JP4386697B2 - 複合コアリアクトルおよび誘導受電回路 - Google Patents

複合コアリアクトルおよび誘導受電回路 Download PDF

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Description

本発明は、交流電源系統の調整や制御の目的で利用される複合コアリアクトル、およびこのリアクトルを用いた誘導受電回路にも関するものである。
従来のリアクトルを用いた誘導受電回路として、たとえば特許文献1に、定電圧誘導給電装置に関する発明が開示されている。
すなわち、軌道に沿って走行する車両の駆動電力を、電磁誘導により非接触で軌道側から車両に転送する装置である。車両に搭載される誘導受電回路は、基本構成として、起動側の設備から発生する交番磁界(10KHzほどの一定周波数)の中に置かれて誘導起電力を発生する受電コイルと、受電コイルに接続されて磁界周波数に同調する共振回路を形成する共振コンデンサと、受電コイルとコンデンサの共振回路に並列接続された可飽和リアクトルと、共振回路から取り出した交流電力を直流化してモータなどの負荷に供給するコンバータとを備えている。前記可飽和リアクトルは、環状フェライト鉄心を使用したトロイダルコイルで構成している。
共振回路を形成する誘導受電回路においては、負荷が電力をほとんど消費しない場合(軽負荷状態という)、何らかの制限要因が働かない限りは、共振コンデンサに印加された電圧が際限なく増大して、回路が破壊されてしまう。そのため、受電コイルとコンデンサの共振回路に可飽和リアクトルを並列接続することで、電圧の異常上昇を規制する(定電圧化する)構成を採用している。
また可飽和リアクトルのコアが、飽和後に流れるパルス状の電流により発熱するという問題を解決するため、たとえば特許文献2に、同内径の空洞を有する複数の軟磁性合金薄帯巻磁心(コア)と複数の放熱板を、絶縁シートを介して交互に積層し、また巻磁心と放熱板の内径面に密着して磁心損失による発熱を前記放熱板へ伝導する円筒管を設けた構造が開示されている。
特開平10−70856号公報 特開2001−250726号公報
しかし、従来の誘導受電回路の可飽和リアクトルでは、高抵抗の特性を示すフェライト磁心を使用し、高周波磁界により生じる渦電流損発熱を避けているが、フェライトは温度によって磁気特性(飽和磁束密度)が大きく変化するため、使用環境の温度変化が大きい場合には、共振制限電圧が大きく変化し、一定電圧を得ることが困難になるという問題がある。
またコアが磁気飽和に達した後、コア巻線に流れ込む電流はパルス状に急増し、このパルスによる高周波成分を含む電流が周囲に磁界を形成するため、コアや周囲に渦電流損失を発生させて発熱を引き起こし、また電磁妨害(EMI)を引き起こすという問題がある。
また鉄心フェライトに代えて、温度に対して安定な磁気特性を示すアルモファス合金軟磁性材料やナノ結晶軟磁性材料を可飽和リアクトルのコアに使用すれば、使用環境の温度変化が大きくても定電圧特性が安定するという利点がある。しかし、この種のリボン状の磁性材料を巻いてコア(薄帯巻磁心)を構成すると、コイル巻線に急峻なパルス電流が流れた場合にはリボン面に渦電流を発生しやすく、それによりコア自体が激しく発熱するという問題がある。このコア自体が激しく発熱するという問題を解決するため、特許文献2のように、巻磁心(コア)と放熱板を交互に積層する構造では、あまりに構造が大掛かりとなり、設置空間が広く必要となり、コストも増加するという問題がある。
上記いずれのコア材料であっても、前述した誘導受電回路に定電圧化のために可飽和リアクトルを接続した構成においては、定電圧化の作用を果たす動作モードで10KHz以上の高周波の各半波のピーク付近でコアが磁気飽和し、コアに巻かれたコイルに急峻なパルス電流が流れることになる(このことで電圧上昇が規制されるわけである)。
そこで、本発明は、無接触給電設備における受電回路において、共振電圧を安定して一定値以下に制限し、パルス状の電流を抑制して低ノイズを実現でき、かつ低損失で発熱による温度上昇が小さく、さらに小型でコストを低減できる複合コアリアクトルを提供することを目的としたものである。
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、磁気抵抗の小さい環状磁路を形成する第1コア部材と、前記第1コア部材より磁気抵抗の大きい環状磁路を形成する第2コア部材と、熱伝導率の高い低透磁率材料からなる放熱板を備え、前記第1コア部材の両側面に前記第2コア部材と前記放熱板が配置され、第2コア部材、第1コア部材、放熱板の順に接合され、コイル巻線が両環状磁路に共通に鎖交するように巻かれていることを特徴とするものである。
上記構成によれば、第1コア部材は、第2コア部材より磁気抵抗が小さいことにより、第1コア部材が磁気飽和していない領域においては、コイル巻線に流れる電流による磁界(磁化力)(H)はもっぱら第1コア部材に磁束を生じさせ、この状態ではリアクトルは大きなインダクタンス値を示す。そして、第1コア部材の磁束密度(B)が飽和すると、次に急激に増加を始めたコイル電流による磁化力が第2コア部材に磁束を生じさせる。このとき第1コア部材が磁気飽和すると、これを起源とするインダクタンスはほぼゼロになるが、磁気抵抗が大きな第2コア部材に磁束が生じることからリアクトルとしてのインダクタンスはある程度の値を維持することになり、トータルで飽和しないリアクトルとなる。そのため第1コア部材が磁気飽和してもリアクトルに流れるパルス電流は、それほど急峻で過大とはならない。つまり、穏やかに電圧抑制の作用が働くことになり、急峻で過大なパルス電流に起因する渦電流による発熱や電磁妨害の問題が軽減される。また第1コア部材は飽和状態で使用されるために発熱量が大きくなるが、この発熱は放熱板とともに殆ど発熱しない第2コア部材へ伝導され、放熱板および第2コア部材により速やかに逃がされ、過熱することが防止される。また第1コア部材は飽和領域で使用されるため、最大磁束密度が大きく、かつコアロスの少ない(B−H特性において、図8に斜線で示す、ヒステリシスループが囲む面積が小さい)コア材料から形成する必要があるが、第2コア部材は飽和領域で使用しないため、第2コア部材のコア材料は、第1コア部材の如き特性を有するコア材料とする必要はなく、第1コア部材のコア材料より磁気抵抗が大きく、ロスの少ないコア材料で安価な材料に代えることができる。図8において、Hは磁界(磁化力)、Bは磁束密度、Hmは最大磁化力、Bmは最大磁束密度、Brは残留磁束密度、Hcは保磁力を示す。
