JP4386561B2 - 洗浄液の分離再利用装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)基板、あるいは、磁気ディスク用のガラス基板やセラミック基板などのような各種の基板に洗浄処理を施すための基板洗浄装置において用いられる洗浄液の分離再利用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程には、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)の表面に成膜やエッチングなどの処理を繰り返し施して微細パターンを形成していく工程が含まれる。微細加工のためにはウエハの両面、特に薄膜が形成されるウエハの一方面(薄膜形成面)を清浄に保つ必要があるから、必要に応じてウエハの洗浄処理が行われる。たとえば、ウエハの薄膜形成面上に形成された薄膜を研磨剤を用いて研磨処理(以下、CMP処理という)した後には、研磨剤(スラリー)がウエハ両面に残留しているから、このスラリーを除去する必要がある。
【0003】
上述のような従来のウエハの洗浄を行うウエハ洗浄装置は、たとえば、ウエハを回転させながらその両面に洗浄液を供給しつつウエハの両面をスクラブ洗浄する両面洗浄装置と、ウエハを回転させながらウエハの両面に洗浄液としてのふっ酸および純水を順に供給しつつ、ウエハの一方面(薄膜形成面)をスクラブ洗浄する表面洗浄装置と、ウエハを回転させながらその両面に純水を供給して水洗し、次いで純水の供給を停止させてウエハを高速回転させることでウエハ表面の水分を振り切り乾燥させる水洗・乾燥装置とからなっている。
【0004】
ここで特に、上述の表面洗浄装置では、基板の洗浄に用いられた後の洗浄液は、ふっ酸と純水とが互いに溶解した状態となっており、この洗浄液は再利用されることなく排液(使い捨て)されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年の地球環境保護の見地から、洗浄液などの処理液をできる限り再利用することが重要となってきている。しかしながら、上述した従来の表面洗浄装置では、基板の洗浄に用いられた後の洗浄液が、上述のように複数の洗浄液の混合液となっているため、容易に分離再利用することができず、再利用できないという問題が生じていた。すなわち、上述の表面洗浄装置における洗浄液は用いられた後に排液されて使い捨てとなっているので、その洗浄液自体の交換や補充に関するコストが高くつく上に、地球環境保護に反するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、安価で地球環境保護に沿った洗浄液の分離再利用装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の技術的課題を解決するための、請求項1に係る発明は、複数の洗浄液を用いて基板を洗浄する基板洗浄装置において用いられる洗浄液の分離再利用装置であって、上記複数の洗浄液は、少なくとも、ハイドロフルオロエーテルを含む第1洗浄液と、この第1洗浄液よりも比重の小さい第2洗浄液とを含み、これら第1洗浄液と第2洗浄液との比重の差を利用して第1洗浄液と第2洗浄液とを分離する洗浄液分離手段と、この洗浄液分離手段で分離された第1洗浄液を、上記基板洗浄装置における基板の洗浄に再度利用させる洗浄液再利用手段と、を備え、上記第2洗浄液は、無機酸、有機酸または純水であって、比重が0.9〜1.1のものであり、上記洗浄液分離手段は、上記基板洗浄装置において基板の洗浄に用いられた後の第1洗浄液および第2洗浄液を、上記基板洗浄装置での洗浄処理中に回収する回収機構と、この回収機構で回収された第1洗浄液および第2洗浄液を貯留する回収槽と、この回収槽内の第1洗浄液および第2洗浄液のうち、回収槽の下部に貯留されている第1洗浄液を送り出す送出機構と、上記回収槽内の第1洗浄液および第2洗浄液のうち、上記回収槽の上部に貯留されている第2洗浄液を排出する排液機構と、上記回収槽に設けられ、第1洗浄液よりも比重が小さくて第2洗浄液よりも比重の大きいフロートと、このフロートの上下位置を検出するフロート検出機構と、を含み、上記送出機構は、上記回収槽の底部に接続された送出配管と、この送出配管の途中部に介装された送出バルブと、を含み、上記排液機構は、上記回収槽の底部に接続された排液配管と、この排液配管の途中部に介装された排液バルブと、を含み、上記基板洗浄装置における基板の洗浄が行われていない所定のタイミングで、上記送出バルブを開成し、上記フロート検出機構によって検出されたフロートの上下位置が、上記回収槽における最下部よりも高い所定の設定位置に達すると、上記送出バルブを閉成する送出バルブ制御部と、上記フロート検出機構によって検出されたフロートの上下位置が上記所定の設定位置以下になった場合であって、上記送出バルブ制御部によって上記送出バルブが閉成された後に、上記排液バルブを開成する排液バルブ制御部と、をさらに備えることを特徴とする洗浄液の分離再利用装置である。
【0008】
この請求項1に係る発明の洗浄液の分離再利用装置によると、ハイドロフルオロエーテル(以下、HFEという)を含む第1洗浄液は、洗浄液の比重の差によって他の洗浄液(第2洗浄液)と分離されて基板の洗浄に再利用される。このため、HFEを含む第1洗浄液を確実に再利用でき、従来のように使い捨てられる頻度が少ないので、その洗浄液自体のコストを低下させることができるとともに、地球環境の破壊を抑制できる。また、たとえ複数回再利用された後に最終的にHFEを含む第1洗浄液を廃棄する場合であっても、HFEは無毒でありオゾン破壊係数が0であることから、さらに地球環境にやさしく、また、その廃棄処理のコストも軽減できる。
