JPH1116751A - トランス - Google Patents

トランス

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JPH1116751A
JPH1116751A JP9167710A JP16771097A JPH1116751A JP H1116751 A JPH1116751 A JP H1116751A JP 9167710 A JP9167710 A JP 9167710A JP 16771097 A JP16771097 A JP 16771097A JP H1116751 A JPH1116751 A JP H1116751A
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JP
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transformer
winding
magnetic
core
leg
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Withdrawn
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JP9167710A
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Satoru Ito
知 伊藤
Yutaka Yamamoto
豊 山本
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/24Magnetic cores
    • H01F27/26Fastening parts of the core together; Fastening or mounting the core on casing or support
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/24Magnetic cores
    • H01F27/255Magnetic cores made from particles
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F3/00Cores, Yokes, or armatures
    • H01F3/08Cores, Yokes, or armatures made from powder

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  • Power Engineering (AREA)
  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型化しても電力伝送効率が低下することが
なく、トランス全体の体積を有効に活用することが可能
であり、放熱性が良好であり、製造コストの低いトラン
スを提供する。 【解決手段】 磁性体からなる主コア32と、この主コ
ア32の両端部に接合される磁性体からなる側部コア3
3と、主コア32に装着される一次、二次巻線34、3
5とを具備して構成され、主コア32が中磁脚36とこ
の中磁脚36の一側と他側に一体化されて中磁脚36と
直交する方向に延在された一対の外磁脚37とからな
り、これら一対の外磁脚37間に両外磁脚37と中磁脚
36により挟まれて区画された巻線溝38が中磁脚36
の両側に位置して形成され、一次、二次巻線34、35
とが両巻線溝38を通過し、かつ、中磁脚36を巻回す
るように設けられてなるトランス31を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の電子機器等
に使用されるトランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電磁エネルギを媒介することにより電圧
の昇圧または降圧あるいは電流流量の変換等を行うトラ
ンスは、各種の電子機器等に欠かせないものとなってい
る。最近では、電子機器の小型化、薄型化に伴って、こ
れらの電子機器に組み込まれる電源回路の小型化、薄型
化の要求が高まっており、電源回路に用いられるトラン
スの小型化、薄型化が重要な課題である。そこで、従来
のトランスを図7及び図8を参照して説明する。
【0003】図7において、トランス1は、平面視形状
がE型である2組のE型コア2と、一次巻線3と、二次
巻線4と、一次巻線3と二次巻線4を巻回するコイルボ
ビン5とから構成されている。E型コア2は、その材質
が磁性体であり、コイルボビン5が嵌入する中央磁脚6
と、中央磁脚6を挟むようにして対向して配置された2
