JP4385246B2 - 重合体、その製造方法及び二次電池 - Google Patents
重合体、その製造方法及び二次電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4385246B2 JP4385246B2 JP2003171843A JP2003171843A JP4385246B2 JP 4385246 B2 JP4385246 B2 JP 4385246B2 JP 2003171843 A JP2003171843 A JP 2003171843A JP 2003171843 A JP2003171843 A JP 2003171843A JP 4385246 B2 JP4385246 B2 JP 4385246B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- substituted
- general formula
- secondary battery
- electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は重合体、その製造方法及び二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノート型パソコン、携帯電話など小型あるいは携帯電子機器の急速な市場拡大に伴い、これらに用いられる電池に対して軽量化、高容量化に対する要求が高まっている。この要求に応えるために、リチウムイオン等のアルカリ金属イオンを荷電担体として、その電荷授受に伴う電気化学反応を利用した二次電池が盛んに開発されている。なかでも、リチウムイオン二次電池は安定性に優れたエネルギー密度の大きな高容量電池として種々の電子機器に利用されている。このようなリチウムイオン二次電池は活物質として正極にマンガン酸リチウムやコバルト酸リチウムといったリチウム含有遷移金属酸化物、負極に炭素を用いたものであり、これら活物質へのリチウムイオンの挿入、脱離反応を利用して充放電を行っている。
【0003】
しかしながら、このリチウムイオン二次電池は特に正極に比重の大きな金属酸化物を用いているため、単位質量当たりの電池容量は充分とは言えず、より軽量の電極材料を用いて高容量電池を開発しようとする試みが検討されてきた。例えば、特許文献1(米国特許第4,833,048号)、および特許文献2(特許第2715778号公報)にはジスルフィド結合を有する有機化合物を正極に用いた電池が開示されている。これはジスルフィド結合の生成、解離を伴う電気化学的酸化還元反応を電池の原理として利用したものである。この電池は硫黄や炭素といった比重の小さな元素を主成分とする電極材料から構成されているため、高エネルギー密度の大容量電池という点において一定の効果を奏している。しかし、解離した結合が再度結合する効率が小さいことや活物質の電解液への拡散のため、充放電サイクルを重ねると容量が低下しやすいという欠点がある。
【0004】
一方、同じく有機化合物を利用した電池として、導電性高分子を電極材料に用いた電池が提案されている。これは導電性高分子に対する電解質イオンのドープ、脱ドープ反応を原理とした電池である。ここで述べるドープ反応とは、導電性高分子の酸化もしくは還元によって生ずる荷電ソリトンやポーラロン等のエキシトンを、対イオンによって安定化させる反応のことである。一方、脱ドープ反応とはその逆反応に相当し、対イオンによって安定化されたエキシトンを電気化学的に酸化もしくは還元する反応のことを示している。特許文献3(米国特許第4,442,187号)には、このような導電性高分子を正極もしくは負極の材料とする電池が開示されている。この電池は、炭素や窒素といった比重の小さな元素のみから構成されたものであり、高容量電池として開発が期待された。しかし、導電性高分子には、酸化還元によって生じるエキシトンがπ電子共役系の広い範囲に亘って非局在化し、それらが相互作用するという性質がある。これは発生するエキシトンの濃度に限界をもたらすものであり、電池の容量を制限するものである。このため、導電性高分子を電極材料とする電池では軽量化という点では一定の効果を奏しているものの、大容量という点からは不充分である。さらに、有機化合物を二次電池の活物質として用いる電池として、ラジカル化合物の酸化還元反応を用いる電池が提案されている。例えば、特許文献4(特開2002−151084号公報)には、ニトロキシルラジカル化合物、オキシラジカル化合物、アリールオキシラジカル化合物及び特定のアミノトリアジン構造を有する高分子化合物などがラジカル化合物として開示されており、このようなラジカル化合物を正極もしくは負極の材料として用いる電池が開示されている。しかし、これらのラジカル化合物は化合物自体の導電性が低いため、導電付与剤を多量に添加する必要があった。
【0005】
以上述べてきたように、高容量電池を実現するために、遷移金属含有活物質を利用しない様々な電池の提案がなされているが、エネルギー密度が高く、高容量で安定性に優れ、活物質自体の導電率が高い電池は未だ得られていない。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第4,833,048号
【特許文献2】
特許第2715778号公報
【特許文献3】
米国特許第4,442,187号
【特許文献4】
特開2002−151084号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記で述べたように、正極に遷移金属酸化物を用いるリチウムイオン電池では、元素の比重が大きいため、現状を上回る高容量電池の製造が原理的に困難であった。このため、高容量電池を実現するために、遷移金属含有活物質を利用しない様々な電池の提案がなされているが、エネルギー密度が高く、高容量で安定性に優れた電池は未だ得られていない。本発明は、エネルギー密度が高く、高容量で充放電サイクルの安定性に優れた新規な二次電池を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、低質量の原子のみから構成されているにもかかわらず、今までに電極の活物質として利用されなかった特定の有機化合物、すなわち一般式(1)で表される構造を有する化合物が電極の活物質として利用できることを見出した。本発明によれば、一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する重合体化合物を電極活物質として用いることにより高容量密度の電極を得ることができるため、高エネルギー密度かつ安定性に優れた新規な電池を提供することができる。
【0009】
本発明の第一の態様によれば、下記一般式(1)で示される繰り返し構造単位を有する重合体が提供される。
【0010】
【化5】
【0011】
(一般式(1)において、R1〜R4のうち少なくとも1つは、下記一般式(2)で示される置換基を表し、他の置換基はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、シアノ基等を表す。nは繰り返し単位数を示す。)
【0012】
【化6】
【0013】
(一般式(2)において、R5は、置換及び非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の芳香族複素環基等を表す。)
【0014】
本発明の第二の態様によれば、下記一般式(3)で表される化合物をホモカップリング反応により重合した後、脱シリル剤であるフッ化物塩存在下、重金属酸化物とともに溶媒中で反応させることを特徴とする上記重合体の製造方法が提供される。
【0015】
【化7】
【0016】
(一般式(3)において、R6〜R9のうち少なくとも1つは、下記一般式(4)で示される置換基を表し、他の置換基はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、シアノ基等を表す。Y1及びY2はそれぞれ独立してハロゲン原子又はトリフルオロメチルスルホキシ基を表す。)
【0017】
【化8】
【0018】
(一般式(4)において、R5は置換及び非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の芳香族複素環基等を表す。R10は置換もしくは非置換のケイ素保護基を表す。)
【0019】
本発明の第三の態様によれば、少なくとも正極、負極、電解質を構成要素とする二次電池において、正極、負極の少なくとも一方に上記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する重合体を活物質として用いることを特徴とする二次電池が提供される。
【0020】
本発明の第四の態様によれば、活物質の電極反応を利用する二次電池において、正極および負極の少なくとも一方の電極反応が構造中に一般式(1)で表される部分構造を有する化合物を反応物もしくは生成物とする電極反応であることを特徴とする二次電池が提供される。
【0021】
本発明の第五の態様によれば、前記二次電池がリチウム二次電池であることを特徴とする上記第三及び第四の態様の二次電池が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の重合体について説明する。
