JP4387333B2 - 真空処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、真空処理容器内に供給されるガスの分布を均一化することができる真空処理装置に関し、特に、成膜処理に適用した場合に均一な成膜が行えるように企図したものである。
現在、半導体等の製造においては、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いた成膜が知られている。プラズマCVD装置とは、真空処理容器としてのチャンバ内に導入した膜の材料となる有機金属錯体等のガスを、高周波アンテナから入射する高周波によりプラズマ状態にし、プラズマ中の活性な励起原子によって基板表面の化学的な反応を促進して金属薄膜等を成膜する装置である。
これに対し、本発明者等は、高蒸気圧ハロゲン化物を作る金属成分であって、成膜を望む金属成分からなる被エッチング部材をチャンバに設置し、ハロゲンガスをプラズマ化して前記被エッチング部材をハロゲンのラジカルによりエッチングすることで金属成分のハロゲン化物である前駆体を生成させるとともに、前駆体の金属成分のみを基板上に成膜するプラズマCVD装置(以下、新方式のプラズマCVD装置という)および成膜方法を開発した(例えば、下記、特許文献1参照)。
上記新方式のプラズマCVD装置では、成膜される金属源となる被エッチング部材の温度に対して基板の温度が低くなるように制御して基板に当該金属膜を成膜している。例えば、被エッチング部材の金属をM、ハロゲンガスをClとした場合、被エッチング部材を高温(例えば300℃〜700℃)に、また基板を低温(例えば200℃程度)に制御することにより、前記基板にM薄膜を形成することができる。これは、次のような反応によるものと考えられる。
(1)プラズマの解離反応;Cl→2Cl
(2)エッチング反応;M+Cl→MCl(g)
(3)基板への吸着反応;MCl(g)→MCl(ad)
(4)成膜反応;MCl(ad)+Cl →M+Cl
ここで、ClはClのラジカルであることを、(g)はガス状態であることを、(ad)は吸着状態であることをそれぞれ表している。
前述した新方式のCVD装置においては、MClとClとの割合を適正に保つことで、成膜反応が適切に行われる。即ち、成膜条件として、Clガスの流量、圧力、パワー、基板及び被エッチング部材の温度、基板と被エッチング部材との距離等を適正に設定することで、MClとClとの割合をほぼ等しく制御することができ、成膜速度を低下させることなく、しかも、基板に対してClによるエッチング過多が生じることなくMが析出される。
この新方式のCVD装置では、ハロゲンガス(Clガス)をチャンバ内に供給している。Clガスの導入に際しては、均一な成膜、ガス利用効率の観点から様々な工夫がされており、容量型のプラズマを発生させる場合には、基板に対向する電極にシャワーヘッド状のガス孔を多数設け、均一なガス流れを実現することがなされている。しかし、誘導結合型の装置では、基板に対向する電極がないため、チャンバの側壁からガスノズルを通して側面部位からガスを導入したり、基板と対向する天井側の中央からガスを導入したり、ガスノズルをチャンバの中央部まで延設してガスを導入することが行われている。
ところが、チャンバの側壁からガスを導入したり天井側からガスを導入する場合、チャンバの中央部にガスの澱みが生じることが考えられ、ガス供給が不均一になったり、ガスが使用されずに排気されてしまう、即ち、利用効率が不十分になる虞があった。また、チャンバの中央部までガスノズルを延設してガスを導入する場合、ガスの利用効率の向上には効果的であるが、ガスの澱みが生じる虞があった。
真空容器へのガスの導入の技術では、例えば、特許文献2に開示されているように、真空容器の中央部からガスを天井側に向けて供給し、ガスを天井に反射させてガスの流れを基板に対して所望の角度(45度から90度)にすることが開示されている。しかしながら、この技術は、ガスの噴出口の下部には基板が配置されていない構成の装置であり、前述した新方式のCVD装置に適用した場合、装置の大型化等新たな問題が生じてしまう。
特開2003−147534号公報 特開2000−195812号公報
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、装置を大型化することなく供給されたガスの均一化及び利用効率の向上を図ることができる真空処理装置及び真空処理方法を提供することを目的とする。
また、本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、装置を大型化することなく供給されたガスの均一化及び利用効率の向上を図り、成膜の均一化が達成できる薄膜作製方法を提供することを目的とする。
