JP2004026955A - 重合体、その製造方法及び二次電池 - Google Patents

重合体、その製造方法及び二次電池 Download PDF

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Masahiro Suguro
須黒 雅博
Shigeyuki Iwasa
岩佐 繁之
Jiro Iriyama
入山 次郎
Yukiko Morioka
森岡 由紀子
Kentaro Nakahara
中原 謙太郎
Masaharu Sato
佐藤 正春
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Abstract

【課題】新規な構造を有する重合体、及びそれを用いたエネルギー密度が高く、高容量で充放電サイクルの安定性に優れた二次電池を提供する。
【解決手段】少なくとも正極、負極及び電解質を構成要素とする二次電池において、正極及び/又は負極の活物質が、下記一般式(6)で表される構造単位を含む重合体であることを特徴とする二次電池。
Figure 2004026955

(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、トリ置換シリルオキシ基、置換アミノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、カルボキシル基、フッ素原子、又は塩素原子を表す。)
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重合体、その製造方法及び二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノート型パソコン、携帯電話等の小型又は携帯電子機器の急速な市場拡大に伴い、これらに用いられる電池の軽量化及び高容量化に対する要求が高まっている。この要求に応えるため、リチウムイオン等のアルカリ金属イオンを荷電担体とし、その電荷授受に伴う電気化学反応を利用した二次電池が盛んに開発されている。中でも、リチウムイオン二次電池は、安定性に優れた高エネルギー密度の大容量電池として種々の電子機器に利用されている。リチウムイオン二次電池では、正極の活物質として、マンガン酸リチウムやコバルト酸リチウム等のリチウム含有遷移金属酸化物、負極の活物質として炭素をそれぞれ用いている。そして、これら活物質へのリチウムイオンの挿入及び脱離反応を利用して充放電を行っている。
【0003】
しかし、このリチウムイオン二次電池では、特に正極で比重の大きな金属酸化物を用いているため、単位質量当たりの電池容量が充分とは言えず、このため、より軽量の電極材料を用いて高容量電池を開発しようとする試みが検討されてきた。例えば、米国特許第4,833,048号公報、及び特許第2715778号公報には、ジスルフィド結合を有する有機化合物を正極の活物質に用いた電池が開示されている。これはジスルフィド結合の生成及び解離を伴う電気化学的酸化還元反応を電池の原理として利用したものである。この電池は、硫黄や炭素等の比重の小さな元素を主成分とする電極材料から構成されているため、高エネルギー密度の大容量電池という点において一定の効果を奏している。しかし、解離した結合が再度結合する効率が小さく、また、活物質が電解液へ拡散するため、充放電サイクルを重ねると、容量が低下し易いという欠点があった。
【0004】
一方、同じく有機化合物を利用した電池として、導電性高分子を電極材料に用いた電池が提案されている。これは導電性高分子に対する電解質イオンのドープ反応及び脱ドープ反応を原理とした電池である。ここで述べるドープ反応とは、導電性高分子の酸化又は還元によって生ずる荷電ソリトンやポーラロン等のエキシトンを、対イオンによって安定化させる反応のことである。一方、脱ドープ反応とは、その逆反応に相当し、対イオンによって安定化されたエキシトンを電気化学的に酸化又は還元する反応のことである。米国特許第4,442,187号公報には、このような導電性高分子を正極又は負極の材料とする電池が開示されている。この電池は、炭素、窒素、硫黄等比重の小さな元素のみから構成されたものである。これらの元素から構成される高分子化合物、特にポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピリジン等を用いた電池の研究は盛んに行われ、高容量電池として開発が期待されていた。
【0005】
さらに、ポリアニリン、ポリチオフェンの他にも様々な導電性高分子の研究が盛んに行われており、π共役高分子として、主鎖中にチオフェン部位とベンゼン環部位の両方を有するポリマーの合成が行われている。例えば、山本隆一等は、マクロモレキュルズ(Macromolecules)誌、第25巻、1,214〜1,223頁(1992)において、下記式(42)に示すチオフェンとベンゼンとのランダム共重合体の合成方法を発表している。これによれば、このポリマーは、2,5−ジブロモチオフェンと1,4−ジブロモベンゼンを原料とし、0価ニッケル錯体である、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(Ni(cod))を用いて合成することができる。
【0006】
【化6】
Figure 2004026955
【0007】
また、他のπ共役高分子として、ポリマー主鎖中に2つの異なる含ヘテロ芳香環部位を有するポリマーも合成されている。例えば、山本隆一等は、シンセティックメタルズ(Synthetic Metals)誌、第55〜57巻、1,209〜1,213頁(1993)において、下記式(43)に示すチオフェンとピリジンとのランダム共重合体の合成方法を発表している。これによれば、このポリマーは、2,5−ジブロモピリジンと2,5−ジブロモチオフェンを原料とし、0価ニッケルを用いて合成することができる。また、得られたポリマーの電気化学的性質や光学的性質についても記載されており、サイクリックボルタモグラム測定も行われている。
【0008】
【化7】
Figure 2004026955
しかし、上記式(42)及び(43)で表される2つのポリマーは、ランダム共重合体であるため、チオフェンやピリジンの順序は決まっておらず構造が制御されたポリマーではない。
【0009】
一方、主鎖中にアニリン部位とチオフェン部位の両方の骨格を有するポリマーの合成も行われている。例えば、神原貴樹等は、ポリマージャーナル(Polymer Journal)誌、206〜209頁(1999)において、下記式(44)で表されるポリマーの合成方法を発表している。これによれば、このポリマーは、m−フェニレンジアミンと2,5−ジブロモベンゼンを原料とし、t−ブトキシナトリウムと触媒量のトリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(以下、Pd(dba))と2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(以下、BINAP)の存在下、トルエン中で還流加熱することにより得ることができる。
しかし、ここで合成されたポリマーの収率は非常に低いものであり、電気化学的性質等については全く検討されていなかった。
【0010】
【化8】
Figure 2004026955
【0011】
このように、これまでに様々な構造を有するπ共役高分子化合物の研究が行われている。これまでの研究により、導電性高分子には、酸化還元によって生じるエキシトンがπ電子共役系の広い範囲に亘って非局在化し、それらが相互作用するという性質が知られている。この性質は、発生するエキシトンの濃度に限界をもたらし、電池の容量を制限するものである。
このため、導電性高分子を電極材料とする電池では、軽量化という点では一定の効果を奏しているものの、大容量という点からは不充分であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、正極に遷移金属酸化物を用いるリチウムイオン電池では、元素の比重が大きいため、現状を上回る高容量電池の製造が原理的に困難であった。このため、高容量電池を実現するために、遷移金属含有活物質を利用しない様々な電池の提案がなされているが、エネルギー密度が高く、高容量で安定性に優れた電池は未だ得られていない。特に、導電性高分子であるポリアニリンやポリチオフェンを用いた電池の研究が盛んに行われてきたが、高容量で安定性に優れた電池は未だ得られていない。
【0013】
本発明は、新規な構造を有する重合体、及びそれを用いたエネルギー密度が高く、高容量で充放電サイクルの安定性に優れた二次電池を提供することを目的とする。
【0014】
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、低質量の原子のみから構成された特定の構造を有する新規の重合体を開発し、これが電極の活物質として有効に利用できることを見出し、本発明を完成させた。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様によれば、下記一般式(1)で表される構造を有する重合体が提供される。
【0016】
【化9】
Figure 2004026955
【0017】
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルケニル基、置換又は非置換の芳香族炭化水素基、置換又は非置換の芳香族複素環基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、置換又は非置換のアリールオキシ基、置換又は非置換のアリールオキシカルボニル基、置換又は非置換のアシル基、置換又は非置換のアシルオキシ基、トリ置換シリルオキシ基、置換アミノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、カルボキシル基、フッ素原子、又は塩素原子を表す。nは2〜10,000である。)
【0018】
本発明の第二の態様によれば、下記一般式(2)及び(3)で表される化合物、又は下記一般式(4)及び(5)で表される化合物を反応させる上記の重合体の製造方法が提供される。
【0019】
【化10】
Figure 2004026955