【0009】
なお、ここで、上記「ハイドロフルオロエーテルを含む第1洗浄液」とは、HFEを含む洗浄液であれば何でもよく、たとえば、HFEに対して、IPA(イソプロピルアルコール)、エタノール、メタノール、n−酢酸ブチル、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)、またはアセトン等の有機溶剤等が添加されたものでもよい。
【0010】
また、ここで、上記「第1洗浄液よりも比重の小さい第2洗浄液」とは、ふっ酸などの無機酸、アンモニアなどの無機アルカリ、蓚酸やクエン酸などの有機酸、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)などの有機アルカリ、界面活性剤、または純水等であってもよい。これら第2洗浄液の比重(0.9〜1.1)は、第1洗浄液の比重(1.3〜1.5)よりも小さくなっている。たとえば、ふっ酸の比重は約1.00、アンモニアの比重は約0.9、蓚酸の比重は約1.02、クエン酸の比重は約1.13、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)の比重は約1.00、そして、純水の比重は1.00である。なお、界面活性剤の比重については、色々な値を取るが、1.1を超えることはない。したがって、これら第1洗浄液と第2洗浄液との比重の差は大きいので、これらの分離を確実に行うことができる。また、これらの第2洗浄液は、HFEに対して溶解しにくいので、第1洗浄液に対してさらに確実に分離させることができる。
【0011】
なお、上述の第1洗浄液に添加される有機溶剤について説明すると、IPAの比重は約0.79、エタノールの比重は約0.79、メタノールの比重は約0.79、n−酢酸ブチルの比重は約0.88、MEKの比重は約0.81、MIBKの比重は約0.81、アセトンの比重は約0.79であり、これらの有機溶剤の比重はHFEよりも小さい。しかしながら、有機溶剤はHFEにほぼ溶解した形で存在するので、第1洗浄液に添加された有機溶剤をHFEと分離させることは困難である。
【0012】
また、第1洗浄液と第2洗浄液は、基板洗浄装置における基板の洗浄時において、基板に対して異なるタイミングで供給されてもよいし、同時に供給されてもよい。また、たとえば同一のノズルから第1洗浄液と第2洗浄液とが基板に供給されるものであってもよいし、別々のノズルから供給されるものであってもよい。さらに、第1洗浄液と第2洗浄液とが混合された状態で基板に供給されるものであってもよい。すなわち、第1洗浄液と第2洗浄液とが同一の回収槽に回収されるものであれば何でもよい。
【0014】
また、請求項1に係る洗浄液の分離再利用装置では、回収機構によって回収槽に回収された第1洗浄液および第2洗浄液が、これらの比重の差により回収槽内で上下に分離された後、下部の第1洗浄液は送出機構によって送り出され、上部の第2洗浄液は排液機構によって排出される。これにより、回収された第1洗浄液を確実に分離して再利用可能な形態とすることができる。
さらに、回収槽において上下に分離された第1洗浄液と第2洗浄液との境界液面(=第1洗浄液の液面)にフロートが位置することになり、したがって、このフロートの上下位置をフロート検出機構が検出することで、第1洗浄液の液面を正確に検出できる。
また、回収槽の底部に送出配管が接続され、この送出配管の途中部には送出バルブが介装されている。そして、送出バルブ制御部は、基板洗浄装置における基板の洗浄が行われていない所定のタイミングで、たとえば、基板洗浄装置によってある基板の洗浄が終了してから次の基板の洗浄が開始されるまでの間のタイミングで、あるいは、ある1ロット分(たとえば、50枚)の基板の洗浄が終了してから次のロットの基板洗浄が開始されるまでの間のタイミングで、送出バルブを開成する。そして、回収槽内の第1洗浄液の液面が低下していき、該液面が低く(所定の設定位置以下)なった場合に、送出バルブを閉成する。これにより、回収槽の下部の第1洗浄液が送り出されて、その第1洗浄液の量が減ってきた場合に、再利用すべき第1洗浄液に対して上部にある第2洗浄液が混入されてしまうことを防止でき、再利用すべき第1洗浄液の純度を上げることができる。
なお、第1洗浄液の液面付近には、その上部にある第2洗浄液が若干混入されていると考えられるので、上記所定の設定位置が回収槽における最下部よりも高い位置に設定されていれば、第1洗浄液の純度をより向上させることができる。
また、回収槽の底部に排液配管が接続され、この排液配管の途中部には排液バルブが介装されている。そして、排液バルブ制御部は、フロートの上下位置(=第1洗浄液の液面)が低く(所定の設定位置以下)なった場合に、送出バルブを閉成した後に、排液バルブを開成する。これにより、第2洗浄液が再利用すべき第1洗浄液に混入されてしまうことをさらに防止できる。
【0015】
また、請求項に係る発明は、請求項に記載の洗浄液の分離再利用装置において、上記洗浄液再利用手段は、上記送出機構で送り出された第1洗浄液を貯留する貯留槽と、この貯留槽で貯留されている第1洗浄液を上記基板洗浄装置内に供給する供給機構と、上記貯留槽内に新たな第1洗浄液を補充する補充機構と、を含むことを特徴とする洗浄液の分離再利用装置である。
【0016】