本発明の真空処理装置は、真空処理容器の中央部に延びるガスノズルを設け、真空容器の天井側に開口するガス噴出口をガスノズルの先端部に設け、頂点がガス噴出口の位置に略一致する状態で真空容器内側に突出する円錐状の整流突起を天井に設けた真空処理装置であって、更に、

基板が載置される支持台と、

前記基板が対向する位置におけるガスノズルの下側の真空容器に設けられる金属製の被エッチング部材と、

前記ガスノズルにハロゲンを含有する作用ガスを供給して真空処理容器内に作用ガスを噴出させる作用ガス供給手段と、

前記真空処理容器の内部をプラズマ化して、作用ガスプラズマを発生させてハロゲンラジカルを生成し、ハロゲンラジカルで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとからなる前駆体を生成するプラズマ発生手段と、

前記基板側の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前駆体の金属成分を基板側に成膜させる制御手段と

を備えたことを特徴とする。
上記目的を達成するための請求項11に係る本発明の真空処理方法は、真空処理容器の中央部からガスを基板に向けて噴出させると共に、基板から反転して上方に流れるガスの流れを断つようにして真空容器の内部にガスを供給することを特徴とする。
請求項11に係る本発明では、真空処理容器内に噴出したガスは基板から反転して上方に流れ、上方に流れるガスの流れが断たれて均一な状態にされ、真空容器内でガスが均一化されて滞留が生じることがなくなる。
本発明の真空処理装置及び真空処理方法は、真空処理容器内に供給されるガスの分布を均一化することができる真空処理装置及び真空処理方法となり、特に、成膜処理に適用した場合に均一な成膜が行える。
本発明の薄膜作製方法は、成膜のために供給される作用ガスの分布を均一化して均一な成膜を行うことができる薄膜作製方法となる。
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。以下に示した実施形態例は、本発明の真空処理装置を薄膜作製装置として適用した例である。図1には本発明の第1実施形態例に係る真空処理装置(薄膜作製装置)の概略側面、図2、図3には他の実施形態例に係るガスノズルの要部斜視状況、図4には本発明の第2実施形態例に係る真空処理装置(薄膜作製装置)の概略側面、図5には図4中の材料供給手段の断面を示してある。
(第1実施形態例)
図1に基づいて第1実施形態例を説明する。
本実施形態例は、銅(Cu)製の被エッチング部材が備えられたチャンバ内にハロゲンを含有する作用ガスとしてのClガスを供給し、誘導プラズマを発生させてClガスプラズマを発生させて塩素ラジカル(Cl)を生成し、塩素ラジカル(Cl)で被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれるCu成分とClガス成分との前駆体CuClを生成し、基板側の温度を被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前駆体CuClが塩素ラジカル(Cl)で還元された状態のCu成分を基板の表面に吸着(堆積)させるようにした薄膜作製装置である。
図1に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃から300℃に維持される温度)に制御される。尚、チャンバの形状は円筒状に限らず、例えば、矩形状のチャンバを適用することも可能である。
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材料製(例えば、セラミックス製)の板状の天井板7によって塞がれている。天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのプラズマアンテナ8が設けられ、プラズマアンテナ8は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ8には整合器9及び電源10が接続されて高周波が供給される。プラズマアンテナ8、整合器9及び電源10により誘導プラズマを発生させるプラズマ発生手段が構成されている。
チャンバ1には金属製として銅(Cu)製の被エッチング部材11が保持され、被エッチング部材11はプラズマアンテナ8の電気の流れに対して基板3と天井板7の間に不連続状態で配置されている。例えば、被エッチング部材11は、リング部12の内周側に銅製の長尺板部材13がラダー状態に配置されて構成されている。これにより、被エッチング部材11はプラズマアンテナ8の電気の流れ方向である周方向に対して構造的に不連続な状態とされている。