【0020】
(式中、R〜Rは、一般式(1)と同様であり、Y及びYは、それぞれ独立してハロゲン原子又はトリフルオロメチルスルホキシ基を表す。)
【0021】
本発明の第三の態様によれば、少なくとも正極、負極及び電解質を構成要素とする二次電池において、正極及び/又は負極の活物質が、下記一般式(6)で表される構造単位を含む重合体であることを特徴とする二次電池が提供される。
【0022】
【化11】
Figure 2004026955
(式中、R〜Rは、一般式(1)と同様である。)
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の重合体について説明する。
本発明の重合体は、ポリ[2−アミノ−5−(p−フェニルアミノ)チオフェン]誘導体であり、下記一般式(1)で表される構造を有する。
【0024】
【化12】
Figure 2004026955
【0025】
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルケニル基、置換又は非置換の芳香族炭化水素基、置換又は非置換の芳香族複素環基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、置換又は非置換のアリールオキシ基、置換又は非置換のアリールオキシカルボニル基、置換又は非置換のアシル基、置換又は非置換のアシルオキシ基、トリ置換シリルオキシ基、置換アミノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、カルボキシル基、フッ素原子、又は塩素原子を表す。nは2〜10,000である。)
【0026】
置換又は非置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−t−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基等が挙げられる。これらは、一種単独又は二種以上を組み合わせて有することができる。
【0027】
置換又は非置換のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、1−メチルビニル基、スチリル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2−ジフェニルビニル基、1−メチルアリル基、1,1−ジメチルアリル基、2−メチルアリル基、1−フェニルアリル基、2−フェニルアリル基、3−フェニルアリル基、3,3−ジフェニルアリル基、1,2−ジメチルアリル基、1−フェニル−1−ブテニル基、3−フェニル−1−ブテニル基等が挙げられる。これらは、一種単独又は二種以上を組み合わせて有することができる。
【0028】
置換又は非置換の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−フルオレニル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、一種単独又は二種以上を組み合わせて有することができる。
【0029】
置換又は非置換の芳香族複素環基としては、例えば、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル−1−インドリル基、4−t−ブチル−1−インドリル基、2−t−ブチル−3−インドリル基、4−t−ブチル−3−インドリル基、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、一種単独又は二種以上を組み合わせて有することができる。
【0030】
置換又は非置換のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基、1−ピロリルメチル基、2−(1−ピロリル)エチル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、o−ブロモベンジル基、p−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、o−ヨードベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、m−ヒドロキシベンジル基、o−ヒドロキシベンジル基、p−アミノベンジル基、m−アミノベンジル基、o−アミノベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、o−シアノベンジル基、1−ヒドロキシ−2−フェニルイソプロピル基、1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基等が挙げられる。これらは、一種単独又は二種以上を組み合わせて有することができる。
【0031】
置換又は非置換のアルコキシ基、及び置換又は非置換のアルコキシカルボニル基は、それぞれ−OX及び−COOXで表される基である。置換基X及びXとしては、それぞれ、例えば、上述の置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアラルキル基等が挙げられる。これらは、一種単独又は二種以上を組み合わせて有することができる。
【0032】
置換又は非置換のアリールオキシ基、及び置換又は非置換のアリールオキシカルボニル基は、それぞれ−OX及び−COOXで表される基である。置換基X及びXとしては、それぞれ、例えば、上述の置換又は非置換の芳香族炭化水素基、置換又は非置換の芳香族複素環基等が挙げられる。これらは、一種単独又は二種以上を組み合わせて有することができる。
【0033】
置換又は非置換のアシル基、及び置換又は非置換のアシルオキシ基は、それぞれ−C(=O)X及び−OC(=O)Xで表される基である。置換基X及びXとしては、例えば、水素原子、上述の置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルケニル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換の芳香族炭化水素基、置換又は非置換の芳香族複素環基、置換又は非置換のアラルキル基等が挙げられる。これらは、一種単独又は二種以上を組み合わせて有することができる。
【0034】
トリ置換シリルオキシ基は、−OSiXで表される基である。置換基X、X及びXは、相互に独立であり、例えば、上述の置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルケニル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換の芳香族炭化水素基、置換又は非置換の芳香族複素環基、置換又はアラルキル基等が挙げられる。これらは、一種単独又は二種以上を組み合わせて有することができる。
【0035】
置換アミノ基は、−NX 11で表される基である。置換基X 及びX11は、それぞれ独立であり、例えば、上述の置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルケニル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換の芳香族炭化水素基、置換又は非置換の芳香族複素環基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、置換又は非置換のアリールオキシカルボニル基等が挙げられる。これらは、一種単独又は二種以上を組み合わせて有することができる。
【0036】
上記一般式(1)において、好ましくは、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜9のアルコキシ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜9のアルコキシ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、ケイ素上に置換するアルキル基中の炭素数の総数が3〜12のトリアルキルシリルオキシ基、トリフルオロメチル基を表す。
【0037】
本発明の重合体は、下記一般式(2)で表される2,5−ジ置換チオフェン誘導体及び下記一般式(3)で表されるp−フェニレンジアミン誘導体、又は下記一般式(4)で表される2,5−ジアミノチオフェン誘導体及び下記一般式(5)で表されるp−ジ置換ベンゼン誘導体を、アミノ化反応により重合して得られる。
【0038】
【化13】
Figure 2004026955
(式中、R〜Rは、一般式(1)と同様であり、Y及びYは、それぞれ独立してハロゲン原子又はトリフルオロメチルスルホキシ基を表す。)
【0039】
上記一般式(2)及び(5)において、置換基Y及びYは、好ましくは臭素原子、ヨウ素原子及びトリフルオロメチルスルホキシ基である。
【0040】
アミノ化反応の方法としては、例えば、上記の化合物(2)及び(3)、又は(4)及び(5)を、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム等の塩基、触媒量のPd(dba)、塩化パラジウム(PdCl)、臭化パラジウム(PdBr)、酢酸パラジウム(Pd(OAc))、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド(PdCl(PPh)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムブロミド(PdBr(PPh、ビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウムクロリド(PdCl[P(o−tolyl)等の触媒、及びBINAP、トリフェニルホスフィン(PPh)、トリ−t−ブチルホスフィン(PBu)、トリ−o−トリルホスフィンP(o−tolyl)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb)等の配位子の存在下、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等の溶媒中で還流加熱させて反応させる方法が挙げられる。
【0041】
