JP4386685B2 - 孔版印刷機 - Google Patents
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Description
また、継手機構を突起と係合孔で構成すると、継手機構の構造を簡素化しつつ、印刷ユニット装着時における位相合わせの不適合を簡単に防ぐことができる。
さらに、印刷ユニット入力部に、孔版原紙の先端取付部の周回数と印刷機本体用動力取出部及びユニット用動力取出部の回転数が一致するように、増速機構を設けることにより、単胴型における印刷機本体側の動力伝達構造の設計をほぼそのまま利用できる。
さらに、孔版原紙の先端取付部の1周回に対し、インクローラの回転数が整数倍で無い場合に、前記継手機構用の1つの突起に対して、継手機構用の係合孔を同一円周上に等間隔を置いて複数形成され、かつ、前記タイミングベルトの歯数とインクローラ側歯付きプーリの歯数との比K1:K2が、(2+1/n):1の時に、係合孔はn個配置されているので、孔版原紙の先端取付部の周回数とユニット用動力取出部の回転数との比に対する設計の幅が広がる。
(孔版印刷機の全体構造)
図1は孔版印刷機の参考例を示し、双胴型孔版印刷機を透視して模式的に示す正面図であり、説明の都合上、図に記載してあるように、印刷用紙搬送方向Fの下流側を「前側」、印刷用紙搬送方向Fの上流側を「後側」と称して、以下説明する。
図4は印刷ユニット10の構成を具体的に示す斜視図であり、印刷ユニットフレーム42は、正面側と背面側に間隔を置いて配置された1対のローラ支持板43と、両ローラ支持板43の下部両側を連結する1対のユニット側レール44と、両ローラ支持板43の上端部同志を結合する連結ロッド45等から構成されており、ユニット側レール44の背面側の先端部にはころ46が回転可能に設けられている。正面側のローラ支持板43には、取手49が設けられると共に、インクポンプ52、タンク受け53及びインクポンプ駆動用のモータ54等が設けられ、タンク受け53にはインクタンク55が取り付けられている。
図8は位置決め機構80の一例を示す縦断面図であり、正面側のローラ支持板43の上端部に支持ブラケット100を固着し、該支持ブラケット100に支軸101を介して位置決めレバー(位置決め部)102を回動可能に支持している。位置決めレバー102は支軸101に介装されたねじりばね103により矢印B側に付勢され、先端部が第1のタイミングベルト66の外周面に押し付けられている。位置決めレバー102には概ね上方に突出する操作部102aが一体に形成されており、該操作部102aは、操作者が取手49を握った状態で指を掛けることができる位置に位置し、操作部102aに指を掛け、ばね103に抗して矢印Bと反対側に回動することにより、位置決めレバー102の先端を第1のタイミングベルト66の外周面から離すことができるようになっている。また、上記操作部102aには、印刷機本体1側に設けられた解除突起105に正面側から対向する当接片102bを一体に有しており、印刷ユニット10を正面側から印刷機本体1に挿入し、所定の装着位置まで押し込んだ時に、図9のように当接片102bが解除突起105に当接することにより、位置決めレバー102が矢印Bと反対側に回動し、位置決めレバー102の先端部が第1のタイミングベルト66から離れるようになっている。
図12は増速機構55を有するユニット入力部81の背面図であり、ユニット入力軸89に固着された第3ギヤ85の歯数H3とインクローラ軸59に固着された第1ギヤ83の歯数H1との比は、前記タイミングベルト67等の歯数K1とインクローラ側プーリ63等の歯数K2との比と同じ値に設定してある。たとえば、前述のようにK1:K2が3:1の場合には、H3:H1も3:1に設定してある。このように増速機構55の増速比を設定することにより、第3ギヤ85が1回転した時には、第2ギヤ84を介して第1ギヤ83及びインクローラ側プーリ63等は3回転し、タイミングベルト67は長円形の周回路を1周するようになっている。要するに、ユニット用動力取出軸37及び第3ギヤ85が1回転すると、図4のスクリーン13も1周するように設定されている。
図15において、印刷機本体用の動力取出軸(動力取出部)36は、前述のように印刷機本体1内の印刷ユニット10以外の作動機構群120、すなわち、給紙ローラ20、フィードローラ(タイミングローラ等)21及び押圧ローラ11等にカム機構等の伝達機構を介して連動連結すると共に、ユニット用動力取出軸37と共に減速装置38を介して印刷機本体1のメインモータ41に連動連結している。印刷機本体用動力取出軸36は印刷ユニット用動力取出軸37と同期駆動するようになっており、印刷機本体用の動力取出軸36の1回転により、前記給紙ローラ20、フィードローラ21及び押圧ローラ11による一連の印刷動作が1回行なわれるようになっている。