尚、プラズマアンテナ8の電気の流れに対して不連続状態にする被エッチング部材の構成としては、リング部の内側にチャンバ1の中心側に延びる突起部を設けたり、格子状に形成したり網目状に構成する等とすることも可能である。また、被エッチング部材としては、タンタル、タングステン、チタンを始めハロゲン化物形成金属であれば銅に限定されない。
被エッチング部材11の上方におけるチャンバ1の筒部にはチャンバ1の内部にハロゲンとしての塩素を含有する作用ガス(Clガス)17を供給するガスノズル14が1本設けられている。ガスノズル14はチャンバ1の中心部まで延び、先端が上方に向けられてガス噴出口15とされている。ガスノズル14には流量及び圧力が制御される流量制御器16を介してClガス17が送られる(作用ガス供給手段)。
一方、天井板7の内側には円錐状の円錐突起18が設けられ、円錐突起18の頂点はガスノズル14のガス噴出口15の位置に略一致している。ガスノズル14のガス噴出口15から噴出したClガス17は円錐突起18の頂点に当たって整流されて水平方向に助長され、天井板7から反転して下方に流れるClガス17の流れが断たれるようになっている。このため、チャンバ1内でClガス17が均一化されて滞留が生じることがない。
成膜に関与しないガス等は排気口19から排気される。天井板7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置20によって所定の圧力に維持される。
上述した薄膜作製装置では、チャンバ1の内部にガスノズル14のガス噴出口15からClガス17を供給する。ガスノズル14のガス噴出口15から噴出したClガス17は円錐突起18の頂点に当たって整流されて水平方向に助長され、チャンバ1内でClガス17が均一化される。プラズマアンテナ8から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、均一化されたClガス17をイオン化してClガスプラズマを発生させ、チャンバ1内に均一状態でClラジカルを生成する。この時の反応は、次式で表すことができる。
Cl→2Cl ・・・・(1)
ここで、Clは塩素ラジカルを表す。
均一状態で生成されたガスプラズマがCu製の被エッチング部材11に作用することにより、被エッチング部材11が加熱されると共に、Cuに均一な分布でエッチング反応が生じる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
Cu(s)+Cl→CuCl(g) ・・・・(2)
ここで、sは固体状態、gはガス状態を表す。式(2)は、Cuがガスプラズマ(塩素ラジカルCl)によりエッチングされ、前駆体24とされた状態である。
ガスプラズマを発生させることにより被エッチング部材11を加熱し(例えば、300℃〜700℃)、更に、温度制御手段6により基板3の温度を被エッチング部材11の温度よりも低い温度(例えば、100℃〜300℃)に設定する。この結果、均一に分布された前駆体24は基板3に吸着(堆積)される。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(g)→CuCl(ad) ・・・・(3)
基板3に吸着したCuClは、塩素ラジカルClにより還元されてCu成分となる。
更に、上式(2)において発生したガス化したCuCl(g)の一部は、基板3に吸着する(上式(3)参照)前に、塩素ラジカルClにより還元されてガス状態のCuとなる場合もある。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(g)+Cl→Cu(g)+Cl↑ ・・・・(4)
この後、ガス状態のCu成分は、基板3に吸着される。
上述した薄膜作製装置においては、ガスノズル14のガス噴出口15から噴出したClガス17は円錐突起18の頂点に当たって整流されて水平方向に助長され、天井板7から反転して下方に流れるClガス17の流れが断たれるようになっている。このため、チャンバ1内でClガス17が均一化され、均一なエッチングにより前駆体の分布も均一化されて成膜の均一性を向上させることができる。また、チャンバ1内にClガス17の滞留が生じることがないので、無駄なく(ガスのまま排出されることなく)Clラジカルとされ、ガスの利用効率を向上させることができる。
ガスノズルの他の実施形態例を図2、図3に基づいて説明する。図2、図3にはガスノズルの先端部の状況を示してある。