化合物(2)及び(3)、又は(4)及び(5)の添加割合は、通常、モル比で、0.5:1〜1.5:1、好ましくは0.8:1〜1.2:1である。塩基は、化合物(2)1モルに対し、通常、2.0〜4.0モル、好ましくは2.0〜3.0モル使用する。触媒及び配位子は、触媒量用いればよく、化合物(2)1モルに対し、通常、0.05〜10モル%、好ましくは1〜5モル%使用する。
【0042】
また、他のアミノ化反応としては、化合物(2)及び(3)、又は(4)及び(5)を、ヨウ化銅(I)と炭酸カリウムの存在下、ニトロベンゼン中で還流加熱させる方法が挙げられる。
【0043】
尚、このアミノ化反応に用いる、試薬及び溶媒等の組み合わせ、反応時間その他の条件等については、特に制限されず、目的とする重合体が得られる範囲で適宜調節することができる。
【0044】
本発明の重合体の具体例としては、下記式(9)〜(39)に示す化合物が挙げられる。
【0045】
【化14】
Figure 2004026955
【0046】
【化15】
Figure 2004026955
【0047】
【化16】
Figure 2004026955
【0048】
【化17】
Figure 2004026955
【0049】
次に、本発明の二次電池について説明する。
本発明の二次電池は、少なくとも正極、負極及び電解質を構成要素とする。正極及び負極には、充電反応及び放電反応等の電極反応に直接寄与する物質として活物質が含まれ、この活物質が、電池システムの中心的役割を果たしている。
【0050】
本発明の二次電池では、正極及び/又は負極の活物質として、下記一般式(6)、好ましくは下記一般式(7)で表される構造単位を含む重合体を、一種単独又は二種以上を組み合わせて用いる。
【0051】
【化18】
Figure 2004026955
【化19】
Figure 2004026955
(式中、R〜Rは、上記一般式(1)と同様である。)
【0052】
この重合体は、重金属を含まず、炭素、窒素、水素及び酸素等の質量が小さく安全な元素のみから構成されるため、この重合体を用いて製造された電極は、電極全体に占める活物質の割合が小さくなり、その結果、電極の単位質量当たりの容量密度が大きくなる。従って、このような電極を用いて製造された二次電池は、単位質量当たりのエネルギー密度及び容量が大きくなる。
【0053】
また、この重合体を用いて製造された電極では、副反応をほとんど起こすことなく、ほぼ100%の割合で可逆的な酸化還元反応が安定して進行する。従って、このような電極を用いて製造された二次電池は、充放電を安定して行うことができるため、サイクル特性に優れる。
【0054】
このような重合体としては、例えば、下記一般式(8)で表される構造を有するポリ[2−アミノ−5−(フェニルアミノ)チオフェン]誘導体が挙げられ、その好適例としては、上述したポリ[2−アミノ−5−(p−フェニルアミノ)チオフェン]誘導体が挙げられる。
【0055】
【化20】
Figure 2004026955
(式中、R〜R及びnは、一般式(1)と同様である。)
【0056】
このような重合体は、上述したポリ[2−アミノ−5−(p−フェニルアミノ)チオフェン]誘導体の製造方法において、化合物(3)及び(5)の代わりに、対応するフェニレンジアミン誘導体及びジ置換ベンゼン誘導体を用いて製造することができる。
【0057】
このような重合体は、低分子化合物でも高分子化合物でもよく、その分子量は特に制限されないが、通常、1,000〜300,000、好ましくは5,000〜50,000の重量平均分子量を有する。重量平均分子量が上記範囲の重合体は、活物質として好適である。また、重合体が高分子の場合、例えば、重量平均分子量で5,000〜50,000程度の場合、その形状は特に制限されず、鎖状、分岐状、網目状のいずれでもあってよい。
【0058】
一般式(6)で表される構造単位を含む重合体の具体例としては、上記式(9)〜(39)に示す重合体や、下記式(40)及び(41)に示す重合体が挙げられる。
【0059】
【化21】
Figure 2004026955
【0060】
本発明の二次電池において、活物質である上記の重合体は、固体状態で用いてもよく、また、電解質へ溶解又は分散した状態で用いてもよい。ただし、固体状態で用いる場合には、電解液への溶解による電池容量の低下を抑えるため、電解液に対して不溶性又は低溶解性の重合体を用いることが好ましい。
【0061】
本発明では、この重合体を、正極及び/又は負極の活物質として用いるが、正極又は負極のいずれか一方の電極の活物質として用いる場合、もう一方の電極の活物質としては公知の材料が利用できる。
【0062】
例えば、上記の重合体を負極の活物質として用いる場合には、正極の活物質として、金属酸化物粒子、ニトロキシドラジカル化合物、ジスルフィド化合物、及び導電性高分子等を用いることができる。ここで、金属酸化物としては、例えば、LiMnO、LiMn(0<x<2)等のマンガン酸リチウム、スピネル構造を有するマンガン酸リチウム、MnO、LiCoO、LiNiO、Li(0<x<2)等が挙げられ、ジスルフィド化合物としては、例えば、ジチオグリコール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、S−トリアジン−2,4,6−トリチオール等が挙げられ、導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール等が挙げられる。これらの正極活物質は、一種単独又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0063】
一方、上記の重合体を正極の活物質として用いる場合には、負極の活物質として、グラファイト、非晶質カーボン、リチウム金属、リチウム合金、窒化リチウム、リチウムイオン吸蔵炭素、導電性高分子、非晶質金属酸化物等を用いることができる。尚、これらの材料の形状は特に限定されず、例えば、リチウム金属では、薄膜状のものだけでなく、バルク状のもの、粉末を固めたもの、繊維状のもの、フレーク状のもの等であってもよい。これらの負極活物質は、一種単独又は二種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、カーボン層、シリコン層及び金属リチウム層からなる三層構造を持つ負極等を用いることができる。
尚、上記の重合体を正極及び/又は負極の活物質として用いる場合には、上述した公知の活物質と混合した複合活物質として用いてもよい。
【0064】
本発明の二次電池は、エネルギー密度及び電池容量の点から、上記の重合体を正極の活物質として用いたリチウム二次電池とすることが好ましい。
また、本発明の二次電池において、活物質の電極反応は、上記の重合体を反応物又は生成物とする電極反応、好ましく反応物とする電極反応である。
【0065】
上記の重合体を用いて電極を形成する場合、インピーダンスを低下させる目的で、補助導電材やイオン伝導補助材を混合させることができる。補助導電材としては、例えば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子が挙げられ、イオン伝導補助材としては、例えば、高分子ゲル電解質、高分子固体電解質等が挙げられる。
【0066】
また、電極の各構成材料間の結びつきを強めるために、結着剤を用いることもできる。このような結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、各種ポリウレタン等の樹脂バインダが挙げられる。
【0067】
また、電極反応をより潤滑に行うために、酸化還元反応を助ける触媒を用いることもできる。このような触媒としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子、ピリジン誘導体、ピロリドン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、アクリジン誘導体等の塩基性化合物、金属イオン錯体等が挙げられる。
【0068】
また、負極集電体、正極集電体として、ニッケル、アルミニウム、銅、金、銀、アルミニウム合金、ステンレス等の金属箔や金属平板、メッシュ状電極、炭素電極等を用いることができる。また、集電体には、触媒効果を持たせたり、活物質と集電体とを化学結合させたりしてもよい。一方、上記の正極及び負極が接触しないように、多孔質フィルムからなるセパレータや不織布を用いることもできる。
【0069】
本発明の二次電池の構成要素である電解質は、負極と正極の両極間の荷電担体輸送を行うものであり、一般には室温で10−5〜10−1S/cmのイオン伝導性を有していることが好ましい。電解質としては、例えば、電解質塩を溶剤に溶解した電解液を利用することができる。電解質塩として、例えばLiPF、LiClO、LiBF、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CFSOC、Li(CSOC等の公知の材料を用いることができる。
【0070】
また、電解液に溶剤を用いる場合、溶剤としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒を一種単独又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0071】
また、電解質としては、固体電解質を用いることもできる。固体電解質に用いられる高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−モノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体や、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ビニルアセテート共重合体等のアクリロニトリル系重合体、さらにポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、これらのアクリレート体やメタクリレート体の重合体等が挙げられる。これらの高分子化合物は、電解液を含ませてゲル状にしたものを用いてもよく、また、高分子化合物のみをそのまま用いてもよい。
【0072】