対の側磁脚7と、中央磁脚6の一端と2対の側磁脚7の
それぞれの一端を互いに連結するヨーク部8とを備え、
平面視形状がE型になっている。また、中央磁脚6のも
う一方の一端と、2対の側磁脚7のそれぞれのもう一方
の一端は、もう1つのE型コア2の中央磁脚6の一端と
2対の側磁脚7のそれぞれの一端と接合する。この2組
のE型コア2によって、一次巻線3に入力される電圧に
よって生じる磁束を通過させるための磁路が形成されて
いる。
【0004】コイルボビン5は、絶縁材から形成され、
一次巻線3と二次巻線4を巻回する巻枠本体9と、巻枠
本体9の両端に形成される巻線止枠10とを備える。巻
枠本体9には、E型コア2の中央磁脚6に嵌入するため
の嵌入孔(図示せず)が、巻枠本体9と2対の巻線止枠
10とを連穿するように開口されている。このコイルボ
ビン5は、一次巻線3及び二次巻線4と、E型コア2の
中央磁脚6とを絶縁する役割を果たしている。一次巻線
3は、巻枠本体9の端部に巻回され、二次巻線4は、巻
枠本体9のもう一方の端部に巻回されており、一次巻線
3と二次巻線4とは互いに絶縁されるように配置されて
いる。
【0005】また、図8には別の従来のトランス21を
示す。尚、図8において、前述した図7に示す構成要素
と同一のものには同一符号を付し、その説明を省略す
る。トランス21は、平面視形状がE型であるE型コア
22と、平面視形状がI型であるI型コア20と、一次
巻線3と、二次巻線4と、一次巻線3と二次巻線4を巻
回するコイルボビン5とから構成されている。
【0006】E型コア22は、コイルボビン5を挿入す
る中央磁脚26と、中央磁脚26を挟むようにして対向
して配置された2対の側磁脚27と、中央磁脚26の一
端と2対の側磁脚27のそれぞれの一端を互いに連結す
るヨーク部28とを備え、平面視形状がE型になってい
る。また、中央磁脚26のもう一方の一端と、2対の側
磁脚27のそれぞれのもう一方の一端は、I型コア20
の側面部と接合するようになっている。このE型コア2
2とI型コア20とによって、一次巻線3に入力される
電圧によって生じる磁束を通過させるための磁路が形成
されている。
【0007】E型コア2、22、I型コア20の材質
は、高い透磁率を有し、損失の少ない磁性体が用いら
れ、特にMnZnフェライト、NiMnフェライト、パ
ーマロイ、Fe系アモルファス合金、Co系アモルファ
ス合金、Fe−Si−Al合金、ケイ素鋼などが用いら
れている。一次巻線3及び二次巻線4は、ここでは、電
気伝導性に優れた銅の細線にポリウレタンを被覆した銅
線が用いられている。コイルボビン5の材質は、一次巻
線3及び二次巻線4と、E型コア2、22の中央磁脚
6、26とを絶縁するために、合成樹脂等が良好であ
り、特に、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリエステル、フッ素樹脂等が用いられている。
【0008】図7において、このようなトランスの作用
は次の通りである。トランス1の一次巻線3に正弦波電
圧を入力すると、電磁誘導作用によって中央磁脚6に磁
束が生じる。この磁束が、コアによって形成された磁路
を通過して、二次巻線4に起電力を誘導し、二次巻線4
から正弦波電圧が出力される。入力した正弦波電圧と出
力した正弦波電圧との電圧の大きさの割合は、一次巻線
3の巻数と二次巻線4の巻数との比である巻数比に比例
するので、巻数比と入力する正弦波電圧の電圧値とを適
当に調整することにより任意の電圧値を有する出力電圧
を発生させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、諸特性を変
えずにトランスの小型化を図る場合には、コアの磁束の
実効断面積の大きさが重要な因子になる。一次巻線に印
加する入力電圧の電圧値と、入力電圧によりコアに誘起
される磁束密度とコアの磁束の実効断面積との積とは比
例関係にあり、更に、入力電圧によりコアに誘起された
磁束密度とコアの磁束の実効断面積との積と、二次巻線
に誘起される出力電圧の電圧値との間は比例関係にあ
る。コアの磁束の実効断面積を小さくすればコアが小型
になり、それに伴ってトランス全体を小型化できるが、
磁束密度を一定とした場合には、コアを通過する磁束が
少なくなって、上述した比例関係から、トランスに入出
力できる電圧が制限されてしまう。そこで、コアの磁束
の実効断面積の大きさを維持しつつ、トランスを薄型化
しようとする場合には、コアの磁路の形状を扁平状にせ
ざるを得ない。このため、巻数を変えずにコアに巻線を
巻回すると、巻線の長さが長くなってしまうために、銅
損が増大すると共に漏れ磁束が増加してトランスの電力
伝達効率が低下してしまうという課題があった。
【0010】また、従来のトランスの構造においては、
