 【請求項18】 請求項12乃至請求項17のいずれか
    一項において、金属窒化物は、窒化タンタルもしくは窒
    化タングステンもしくは窒化チタンであることを特徴と
    する金属膜作製装置。
  19. 【請求項19】 基板の表面における金属窒化物のバリ
    アメタル膜が、希ガスプラズマによりエッチングされる
    ことにより平坦化されたことを特徴とする金属膜。
  20. 【請求項20】 基板の表面における金属窒化物のバリ
    アメタル膜が、希ガスプラズマによりエッチングされる
    ことにより平坦化されると共に、希ガスプラズマにより
    表層の窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材内部と
    比べて表層の窒素含有量を相対的に低減させる表面処理
    が施されたことを特徴とする金属膜。
  21. 【請求項21】 金属窒化物のバリアメタル膜が成膜さ
    れた基板の表面を処理する金属膜作製方法において、基
    板表面のバリアメタル膜を還元性ガス雰囲気で反応させ
    ることにより表層の窒素原子を除去してバリアメタル膜
    の母材内部と比べて表層の窒素含有量を相対的に低減さ
    せる表面処理を施すことを特徴とする金属膜作製方法。
  22. 【請求項22】 基板と金属製の被エッチング部材との
    間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを
    供給し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラ
    ズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材を
    エッチングすることにより被エッチング部材に含まれる
    金属成分と原料ガスとの前駆体を生成すると共に、基板
    が収容されるチャンバとは隔絶して窒素を含有する窒素
    含有ガスを励起し、励起された窒素により前駆体との間
    で金属窒化物を生成し、基板側の温度を生成手段側の温
    度よりも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバリア
    メタル膜とし、基板表面のバリアメタル膜を還元性ガス
    雰囲気で反応させることにより表層の窒素原子を除去し
    てバリアメタル膜の母材内部と比べて表層の窒素含有量
    を相対的に低減させる表面処理を施すことを特徴とする
    金属膜作製方法。
  23. 【請求項23】 金属窒化物のバリアメタル膜が成膜さ
    れた基板が収容されるチャンバ内で、基板表面のバリア
    メタル膜を還元性ガス雰囲気で反応させることにより表
    層の窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材内部と比
    べて表層の窒素含有量を相対的に低減させる表面処理を
    施した後、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを
    供給し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラ
    ズマを発生させ原料ガスプラズマで金属製の被エッチン
    グ部材をエッチングすることにより被エッチング部材に
    含まれる金属成分と原料との前駆体をチャンバの内部に
    生成し、基板の温度を被エッチング部材側の温度よりも
    低くしてバリアメタル膜が平坦化された基板に前駆体の
    金属成分を成膜させることを特徴とする金属膜作製方
    法。
  24. 【請求項24】 請求項21乃至請求項23のいずれか
    一項において、還元性ガス雰囲気は、水素ガスプラズマ
    であることを特徴とする金属膜作製方法。
  25. 【請求項25】 請求項21乃至請求項24のいずれか
    一項において、金属窒化物は、窒化タンタルもしくは窒
    化タングステンもしくは窒化チタンであることを特徴と
    する金属膜作製方法。
  26. 【請求項26】 基板が収容されるチャンバと、基板に
    対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被
    エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間にお
    けるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給す
    るハロゲンガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ
    化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで
    被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチ
    ング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生
    成するバリアプラズマ発生手段と、窒素を含有する窒素
    含有ガスをチャンバとは隔絶して励起する励起手段と、
    励起手段で励起された窒素により前駆体との間で金属窒
    化物を生成する生成手段と、基板側の温度を生成手段側
    の温度よりも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバ
    リアメタル膜とする制御手段と、基板表面の上部に還元
    性ガスを供給する還元性ガス供給手段と、基板表面のバ
    リアメタル膜を還元性ガス雰囲気で反応させることによ
    り表層の窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材内部
    と比べて表層の窒素含有量を相対的に低減させる表面処
    理手段とを備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  27. 【請求項27】 金属窒化物のバリアメタル膜が成膜さ
    れた基板が収容されるチャンバと、基板表面の上部に還
    元性ガスを供給する還元性ガス供給手段と、基板表面の
    バリアメタル膜を還元性ガス雰囲気で反応させることに
    より表層の窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材内
    部と比べて表層の窒素含有量を相対的に低減させる表面
    処理手段と、チャンバ内に備えられる金属製の被エッチ
    ング部材と、基板と被エッチング部材との間におけるチ
    ャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料
    ガス供給手段と、ハロゲンを含有する原料ガスをプラズ
    マ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマ
    で被エッチング部材をエッチングすることにより被エッ
    チング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を
    生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチ
    ング部材側の温度よりも低くして前駆体の金属成分を表
    層の窒素含有量を相対的に低減させたバリアメタル膜の
    上に成膜させる制御手段とを備えたことを特徴とする金
    属膜作製装置。
  28. 【請求項28】 請求項26もしくは請求項27におい