本発明の二次電池の形状は特に限定されず、公知の形状を用いることができる。具体的な形状としては、例えば、電極積層体又は巻回体を、金属ケース、樹脂ケース、又はアルミニウム箔等の金属箔と合成樹脂フィルムとからなるラミネートフィルム等によって封止し、それを円筒型、角型、コイン型及びシート型の形状等にしたものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0073】
本発明の二次電池の製造方法は特に限定されず、材料に応じて様々な方法を用いることができる。例えば、活物質に溶剤を加えスラリー状にして電極集電体に塗布し、加熱又は常温で溶剤を揮発させた後、対極、セパレータを挟んで積層又は巻回して外装体で包み、電解液を注入して封止するといった方法である。スラリー化のための溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、N−メチルピロリドン等のアミン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系炭化水素溶媒等が挙げられる。
また、本発明において、電極からのリードの取り出し、外装等のその他の製造条件は、二次電池の製造方法における公知の条件を用いることができる。
【0074】
電池を製造する際には、活物質として上記の重合体そのものを用いて電池を製造する場合と、電極反応によって上記の重合体に変化する化合物を用いて電池を製造する場合とがあるが、本発明では特に制限されない。
【0075】
図1は、本発明の二次電池の一実施形態の構成を示す模式図である。図1に示された二次電池は、正極5と、負極集電体1上に配置した負極3とを電解質を含むセパレータ4を介して対向するように重ね合わせ、さらに正極5上に正極集電体6を重ね合わせた構成を有している。正極5及び/又は負極3の活物質には、上記の重合体が用いられている。負極集電体1と正極集電体6との間には、両者の電気的接触を防ぐ目的で、プラスティック樹脂等の絶縁性材料からなる絶縁パッキン2が配置されている。尚、本実施形態において、固体電解質やゲル電解質を用いる場合には、セパレータ4に代えて、これら電解質を電極間に介在させることもできる。
【0076】
【実施例】
以下、本発明の詳細について実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0077】
実施例1
ポリ[2−アミノ−5−(p−フェニルアミノ)チオフェン]の合成
アルゴン雰囲気下、300ml3つ口フラスコ中にo−キシレン150mlを加え、これにトリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(Pd(dba))0.66g、及び(R)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル((R)−BINAP)1.08gを加えて溶解させた。さらに、p−フェニレンジアミン5.0g、及び2,5−ジブロモチオフェン11.2g、及びt−ブトキシナトリウム13.6gを加えて5分程度室温で攪拌した後、フラスコを加熱し、5時間溶媒を還流してアミノ化反応を行った。
【0078】
フラスコを室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去し、得られた固形分をメタノール、炭酸プロピレン、メタノールの順で洗浄し、60℃で6時間減圧乾燥することにより、上記式(9)で表されるポリ[2−アミノ−5−(p−フェニルアミノ)チオフェン]5.39gを濃茶色固体として得た(収率62%)。
【0079】
尚、目的物の構造は、H−NMR(ブルカー製AMX400)、FT−IR(バイオラッド社製FTS155)により確認した。また、分子量及び分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(溶離液:塩化リチウム0.1mol/Lを含むジメチルホルムアミド(DMF)、カラム:昭和電工(株)製KD−803)によりポリスチレン換算分子量(内部標準:昭和電工(株)製ショーデックス SM−105)として求めた。
H−NMR(CDCl、内部標準 テトラメチルシラン(TMS)):δ(ppm)5.57−5.62(2H、br)、6.92(2H,d)、7.16(4H,d)
IR(cm−1):3433(νNH)、2,939、2,981(νCH)、1,510(νNH)、697(νSC)
重量平均分子量:7,900
分散度:2.6
【0080】
実施例2
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2−クロロフェニルアミノ)]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2−クロロ−p−フェニレンジアミン6.59gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(10)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2−クロロフェニルアミノ)]チオフェン]5.97gを濃茶色固体として得た(収率58%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)5.61−5.67(2H、br)、6.79(2H,d)、フェニル7.10(1H、s)、7.15(2H,d)
IR(cm−1):3,430(νNH)、2,944、2,980(νCH)、1,501(νNH)、1,092(νCCl)、692(νSC)
重量平均分子量:8,400
分散度:2.9
【0081】
実施例3
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2−クロロ−6−メチルフェニルアミノ)]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2−クロロ−6−メチル−p−フェニレンジアミン7.24gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(11)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2−クロロ−6−メチルフェニルアミノ)]チオフェン]5.69gを濃茶色固体として得た(収率52%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)2.31(3H、s)、5.58−5.63(2H、br)、6.90(2H、s)、7.24(2H、s)
IR(cm−1):3,444(νNH)、2,981、2,930(νCH)、1,510(νNH)、1,092(νCCl)、690(νSC)
重量平均分子量:10,700
分散度:3.1
【0082】
実施例4
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2−メトキシフェニルアミノ)]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2−メトキシ−p−フェニレンジアミン6.40gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(12)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2−メトキシフェニルアミノ)]チオフェン]6.76gを濃茶色固体として得た(収率67%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)3.61(3H、s)、5.32−5.37(2H、br)、6.83(2H、d)、7.25(2H、d)、7.31(1H、s)
IR(cm−1):3,423(νNH)、2,981、2,830(νCH)、1,507(νNH)、692(νSC)
重量平均分子量:9,500
分散度:3.1
【0083】
実施例5
ポリ[2−アミノ−5−[p−(3−メチルフェニルアミノ)]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2−メチル−p−フェニレンジアミン5.66gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(13)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(3−メチルフェニルアミノ)]チオフェン]6.82gを濃茶色固体として得た(収率73%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)2.39(3H、s)、5.28−5.35(2H、br)、6.85(2H、d)、7.25(2H、d)、7.29(1H、s)
IR(cm−1):3,433(νNH)、2,979、2,828(νCH)、1,510(νNH)、688(νSC)
重量平均分子量:8,200
分散度:3.0
【0084】
実施例6
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2−ノニルフェニルアミノ)]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2−ノニル−p−フェニレンジアミン5.66gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(35)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2−ノニルフェニルアミノ)]チオフェン]6.82gを濃茶色固体として得た(収率73%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)2.39(3H、s)、5.28−5.35(2H、br)、6.85(2H、d)、7.25(2H、d)、7.29(1H、s)
IR(cm−1):3,433(νNH)、2,979、2,828(νCH)、1,510(νNH)、688(νSC)
重量平均分子量:15,700
分散度:3.0
【0085】
実施例7