コアと一次巻線及び二次巻線とを絶縁するためにコイル
ボビンを使用することが必要不可欠であり、このコイル
ボビンの存在によって、トランス全体の体積に対するコ
ア若しくは一次巻線及び二次巻線の占める体積を大きく
することが困難となり、空間を有効に利用できないとい
う課題があった。
【0011】更に、従来のトランスの構造においては、
トランスのコアの鉄損と一次巻線及び二次巻線の銅損と
により発生する熱が、コイルボビンに蓄積されてしまう
ために、放熱性が悪くトランスの安全性に問題があると
いう課題があった。更にまた、従来のトランスの構造に
おいては、部品点数が多くなるためにトランスの製造コ
ストを低減できないという課題があった。
【0012】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、薄型化しても電力伝送効率が低下
することがなく、トランス全体の体積を有効に活用する
ことが可能であり、放熱性が良好であり、製造コストの
低いトランスを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。
【0014】本発明のトランスは、磁性体からなる主コ
アと、この主コアの両端部に接合される磁性体からなる
側部コアと、前記主コアに装着される一次巻線と二次巻
線とを具備して構成され、前記主コアが中磁脚とこの中
磁脚の一端と他端に一体化されて中磁脚と直交する方向
に延在された一対の外磁脚とからなり、これら一対の外
磁脚間に両外磁脚と前記中磁脚により挟まれて区画され
た巻線溝が中磁脚の両側に位置して形成され、前記一次
巻線と二次巻線とが前記両巻線溝を通過し、かつ、前記
中磁脚を巻回するように設けられてなることを特徴とす
る。本発明のトランスは、先に記載のトランスであっ
て、前記側部コアは、前記1対の外磁脚の先端を架け渡
すように前記主コアに接合されたことを特徴とする。
【0015】また、本発明のトランスは、先に記載のト
ランスであって、前記側部コアは、前記1対の外磁脚に
挟まれて前記主コアに接合されたことを特徴とする。更
に、本発明のトランスは、先に記載のトランスであっ
て、前記一次、二次巻線は、前記中磁脚の前記一対の外
磁脚の間の領域を分割するように設けられそれぞれ巻回
されたことを特徴とする。
【0016】また、本発明のトランスは、先に記載のト
ランスであって、前記一次、二次巻線は、前記中磁脚に
互いに絶縁されて積層して巻回されたことを特徴とす
る。更に、本発明のトランスは、先に記載のトランスで
あって、前記巻線溝の内面に、有機樹脂膜が被着されて
いることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1及び図2において、トランス
31は、磁性体からなる主コア32と、この主コア32
の両端部に接合される磁性体からなる側部コア33と、
主コアに装着される一次巻線34と二次巻線35とを具
備して構成されている。主コア32は、中磁脚36と、
中磁脚36の一端と他端に一体化されて中磁脚36と直
交する方向に延在された一対の外磁脚37とからなり、
その断面形状がエ字状になっている。これら一対の外磁
脚37間に両外磁脚37と中磁脚36により挟まれて区
画された巻線溝38が中磁脚36の両側に位置して形成
され、一次巻線34と二次巻線35とが両巻線溝38を
通過し、かつ、中磁脚36を巻回するように設けられて
いる。
【0018】側部コア33は、1対の外磁脚37の先端
39を架け渡すように主コア32に接合される。また、
図3に示すように、側部コア33は、1対の外磁脚37
に挟まれて主コア32に接合されるものであってもよ
い。主コア32と側部コア33との接合は、治具を用い
て接合した状態に固定し、樹脂等を塗布して加熱乾燥し
て樹脂を固化させることにより接合させる。この主コア
32と側部コア33によって、一次巻線34に入力され
る電圧によって生じる磁束を通過させるための磁路が形
成される。主コア32と側部コア33の材質は、MnZ
nフェライト、NiZnフェライト等の高抵抗、高透磁
率であって、鉄損の値が低く、熱伝導性が高い磁性体が
良好である。
【0019】図1及び図2において、主コア32の巻線
溝38の内面40に、有機樹脂膜41が被着されてい
る。また、一次巻線34と二次巻線35は、一対の外磁
脚37、37の間の領域を分割するように設けられてい
る。即ち、一次巻線34が中磁脚36の一部43に巻回
され、二次巻線35が中磁脚36の他部44に巻回され
ている。更に、巻線用の絶縁材45は、中磁脚36から
側部コア33に向けて外磁脚37と平行に突設されるも
のであってもよい。この場合の一次巻線34と二次巻線
35とは、巻線用の絶縁材45により分離されている。
【0020】図3及び図4においては、主コア32の巻