本発明の重合体は、下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する。
【0023】
【化9】
【0024】
(一般式(1)において、R1〜R4のうち少なくとも1つは、下記一般式(2)で示される置換基を表し、他の置換基はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、シアノ基等を表す。nは繰り返し単位数を示す。)
【0025】
【化10】
【0026】
(一般式(2)において、R5は、置換及び非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の芳香族複素環基等を表す。)
【0027】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、一種単独または二種以上を組み合わせて有することができる。
【0028】
置換もしくは非置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−t−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基等が挙げられ、一種単独または二種以上を組み合わせて有することができる。
【0029】
置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−フルオレニル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基、及びこれらの誘導体等が挙げられ、これらの一種単独または二種以上を組み合わせて有することができる。
【0030】
また置換または非置換の芳香族複素環基としては、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル−1−インドリル基、4−t−ブチル−1−インドリル基、2−t−ブチル−3−インドリル基、4−t−ブチル−3−インドリル基、及びこれらの誘導体等が挙げられ、これらの一種単独または二種以上を組み合わせて有することができる。
【0031】
置換もしくは非置換のアルコキシ基および置換または非置換のアルコキシカルボニル基は、それぞれ−OX3および−COOX4で表される基であり、置換基X3およびX4としてはそれぞれ、例えば、上述の置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のシクロアルキル基、置換または非置換のアラルキル基等が挙げられ、これらの一種単独または二種以上を組み合わせて有することができる。
【0032】
置換もしくは非置換のアリールオキシ基は、それぞれ−OX5で表される基であり、置換基X5としてはそれぞれ、例えば、上述の置換または非置換の芳香族炭化水素基、置換または非置換の芳香族複素環基等が挙げられ、これらの一種単独または二種以上を組み合わせて有することができる。
【0033】
本発明の重合体は、下記一般式(3)で表されるジハロゲン化ベンゼン誘導体及びビス(トリフルオロメチルスルホキシ)ベンゼン誘導体をホモカップリング反応により重合した後、脱シリル剤であるフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)、トリエチルアミン−フッ酸塩などのフッ化物塩存在下、酸化銀、酸化鉛などの重金属酸化物とともにテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で反応させることで得ることができる。
【0034】
【化11】
【0035】
(一般式(3)において、R6〜R9のうち少なくとも1つは、下記一般式(4)で示される置換基を表し、他の置換基はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、シアノ基等を表す。Y1及びY2はそれぞれ独立してハロゲン原子又はトリフルオロメチルスルホキシ基を表す。)
【0036】
【化12】
【0037】
(一般式(4)において、R5は、置換及び非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の芳香族複素環基等を表す。R10は置換もしくは非置換のケイ素保護基を表す。)
【0038】
置換もしくは非置換のケイ素保護基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルエチル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ(t−ブチル)シリル基、トリ(n−ブチル)シリル基等が挙げられる。
【0039】
上記一般式(3)で表されるジハロゲン化(N−シリルオキシ)ベンゼン誘導体及びビス(トリフルオロメチルスルホキシ)(N−シリルオキシ)ベンゼン誘導体は、それぞれ下記一般式(5)で表されるジハロゲン化−(N−ヒドロキシアミノ)ベンゼン誘導体及びビス(トリフルオロメチルスルホキシ)−(N−ヒドロキシアミノ)ベンゼン誘導体をトリエチルアミン、ピリジン、イミダゾールなどの塩基存在下、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、ジメチルエチルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリ(t−ブチル)クロロシラン、トリ(n−ブチル)クロロシランなどのケイ素保護剤とともにジメチルホルムアミドやテトラヒドロフランなどの溶媒中で加熱還流し反応させることにより得ることができる。
【0040】
【化13】
【0041】
(一般式(5)において、R11〜R12のうち少なくとも1つは、下記一般式(6)で示される置換基を表し、他の置換基はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、シアノ基等を表す。X1及びX2はそれぞれ独立してハロゲン原子又はトリフルオロメチルスルホキシ基を表す。)
【0042】
【化14】
(上記一般式(6)において、R5は、置換及び非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の芳香族複素環基等を表す。)
【0043】
ホモカップリング反応の方法としては、例えば、上記の化合物(3)を亜鉛、水素化ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム(LAH)、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL)などの還元剤、触媒量の塩化ニッケル(NiCl2)、臭化ニッケル(NiBr2)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)クロリド(NiCl2(PPh3)2)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ブロミド(NiBR2(PPh3)2)等の触媒、トリフェニルホスフィン(PPh3)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン(dmpe)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe),1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)などの配位子、ヨウ化エトラエチルアンモニウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムなどのヨウ化物塩存在下、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中で加熱還流させて反応させる方法が挙げられる。
【0044】
また、他のホモカップリング反応の方法としては、化合物(3)をビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(Ni(cod)2)存在下、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中で加熱還流させて反応させる方法が挙げられる。
【0045】
他のホモカップリング反応の方法としては、化合物(3)をテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中でマグネシウムやリチウムなどの金属と反応させた後、触媒量の塩化ニッケル(NiCl2)、臭化ニッケル(NiBr2)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)クロリド(NiCl2(PPh3)2)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ブロミド(NiBR2(PPh3)2)等の触媒、トリフェニルホスフィン(PPh3)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン(dmpe)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)などの配位子存在下、加熱還流させて反応させる方法が挙げられる。