ポリ[2−アミノ−5−[p−(3,5−ジメチルフェニルアミノ)]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2,6−ジメチル−p−フェニレンジアミン6.30gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(14)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(3,5−ジメチルフェニルアミノ)]チオフェン]5.10gを濃茶色固体として得た(収率51%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)2.54(6H、s)、5.31−5.37(2H、br)、6.89(2H、d)、7.15(2H、s)
IR(cm−1):3,440(νNH)、2,981、2,828(νCH)、1,509(νNH)、690(νSC)
重量平均分子量:9,600
分散度:2.4
【0086】
実施例8
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジメチルフェニルアミノ)]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン6.30gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(15)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジメチルフェニルアミノ)]チオフェン]6.70gを濃茶色固体として得た(収率67%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)2.61(3H、s)、5.26−5.31(2H、br)、6.88(2H、d)、7.30(1H、s)、7.36(1H、s)
IR(cm−1):3,439(νNH)、2,988、2,828(νCH)、1,511(νNH)、692(νSC)
重量平均分子量:14,500
分散度:2.9
【0087】
実施例9
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジノニルフェニルアミノ)]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2,5−ジノニル−p−フェニレンジアミン16.7gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(36)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジノニルフェニルアミノ)]チオフェン]15.7gを濃茶色固体として得た(収率77%)。測定データを以下に示す。
【0088】
H−NMR(CDCl):δ(ppm)1.31−1.73(38H、m)、5.23−5.28(2H、br)、6.76(2H、d)、7.11(1H、s)、7.16(1H、s)
IR(cm−1):3,439(νNH)、2,995、2,973(νCH)、1,511(νNH)、691(νSC)
重量平均分子量:24,100
分散度:2.9
【0089】
実施例10
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2,6−ジメトキシフェニルアミノ)]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2,6−ジメトキシ−p−フェニレンジアミン7.79gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(16)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2,6−ジメトキシフェニルアミノ)]チオフェン]6.31gを濃茶色固体として得た(収率55%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)3.55(6H、s)、5.35−5.42(2H、br)、6.88(2H、d)、7.30(2H、s)
IR(cm−1):3,430(νNH)、2,987、2,827(νCH)、1,511(νNH)、695(νSC)
重量平均分子量:8,400
分散度:3.1
【0090】
実施例11
ポリ[2−アミノ−5−[p−(3−フルオロフェニル)アミノ]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2−フルオロ−p−フェニレンジアミン5.84gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(17)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(3−フルオロフェニル)アミノ]チオフェン]6.77gを濃茶色固体として得た(収率71%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)5.43−5.48(2H,br)、6.83(2H,d)、7.11(1H,s)、7.16(2H,d)
IR(cm−1):3,437(νNH)、3,031、2,979(νCH)、1,505(νNH)、1,228(νCF)、689(νSC)
重量平均分子量:6,600
分散度:2.6
【0091】
実施例12
ポリ[2−アミノ−5−[p−(3,5−ジフルオロフェニル)アミノ]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2,6−ジフルオロ−p−フェニレンジアミン6.67gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(18)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(3,5−ジフルオロフェニル)アミノ]チオフェン]5.49gを濃茶色固体として得た(収率53%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)5.55−5.60(2H,br)、6.91(2H,d)、7.11(2H,s)
IR(cm−1):3,442(νNH)、3,038、2,983(νCH)、1,502(νNH)、1,230(νCF)、691(νSC)
重量平均分子量:6,400
分散度:2.4
【0092】
実施例13
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジフルオロフェニル)アミノ]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2,5−ジフルオロ−p−フェニレンジアミン6.67gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(19)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジフルオロフェニル)アミノ]チオフェン]6.01gを濃茶色固体として得た(収率58%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)5.54−5.59(2H,br)、6.91(2H,d)、7.10(2H,s)
IR(cm−1):3,441(νNH)、3,037、2,981(νCH)、1,502(νNH)、1,232(νCF)、691(νSC)
重量平均分子量:6,900
分散度:2.7
【0093】
実施例14
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジメトキシフェニル)アミノ]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2,5−ジメトキシ−p−フェニレンジアミン7.79gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(20)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジメトキシフェニル)アミノ]チオフェン]8.37gを濃茶色固体として得た(収率73%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)3.45(3H,s)、3.47(3H,s)、5.42−5.47(2H,br)、6.87(2H,d)、7.13(1H,s)、7.16(1H,s)
IR(cm−1):3,437(νNH)、3,031、2,979(νCH)、1,505(νNH)、689(νSC)
重量平均分子量:9,300
分散度:3.4
【0094】
実施例15
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2,3−ジメトキシフェニル)アミノ]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2,3−ジメトキシ−p−フェニレンジアミン7.79gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(21)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2,3−ジメトキシフェニル)アミノ]チオフェン]7.34gを濃茶色固体として得た(収率64%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)3.47(3H,s)、3.51(3H,s)、5.47−5.52(2H,br)、6.75(2H,d)、7.11(1H,d)、7.14(1H,d)
IR(cm−1):3,443(νNH)、3,030、2,984(νCH)、1,513(νNH)、694(νSC)
重量平均分子量:8,700
分散度:2.7
【0095】
実施例16
ポリ[2−アミノ−3−メチル−5−(p−フェニルアミノ)チオフェン]の合成