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記第1コア部材および第2コア部材および放熱板は、ほぼ同径の空洞を有し、前記第2コア部材、第1コア部材、放熱板は、前記空洞を揃えて接合され、前記コイル巻線は、この揃えた空洞を使用して巻かれていることを特徴とするものである。
上記構成によれば、コイル巻線が、接合された第2コア部材、第1コア部材、放熱板の空洞を使用して巻かれることにより、巻き作業が容易となり、コストが低減される。
また請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、柔軟な絶縁材料からなり、前記空洞の径にほぼ一致する外径の中空芯材を備え、前記中空芯材を位置決め部材として、前記第2コア部材、第1コア部材、放熱板はその空洞を揃えて接合され、前記コイル巻線は、前記中空芯材を通し、中空芯材の両縁を使用して前記第2コア部材の空洞縁部に接触しないように巻かれることを特徴とするものである。
上記構成によれば、中空芯材を位置決め部材として第2コア部材、第1コア部材、放熱板の空洞を揃えて接合することにより、接合作業が容易となり、また芯材の両縁を使用して第2コア部材の空洞縁部に接触しないようにコイル巻線を巻くことにより、コイル巻線が第2コア部材の空洞縁部で断線する恐れが減少される。
また請求項4に記載の発明は、磁気抵抗の小さい環状磁路を形成する2個の第1コア部材と、前記第1コア部材より磁気抵抗の大きい環状磁路を形成する第2コア部材と、熱伝導率の高い低透磁率材料からなる2枚の放熱板を備え、前記各第1コア部材間に前記第2コア部材が配置され、前記各第1コア部材の外方にそれぞれ放熱板が配置され一方の放熱板、一方の第1コア部材、第2コア部材、他方の第1コア部材、他方の放熱板の順に接合され、コイル巻線が各環状磁路に共通に鎖交するように巻かれていることを特徴とするものである。
上記構成によれば、第1コア部材を2個用意し、第1コア部材のコア断面積を複数倍とすることにより第1コア部材が1個の場合と比較して飽和電圧を2倍とすることが可能となり、また発熱量が多い第1コア部材が分散され放熱面積が増加され、これら第1コア部材を両側に配置し、発熱量が少ない第2コア部材が第1コア部材に挟まれる配置としたことにより、放熱特性が向上する。
また請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明であって、前記第1コア部材および第2コア部材および放熱板は、ほぼ同径の空洞を有し、柔軟な絶縁材料からなり、前記空洞の径にほぼ一致する外径の中空芯材を備え、前記中空芯材を位置決め部材として、前記第1コア部材および第2コア部材および放熱板は、その空洞を揃えて接合され、前記コイル巻線は、前記中空芯材を通し、中空芯材の両縁を緩衝材として使用し、両側の放熱板の空洞縁部に接触しないように巻かれることを特徴とするものである。
上記構成によれば、コイル巻線が、接合された第1コア部材および第2コア部材および放熱板の空洞を使用して巻かれることにより、巻き作業が容易となり、コストが低減される。また中空芯材を位置決め部材として第1コア部材および第2コア部材および放熱板の空洞を揃えて接合することにより、接合作業が容易となり、また芯材の両縁を使用して両放熱板の空洞縁部に接触しないようにコイル巻線を巻くことにより、コイル巻線が放熱板の空洞縁部で断線する恐れを減少させることができる。
また請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明であって、前記第1コア部材は、連続した環状磁路を形成し、前記第2コア部材は、空隙により局部破断した環状磁路を形成することを特徴とするものである。
上記構成によれば、第1コア部材と第2コア部材を同材料で同形状に形成するとき、第2コア部材はその空隙により第1コア部材より磁気抵抗が大きくなる。
また請求項7に記載の発明は、磁気抵抗の小さい環状磁路を形成する第1コア部材と、前記第1コア部材より磁気抵抗の大きい環状磁路を形成する第2コア部材と、熱伝導率の高い低透磁率材料からなる放熱板を備え、前記第1コア部材と放熱板は接合され、前記第1コア部材と第2コア部材は、各外周面を互いに接触させて接合され、コイル巻線が両環状磁路に共通に鎖交するように巻かれ、前記第1コア部材と第2コア部材の外周部は、絶縁材を介して接触されることを特徴とするものである。
上記構成によれば、急峻で過大なパルス電流に起因する渦電流による発熱や電磁妨害の問題が軽減されるとともに、第1コア部材と第2コア部材の各外周面を互いに接触させて接合していることにより、薄型形状となり、全体が薄型の複合コアリアクトルが提供される。また第2コア部材の空隙から漏れる磁束が絶縁材により離され、前記漏れ磁束により第1コア部材に渦電流が発生し第1コア部材が発熱することが防止される。よって、第1コア部材に対する第2コア部材の空隙の位置を任意に選択することが可能となる。
また請求項8記載の発明は、請求項7に記載の発明であって、前記第2コア部材は、空隙により局部破断した環状磁路を形成し、前記第2コア部材の空隙は、前記第1コア部材と第2コア部材の接触部から離されることを特徴とするものである。
上記構成によれば、第2コア部材の空隙から漏れる磁束により第1コア部材に渦電流が発生し第1コア部材が発熱することが防止される。