線溝38の内面40に、有機樹脂膜41が被着され、二
次巻線35が中磁脚36の全面に巻回され、二次巻線3
5の上に巻線用の絶縁材42が被着され、更に、一次巻
線34が巻線用の絶縁材42の上に積層するように巻回
されている。一次巻線34と二次巻線35とは、巻線用
の絶縁材42により絶縁されている。
【0021】一次巻線34と二次巻線35には、ポリウ
レタンで被覆された銅線が用いられている。これら巻線
の径を細くすれば巻線の断面積が小さくなり、巻数を多
くできるが、巻線に流れる電流に対して巻線の径が細す
ぎると銅損が増大してしまうので、必要な巻数、巻線収
納溝の断面積、巻線に流れる電流等を考慮して最適な巻
線の径を決定する。巻線の巻数が多い場合には、何層か
に重ねて巻回するが、その際には、巻線を巻線収納溝3
8の幅に対して密に、かつ均一に巻回する。また、図5
及び図6に示すように、一次巻線の端子49と二次巻線
の端子50は、できるだけ離すように構成することが好
ましい。より好ましくは、一次巻線と二次巻線の端子4
9、50は、トランス31の長手方向に対して対向する
方向にそれぞれ引き出すと良い。
【0022】上述のトランス31において、主コア32
の外磁脚37の厚みと、側部コア33の厚みを等しく
し、中磁脚36の厚みはその2倍程度にすることが好ま
しい。このように構成することで、コア32、33を通
過する磁束の実効断面積をコア32、33のどの部分に
おいても均一にすることができる。図5及び図6におい
て、外磁脚37の厚み若しくは側部コア33の厚みを
a、トランス31の巻線溝38と平行な方向をトランス
の長さとしてこれをbとすると、磁束の実効断面積Sは
S=2abとなる。従って、磁束の実効断面積は、中磁
脚36の厚み、外磁脚37の厚み、側部コア33の厚み
とトランスの長さによって決定される。このため、トラ
ンス31の構造においては、トランス31の狭幅、薄型
化を図った場合に、主コア32の中磁脚36、外磁脚3
7または側部コア33の厚みを薄くしたり、トランス3
1の長さを短くしない限り、磁束の実効断面積をそのま
ま保つことが可能となるので、入出力電圧の電圧値が制
限されることがない。主コア32、側部コア33の材質
であるフェライト材料の強度を考えると、主コア32の
外磁脚37の厚み及び側部コア33の厚みは1mm以上
が適当である。
【0023】また、一次巻線34と二次巻線35のほと
んどの部分が、主コア32と側部コア33に囲まれた構
造となっており、トランス31の狭幅、薄型化を図って
もこの構成は変わらないので、漏れ磁束が非常に小さく
なり、高い結合係数が得られる。
【0024】更に、磁束の実効断面積の大きさを維持し
つつ、トランス31を薄型化した場合においては、主コ
ア32の高さと側部コア33の幅が短くなるだけであ
り、巻数を変えずに中磁脚36に巻線34、35を巻回
しても巻線34、35の長さは大きく変わらないので、
銅損が増大することはない。従って、本発明のトランス
31は、漏れ磁束が小さく、銅損が増大することがない
ために、トランス31の狭幅、薄型化を図っても、電力
伝達効率が低下することがない。また、本発明のトラン
ス31の構造においては、有機樹脂膜41の占める体積
が小さく、トランス31全体の体積に対するコア32、
33若しくは巻線34、35の占める体積を大きくする
ことが可能となり、空間を有効に利用できる。
【0025】トランス31を使用すると、主コア32、
側部コア33及び一次、二次巻線34、35において熱
が発生するが、前述したように、有機樹脂膜41はその
占める体積が小さいので、発生した熱を蓄積することが
ない。更に、主コア32と側部コア33の材質は、熱導
電性の高い磁性体であるので、発生した熱を効率よくト
ランス31の外部に放出することができる。また、主コ
ア32と側部コア33の材質として、特開平5−243
032号に記載されているような結晶粒径1〜5μmの
MnFe多結晶フェライトを使用すれば、コア32、3
3における損失が低減され、コア32、33からの発熱
を抑えることができる。このようなことから、トランス
31の安全性が確保される。
【0026】また、一次巻線34及び二次巻線35は、
巻線溝38の幅に対して密に、かつ均一に巻回されるの
で、隣り合う巻線の電位差を小さくすることができる。
更に、一次巻線の端子49と二次巻線の端子50をで
きるだけ離すように構成しているので、絶縁破壊を防ぐ
ことが可能となる。更にまた、本発明のトランス31の
構造においては、部品点数が少なくなるために、トラン
ス31の製造コストを低減できる。
【0027】尚、主コア32は、MnZnフェライトの
ブロックを砥石で加工することにより巻線溝38を形成
させて作製されるが、フェライトの粉末を型に充填して