実施例1において、2,5−ジブロモチオフェン11.2gの代わりに、2,5−ジブロモ−3−メチルチオフェン11.8gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(22)に示すポリ[2−アミノ−3−メチル−5−(p−フェニルアミノ)チオフェン]5.23gを濃茶色固体として得た(収率56%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)2.57(3H,s)、5.43−5.48(2H、br)、6.85(1H,s)、7.18(4H、d)
IR(cm−1):3,436(νNH)、3,028、2,986(νCH)、1,507(νNH)、692(νSC)
重量平均分子量:8,500
分散度:2.3
【0096】
実施例17
ポリ[2−アミノ−3−メチル−5−[p−(2−クロロフェニル)アミノ]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2−クロロ−p−フェニレンジアミン6.59gを用い、2,5−ジブロモチオフェン11.2gの代わりに、2,5−ジブロモ−3−メチルチオフェン11.8gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(23)に示すポリ[2−アミノ−3−メチル−5−[p−(2−クロロフェニル)アミノ]チオフェン]8.09gを濃茶色固体として得た(収率74%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)2.61(3H,s)、5.45−5.50(2H、br)、6.88(1H,s)、7.22(2H、d)、7.26(1H,s)
IR(cm−1):3,440(νNH)、3,028、2,981(νCH)、1,511(νNH)、1,092(νCCl)、690(νSC)
重量平均分子量:10,700
分散度:3.3
【0097】
実施例18
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2−トリメチルシリルオキシフェニル)アミノ]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2−トリメチルシリルオキシ−p−フェニレンジアミン9.07gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(24)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2−トリメチルシリルオキシフェニル)アミノ]チオフェン]8.56gを濃茶色固体として得た(収率67%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)0.11(9H,s)、5.38−5.43(2H、br)、6.71(2H,d)、7.08(1H、s)、7.12(2H,d)
IR(cm−1):3,436(νNH)、3,030、2,981(νCH)、1,511(νNH)、1,325(νSiC)、695(νSC)
重量平均分子量:7,100
分散度:3.2
【0098】
実施例19
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2−ヒドロキシフェニル)アミノ]チオフェン]の合成
実施例18で得られた高分子化合物3.0gを、アルゴン下、300ml3つ口フラスコに加え、クロロホルム100mlに溶解させた。さらに、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(濃度1M:アルドリッチ社製)13.0mlを加えて室温で1時間攪拌した。溶媒を留去し、メタノールで洗浄することで、上記式(25)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2−ヒドロキシフェニル)アミノ]チオフェン]1.97gを濃茶色固体として得た(収率89%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)5.27(1H,br),5.51−5.56(2H、br)、6.78(2H,d)、7.25(1H,s)、7.18(2H,d)
IR(cm−1):3,457(νOH)、3,434(νNH)、3,031、2,987(νCH)、1,517(νNH)、695(νSC)
重量平均分子量:4,200
分散度:2.6
【0099】
実施例20
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジノニルオキシフェニル)アミノ]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2,5−ジノニルオキシ−p−フェニレンジアミン18.1gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(26)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジノニルオキシフェニル)アミノ]チオフェン]14.2gを濃茶色固体として得た(収率65%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)1.2−1.7(16H,m)、3.52(3H,t)、3.55(3H,t)、5.44−5.49(2H、br)、6.88(2H,d)、7.18(1H、s)、7.20(1H,s)
IR(cm−1):3,440(νNH)、3,028、2,986(νCH)、1,507(νNH)、692(νSC)
重量平均分子量:31,700
分散度:3.5
【0100】
実施例21
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジ−t−ブトキシフェニル)アミノ]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2,5−ジ−t−ブトキシ−p−フェニレンジアミン11.6gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(37)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジ−t−ブトキシフェニル)アミノ]チオフェン]10.0gを濃茶色固体として得た(収率65%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)1.6(18H,s)、5.62−5.67(2H、br)、6.80(2H,d)、7.22(1H,s)、7.25(1H,s)
IR(cm−1):3,444(νNH)、3,026、2,983(νCH)、1,510(νNH)、688(νSC)
重量平均分子量:12,300
分散度:3.4
【0101】
実施例22
ポリ[2−アミノ−5−[p−[2,5−ビス(トリメチルシリルオキシ)フェニル]アミノ]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2,5−ジノニルオキシ−p−フェニレンジアミン13.7gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(27)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−[2,5−ビス(トリメチルシリルオキシ)フェニル]アミノ]チオフェン]10.4gを濃茶色固体として得た(収率62%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)0.13(9H、s)、0.15(9H,s)、5.39−5.44(2H、br)、6.70(2H,d)、7.09(1H,d)、7.11(1H,s)
IR(cm−1):3,435(νNH)、3,026、2,984(νCH)、1,507(νNH)、692(νSC)
重量平均分子量:10,200
分散度:3.3
【0102】
実施例23
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジヒドロキシフェニル)アミノ]チオフェン]の合成
実施例22で得られた高分子化合物5gを、アルゴン下、300ml3つ口フラスコに加え、クロロホルム100mlに溶解させた。さらに、TBAFのTHF溶液(濃度1M:アルドリッチ社製)15.0mlを加えて室温で1時間攪拌した。溶媒を留去し、メタノールで洗浄することで、上記式(28)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジヒドロキシフェニル)アミノ]チオフェン]2.60gを濃茶色固体として得た(収率86%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)5.21−5.25(2H,br),5.50−5.55(2H、br)、6.77(2H,d)、7.21(1H,s),7.24(1H、s)
IR(cm−1):3,455、3,458(νOH)、3,433(νNH)、3,034、2,987(νCH)、1,515(νNH)、695(νSC)
重量平均分子量:6,800
分散度:3.1
【0103】
実施例24
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジシアノフェニル)アミノ]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2,5−ジシアノ−p−フェニレンジアミン7.32gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(38)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2,5−ジシアノフェニル)アミノ]チオフェン]6.73gを濃茶色固体として得た(収率61%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)5.40−5.45(2H、br)、6.72(2H,d)、7.13(1H,s)、7.19(1H,s)
IR(cm−1):3,440(νNH)、3,026、2,987(νCH)、1,511(νNH)、690(νSC)
重量平均分子量:9,100
分散度:3.2
【0104】
実施例25
ポリ[2−アミノ−5−[p−(2−トリフルオロメチルフェニル)アミノ]チオフェン]の合成