    て、還元性ガス供給手段は、水素を含有するガスを供給
    する手段であり、表面処理手段は、水素ガスプラズマを
    発生させる水素ガスプラズマ発生手段であることを特徴
    とする金属膜作製装置。
  29. 【請求項29】 請求項26乃至請求項28のいずれか
    一項において、金属窒化物は、窒化タンタルもしくは窒
    化タングステンもしくは窒化チタンであることを特徴と
    する金属膜作製装置。
  30. 【請求項30】 基板の表面における金属窒化物のバリ
    アメタル膜が、還元性ガス雰囲気で反応させることによ
    り表層の窒素原子を除去してバリアメタル膜の母材内部
    と比べて表層の窒素含有量を相対的に低減させる表面処
    理が施されたことを特徴とする金属膜。
  31. 【請求項31】 金属窒化物のバリアメタル膜が成膜さ
    れた基板の表面を処理する金属膜作製方法において、シ
    リコンを含有するガスプラズマにより基板表面のバリア
    メタル膜の表面にシリコン原子の核を形成する表面処理
    を施すことを特徴とする金属膜作製方法。
  32. 【請求項32】 基板と金属製の被エッチング部材との
    間におけるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを
    供給し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラ
    ズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材を
    エッチングすることにより被エッチング部材に含まれる
    金属成分と原料ガスとの前駆体を生成すると共に、基板
    が収容されるチャンバとは隔絶して窒素を含有する窒素
    含有ガスを励起し、励起された窒素により前駆体との間
    で金属窒化物を生成し、基板側の温度を生成手段側の温
    度よりも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバリア
    メタル膜とし、シリコンを含有するガスプラズマにより
    基板表面のバリアメタル膜の表面にシリコン原子の核を
    形成する表面処理を施すことを特徴とする金属膜作製方
    法。
  33. 【請求項33】 金属窒化物のバリアメタル膜が成膜さ
    れた基板が収容されるチャンバ内で、シリコンを含有す
    るガスプラズマにより基板表面のバリアメタル膜の表面
    にシリコン原子の核を形成する表面処理を施した後、チ
    ャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給し、チャ
    ンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生さ
    せ原料ガスプラズマで金属製の被エッチング部材をエッ
    チングすることにより被エッチング部材に含まれる金属
    成分と原料との前駆体をチャンバの内部に生成し、基板
    の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くしてバリ
    アメタル膜の表面にシリコン原子の核を形成された基板
    に前駆体の金属成分を成膜させることを特徴とする金属
    膜作製方法。
  34. 【請求項34】 請求項31乃至請求項33のいずれか
    一項において、シリコンを含有するガスは、シランであ
    ることを特徴とする金属膜作製方法。
  35. 【請求項35】 請求項31乃至請求項34のいずれか
    一項において、金属窒化物は、窒化タンタルもしくは窒
    化タングステンもしくは窒化チタンであることを特徴と
    する金属膜作製方法。
  36. 【請求項36】 基板が収容されるチャンバと、基板に
    対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被
    エッチング部材と、基板と被エッチング部材との間にお
    けるチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給す
    るハロゲンガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ
    化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで
    被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチ
    ング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生
    成するバリアプラズマ発生手段と、窒素を含有する窒素
    含有ガスをチャンバとは隔絶して励起する励起手段と、
    励起手段で励起された窒素により前駆体との間で金属窒
    化物を生成する生成手段と、基板側の温度を生成手段側
    の温度よりも低くして金属窒化物を基板に成膜させてバ
    リアメタル膜とする制御手段と、基板表面の上部にシリ
    コンを含有するガスを供給するシリコン含有ガス供給手
    段と、シリコンを含有するガスプラズマを発生させ、基
    板表面のバリアメタル膜の表面にシリコン原子の核を形
    成する表面処理プラズマ発生手段とを備えたことを特徴
    とする金属膜作製装置。
  37. 【請求項37】 金属窒化物のバリアメタル膜が成膜さ
    れた基板が収容されるチャンバと、基板表面の上部にシ
    リコンを含有するガスを供給するシリコン含有ガス供給
    手段と、シリコンを含有するガスプラズマを発生させ、
    基板表面のバリアメタル膜の表面にシリコン原子の核を
    形成する表面処理プラズマ発生手段と、チャンバ内に備
    えられる金属製の被エッチング部材と、基板と被エッチ
    ング部材との間におけるチャンバ内にハロゲンを含有す
    る原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、ハロゲンを
    含有する原料ガスをプラズマ化して原料ガスプラズマを
    発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチ
    ングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成
    分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段
    と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低
    くして前駆体の金属成分を表面にシリコン原子の核を形
    成させたバリアメタル膜の上に成膜させる制御手段とを
    備えたことを特徴とする金属膜作製装置。
  38. 【請求項38】 請求項36もしくは請求項37におい
    て、シリコンを含有するガスは、シランであることを特
    徴とする金属膜作製装置。
  39. 【請求項39】 請求項36乃至請求項38のいずれか
    一項において、金属窒化物は、窒化タンタルもしくは窒
    化タングステンもしくは窒化チタンであることを特徴と
    する金属膜作製装置。
  40. 【請求項40】 基板の表面における金属窒化物のバリ
    アメタル膜が、シリコンを含有するガスプラズマにより
    基板表面のバリアメタル膜の表面にシリコン原子の核が
    形成された表面処理が施されたことを特徴とする金属
    膜。
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