プレスして成形し、これを焼成することによって作製す
ることもできる。このようにして作製することにより、
巻線溝38の溝幅と溝深さを、巻線の断面積に必要な大
きさに加工できる。巻線に必要な空間として、溝の幅を
2mm、溝深さを1.5mmとすると、トランス31全
体の大きさを幅7mm、高さ4mmとすることが可能で
ある。
【0028】巻線溝の内面40に被着する有機樹脂膜4
1は、絶縁性が高く、誘電性の低い樹脂等が最適であっ
て、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ
エステル、フッ素樹脂、エポキシ樹脂等のフィルムが良
好である。これらの樹脂は、誘電率が2〜4の範囲で十
分に小さく、絶縁性に優れる。これらのフィルムは、あ
らかじめフッ素樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂等
の内1種類を巻線溝の内面40に塗布した後に、接着さ
れる。または、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール
樹脂等の内1種類を適当な溶剤に溶解した後に、主コア
32を含浸させることにより、巻線溝の内面40に有機
樹脂膜41を被着させることも可能である。
【0029】巻線用の絶縁材42、45は、絶縁性が高
く、誘電性の低い樹脂等が最適であって、ポリイミド、
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、フッ素
樹脂、エポキシ樹脂等のフィルムが良好である。これら
の樹脂は、誘電率が2〜4の範囲で十分に小さく、絶縁
性に優れる。また、巻線の巻数が多い場合には、巻線の
層間に絶縁材を挟み込んでも良い。
【0030】更に、主コア32と側部コア33との接合
面には、磁気飽和を抑える、インダクタンス値を調整す
る等の目的で、ギャップを設けることもできる。このギ
ャップは樹脂等の絶縁材を挟むことにより形成される。
また、ギャップの調整は、主コア32と一方の側部コア
33とのギャップの間隔を固定し、もう一方の側部コア
33とのギャップを調整することで、磁気特性の調整を
容易に行える。ギャップに使用する絶縁材は、できるだ
け誘電性の小さい樹脂等が良好であって、ポリイミド、
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、フッ素
樹脂、エポキシ樹脂等のフィルムが最適である。これら
の樹脂は、誘電率が2〜4の範囲で十分に小さく、これ
らの内から適宜選択して利用できる。
【0031】
【実施例】幅6mm、長さ18mm、高さ4.5mmの
大きさのMnZnフェライトのブロックに、砥石等でブ
ロックの側面に長さ方向に幅2.5mm、深さ2mmの
巻線溝38を形成して主コア32を作製した。このと
き、主コア32の中磁脚36の厚みは2mmであり、外
磁脚37の厚みは1mmである。また、幅1mm、長さ
18mm、高さ4.5mmの大きさのMnZnフェライ
トのブロックを側部コア33とした。次に、主コアの巻
線溝の内面40にブチラール樹脂を塗布し、その上に有
機樹脂膜41として厚さ7.5μmのポリイミドフィル
ムを被着した。
【0032】二次巻線35を、中磁脚36を軸にして巻
線溝38に沿って中磁脚36の全面に一層25巻で10
層まで、合計250ターン巻いた。このとき、二次巻線
35の層間に厚さ7.5μmのポリイミドフィルムを挟
み込んだ。次に、二次巻線35の上に巻線用の絶縁材4
2として厚さ7.5μmのポリイミドフィルムを被着
し、更に、巻線用の絶縁材42の上に一次巻線34を3
ターン巻いた。このようにすることで、一次:二次=
3:250の巻数比が得られ、約83.3倍の昇圧が可
能である。一次巻線34には、ポリウレタンで被覆され
た線径φ0.23mmの銅線を用い、二次巻線35に
は、ポリウレタンで被覆された線径φ0.05mmの銅
線を用いた。主コア32と側部コア33との接合は、治
具を用いて接合した状態で固定し、シリコン樹脂を塗布
して120゜Cで1.5時間乾燥してシリコン樹脂を固
化させることにより接合した。上述のようにして、図4
に示すような、全体の大きさが、幅8mm、長さ18m
m、高さ4.5mmのトランスを組み立てた。
【0033】
【比較例】図7に示すような、幅14.2mm、長さ1
8.3mm、高さ5.38mmの大きさであり、E型コ
アを用いたトランスを組み立てた。巻数比は、一次:二
次=14:1520であり、約108倍の昇圧が可能で
ある。
【0034】次に、実施例のトランスの特性を述べる。
図9には、二次巻線を解放にして、インピーダンスアナ
ライザーで測定した銅損と鉄損を含む等価抵抗R、等価
インダクタンスL、性能係数Q(=ωL/R)を示す。
