JP4383331B2 - コインロッカーシステム - Google Patents

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本発明は、遊園地やレジャー施設等で利用者が使用するロッカー装置に好適なコインロッカーシステムに関する。
従来、周知のように、広く普及しているコインロッカーは、扉を開けて荷物を入れ、利用料金相当の硬貨を投入することによりキーによる施錠が可能になるものである。このとき、硬貨は装置内に回収されてしまう。また、特定の施設等でその施設の利用者に対して無料でロッカーを貸し出すようにしたものもある。例えば、硬貨を投入することにより錠装置が施解錠可能になり、その後はフリータイム(自由利用状態)となり、錠装置に対する任意の施解錠操作が可能となるものがある。また、解錠操作をすると投入した硬貨は返却され、利用者はロッカーを自由に利用することができる。これにより、遊園地やレジャー施設等において荷物などを頻繁に出し入れするような場合に有効なロッカー装置が得られる。なお、このようなロッカー装置を可能にした錠装置として例えば特許第3145188号公報に開示されたものがある。
特許第3145188号公報
しかし、前者のように利用開始時に硬貨を回収してしまうものにあっては、どんなに使用時間が短くても利用者は利用料金を支払うことになる。すなわち、無料でロッカーを貸し出すことができず、遊園地やレジャー施設等において利用者にサービスを行うことができないという問題がある。また、後者のように、常にフリータイムで利用できるものにあっては、例えば長期間利用するなどの不正利用を防止できないという問題がある。
本発明は、ロッカーの無料サービスを可能にしながら、不正利用等を防止できるようにすることを課題とする。
請求項1のコインロッカーシステムは、複数のロッカーと、硬貨の投入により前記ロッカーを施錠可能とするとともに、投入された硬貨を装置内に保持する硬貨保持機構と、解錠操作により該硬貨保持機構に保持された硬貨を排出する硬貨排出機構とを有する錠装置と、前記錠装置を制御する制御部とを備えたコインロッカーシステムであって、前記ロッカーの使用開始から予め設定された所定の設定時間内は前記錠装置における硬貨排出機構を有効にし、硬貨排出機構から硬貨を返却し、該設定時間経過後は解錠操作を無効にし、該無効状態で所定料金の支払いが検出されると解錠操作を有効にし、該硬貨排出機構より硬貨を返却する、ようにしたことを特徴とする。
請求項2のコインロッカーシステムは、請求項1に記載のコインロッカーシステムであって、前記制御部が前記複数のロッカーの各錠装置を集中制御する中央制御装置であり、該中央制御装置において前記無効状態での所定料金の支払いを行えるようにしたことを特徴とする。
請求項1のコインロッカーシステムによれば、利用開始から設定時間内であれば解錠により硬貨が返却されるので無料サービスとすることができ、設定時間経過後は所定料金を支払わなければ解錠できないので、長時間の不正利用を抑制できる。
請求項2のコインロッカーシステムによれば、請求項1と同様な効果が得られるとともに、各ロッカー側に料金徴収用の装置を必要としないので、各ロッカーの構成が簡単になる。
次に、本発明のコインロッカーシステムの実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態のコインロッカーシステムの外観正面図である。このシステムは集中制御装置10とその両側にそれぞれ複数のロッカーボックス20を配置したものである。集中制御装置10の内部には、制御部10a、硬貨の識別を行う検銭機10bが配設されている。また、集中制御装置10のパネル面には、LCD表示器からなる料金表示部10c、非接触ICタグを内蔵した後述の利用者キーKからの電波を受信するキーID読取部10d、検銭機10bに硬貨を投入するための硬貨投入口10e、及び検銭機10bから硬貨を返却するための硬貨返却口10f、及び硬貨返却レバー10gが配設されている。また、各ロッカーボックス20は、ロッカー扉20aの内部に集中制御装置10からの制御信号に基づいてロッカー扉20aを施解錠する後述の錠装置20bを備えている。