図2に示すように、ガスノズル21は、ガスノズル14(図1参照)と同様にチャンバ1(図1参照)の中心部まで延びて配置されている。ガスノズル21の先端には天井板7(図1参照)の円錐突起18(図1参照)の頂点に向けて開口するガス噴出口22が設けられている。また、ガスノズル21の先端には水平方向に開口された水平ガス噴出口23が3箇所に設けられている。
ガスノズル21を用いてチャンバ1内にClガスを供給することにより、ガス噴出口22から噴出したClガスは円錐突起18(図1参照)の頂点に当たって整流されて水平方向に助長され、天井板7(図1参照)から反転して下方に流れるClガスの流れが断たれるようになっている。また、水平ガス噴出口23から噴出したClガスが3箇所から噴出して下方に流れるClガスの流れに衝突し、下方に流れるClガスの流れが断たれるようになっている。
このため、チャンバ1(図1参照)内でClガスが均一化されて滞留が生じることがなく、均一なエッチングにより前駆体の分布も均一化されて成膜の均一性を向上させることができる。また、チャンバ1(図1参照)内にClガスの滞留が生じることがないので、無駄なく(ガスのまま排出されることなく)Clラジカルとされ、ガスの利用効率を向上させることができる。
図2に示したガスノズル21は、円錐突起18(図1参照)を備えたチャンバ1(図1参照)に設けた場合を例に挙げて説明したが、円錐突起が設けられていないチャンバ1に設けることも可能である。円錐突起が設けられていない場合であっても、水平ガス噴出口23から噴出したClガスが天井板7(図1参照)で反転して下方に流れるClガスの流れに衝突し、下方に流れるClガスの流れを断つようになるので、チャンバ内でClガスが均一化されて滞留が生じることがない。
図3に示すように、ガスノズル25は、ガスノズル14(図1参照)と同様にチャンバ1(図1参照)の中心部まで延びて配置されている。そして、図3に示したガスノズル25は円錐突起18(図1参照)が設けられていないチャンバに配置される。ガスノズル25の先端には、基板3(図1参照)側に開口するガス噴出口27が設けられると共に、水平方向に開口された水平ガス噴出口26が3箇所に設けられている。
ガスノズル25を用いてガス噴出口27及び水平ガス噴出口26からチャンバ1内にClガスを供給することにより、ガス噴出口27から基板3(図1参照)に向けて噴出したClガスは基板3(図1参照)から反転して上方に流れると共に、3箇所の水平ガス噴出口26から噴出したClガスは水平方向に送られる。基板3(図1参照)から反転して上方に流れるClガスの流れが水平方向に向けて噴出させたClガスと衝突して均一な状態にされる。
このため、チャンバ内でClガスが均一化されて滞留が生じることがなく、均一なエッチングにより前駆体の分布も均一化されて成膜の均一性を向上させることができる。また、チャンバ1内にClガスの滞留が生じることがないので、無駄なく(ガスのまま排出されることなく)Clラジカルとされ、ガスの利用効率を向上させることができる。
尚、図2、図3に示したガスノズル21、25は何れも水平ガス噴出口23、26を3箇所に設けた例を挙げて説明したが、ガスノズル21、25の先端を丸くしたり多角形に形成して4箇所以上に水平ガス噴出口を設けることも可能である。また、ガス噴出口27からガスを基板3(図1参照)に向けて噴出させると共に、水平ガス噴出口26に代えて、基板3(図1参照)から反転して上方に流れるガスの流れを断つように整流手段等を設け、Clガスの流れを均一な状態にすることも可能である。
(第2実施形態例)
図4、図5に基づいて第2実施形態例を説明する。尚、図1に示した第1実施形態例と同一部材には同一符号を付してある。
本実施形態例は、加熱された銅(Cu)製の被エッチング部材が備えられたチャンバ内にハロゲンを含有する作用ガスとしてのClガスを供給し、加熱された被エッチング部材にClガスを接触させてサーマルエッチングすることにより被エッチング部材に含まれるCu成分とClガス成分との前駆体CuClを生成し、基板側の温度を被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前駆体CuClが塩素ラジカル(Cl)で還元された状態のCu成分を基板の表面に吸着(堆積)させるようにした薄膜作製装置である。
図4に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃から300℃に維持される温度)に制御される。尚、チャンバの形状は円筒状に限らず、例えば、矩形状のチャンバを適用することも可能である。