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、2−トリフルオロメチル−p−フェニレンジアミン8.14gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(29)に示すポリ[2−アミノ−5−[p−(2−トリフルオロメチルフェニル)アミノ]チオフェン]7.43gを濃茶色固体として得た(収率63%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)5.46−5.51(2H,br)、6.77(2H,d)、7.05(1H,s)、7.15(2H,d)
IR(cm−1):3,442(νNH)、3,035、2,984(νCH)、1,505(νNH)、1,272(νCF)、690(νSC)
重量平均分子量:8,200
分散度:3.0
【0105】
実施例26
ポリ[2−アミノ−5−(p−フェニルアミノ)チオフェン]の合成
実施例1において、2,5−ジブロモチオフェン11.2gの代わりに、2,5−ビス(トリフルオロメチルスルホキシ)チオフェン17.6gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(9)に示すポリ[2−アミノ−5−(p−フェニルアミノ)チオフェン]6.19gを濃茶色固体として得た(収率71%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl、内部標準 テトラメチルシラン(TMS)):δ(ppm)5.57−5.62(2H、br)、6.92(2H,d)、7.16(4H,d)
IR(cm−1):3,433(νNH)、2,939、2,981(νCH)、1,510(νNH)、697(νSC)
重量平均分子量:10,300
分散度:3.2
【0106】
実施例27
ポリ[2−アミノ−3,4−ジノニルオキシ−5−(p−フェニルアミノ)チオフェン]の合成
実施例1において、2,5−ジブロモチオフェン11.2gの代わりに、2,5−ビス(トリフルオロメチルスルホキシ)−3,4−ジノニルオキシチオフェン30.7gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(39)に示すポリ[2−アミノ−3,4−ジノニルオキシ−5−(p−フェニルアミノ)チオフェン]12.6gを濃茶色固体として得た(収率58%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl、内部標準 テトラメチルシラン(TMS)):δ(ppm)1.27−1.42(m,28H)、3.23(2H,t)、5.57−5.62(2H,br)、6.92(2H,d)、7.16(4H,d)
IR(cm−1):3,436(νNH)、2,997、2,980(νCH)、1,502(νNH)、703(νSC)
重量平均分子量:18,300
分散度:3.3
【0107】
実施例28
実施例1で得られたポリ[2−アミノ−5−(p−フェニルアミノ)チオフェン](正極活物質)200mg、グラファイト粉末1.6g、及びポリテトラフルオロエチレン樹脂バインダ200mgを測り採り、メノウ乳鉢を用い混練した。10分ほど乾式混合して得られた混合体を、圧力を掛けてローラー延伸することにより、厚さ約200μmの薄膜とした。これを、真空中、80℃で一晩乾燥した後、直径12mmの円形に打ち抜き、コイン電池用電極を成型した。この電極の重量は16.3mgだった。
【0108】
次に、得られた電極を電解液に浸して、電極中の空隙に電解液を染み込ませた。電解液としては、1mol/lのLiN(CSO電解質塩を含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液(混合比3:7)を用いた。この電解液を含浸させた電極を、正極集電体上に置き、その上に同じく電解液を含浸させた多孔質フィルムセパレータを積層した。さらに金属リチウム(負極活物質)を張り合わせた銅箔を積層し、絶縁パッキンで被覆された負極集電体を重ね合わせた。これに、かしめ機によって圧力を加え、密閉型のコイン型電池を作製した。
【0109】
この電池を、0.1mAの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、0.1mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.2V付近で約2時間ほぼ一定となり、その後急激に低下した。これにより電池として動作していることを確認した。電圧が2.5Vまで低下したところで再び充電を行い、さらに、4.2〜2.5Vの範囲で充放電を10回繰り返した。その結果、繰り返し充放電を行っても放電時に3.2V付近で電圧が一定になることを確認し、この電池が二次電池として動作していることを確認した。このコイン電池の容量は、正極活物質当たりの容量を計算したところ120mAh/gであった。
【0110】
実施例29
実施例2で得られたポリ[2−アミノ−5−[p−(2−クロロフェニルアミノ)]チオフェン](正極活物質)の粉末0.6g、アセチレンブラック粉末0.225g、人造黒鉛粉末0.548g、スチレン・ブタジエンラテックス粉末の40wt%溶液0.16g、メチルセルロースの2wt%溶液3.19g、及び水1.5mlを混ぜ合わせ、さらにホモジナイザーを用い均一化することによりスラリーを得た。このスラリー12mgをドクターブレード法によりアルミニウム箔表面において薄膜とした。これを直径12mmの円形に打ち抜き電極とした。
【0111】
次に、得られた電極を電解液に浸して、電極中の空隙に電解液を染み込ませた。電解液としては、1mol/lのLiN(CSOを含有するエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液を用いた。電解液を含浸させた電極上に、その上に同じく電解液を含浸させた多孔質フィルムセパレータを積層した。さらにリチウム金属板(負極活物質)を積層し、絶縁パッキンで被覆された銅箔(負極集電体)を重ね合わせた。こうして作られた積層体をかしめ機によって圧力を加えることにより、密閉型のコイン型電池を作製した。
【0112】
このコイン電池を0.1mAの定電流で充電し、4.0Vまで電圧が上昇した直後に、0.1mAの定電流で放電を行った。その結果、放電時に3.2V付近で電圧が約5時間、一定となる電圧平坦部が見られ、その後、急激に電圧は低下した。電圧が2.5Vまで低下したところで再び充電を行い、さらに4.0V〜2.5Vの範囲で充放電を10回繰り返した結果、繰り返し充放電を行っても放電時に3.2V付近で電圧が一定になることが確認し、この電池が二次電池として動作していることを確認した。正極活物質当たりの容量を計算したところ113mAh/gであった。
【0113】
実施例30
実施例28において、正極活物質として、実施例3で得られたポリ[2−アミノ−5−[p−(2−クロロ−6−メチルフェニルアミノ)]チオフェン]を用いた以外は、実施例28と同様にしてコイン電池を作製した。このコイン電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電した。続いて、0.1mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.2Vで約1時間30分一定となり、その後急激に低下した。電圧が2.5Vまで低下したところで再び充電を行い、さらに2.5Vまで充放電を行ったところ、再び3.2V付近で電圧が一定になることを確認し、この電池が二次電池として動作していることを確認した。正極活物質当たりの容量を計算したところ、106mAh/gであった。さらに同様に充放電を繰り返すことによりサイクル試験を行った。充放電範囲4.0〜2.5V、評価温度は20℃とした。この試験の結果、1回目の放電容量(正極の重量当たり)は、106mAh/g、50回目の放電容量は100mAh/gであった。また、(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は95.2%であった。
【0114】
実施例31
実施例28において、正極活物質として、実施例5で得られたポリ[2−アミノ−5−[p−(3−メチルフェニルアミノ)]チオフェン]0.6gを用いた以外は、実施例28と同様にしてコイン電池を作製した。このコイン電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電した。続いて、0.1mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.1Vで約2時間40分一定となり、その後急激に低下した。電圧が2.5Vまで低下したところで再び充電を行い、さらに2.5Vまで充放電を行ったところ、再び3.1V付近で電圧が一定になることを確認し、この電池が二次電池として動作していることを確認した。正極活物質当たりの容量を計算したところ、111mAh/gであった。さらに同様に充放電を繰り返すことによりサイクル試験を行った。充放電範囲4.0〜2.5V、評価温度は20℃とした。この試験の結果、1回目の放電容量(正極の重量当たり)は、111mAh/g、50回目の放電容量は105mAh/gであった。また、(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は94.7%であった。
【0115】
実施例32
実施例28において、正極活物質として、実施例11で得られたポリ[2−アミノ−5−[p−(3−フルオロフェニル)アミノ]チオフェン]0.6gを用いた以外は、実施例28と同様にしてコイン電池を作製した。このコイン電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電した。続いて、0.1mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.3Vで約3時間一定となり、その後急激に低下した。電圧が2.5Vまで低下したところで再び充電を行い、さらに2.5Vまで充放電を行ったところ、再び3.3V付近で電圧が一定になることを確認し、この電池が二次電池として動作していることを確認した。正極活物質当たりの容量を計算したところ、108mAh/gであった。さらに同様に充放電を繰り返すことによりサイクル試験を行った。充放電範囲4.0〜2.5V、評価温度は20℃とした。この試験の結果、1回目の放電容量(正極の重量当たり)は108mAh/g、50回目の放電容量は103mAh/gであった。また、(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は95.5%であった。
