JP2007149946A - 可飽和リアクトル及び該可飽和リアクトルを用いた非接触給電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】可飽和リアクトルの温度上昇を効率的に抑制することにより、負荷に供給する電圧を許容上限以下の電圧で安定して給電できるようにした非接触給電装置を提供すること。
【解決手段】地上設備から電力を受電する受電回路にピーク電圧抑制回路を並列に接続するとともに、ピーク電圧抑制回路に、閉磁回路をもつ磁性体コア9と、磁性体コア9の外周に配設された折曲部11aを有する複数の放熱板11と、放熱板11の折曲部11aと磁性体コア9とを巻回した巻き線10とを有する可飽和リアクトル4を設ける。
【選択図】図2
【解決手段】地上設備から電力を受電する受電回路にピーク電圧抑制回路を並列に接続するとともに、ピーク電圧抑制回路に、閉磁回路をもつ磁性体コア9と、磁性体コア9の外周に配設された折曲部11aを有する複数の放熱板11と、放熱板11の折曲部11aと磁性体コア9とを巻回した巻き線10とを有する可飽和リアクトル4を設ける。
【選択図】図2
Description
本発明は、可飽和リアクトル及び該可飽和リアクトルを用いた非接触給電装置に関し、特に、可飽和リアクトルによってピーク電圧を抑制し、負荷に供給する電圧を負荷が許容できる上限以下の電圧で安定して給電できるようにした可飽和リアクトル及び該可飽和リアクトルを用いた非接触給電装置に関するものである。
非接触給電装置は、例えば、搬送装置で使用されている。搬送装置に非接触で給電する給電装置としては、床面から一定の距離を離し、2列の並行に敷設した給電線にE型のコアの中央脚部にコイルを巻いた受電コイルを配し、給電線に流す高周波電流により生じる磁界を受電コイルに誘導するようにして電力伝達を行う方式の非接触給電装置が提案されている。
このような非接触給電装置においては、受電コイルの2次回路は、共振コンデンサと可飽和リアクトルを受電コイルに並列に接続し、共振回路電圧が、可飽和リアクトルのコアを磁気飽和する値まで上昇してコアが飽和すると、コアの比透磁率がコアの磁性材料固有の値(概ね200〜400mT)からほぼ1まで急激に低下し、可飽和リアクトルのインダクタンスも比透磁率に比例して低下する。
可飽和リアクトルは、飽和しない領域では巻線の抵抗(概ね1Ω以下)に対し、インダクタンスは数10mHあり、電圧位相に対し、電流位相はほぼ90度遅れている。その結果、高周波の交流の1サイクル内で、電圧がほぼゼロの近傍で可飽和リアクトルに飽和電流が流れ、共振回路を短絡する。これにより共振回路の無負荷電圧抑制を行い、併せて、無負荷の共振回路に流れる無効電流も抑制するようにしている。
このような非接触給電装置においては、受電コイルの2次回路は、共振コンデンサと可飽和リアクトルを受電コイルに並列に接続し、共振回路電圧が、可飽和リアクトルのコアを磁気飽和する値まで上昇してコアが飽和すると、コアの比透磁率がコアの磁性材料固有の値(概ね200〜400mT)からほぼ1まで急激に低下し、可飽和リアクトルのインダクタンスも比透磁率に比例して低下する。
可飽和リアクトルは、飽和しない領域では巻線の抵抗(概ね1Ω以下)に対し、インダクタンスは数10mHあり、電圧位相に対し、電流位相はほぼ90度遅れている。その結果、高周波の交流の1サイクル内で、電圧がほぼゼロの近傍で可飽和リアクトルに飽和電流が流れ、共振回路を短絡する。これにより共振回路の無負荷電圧抑制を行い、併せて、無負荷の共振回路に流れる無効電流も抑制するようにしている。
ところで、可飽和リアクトルの飽和磁束密度は材料特性により決まる固有の値であり、一般にフェライト材料の場合、負の温度係数をもち、常温から自己発熱により80〜100℃程度まで上昇した場合、飽和磁束密度が20%前後低下する。このため、可飽和リアクトルだけで電圧を安定化させる場合、温度特性を考慮した飽和電圧の設定が必要になる。
また、過渡的に変化する1次電流に追従しきれない変動幅の上限を考慮し、低温で装置を起動した直後に過渡的な1次電流が生じても、負荷に供給する電圧を許容上限電圧以下に設定する必要がある。このため、低温で許容上限電圧以下に設定した場合、装置を連続使用し、自己発熱により温度が安定した状態での負荷供給電圧が負荷に供給する最適電圧を下回ることがある。