図2は集中制御装置1の要部ブロック図である。制御部10aはマイクロコンピュータで構成されており、検銭機10b、料金表示部10c、キーID読取部10d、各ロッカーの錠装置20bが接続されている。各錠装置20bは後述のLED表示器2c、ソレノイド型のアクチュエータ15及び施解錠検出スイッチ22を備えている。そして、制御部10aは後述のフローチャートで示す制御プログラムに基づいて各錠装置20bの管理を行い、施解錠検出スイッチ22の状態を監視し、LED表示器2cの点灯制御とアクチュエータ15への通電制御を行う。また、制御部10aは内部にタイマを備えており、このタイマにより各錠装置20bにおける利用時間を監視する。
図4は実施形態における錠装置20bの待機状態の縦断面図、図5は図4のA−A矢視断面図、図6は同錠装置20bの硬貨投入状態(施錠準備完了状態)の縦断面図、図7は図6のA−A矢視断面図、図8は同錠装置20bの超過利用時の縦断面図、図9は同錠装置20bの正面図である。なお、各図において要部以外は適宜図示を省略してある。
この錠装置20bは、機枠1の前面に組付られる前壁2に硬貨投入口2a、硬貨払出口2b、表示用のLED表示器2cが設けられ、機枠1の内側には側板1aと平行な内枠3が設けられ、この内枠3と側板1aとの間に硬貨通路A(図5)が形成されている。内枠3には昇降レバー4が昇降可能に設けられ、この昇降レバー4はバネ41により下方に付勢されている。昇降レバー4にはピン4aとピン4bとが設けられ、ピン4aは硬貨通路Aに突出し、ピン4bには駆動レバー5が枢着される。この駆動レバー5の一端には硬貨通路Aに突出するピン5aが設けられ、この駆動レバー5の自由端側上部に摺動切欠5bが形成されている。駆動レバー5の近傍には、中間部をピン61によって内枠3に枢着された硬貨選択レバー6が配設されており、駆動レバー5の摺動切欠5bの上方位置にピン6aが取り付けられている。また、硬貨選択レバー6の昇降レバー4側には硬貨通路Aに突出するピン6bが設けられる。また、硬貨選択レバー6の後端側には下方に湾曲したストップアーム6cが形成されている。
内枠3の中間部にはピン71によって枢着された回転阻止レバー7が配設されており、この回転阻止レバー7はピン71を軸にして軸支されている。回転阻止レバー7の上端には折曲されて折曲片7aが形成されるとともに、下端には折曲されて折曲片7bが形成されている。そして、この回転阻止レバー7は、自重により反時計方向に付勢され、図4の状態にある。回転阻止レバー7は、硬貨通路Aに突出する係合ピン7cを有し、硬貨通路Aを通過する硬貨は、後述する落下阻止板21によって阻止され、係合ピン7cを押動する。そして、図6に示したように、投入された硬貨Cにより係合ピン7cを下方に押圧され、回転阻止レバー7は自重の付勢力に抗して時計方向に回動する。
以上の構成により、硬貨投入口2aに硬貨Cを投入すると、硬貨Cが昇降レバー4の硬貨通路Aに突出したピン4aと駆動レバー5のピン5aに当たり、昇降レバー4が上昇する。これにより、駆動レバー5が反時計方向に回動して、摺動切欠5bがピン6aに当接して硬貨選択レバー6の片側を押し上げ、硬貨選択レバー6が時計方向に回動してピン6bが硬貨通路A内を上昇して硬貨Cの通過を許容する。しかし、硬貨Cが規定径よりも小さい場合には、昇降レバー4のピン4aと駆動レバー5のピン5aとの間隔が小さくなる。このため、駆動レバー5の回動量が少なく、結果的に硬貨選択レバー6のピン6bの上昇量も小さくなり硬貨Cの通過を阻止する。また、規定径よりも大きい硬貨の投入を阻止する図示しない邪魔板が設けられている。これにより、規定径よりも大きい硬貨や小さい硬貨の通過を禁止する。また、硬貨Cが投入され、回転阻止レバー7が回動されると、その上端の折曲片7aが硬貨選択レバー6のストップアーム6cの直下に位置するようになり、硬貨選択レバー6の時計回りの回転が阻止される。これにより、硬貨の投入が阻止される。
機枠1及び内枠3の下部には、機枠1を貫通してシリンダ錠8が配設されている。このシリンダ錠8のロータには、急速反転レバー9の中央部が嵌着されており、この急速反転レバー9はシリンダ錠8に差し込んだキーKと共に回動する。なお、急速反転レバー9は、バネ91及びリンク92により、その中間位置を境にしてその中間位置から離れる方向に付勢される。急速反転レバー9は下端に折曲片9bを有し、折曲片9bは、硬貨排出規制片11の溝11aに挿入される。硬貨排出規制片11は、中央部を機枠1に枢着され、溝11aの反対側に阻止片11bが設けられている。