【0046】
尚、このホモカップリング反応に用いる、試薬及び溶媒の組み合わせ、反応時間その他条件については、特に制限されず、目的とする重合体が得られる範囲で適宜調節することができる。
【0047】
本発明における重合体は、単独のモノマーから得られるホモポリマーであっても、各置換基の異なる複数のモノマーから得られる共重合体であってもよい。
【0048】
本発明の重合体は、重量平均分子量250〜1000000、好ましくは3000〜500000の重合体である。
【0049】
本発明の重合体の具体例としては、式(1−1)から(1−15)に示す化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0050】
【化15】
【0051】
【化16】
【0052】
次に、本発明の二次電池について説明する。
本発明の二次電池は、少なくとも正極、負極及び電解質を構成要素とする。正極及び負極には、充電反応及び放電反応等の電極反応に寄与する物質として活物質が含まれ、この活物質が電池システムの中心的役割を果たしている。
【0053】
本発明の二次電池では、正極及び/又は負極の活物質として、下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する重合体を用いることができる。
【0054】
【化17】
【0055】
(一般式(1)において、R1〜R4のうち少なくとも1つは、下記一般式(2)で示される置換基を表し、他の置換基はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、シアノ基等を表す。nは繰り返し単位数を示す。)
【0056】
【化18】
(一般式(2)において、R5は、置換及び非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の芳香族複素環基等を表す。)
【0057】
この重合体は、重金属を含まず、炭素、水素、窒素、及び酸素等の質量が小さく安全な元素のみから構成されるため、この重合体を用いて製造された電極は、電極全体に占める活物質の割合が小さくなり、その結果、電極の単位質量当たりの容量密度が大きくなる。従って、このような電極を用いて製造された二次電池は、単位質量当たりのエネルギー密度及び容量が大きくなる。さらに、この重合体は芳香環によるπ電子共役の形成により導電率が高くなるため、これまで電極の抵抗を下げるために用いていた導電付与剤を軽減することができる。
【0058】
本発明は、上記の化合物が電極活物質として優れていることを見出したことに基づいてなされたものである。これは、一般式(1)で表される構造が、副反応をほとんどおこさない、ほぼ100%の割合で可逆に安定した酸化還元反応を起こすことによる。すなわち、一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する重合体化合物を活物質として用いた二次電池は、充放電を安定して行うことができ、サイクル特性に優れた二次電池となる。
【0059】
図1に本発明における電池の一実施形態の構成を示す。図1に示された電池は、正極5と負極集電体1上に配置した負極3とを電解質を含むセパレータ4を介して対向するように重ね合わせ、さらに正極5上に正極集電体6を重ね合わせた構成を有している。負極集電体1と正極集電体6との間には、両者の電気的接触を防ぐ目的で、プラスティック樹脂等の絶縁性材料からなる絶縁パッキン2が配置される。なお、固体電解質やゲル電解質を用いる場合は、セパレータに代えてこれら電解質を電極間に介在させる形態にすることもできる。
【0060】
本実施形態では、このような構成において、負極3もしくは正極5または両電極に用いられる活物質が、前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する重合体化合物であることを特徴とする。
【0061】
本発明の電池は、電池容量の点から、正極活物質として前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する重合体化合物を含有する正極を有するリチウム二次電池とすることが好ましい。
【0062】
本発明において活物質として用いられる一般式(1)で表される構造を有する化合物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。高分子化合物の形状は鎖状、分岐状、網目状であってよい。
【0063】
二次電池において電極活物質は電極反応により酸化もしくは還元されるため、電極活物質は出発状態と酸化もしくは還元状態の二つの状態を取る。本発明において、前記活物質は出発状態と酸化もしくは還元された状態の何らかの状態で、その構造中に一般式(1)で表されるラジカルを有する化合物である。
【0064】
また、本発明では、正極、もしくは負極での電極反応に、前記一般式(1)で表される部分構造を有する化合物が直接寄与しており、これらを活物質材料として用いる電極は正極もしくは負極のいずれかに限定されるものではない。ただし、エネルギー密度の観点から、特に正極の電極活物質として用いることが好ましい。また、本発明の二次電池は、高容量が得られるという点から特にリチウム二次電池もしくはリチウム電池であることが好ましい。
【0065】
本発明の二次電池において活物質は固体状態であっても、また、電解質へ溶解または分散した状態であってもよい。ただし、固体状態で用いる場合、電解液への溶解による容量低下を少なくするために、電解液に対し不溶性または低溶解性のものが好ましい。また、本発明の電池において活物質である前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する重合体化合物は、単独で用いることができるが、二種類以上を組み合わせて用いても良い。また、他の活物質と組み合わせて用いても良い。
【0066】
本発明の電池は正極または負極の一方の電極反応、または両方の電極反応における活物質として前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する重合体化合物を用いるが、このうち、一方の電極反応にのみ活物質として用いる場合、もう一方の電極に電池の活物質として従来公知のものが利用できる。
【0067】
例えば負極に前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する重合体化合物を用いる場合には、正極として金属酸化物粒子、ジスルフィド化合物、および導電性高分子等が用いられる。ここで、金属酸化物としては例えばLiMnO2、LiXMn2O4(0<x<2)等のマンガン酸リチウムあるいはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム、MnO2、LiCoO2、LiNiO2、あるいはLiXV2O5(0<x<2)等が、ジスルフィド化合物としてはジチオグリコール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、S−トリアジン−2,4,6−トリチオール等が、また、導電性高分子にはポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール等が挙げられる。本発明ではこれらの正極材料を単独、もしくは組み合わせて使用することもできる。また、従来公知の活物質とジアミノチオフェン化合物とを混合して複合活物質として用いてもよい。
【0068】
一方、前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する重合体化合物を正極に用いた場合には負極としてグラファイトや非晶質カーボン、リチウム金属やリチウム合金、リチウムイオン吸蔵炭素、導電性高分子等を用いることができる。これらの形状としては特に限定されず、例えばリチウム金属では薄膜状のものに限らず、バルク状のもの、粉末を固めたもの、繊維状のもの、フレーク状のもの等であっても良い。また、これらの負極活物質を単独、もしくは組み合わせて使用できる。また、従来公知の活物質と前記一般式(1)で表される化合物を組み合わせて用いても良い。
【0069】
前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する重合体化合物を用いて電極を形成する場合に、インピーダンスを低下させる目的で、補助導電材やイオン伝導補助材を混合させることもできる。これらの材料としては、補助導電材としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子が挙げられ、イオン伝導補助材としては高分子ゲル電解質、高分子固体電解質等が挙げられる。
【0070】
電極の各構成材料間の結びつきを強めるために、結着剤を用いることもできる。このような結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、各種ポリウレタン等の樹脂バインダが挙げられる。
【0071】