また、図10には、一次巻線を解放にして、インピーダ
ンスアナライザーで測定した銅損と鉄損を含む等価抵抗
R、等価インダクタンスL、性能係数Q(=ωL/R)
を示す。実施例のトランスは、比較例のトランスに比
べ、トランスの幅と高さが小さく、巻数比も小さいにも
かかわらず、インダクタンスが高く、巻線による抵抗値
が小さい。従って、本発明のトランスは、小型化による
電力伝達効率の低下が生じない。
【0035】図11には、昇圧比と電力伝達効率の測定
系を示す。ファンクションジェネレーター60により発
生させた周波数57kHzの正弦波電圧をパワーアンプ
61で増幅させ、所定の電圧値の正弦波をトランス62
の一次巻線に印加する。
【0036】図12には、本発明のトランスの昇圧比で
あって、二次巻線を解放にした場合の一次電圧に対する
二次電圧の電圧値を示す。一次巻線と二次巻線の巻数比
(約83.3倍)にほぼ等しい83倍の昇圧比が得られ
ていることから、漏れ磁束が少なく、一次巻線と二次巻
線が磁気的に非常によい結合を示していることがわか
る。
【0037】図13には、トランスの二次巻線の端子に
負荷抵抗を接続し、このトランスの一次巻線に周波数5
7kHzの正弦交流電圧を入力し、二次巻線からの出力
電圧を600V一定にしたときの出力電圧に対する電力
伝送効率の測定結果を示す。比較例のトランスにおいて
は、出力電圧3.3Wまでは電力伝送効率が約93%と
良好であるが、3.3kWを超えると電力伝送効率が急
激に低下する。一方、実施例のトランスでは、出力電力
4Wにおいても電力伝送効率が93.8%と高い値を示
しており、出力電力の小さい範囲であっても従来のトラ
ンスと同等かそれ以上の特性が得られている。以上のよ
うな結果により、幅8mm、高さ4.5mmという狭
幅、薄型のトランスでも本発明の構成にすることにより
良好な特性が得られることが判明した。
【0038】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
トランスは、磁性体からなる主コアと、この主コアの両
端部に接合される磁性体からなる側部コアと、前記主コ
アに装着される一次巻線と二次巻線とを具備して構成さ
れ、主コアが中磁脚とこの中磁脚の一端と他端に一体化
されて中磁脚と直交する方向に延在された一対の外磁脚
とからなり、これら一対の外磁脚間に両外磁脚と中磁脚
により挟まれて区画された巻線溝が中磁脚の両側に位置
して形成され、一次巻線と二次巻線とが両巻線溝を通過
し、かつ、前記中磁脚を巻回するように設けられてお
り、巻線のほとんどの部分がコアに囲まれた構造となっ
ているので、漏れ磁束が小さく、銅損が少ないために電
力伝達効率の低下を少なくできる。また、本発明のトラ
ンスは、上述の構造を採用するので、主コアの中磁脚、
外磁脚及び側部コアの厚みを薄くしたり、トランスの長
さを短くしない限り、磁束の実効断面積をそのまま保つ
ことが可能となるので、トランスに入出力する電圧の大
きさが制限されることがなく、電力の伝達効率を低下さ
せずにトランスの狭幅、薄型化を図ることができる。更
に、主コアと側部コアの材質は、熱伝導性の高い磁性体
であり、主コア、側部コア及び一次、二次巻線において
発生した熱を、効率よくトランスの外部に放出すること
ができるので、トランスの安全性を確保することができ
る。
【0039】また、本発明のトランスは、側部コアが、
主コアの1対の外磁脚の先端を架け渡すように前記主コ
アに接合されるか、1対の外磁脚に挟まれて前記主コア
に接合されるので、コア同士の接合が容易でトランスの
組立が簡単であり、製作コストを低減できる。更に接合
部分にギャップを設けることが可能であるので、希望す
る特性を有するトランスを容易に製作できる。また、本
発明のトランスは、二次巻線が中磁脚の全面に巻回さ
れ、更に、一次巻線34が二次巻線の上に積層するよう
に巻回されているので、一次、二次巻線間の絶縁性が高
く、耐圧が強いトランスを得られる。また、本発明のト
ランスは、一次、二次巻線が前記中磁脚の前記一対の外
磁脚の間の領域を分割するように設けられそれぞれ巻回
されているので、トランス作製の際に、一次巻線と二次
巻線を同時に巻回することができるので、トランスの製
造工程を簡略化することが可能となり、トランスの製造
コストを低減できる。
【0040】更に、本発明のトランスは、主コアの巻線
溝の内面に有機樹脂膜が被着され、その上に一次、二次
巻線が巻回されたものであり、有機樹脂膜の占める体積
が小さいので、トランス全体の体積に対するコア若しく
は一次巻線及び二次巻線の占める体積を大きくすること
が可能となり、空間を有効に利用できる。また、有機樹
脂膜の占める体積が小さく、トランスが発生する熱を蓄
積することなく放熱することができるので、トランスの