硬貨Cを投入する前は、回転阻止レバー7の下端の折曲片7bが急速反転レバー9の回動軌跡内に突出し、急速反転レバー9の回動を阻止しているため、施錠不能である。硬貨Cが投入されて落下阻止板21に係止されたとき、硬貨Cがピン7cを押圧して回転阻止レバー7を時計方向に回動した状態に保持するため、折曲片7bが急速反転レバー9の回動軌跡より退避した状態に保たれ、施錠が可能になる。また、急速反転レバー9が施錠位置にあるとき硬貨排出規制片11の阻止片11bが硬貨通路Aに突出し、硬貨払出口2bを塞ぐ。急速反転レバー9の上端の回動範囲にはマイクロスイッチ型の施解錠検出スイッチ22が固着され、シリンダ錠8の施錠及び解錠と共に回動する急速反転レバー9の動きが施解錠検出スイッチ22によるリンク92の検出により検知されるようになっている。
シリンダ錠8には、キーKの差込みによって後方に突出するロッド12が設けられ、ロッド12の端部にはピンによって回転板13が設けられている。回転板13の端部は図示しないピンによって内枠3に枢着されておりその自由端は、ロッド12が後方に突出しているときは内枠3側のピンを支点として落下阻止板21を押圧している。落下阻止板21は、内枠3に設けられた枢着軸21aに一端を枢着され、ばね21bにより枢着軸21aを支点として内枠3から遠ざかる方向に回動付勢され、回転板13に押圧されているときには、内枠3に押し付けられて落下阻止板21に設けられた係合ピン21cの先端が硬貨通路Aに突出し、硬貨Cの落下を阻止している。
施錠方向に回動したキーKはシリンダ錠8より抜取可能となり、キーKを抜き取ると、ロッド12がシリンダ錠8方向に移動し、回転板13は回動してその押圧部が落下阻止板21より離れるので、落下阻止板21が軸21aを支点として回動して内枠3より離れ、係合ピン21cが硬貨通路Aより退き、係合ピン21cに阻止されていた硬貨Cが落下する。落下した硬貨Cは硬貨払出口2bの直前まで移動するが、硬貨排出規制片11の阻止片11bにより排出が阻止され、硬貨Cを錠装置内に保持した状態となる。
急速反転レバー9にはストップピン9aが樹設さており、この急速反転レバー9の近傍には、ピン14aによって内枠3に枢着されるとともに反時計方向に付勢されたストッパ14が配設されている。ストッパ14は自由端部に凹部14bが形成されるとともに、その上部に折曲片14cが形成されている。このストッパ14は、図7に一点鎖線で図示したように時計方向に回動すると、凹部14bが急速反転レバー9のストップピン9aに係合する。すなわち、この状態では、急速反転レバー9は回動が阻止され、キーKによるシリンダ錠8の解錠操作が阻止される。
錠装置内後方にはソレノイド型のアクチュエータ15が設けられ、ソレノイドの心棒15aの先端にレバー16が取り付けられ、このレバー16の近傍には軸17aによって内枠3に枢着されたリンク17が配設されている。このリンク17のレバー16側端部の係合凹部17bが、レバー16の凸部のピン16aと係合している。また、リンク17の端部の凸部17cは前記ストッパ14の折曲片14cの上部に位置している。錠装置の下部には硬貨Cが転がり可能な溝状の部材で形成されたシュート19が配設されている。
以上の構成により、アクチュエータ15のコイルに通電がなされると、心棒15aとレバー16が上昇し、リンク17が反時計方向に回動し、その凸部17cがストッパ14の折曲片14cを押し下げ、このストッパ14の凹部14bが急速反転レバー9のストップピン9aに係合して、前記のようにシリンダ錠8における解錠操作が阻止される。また、アクチュエータ15への通電が遮断されると、レバー16が下降し、リンク17の凸部17cが上昇し、ストッパ14が図7において反時計方向に回動してその凹部14bが急速反転レバー9のストップピン9aから外れる。したがって、急速反転レバー9が回動可能となり、キーKによるシリンダ錠8の解錠操作が可能となる。
以上のようにして各状態の変化は次のようになる。先ず、待機状態(使用可能状態)では、キーKはシリンダ錠8に挿入された状態で、シリンダ錠8は解錠状態、かつ施錠操作不能の状態となっている。これによりキーKはシリンダ錠8から抜き取り不能状態であり、かつ、ロッカー装置のドアは開閉自在となっている。硬貨を投入すると、さらなる硬貨の投入が阻止されるとともに、キーKによるシリンダ錠8の施錠操作が可能となる。シリンダ錠8を施錠し、キーKをシリンダ錠8から抜き取ると、硬貨Cが落下阻止板21から落下して硬貨排出規制片11により硬貨Cを錠装置内に保持した状態となる。これでロッカー装置の使用が開始されることとなるが、施解錠検出スイッチ22で施錠が検出されたことにより後述のタイマが起動される。そして、タイマによる設定時間以内であれば、キーKによりシリンダ錠8は解錠が可能である。なお、解錠すると急速反転レバー9により硬貨排出規制片11が解除されるので、使用開始時に投入した硬貨は硬貨払出口2bから返却される。