また請求項9記載の発明は、請求項7または請求項8に記載の発明であって、前記第1コア部材および第2コア部材および放熱板は、ほぼ同径の空洞を有し、柔軟な絶縁材料からなり、前記空洞の径にほぼ一致する外径の2個の中空芯材を備え、前記一方の中空芯材を位置決め部材として、前記第1コア部材と放熱板は、その空洞を揃えて接合され、前記第2コア部材の空洞に前記他方の中空芯材が通され、前記コイル巻線は、前記一方の中空芯材と他方の中空芯材の両縁を緩衝材として使用して、第1コア部材および第2コア部材および放熱板の空洞縁部に接触しないように巻かれていることを特徴とするものである。
上記構成によれば、一方の中空芯材を位置決め部材として、第1コア部材と放熱板は、その空洞を揃えて接合され、第2コア部材の空洞に他方の中空芯材が通され、コイル巻線は、一方の中空芯材と他方の中空芯材の両縁を緩衝材として使用して、第1コア部材および第2コア部材および放熱板の空洞縁部に接触しないように巻かれる。
また請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の発明であって、前記第1コア部材を、高透磁率材料からなる帯体をロール状に巻いて形成し、前記第2コア部材を、前記第1コア部材の外径とほぼ同じ外径を有し、かつ第1コア部材により形成される中央部の空洞とほぼ同じ空洞を有するように、帯体をロール状に巻き、前記ロール状に巻いた帯体の一部を切欠いて形成したことを特徴とするものである。
上記構成によれば、第1コア部材と第2コア部材が、帯体をロール状に巻いて形成されることにより、第1コア部材と第2コア部材の円環型の両側面の平面部分は、帯体の側縁を集積した面となり、この面は熱伝導性に優れている。よって第1コア部材で発生する熱をできるだけ効率よく放熱できるように、すなわち熱結合が密となるように、第2コア部材の帯体の側縁を集積した面と第1コア部材の帯体の側縁を集積した面を合わせ、第1コア部材の帯体の側縁を集積した面を放熱板に合わせ、接合することにより、第1コア部材で発生する熱は、放熱板と第2コア部材により効率よく放熱される。また第2コア部材は、ロール状に巻いた帯体の一部が切欠かれることにより、第1コア部材より磁気抵抗が大きくなる。
また請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明であって、前記放熱板と前記第1コア部材とは電気的に絶縁された状態で接合されていることを特徴とするものである。
上記構成によれば、放熱板と第1コア部材が接触すると層間短絡を起こす恐れがあるが、電気的に絶縁された状態とすることにより、防止することができる。
また請求項12に記載の発明は、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の発明であって、前記コイル巻線として撚線からなる絶縁電線を使用することを特徴とするものである。
上記構成によれば、第2コア部材によりパルス電流の立ち上がりが抑制され、高調波成分も低減されるので、コイル巻線自体も高価なリッツ線を用いる必要はなく、通常の絶縁電線を使用することができる。またコイル巻線は、コア部材および放熱板を固定する機能が求められることにより、リッツ線では切れてしまう恐れがあるが通常の絶縁電線ではその恐れは少なく、品質を保証することができ、さらにリッツ線を使用する場合と比較してコストを低減することができる。
また請求項13に記載の発明は、所定周波数の交番磁界中に置かれて誘導起電力を発生する受電コイルと、受電コイルに接続されて磁界周波数に同調する共振回路を形成する共振コンデンサとを備え、共振回路から負荷に電力を供給する誘導受電回路であって、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の複合コアリアクトルのコイル巻線を共振コンデンサに並列接続したことを特徴とするものである。
上記構成によれば、軽負荷状態では、何らかの制限要因が働かない限りは、共振コンデンサに印加される電圧が際限なく増大して、回路が破壊されてしまうが、受電コイルとコンデンサの共振回路に複合コアリアクトルを並列接続することで、電圧の異常上昇が規制される(定電圧化される)。このとき、第2コア部材の働きにより、第1コア部材が磁気飽和してもリアクトルに流れるパルス電流は、それほど急峻で過大とはならず、穏やかに電圧抑制の作用が働くことになり、急峻で過大なパルス電流に起因する渦電流による発熱や電磁妨害の問題が軽減される。
本発明の複合コアリアクトルは、誘導受電回路の電圧抑制のために可飽和リアクトルを組み込むなどの応用において、安定した電圧レベルでサージ耐量も大きく、しかも穏やかに電圧抑制の作用が働くので、急峻で過大なパルス電流に起因する電磁妨害の問題が軽減され、また過熱しにくいので、実装設計が容易となり、装置の小型化に寄与する、という効果を有している。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1における複合コアリアクトルの斜視図であり、本発明の複合コアリアクトルの基本的な実施の形態を示している。
図1において、1は磁気抵抗の極めて小さい連続した環状磁路を形成する空隙(gap;ギャップ)無し第1コア部材、2は第1コア部材1より磁気抵抗の大きい、空隙3により局部破断した環状磁路を形成するgap有り第2コア部材であり、これら第1コア部材1と第2コア部材2とはともに、アモルファス合金軟磁性材料やナノ結晶軟磁性材料{高透磁率で高効率材料、すなわち最大磁束密度が大きく、かつコアロスの少ない(B−H特性において、図8に斜線で示すヒステリシスループが囲む面積が小さい)コア材料の一例}の帯体をロール状に密に巻き、そして外径とコア中央部の空洞4の径をほぼ同一とした円環型コア(環状コア)に形成され、第2コア部材2には、円環の一部を切欠いて(破断して)前記空隙3を設け、主にコアの帯体の側縁を集積した面に絶縁処理(たとえばエポキシ樹脂の絶縁塗装)を施している。また(gap無し)第1コア部材1と(gap有り)第2コア部材2のコア断面積をほぼ同一としている。