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材料製(例えば、セラミックス製)の板状の天井板7によって塞がれている。チャンバ1の筒部の上方にはチャンバ1の内部にハロゲンとしての塩素を含有する作用ガス(Clガス)17を供給するガスノズル14が1本設けられている。ガスノズル14はチャンバ1の中心部まで延び、先端が上方に向けられてガス噴出口15とされている。ガスノズル14には流量及び圧力が制御される流量制御器16を介してClガス17が送られる(作用ガス供給手段)。
一方、天井板7の内側には円錐状の円錐突起18が設けられ、円錐突起18の頂点はガスノズル14のガス噴出口15の位置に略一致している。ガスノズル14のガス噴出口15から噴出したClガス17は円錐突起18の頂点に当たって整流されて水平方向に助長され、天井板7から反転して下方に流れるClガス17の流れが断たれるようになっている。このため、チャンバ1内でClガス17が均一化されて滞留が生じることがない。
ガスノズル14の下部におけるチャンバ1には高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る元素を含む材料である銅(Cu)製の被エッチング部材31が備えられ、被エッチング部材31の上側(天井板7側)には加熱手段としてのヒータ手段32が設けられている。被エッチング部材31とヒータ手段32は一体に構成されて材料供給手段33とされ、被エッチング部材31を所定の温度で加熱することにより、加熱された被エッチング部材31とガスノズル14のガス噴出口15から噴出されたClガスが接触してCuと塩素との化合物である前駆体のガス(CuCl)が形成される。
図4、図5に基づいて材料供給手段33の構成を説明する。
図4、図5に示すように、材料供給手段33は、チャンバ1に固定されるリング部34を備え、リング部34の内周側に被エッチング部材31及びヒータ手段32からなる長尺部材35が備えられている。長尺部材35はチャンバ1の中心部から放射状に半径方向に、例えば、8本形成されている。ヒータ手段32には枠部材36(例えば、絶縁体製)が備えられ、枠部材36は下部が開放された状態の断面コ字型に形成されている。枠部材36にはヒータ枠37(例えば、石英製)が備えられ、枠部材36とヒータ枠37との間にヒータ棒38が収められている。ヒータ枠37の下面に長尺板状の被エッチング部材31が取り付けられている。全てのヒータ棒38は電気的に接続された状態にあり、図示しない電源を介して通電されることにより発熱して(抵抗加熱手段)被エッチング部材31が加熱される。
尚、8本の長尺部材35の少なくとも一箇所に異なる金属の被エッチング部材を配設し、その部位のヒータを独立に制御して被エッチング部材を加熱することも可能である。このようにすることで、異種の金属の前駆体のガスをチャンバ1内に供給することができる。被エッチング部材の種類を適宜選定し、加熱を独立して制御することで、合金を成膜したり、複数種の金属を積層して成膜することが可能になる。
一方、材料供給手段33の下側におけるチャンバ1の周囲(例えば、4箇所)には開口部41が設けられ、開口部41には筒状のラジカル通路42の一端が固定されている。ラジカル通路42の途中部には絶縁体製の筒状の励起室43が設けられ、励起室43の周囲にはコイル状のプラズマアンテナ44が設けられている。プラズマアンテナ44には整合器45及び電源46が接続され、電源46から給電が行われる。ラジカル通路42にはハロゲンとしての塩素ガス(Clガス)が供給され、プラズマアンテナ44から電磁波を励起室43の内部に入射することでClガスが励起されてハロゲンラジカルとしての塩素ラジカルClが形成される。励起室43で形成された塩素ラジカルClは開口部41からチャンバ1内に供給される。
チャンバ1内に均一化されたClガス17により前駆体CuClが形成されると共に励起室43から塩素ラジカルClが供給されることにより、相対的に低温(例えば、100℃から300℃)に維持された基板3にCuClが吸着し、基板3に吸着状態となっているCuClにClが作用してCuClが還元され、基板3にCu成分を析出させて成膜が行なわれる。尚、成膜に寄与しないガス等は排気口19から真空装置20を介して排気される。
上述した薄膜作製装置では、図示しない電源の電力を調整してヒータ棒38の発熱量を制御し(例えば、1500℃)、被エッチング部材31を所望の温度(例えば、800℃〜1000℃)に加熱する。ガスノズル14のガス噴出口15からチャンバ1の内部にClガス17を供給する。ガスノズル14のガス噴出口15から噴出したClガス17は円錐突起18の頂点に当たって整流されて水平方向に助長され、チャンバ1内でClガス17が均一化される。加熱された被エッチング部材31に均一化されたClガス17が接触してサーマルエッチングが行われる。所望温度を例えば、800℃〜1000℃としたことにより、成膜に必要な十分な量の前駆体CuClが生成される。均一化されたClガス17と接触して生成された前駆体CuClは均一な流れにより基板3側に供給される。
同時に、ラジカル通路42に塩素ガス(Clガス)が供給され、プラズマアンテナ44から電磁波が励起室43の内部に入射されてClが形成される。励起室43で形成されたClは開口部41からチャンバ1内に供給される。
温度制御手段6により基板3の温度が被エッチング部材31の温度よりも低い温度(例えば、100℃〜300℃)に設定され、前駆体CuClが基板3に吸着(堆積)される。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(g)→CuCl(ad)
基板3に吸着したCuClは、開口部41からチャンバ1内に供給された塩素ラジカルClにより還元されてCu成分となる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(ad)+Cl→Cu(s)+Cl
更に、ガス化したCuCl(g)の一部は、基板3に吸着する前に、塩素ラジカルClにより還元されてガス状態のCuとなる場合もあり、ガス状態のCu成分が基板3に吸着される。これにより、基板3にCuの薄膜が作製される。
上述した薄膜作製装置では、ガスノズル14のガス噴出口15から噴出したClガス17は円錐突起18の頂点に当たって整流されて水平方向に助長され、天井板7から反転して下方に流れるClガス17の流れが断たれるようになっている。このため、チャンバ1内でClガス17が均一化され、加熱された被エッチング部材31と均一に接触して前駆体の分布も均一化されて成膜の均一性を向上させることができる。また、チャンバ1内にClガス17の滞留が生じることがないので、無駄なく(ガスのまま排出されることなく)Clラジカルとされ、ガスの利用効率を向上させることができる。
本実施形態例では、上部にガス噴出口15を備えたガスノズル14を適用した例を挙げて説明したが、図2、図3に示したガスノズル21、25のいずれかを適用することも可能である。図2に示したガスノズル21を適用した場合、天井板7の円錐突起18は設けても設けなくてもよい。図3に示したガスノズル25を適用した場合、天井板7の円錐突起18は不用となる。
本発明は、装置を大型化することなく供給されたガスの均一化及び利用効率の向上を図ることができる真空処理装置及び真空処理方法の産業分野で利用することができる。
本発明の第1実施形態例に係る真空処理装置(薄膜作製装置)の概略側面図である。 他の実施形態例に係るガスノズルの要部斜視図である。 他の実施形態例に係るガスノズルの要部斜視図である。 本発明の第2実施形態例に係る真空処理装置(薄膜作製装置)の概略側面図である。 図4中の材料供給手段の断面図である。
符号の説明
1 チャンバ
2 支持台
3 基板
4 ヒータ
5 冷媒流通手段
6 温度制御手段
7 天井板
8 プラズマアンテナ
9 整合器
10 電源
11、31 被エッチング部材
12、34 リング部
13 長尺板部材
14、21、25 ガスノズル
15、22、27 ガス噴出口
16 流量制御器
17 作用ガス(Clガス)
18 円錐突起
19 排気口
20 真空装置
23、26 水平ガス噴出口
32 ヒータ手段
33 材料供給手段
35 長尺部材
36 枠部材
37 ヒータ枠
38 ヒータ棒

Claims (1)

  1. 真空処理容器の中央部に延びるガスノズルを設け、真空容器の天井側に開口するガス噴出口をガスノズルの先端部に設け、頂点がガス噴出口の位置に略一致する状態で真空容器内側に突出する円錐状の整流突起を天井に設けた真空処理装置であって、更に、
    基板が載置される支持台と、
    前記基板が対向する位置におけるガスノズルの下側の真空容器に設けられる金属製の被エッチング部材と、
    前記ガスノズルにハロゲンを含有する作用ガスを供給して真空処理容器内に作用ガスを噴出させる作用ガス供給手段と、
    前記真空処理容器の内部をプラズマ化して、作用ガスプラズマを発生させてハロゲンラジカルを生成し、ハロゲンラジカルで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンとからなる前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    前記基板側の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前駆体の金属成分を基板側に成膜させる制御手段と
    を備えたことを特徴とする真空処理装置。
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