安全性を確保することができる。更にまた、本発明のト
ランスは、部品点数が少ないので、トランスのコストを
低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態であるトランスの主コア
と側部コアを示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態であるトランスを示す斜
視断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態であるトランスを示す斜
視断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態であるトランスを示す斜
視断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態であるトランスの二次巻
線の端子を取り出した部分を示す斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態であるトランスの一次巻
線の端子を取り出した部分を示す斜視図である。
【図7】 従来のトランスを示す斜視図である。
【図8】 従来のトランスを示す斜視図である。
【図9】 本発明の実施の形態であるトランスの二次巻
線を解放にした時の一次巻線の等価抵抗R、等価インダ
クタンスL、性能係数Q(=ωL/R)と、一次巻線に
印加した交流電圧の周波数との関係を示すグラフであ
る。
【図10】 本発明の実施の形態であるトランスの一次
巻線を解放にした時の二次巻線の等価抵抗R、等価イン
ダクタンスL、性能係数Q(=ωL/R)と、二次巻線
に入力した交流電圧の周波数との関係を示すグラフであ
る。
【図11】 本発明の実施の形態であるトランスの昇圧
比と電力伝達効率を測定するための測定系を示すブロッ
ク図である。
【図12】 本発明の実施の形態であるトランスの一次
巻線に入力した交流電圧の電圧値と、二次巻線から出力
される交流電圧の電圧値との関係を示すグラフである。
【図13】 本発明の実施の形態であるトランスの電力
伝達効率と、二次巻線から出力される電力との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
31 トランス 32 主コア 33 側部コア 34 一次巻線 35 二次巻線 36 中磁脚 37 外磁脚 38 巻線溝 39 外磁脚の先端 40 巻線溝の内面 41 有機樹脂膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体からなる主コアと、この主コアの
    両端部に接合される磁性体からなる側部コアと、前記主
    コアに装着される一次巻線と二次巻線とを具備して構成
    され、 前記主コアが中磁脚とこの中磁脚の一端と他端に一体化
    されて中磁脚と直交する方向に延在された一対の外磁脚
    とからなり、これら一対の外磁脚間に両外磁脚と前記中
    磁脚により挟まれて区画された巻線溝が中磁脚の両側に
    位置して形成され、前記一次巻線と二次巻線とが前記両
    巻線溝を通過し、かつ、前記中磁脚を巻回するように設
    けられてなることを特徴とするトランス。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のトランスであって、前
    記側部コアは、前記1対の外磁脚の先端を架け渡すよう
    に前記主コアに接合されたことを特徴とするトランス。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のトランスであって、前
    記側部コアは、前記1対の外磁脚に挟まれて前記主コア
    に接合されたことを特徴とするトランス。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のトラン
    スであって、前記一次、二次巻線は、前記中磁脚の前記
    一対の外磁脚の間の領域を分割するように設けられそれ
    ぞれ巻回されたことを特徴とするトランス。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のトラン
    スであって、前記一次、二次巻線は、前記中磁脚に互い
    に絶縁されて積層して巻回されたことを特徴とするトラ
    ンス。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のトラン
    スであって、前記巻線溝の内面に、有機樹脂膜が被着さ
    れていることを特徴とするトランス。
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