また第1コア部材1に発生する熱を放熱するために、たとえばアルミニウムや銅などの熱伝導率の高い低透磁率材料、あるいはたとえばSUS304などの低透磁率材料からなる放熱板5が設けられている。またこの放熱板5は、ブラケットを兼ねてL字形に折り曲げられており、その主面はコア材料1,2の外径より大きく、コア部材1,2の空洞4とほぼ同径の空洞6が空けられている。
また柔軟な絶縁材料からなり、コア部材1,2の空洞4および放熱板5の空洞6の径にほぼ一致する径の円筒状の中空芯材7(たとえば、紙やプラスチックからなる筒状の芯材)を備え、この芯材7を位置決め部材として、この芯材7に第2コア部材2、第1コア部材1、放熱板5の順にその空洞4,6を通し(揃え)、続けてこれら第2コア部材2と第1コア部材1と放熱板5を接合し、さらに揃えた空洞4,6(中空芯材7の空洞)を使用して、通常の絶縁電線(撚り線)からなるコイル巻線8がコア部材1,2の両環状磁路に共通に鎖交するように巻かれている。またこのとき、コイル巻線8は、芯材7の両縁を緩衝材として使用して、第2コア部材2および放熱板5の空洞4,6の空洞縁部に接触しないように巻かれている。なお、中空芯材7の軸方向の長さを、接合されたコア部材1,2および放熱板5の軸方向の長さに両縁が少し飛び出す長さを加えたものとしている。
上記リボン材(帯体)を密に巻いたコア部材1,2においては、円環型の両側面の平面部分は、リボン材の側縁を集積した面であり、巻層を介すことなくリボン材が直接熱を伝えるのでこの面は熱伝導性に優れている。よってコア部材1で発生する熱をできるだけ効率よく放熱できるように、すなわち熱結合が密となるように、第2コア部材2のリボン材の側縁を集積した面と第1コア部材1のリボン材の側縁を集積した面を合わせ、第1コア部材1のリボン材の側縁を集積した面を放熱板5の主面に合わせ、接合している。このような接合により、コア部材1で発生する熱は、放熱板5と第2コア部材2により効率よく放熱される。また接合されたコア部材1,2および放熱板5は、それぞれ上記帯体(リボン体)の側縁を集積した面に施した絶縁処理により電気的に絶縁されている。なお、これらの接合の電気的絶縁は、上記帯体(リボン体)の側縁を集積した面に施したエポキシなどの絶縁塗装以外にも、両者間にシリコンなどの絶縁シートを介在させること、あるいは帯体自体に絶縁処理することにより実現できる。
また放熱板5は、この複合コアリアクトル自体の取り付けブラケットとして使用できる形態になっていることにより、コイル巻線8から発生する起磁力の影響から周囲の構造物(おもに鉄類)を遠ざけるのにも効果的である。
以上のように構成された複合コアリアクトルを、たとえば図2に示す誘導受電回路に組み込む。図2の回路は、10KHzほどの一定周波数の交番磁界中に置かれて誘導起電力を発生する受電コイル11と、受電コイル11に接続されて磁界周波数に同調する共振回路を形成する共振コンデンサ12と、共振回路から取り出した交流電力を直流化してモータなどの負荷15に供給する整流回路13とを備えている。そして、複合コアリアクトル14(コイル巻線8)を共振コンデンサ12(共振回路)に並列に接続している。また第1コア部材1の飽和電圧を、通常負荷時の共振回路の共振電圧(以下、所定電圧と称す)に設定している。
図2の回路構成および図3に示すB−Hカーブに基づいて複合コアリアクトルの作用について説明する。
まずコア部材1,2は同じ材料で、かつ同形状とされていることにより、gap無し第1コア部材1は、当然、gap有り第2コア部材2より磁気抵抗がかなり小さい(第2コア部材2は、第1コア部材1より磁気抵抗を大きくしている)。したがって、複合コアリアクトル14に印加される電圧が所定電圧以下のとき、すなわち第1コア部材1が磁気飽和していない領域においては、コイル巻線8に流れる電流による磁化力(磁界)(H)はもっぱら第1コア部材1に磁束を生じさせる。この状態では複合コアリアクトル14は全体として大きなインダクタンス値を示す。このような大きなインダクタンス値を示す条件下では、インダクタンスが大きいため、複合コアリアクトル14には殆ど電流は流入せず、共振回路の共振条件は満たされている(図3;a部)。
次に、負荷15が電力をほとんど消費しない軽負荷状態となると、複合コアリアクトル14へ流入する電流が大きくなり、複合コアリアクトル14に印加される電圧が上昇し前記所定電圧となると、すなわち飽和電圧となり第1コア部材1の磁束密度(B)が飽和すると(図3x点)、複合コアリアクトル14は第2コア部材2の磁気抵抗に依存することになってインダクタンス値は小さくなる(なお、第1コア部材1の磁束密度が飽和すると、第1コア部材1の磁気飽和を起源とするインダクタンスはほぼゼロになるが、急激に増加を始めたコイル電流による磁化力が磁気抵抗が大きな第2コア部材2に磁束を生じさせることから複合コアリアクトル14としてのインダクタンスはある程度の値を維持することになる)。
このようにインダクタンス値は小さくなると、共振コンデンサ12から流れ出る電流は複合コアリアクトル14へ流入し、共振電圧が制限され、よって過電圧が防止され、所定電圧に維持される。このとき、複合コアリアクトル14としてのインダクタンスはある程度の値を維持されるため、第1コア部材1が磁気飽和してもパルス状に急増しようとする電流は抑制され、複合コアリアクトル14に流れるパルス電流の波高値は小さくなる。よって、パルス電流によるアンペアターン、すなわち起磁力が小さくなるので第1コア部材1のコアロス(リボン状のコア内部の渦電流損失を含む)が低減され、また高周波ノイズも抑制される。このようにパルス電流はそれほど急峻で過大とはならず、穏やかに電圧抑制の作用が働くことになり、急峻で過大なパルス電流に起因する渦電流による発熱や電磁妨害の問題が軽減される。
またこのとき第1コア部材1は飽和状態で使用されるために発熱量が大きくなるが、第2コア部材2は飽和に到っていないため発熱自体が少ない。よって、第1コア部材1の発熱は、放熱板5へ伝導されるとともに第2コア部材2へ伝導され、これら放熱板5および第2コア部材2により速やかに逃がされ、過熱することが防止されている(図3;b部)。