電極反応をより潤滑に行うために、酸化還元反応を助ける触媒を用いることもできる。このような触媒としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子、ピリジン誘導体、ピロリドン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、アクリジン誘導体等の塩基性化合物、金属イオン錯体等が挙げられる。
【0072】
負極集電体、正極集電体として、ニッケルやアルミニウム、銅、金、銀、アルミニウム合金、ステンレス等の金属箔や金属平板、メッシュ状電極、炭素電極等を用いることができる。また、集電体に触媒効果を持たせたり、活物質と集電体とを化学結合させたりしてもよい。一方、上記の正極、および負極が接触しないように多孔質フィルムからなるセパレータや不織布を用いることもできる。
【0073】
本発明において、電解質は、負極と正極の両極間の荷電担体輸送を行うものであり、一般には室温で10-5〜10-1S/cmのイオン伝導性を有していることが好ましい。電解質としては、例えば電解質塩を溶剤に溶解した電解液を利用することができる。電解質塩として、例えばLiPF6、LiClO4、LiBF4、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N、Li(CF3SO2)3C、Li(C2F5SO2)3C等の従来公知の材料を用いることができる。
【0074】
また,電解液に溶剤を用いる場合、溶剤としては例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒を用いることができる。これらの溶剤を単独もしくは2種類以上混合して用いることもできる。
【0075】
さらに、本発明では電解質として固体電解質を用いることもできる。これら固体電解質に用いられる高分子化合物としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−モノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体や、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ビニルアセテート共重合体等のアクリルニトリル系重合体、さらにポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、これらのアクリレート体やメタクリレート体の重合体などが挙げられる。これらの高分子化合物に電解液を含ませてゲル状にしたものを用いても、高分子化合物のみをそのまま用いても良い。
【0076】
本発明において、電池の形状は特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。電池形状としては、電極積層体、あるいは巻回体を金属ケース、樹脂ケース、あるいはアルミニウム箔などの金属箔と合成樹脂フィルムからなるラミネートフィルム等によって封止したもの等が挙げられ、円筒型、角型、コイン型、およびシート型等で作製されるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0077】
電池の製造方法としては特に限定されず、材料に応じて様々な方法を用いることができる。例えば、活物質に溶剤を加えスラリー状にして電極集電体に塗布し、加熱もしくは常温で溶剤を揮発させたのちに、対極、セパレータを挟んで積層または巻回して外装体で包み、電解液を注入して封止するといった方法である。スラリー化のための溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、N−メチルピロリドン等のアミン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系炭化水素等が挙げられる。
【0078】
電池を製造する際には、活物質として前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する重合体化合物そのものを用いて電池を製造する場合と、電極反応によって前記一般式(1)で表される部分構造を有する化合物に変化する化合物を用いて電池を製造する場合とがある。このような電極反応によって前記一般式(1)で表される化合物に変化する化合物の例としては、アニオンとリチウムイオンやナトリウムイオンといった電解質カチオンとからなるリチウム塩やナトリウム塩、あるいは、カチオンとPF6 -やBF4 -といった電解質アニオンとからなる塩などが挙げられる。
【0079】
本発明に於いて、電極からのリードの取り出し、外装等のその他の製造条件は二次電池の製造方法として従来公知の方法を用いることができる。
【0080】
【実施例】
以下、本発明の詳細について実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0081】
(実施例1)
ポリ[5−(N−t−ブチルニトロキシル)−1,3−フェニレン]の合成
アルゴン雰囲気下、1L4つ口フラスコ中に1,3,5−トリブロモベンゼン60.2gを加え、これにジエチルエーテル500mLを加えて溶解させた。ドライアイス−アセトンバスを用いて−78℃に冷却した後、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6mol/L)132mLをゆっくりと滴下した。そのまま3時間攪拌した後、あらかじめジエチルエーテル200mLに溶解させた2−メチル−2−ニトロソプロパン20.0gを30分かけて滴下した。滴下終了後、室温で6時間反応させた後、反応溶液を塩化アンモニウム水溶液で中和した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレーターを用いて溶媒を留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、真空乾燥することで白色固体として下記式(7)に示す1,3−ジブロモ−5−(N−t−ブチル−N−ヒドロキシアミノ)ベンゼン54.6gを得た(収率88%)。
【0082】
【化19】
【0083】
尚、目的物の構造は、1H−NMR(ブルカー社製AVANCE400)、FT−IR(バイオラッド社製FTS155)により確認した。
1H−NMR (CDCl3、内部標準 テトラメチルシラン(TMS)):δ(ppm):1.13(9H、s)、6.4(1H、br)、7.28(2H、s)、7.39(1H、s)
IR(cm-1):3221、3074、2974、2934、1579、1557、1415、1362、1200
【0084】
さらに、アルゴン雰囲気下、500mL3つ口フラスコ中に上記式(7)に示す1,3−ジブロモ−5−(N−t−ブチル−N−ヒドロキシアミノ)ベンゼン20.0gを加え、ジメチルホルムアミドを加えて溶解させた後、t−ブチルジメチルクロロシラン18.6g、トリエチルアミン17.4mLを加えて100℃で6時間溶媒を還流して反応させた。反応終了後、反応溶液を水洗し、さらに飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレーターを用いて溶媒を留去させ、さらに真空乾燥をおこなうことで、無色透明の粘性液体として下記式(8)に示す1,3−ジブロモ−5−[N−t−ブチル−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]ベンゼン25.0gを得た(収率92%)。
【0085】
【化20】
【0086】
1H−NMR :δ(ppm) −0.31〜0.11(6H、br)、0.91(9H、s)、1.10(9H、s)、7.34(2H、m)、7.39(1H、m)
IR(cm-1): 2958、2932、2888、2859、1576、1554、1414、1362、1252、1196、855、835
【0087】
さらに、アルゴン雰囲気下、1L4つ口フラスコにビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ブロミド6.8g、亜鉛粉末8.8g、ヨウ化テトラエチルアンモニウム23.6gを加え、これをジメチルホルムアミド300mLに溶解させて室温で30分攪拌した後、上記式(8)に示す1,3−ジブロモ−5−[N−t−ブチル−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]ベンゼン20.0gを加えて100℃で6時間加熱攪拌させて反応をおこなった。得られた反応溶液をメタノール−1.0mol/L塩酸混合溶液1Lに滴下し、再沈殿精製をおこなった。沈殿物をろ別し、真空乾燥をおこなうことで、白色固体として下記式(9)に示すポリ(5−[N−t−ブチル−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−1,3−フェニレン)6.8gを得た(収率61%)。
【0088】
【化21】
【0089】
1H−NMR :δ(ppm) −0.57〜0.31(6H、br)、0.87〜0.97(9H、br)、1.03〜1.18(9H、br)、7.45〜7.56(3H、br)
IR(cm-1): 2959、2932、2894、2859、1584、1472、1463、1388、1360、1251、836、782
【0090】