図1のように印刷ユニット10は印刷機本体1内の所定位置に装着されており、図14に示すように、入力フランジ86は係合孔87及び係合突起91を介してユニット用動力取出板90に接続し、印刷機本体側からユニット用動力が伝達可能な状態になっており、孔版原紙14の先端取付部14aは周回路の初期基準位置で停止している。また、図9に実線で示すように位置決めレバー102は解除突起105に当接することにより、第1のタイミングベルト66のロックを解除しており、第1のタイミングベルト66は回転可能な態となっている。
図1において、たとえば操作パネルの製版キーを押すことにより、画像読取装置2で原稿を読み取り、製版装置15で孔版原紙14を製版し、該孔版原紙14を印刷ユニット10のスクリーン13の表面に装着すると共に、カッター25で所定の長さに切断する。この時、孔版原紙14は、図6に示すように始端部がスクリーンバー70にクランプされることにより位置決めされ、全面がスクリーン13の外周面に装着される。
図1の操作パネルの印刷キーを押すことにより印刷が始まる。図15において、メインモータ41の動力は、減速装置38及び印刷機本体用動力取出軸36を介して印刷機本体1の給紙ローラ20、フィードローラ(タイミングローラ等)21及び押圧ローラ11等に伝達され、上記印刷機本体用動力取出軸36の1回転によって、1枚の印刷用紙に対する給紙ローラ20による給紙、フィードローラ21による画像形成部への送り込み及び押圧ローラ11によるインクローラ側への押圧作業が順次実施される。上記一連の動作と並行して、減速装置38から印刷ユニット用動力取出軸37を介して印刷ユニット10の入フランジ86にも動力が伝達され、該入力フランジ86から増速機構55により増速された後、プーリ63等に同動力が伝達され、前記押圧ローラ11による押圧開始タイミングに続くように、図4の孔版原紙14の先端取付部14aを初期基準位置から周回移動させ、画像形成部において用紙の表面を印刷する。
用紙ジャム等により印刷ユニット10を取り外す場合は、たとえば図1において印刷機本体1の正面カバーを開き、図3において、印刷ユニット10の取手49を握り、図示しない印刷ユニットロック機構を解除して、印刷機本体1から正面側に引き出す。
図16及び図17は、前述のように、増速機構55を利用することにより孔版原紙14の先端取付部14aの周回数と入力フランジ86の回転数の比を1:1に設定してある構造において、孔版原紙14の先端取付部14aを初期基準位置にロックするための位置決め機構80を、入力フランジ86とローラ支持板43の間に設けた例である。
図18及び図19は本発明の第1の実施形態を示しており、印刷機本体1側の印刷ユニット用動力取出軸37をインクローラ軸59と同一軸心上に配置し、印刷ユニット10の入力部81として、インクローラ軸59の端部に入力軸89を一体に形成し、該入力軸89に入力フランジ86を固着してある。印刷ユニット用動力取出軸37に固着された動力取出板90には、継手用の係合部として1個の係合突起91を形成し、一方、入力フランジ86には、継手用の係合部として、上記係合突起91と同一円周上の所定位置に、1個又は複数の係合孔87,87を形成してある。ユニット入力部81には増速機構や減速機構を設けていないので、ユニット用動力取出軸37と入力軸89及びインクローラ軸59は同一回転数で同期回転する。
基本的な着脱作業は前記参考例と同様であるが、図18の入力フランジ86の回転数N1と孔版原紙14の先端取付部14aの周回数N2が異なっているため(N1>N2)、N1がN2の非整数倍の時には、印刷終了停止時における図18の係合突起91の位置は、一箇所には限定されず、複数個所存在する。たとえば、上記回転数比N1:N2が(3+1/2):1の時には、図21に示すように係合突起91は、初期位置A0と該初期位置A0から180°の位相差の第2の初期位置A1のいずれかで停止することになる。これに対処するために、図20のように係合孔87を180°間隔で2個形成し、前記係合突起91が図21のいずれの位置A0,A1で停止していても、図8又は図16のような位置決め機構80により、孔版原紙14の先端取付部14aを初期基準位置にロックした場合には、いずれかの係合孔87に支障なく係合させることができる。