この請求項に係る洗浄液の分離再利用装置によると、回収槽内の第1洗浄液は、送出機構によって送り出された後、貯留槽に貯留され、補充機構によって新たな第1洗浄液を補充されるとともに、供給機構によって基板洗浄装置内に供給される。これにより、基板の洗浄に十分な量の第1洗浄液を確保しつつ、第1洗浄液を容易な構成で再利用することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、上述の技術的課題を解決するための本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置およびこの装置に用いられる洗浄液の分離再利用システムを、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置およびこの装置に用いられる洗浄液の分離再利用システムの主要部の構成を簡略的に示す側面図である。なお、この基板洗浄装置は、別の両面洗浄装置において、CMP処理後のウエハWの両面をスクラブ洗浄して、比較的大きな異物を除去した後に、主にウエハWの上面Wa(薄膜形成面)を再度洗浄して比較的微細な異物を除去する装置である。また、この基板洗浄装置に対するウエハWの搬出または搬入は、図示しない吸着保持するハンドを有するウエハ搬送ロボット等によって適宜行われている。
【0025】
ここで、まず、基板洗浄装置の構成について説明すると、この基板洗浄装置は、ウエハWを保持しつつ、ウエハWの中心を通りウエハWに垂直な回転軸Rを中心に回転させるウエハ回転部10と、ウエハ上面Waおよび下面Wbに第1洗浄液としてのハイドロフルオロエーテル(以下、HFEという)を供給するHFE供給部20と、ウエハ上面Waおよび下面Wbに第2洗浄液としてのふっ酸を供給するふっ酸供給部30と、ウエハ回転部10を取り囲むように設けられ、HFEやふっ酸などの洗浄液を集める洗浄液集液部40とからなっている。なお、この一実施形態におけるHFEは、たとえば、構造式がCFCFCFCFOCHのものである。
【0026】
ウエハ回転部10は、図示しない回転駆動源から回転駆動力を伝達されて回転するスピン軸11と、このスピン軸11の上端部に設けられ、上面に設けられた複数の保持ピン12aによりウエハWを下面Wb側から保持するスピンチャック12とからなっている。これらの構成により、ウエハ回転部10は、ウエハWを保持しつつ、ウエハWに垂直なウエハの回転軸Rを中心としてウエハWを回転させることができるようになっている。
【0027】
また、HFE供給部20は、洗浄液としてのHFEをウエハWの両面Wa,Wbそれぞれに供給するHFEノズル21a,21bと、このHFEノズル21a,21bに連通接続されたHFE供給パイプ22と、このHFE供給パイプ22の途中部に介装された開閉可能なHFE供給バルブ23と、からなっている。
【0028】
また、ふっ酸供給部30は、洗浄液としてのふっ酸をウエハWの両面Wa,Wbそれぞれに供給するふっ酸ノズル31a,31bと、このふっ酸ノズル31a,31bとふっ酸供給源とを連通接続するふっ酸供給パイプ32と、このふっ酸供給パイプ32の途中部に介装された開閉可能なふっ酸供給バルブ33と、からなっている。なお、上述のスピンチャック12には、図示はしていないが、下側のノズル21b,31bからウエハWの下面Wbに供給される洗浄液が通過するための開口部または切欠き部が形成されている。
【0029】
さらに、洗浄液集液部40は、スピンチャック12の側方周囲を取り囲むような環状に形成されて、回転するウエハWやスピンチャック12から飛散した洗浄液を集めるためのカップ41と、このカップ41の底部に設けられ、カップ41によって受け止められた洗浄液を下方へ流出させるドレン口42と、からなっている。
【0030】
次に、上述の基板洗浄装置に用いられる洗浄液の分離再利用システムの構成について説明する。この洗浄液の分離再利用システムは、上述の洗浄液集液部40で受け止められた洗浄液を回収し、これらの洗浄液の比重の差を利用してHFEとふっ酸とを分離する洗浄液分離部50と、この洗浄液分離部50で分離されたHFEを上記基板洗浄装置におけるウエハWの洗浄に再度利用させる洗浄液再利用部60とからなっている。
【0031】
洗浄液分離部50は、上述の洗浄液集液部40のドレン口42に接続されて下方に向けて延設され、上述の基板洗浄装置においてウエハWの洗浄に用いられたHFEやふっ酸などの洗浄液を回収する回収管51と、この回収管51によって回収されたHFEやふっ酸などの洗浄液を貯留する回収タンク52と、この回収タンク52内の洗浄液のうち、回収タンク52の下部に貯留されているHFEを送り出すHFE送出機構53と、この回収タンク52内の洗浄液のうち、回収タンク52の上部に貯留されているふっ酸を排液するふっ酸排液機構54と、からなっている。
【0032】
ここで、HFE送出機構53には、さらに、回収タンク52の底部に接続されてHFEが送出されるHFE送出管53aと、このHFE送出管53aの途中部に介装された開閉可能なHFE送出バルブ53bと、HFE送出管53aの途中部に介装されて、HFE送出管53a内のHFEを圧送するHFE送出ポンプ53cと、HFE送出管53aの途中部に介装されて、HFE送出管53a内のHFE中の異物を除去して浄化するためのフィルター53dとが設けられている。
【0033】
さらに、ふっ酸排液機構54には、回収タンク52の底部から下方に延びるように接続されてふっ酸が排出されるふっ酸排液管54aと、このふっ酸排液管54aの途中部に介装された開閉可能なふっ酸排液バルブ54bとが設けられている。
【0034】
さらに、洗浄液分離部50には、回収タンク52の側面の上部および下部に両端が接続され、該側面に沿って延びるU字状のフロートパイプ55と、このフロートパイプ55内に設けられ、HFEよりも比重が小さくふっ酸よりも比重の大きい球状の液面検出フロート56と、この液面検出フロート56の上下位置を検出するフロート検出センサ57とが設けられている。なお、フロート検出センサ57には、多数の検出子57aが鉛直線上に配列されており、液面検出フロート56がいずれの上下位置にあっても、その上下位置を検出できるようになっている。
【0035】
なお、フロート検出センサ57は、たとえば、フロートパイプ55を挟んで配置された発光部と受光部とを有する透過式の光学センサであって、発光部からの光がフロートパイプ55内の液面検出フロート56で遮光されて受光部に到達しなかったか否かを検出することで、液面検出フロート56の上下位置を検出するものであってもよい。あるいは、たとえば、フロートパイプ55に近接して配置された発光部と受光部とを有する反射式の光学センサであって、発光部からの光がフロートパイプ55内の液面検出フロート56で反射して受光部に到達したか否かを検出することで、液面検出フロート56の上下位置を検出するものであってもよい。さらに、たとえば、フロートパイプ55を挟んで配置された発振部と受振部とを有する超音波式センサであって、発振部からの超音波振動がフロートパイプ55内の液面検出フロート56で遮断されて受振部に到達しなかったか否かを検出することで、液面検出フロート56の上下位置を検出するものであってもよい。
【0036】
また、回収タンク52内にHFEおよびふっ酸が貯留されると、これらの洗浄液の比重の関係で、上部にはふっ酸(比重1.00)、下部にはHFE(比重1.52)という形態で分離される。そして、液面検出フロート56は、HFEの比重とふっ酸の比重との間の比重値(たとえば、比重1.3)を持つように設定されている。このため、液面検出フロート56は、HFEとふっ酸の境界液面L(以下、HFEの液面Lという)の高さに位置する状態となる。したがって、フロート検出センサ57によって、液面検出フロート56の上下位置、すなわち、HFEの液面Lを検出することができる。
【0037】
次に、洗浄液再利用部60は、上述のHFE送出機構53によって送り出されたHFEを貯留する貯留タンク61と、この貯留タンク61に貯留されたHFEを基板洗浄装置内に供給するHFE供給機構62と、貯留タンク61内に未使用の新たなHFE(以下、HFE新液という)を補充するためのHFE補充機構63とからなっている。
【0038】
さらに、HFE供給機構62は、上記HFE供給パイプ22に連通接続されたHFE供給路62aと、このHFE供給路62aの途中部に介装されて貯留タンク61内のHFEを基板洗浄装置のHFEノズル21a,21bに向けて圧送供給するHFE供給ポンプ62bとが設けられている。
【0039】
また、HFE補充機構63には、補充用のHFE新液を貯留する新液タンク63aと、この新液タンク63aの底部に接続されてHFE新液を貯留タンク61に向けて送出する新液補充管63bと、新液補充管63bの途中部に介装されて、新液補充管63b内のHFE新液を圧送する新液補充ポンプ63cと、この新液補充管63bの途中部に介装された開閉可能な新液補充バルブ63dとが設けられている。
【0040】
ここで、次に、以上のような構成を有する基板洗浄装置および洗浄液の分離再利用システムによる洗浄処理および洗浄液の分離再利用の動作(分離再利用方法)について説明する。
【0041】
まず、図示しないウエハ搬送ロボットによって、予め両面が予備洗浄されたウエハWが基板洗浄装置内に搬入され、スピンチャック12の上に載置されて複数の保持ピン12aに保持される。次に、ウエハWを保持したスピンチャック12が図示しない回転駆動源によって高速で回転されて、ウエハWが回転軸Rを中心に回転される。そして、まず、ふっ酸供給バルブ33が開成されて、ふっ酸ノズル31a,31bより洗浄液としてのHFEがウエハWに供給され、ふっ酸によるウエハWの洗浄が行われる。
【0042】
そして、所定時間の経過後、ふっ酸供給バルブ33が閉成されて、ふっ酸ノズル31a,31bからのふっ酸の供給が停止させられると、次に、HFE供給バルブ23が開成されて、HFEノズル21a,21bより洗浄液としてのHFEのウエハWへの供給が開始され、HFEによるウエハWの洗浄が開始される。
【0043】
そして、所定時間の経過後、HFE供給バルブ23が閉成されて、HFEノズル21a,21bからのHFEの供給が停止させられる。以上により、ウエハWに対して、ふっ酸、HFEの順に洗浄液が供給され、それぞれのウエハWに対する洗浄処理が行われる。なおここで、ふっ酸によるウエハWの洗浄とHFEによるウエハWの洗浄との間において、純水などのリンス液によるウエハWの洗浄を行うようにしてもよい。
【0044】
その後、ウエハ回転部10によるウエハWの回転がさらに高速となってしばらく継続され、ウエハW表面の水分が乾燥させられる。そして、所定時間の経過後、このウエハWの回転が停止され、図示しないウエハ搬送ロボットによってウエハWが基板洗浄装置から搬出されて、1枚のウエハWに対するこの基板処理装置での洗浄処理が終了する。
【0045】
ここで、この基板処理装置での洗浄処理中において、ウエハWの洗浄に用いられたふっ酸およびHFEは、洗浄液集液部40のドレン口42から回収管51内を流下して、回収タンク52内に貯留される。ここで、上述したように、この回収タンク52内においては、比重の作用で、ふっ酸が上部に、HFEが下部にそれぞれ分離される。この際、ふっ酸とHFEとの中間の比重を持つ液面検出フロート56は、HFEの液面Lの高さにある。
【0046】
そして、基板洗浄装置によってあるウエハWの洗浄が終了してから次のウエハWの洗浄が開始されるまでの間のタイミング(以下、基板間のタイミングという)で、あるいは、ある1ロット分のウエハW(たとえば、50枚)の洗浄が終了してから次のロットのウエハWの洗浄が開始されるまでの間のタイミング(以下、ロット間のタイミングという)で、回収タンク52内に貯留されているふっ酸およびHFEの分離処理(洗浄液分離工程)が行われる。
【0047】
このHFEの分離処理を説明すると、まず、制御部70は、基板間あるいはロット間のタイミングで、HFEノズル21a,21bおよびふっ酸ノズル31a,31bから洗浄液が供給されていないこと、すなわち、HFE供給バルブ23およびふっ酸供給バルブ33が開成されていないことを確認した上で、HFE送出管53aに介装されたHFE送出ポンプ53cを作動させつつ、HFE送出バルブ53bを開成する。これにより、回収タンク52の下部に貯留されているHFEが順次、HFE送出管53a内を通過して貯留タンク61内に送り出される。
【0048】
そして、回収タンク52内のHFEの液面L(=液面検出フロート56の上下位置)が低下していき、その液面Lが予め定められた所定の高さH(所定の設定位置)に達したことをフロート検出センサ57が読み取ると、制御部70は、HFE送出ポンプ53cを停止させ、HFE送出バルブ53bを閉成する。これにより、回収タンク52の下部に貯留されていたHFEがほぼ全て、貯留タンク61内に送り出されることになる。
【0049】
なお、上記所定の高さHは、回収タンク52における最下部に設定してもよいが、HFEの液面Lの直下付近は、その上部にあるふっ酸が若干混入されていると考えられるので、上記所定の高さHを回収タンク52における最下部よりも少しだけ高い位置に設定するのが好ましい。この方が、分離されたHFEの純度をより向上させることができる。
【0050】
次に、HFE送出バルブ53bが閉成された後、制御部70は、ふっ酸排液管54aに介装されたふっ酸排液バルブ54bを開成する。これにより、回収タンク52に残留しているふっ酸が順次、ふっ酸排液管54a内を流下して排出される。そして、十分な時間経過後、制御部70は、ふっ酸排液バルブ54bを閉成し、これにより、回収タンク52に残留していたふっ酸が全て排液されることになる。
【0051】
さらに、上記HFEの分離処理により貯留タンク61内に貯留されたHFEは、基板洗浄処理装置におけるウエハWの洗浄に再利用される(洗浄液再利用工程)。すなわち、基板洗浄装置内にウエハWが搬入された後の所定のタイミングで、制御部70は、HFE供給ポンプ62bを作動させつつ、HFE供給バルブ23を開成し、HFEノズル21a,21bからウエハWに対してHFEの供給が開始される。そして、所定時間の経過後、制御部70は、HFE供給ポンプ62bを停止させ、HFE供給バルブ23を閉成して、ウエハWに対するHFEの供給が終了される。
【0052】
なお、貯留タンク61内においては、予め貯留されていたHFEに対して、HFE送出管53aからのHFEが混入され、再利用されることになる。またさらに、貯留タンク61内のHFEの液量が少ない場合には、制御部70は、新液補充ポンプ63cを作動させつつ、新液補充バルブ63dを開成する。これにより、HFEが順次、新液補充管63b内を通過して貯留タンク61内に補充される。そして、新液タンク63a内のHFEの液量が十分な量になった場合に、制御部70は、新液補充ポンプ63cを停止させ、新液補充バルブ63dを閉成する。
【0053】
&lt本実施形態の効果&gt
【0054】
以上のようなこの一実施形態の洗浄液の分離再利用システムおよび分離再利用方法によれば、第1洗浄液としてのHFEは、比重の差によって第2洗浄液としてのふっ酸と分離されてウエハWの洗浄に再利用される。このため、HFEを確実に再利用でき、従来のように使い捨てられる頻度が少ないので、その洗浄液自体のコストを低下させることができるとともに、地球環境の破壊を抑制できる。また、たとえ複数回再利用された後に最終的にHFEを廃棄する場合であっても、HFEは無毒でありオゾン破壊係数が0であることから、さらに地球環境にやさしく、また、その廃棄処理のコストも軽減できる。
【0055】
また、この一実施形態の洗浄液の分離再利用システムによれば、洗浄液分離部50の回収管51によって回収タンク52に回収されたHFEおよびふっ酸が、これらの比重の差により回収タンク52内で上下に分離された後、下部のHFEはHFE送出機構53によって送り出され、上部のふっ酸はふっ酸排液機構54によって排出される。これにより、回収されたHFEを確実に分離して再利用可能な形態とすることができる。
【0056】
また、この一実施形態の洗浄液の分離再利用システムによれば、回収タンク52内のHFEは、HFE送出機構53によって送り出された後、洗浄液再利用部60の貯留タンク61に貯留され、HFE補充機構63によってHFE新液を補充されるとともに、HFE供給機構62によって基板洗浄装置内のHFE供給部20へと供給される。これにより、ウエハWの洗浄に十分な量のHFEを確保しつつ、HFEを容易な構成で再利用することができる。
【0057】
さらに、この一実施形態の洗浄液の分離再利用システムによれば、回収タンク52において上下に分離されたHFEの液面Lに液面検出フロート56が位置することになり、したがって、この液面検出フロート56の上下位置をフロート検出センサ57が検出することで、HFEの液面を正確に検出できる。
【0058】
また、この一実施形態の洗浄液の分離再利用システムによれば、回収タンク52の底部にHFE送出管53aが接続され、このHFE送出管53aの途中部にはHFE送出バルブ53bが介装されている。そして、制御部70は、基板洗浄装置におけるウエハWの洗浄が行われていない所定のタイミングで、たとえば、上述の基板間あるいはロット間のタイミングで、HFE送出バルブ53bを開成する。そして、回収タンク52内のHFEの液面Lが低下していき、所定の高さH以下になった場合に、HFE送出バルブ53bを閉成する。これにより、回収タンク52の下部のHFEが送り出されて、その量が減ってきた場合に、再利用すべきHFEに対して上部にあるふっ酸が混入されてしまうことを防止でき、再利用すべきHFEの純度を上げることができる。
【0059】
さらにまた、この一実施形態の洗浄液の分離再利用システムによれば、回収タンク52の底部にふっ酸排液管54aが接続され、このふっ酸排液管54aの途中部にはふっ酸排液バルブ54bが介装されている。そして、制御部70は、液面検出フロート56の上下位置(=HFEの液面L)が所定の高さH以下になった場合に、HFE送出バルブ53bを閉成した後に、ふっ酸排液バルブ54bを開成する。これにより、ふっ酸が再利用すべきHFEに混入されてしまうことをさらに防止できる。
【0060】
&lt他の実施形態&gt
【0061】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、上述した一実施形態の基板洗浄装置においては、ウエハWに対して、ふっ酸ノズル31a,31bから第2洗浄液としてのふっ酸が供給された後に、HFEノズル21a,21bから第1洗浄液としてのHFEが供給されているが、この供給順序は逆であってもよいし、あるいは、同時であってもよい。また、HFEノズル21a,21bおよびふっ酸ノズル31a,31bが同一のノズルで兼用されてもよい。この同一のノズルで兼用される場合において、HFEおよびふっ酸が混合されて供給されるものであってもよい。すなわち、HFEとふっ酸とが最終的に1つの回収タンク52に回収されるものであればよい。
【0062】
また、上述した一実施形態の基板洗浄装置においては、第1洗浄液として、構造式がCFCFCFCFOCHのHFEが用いられているが、たとえば、構造式がCFCFCFCFOCHCHのもの(比重1.43)であってもよい。なお、HFE(ハイドロフルオロエーテル)とは、エーテル類の水素原子の一部が弗素原子で置換され、塩素原子を含まない弗素化エーテルのことをさす。
【0063】
また、上述した一実施形態の基板洗浄装置においては、第1洗浄液は、HFEのみで構成されていたが、HFEを含む洗浄液なら何でもよい。たとえば、HFEに対して、IPA、エタノール、メタノール、n−酢酸ブチル、MEK、MIBK、アセトンまたはTrans-1,2-ジクロロエチレン等の有機溶剤が混合されたものでもよい。具体的には、HFEとIPAとが95:5の比率で混合された混合液(比重1.44)、HFEとTrans-1,2-ジクロロエチレンとが50:50の比率で混合された混合液(比重1.37)、およびHFEとTrans-1,2-ジクロロエチレンとエタノールが52.7:44.6:2.7の比率で混合された混合液(比重1.33)などがある。この場合、これらの有機溶剤はHFEに溶解するので、洗浄液分離部50で分離されて洗浄液再利用部60で再利用された第1洗浄液には、HFE新液と同様に有機溶剤が含まれている。このため、第1洗浄液中のHFEおよび有機溶剤の濃度が変化することがない。
【0064】
上述した一実施形態の基板洗浄装置においては、第2洗浄液は、ふっ酸で構成されていたが、第1洗浄液よりも比重の小さい洗浄液なら何でもよい。たとえば、第2洗浄液は、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、酢酸などの無機酸、アンモニアなどの無機アルカリ、蓚酸やクエン酸などの有機酸、TMAHなどの有機アルカリ、界面活性剤、または純水等であってもよい。また、これらの第2洗浄液は、HFEに対して溶解しにくいので、第1洗浄液に対してさらに確実に分離させることができる。
【0065】
また、上述した一実施形態の基板洗浄装置においては、HFEやふっ酸などの洗浄液をウエハWに供給するのみであるが、たとえば、さらに、これらの洗浄液の供給と同時に、PVA(ポリビニルアルコール)からなるスポンジブラシをウエハWに押し付けつつ自転させてスクラブ洗浄するようにしてもよい。あるいは、さらに、これらの洗浄液に超音波振動を付与して、ウエハW表面を超音波洗浄するようにしてもよい。これにより、基板の洗浄効果をさらに向上させることができる。
【0066】
また、上述した一実施形態の基板洗浄装置において、HFEノズル21a,21bおよびふっ酸ノズル31a,31bは、ウエハWの両面Wa,Wbに対応してそれぞれ設けられているが、少なくともウエハWのいずれか一方の面に対応するノズルが1つ設けられるだけでもよい。
【0067】
また、上述した一実施形態の基板洗浄装置において、ウエハ回転機構10は、上面に設けられた複数の保持ピン12aによりウエハWを下面Wb側から保持するスピンチャック12によって、ウエハWを保持しつつ回転させるようにしていたが、ウエハWの下面Wbを吸着保持しつつウエハWを回転させるスピンチャックであってもよい。
【0068】
また、上述した一実施形態の基板洗浄装置において、ウエハ回転機構10は、ウエハWの周縁部の端面に当接しつつウエハWの回転軸Rに平行な軸を中心に回転する少なくとも3つのローラピンのようなものであってもよい。これによれば、、ウエハ両面(WaおよびWb)の全域を良好に超音波洗浄できる。
【0069】
さらに、上述した一実施形態の基板洗浄装置は、ウエハWを1枚ずつ洗浄する装置であるが、基板を洗浄する基板洗浄装置であれば何でもよく、たとえば、ウエハWをキャリアに収容した状態で複数枚ずつ(たとえば、25枚または50枚ずつ)一括して洗浄する装置であってもよい。この場合、上述の基板洗浄装置における基板の洗浄が行われていない所定のタイミングとは、たとえば、基板洗浄装置によってあるキャリア単位での基板の洗浄が終了してから次のキャリア単位での基板の洗浄が開始されるまでの間のタイミング、あるいは、ある1ロット分(たとえば、50キャリア)のキャリア単位での基板の洗浄が終了してから次のロットのキャリア単位での基板の洗浄が開始されるまでの間のタイミングである。
【0070】
また、上述した一実施形態の基板洗浄装置においては、CMP処理後のウエハWを洗浄する場合について説明しているが、これに限られるものではなく、本発明は、広く、ウエハWを洗浄するものに対して適用することができる。
【0071】
さらに、上述した一実施形態の基板洗浄装置においては、半導体ウエハWを洗浄する場合について説明しているが、本発明は、液晶表示装置用ガラス基板、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)基板、磁気ディスク用のガラス基板やセラミック基板、あるいは、光または光磁気ディスク用の樹脂基板などのような他の各種の基板の洗浄に対して広く適用することができる。また、その基板の形状についても、上述した一実施形態の円形基板の他、正方形や長方形の角型基板に対しても、本発明を適用することができる。
【0072】
次に、上述した一実施形態の洗浄液の分離再利用システムにおいて、洗浄液分離部50の液面検出フロート56は、HFEの液面Lを検出するためのものだけが設けられているが、さらに、回収タンク52の上部に存在するふっ酸の液面を検出するための別のフロートを設けてもよい。この場合、このふっ酸液面検出用のフロートの比重は第2洗浄液としてのふっ酸よりもさらに小さい比重を有するものである。これにより、たとえば、回収タンク52内で洗浄液が満杯になっていることを検出して、制御部70によってHFE送出ポンプ53cを作動しHFE送出バルブ53bを開成して、上述のHFEの分離処理を開始させることができ、回収タンク52からのオーバーフローを防止することができる。あるいは、ふっ酸の排液時に、ふっ酸の液面が上述の高さH以下になったことを検出して、制御部70によってふっ酸排液バルブ54bを閉成し、ふっ酸排液を停止させることもできる。
【0073】
また、上述した一実施形態の洗浄液の分離再利用システムにおいては、フロート検出センサ57には、多数の検出子57aが鉛直線上に配列されており、液面検出フロート56がいずれの上下位置にあっても、その上下位置を検出できるようになっているが、たとえば、フロート検出センサ57の検出子57aを1つにして、その上下位置が上記所定の高さHに等しくなるように1つの検出子57aを設置するだけでもよい。この場合、HFEの液面Lが下降して液面検出フロート56が上記所定の高さHに差し掛かった際に、制御部70は、HFE送出ポンプ53cを停止させHFE送出バルブ53bを閉成する。
【0074】
また、上述した一実施形態の洗浄液の分離再利用システムにおいて、ふっ酸排液機構54は、下方に延びるふっ酸排液管54aによる自然流下作用を利用して、ふっ酸を排液しているが、HFE送出機構53のHFE送出ポンプ53cと同様なポンプによってふっ酸を圧送して排液するものであってもよい。あるいは逆に、HFE送出機構53をふっ酸排液機構54と同様に構成して、HFE送出ポンプ53cをなくし、下方に延びるHFE送出管53aによる自然流下作用によってHFEを送出してもよい。
【0075】
さらに、上述した一実施形態の洗浄液の分離再利用システムにおいては、回収タンク52に回収されたHFEおよびふっ酸のうち、回収タンク52上部のふっ酸はふっ酸排液機構54によって排出されるようになっているが、HFEと同様に、基板洗浄装置における基板の洗浄にふっ酸を再利用してもよい。すなわち、HFE送出機構53と同様の送出機構によって回収タンク52からふっ酸を送出し、貯留タンク61と同様のタンク(ふっ酸タンク)にふっ酸を貯留して、HFE供給機構62と同様の供給機構によって、基板洗浄装置内のふっ酸供給部30に供給して再利用してもよい。また、この場合、HFE補充機構63と同様の補充機構によって、上記ふっ酸タンクにふっ酸新液を補充するのが好ましい。これにより、HFEに加えて、回収されたふっ酸をも確実に分離して再利用可能な形態とすることができる。
【0076】
また、以上に記載したすべての実施形態を任意に組み合わせて実施することが可能である。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0077】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1に係る発明の洗浄液の分離再利用装置によると、HFEを含む第1洗浄液を確実に再利用でき、従来のように使い捨てられる頻度が少ないので、その洗浄液自体のコストを低下させることができるとともに、地球環境の破壊を抑制でき、また、たとえ複数回再利用された後に最終的にHFEを含む第1洗浄液を廃棄する場合であっても、HFEは無毒でありオゾン破壊係数が0であることから、さらに地球環境にやさしく、さらに、その廃棄処理のコストも軽減できるという効果を奏する。
【0078】
また、フロートの上下位置をフロート検出機構が検出することで、第1洗浄液の液面を正確に検出できるという効果を奏する。
さらに、回収槽の下部の第1洗浄液が送り出されて、その第1洗浄液の量が減ってきた場合に、再利用すべき第1洗浄液に対して上部にある第2洗浄液が混入されてしまうことを防止でき、再利用すべき第1洗浄液の純度を上げることができるという効果を奏する。
【0079】
請求項に係る発明の分離再利用装置によると、基板の洗浄に十分な量の第1洗浄液を確保しつつ、第1洗浄液を容易な構成で再利用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置および洗浄液の分離再利用システムの構成を簡略的に示す側面図である。
【符号の説明】
10 ウエハ回転機構
11 スピン軸
12 スピンチャック
12a 保持ピン
20 HFE供給部
21a,21b HFEノズル
22 HFE供給パイプ
23 HFE供給バルブ
30 ふっ酸供給部
31a,31b ふっ酸ノズル
32 ふっ酸供給パイプ
33 ふっ酸供給バルブ
40 洗浄液集液部
41 カップ
42 ドレン口
50 洗浄液分離部(洗浄液分離手段)
51 回収管(回収機構)
52 回収タンク(回収槽)
53 HFE送出機構(送出機構)
53a HFE送出管(送出配管)
53b HFE送出バルブ(送出バルブ)
53c HFE送出ポンプ
53d フィルター
54 ふっ酸排液機構(排液機構)
54a ふっ酸排液管(排液配管)
54b ふっ酸排液バルブ(排液バルブ)
55 フロートパイプ
56 液面検出フロート(フロート)
57 フロート検出センサ(フロート検出機構)
57a 検出子
60 洗浄液再利用部(洗浄液再利用手段)
61 貯留タンク(貯留槽)
62 HFE供給機構(供給機構)
62a HFE供給路
62b HFE供給ポンプ
63 HFE補充機構(補充機構)
63a 新液タンク
63b 新液補充管
63c 新液補充ポンプ
63d 新液補充バルブ
70 制御部(送出バルブ制御部、排液バルブ制御部)
H 所定の高さ
L HFEの液面
R ウエハの回転軸
W ウエハ(基板)
Wa ウエハ上面
Wb ウエハ下面

Claims (2)

  1. 複数の洗浄液を用いて基板を洗浄する基板洗浄装置において用いられる洗浄液の分離再利用装置であって、
    上記複数の洗浄液は、少なくとも、ハイドロフルオロエーテルを含む第1洗浄液と、この第1洗浄液よりも比重の小さい第2洗浄液とを含み、
    これら第1洗浄液と第2洗浄液との比重の差を利用して第1洗浄液と第2洗浄液とを分離する洗浄液分離手段と、
    この洗浄液分離手段で分離された第1洗浄液を、上記基板洗浄装置における基板の洗浄に再度利用させる洗浄液再利用手段と、を備え、
    上記第2洗浄液は、無機酸、有機酸または純水であって、比重が0.9〜1.1のものであり、
    上記洗浄液分離手段は、上記基板洗浄装置において基板の洗浄に用いられた後の第1洗浄液および第2洗浄液を、上記基板洗浄装置での洗浄処理中に回収する回収機構と、この回収機構で回収された第1洗浄液および第2洗浄液を貯留する回収槽と、この回収槽内の第1洗浄液および第2洗浄液のうち、回収槽の下部に貯留されている第1洗浄液を送り出す送出機構と、上記回収槽内の第1洗浄液および第2洗浄液のうち、上記回収槽の上部に貯留されている第2洗浄液を排出する排液機構と、上記回収槽に設けられ、第1洗浄液よりも比重が小さくて第2洗浄液よりも比重の大きいフロートと、このフロートの上下位置を検出するフロート検出機構と、を含み、
    上記送出機構は、上記回収槽の底部に接続された送出配管と、この送出配管の途中部に介装された送出バルブと、を含み、
    上記排液機構は、上記回収槽の底部に接続された排液配管と、この排液配管の途中部に介装された排液バルブと、を含み、
    上記基板洗浄装置における基板の洗浄が行われていない所定のタイミングで、上記送出バルブを開成し、上記フロート検出機構によって検出されたフロートの上下位置が、上記回収槽における最下部よりも高い所定の設定位置に達すると、上記送出バルブを閉成する送出バルブ制御部と、
    上記フロート検出機構によって検出されたフロートの上下位置が上記所定の設定位置以下になった場合であって、上記送出バルブ制御部によって上記送出バルブが閉成された後に、上記排液バルブを開成する排液バルブ制御部と、をさらに備えることを特徴とする洗浄液の分離再利用装置。
  2. 上記洗浄液再利用手段は、上記送出機構で送り出された第1洗浄液を貯留する貯留槽と、この貯留槽で貯留されている第1洗浄液を上記基板洗浄装置内に供給する供給機構と、上記貯留槽内に新たな第1洗浄液を補充する補充機構と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の洗浄液の分離再利用装置。
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