分子量及び分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(溶離度:塩化リチウム0.01mol/Lを含むジメチルホルムアミド(DMF)、カラム:昭和電工(株)製KD−803)によりポリスチレン換算分子量(内部標準:昭和電工(株)製ショーデックスSM−105)として求めた。
重量平均分子量:7100
分散度:1.05
【0091】
さらに、アルゴン雰囲気下、100mL3つ口フラスコに上記式(9)に示すポリ(5−[N−t−ブチル−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−1,3−フェニレン)5.0gを加え、さらにテトラヒドロフランを加えて溶解させた後、1.0mol/Lフッ化テトラブチルアンモニウムテトラヒドロフラン溶液11.4mL、酸化銀2.6gを加えて室温で5時間攪拌をおこなった。反応終了後、反応溶液をろ別し、エバポレーターを用いて溶媒を留去した後、真空乾燥をおこなうことで、黒色固体として前記式(1−1)に示すポリ[5−(N−t−ブチルニトロキシル)−1,3−フェニレン]2.5gを得た(収率84%)。
【0092】
ポリ[5−(N−t−ブチルニトロキシル)−1,3−フェニレン]の電子スピン共鳴スペクトル(ESR)は(日本電子社製JES−FR30)を用いて測定した。この測定は、マイクロ波出力4mW、変調周波数100kHz、変調幅79μTの条件下で335.9mT±5mTの範囲でおこなった。スピン濃度の定量は、測定により得られた一次微分型のESRスペクトルを2回積分し吸収面積強度を求め、標準物質2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシルラジカルを用いて求めた。その結果、得られた化合物のスピン濃度は3.41×1021spin/gであった。
【0093】
(実施例2)
ポリ[5−(N−t−ブチルニトロキシル)−1,4−フェニレン]の合成
実施例1において、1,3,5−トリブロモベンゼンの代わりに1,2,4−トリブロモベンゼン60.2gを用いた以外は、実施例1と同様にして一連のポリマー合成反応をおこない、下記式(10)に示すポリ(5−[N−フェニル−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−1,4−フェニレン)6.0gを白色固体として得た(収率65%)。測定データを以下に示す。
【0094】
【化22】
【0095】
1H−NMR :(δppm) −0.57〜0.30(6H、br)、0.87〜0.97(9H、br)、1.01〜1.18(9H、br)、7.45〜7.60(3H、br)
IR(cm-1) 2959、2931、2895、2859、1585、1470、1463、1386、1359、1249、837、782
重量平均分子量:8700
分散度:1.15
【0096】
さらに、実施例1において(9)で示される化合物5.0gの代わりにポリ(5−[N−フェニル−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−1,4−フェニレン)5.0gを用いた以外は、実施例1と同様にして脱シリル及び酸化反応をおこなうことで、前記式(1−2)で表されるポリ[5−(N−フェニルニトロキシル)−1,4−フェニレン]1.6gを得た(収率55%)。
また、得られた化合物のスピン濃度は3.45×1021spin/gであった。
【0097】
(実施例3)
ポリ[5−(N−フェニルニトロキシル)−1,3−フェニレン]の合成
実施例1において、2−メチル−2−ニトロソプロパン20.0gの代わりにニトロソベンゼン24.6gを用いた以外は、実施例1と同様にして一連のポリマー合成反応をおこない、下記式(11)に示すポリ(5−[N−フェニル−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−1,3−フェニレン)7.8gを白色固体として得た(収率70%)。測定データを以下に示す。
【0098】
【化23】
【0099】
1H−NMR: (δppm) −0.57〜0.30(6H、br)、0.87〜0.97(9H、br)、7.32〜7.70(9H、br)
IR(cm-1) 2960、2931、2859、1586、1473、1466、1387、1355、1247、837、785
重量平均分子量:9200
分散度:1.21
【0100】
さらに、実施例1において(9)で示される化合物5.0gの代わりにポリ(5−[N−フェニル−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−1,3−フェニレン)5.4gを用いた以外は、実施例1と同様にして脱シリル及び酸化反応をおこなうことで、前記式(1−10)ポリ[5−(N−フェニルニトロキシル)−1,3−フェニレン]2.3gを得た(収率71%)。
また、得られた化合物のスピン濃度は2.97×1021spin/gであった。
【0101】
(実施例4)
ポリ[4,6−ビス(N−t−ブチルニトロキシル)−1,3−フェニレン]の合成
実施例1において、1,3,5−トリブロモベンゼン60.2gの代わりに1,2,4,5−テトラブロモベンゼン75.2gを用いた以外は、実施例1と同様にして一連のポリマー合成反応をおこない、下記式(12)に示すポリ(4,6−ビス[N−t−ブチル−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−1,3−フェニレン)9.3gを白色固体として得た(収率64%)。測定データを以下に示す。
【0102】
【化24】
【0103】
1H−NMR: (δppm) −0.58〜0.31(12H、br)、0.86〜0.98(18H、br)、1.01〜1.18(18H、br)、7.45〜7.56(2H、br)
IR(cm-1) 2960、2930、2894、2859、1584、1471、1462、1387、1359、1250、836、782
重量平均分子量:11300
分散度:1.32
【0104】
さらに、実施例1において(9)で示される化合物5.0gの代わりにポリ(4,6−ビス[N−t−ブチル−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−1,3−フェニレン)8.6gを用いた以外は、実施例1と同様にして脱シリル及び酸化反応をおこなうことで、前記式(1−4)で示されるポリ[4,6−ビス(N−t−ブチルニトロキシル)−1,3−フェニレン]2.3gを得た(収率52%)。
また、得られた化合物のスピン濃度は3.97×1021spin/gであった。
【0105】
(実施例5)
ポリ[4,6−ビス(N−フェニルニトロキシル)−1,3−フェニレン]の合成
実施例1において、1,3,5−トリブロモベンゼン60.2gの代わりに1,2,4,5−テトラブロモベンゼン75.2gを用い、2−メチルー2−ニトロソプロパン20.0gの代わりにニトロソベンゼン24.6gを用いた以外は、実施例1と同様にして一連のポリマー合成反応をおこない、下記式(13)に示すポリ(4,6−ビス[N−t−フェニル−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−1,3−フェニレン)8.8gを白色固体として得た(収率58%)。測定データを以下に示す。
【0106】
【化25】
【0107】
1H−NMR: (δppm) −0.57〜0.28(12H、br)、0.87〜0.99(18H、br)、7.32〜7.68(12H、br)
IR(cm-1) 2958、2930、2860、1587、1473、1466、1388、1354、1248、837、788
重量平均分子量:9400
分散度:1.18
【0108】
さらに、実施例1において(9)で示される化合物5.0gの代わりにポリ(4,6−ビス[N−t−フェニル−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−1,3−フェニレン)7.9gを用いた以外は、実施例1と同様にして脱シリル及び酸化反応をおこなうことで、前記式(1−5)で示されるポリ[4,6−ビス(N−フェニルニトロキシル)−1,3−フェニレン]2.6gを得た(収率60%)。
また、得られた化合物のスピン濃度は3.18×1021spin/gであった。
【0109】
(実施例6)
ポリ(5−[N−(4−メトキシフェニル)ニトロキシル]−1,3−フェニレン)の合成
実施例1において、2−メチル−2−ニトロソプロパン20.0gの代わりに1−メトキシ−4−ニトロソベンゼン31.5gを用いた以外は、実施例1と同様にして一連のポリマー合成反応をおこない、下記式(14)に示すポリ(5−[N−(4−メトキシ)フェニル−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−1,3−フェニレン)9.0gを白色固体として得た(収率73%)。測定データを以下に示す。
【0110】
【化26】
【0111】
1H−NMR: (δppm) −0.59〜0.31(6H、br)、0.87〜0.99(9H、br)、3.35〜3.39(3H、br)、7.08〜7.11(2H、br)、7.21〜7.24(2H、br)、7.32〜7.45(3H、br)