一方、施錠状態のままタイマが設定時間を計時してタイムアップすると、アクチュエータ15に通電がなされて、シリンダ錠8における解錠操作が不能となる。そして、集中制御装置10で所定料金を支払うと、この集中制御装置10の制御でアクチュエータ15の通電が遮断され、シリンダ錠8の解錠操作が可能となる。
図3は制御部10aにおける制御プログラムのフローチャートであり、同フローチャートを参照しながら動作を説明する。図3(A) はタイマ割り込みより各錠装置20bについて行う処理であり、図3(B) はメイン処理である。先に、タイマ割込み処理から説明する。以下の説明では一つの錠装置について説明するが、各錠装置毎に同様の処理を行う。ステップS1で施解錠検出スイッチ22の状態を判定し、OFFであれば、ステップS2でタイマによる計時をリセットして元のルーチンに復帰する。ONであれば、ステップS3でタイマによる計時を行い、ステップS4で所定時間の計時を終了してタイムアップしたかを判定し、タイムアップしていなければ元のルーチンに復帰する。タイムアップしていれば、ステップS5でアクチュエータ15に通電して作動させ、ステップS6でLED表示器2cを点灯し、元のルーチンに復帰する。これにより、超過料金モードであることがLED表示器2cの点灯状態により表示される。
図3(B) のメイン処理では、先ず、ステップS11で、初期設定として各錠装置20bのアクチュエータ15への非通電の確認(アクチュエータ復帰)の動作を行う。次に、ステップS12で、キーID読取部10dでキーIDが検出されるかを監視する。キーIDが検出されれば、ステップS13で、検出されたキーIDに対応する錠装置20bは時間超過(タイムアップ)しているかを判定し、時間超過でなければステップS12に戻る。時間超過であれば、ステップS14で超過料金を表示し、料金を投入(支払い)を依頼する表示を行い、ステップS15に進む。ステップS15ではタイマーをスタートさせ、ステップS16及びステップS17で満額の料金が投入されるのを監視し、満額の料金が投入されずに所定時間経過するとステップS18で投入金があれば返却してステップS12に戻る。所定時間内に満額の料金が投入されると、ステップS19で対応する錠装置のアクチュエータ15を復帰(通電を遮断)し、ステップS20で対応する錠装置のLED表示器2cを消灯し、ステップS12に戻る。
以上の処理により、時間超過の場合には所定の超過料金を集中制御装置1で支払うことで、対応するロッカーの錠装置20bがキーKにより解錠可能となり、この解錠操作により錠装置20b内の硬貨は返却される。また、時間超過でない場合には、アクチュエータ15が復帰(非通電)されているので、錠装置20での利用者キーKによる解錠操作は自由に行うことができ、硬貨が返却されて無料サービスとなる。
本発明の実施形態のコインロッカーシステムの外観正面図である。 実施形態における集中制御装置の要部ブロック図である。 実施形態における制御プログラムのフローチャートである。 実施形態における錠装置の待機状態の縦断面図である。 図4のA−A矢視断面図である。 同錠装置の硬貨投入状態の縦断面図である。 図6のA−A矢視断面図である。 同錠装置の超過利用時の縦断面図である。 同錠装置の正面図である。
符号の説明
10 集中制御装置
20 ロッカーボックス
20b 錠装置

Claims (2)

  1. 複数のロッカーと、
    硬貨の投入により前記ロッカーを施錠可能とするとともに、投入された硬貨を装置内に保持する硬貨保持機構と、解錠操作により該硬貨保持機構に保持された硬貨を排出する硬貨排出機構とを有する錠装置と、
    前記錠装置を制御する制御部とを備えたコインロッカーシステムであって、
    前記ロッカーの使用開始から予め設定された所定の設定時間内は前記錠装置における硬貨排出機構を有効にし、硬貨排出機構から硬貨を返却し、該設定時間経過後は解錠操作を無効にし、該無効状態で所定料金の支払いが検出されると解錠操作を有効にし、該硬貨排出機構より硬貨を返却する、ようにしたことを特徴とするコインロッカーシステム。
  2. 前記制御部が前記複数のロッカーの各錠装置を集中制御する中央制御装置であり、該中央制御装置において前記無効状態での所定料金の支払いを行えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のコインロッカーシステム。
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