また第2コア部材2の磁束密度が飽和すると(図3y点)、複合コアリアクトル14としてのインダクタンスはゼロに近くなり、大きな電流が流れる(図3;c部)。しかし、受電回路としてこの領域が使用されることは無く、トータルで飽和しない複合コアリアクトル14が形成されている。なお、図3y点は、第2コア部材2の空隙寸法により任意に設定することができる。
また第2コア部材2が飽和となること自体を防ぐことも可能である。このとき、前述のように空隙3を大きくするか、第2コア部材2のコア断面積を大きくするかを実施する。空隙3を大きくすると、第2コア部材2のインダクタンスが小さくなりパルス電流の抑制機能が低下するので好ましくなく、第2コア部材2のコア断面積を大きくすることが選択される。
ここまでの説明で明らかなように、この複合コアリアクトル14は、電圧抑制、すなわちサージキラーとしての効果を奏する。しかも、第1コア部材1が飽和する所定電圧以上の電圧が印加された場合、サージエネルギーは電流としてコイル巻線8に流れ、磁気エネルギーに変換されるとともに、コイル巻線8とこれに接続される電線の抵抗損としても消費されるので、サージ耐量が大きいという特性があり、繰り返し性のあるサージを吸収するのに効果的である。
この複合コアリアクトル14の特性を左右する主要なパラメータは、第1コア部材1のコア断面積、第2コア部材2のコア断面積、空隙3の大きさ、コイル巻線8の巻数などであり、これらを適宜に設定することで所望の特性のリアクトルを実現することができる。
このように実施の形態1によれば、受電回路の共振電圧を一定に安定することができるとともに、第1コア部材1が飽和状態となった後、第2コア部材2に磁束が生じることから複合コアリアクトル14としてのインダクタンスはある程度の値を維持することができ、穏やかに電圧抑制の作用が働くことによりパルス電流が抑制され、急峻で過大なパルス電流に起因する渦電流による発熱を軽減でき、かつノイズレベルを低く抑えることができ、電磁妨害を軽減できる。
また実施の形態1によれば、上記のように発熱が軽減され、かつ第1コア部材1の両側面に放熱板5と第2コア部材2を配置したことにより第1コア部材1の発熱はこれら放熱板5と第2コア部材2へ伝導され、速やかに逃がされ、過熱しにくい(放熱能力が高い)ことから、実装設計が容易となり、小型化することができ、温度上昇が小さな受電ユニット(受電回路)を構成することができる。
また実施の形態1によれば、コイル巻線8が、接合された第2コア部材2、第1コア部材1、放熱板5の空洞4,6を使用して巻かれることにより、巻き作業が容易となり、コストを低減することができる。
また実施の形態1によれば、中空芯材7を位置決め部材として第2コア部材2、第1コア部材1、放熱板5の空洞4,6を揃えて接合することにより、接合作業が容易となり、また芯材7の両縁を使用して第2コア部材2および放熱板5の空洞4,6の空洞縁部に接触しないようにコイル巻線8を巻くことにより、コイル巻線8が第2コア部材2および放熱板5の空洞縁部で断線する恐れを減少させることができる。
また実施の形態1によれば、熱伝導性に優れた、第2コア部材2のリボン材の側縁を集積した面と第1コア部材1のリボン材の側縁を集積した面を合わせ、第1コア部材のリボン材の側縁を集積した面を放熱板5に合わせ、接合することにより、第1コア部材1で発生する熱を、放熱板と第2コア部材により効率よく放熱でき、放熱特性を向上させることができる。
また実施の形態1によれば、放熱板5と第1コア部材1が接触すると層間短絡を起こす恐れがあるが、第1コア部材1が絶縁処理され電気的に絶縁された状態で接合されていることにより、このような層間短絡を防止することができる。またこの電気絶縁により、放熱板5が渦電流を流すルートになることを防止することができる。
また実施の形態1によれば、パルス電流の立ち上がりが抑制され、高調波成分も低減されるので、コイル巻線8自体も高価なリッツ線を用いる必要はなく、通常の絶縁電線を用いることができ、またコイル巻線8は、コア部材1,2および放熱板5を固定する機能が求められることにより、リッツ線では切れてしまう恐れがあるが通常の絶縁電線ではその恐れは少なく、品質を保証することができる。さらにリッツ線を使用する場合と比較してコストを低減することができる。
[実施の形態2]
上記実施の形態1の複合コアリアクトルを使用して、共振回路の共振電圧を大きくしたいとき、すなわち複合コアリアクトルの飽和電圧を大きくしたいとき、コイル巻線8の巻数を大きくするか、あるいは第1コア部材1のコア断面積を大きくするかを行う必要がある。コイル巻線8の巻数を大きくすると、第2コア部材2のアンペアターンが大きくなって好ましくないので、第1コア部材1のコア断面積を大きくする。このとき、第1コア部材1の体積が大きくなることで発熱量がさらに大きくなるという問題が発生する。この問題を実施の形態2で解決する。なお、実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図4は本発明の実施の形態2における複合コアリアクトルの斜視図である。
実施の形態2は、実施の形態1の複合コアリアクトルの飽和電圧をn(nは2以上の整数)倍、たとえば2倍とするとき、第1コア部材1のコア断面積を2倍とするが、単にコア断面積を大きくするのではなく、上記実施の形態1の第1コア部材1を2個(複数の一例)用意し(分散し)、さらに放熱板5を2枚(複数の一例)用意している。また第2コア部材2’のコア断面積を、実施の形態1の第2コア部材2のコア断面積の2倍としている。
そして、図4に示すように、2個の第1コア部材1間に第2コア部材2’が配置され、各第1コア部材1の外方にそれぞれ放熱板5が配置されるように、第2コア部材2’のリボン材の側縁を集積した各面にそれぞれ第1コア部材1のリボン材の側縁を集積した面を合わせ、芯材7を位置決め部材として、この芯材7に放熱板5、第1コア部材1、第2コア部材2’、第1コア部材1、放熱板5の順にその空洞4,6を通し(揃え)、これら放熱板5と第1コア部材1と第2コア部材2’と第1コア部材1と放熱板5を接合し、さらにこの揃えた空洞4,6(中空芯材7の空洞)を使用して、通常の絶縁電線(撚り線)からなるコイル巻線8をコア部材1,2’の両環状磁路に共通に鎖交するように巻いている。またこのとき、コイル巻線8を、芯材7の両縁を緩衝材として使用して、両側の放熱板5の空洞6の空洞縁部に接触しないように巻いている。また2枚の放熱板5は、たとえばアルミニウムや銅などの熱伝導率の高い低透磁率材料、あるいはたとえばSUS304などの低透磁率材料からなる平板5’(放熱板を兼ねる)により、端部で連結されており、ブラケットを兼ねている。
このような実施の形態2によれば、上記実施の形態1の第1コア部材1を2個用意し、第1コア部材1のコア断面積を2倍とすることにより、飽和電圧を2倍にでき、共振電圧を2倍とすることができるとともに、発熱量が多い第1コア部材1を分散し(放熱面積を増加し)、これら第1コア部材1間に第2コア部材2’を配置して接合し、かつ各第1コア部材1にそれぞれ放熱板5を接合したことにより、各第1コア部材1の発熱はそれぞれ発熱の少ない第2コア部材2’と放熱板5へ伝導されて効率よく放熱され、よって放熱特性を向上させることができ、複合コアリアクトル14が発熱で使用不可能となる事態を回避することができる。
また実施の形態2によれば、コイル巻線8が、接合された第1コア部材1および第2コア部材2’および放熱板5の空洞4,6を使用して巻かれることにより、巻き作業を容易とすることができ、コストを低減することができる。
また実施の形態2によれば、中空芯材7を位置決め部材として第1コア部材1および第2コア部材2’および放熱板5の空洞4,6を揃えて接合することにより、接合作業が容易となり、また芯材7の両縁を使用して両放熱板5の空洞縁部に接触しないようにコイル巻線8を巻くことにより、コイル巻線8が放熱板5の空洞縁部で断線する恐れを減少させることができる。
また実施の形態2によれば、放熱板5と第1コア部材1が接触すると層間短絡を起こす恐れがあるが、第1コア部材1が絶縁処理され電気的に絶縁された状態で接合されていることにより、このような層間短絡を防止することができる。またこの電気絶縁により、放熱板5が渦電流を流すルートになることを防止することができる。
なお、実施の形態2では、実施の形態1の飽和電圧を2倍とするため、第1コア部材1のコア断面積が2倍となるように、上記実施の形態1の第1コア部材1を2個(複数の一例)用意しているが、飽和電圧をn倍とするとき、第1コア部材1をn個用意し、第2コア部材2’を(n−1)個用意し、各第1コア部材1間にそれぞれ第2コア部材2を挟むように配置して接合し、両端の第1コア部材1の外方に放熱板5を接合する。この構成により、飽和電圧をn倍としたときも放熱特性を維持することができる。
[実施の形態3]
上記実施の形態1では、第2コア部材2と第1コア部材1を、そのリボン材の側縁を集積した面を合わせて接合しているが、必ずしも第2コア部材2と第1コア部材1のリボン材の側縁を集積した面を合わせる必要はなく、発熱量が多い第1コア部材1のリボン材の側縁を集積した面と放熱板5の主面を合わせて接合していれば放熱に対処できる。なお、実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図5は本発明の実施の形態3における複合コアリアクトルの斜視図である。
実施の形態3では、中空芯材7を位置決め部材として、この芯材7に第1コア部材1と放熱板5の空洞4,6を通して(揃えて)接合し、すなわち第1コア部材1のリボン材の側縁を集積した面と放熱板5を合わせて接合し、続けて第2コア部材2の空洞4に中空芯材7’を通し、コア部材1,2の各外周面(リボン材の側縁を集積した面とは直角な外面)を互いに同じ向き(このとき両環状磁路の向きが揃えられる)で接触させて接合し、コイル巻線8が両環状磁路に共通に鎖交するように巻かれている。またこのとき、第2コア部材2の空隙3を、第1コア部材1と第2コア部材2の接触部から離している。またコイル巻線8を、中空芯材7と中空芯材7’の両縁を緩衝材として使用して、コア部材1,2および放熱板5の空洞縁部に接触しないように巻いている。
上記複合コアリアクトルの構造により、実施の形態1と同様に、空隙無し第1コア部材1は、空隙有り第2コア部材2より磁気抵抗がかなり小さいことにより、第1コア部材1が磁気飽和していない領域においては、コイル巻線8に流れる電流による磁化力はもっぱら第1コア部材1に磁束を生じさせ、この状態ではリアクトルは大きなインダクタンス値を示す。そして、第1コア部材1が磁気飽和すると、これを起源とするインダクタンスはほぼゼロになるが、同時に第2コア部材2に磁束が生じることからリアクトルとしてのインダクタンスはある程度の値を維持することになり、そのため第1コア部材1が磁気飽和してもリアクトルに流れるパルス電流は、それほど急峻で過大とはならず、穏やかに電圧抑制の作用が働くことになり、急峻で過大なパルス電流に起因する渦電流による発熱や電磁妨害の問題が軽減される。また第1コア部材1は飽和状態で使用されるために発熱量が大きくなるが、この発熱は放熱板5へ伝導され、放熱板5により速やかに逃がされ、過熱することが防止される。
また第2コア部材2の空隙3の位置を、第1コア部材1と第2コア部材2の接触部から離したことにより、空隙3から周囲に漏れ出す磁界により第1コア部材1に渦電流が発生し第1コア部材1が発熱することが防止されている。
このように実施の形態3によれば、急峻で過大なパルス電流に起因する渦電流による発熱や電磁妨害の問題を軽減でき、また第2コア部材2の空隙から漏れる磁束により第1コア部材1に渦電流が発生し第1コア部材1が発熱することを防止することができる。