IR(cm-1) 3021、2961、2930、2859、1587、1475、1468、1387、1354、1244、835、785
重量平均分子量:13700
分散度:1.43
【0112】
さらに、実施例1において(9)で示される化合物5.0gの代わりにポリ(5−[N−t−ブチル−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−4−メトキシ−1,3−フェニレン)5.9gを用いた以外は、実施例1と同様にして脱シリル及び酸化反応をおこなうことで、前記式(1−11)で示されるポリ[4,6−ビス(N−フェニルニトロキシル)−1,3−フェニレン]3.3gを得た(収率87%)。
また、得られた化合物のスピン濃度は2.61×1021spin/gであった。
【0113】
(実施例7)
ポリ(5−[N−(4−フルオロフェニル)ニトロキシル]−1,3−フェニレン)の合成
実施例1において、2−メチル−2−ニトロソプロパン20.0gの代わりに1−フルオロ−4−ニトロソベンゼン28.7gを用いた以外は、実施例1と同様にして一連のポリマー合成反応をおこない、下記式(15)に示すポリ(5−[N−(4−フルオロフェニル)−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−1,3−フェニレン)9.3gを白色固体として得た(収率68%)。測定データを以下に示す。
【0114】
【化27】
【0115】
1H−NMR: (δppm) −0.64〜0.38(6H、br)、0.77〜0.84(9H、br)、7.02〜7.05(2H、br)、7.13〜7.16(2H、br)、7.28〜7.34(3H、br)
IR(cm-1) 3022、2966、2933、2864、1589、1475、1467、1379、1355、1241、833、784
重量平均分子量:11600
分散度:1.39
【0116】
さらに、実施例1において(9)で示される化合物5.0gの代わりにポリ(5−[N−(4−フルオロフェニル)−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−4−メトキシ−1,3−フェニレン)5.7gを用いた以外は、実施例1と同様にして脱シリル及び酸化反応をおこなうことで、前記式(1−12)で示されるポリ(5−[N−(4−フルオロフェニル)ニトロキシル]−1,3−フェニレン)2.6gを得た(収率71%)。
また、得られた化合物のスピン濃度は2.35×1021spin/gであった。
【0117】
(実施例8)
ポリ(5−[N−(2−ピリジニルニトロキシル)]−1,3−フェニレン)の合成
実施例1において、2−メチル−2−ニトロソプロパン20.0gの代わりに2−ニトロソピリジン24.8gを用いた以外は、実施例1と同様にして一連のポリマー合成反応をおこない、下記式(16)に示すポリ(5−[N−(2−ピリジニル)−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−1,3−フェニレン)8.2gを白色固体として得た(収率68%)。測定データを以下に示す。
【0118】
【化28】
【0119】
1H−NMR: (δppm) −0.57〜0.30(6H、br)、0.87〜0.99(9H、br)、7.21〜7.45(7H、br)
IR(cm-1) 3025、2966、2931、2857、1590、1477、1468、1388、1354、1243、835、783
重量平均分子量:13700
分散度:1.53
【0120】
さらに、実施例1において(9)で示される化合物5.0gの代わりにポリ(5−[N−(2−ピリジニル)−N−(t−ブチルジメチルシロキシ)アミノ]−1,3−フェニレン)5.4gを用いた以外は、実施例1と同様にして脱シリル及び酸化反応をおこなうことで、前記式(1−14)で示されるポリ(5−[N−(2−ピリジニルニトロキシル)]−1,3−フェニレン)2.7gを得た(収率81%)。
また、得られた化合物のスピン濃度は2.70×1021spin/gであった。
【0121】
(実施例9)
実施例1で合成されたポリ[5−(N−t−ブチルニトロキシル)−1,3−フェニレン](式(1−1))850mgを正極活物質として用い、グラファイト粉末100mg、ポリテトラフルオロエチレン樹脂バインダ50mgを測り採り、メノウ乳鉢を用い混練した。10分ほど乾式混合して得られた混合体を、圧力を掛けてローラー延伸することにより、厚さ約200μmの薄膜とした。これを、真空中80℃で一晩乾燥した後、直径12mmの円形に打ち抜き、コイン電池用電極を成型した。また、この電極の重量は7.2mgだった。
【0122】
次に、得られた電極を電解液に浸して、電極中の空隙に電解液を染み込ませた。電解液としては、1mol/LのLiN(C2F5SO2)2電解質塩を含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液(混合比3:7)を用いた。電解液を含浸させた電極は、正極集電体上に置き、その上に同じく電解液を含浸させた多孔質フィルムセパレータを積層した。さらに負極となるリチウム張り合わせ銅箔を積層し、絶縁パッキンで被覆された負極集電体を重ね合わせた。これを、かしめ機によって圧力を加え、密閉型のコイン型電池とした。
【0123】
以上のように作製した正極活物質としてポリ[5−(N−t−ブチルニトロキシル)−1,3−フェニレン]、負極活物質として金属リチウムを用いた電池を、0.1mAの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、0.1mAの低電流で放電を行った。その結果、電圧は3.2V付近で9時間ほぼ一定となり、その後急激に低下した。これにより電池として動作していることを確認した。電圧が2.5Vまで低下したところで再び充電を行い、さらに、4.2〜2.5Vの範囲で充放電を10回繰り返した。その結果、繰り返し充放電を行っても放電時に3.2V付近で電圧が一定になることを確認し、この電池が二次電池として動作していることを確認した。このコイン電池の容量は、正極活物質あたりの容量を計算したところ151mAh/gであった。さらに同様に充放電を繰り返すことによりサイクル試験を行った。充放電範囲4.0〜2.5V、評価温度は20℃とした。この試験の結果、1回目の放電容量(正極の重量あたり)は、149mAh/g、50回目の放電容量は146mAh/gであった。(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は94.9%だった。また、実施例9で作製した電池の50回目の放電容量は理論値の96.7%であった。
【0124】
(実施例10)
実施例3で合成されたポリ[5−(N−フェニルニトロキシル)−1,3−フェニレン](式(1−10))の粉末860mg、アセチレンブラック粉末50mg、人造黒鉛粉末50mg、スチレン・ブタジエンラテックス粉末の40wt%溶液20mg、メチルセルロースの2wt%溶液20mg、水1.5mLを混ぜ合わせ、さらにホモジナイザーを用い均一化することによりスラリーを得た後、スラリーをドクターブレード法によりアルミニウム箔表面において薄膜とした。これを直径12mmの円形に打ち抜き電極とした。電極の重量は19mgであった。得られた電極を電解液に浸して、電極中の空隙に電解液を染み込ませた。電解液としては、1mol/LのLiN(C2F5SO2)2を含有するエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液を用いた。電解液を含浸させた電極上に、その上に同じく電解液を含浸させた多孔質フィルムセパレータを積層した。さらに負極となるリチウム金属板を積層し、絶縁パッキンで被覆された銅箔(負極集電体)を重ね合わせた。こうして作られた積層体をかしめ機によって圧力を加えることにより、密閉型のコイン型電池とした。以上のように作製したコイン電池を0.1mAの定電流で充電し、4.0Vまで電圧が上昇した直後に、0.1mAの定電流で放電を行った。その結果、放電時に3.5V付近で電圧が約8時間40分、一定となる電圧平坦部が見られ、その後、急激に電圧は低下した。電圧が2.5Vまで低下したところで再び充電を行い、さらに4.0V〜2.5Vの範囲で充放電を10回繰り返した結果、繰り返し充放電を行っても放電時に3.5V付近で電圧が一定になることが確認し、この電池が二次電池として動作していることを確認した。活物質あたりの容量を計算したところ132mAh/gだった。さらに同様に充放電を繰り返すことによりサイクル試験を行った。充放電範囲4.0〜2.5V、評価温度は20℃とした。この試験の結果、1回目の放電容量(正極の重量あたり)は、131mAh/g、50回目の放電容量は128mAh/gであった。(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は97.7%だった。また、実施例10で作製した電池の50回目の放電容量は理論値の97.0%であった。
【0125】
(実施例11)