【0116】
実施例33
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、m−フェニレンジアミン5.0gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(40)に示すポリ[2−アミノ−5−(m−フェニルアミノ)チオフェン]6.26gを濃茶色固体として得た(収率72%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)5.44−5.49(2H,br)、6.80(2H,d)、7.01(1H,s)、7.06(1H,dd)、7.11(1H,d)、7.13(1H,d)
IR(cm−1):3,440(νNH)、3,031、2,984(νCH)、1,507(νNH)、690(νSC)
重量平均分子量:13,600
分散度:3.0
【0117】
次に、実施例28において、正極活物質として、上記ポリ[2−アミノ−5−(m−フェニルアミノ)チオフェン]0.6gを用いた以外は、実施例28と同様にしてコイン電池を作製した。このコイン電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電した。続いて、0.1mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.2Vで約1時間30分一定となり、その後急激に低下した。電圧が2.5Vまで低下したところで再び充電を行い、さらに2.5Vまで充放電を行ったところ再び3.2V付近で電圧が一定になることを確認し、この電池が二次電池として動作していることを確認した。正極活物質当たりの容量を計算したところ、131mAh/gであった。さらに同様に充放電を繰り返すことによりサイクル試験を行った。充放電範囲4.0〜2.5V、評価温度は20℃とした。この試験の結果、1回目の放電容量(正極の重量当たり)は131mAh/g、50回目の放電容量は123mAh/gであった。また、(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は94.6%であった。
【0118】
実施例34
実施例1において、p−フェニレンジアミン5.0gの代わりに、1,3−ジアミノ−4,6−ジメトキシベンゼン7.77gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアミノ化反応を行い、上記式(41)に示すポリ[2−アミノ−5−(m−2,5−ジメトキシフェニルアミノ)チオフェン]7.80gを濃茶色固体として得た(収率68%)。測定データを以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)3.46(3H,s)、3.52(3H,s)、5.51−5.56(2H,br)、6.80(2H,d)、6.96(1H,s)、7.05(1H,s)
IR(cm−1):3,444(νNH)、3,028、2,983(νCH)、1,505(νNH)、690(νSC)
重量平均分子量:17,700
分散度:3.1
【0119】
次に、実施例28において、正極活物質として、上記ポリ[2−アミノ−5−(m−2,5−ジメトキシフェニルアミノ)チオフェン]0.6gを用いた以外は、実施例28と同様にしてコイン電池を作製した。このコイン電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電した。続いて、0.1mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.1Vで約1時間30分一定となり、その後急激に低下した。電圧が2.5Vまで低下したところで再び充電を行い、さらに2.5Vまで充放電を行ったところ、再び3.1V付近で電圧が一定になることを確認し、この電池が二次電池として動作していることを確認した。正極活物質当たりの容量を計算したところ、105mAh/gであった。さらに同様に充放電を繰り返すことによりサイクル試験を行った。充放電範囲4.0〜2.5V、評価温度は20℃とした。この試験の結果、1回目の放電容量(正極の重量当たり)は105mAh/g、50回目の放電容量は100mAh/gであった。また、(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は95.1%であった。
【0120】
比較例1
実施例28において、ポリ[2−アミノ−5−(p−フェニルアミノ)チオフェン]を用いず、グラファイト粉末を1.8gに増やした以外は、実施例28と同様にして、コイン電池を作製した。この電池に対して、実施例28と同様にして充放電を行った。その結果、放電時に電圧平坦部は見られず電圧は急速に低下し、電池として十分に動作しなかった。また、この電池に対して、0.1mAの定電流を流して充電を試みたところ、電圧は瞬間的に上昇して4.5Vを超えたが、これをさらに放電したところ、電圧曲線に平坦部は認められず、この電池は二次電池として動作しないことが確認された。
【0121】
比較例2
実施例29において、ポリ[2−アミノ−5−[p−(2−クロロフェニルアミノ)]チオフェン]を用いず、代わりにグラファイト粉末0.6gを用いた以外は、実施例29と同様にして、コイン電池を作製した。この電池に対して、実施例29と同様にして充放電を行った。その結果、放電時に電圧平坦部は見られず電圧は急速に低下し、電池として十分に動作しなかった。また、この電池に対して、0.1mAの定電流を流して充電を試みたところ、電圧は瞬間的に上昇して4.5Vを超えたが、これをさらに放電したところ、電圧曲線に平坦部は認められず、この電池は二次電池として動作しないことが確認された。
【0122】
【発明の効果】
本発明によれば、新規な構造を有する重合体、及びそれを用いたエネルギー密度が高く、高容量で充放電サイクルの安定性に優れた二次電池が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二次電池の一実施形態の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 負極集電体
2 絶縁パッキン
3 負極
4 セパレータ
5 正極
6 正極集電体

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される構造を有する重合体。
    Figure 2004026955
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルケニル基、置換又は非置換の芳香族炭化水素基、置換又は非置換の芳香族複素環基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、置換又は非置換のアリールオキシ基、置換又は非置換のアリールオキシカルボニル基、置換又は非置換のアシル基、置換又は非置換のアシルオキシ基、トリ置換シリルオキシ基、置換アミノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、カルボキシル基、フッ素原子、又は塩素原子を表す。nは2〜10,000である。)
  2. 下記一般式(2)及び(3)で表される化合物、又は下記一般式(4)及び(5)で表される化合物を反応させる請求項1に記載の重合体の製造方法。
    Figure 2004026955
    (式中、R〜Rは、前記一般式(1)と同様であり、Y及びYは、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はトリフルオロメチルスルホキシ基を表す。)
  3. 少なくとも正極、負極及び電解質を構成要素とする二次電池において、前記正極及び/又は負極の活物質が、下記一般式(6)で表される構造単位を含む重合体であることを特徴とする二次電池。
    Figure 2004026955
    (式中、R〜Rは、前記一般式(1)と同様である。)
  4. 前記構造単位が、下記一般式(7)で表される構造単位であることを特徴とする請求項3に記載の二次電池。
    Figure 2004026955
    (式中、R〜Rは、前記一般式(1)と同様である。)
  5. 前記重合体が、下記一般式(8)で表される構造を有する重合体であることを特徴とする請求項3又は4に記載の二次電池。
    Figure 2004026955
    (式中、R〜R及びnは、前記一般式(1)と同様である。)
  6. 前記重合体が、請求項1に記載の重合体であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の二次電池。
  7. 前記重合体の重量平均分子量が1,000〜300,000であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の二次電池。
  8. 前記活物質の電極反応が、前記重合体を反応物又は生成物とする電極反応であることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載の二次電池。
  9. 前記二次電池がリチウム二次電池であることを特徴とする請求項3〜8のいずれか一項に記載の二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011222318A (ja) * 2010-04-09 2011-11-04 Toyota Industries Corp 過充放電処理によって得られるリチウムイオン二次電池用の正極活物質

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