また、過渡的に変化する1次電流に追従しきれない変動幅の上限を考慮し、低温で装置を起動した直後に過渡的な1次電流が生じても、負荷に供給する電圧を許容上限電圧以下に設定する必要がある。このため、低温で許容上限電圧以下に設定した場合、装置を連続使用し、自己発熱により温度が安定した状態での負荷供給電圧が負荷に供給する最適電圧を下回ることがある。
通常、可飽和リアクトルに使用するフェライトコアは、使用する温度により磁気飽和する磁束密度が変化するため、周囲温度変化や自己発熱等により大幅な温度変化が生じないよう、冷却用ファンを設けて可飽和リアクトルの温度上昇を抑制させている。
しかしながら、空気中の塵等が付着して吸気孔が目詰まりすると可飽和リアクトルの冷却不足が生じたり、冷却用ファンの故障時に可飽和リアクトルが冷却されない等の問題があった。
日本AME学会誌Vol.8 No.1可飽和リアクトルによる共振回路負荷端子電圧変動の抑制
しかしながら、空気中の塵等が付着して吸気孔が目詰まりすると可飽和リアクトルの冷却不足が生じたり、冷却用ファンの故障時に可飽和リアクトルが冷却されない等の問題があった。
日本AME学会誌Vol.8 No.1可飽和リアクトルによる共振回路負荷端子電圧変動の抑制
本発明は、上記従来の非接触給電装置が有する問題点に鑑み、コアの温度上昇を効率的に抑制することにより、負荷に供給する電圧を許容上限以下の電圧で安定して給電できるようにした可飽和リアクトル及び該可飽和リアクトルを用いた非接触給電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の可飽和リアクトルは、閉磁回路をもつ磁性体コアと、磁性体コアの外周に配設された複数の放熱板と、該放熱板に近接して磁性体コアを巻回した巻線とを有することを特徴とする。
この場合、コアの外周にアルミニウム製又は絶縁体製の取付座を設け、該取付座に放射状に放熱板を装着し、取付座とコアを巻線により一体に巻回することができる。
一方、本発明の非接触給電装置は、地上設備から搬送車等の移動体に電磁誘導により非接触で電力を供給する非接触給電装置において、地上設備から電力を受電する受電回路にピーク電圧抑制回路を並列に接続するとともに、該ピーク電圧抑制回路に、閉磁回路をもつ磁性体コアと、磁性体コアの外周に配設された複数の放熱板と、該放熱板に近接して磁性体コアを巻回した巻線とを有する可飽和リアクトルを設けたこと特徴とする。
この場合、放熱板をコ字状、U字状又は管状等の折曲部を有する形状に形成するとともに、該放熱板の折曲部と磁性体コアとを巻線にて巻回することができる。
また、放熱板を磁性体コアに接着することができる。
また、放熱板を冷却する冷却ファンを設けることができる。
また、放熱板に磁性体コアが嵌合する切欠部を形成し、該放熱板を巻線の間に挿入して磁性体コアに外嵌することができる。
また、コアの外周にアルミニウム製又は絶縁体製の取付座を設け、該取付座に放射状に放熱板を装着し、取付座とコアを巻線により一体に巻回することができる。
本発明の可飽和リアクトル及び非接触給電装置によれば、閉磁回路をもつ磁性体コアと、磁性体コアの外周に配設された複数の放熱板と、該放熱板に近接して磁性体コアを巻回した巻線とを有することから、電可飽和リアクトルの自己発熱を放熱板にて放熱し、冷却ファンがなくても可飽和リアクトルの温度上昇を抑制することができ、これにより、負荷に供給する電圧を装置の許容する上限電圧以下に抑制するとともに、無負荷時の無効電流は可飽和リアクトルで抑制した、無負荷から全負荷までの領域で安定かつ効率的な非接触給電を行うことができる。
また、冷却ファンなしでも温度変化による出力電圧変動を許容値以内に抑えられることから、塵挨の集積や飛散を嫌うクリーンルームのみならず、塵挨で吸気孔の目詰まりを起こしやすい一般の工場や倉庫など、また、メンテナンスの困難な天井裏のような場所や24時間運転で止めることができない用途に使用し、安定して運転することができる。
また、冷却ファンなしでも温度変化による出力電圧変動を許容値以内に抑えられることから、塵挨の集積や飛散を嫌うクリーンルームのみならず、塵挨で吸気孔の目詰まりを起こしやすい一般の工場や倉庫など、また、メンテナンスの困難な天井裏のような場所や24時間運転で止めることができない用途に使用し、安定して運転することができる。
この場合、コアの外周にアルミニウム製又は絶縁体製の取付座を設け、該取付座に放射状に放熱板を装着し、取付座とコアを巻線により一体に巻回することにより、磁性体コアの外周に放射状の放熱板を容易かつ安定的に取り付けることができる。
また、放熱板をコ字状、U字状又は管状等の折曲部を有する形状に形成するとともに、該放熱板の折曲部と磁性体コアとを巻線にて巻回することにより、磁性体コアの外周に放射状の放熱板を容易かつ安定的に取り付けることができる。
また、放熱板を磁性体コアに接着することにより、放熱板を接着剤や接着テープ等にて仮固定した後、巻線を巻いて本固定し、放熱板施工の作業性を向上させることができる。
また、可飽和リアクトルを密閉した筐体に収納し、該筐体内に放熱板を冷却する冷却ファンを設けることにより、全閉内扇構造とすることで熱移送が効果的に行われ、目詰まりもなく局部的な温度上昇も防止できる。
また、放熱板に磁性体コアが嵌合する切欠部を形成し、該放熱板を巻線の間に挿入して磁性体コアに外嵌することにより、磁性体コアに巻線を巻いた後でも放熱板の取付が可能であり、これにより、現在稼動中の非接触給電装置に使用している可飽和リアクトルの改造を行う際に、巻線の巻き直しを行うことなく放熱板を取り付けることができる。
以下、本発明の可飽和リアクトル及び該可飽和リアクトルを用いた非接触給電装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図2に、本発明の非接触給電装置の一実施例を示す。
この非接触給電装置は、地上設備から搬送車等の移動体に電磁誘導により非接触で電力を供給するもので、地上設備から電力を受電する受電回路にピーク電圧抑制回路を並列に接続するとともに、該ピーク電圧抑制回路に、閉磁回路をもつ磁性体コア9と、磁性体コア9の外周に配設された折曲部11aを有する複数の放熱板11と、該放熱板11の折曲部11aと磁性体コア9とを巻回した巻線10とを有する可飽和リアクトル4を設けている。
この非接触給電装置は、地上設備から搬送車等の移動体に電磁誘導により非接触で電力を供給するもので、地上設備から電力を受電する受電回路にピーク電圧抑制回路を並列に接続するとともに、該ピーク電圧抑制回路に、閉磁回路をもつ磁性体コア9と、磁性体コア9の外周に配設された折曲部11aを有する複数の放熱板11と、該放熱板11の折曲部11aと磁性体コア9とを巻回した巻線10とを有する可飽和リアクトル4を設けている。
図1において、1は給電線、2は受電コイルであり、受電コイル2は平行に敷設した給電線1を跨ぐように設置されている。
給電線1は、高周波電源装置(図示省略)に接続されており、この高周波電源装置から10kHz程度の高周波電流が供給されている。
また、共振回路を形成する共振コンデンサ3と受電コイル2とにより受電回路を形成し、受電回路と並列に可飽和リアクトル4からなるピーク電圧抑制回路を接続する。
そして、この受電回路の出力に整流素子5を接続し、受電回路の出力を該整流素子5にて整流するようにする。
給電線1は、高周波電源装置(図示省略)に接続されており、この高周波電源装置から10kHz程度の高周波電流が供給されている。
また、共振回路を形成する共振コンデンサ3と受電コイル2とにより受電回路を形成し、受電回路と並列に可飽和リアクトル4からなるピーク電圧抑制回路を接続する。
そして、この受電回路の出力に整流素子5を接続し、受電回路の出力を該整流素子5にて整流するようにする。
また、整流素子5の出力側には、インダクタンス6及び平滑コンデンサ7にて負荷8への電圧を平滑化する電圧平滑化回路が設けられている。
図7は、可飽和リアクトルの磁性体温度と飽和磁束密度特性との関係を一例として示すグラフであり、温度上昇に伴い飽和磁束密度が低下している。
図8は、従来使用されている可飽和リアクトルを示し、磁気閉回路をもつ磁性体コア9を巻線10で巻いているため、表面積が少なく自己発熱による温度上昇が大きい。
ところで、放熱板11は対流熱伝達において、単位時間に固体表面を通して伝わる熱量は、表面積A及び放熱板と流体間の温度差に比例する。
(ニュートンの冷却の法則)
Q=hA(θs−θf)
θs:放熱板の温度(固体の温度)
θf:空気の温度(流体の温度)
h:熱伝達率[W/m2・K]
Q:熱量[W]
この式から明らかなように、h、θs−θfが一定であれば放熱板の表面積Aが大きいほど放熱量Qが増加する。
(ニュートンの冷却の法則)
Q=hA(θs−θf)
θs:放熱板の温度(固体の温度)
θf:空気の温度(流体の温度)
h:熱伝達率[W/m2・K]
Q:熱量[W]
この式から明らかなように、h、θs−θfが一定であれば放熱板の表面積Aが大きいほど放熱量Qが増加する。
図2に、本発明の可飽和リアクトルの第1実施例を示す。
この可飽和リアクトル4は、磁気閉回路をもつ磁性体コア9の外周にコ字状の放熱板11を複数個配置し、放熱板11の折曲部11aと磁性体コア9とを巻線10にて巻き、放熱効果を増大させている。
ここで、可飽和リアクトル4の自己発熱原因は、鉄損(磁性体コアのヒステリシス損と渦電流損の総和)と銅損(巻線の抵抗によって失われる損失)によるもので、鉄損が発生する磁性体コア9と、銅損が発生する巻線10にて自己発熱が発生する。
この磁性体コア9及び巻線10にて発生した自己発熱を効率よく放熱するために、磁性体コア9及び巻線10に放熱板11を密着させ、放熱板11による表面積増大効果にて放熱を促進させることにより、磁性体コア9及び巻線10の温度上昇を抑制する。
通常、可飽和リアクトル4の温度上昇による電圧変動は、負荷供給電圧の許容電圧変動以下となるように、可飽和リアクトル4の温度上昇を抑制する。
例えば、磁性体コア9がフェライトで負荷供給電圧変動が10%程度の場合、常温に対し30〜40℃程度の温度上昇に抑制する。温度抑制効果は、表面積増大効果による影響が大きく、放熱板サイズによる影響が大きい。フェライトコアの容積が38cm3、放熱板11の表面積550cm2の可飽和リアクトル4で測定したところ、常温に対し20〜30℃程度の温度上昇に抑制され、本発明の可飽和リアクトル4が実用的な大きさで実現可能であることがわかった。
この可飽和リアクトル4は、磁気閉回路をもつ磁性体コア9の外周にコ字状の放熱板11を複数個配置し、放熱板11の折曲部11aと磁性体コア9とを巻線10にて巻き、放熱効果を増大させている。
ここで、可飽和リアクトル4の自己発熱原因は、鉄損(磁性体コアのヒステリシス損と渦電流損の総和)と銅損(巻線の抵抗によって失われる損失)によるもので、鉄損が発生する磁性体コア9と、銅損が発生する巻線10にて自己発熱が発生する。
この磁性体コア9及び巻線10にて発生した自己発熱を効率よく放熱するために、磁性体コア9及び巻線10に放熱板11を密着させ、放熱板11による表面積増大効果にて放熱を促進させることにより、磁性体コア9及び巻線10の温度上昇を抑制する。
通常、可飽和リアクトル4の温度上昇による電圧変動は、負荷供給電圧の許容電圧変動以下となるように、可飽和リアクトル4の温度上昇を抑制する。
例えば、磁性体コア9がフェライトで負荷供給電圧変動が10%程度の場合、常温に対し30〜40℃程度の温度上昇に抑制する。温度抑制効果は、表面積増大効果による影響が大きく、放熱板サイズによる影響が大きい。フェライトコアの容積が38cm3、放熱板11の表面積550cm2の可飽和リアクトル4で測定したところ、常温に対し20〜30℃程度の温度上昇に抑制され、本発明の可飽和リアクトル4が実用的な大きさで実現可能であることがわかった。
図2(b)〜(e)は、図2(a)に示す可飽和リアクトル4で使用する放熱板の一例であり、図2(b)に示す放熱板11は、磁性体コア9との接触面積が多く、主として磁性体コア9の放熱に寄与する構造であり、開放構造として放熱板11で発生する渦電流損の低減効果により自己発熱を抑制することができる。
図2(c)に示す放熱板11は、磁性体コア9との接触面積が多く、主として磁性体コア9の放熱に寄与する構造であり、開放構造として放熱板11で発生する渦電流損の低減効果により自己発熱を抑制することができる。
図2(d)に示す放熱板11は、巻線10との接触面積が多く、主として巻線10の放熱に寄与する構造であり、閉構造とすることで外部からの力による放熱板11の変形を防ぐことができる。
図2(e)に示す放熱板11は、磁性体コア9との接触面積が多く、主として磁性体コア9の放熱に寄与する構造であり、閉構造とすることで外部からの力による放熱板11の変形を防ぐことができる。
これらの放熱板11は、可飽和リアクトル4の使用環境に応じて使い分けを行う。
図2(c)に示す放熱板11は、磁性体コア9との接触面積が多く、主として磁性体コア9の放熱に寄与する構造であり、開放構造として放熱板11で発生する渦電流損の低減効果により自己発熱を抑制することができる。
図2(d)に示す放熱板11は、巻線10との接触面積が多く、主として巻線10の放熱に寄与する構造であり、閉構造とすることで外部からの力による放熱板11の変形を防ぐことができる。
図2(e)に示す放熱板11は、磁性体コア9との接触面積が多く、主として磁性体コア9の放熱に寄与する構造であり、閉構造とすることで外部からの力による放熱板11の変形を防ぐことができる。
これらの放熱板11は、可飽和リアクトル4の使用環境に応じて使い分けを行う。
図3に、本発明の可飽和リアクトルの第2実施例を示す。
この可飽和リアクトル4は、平板状の放熱板11に磁性体コア9が嵌合する切欠部11bを形成し、該放熱板11を巻線10の間に挿入して磁性体コア9に切欠部11bを外嵌している。同様に、複数の放熱板11を磁性体コア9の外周に放射状に配設し固定する。
これにより、磁性体コア9に巻線10を巻いた後でも放熱板11の取付が可能であり、現在稼動中の非接触給電装置に使用している可飽和リアクトル4の改造を行う際に、巻線10の巻き直しを行うことなく放熱板11を取り付けることができる。
この可飽和リアクトル4は、平板状の放熱板11に磁性体コア9が嵌合する切欠部11bを形成し、該放熱板11を巻線10の間に挿入して磁性体コア9に切欠部11bを外嵌している。同様に、複数の放熱板11を磁性体コア9の外周に放射状に配設し固定する。
これにより、磁性体コア9に巻線10を巻いた後でも放熱板11の取付が可能であり、現在稼動中の非接触給電装置に使用している可飽和リアクトル4の改造を行う際に、巻線10の巻き直しを行うことなく放熱板11を取り付けることができる。
図4に、本発明の可飽和リアクトルの第3実施例を示す。
この可飽和リアクトル4は、コア9の外周にアルミニウム製又は絶縁体製の取付座12を設け、該取付座12に放射状に放熱板11を装着し、取付座12とコア9を巻線10により一体に巻回している。
なお、取付座12をアルミニウム製とする場合、図4(d)に示すように、円筒状の取付座12に軸方向のスリット状の切欠部12cを形成することにより、渦電流による発熱を減少させることができる。
この可飽和リアクトル4は、コア9の外周にアルミニウム製又は絶縁体製の取付座12を設け、該取付座12に放射状に放熱板11を装着し、取付座12とコア9を巻線10により一体に巻回している。
なお、取付座12をアルミニウム製とする場合、図4(d)に示すように、円筒状の取付座12に軸方向のスリット状の切欠部12cを形成することにより、渦電流による発熱を減少させることができる。
具体的には、コア9の外周に筒状の放熱板取付座12を嵌め込み、次に、取付座12の溝12aにコ字状溝型の放熱板11を嵌め込む。次に、巻線10により、コア9と放熱板取付座12と放熱板11を一体に巻きつけてコイルを形成する。
なお、放熱板取付座12と放熱板11は、先に一体に組立てからコア9に嵌め込んでもよい。
また、図5(e)に示すような平板形状の放熱板11の場合は、取付座12をコア9に嵌め込んだものにコイルを巻きつけてから放熱板11を嵌め込むとコイル巻作業の効率がよい。嵌め込み面間や、コイルと放熱板11の隙間は接着剤かワニスで一体化する。
なお、放熱板取付座12と放熱板11は、先に一体に組立てからコア9に嵌め込んでもよい。
また、図5(e)に示すような平板形状の放熱板11の場合は、取付座12をコア9に嵌め込んだものにコイルを巻きつけてから放熱板11を嵌め込むとコイル巻作業の効率がよい。嵌め込み面間や、コイルと放熱板11の隙間は接着剤かワニスで一体化する。
図5(a)は、コア9に放熱板取付座12を嵌め込んだ状態を示したものであり、取付座12は溝型放熱板用の形状で、取付座12の溝12aの形状は、巻線10に合せてU字状かコ字状である。
この可飽和リアクトル4には、図5(d)に示すような溝型の放熱板11が取着される。
この可飽和リアクトル4には、図5(d)に示すような溝型の放熱板11が取着される。
図5(b)、(c)は、放熱板取付座12に平板状の放熱板11を一部取り付けた状態を示したもので、図5(b)はコイル巻付け用溝12bのないもの、図5(c)はコイル巻付け用溝12bのあるものを示す。取付座12は何れもアルミニウム製又は絶縁体製(合成樹脂製)である。
これらの可飽和リアクトル4には、図5(e)に示すような平板状の放熱板11が取着される。
これらの可飽和リアクトル4には、図5(e)に示すような平板状の放熱板11が取着される。
図5(d)、(e)は放熱板の形状を示しており、図5(d)は溝型の放熱板11、図5(e)は矩形平板の放熱板11である。放熱板11の材質は、放熱性の良いアルミニウムや銅等の金属製又は合成樹脂製などである。
かくして、本実施例の可飽和リアクトル及び非接触給電装置によれば、閉磁回路をもつ磁性体コア9と、磁性体コア9の外周に配設された複数の放熱板11と、該放熱板11に近接して磁性体コア9を巻回した巻線10とを有することから、電可飽和リアクトル4の自己発熱を放熱板11にて放熱し、冷却ファンがなくても可飽和リアクトル4の温度上昇を抑制することができ、これにより、負荷に供給する電圧を装置の許容する上限電圧以下に抑制するとともに、無負荷時の無効電流は可飽和リアクトル4で抑制した、無負荷から全負荷までの領域で安定かつ効率的な非接触給電を行うことができる。
また、冷却ファンなしでも温度変化による出力電圧変動を許容値以内に抑えられることから、塵挨の集積や飛散を嫌うクリーンルームのみならず、塵挨で吸気孔の目詰まりを起こしやすい一般の工場や倉庫など、また、メンテナンスの困難な天井裏のような場所や24時間運転で止めることができない用途に使用し、安定して運転することができる。
また、冷却ファンなしでも温度変化による出力電圧変動を許容値以内に抑えられることから、塵挨の集積や飛散を嫌うクリーンルームのみならず、塵挨で吸気孔の目詰まりを起こしやすい一般の工場や倉庫など、また、メンテナンスの困難な天井裏のような場所や24時間運転で止めることができない用途に使用し、安定して運転することができる。
この場合、コア9の外周にアルミニウム製又は絶縁体製の取付座12を設け、該取付座12に放射状に放熱板11を装着し、取付座12とコア9を巻線10により一体に巻回することにより、磁性体コア9の外周に放射状の放熱板11を容易かつ安定的に取り付けることができる。
また、放熱板11をコ字状、U字状又は管状等の折曲部を有する形状に形成するとともに、該放熱板11の折曲部と磁性体コア9とを巻線10にて巻回することにより、磁性体コア9の外周に放射状の放熱板11を容易かつ安定的に取り付けることができる。
また、放熱板11を磁性体コア9に接着することにより、放熱板11を接着剤や接着テープ等にて仮固定した後、巻線10を巻いて本固定し、放熱板施工の作業性を向上させることができる。
また、可飽和リアクトル4を密閉した筐体(図示省略)に収納し、該筐体内に放熱板11を冷却する冷却ファンを設けることにより、全閉内扇構造とすることで熱移送が効果的に行われ、目詰まりもなく局部的な温度上昇も防止できる。
また、放熱板11に磁性体コア9が嵌合する切欠部を形成し、該放熱板11を巻線10の間に挿入して磁性体コア9に外嵌することにより、磁性体コア9に巻線10を巻いた後でも放熱板11の取付が可能であり、これにより、現在稼動中の非接触給電装置に使用している可飽和リアクトル4の改造を行う際に、巻線10の巻き直しを行うことなく放熱板11を取り付けることができる。
以上、本発明の可飽和リアクトル及び該可飽和リアクトル用いた非接触給電装置について、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
本発明の可飽和リアクトル及び該可飽和リアクトル用いた非接触給電装置は、可飽和リアクトルの放熱に放熱板を利用することにより、冷却ファンがなくても可飽和リアクトルの温度上昇を抑制することができ、冷却ファンの故障等の影響を受けにくい特性を有していることから、例えば、工場等で24時間稼動するような搬送装置の非接触給電装置の用途に好適に用いることができる。
1 給電線
2 受電コイル
3 共振コンデンサ
4 可飽和リアクトル
5 整流素子
6 インダクタンス
7 平滑コンデンサ
8 負荷
9 磁性体コア
10 巻線
11 放熱板
11a 折曲部
11b 切欠部
12 取付座
12a 放熱板用溝
12b コイル巻付け用溝
2 受電コイル
3 共振コンデンサ
4 可飽和リアクトル
5 整流素子
6 インダクタンス
7 平滑コンデンサ
8 負荷
9 磁性体コア
10 巻線
11 放熱板
11a 折曲部
11b 切欠部
12 取付座
12a 放熱板用溝
12b コイル巻付け用溝
Claims (8)
- 閉磁回路をもつ磁性体コアと、磁性体コアの外周に配設された複数の放熱板と、該放熱板に近接して磁性体コアを巻回した巻線とを有することを特徴とする可飽和リアクトル。
- コアの外周にアルミニウム製又は絶縁体製の取付座を設け、該取付座に放射状に放熱板を装着し、取付座とコアを巻線により一体に巻回したことを特徴とする請求項1記載の可飽和リアクトル。
- 地上設備から搬送車等の移動体に電磁誘導により非接触で電力を供給する非接触給電装置において、地上設備から電力を受電する受電回路にピーク電圧抑制回路を並列に接続するとともに、該ピーク電圧抑制回路に、閉磁回路をもつ磁性体コアと、磁性体コアの外周に配設された複数の放熱板と、該放熱板に近接して磁性体コアを巻回した巻線とを有する可飽和リアクトルを設けたこと特徴とする非接触給電装置。
- 放熱板をコ字状、U字状又は管状等の折曲部を有する形状に形成するとともに、該放熱板の折曲部と磁性体コアとを巻線にて巻回したことを特徴とする請求項3記載の非接触給電装置。
- 放熱板を磁性体コアに接着したことを特徴とする請求項3又は4記載の非接触給電装置。
- 放熱板を冷却する冷却ファンを設けたことを特徴とする請求項3、4又は5記載の非接触給電装置。
- 放熱板に磁性体コアが嵌合する切欠部を形成し、該放熱板を巻線の間に挿入して磁性体コアに外嵌したことを特徴とする請求項3、4、5又は6記載の非接触給電装置。
- コアの外周にアルミニウム製又は絶縁体製の取付座を設け、該取付座に放射状に放熱板を装着し、取付座とコアを巻線により一体に巻回したことを特徴とする請求項3、4、5、6又は7記載の非接触給電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005342067A JP2007149946A (ja) | 2005-11-28 | 2005-11-28 | 可飽和リアクトル及び該可飽和リアクトルを用いた非接触給電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005342067A JP2007149946A (ja) | 2005-11-28 | 2005-11-28 | 可飽和リアクトル及び該可飽和リアクトルを用いた非接触給電装置 |
Publications (1)
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JP2007149946A true JP2007149946A (ja) | 2007-06-14 |
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ID=38210988
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007149946A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009260011A (ja) * | 2008-04-16 | 2009-11-05 | Denso Corp | リアクトル |
JP2018074900A (ja) * | 2016-10-31 | 2018-05-10 | アップル インコーポレイテッド | ソレノイドを有する無線充電システム |
-
2005
- 2005-11-28 JP JP2005342067A patent/JP2007149946A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11303155B2 (en) | 2016-10-31 | 2022-04-12 | Apple Inc. | Wireless charging system with solenoids |
US11611239B2 (en) | 2016-10-31 | 2023-03-21 | Apple Inc. | Wireless charging system with solenoids |
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