実施例9において、(式(1−1))で示されるニトロキシラジカルの代わりに、実施例4で合成されたポリ[4,6−ビス(N−t−ブチルニトロキシル)−1,3−フェニレン](式(1−4))を正極活物質として用いた以外は同様にしてコイン電池を作製した。このとき、正極1枚あたりの活物質重量は6.2mgであった。作製した正極活物質としてポリ[4,6−ビス(N−t−ブチルニトロキシル)−1,3−フェニレン]、負極活物質として金属リチウムを用いたコイン電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電した。続いて、0.1mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.2Vで約8時間40分間一定となり、その後急激に低下した。電圧が2.5Vまで低下したところで再び充電を行い、さらに2.5Vまで充放電を行ったところ再び3.2V付近で電圧が一定になることを確認し、この電池が二次電池として動作していることを確認した。活物質あたりの容量を計算したところ177mAh/gだった。さらに同様に充放電を繰り返すことによりサイクル試験を行った。充放電範囲4.0〜2.5V、評価温度は20℃とした。この試験の結果、1回目の放電容量(正極の重量あたり)は、175mAh/g、50回目の放電容量は166mAh/gであった。(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は94.9%だった。 また、実施例11で作製した電池の50回目の放電容量は理論値の93.8%であった。
【0126】
(実施例12)
実施例9において、(式(1−1))で示されるニトロキシラジカルの代わりに、実施例6で合成されたポリ(5−[N−(4−メトキシフェニル)ニトロキシル]−1,3−フェニレン)(式(1−11)))を正極活物質として用いた以外は同様にしてコイン電池を作製した。このとき、正極1枚あたりの活物質重量は5.6mgであった。作製したコイン電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電した。つづいて、0.1mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.4Vで約5時間40分間一定となり、その後急激に低下した。電圧が2.5Vまで低下したところで再び充電を行い、さらに2.5Vまで充放電を行ったところ再び3.4V付近で電圧が一定になることを確認し、この電池が二次電池として動作していることを確認した。活物質あたりの容量を計算したところ116mAh/gだった。さらに同様に充放電を繰り返すことによりサイクル試験を行った。充放電範囲4.0〜2.5V、評価温度は20℃とした。この試験の結果、1回目の放電容量(正極の重量あたり)は、115mAh/g、50回目の放電容量は108mAh/gであった。(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は94.0%だった。 また、実施例12で作製した電池の50回目の放電容量は理論値の97.0%であった。
【0127】
(実施例13)
実施例9において、(式(1−1))で示されるニトロキシラジカルの代わりに、実施例8で合成されたポリ(5−[N−(2−ピリジニルニトロキシル)]−1,3−フェニレン)(式(1−14))を正極活物物質として用いた以外は同様にしてコイン電池を作製した。このとき、正極1枚あたりの活物質重量は5.5mgであった。作製したコイン電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電した。続いて、0.1mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.5Vで約5時間、一定となり、その後急激に低下した。電圧が2.5Vまで低下したところで再び充電を行い、さらに2.5Vまで充放電を行ったところ再び3.5V付近で電圧が一定になることを確認し、この電池が二次電池として動作していることを確認した。活物質あたりの容量を計算したところ119mAh/gだった。さらに同様に充放電を繰り返すことによりサイクル試験を行った。充放電範囲4.0〜2.5V、評価温度は20℃とした。この試験の結果、1回目の放電容量(正極の重量あたり)は、117mAh/g、50回目の放電容量は112mAh/gであった。(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は95.7%だった。また、実施例13で作製した電池の50回目の放電容量は理論値の94.1%であった。
【0128】
(比較例1)
実施例9と同様な方法で、ポリ[5−(N−t−ブチルニトロキシル)−1,3−フェニレン]を用いず、代わりにグラファイト粉末を1.8gに増やして、コイン電池を作製した。さらに、作製した電池に対して、実施例1と同様にして充放電を行った。その結果、放電時に電圧平坦部はみられず電圧は急速に低下し、電池として十分に動作しなかった。
【0129】
また、この電池に対して、0.1mAの定電流を流して充電を試みたところ、電圧は瞬間的に上昇して4.5Vを超えたが、これをさらに放電したところ、電圧曲線に平坦部は認められず、この電池は二次電池として動作しないことが確認された。
【0130】
(比較例2)
実施例9において、(式(1−1))で示されるニトロキシラジカル化合物の代わりに、(化学式(A))で示される2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシルラジカルを含むメタクリレート重合体850mgを用いた以外は同様の方法で比較例2の電池を作製した。作製したコイン電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電した。続いて、0.1mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.3V付近で約2時間平坦部が見られ、その後電圧は急速に低下した。電圧が2.5Vまで低下したところで再び充電を行い、さらに2.5Vまで充放電を行ったところ、再び3.3V付近で電圧が一定になった。活物質あたりの容量を計算したところ、78mAh/gであったが、実際に出現した容量は、40mAh/gであり、1回目の放電容量(正極の重量あたり)は、40mAh/g、50回目の放電容量は38mAh/gであった。(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は95.0%だった。また、比較例2で作製した電池の50回目の放電容量は理論値の48.9%であった。
【0131】
【化29】
【0132】
(比較例3)
実施例10において、式(1−10)で示されるニトロキシラジカル化合物の代わりに、前記化学式(A)で示される2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシルラジカルを含むメタクリレート重合体860mgを用いた以外は同様の方法で比較例3の電池を作製した。作製したコイン電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電した。続いて、0.1mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.3V付近で約2時間平坦部が見られ、その後電圧は急速に低下した。電圧が2.5Vまで低下したところで再び充電を行い、さらに2.5Vまで充放電を行ったところ、再び3.3V付近で電圧が一定になった。活物質あたりの容量を計算したところ、78mAh/gであったが、実際に出現した容量は40mAh/gであり、1回目の放電容量(正極の重量あたり)は、40mAh/g、50回目の放電容量は37mAh/gであった。(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は67.6%だった。また、比較例3で作製した電池の50回目の放電容量は理論値の46.1%であった。
上記実施例9、10及び比較例2、3の電池の充放電結果を表1に示す
【0133】
【表1】
【0134】
実施例9、10では、ユニット内に芳香族を多く有する化合物を正極活物質として用いたため、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシルラジカルを含むメタクリレート重合体よりも活物質自体の導電性が高く、電極内の導電付与剤を減らしても充放電が可能であったが、比較例2、3で同様の方法で電池を作製した場合、活物質自体の導電性に乏しいため、電極内で電荷の授受が円滑におこなわれず、電池の容量が減少する結果となった。また、実施例11〜13においても、放電容量は9割以上を保っており、本発明のユニット内に芳香族を有する化合物を電極として用いることで、電極自体の導電性が上がり、導電付与剤を5%しか使用しなくても、高い容量が得られることがわかった。
【0135】
【発明の効果】
本発明によれば、新規な構造を有する重合体、その製造方法及びそれを用いたエネルギー密度が高く、高容量で充放電サイクルの安定性に優れた二次電池が提供でき、特定のニトロキシラジカルを正極活物質として用いる電池において、導電付与剤を5%しか使用しなくても、高い容量が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における電池の構成の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 負極集電体