また実施の形態3によれば、コア部材1,2の各外周面を互いに接触させて接合していることにより、リボン材の側縁を集積した面が連なる薄型形状となり、全体が薄型の複合コアリアクトルを提供することができる。
また実施の形態3によれば、放熱板5と第1コア部材1が接触すると層間短絡を起こす恐れがあるが、第1コア部材1が絶縁処理され電気的に絶縁された状態で接合されていることにより、このような層間短絡を防止することができる。またこの電気絶縁により、放熱板5が渦電流を流すルートになることを防止することができる。
なお、上記実施の形態3では、第2コア部材2の空隙3を、第1コア部材1と第2コア部材2の接触部から離しているが、図6に示すように、第1コア部材1と第2コア部材2の接触部に、絶縁材、たとえばガラス基板21を挟んで接触させることにより、空隙3から周囲に漏れ出す磁界を離すことができ、空隙3を第1コア部材1に対して任意の位置とすることができる。図6では、空隙3を第1コア部材1と第2コア部材2の接触部に合わせており、塵埃が空隙3に溜まることを避けている。
この構成によれば、第2コア部材2の空隙3から漏れる磁束が絶縁材21により遮断され、前記漏れ磁束により第1コア部材1に渦電流が発生し第1コア部材1が発熱することを防止することができる。
また上記実施の形態3では、第1コア部材1のみ放熱板5を合わせて接合しているが、放熱板5を第2コア部材2側へ拡張して、第2コア部材も放熱板5に接合するようにしてもよい。この放熱板5は、ブラケットを兼ねることができ、他の器具や装置への取り付けを容易に安定して行うことができる。
なお、上記実施の形態1,2では、発熱量が多い第1コア部材1のリボン材の側縁を集積した面と放熱板5の主面を合わせて接合しているが、第1コア部材1のリボン材の側縁を集積した面と第2コア部材2,2’のリボン材の側縁を集積した面とを合わせて接合し、第1コア部材1の発熱を第2コア部材2,2’により放熱することを可能としていることから、放熱板5を無くすことも可能である。
このとき、複合コアリアクトル14は、単に第1コア部材1のリボン材の側縁を集積した面と第2コア部材2,2’のリボン材の側縁を集積した面とを合わせて接合し、コイル巻線8が第1コア部材1と第2コア部材2,2’の両環状磁路に共通に鎖交するように巻かれている構造となり、したがって第1コア部材1が磁気飽和して発生する熱は、第2コア部材2,2’は飽和しないことから発熱自体が小さく、かつ熱伝導性に優れている第1コア部材1と第2コア部材2,2’のリボン材の側縁を集積した面が合わされ接合されていることにより、第2コア部材2,2’へ伝導され第2コア部材2,2’により効率よく放熱され、複合コアリアクトル14が発熱で使用できなくなる事態を回避でき、またコストを低減することができる。またこの複合コアリアクトル14自体の取り付けは、放熱機能を有さない絶縁体などのブランケットで支持して行うことができる。
また上記実施の形態1〜3では、第1コア部材1と第2コア部材2,2’をともに、高透磁率で高効率材料(コア材料)により形成しているが、第2コア部材2,2’は、高透磁率で高効率材料により形成する必要はない。すなわち、第1コア部材1は飽和領域で使用されるため、高透磁率で高効率材料である、最大磁束密度が大きく、かつコアロスの少ない(B−H特性において、図8に斜線で示す、ヒステリシスループが囲む面積が小さい)コア材料から形成する必要があるが、第2コア部材2,2’は飽和領域で使用しないため、第2コア部材2,2’のコア材料は、第1コア部材1の如き特性を有するコア材料で形成する必要はなく、第1コア部材1のコア材料より磁気抵抗が大きく、ロスの少ない材料でより安価な材料に代えることができる。たとえば、空隙付きの材料(安価なフェライトなど)、または透磁率が低く空隙の必要が無い材料(安価なダストコアなど)とすることができる。このように、2つのコア部材を設け、別々の材料で複合コアリアクトルを形成することにより、安価な複合コアリアクトルを提供することができる。
また上記実施の形態1〜3では、第1コア部材1と第2コア部材2,2’をロール形状に形成しているが、必ずしもロール形状にする必要はなく、図7(a)に示すように、コア中央部に四角形状の空洞4を設けた四角形状に形成してもよい。このとき、放熱板5の主面はコア材料1,2,2’の外径より大きい四角形状に形成されており、コア部材1,2,2’の空洞4とほぼ同径の空洞6が空けられている。
また上記実施の形態1,3では、第1コア部材1と第2コア部材2の空洞4および放熱板5の空洞6の径にほぼ一致する径の円筒状の中空芯材7を備えているが、このような中空芯材7に代えて、図7(b)に示すように、第2コア部材2(実施の形態1の場合)あるいは第1コア部材1および第2コア部材2(実施の形態3の場合)のリボン材の側縁を集積した面および外周面を覆うカバー部31と前記中空芯材7と同等の円筒状の中空芯材32が一体化されて形成されたキャップ33を設けるようにしてもよい。このような、キャップ33を設けることにより、中空芯材32を位置決め部材として第1コア部材1および第2コア部材2および放熱板5の空洞4,6を揃えて接合することにより、接合作業が容易となり、またキャップ33のカバー部31の両縁を使用して、第2コア部材2(実施の形態1の場合)あるいは第1コア部材1および第2コア部材2(実施の形態3の場合)の両縁部(外周縁部と空洞縁部)に接触しないようにコイル巻線8を巻くことにより、コイル巻線8がこのような両縁部で断線する恐れを減少させることができる。
本発明の実施の形態1における複合コアリアクトルの斜視図である。 同複合コアリアクトルを組み込んだ誘導受電回路の回路図である。 同複合コアリアクトルのB-Hカーブである。 本発明の実施の形態2における複合コアリアクトルの斜視図である。 本発明の実施の形態3における複合コアリアクトルの斜視図である。 同複合コアリアクトルの他の実施の形態である。 本発明の他の実施の形態における複合コアリアクトルの斜視図である。 可飽和コアリアクトルのB-Hカーブである。
符号の説明
1 第1コア部材
2,2’ 第2コア部材
3 空隙
4,6 空洞
5 放熱板
7 芯材
8 コイル巻線
11 受電コイル
12 共振コンデンサ
13 整流器
14 複合コアリアクトル
15 負荷
21 ガラス基板
33 キャップ

Claims (13)

  1. 磁気抵抗の小さい環状磁路を形成する第1コア部材と、
    前記第1コア部材より磁気抵抗の大きい環状磁路を形成する第2コア部材と、
    熱伝導率の高い低透磁率材料からなる放熱板
    を備え、
    前記第1コア部材の両側面に前記第2コア部材と前記放熱板が配置され、第2コア部材、第1コア部材、放熱板の順に接合され、コイル巻線が両環状磁路に共通に鎖交するように巻かれていること
    を特徴とする複合コアリアクトル。
  2. 前記第1コア部材および第2コア部材および放熱板は、ほぼ同径の空洞を有し、
    前記第2コア部材、第1コア部材、放熱板は、前記空洞を揃えて接合され、
    前記コイル巻線は、この揃えた空洞を使用して巻かれていること
    を特徴とする請求項1に記載の複合コアリアクトル。
  3. 柔軟な絶縁材料からなり、前記空洞の径にほぼ一致する外径の中空芯材を備え、
    前記中空芯材を位置決め部材として、前記第2コア部材、第1コア部材、放熱板はその空洞を揃えて接合され、
    前記コイル巻線は、前記中空芯材を通し、中空芯材の両縁を使用して前記第2コア部材の空洞縁部に接触しないように巻かれること
    を特徴とする請求項2に記載の複合コアリアクトル。
  4. 磁気抵抗の小さい環状磁路を形成する2個の第1コア部材と、
    前記第1コア部材より磁気抵抗の大きい環状磁路を形成する第2コア部材と、
    熱伝導率の高い低透磁率材料からなる2枚の放熱板
    を備え、
    前記各第1コア部材間に前記第2コア部材が配置され、前記各第1コア部材の外方にそれぞれ放熱板が配置され一方の放熱板、一方の第1コア部材、第2コア部材、他方の第1コア部材、他方の放熱板の順に接合され、コイル巻線が各環状磁路に共通に鎖交するように巻かれていること
    を特徴とする複合コアリアクトル。
  5. 前記第1コア部材および第2コア部材および放熱板は、ほぼ同径の空洞を有し、
    柔軟な絶縁材料からなり、前記空洞の径にほぼ一致する外径の中空芯材を備え、
    前記中空芯材を位置決め部材として、前記第1コア部材および第2コア部材および放熱板は、その空洞を揃えて接合され、
    前記コイル巻線は、前記中空芯材を通し、中空芯材の両縁を緩衝材として使用し、両側の放熱板の空洞縁部に接触しないように巻かれること
    を特徴とする請求項4に記載の複合コアリアクトル。
  6. 前記第1コア部材は、連続した環状磁路を形成し、
    前記第2コア部材は、空隙により局部破断した環状磁路を形成すること
    を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の複合コアリアクトル。
  7. 磁気抵抗の小さい環状磁路を形成する第1コア部材と、
    前記第1コア部材より磁気抵抗の大きい環状磁路を形成する第2コア部材と、
    熱伝導率の高い低透磁率材料からなる放熱板
    を備え、
    前記第1コア部材と放熱板は接合され、前記第1コア部材と第2コア部材は、各外周面を互いに接触させて接合され、コイル巻線が両環状磁路に共通に鎖交するように巻かれ、
    前記第1コア部材と第2コア部材の外周部は、絶縁材を介して接触されること
    を特徴とする複合コアリアクトル。
  8. 前記第2コア部材は、空隙により局部破断した環状磁路を形成し、
    前記第2コア部材の空隙は、前記第1コア部材と第2コア部材の接触部から離されること
    を特徴とする請求項7に記載の複合コアリアクトル。
  9. 前記第1コア部材および第2コア部材および放熱板は、ほぼ同径の空洞を有し、
    柔軟な絶縁材料からなり、前記空洞の径にほぼ一致する外径の2個の中空芯材を備え、
    前記一方の中空芯材を位置決め部材として、前記第1コア部材と放熱板は、その空洞を揃えて接合され、
    前記第2コア部材の空洞に前記他方の中空芯材が通され、
    前記コイル巻線は、前記一方の中空芯材と他方の中空芯材の両縁を緩衝材として使用して、第1コア部材および第2コア部材および放熱板の空洞縁部に接触しないように巻かれていること
    を特徴とする請求項7または請求項8に記載の複合コアリアクトル。
  10. 前記第1コア部材を、高透磁率材料からなる帯体をロール状に巻いて形成し、
    前記第2コア部材を、前記第1コア部材の外径とほぼ同じ外径を有し、かつ第1コア部材により形成される中央部の空洞とほぼ同じ空洞を有するように、帯体をロール状に巻き、前記ロール状に巻いた帯体の一部を切欠いて形成したこと
    を特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の複合コアリアクトル。
  11. 前記放熱板と前記第1コア部材とは電気的に絶縁された状態で接合されていること
    を特徴とする請求項10に記載の複合コアリアクトル。
  12. 前記コイル巻線として撚線からなる絶縁電線を使用すること
    を特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の複合コアリアクトル。
  13. 所定周波数の交番磁界中に置かれて誘導起電力を発生する受電コイルと、受電コイルに接続されて磁界周波数に同調する共振回路を形成する共振コンデンサとを備え、共振回路から負荷に電力を供給する誘導受電回路であって、
    請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の複合コアリアクトルのコイル巻線を共振コンデンサに並列接続したこと
    を特徴とする誘導受電回路。
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