図24及び図25は第2の実施形態を示しており、図24において、ユニット入力部81は、インクローラ軸59から偏心した位置に入力フランジ86を配置し、該入力フランジ86とインクローラ軸59の間を、減速機構56により連動連結している。減速機構56は、インクローラ軸59の端部に固着された第1ギヤ183、該第1ギヤ183に噛に合う第2ギヤ184、及び該第2ギヤ184に噛み合うと共に前記入力フランジ86の入力軸89に固着された第3ギヤ185から構成されている。
図26は、インクローラ9と回転ローラ8間に、スクリーンを巻き掛けずに、孔版原紙14を直接巻き掛けてなる印刷ユニットに適用した例である。孔版原紙14の先端取付部14aは、両タイミングベルト66,67間に架設された支持バー70aに原紙クランプ93により挟持され、孔版原紙14の終端部14bは、上記支持バー70aと同様に両タイミングベルト66,67間に架設された支持バー170に原紙クランプ193により挟持されている。
(1)前記各実施の形態は、1つの双胴型印刷ユニットを装着できる単色型孔版印刷機に適用した例であるが、複数の双胴型印刷ユニットを装着できる多色型孔版印刷機に適用することもできる。
9 インクローラ
10 印刷ユニット
11 押圧ローラ
12 インク供給機構
13 スクリーン(孔版原紙と共に周回する部材の一例)
14 孔版原紙
14a 孔版原紙の先端取付部
20 給紙ローラ
21 フィードローラ(タイミングローラ、ガイドローラ)
36 印刷機本体用動力取出軸
37 印刷ユニット用動力取出軸
41 メインモータS
42 印刷ユニットフレーム
43 ローラ支持板
55 増速機構
56 減速機構
58 回転ローラ軸
59 インクローラ軸
60,61,62,63 タイミングベルト用のプーリ
66,67 タイミングベルト(孔版原紙と共に周回する部材の一例)
70 スクリーンバー
70a 支持バー
80 位置決め機構
81 ユニット入力部
83,84,85 増速用のギヤ
86 入力フランジ
87 継手用の係合凹部
88 ユニット用動力取出部
89 ユニット入力軸
90 動力取出板
91 継手用の係合突起
102 位置決めレバー(位置決め部)
107 位置決め凹部(位置決め部)
110 位置決め凹部(位置決め部)
Claims (3)
- 印刷ユニットフレーム(42)と、該印刷ユニットフレーム(42)に回転可能に支持されたインクローラ(9)及び回転ローラ(8)と、両ローラ(9.8)間に亘って巻き掛けられた孔版原紙(14)とを備えた印刷ユニット(10)を、印刷機本体内に着脱自在に装着し、
印刷ユニット(10)には、孔版原紙(14)の先端取付部をその周回路の初期基準位置にロックする位置決め機構(80)と、外部から動力を取り入れるユニット入力部(81)を設け、
印刷機本体には、駆動源を搭載すると共に印刷ユニット用動力取出部(88)を設け、
前記印刷ユニット用動力取出部(88)と印刷ユニット入力部(81)とは、孔版原紙(14)の先端取付部が前記初期基準位置の時のみ動力伝達可能に接続する継手機構を介して着脱するようになっており、
前記継手機構は、印刷ユニット入力部(81)とユニット用動力取出部(88)の一方に設けられた1つの係合突起(91)と、他方に設けられて前記係合突起(91)に係合可能な係合孔(87)と、から構成され、
前記係合孔(87)は、前記係合突起(91)と同一円周上に等間隔をおいて複数配置され、かつ、前記タイミングベルト(67)の歯数(K1)とインクローラ側歯付きプーリ(63)の歯数(K2)との比K1:K2が(2+1/n):1の時に、係合孔(87)はn個配置され、
印刷ユニット入力部(81)には、孔版原紙(14)の先端取付部の周回数とユニット用動力取出部(88)及び印刷機本体用動力取出部の回転数が一致するように、増速機構(55)を設けていることを特徴とする孔版印刷機。 - 前記位置決め機構は、孔版原紙と共に両ローラ間を周回する部材に設けられた位置決め部と、該位置決め部と係合可能で前記印刷ユニットフレームに設けられた位置決め部から構成され、孔版原紙の先端取付部が初期基準位置の時に上記両位置決め部同志が係合し、孔版原紙の先端取付部を初期基準位置に停止保持するようにしたことを特徴とする請求項1記載の孔版印刷機。
- 前記位置決め機構は、印刷ユニット内で孔版原紙の先端取付部の周回と同一周期で回転する回転部材に設けられた位置決め部と、該位置決め部と係合可能で前記印刷ユニットフレームに設けられた位置決め部から構成され、孔版原紙の先端取付部が初期基準位置の時に上記両位置決め部同志が係合し、孔版原紙の先端取付部を初期基準位置に停止保持するようになっていることを特徴とする請求項1記載の孔版印刷機。
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