2 絶縁パッキン
3 負極
4 セパレータ
5 正極
6 正極集電体
Claims (7)
- 二次電池の活物質に用いられることを特徴とする請求項1に記載の重合体。
- 下記一般式(3)で表される化合物をホモカップリング反応により重合した後、脱シリル剤であるフッ化物塩存在下、重金属酸化物とともに溶媒中で反応させることを特徴とする請求項1に記載の重合体の製造方法。
- 少なくとも正極、負極、電解質を構成要素とする二次電池において、正極、負極の少なくとも一方に請求項1に記載の一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する重合体を活物質として用いることを特徴とする二次電池。
- 活物質の電極反応を利用する二次電池において、正極および負極の少なくとも一方の電極反応が請求項1に記載の構造中に一般式(1)で表される部分構造を有する化合物を反応物もしくは生成物とする電極反応であることを特徴とする二次電池。
- 前記二次電池がリチウム二次電池であることを特徴とする請求項4又は5に記載の二次電池。
- 少なくとも正極、負極、電解質を構成要素とする二次電池の製造方法であって、
活物質に溶剤を加えスラリー状にして電極集電体に塗布し、加熱もしくは常温で溶剤を揮発させて正極もしくは負極を用意する工程、
前記正極もしくは負極と、対極を、セパレータを挟んで積層または巻回して外装体で包む工程、及び
電解液を注入して封止する工程を有し、
正極、負極の少なくとも一方に請求項1に記載の一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する重合体を活物質として用いることを特徴とする二次電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003171843A JP4385246B2 (ja) | 2003-06-17 | 2003-06-17 | 重合体、その製造方法及び二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003171843A JP4385246B2 (ja) | 2003-06-17 | 2003-06-17 | 重合体、その製造方法及び二次電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005008689A JP2005008689A (ja) | 2005-01-13 |
JP4385246B2 true JP4385246B2 (ja) | 2009-12-16 |
Family
ID=34096176
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003171843A Expired - Lifetime JP4385246B2 (ja) | 2003-06-17 | 2003-06-17 | 重合体、その製造方法及び二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4385246B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2989378B1 (fr) * | 2012-04-16 | 2015-10-02 | Commissariat Energie Atomique | Polymere comme materiau d'electrode pour des batteries secondaires au lithium. |
KR101989660B1 (ko) | 2013-07-09 | 2019-06-14 | 에보니크 데구사 게엠베하 | 전기활성 중합체, 그의 제조 방법, 전극 및 그의 용도 |
DE102014003300A1 (de) | 2014-03-07 | 2015-09-10 | Evonik Degussa Gmbh | Neue Tetracyanoanthrachinondimethanpolymere und deren Verwendung |
EP3262668B1 (de) | 2015-08-26 | 2018-12-05 | Evonik Degussa GmbH | Verwendung bestimmter polymere als ladungsspeicher |
US10756348B2 (en) | 2015-08-26 | 2020-08-25 | Evonik Operations Gmbh | Use of certain polymers as a charge store |
ES2770105T3 (es) | 2016-06-02 | 2020-06-30 | Evonik Operations Gmbh | Procedimiento para la producción de un material de electrodo |
ES2795276T3 (es) | 2016-09-06 | 2020-11-23 | Evonik Operations Gmbh | Procedimiento para la oxidación mejorada de grupos amino secundarios |
-
2003
- 2003-06-17 JP JP2003171843A patent/JP4385246B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005008689A (ja) | 2005-01-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4884021B2 (ja) | 二次電池用電極の製造方法 | |
JP4435087B2 (ja) | 二次電池 | |
JP4654568B2 (ja) | 二次電池 | |
JP3687515B2 (ja) | 電池 | |
JP2003132891A (ja) | 二次電池 | |
JP2003022809A (ja) | 電池および電池用電極 | |
JP4221550B2 (ja) | リチウム二次電池用電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 | |
JP4218246B2 (ja) | リチウム二次電池用電極活物質、リチウム二次電池用電極およびリチウム二次電池 | |
JP4013032B2 (ja) | 電極および電池 | |
JP4385246B2 (ja) | 重合体、その製造方法及び二次電池 | |
JP4677706B2 (ja) | 二次電池 | |
JP3687534B2 (ja) | 電池 | |
JP4041973B2 (ja) | 二次電池、単量体および重合体 | |
JP4321015B2 (ja) | 二次電池 | |
JP3951105B2 (ja) | 電極およびそれを用いた電池 | |
JP4061490B2 (ja) | 二次電池、単量体および重合体 | |
JP2010129279A (ja) | 二次電池用電極及び二次電池 | |
JP4167450B2 (ja) | 二次電池 | |
JP2004193004A (ja) | 電極およびこれを用いた電池 | |
JP2004026955A (ja) | 重合体、その製造方法及び二次電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20050119 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20050119 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060201 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060516 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080909 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081001 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081127 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090902 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090915 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4385246 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121009 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131009 Year of fee payment: 4 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |