JP3947100B2 - 多層膜処理装置及び多層膜処理方法 - Google Patents

多層膜処理装置及び多層膜処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の表面に多層の金属膜、金属酸化膜、金属窒化膜(以下金属膜と総称する)を作製する多層膜作製装置及び多層膜作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気的な配線が施されている半導体では、スイッチングの速度や伝送損失の低減、高密度化等により、配線の材料として銅が用いられるようになってきている。銅の配線を施す場合、配線用の凹部を表面に有する基板に対して、気相成長法等により凹部を含む表面に銅の薄膜が作製されている。
【0003】
銅の薄膜を作製する場合、例えば、銅・ヘキサフロロアセチルアセトナト・トリメチルビニルシラン等の液体の有機金属錯体を原料として用い、固体状の原料を溶媒に溶かし、熱的な反応を利用して気化して基板に成膜を実施している。
【0004】
基板の表面に銅の薄膜を作製する際には、基板に対する銅の拡散をなくして銅の密度を保持するために、基板の表面には予めバリアメタル膜(例えば、タンタル、チタン、シリコン等の窒化物)が作製されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、熱的反応を利用した成膜のため、成膜速度の向上を図ることが困難であった。また、原料となる金属錯体が高価であり、しかも、銅に付随しているヘキサフロロアセチルアセトナト及びトリメチルビニルシランが銅の薄膜中に不純物として残留するため、膜質の向上を図ることが困難であった。
【0006】
バリアメタル膜と銅の薄膜とは異なった装置で作製されているため、バリアメタル膜を作製した基板を銅の薄膜を作製する装置に搬送する必要があり、搬送中に大気に晒されて酸化する虞があった。このため、大気から遮断してバリアメタル膜を作製した基板を銅の薄膜を作製する装置として、従来から種々提案がされている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特許第3064268号公報
【0008】
しかし、搬送中や成膜中における酸化をなくすことはできず、酸化の抑制を図り膜質の向上を図ることが望まれていた。
【0009】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、酸化を抑制して膜中に不純物が残留しない多層膜を作製することができる多層膜処理装置及び多層膜処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の多層膜処理装置は、
基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして少なくとも前駆体の金属成分をハロゲンの還元により基板に成膜させる温度制御手段とからなる金属膜作製装置を備え、更に、自然酸化抑制手段を備えた搬送チャンバ系と、
基板の表面に処理を施す基板処理装置とを備え、
基板処理装置で処理された基板が搬送チャンバ系から金属膜作製装置に送られることを特徴とする。
【0011】
そして、請求項1に記載の多層膜処理装置において、
搬送チャンバ系における自然酸化抑制手段は、搬送チャンバ系内を真空状態にする真空装置であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項1に記載の多層膜処理装置において、
搬送チャンバ系における自然酸化抑制手段は、搬送チャンバ内に希ガスを導入する希ガス導入手段で構成されることを特徴とする。
【0015】
また、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の多層膜処理装置において、
金属膜作製装置のチャンバ内のハロゲンガスの搬送チャンバ内への逆流を阻止する逆流阻止手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に記載の多層膜処理装置において、
逆流阻止手段は、金属膜作製装置のチャンバ内の残留ハロゲンガスの濃度を低減させる濃度低減手段であることを特徴とする。
【0017】
また、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の多層膜処理装置において、
金属膜作製装置のチャンバ内の圧力よりも搬送チャンバ内の圧力を高く維持してチャンバ内のガスの搬送チャンバ内への流入を阻止する圧力調整手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の多層膜処理装置において、
基板処理装置は、基板の表面にバリアメタル膜を作製するバリア層作製装置であることを特徴とする。
【0019】
また、請求項に記載の多層膜処理装置において、
搬送チャンバ系には基板の収容チャンバ系が備えられると共に、金属膜作製装置が2設備備えられ、収容チャンバ系とバリア層作製装置との間及びバリア層作製装置と2設備の金属膜作製装置の間で基板を搬送する搬送装置を備えたことを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成するための本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして少なくとも前駆体の金属成分をハロゲンの還元により基板に成膜させる温度制御手段とから構成され、チャンバ内には自然酸化抑制手段を備えた搬送チャンバ系から基板が搬送されることを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成するための本発明の搬送チャンバは、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして少なくとも前駆体の金属成分をハロゲンの還元により基板に成膜させる温度制御手段とから構成される金属膜作製装置に基板を搬送する搬送チャンバであって、自然酸化抑制手段を備えたことを特徴とする。
【0025】
上記目的を達成するための本発明の多層膜作製方法は、表面に処理が施された基板を自然酸化が抑制された状態の搬送チャンバで金属膜作製装置のチャンバ内に搬送する一方、ハロゲンを含有する原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとの前駆体をチャンバ内に生成し、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして少なくとも前駆体の金属成分をハロゲンの還元により基板に成膜させることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明は、表面に処理(例えば、バリアメタル膜作製)が施された基板を自然酸化が抑制された状態(例えば、真空状態や希ガス等が充填された状態)の搬送チャンバで金属膜(例えば、銅膜、合金膜、金属酸化膜、金属窒化膜等:以下単に金属膜と記載する)を作製するチャンバ内に搬送する一方、原料ガスプラズマ(例えば、ハロゲンを含有するガス)で被エッチング部材(例えば、銅部材、ハロゲン化銅部材、合金部材等)をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体をチャンバ内に生成し、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして少なくとも前駆体の金属成分を基板に成膜させるようにしたものである。
【0027】
これにより、表面に処理が施された基板の自然酸化が抑制されると共に、成膜速度が速く安価な材料を用いて酸化等膜中に不純物が残留しない金属膜を作製するとが可能になる。例えば、半導体の配線部材として銅を作製した場合、バリアメタル膜を作製した後の酸化が防止されると共に、銅膜を作製する際にも酸素を含有する有機金属を用いることがなく酸化物の残留がなくなり、電気抵抗が高くなる等の膜特性の劣化を防止することができ、多層膜の膜性能が飛躍的に向上する。
【0028】
図1、図2に基づいて本発明の実施形態例を説明する。図1には本発明の第1実施形態例に係る多層膜作製装置の概略構成、図2には本発明の第2実施形態例に係る多層膜作製装置の概略構成を示してある。
【0029】
<第1実施形態例>
図1に示すように、多層膜処理装置は、基板が多数保持される基板カセット1と、基板の表面に処理(例えば、バリアメタル膜作製)を施す基板処理装置としてのバリア層作製装置2と、バリアメタル膜が作製された基板の表面に金属膜(例えば、銅膜)を作製する金属膜作製装置3と、基板カセット1からバリア層作製装置2の間及びバリア層作製装置2から金属膜作製装置3の間で基板を搬送する搬送チャンバ系としての搬送チャンバ装置4とにより構成されている。
【0030】
基板カセット1には基板12が多数保持されている。バリア層作製装置2は、基板が収容されるチャンバ6を備え、チャンバ6には基板12が収容され、例えば、処理ガスノズル7からの処理ガスの導入と温度制御により基板12の表面に処理ガスの成分のバリア層が作製される。
【0031】
金属膜作製装置3は、基板が収容されるチャンバ11を備え、チャンバ11には基板12に対向する位置に金属製(例えば、銅製)の被エッチング部材13が設けられている。基板12の上方におけるチャンバ11内にはにハロゲンを含有する原料ガス(塩素含有ガス)を供給する原料ガス供給手段としての原料ガスノズル14が設けられている。
【0032】
チャンバ11の天井部には平面リング状のプラズマ発生手段としてのプラズマアンテナ13が設けられ、プラズマアンテナ13によりチャンバ11の内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させる。
【0033】
金属膜作製装置3では、原料ガスプラズマで被エッチング部材13をエッチングすることにより被エッチング部材13に含まれる金属成分(銅成分)と原料ガスとの前駆体が生成され、前駆体の金属成分が基板12に成膜される。
【0034】
尚、被エッチング部材13の材質は任意に設定することができ(例えば、合金製、ハロゲン化金属製等)、合金製の被エッチング部材13を用いた場合には合金の膜を作製することが可能である。また、原料ガスの種類を適宜設定することが可能であり、酸化金属や窒化金属等の膜を作製することが可能である。
【0035】
搬送チャンバ装置4は搬送手段等を有する搬送チャンバ15が備えられ、搬送チャンバ15の内部は自然酸化抑制手段としての真空装置16により真空状態にされる。
【0036】
また、金属膜作製装置3のチャンバ11内の圧力が圧力検出手段17で検出され、搬送チャンバ15内の圧力がチャンバ11内の圧力よりも高くなるように真空装置16が制御される(逆流防止手段)。
【0037】
これにより、搬送チャンバ15の内部が真空状態にされると共に、金属膜作製装置3のチャンバ11の内部に残留する原料ガス(塩素含有ガス)が搬送チャンバ15内に流入することがなくなり、塩素含有ガスにより搬送チャンバ15及び膜が作製された基板12にダメージを与えることがなくなる。
【0038】
尚、圧力検出手段17を設けて圧力差を生じさせることに代えて、金属膜作製装置3のチャンバ11の内部に残留する原料ガスを積極的に排出する手段を設け、チャンバ11内の残留原料ガスを積極的に排出することで原料ガスの搬送チャンバ15内への流入を阻止するようにすることも可能である。
【0039】
上述した実施形態例の多層膜処理装置では、バリア層作製装置2で基板12の表面にバリア層が作製され、バリア層が作製された基板12が搬送チャンバ装置4から金属膜作製装置3に搬送され、バリア層が作製された基板12の表面に銅等の金属膜が作製されて多層膜が作製される。
【0040】
搬送チャンバ装置4の搬送チャンバ15の内部は真空装置16により真空状態にされているので、バリア層が作製された基板12に自然酸化が生じることがなく表面の酸化が確実に抑制される。このため、金属膜を作製した際に界面に酸化の影響が及ばない。
【0041】
また、搬送チャンバ15内の圧力がチャンバ11内の圧力よりも高く制御されているため、金属膜作製装置3の原料ガス(塩素含有ガス)が搬送チャンバ装置4の搬送チャンバ15内に流入することがなくなり、塩素含有ガスにより搬送チャンバ15及び膜が作製された基板12にダメージを与えることがなくなる。
【0042】
従って、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、酸化を確実に抑制して膜中に不純物が残留しない多層膜を作製することができる多層膜処理装置とすることが可能になる。
【0043】
<第2実施形態例>
図2に示すように、多層膜処理装置は、基板が多数保持される基板カセット1と、基板の表面に処理(例えば、バリアメタル膜作製)を施す基板処理装置としてのバリア層作製装置2と、バリアメタル膜が作製された基板の表面に金属膜(例えば、銅膜)を作製する金属膜作製装置3と、基板カセット1からバリア層作製装置2の間及びバリア層作製装置2から金属膜作製装置3の間で基板を搬送する搬送チャンバ系としての搬送チャンバ装置4とにより構成されている。
【0044】
第2実施形態例では、搬送チャンバ装置4に備えられた自然酸化抑制手段が第1実施形態例と異なる。このため、第1実施形態例と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0045】
搬送チャンバ装置4は搬送手段等を有する搬送チャンバ15が備えられ、搬送チャンバ15の内部は自然酸化抑制手段としての希ガス導入手段19が備えられ、希ガス導入手段19から搬送チャンバ15の内部にアルゴン、ヘリウム等の希ガスが導入される。
【0046】
また、金属膜作製装置3のチャンバ11内の圧力が圧力検出手段20で検出され、搬送チャンバ15内の圧力がチャンバ11内の圧力よりも高くなるように希ガス導入手段19が制御される(逆流防止手段)。
【0047】
これにより、搬送チャンバ15の内部に希ガスが充填されると共に、金属膜作製装置3のチャンバ11の内部に残留する原料ガス(塩素含有ガス)が搬送チャンバ15内に流入することがなくなり、塩素含有ガスにより搬送チャンバ15及び膜が作製された基板12にダメージを与えることがなくなる。
【0048】
尚、圧力検出手段20を設けて圧力差を生じさせることに代えて、金属膜作製装置3のチャンバ11の内部に残留する原料ガスを積極的に排出する手段を設け、チャンバ11内の残留原料ガスを積極的に排出することで原料ガスの搬送チャンバ15内への流入を阻止するようにすることも可能である。
【0049】
上述した実施形態例の多層膜処理装置では、第1実施形態例と同様に、バリア層作製装置2で基板12の表面にバリア層が作製され、バリア層が作製された基板12が搬送チャンバ装置4から金属膜作製装置3に搬送され、バリア層が作製された基板12の表面に銅等の金属膜が作製されて多層膜が作製される。
【0050】
搬送チャンバ装置4の搬送チャンバ15の内部には希ガス導入手段19からの希ガスが充填されているので、バリア層が作製された基板12は大気にさらされることがなくなり自然酸化が生じることがなく表面の酸化が抑制される。このため、金属膜を作製した際に界面に酸化の影響が及ばない。希ガスを充填して大気から基板12を遮断したことにより、高価な装置を設けることなく自然酸化の防止を図ることができる。
【0051】
また、搬送チャンバ15内の圧力がチャンバ11内の圧力よりも高く制御されているため、金属膜作製装置3の原料ガス(塩素含有ガス)が搬送チャンバ装置4の搬送チャンバ15内に流入することがなくなり、塩素含有ガスにより搬送チャンバ15及び膜が作製された基板12にダメージを与えることがなくなる。
【0052】
従って、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、高価な設備を付設することなく酸化を抑制して膜中に不純物が残留しない多層膜を作製することができる多層膜処理装置とすることが可能になる。
【0053】
第1実施形態例及び第2実施形態例では、基板カセット1と、バリア層作製装置2と、金属膜作製装置3とを1設備づつ備えた例を挙げて説明したが、少なくとも金属膜作製装置3を1設備備えたものであれば、表面に処理を施す基板処理装置としては、金属膜作製装置3や他のエッチング装置等多層膜を作製する設備となる構成であれば実施形態例に限定されることはない。また、各設備を複数設備づつ備えることも可能である。例えば、金属膜作製装置3を複数設備備え、アモルファス層と結晶金属層の膜を積層した多層膜を作製することも可能である。
【0054】
例えば、バリア層作製装置2によるバリア層の作製は、膜厚が薄いために短時間の処理となり、金属膜作製装置3での金属膜の作製は所定の膜厚を作製する必要があるためバリア層の作製よりも長時間の処理となる。このため、バリア層作製装置2を1設備備えると共に金属膜作製装置3を2設備備えることで、一方の金属膜作製装置3で金属膜を作製している間に他方の金属膜作製装置3に搬送する基板12にバリア層作製装置2でバリア層の作製を行なうことができ、生産性の高い多層膜作製装置とすることができる。
【0055】
以下、図面に基づいて多層膜作製装置及び多層膜作製装置の構成設備であるバリア層作製装置2及び金属膜作製装置3の具体的な実施例を説明する。図3には本発明の一実施例に係る多層膜作製装置の概略平面、図4には本発明の一実施例に係るバリア層作製装置の概略断面、図5には本発明の一実施例に係る金属膜作製装置の概略断面を示してある。尚、図3乃至図5に示した構成は、図1に示した第1実施形態例の具体的な例となっている。
【0056】
<多層膜作製装置の実施例>
図3に示すように、搬送チャンバ装置4の搬送チャンバ15は六角柱状態に構成され、搬送チャンバ15の周囲には、基板カセット1及びバリア層作製装置2がそれぞれ1設備備えられている。また、搬送チャンバ15の周囲には、金属膜作製装置3が2設備備えられている。そして、搬送チャンバ15の内部は真空装置16により真空状態にされ、圧力検出手段17により真空装置16が制御されて搬送チャンバ15内の圧力が金属膜作製装置3のチャンバ11内の圧力よりも高くされている。
【0057】
<バリア層作製装置の実施例>
図4に基づいてバリア層作製装置の一例を説明する。以下に示した装置は一例であり、バリア層の作製は以下に示した装置以外の装置についても適用可能である。
【0058】
図4に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材料製)のチャンバ6(絶縁材料製)の底部近傍には支持台21が設けられ、支持台21には基板12が載置される。支持台21にはヒータ22及び冷媒流通手段23を備えた温度制御手段24が設けられ、支持台21は温度制御手段24により所定温度(例えば、基板12が100℃乃至200℃に維持される温度)に制御される。
【0059】
チャンバ6の上面は開口部とされ、開口部は金属部材25(例えば、W,Ti,Ta,TiSi等)によって塞がれている。金属部材25によって塞がれたチャンバ6の内部は真空装置26により所定の圧力に維持される。チャンバ6の筒部の周囲にはプラズマアンテナ27が設けられ、プラズマアンテナ27には整合器28及び電源29が接続されて給電が行われる。
【0060】
金属部材25の下方におけるチャンバ6の筒部には、チャンバ6の内部にハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50% 、好ましくは10% 程度に希釈されたCl2 ガス)を供給するノズル30が接続されている。ノズル30には流量制御器31を介して原料ガスが送られる。尚、原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素(F)、臭素(Br)及びヨウ素(I)等を適用することが可能である。
【0061】
一方、チャンバ6の筒部の下方の周囲の複数箇所(例えば、4箇所)には、スリット状の開口部32が形成され、開口部32には筒状の通路33の一端がそれぞれ固定されている。通路33の途中部には絶縁体製の筒状の励起室34が設けられ、励起室34の周囲にはコイル状のプラズマアンテナ35が設けられ、プラズマアンテナ35は整合器36及び電源37に接続されて給電が行われる。通路33の他端側には流量制御器38が接続され、流量制御器38を介して通路33内に窒素含有ガスとしてのアンモニアガス(NH3 ガス)が供給される。
【0062】
上述したバリア層作製装置2では、チャンバ6の内部にノズル30から原料ガスを供給し、プラズマアンテナ27から電磁波をチャンバ6の内部に入射することで、Cl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)39が発生する。Cl2 ガスプラズマ39により、金属部材25にエッチング反応が生じ、前駆体(MxCly:M はW,Ti,Ta,TiSi等の金属)40が生成される。
【0063】
また、流量制御器31を介して通路33内にNH3 ガスを供給して励起室34にNH3 ガスを送り込む。プラズマアンテナ35から電磁波を励起室34の内部に入射することで、NH3 ガスがイオン化されてNH3 ガスプラズマ41が発生する。真空装置26によりチャンバ6内の圧力と励起室34の圧力とに所定の差圧が設定されているため、励起室34のNH3 ガスプラズマ41の励起アンモニアが開口部32からチャンバ6内の前駆体(MxCly )40に送られる。
【0064】
これにより、前駆体(MxCly )40の金属成分とアンモニアが反応して金属窒化物(MN)が生成される。このとき、金属部材25及び励起室34はプラズマにより基板12の温度よりも高い所定温度(例えば、200℃乃至400℃)に維持されている。
【0065】
チャンバ6の内部で生成された金属窒化物(MN)は低い温度に制御された基板12に運ばれて、基板12の表面にMN薄膜42が生成される。MN薄膜42が生成された後、NH3 ガス及び電源37への給電を止めることで、前駆体(MxCly )40が金属部材25よりも低い温度に制御された基板12に運ばれる。基板12に運ばれる前駆体(MxCly )40は還元反応により金属(M)イオンのみとされて基板12に当てられ、基板12のMN薄膜42の上にM薄膜43が生成される。MN薄膜42及びM薄膜43によりバリアメタル膜44(バリア層)が形成される。
【0066】
MN薄膜42が生成されるときの反応は、次式で表すことができる。
2MCl+2NH3 →2MN↓+HCl↑+2H2
また、M薄膜43が生成されるときの反応は次式で表すことができる。
2MCl→2M↓+Cl2
反応に関与しないガス及びエッチング生成物は排気口45から排気される。
【0067】
尚、原料ガスとして、He,Ar等で希釈されたCl2 ガスを例に挙げて説明したが、Cl2 ガスを単独で用いたり、HCl ガスを適用することも可能である。HCl ガスを適用した場合、原料ガスプラズマはHCl ガスプラズマが生成される。従って、原料ガスは塩素を含有するガスであればよく、HCl ガスとCl2 ガスとの混合ガスを用いることも可能である。また、金属部材7の材質は、Ag,Au,Pt,Si 等産業上適用可能な金属を用いることが可能である。
【0068】
バリアメタル膜44が形成された基板12は、成膜装置でバリアメタル膜44の上に銅(Cu)薄膜等(他の金属薄膜、合金薄膜、酸化金属薄膜、窒化金属薄膜等)が成膜される。バリアメタル膜44が存在することにより、例えば、MN薄膜42によりCuの基板12への拡散がなくなり、M薄膜43によりCuの密着性が確保される。
【0069】
尚、成膜される材料が密着性に問題がない材料(例えばAl)の場合や、窒化物が密着性を保つことができる金属の場合等によっては、バリアメタル膜44としてM薄膜43を省略することも可能である。また、温度差によって還元反応を生じさせるようにしているが、別途還元ガスプラズマを発生させて還元反応を生じさせるようにすることも可能である。
【0070】
上記構成のバリア層作製装置2では、プラズマにより金属を生じさせてバリアメタル膜44を作製しているので、均一にしかも薄膜状にバリアメタル膜44を成膜することが可能になる。このため、基板12に設けられる、例えば、数百nm幅程度の小さな凹部に対しても内部にまで精度よく成膜され、埋め込み性に優れ、極めて薄い状態で高速にバリアメタル膜44を成膜することが可能になる。
【0071】
バリア層作製装置2の構成は一例であり、例えば、天井部を絶縁体で構成すると共にチャンバ6内に金属部材25を配置し、天井部の上に平面コイル状のプラズマアンテナを設ける構成とすることも可能である。また、天井部を構成する金属部材25に直接給電を行なってプラズマアンテナを兼ねる容量結合型の構成とすることも可能であり、更に、Cl2 ガスプラズマ39をNH3 ガスプラズマ41と同様に別途励起室で形成することも可能である。
【0072】
<金属膜作製装置の実施例>
図5に基づいて金属膜作製装置の一例を説明する。以下に示した装置は一例であり、金属膜の作製は以下に示した装置以外の装置についても適用可能である。
【0073】
図5に示すように、筒形状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材料製)のチャンバ11の底部近傍には支持台51が設けられ、支持台51にはバリアメタル膜44が成膜された基板12が載置される。支持台51にはヒータ52及び冷媒流通手段53を備えた温度制御手段54が設けられ、支持台51は温度制御手段54により所定温度(例えば、基板12が100℃〜200℃に維持される温度)に制御される。
【0074】
チャンバ11の上面は開口部とされ、開口部は開口部は絶縁材製(例えば、セラミックス製)の板状の天井板55によって塞がれている。天井板55によって塞がれたチャンバ11の内部は真空装置50によって所定の圧力に維持される。天井板55の上方にはチャンバ11の内部をプラズマ化するためのプラズマアンテナ56が設けられ、プラズマアンテナ56は天井板55の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ56には整合器57及び電源58が接続されて高周波電流が供給される。
【0075】
チャンバ11の筒部には、高蒸気圧ハロゲン化物を形成しうる金属(本実施形態では銅)で形成される被エッチング部材59が挟持されている。被エッチング部材59は、突起部60とリング部61とからなり、チャンバ11内で基板12に対向する位置に設置され、突起部60はチャンバ11の周方向に亘り複数に分割して配置され、円筒状のチャンバ1に設置されるリング部61から中心側に向かって突出した構造となっている。
【0076】
即ち、突起部60は、チャンバ11の内壁から径方向中心に向かうと共に円周方向に複数設けられ、突起部60同士の間には空間が存在している。このため、突起部60はプラズマアンテナ27に流れる電流の流れ方向に対して不連続状態となるように基板3と天井板25との間に配置されている。
【0077】
被エッチング部材59の材質は、銅(Cu)に限らず、ハロゲン化物形成金属、好ましくは塩化物形成金属であるAg,Au,Pt,Ir,Ta,Ti,W等を用いることが可能である。
【0078】
支持台51に略対応するチャンバ11の筒部にはノズル62が接続され、ノズル62からはハロゲンガスとしての塩素ガスを含有する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50%、好ましくは10%程度に希釈された塩素ガス)がチャンバ1の内部に供給される。ノズル62は被エッチング部材59に向けて開口し、ノズル62には流量制御器63を介して原料ガスが送られる。
【0079】
上述した金属膜作製装置3では、以下に詳説する方法で金属薄膜64の成膜を行う。
【0080】
まず、チャンバ1の内部にノズル62から原料ガスを供給すると共に、プラズマアンテナ56から電磁波をチャンバ11の内部に入射することで、原料ガス中の塩素ガスをイオン化して塩素ガスプラズマを発生させる。プラズマは、ガスプラズマ65で図示する領域に発生する。このときの反応は、次式で表すことができる。
Cl2 → 2Cl* ・・(1)
ここで、Cl* は塩素ガスラジカルを表す。
【0081】
ガスプラズマ65が被エッチング部材59に作用することにより、被エッチング部材59が加熱されると共に、被エッチング部材59にエッチング反応が生じる。このときの反応は、次式で表される。
Cu(s)+2Cl* → CuCl2 (g) ・・(2)
ここで、sは固体状態、gはガス状態を表す。上記(2)式は、被エッチング部材55のCu成分がガスプラズマ65によりエッチングされ、ガス化した状態を表す。前駆体66は、ガス化したCuCl2 及びこれと組成比が異なる物質(CuX1ClY1)である。
【0082】
ガスプラズマ65を発生させることにより被エッチング部材59を加熱し、更に温度制御手段54により基板12の温度制御を行なうことにより、基板12の温度は被エッチング部材59の温度よりも低くなる。この結果、前駆体66は基板12に吸着される。このときの反応は、次式で表される。
CuCl2 (g) → CuCl2 (ad) ・・(3)
ここで、adは吸着状態を表す。
【0083】
基板3に吸着したCuCl2 は、塩素ガスラジカルにより還元されてCu成分となることで、金属薄膜64(Cu薄膜)の一部を形成する。このときの反応は、次式で表される。
CuCl2 (ad)+2Cl* →Cu(s)+Cl2 ↑ ・・(4)
【0084】
更に、上式(2)において発生したガス化したCuCl2 の一部は、基板12に吸着する(上式(3)参照)前に、塩素ガスラジカルにより還元されてガス状態のCuとなる。このときの反応は、次式で表される。
CuCl2 (g)+2Cl* →Cu(g)+2Cl2 ↑ ・・(5)
この後、ガス状態の銅(Cu)は、基板12に成膜され、金属薄膜64を形成する一部となる。
【0085】
反応に関与しないガス及びエッチング生成物は排気口67から排気される。
【0086】
プラズマアンテナ56の下部には導電体である被エッチング部材59が存在しているが、上述したように、被エッチング部材59はプラズマアンテナ56に流れる電流の流れ方向に対して不連続な状態で配置されているので、被エッチング部材59と基板12との間、即ち、被エッチング部材59の下側にもガスプラズマ65が安定して発生するようになっている。また、前駆体66も均一に基板12に吸着される。
【0087】
上記構成の金属膜作製装置3では、ガスプラズマ65を用いているため、反応効率が大幅に向上して成膜速度が速くなる。また、原料ガスとしてCl2 ガスを用いてるため、コストを大幅に減少させることができる。そして、原料に酸素を含んでいないため、成膜時に酸化雰囲気となることがなく、酸化が抑制されて不純物の残留を少なくすることができ、高品質な金属薄膜64を作製することが可能となる。
【0088】
金属膜作製装置3の構成は一例であり、例えば、天井部を金属製の被エッチング部材で構成すると共にチャンバ11の筒部にコイル状のプラズマアンテナを配置する構成とすることも可能である。また、天井部を金属製の被エッチング部材で構成すると共に被エッチング部材に直接給電を行なってプラズマアンテナを兼ねる容量結合型の構成とすることも可能である。更に、ガスプラズマを別途励起室で形成して励起塩素をチャンバ内に供給する構成とすることも可能である。
【0089】
【発明の効果】
本発明の多層膜処理装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして少なくとも前駆体の金属成分をハロゲンの還元により基板に成膜させる温度制御手段とからなる金属膜作製装置を備え、更に、自然酸化抑制手段を備えた搬送チャンバ系と、基板の表面に処理を施す基板処理装置とを備え、基板処理装置で処理された基板が搬送チャンバ系から金属膜作製装置に送られるので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、酸化を抑制して膜中に不純物が残留しない多層膜を作製することができる多層膜処理装置とすることが可能になる。
【0090】
そして、請求項1に記載の多層膜処理装置において、搬送チャンバ系における自然酸化抑制手段は、搬送チャンバ系内を真空状態にする真空装置であるので、酸化を確実に抑制るすことができる。
【0091】
また、請求項1に記載の多層膜処理装置において、搬送チャンバ系における自然酸化抑制手段は、搬送チャンバ内に希ガスを導入する希ガス導入手段で構成されるので、特別な高価な設備を付設することなく酸化を抑制することができる。
【0094】
また、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の多層膜処理装置において、金属膜作製装置のチャンバ内のハロゲンガスの搬送チャンバ内への逆流を阻止する逆流阻止手段を備えたので、搬送チャンバ内にハロゲンガスが逆流することがない。
【0095】
また、請求項に記載の多層膜処理装において、逆流阻止手段は、金属膜作製装置のチャンバ内の残留ハロゲンガスの濃度を低減させる濃度低減手段であるので、簡単な構成でハロゲンガスの逆流を防止することができる。
【0096】
また、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の多層膜処理装置において、金属膜作製装置のチャンバ内の圧力よりも搬送チャンバ内の圧力を高く維持してチャンバ内のガスの搬送チャンバ内への流入を阻止する圧力調整手段を備えたので、確実にハロゲンガスの逆流を防止することができる。
【0097】
また、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の多層膜処理装置において、基板処理装置は、基板の表面にバリアメタル膜を作製するバリア層作製装置であるので、酸化が抑制されたバリア層を備えた多層膜を作製するとができる。
【0098】
また、請求項に記載の多層膜処理装置において、搬送チャンバ系には基板の収容チャンバ系が備えられると共に、金属膜作製装置が2設備備えられ、収容チャンバ系とバリアメタル膜作製装置との間及びバリアメタル膜作製装置と2設備の金属膜作製装置の間で基板を搬送する搬送装置を備えたので、効率よく酸化が抑制された多層膜を作製することができる。
【0099】
本発明の金属膜作製装置は、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして少なくとも前駆体の金属成分をハロゲンの還元により基板に成膜させる温度制御手段とから構成され、チャンバ内には自然酸化抑制手段を備えた搬送チャンバ系から基板が搬送されるので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、酸化を抑制して膜中に不純物が残留しない多層膜を作製することができる金属膜作製装置とすることが可能になる。
【0100】
本発明の搬送チャンバは、基板が収容されるチャンバと、基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして少なくとも前駆体の金属成分をハロゲンの還元により基板に成膜させる温度制御手段とから構成される金属膜作製装置に基板を搬送する搬送チャンバであって、自然酸化抑制手段を備えたので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、酸化を抑制して膜中に不純物が残留しない多層膜を作製することができる搬送チャンバとすることが可能になる。
【0104】
本発明の多層膜作製方法は、表面に処理が施された基板を自然酸化が抑制された状態の搬送チャンバで金属膜作製装置のチャンバ内に搬送する一方、ハロゲンを含有する原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとの前駆体をチャンバ内に生成し、基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして少なくとも前駆体の金属成分をハロゲンの還元により基板に成膜させるようにしたので、成膜速度が速く、安価な原料を用いることができ、酸化を抑制して膜中に不純物が残留しない多層膜を作製することができる多層膜処理方法とすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例に係る多層膜作製装置の概略構成図。
【図2】本発明の第2実施形態例に係る多層膜作製装置の概略構図。
【図3】本発明の一実施例に係る多層膜作製装置の概略平面図。
【図4】本発明の一実施例に係るバリア層作製装置の概略断面図。
【図5】本発明の一実施例に係る金属膜作製装置の概略断面図。
【符号の説明】
1 基板カセット
2 バリア層作製装置
3 金属膜作製装置
4 搬送チャンバ装置
6,11 チャンバ
7 処理ガスノズル
12 基板
13,27,35,56 プラズマアンテナ
14 原料ガスノズル
15 搬送チャンバ
16,26,50 真空装置
17,20 圧力検出手段
19 希ガス導入手段
21,51 支持台
22,52 ヒータ
23,53 冷媒流通手段
24,54 温度制御手段
25 金属部材
28,36,57 整合器
29,37,58 電源
30 ノズル
31,38,63 流量制御器
32 開口部
33 通路
34 励起室
39 Cl2 ガスプラズマ
40,66 前駆体
41 NH3 ガスプラズマ
42 MN膜
43 M膜
44 バリアメタル膜
50 真空装置
55 天井板
59 被エッチング部材
60 突起
61 リング部
62 ノズル
64 金属薄膜
65 ガスプラズマ

Claims (11)

  1. 基板が収容されるチャンバと、
    基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、
    チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして少なくとも前駆体の金属成分をハロゲンの還元により基板に成膜させる温度制御手段とからなる金属膜作製装置を備え、
    更に、自然酸化抑制手段を備えた搬送チャンバ系と、
    基板の表面に処理を施す基板処理装置とを備え、
    基板処理装置で処理された基板が搬送チャンバ系から金属膜作製装置に送られることを特徴とする多層膜処理装置。
  2. 請求項1に記載の多層膜処理装置において、
    搬送チャンバ系における自然酸化抑制手段は、搬送チャンバ系内を真空状態にする真空装置であることを特徴とする多層膜処理装置。
  3. 請求項1に記載の多層膜処理装置において、
    搬送チャンバ系における自然酸化抑制手段は、搬送チャンバ内に希ガスを導入する希ガス導入手段で構成されることを特徴とする多層膜処理装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の多層膜処理装置において、
    金属膜作製装置のチャンバ内のハロゲンガスの搬送チャンバ内への逆流を阻止する逆流阻止手段を備えたことを特徴とする多層膜処理装置。
  5. 請求項4に記載の多層膜処理装置において、
    逆流阻止手段は、金属膜作製装置のチャンバ内の残留ハロゲンガスの濃度を低減させる濃度低減手段であることを特徴とする多層膜処理装置。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の多層膜処理装置において、
    金属膜作製装置のチャンバ内の圧力よりも搬送チャンバ内の圧力を高く維持してチャンバ内のガスの搬送チャンバ内への流入を阻止する圧力調整手段を備えたことを特徴とする多層膜処理装置。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の多層膜処理装置において、
    基板処理装置は、基板の表面にバリアメタル膜を作製するバリア層作製装置であることを特徴とする多層膜処理装置。
  8. 請求項に記載の多層膜処理装置において、
    搬送チャンバ系には基板の収容チャンバ系が備えられると共に、金属膜作製装置が2設備備えられ、収容チャンバ系とバリア層作製装置との間及びバリア層作製装置と2設備の金属膜作製装置の間で基板を搬送する搬送装置を備えたことを特徴とする多層膜処理装置。
  9. 基板が収容されるチャンバと、
    基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、
    チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして少なくとも前駆体の金属成分をハロゲンの還元により基板に成膜させる温度制御手段とから構成され、
    チャンバ内には自然酸化抑制手段を備えた搬送チャンバ系から基板が搬送されることを特徴とする金属膜作製装置。
  10. 基板が収容されるチャンバと、
    基板に対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、
    チャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度をプラズマ発生手段側の温度よりも低くして少なくとも前駆体の金属成分をハロゲンの還元により基板に成膜させる温度制御手段とから構成される金属膜作製装置に基板を搬送する搬送チャンバであって、
    自然酸化抑制手段を備えたことを特徴とする搬送チャンバ。
  11. 表面に処理が施された基板を自然酸化が抑制された状態の搬送チャンバで金属膜作製装置のチャンバ内に搬送する一方、ハロゲンを含有する原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとの前駆体をチャンバ内に生成し、
    基板側の温度を被エッチング部材側の温度よりも低くして少なくとも前駆体の金属成分をハロゲンの還元により基板に成膜させることを特徴とする多層膜作製方法。
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