JP2004033563A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パチンコ機101は、外枠102と、該外枠102の前部に設けられ外枠102の一側部にて開閉可能に支持された前面枠103とを備えている。前面枠103の前面側にはガラス扉枠104が設けられている。前面枠103には、遊技盤105が着脱可能に装着されている。前面枠103の前面側には外部操作可能なシリンダ錠7が設けられている。シリンダ錠7は、所定の解錠操作とは別の操作を行う別操作部を備えている。少なくとも該別操作部の操作に基づいて、施錠状態の解除とは別の状態が導出されるよう構成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、遊技機の一種として、遊技盤面上における遊技球の挙動に起因して種々の遊技状態が導出されるパチンコ機等の遊技機が知られている。このような遊技機は、外枠と、その前部に設けられた前面枠とを備えている。前面枠は外枠の一側部にて開閉可能に支持されており、該前面枠には遊技盤が装着されている。前面枠の前面側には、その一側部にて扉体が開閉可能に支持されている。
【0003】
扉体のうち支持部とは反対側の側部には切欠きが形成されており、そこは前面枠の一部が露出している。該露出部分に対応して、シリンダ錠が設けられている。シリンダ錠は、前面枠の側部に沿って縦方向に装着された施錠装置に設けられている。施錠装置は、外枠に対する前面枠の施錠・解錠を行うための機構と、前面枠に対する扉体の施錠・解錠を行うための機構とを備えている。
【0004】
そして、前面枠及び扉体の閉鎖状態にあっては、シリンダ錠の鍵穴にキーが差し込まれた状態で、キーが一方へ回動操作されることにより、外枠に対する前面枠の施錠状態が解除され、前面枠が開放可能となる。また、キーが他方へ回動操作されることにより、前面枠に対する扉体の施錠状態が解除され、扉体が開放可能となる。
【0005】
このように、従来の遊技機におけるシリンダ錠は、単に回動操作のみが許容されているに過ぎない。すなわち、時計方向又は半時計方向への各回動操作によって、2通りの状態、例えばパチンコ機にあっては、前面枠の解錠状態、及び、扉体の解錠状態しか導出できなかった。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、所定の解錠操作により、開閉可能に支持された枠体の施錠状態を解除するための解錠操作手段を備えた遊技機において、解錠操作手段の有効活用を図ることができ、ひいては、省スペース化を図ることの可能な遊技機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記の目的を達成するために有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用効果等についても説明する。
【0008】
手段1.所定の解錠操作により、開閉可能に支持された開閉体の施錠状態を解除するための解錠操作手段を備えた遊技機であって、
前記解錠操作手段は、所定の解錠操作とは別の操作を行う別操作部を備え、少なくとも該別操作部の操作に基づいて、前記施錠状態の解除とは別の状態が導出されるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0009】
手段1によれば、解錠操作手段に関する所定の解錠操作により、開閉可能に支持された開閉体の施錠状態が解除される。かかる遊技機にあって、少なくとも解錠操作手段の別操作部の操作に基づいて、施錠状態の解除とは別の状態が導出される。このため、解錠操作手段の操作に関し、別の状態を導出させるという、従来にはなかった機能を付与せしめることができ、解錠操作手段の有効活用を図ることができる。しかも、別の状態を導出するための操作手段を、解錠操作手段とは切り離して別途設けなくてもよいという点で、省スペース化を図ることができる。
【0010】
手段2.所定の解錠操作により、開閉可能に支持された開閉体の施錠状態を解除するための解錠操作手段を備えた遊技機であって、
前記解錠操作手段は、所定の解錠操作とは別の操作を行う別操作部を備え、該別操作部の操作と、前記所定の解錠操作と同様の操作とに基づいて、前記施錠状態の解除とは別の状態が導出されるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0011】
手段2によれば、解錠操作手段に関する所定の解錠操作により、開閉可能に支持された開閉体の施錠状態が解除される。かかる遊技機にあって、解錠操作手段の別操作部の操作と、所定の解錠操作と同様の操作とに基づいて、施錠状態の解除とは別の状態が導出される。このため、解錠操作手段の操作に関し、別の状態を導出させるという、従来にはなかった機能を付与せしめることができ、解錠操作手段の有効活用を図ることができる。しかも、別の状態を導出するための操作手段を、解錠操作手段とは切り離して別途設けなくてもよいという点で、構造の複雑化を防止することができ、省スペース化を図ることができる。さらに、少なくとも所定の解錠操作と同様の操作に基づいて、別の状態が導出されることから、誤った操作が行われにくい。結果として操作性の向上が図られる。
【0012】
手段3.第1の回動操作により、開閉可能に支持された開閉体の施錠状態を解除し、第2の回動操作により、開閉可能に支持された別の開閉体の施錠状態を解除するための解錠操作手段を備えた遊技機であって、
前記解錠操作手段は、前記回動操作とは別の操作を行う別操作部を備え、該別操作部の操作と、前記いずれかの回動操作とに基づいて、前記施錠状態の解除とは別の状態が導出されるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0013】
手段3によれば、解錠操作手段に関する第1の回動操作により、開閉可能に支持された開閉体の施錠状態が解除され、第2の回動操作(例えば第1の方向への回動操作とは逆の第2の方向への回動操作)により、開閉可能に支持された別の開閉体の施錠状態が解除される。かかる遊技機にあって、解錠操作手段の別操作部の操作と、回動操作とに基づいて、施錠状態の解除とは別の状態が導出される。このため、解錠操作手段の操作に関し、別の状態を導出させるという、従来にはなかった機能を付与せしめることができ、解錠操作手段の有効活用を図ることができる。しかも、別の状態を導出するための操作手段を、解錠操作手段とは切り離して別途設けなくてもよいという点で、構造の複雑化を防止することができ、省スペース化を図ることができる。
【0014】
手段4.前記別の状態は、所定のリセット状態であることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
【0015】
手段4によれば、解錠操作手段の操作に関し、所定のリセット状態とするといった、従来にはなかったリセット機能を付与せしめることができ、解錠操作手段の有効活用を図ることができる。しかも、リセット状態を導出するための操作手段を、解錠操作手段とは切り離して別途設けなくてもよいという点で、構造の複雑化を防止することができ、省スペース化を図ることができる。
【0016】
手段5.前記別の状態は、所定の異常状態の教示解除状態であることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
【0017】
手段5によれば、解錠操作手段の操作に関し、所定の異常状態の教示を解除するといった、従来にはなかった教示解除機能を付与せしめることができ、解錠操作手段の有効活用を図ることができる。しかも、教示解除状態を導出するための操作手段を、解錠操作手段とは切り離して別途設けなくてもよいという点で、構造の複雑化を防止することができ、省スペース化を図ることができる。
【0018】
手段6.前記所定の異常状態は、
所定の復帰条件が成立することで通常の遊技状態に自動復帰可能な第1の異常状態と、
所定の修復又は部品交換を必要とし、当該修復又は部品交換後にリセット手段によるリセット操作を行うことで通常の遊技状態に復帰可能な第2の異常状態と、
前記第1の異常状態及び第2の異常状態以外の異常状態であって、少なくとも所定の教示を必要とする第3の異常状態と
のうちの、少なくとも前記第3の異常状態であることを特徴とする手段5に記載の遊技機。
【0019】
手段6によれば、第1の異常状態が発生した場合、所定の復帰条件が成立することで通常の遊技状態に自動復帰させられる。また、第2の異常状態が発生した場合、所定の修復又は部品交換が行われ、当該修復又は部品交換後にリセット手段によるリセット操作を行うことで通常の遊技状態に復帰させられる。さて、第1の異常状態及び第2の異常状態以外の異常状態であって、少なくとも所定の教示が必要とされる第3の異常状態が発生した場合、解錠操作手段に関し、別操作部の操作を伴った操作が行われることで、第1、第2の状態とは全く異種の第3の異常状態の報知が解除される。このため、かかる解除によりいつまでも報知が継続されることによる不具合、例えばその後何回か第3の異常状態が発生しても把握されない等の不具合を回避できる。
【0020】
なお、「第1の異常状態」としては、例えば遊技媒体を貯留するためのタンク内に遊技媒体が不足している場合、遊技媒体通路が詰まっているような場合等が挙げられ、「復帰条件」としては、例えば上記場合にあっては、遊技媒体が補填されること、詰まりが解消すること等が挙げられる。ここで、「所定の復帰条件」とあるのは、第1の異常状態が教示されている場合において遊技場関係者等により、その教示が解除されるような操作が行われることは含まない趣旨である。かかる意味から、「所定の復帰条件」に代えて、「異常教示の解除とは別の(又は異なる)所定の復帰条件」としてもよい。また、「第2の異常状態」としては、部品、部材、装置の故障等が挙げられ、「修復又は部品交換」としては、前記部品交換、取出、修理等が挙げられる。さらに、「リセット手段によるリセット操作を行うことで」、電源投入時のようにデータが初期化されることが含まれることとしてもよい。
【0021】
手段7.前記別操作部の操作に基づく所定の操作が行われたことを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記別の状態が導出されるよう所定の制御対象を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
【0022】
手段7によれば、制御手段では、前記検出手段の検出結果に基づき所定の制御対象が制御され、別の状態とされる。なお、「前記所定の操作」とあるのは、特に手段2にあっては「前記所定の解錠操作と同様の操作」を主として指すものであり、手段3にあっては「前記回動操作」を主として指すものである。また、、「前記検出手段を前記操作手段近傍に設けたこと」としてもよい。また、「前記検出手段を前記操作手段に付設したこと」、或いは、「前記検出手段を前記操作手段と一体的に設けたこと」としてもよい。これらの場合には、一層の省スペース化を図ることができる。
【0023】
手段8.前記解錠操作手段は、キーが鍵穴に差し込まれた状態で回動される錠軸と、錠軸に設けられた可動板とを備え、前記可動板の回動に基づいて前記開閉体の施錠状態が解除されるよう構成されていることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
【0024】
手段8によれば、キーが鍵穴に差し込まれた状態で錠軸が回動され、それに伴って、錠軸に設けられた可動板が回動する。この可動板の回動に基づいて開閉体の施錠状態が解除される。
【0025】
手段9.前記別操作部は、前記錠軸と平行又は略平行にスライド可能に設けられた押圧ボタンであることを特徴とする手段8に記載の遊技機。
【0026】
手段9によれば、回動等の操作とは異なった、押圧ボタンの押圧という操作に基づいて別の状態が導出される。従って、操作を比較的容易に行うことができる。なお、「前記押圧ボタンは、常には前面側に突出していること」としてもよいし、「前記押圧ボタンは、常には非突出状態となっていること」としてもよい。前者の場合には、押圧操作を行いやすいというメリットがある。また、後者の場合には、押圧ボタンが目立ちにくく、遊技者によりいたずらに操作されたりしにくいというメリットがある。
【0027】
手段10.前記押圧ボタンの押圧操作に伴って、前記可動板が前記錠軸に対し離間方向へスライドさせられ、前記押圧ボタンの押圧解除に伴って、前記可動板が前記錠軸に対し近接方向へスライドさせられるよう構成されていることを特徴とする手段9に記載の遊技機。
【0028】
手段10によれば、押圧ボタンの押圧操作に伴って、可動板が錠軸に対し離間方向へスライドさせられる。従って、かかるスライド状態にある可動板に関し、施錠状態の解除とは別の作用を導出させることができる。また、押圧ボタンの押圧解除に伴って、可動板が前記錠軸に対し近接方向へスライドさせられるため、オペレータは何ら困難性を伴うことなく容易に元の状態へと復帰させることができる。
【0029】
手段11.外形を画定する外枠と、
前記外枠の一側部にて開閉可能に支持され、遊技盤が装着されてなる前面枠と、
前記前面枠の前面側において、その一側部にて開閉可能に設けられた透明部材扉体と
を備えた遊技機であって、
前記外枠に対し前記前面枠を施錠するための第1施錠機構と、
前記前面枠に対し前記透明部材扉枠を施錠するための第2施錠機構と、
第1の回動操作が行われることで前記第1施錠機構が解錠状態となり、第2の回動操作が行われることで前記第2施錠機構が解錠状態となるよう構成された解錠操作手段とを具備し、
前記解錠操作手段は、前記回動操作とは別の操作を行う別操作部を備え、該別操作部の操作と、前記いずれかの回動操作とに基づいて、前記解錠状態とは別の状態が導出されるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0030】
手段11によれば、外枠に対し前面枠が第1施錠機構にて施錠される。前面枠に対し透明部材扉枠が第2施錠機構にて施錠される。また、解錠操作手段に関し、第1の回動操作が行われることで第1施錠機構が解錠状態となり、第2の回動操作(例えば第1の方向への回動操作とは反対の第2の方向への回動操作)が行われることで第2施錠機構が解錠状態となる。さらに、解錠操作手段の別操作部の操作と、前記いずれかの回動操作とが行われることに基づいて、前記解錠とは別の状態が導出される。このため、解錠操作手段の操作に関し、別の状態を導出させるという、従来にはなかった機能を付与せしめることができ、解錠操作手段の有効活用を図ることができる。しかも、別の状態を導出するための操作手段を、解錠操作手段とは切り離して別途設けなくてもよいという点で、構造の複雑化を防止することができ、省スペース化を図ることができる。
【0031】
手段12.前記第1施錠機構及び第2施錠機構は、1の施錠装置として一体化されていることを特徴とする手段11に記載の遊技機。
【0032】
手段12によれば、第1施錠機構及び第2施錠機構が1の施錠装置として一体化されているため、より一層の省スペース化を図ることができる。
【0033】
手段13.前記解錠操作手段は、前記施錠装置に装着されていることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0034】
手段13によれば、操作手段が施錠装置に装着されることで、ユニット化が図られ、さらなる省スペース化を図ることができる。
【0035】
手段14.前記別の状態は、所定のリセット状態であることを特徴とする手段11乃至13のいずれかに記載の遊技機。
【0036】
手段14によれば、解錠操作手段の操作に関し、所定のリセット状態とするといった、従来にはなかったリセット機能を付与せしめることができ、解錠操作手段の有効活用を図ることができる。しかも、リセット状態を導出するための操作手段を、解錠操作手段とは切り離して別途設けなくてもよいという点で、構造の複雑化を防止することができ、省スペース化を図ることができる。
【0037】
手段15.前記別の状態は、所定の異常状態の教示解除状態であることを特徴とする手段11乃至14のいずれかに記載の遊技機。
【0038】
手段15によれば、解錠操作手段の操作に関し、所定の異常状態の教示を解除するといった、従来にはなかった教示解除機能を付与せしめることができ、解錠操作手段の有効活用を図ることができる。しかも、教示解除状態を導出するための操作手段を、解錠操作手段とは切り離して別途設けなくてもよいという点で、構造の複雑化を防止することができ、省スペース化を図ることができる。
【0039】
手段16.前記所定の異常状態は、
所定の復帰条件が成立することで通常の遊技状態に自動復帰可能な第1の異常状態と、
所定の修復又は部品交換を必要とし、当該修復又は部品交換後にリセット手段によるリセット操作を行うことで通常の遊技状態に復帰可能な第2の異常状態と、
前記第1の異常状態及び第2の異常状態以外の異常状態であって、少なくとも所定の教示を必要とする第3の異常状態と
のうちの、少なくとも前記第3の異常状態であることを特徴とする手段15に記載の遊技機。
【0040】
手段16によれば、第1の異常状態が発生した場合、所定の復帰条件が成立することで通常の遊技状態に自動復帰させられる。また、第2の異常状態が発生した場合、所定の修復又は部品交換が行われ、当該修復又は部品交換後にリセット手段によるリセット操作を行うことで通常の遊技状態に復帰させられる。さて、第1の異常状態及び第2の異常状態以外の異常状態であって、少なくとも所定の教示が必要とされる第3の異常状態が発生した場合、解錠操作手段に関し、別操作部の操作を伴った操作が行われることで、第1、第2の状態とは全く異種の第3の異常状態の報知が解除される。このため、かかる解除によりいつまでも報知が継続されることによる不具合、例えばその後何回か第3の異常状態が発生しても把握されない等の不具合を回避できる。
【0041】
手段17.前記別操作部の操作が行われた上で前記回動操作が行われたことを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記別の状態が導出されるよう所定の制御対象を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする手段11乃至16のいずれかに記載の遊技機。
【0042】
手段17によれば、制御手段では、前記検出手段の検出結果に基づき所定の制御対象が制御され別の状態とされる。
【0043】
手段18.前記解錠操作手段は、キーが鍵穴に差し込まれた状態で回動される錠軸と、錠軸に設けられた可動板とを備え、前記可動板の一の方向への回動に基づいて前記前面枠の施錠状態が解除され、他の方向への回動に基づいて前記透明部材扉枠の施錠状態が解除されるよう構成されていることを特徴とする手段11乃至17のいずれかに記載の遊技機。
【0044】
手段18によれば、キーが鍵穴に差し込まれた状態で錠軸が回動され、それに伴って、錠軸に設けられた可動板が回動する。この可動板の一の方向への回動に基づいて前面枠の施錠状態が解除され、他の方向への回動に基づいて透明部材扉枠の施錠状態が解除される。
【0045】
手段19.前記別操作部は、前記錠軸と平行又は略平行にスライド可能に設けられた押圧ボタンであることを特徴とする手段18に記載の遊技機。
【0046】
手段19によれば、回動等の操作とは異なった、押圧ボタンの押圧という操作に基づいて別の状態が導出される。従って、操作を比較的容易に行うことができる。
【0047】
手段20.前記押圧ボタンの押圧操作に伴って、前記可動板が前記錠軸に対し離間方向へスライドさせられ、前記押圧ボタンの押圧解除に伴って、前記可動板が前記錠軸に対し近接方向へスライドさせられるよう構成されていることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
【0048】
手段20によれば、押圧ボタンの押圧操作に伴って、可動板が錠軸に対し離間方向へスライドさせられる。従って、かかるスライド状態にある可動板に関し、施錠状態の解除とは別の作用を導出させることができる。また、押圧ボタンの押圧解除に伴って、可動板が前記錠軸に対し近接方向へスライドさせられるため、オペレータは何ら困難性を伴うことなく容易に元の状態へと復帰させることができる。
【0049】
手段21.手段1乃至20のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ遊技機であること。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては、操作ハンドルを備えていてそのハンドル操作に応じて遊技球を所定の遊技領域に発射させ、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配置された作動口に入賞することを必要条件として可変表示装置の表示部において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止表示されることが挙げられる。また、特別遊技状態発生時には遊技領域内の所定の位置に配置された可変入賞装置が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球等のみならず、磁気カードへの書き込み等も含む)が付与されることが挙げられる。なお、この場合、開閉体は、前面枠、或いは、透明部材扉枠によって主として構成される。
【0050】
手段22.手段1乃至20のいずれかにおいて、遊技機は回胴式遊技機であること。ここで、回胴式遊技機の構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備えた回胴式遊技機」となる。なお、回胴式遊技機にあっては、前記リール等を具備する可変表示手段を可変表示装置として捉えてもよいし、前記リールとは別途設けられ、前記識別情報に対応する(疑似的な対応であってもよい)識別情報を表示可能な表示装置(例えば液晶表示装置)をここにいう可変表示装置として捉えてもよい。なお、この場合、開閉体は、本体ボックスに対し開閉可能に支持された前面扉によって構成される。
【0051】
手段23.手段1乃至20のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機であること。中でも、前記融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として遊技球を使用するとともに、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の遊技球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの遊技球が払い出されるよう構成されてなる遊技機」となる。なお、かかる遊技機にあっては、前記リール等を具備する可変表示手段を可変表示装置として捉えてもよいし、前記リールとは別途設けられ、前記識別情報に対応する(疑似的な対応であってもよい)識別情報を表示可能な表示装置(例えば液晶表示装置)をここにいう可変表示装置として捉えてもよい。なお、この場合、開閉体は、前面枠、或いは、透明部材扉体によって主として構成される。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0053】
図1に示すように、パチンコ機101は、外枠102と、該外枠102の前部に設けられ外枠102の一側部にて開閉可能に支持された開閉体を構成する前面枠103とを備えている。
【0054】
前面枠103の前面側には、開閉体、透明部材扉体、透明部材扉枠としてのガラス扉枠104が設けられている。前面枠103の後部(ガラス扉枠104の奥、外枠102の内側)には、遊技盤105が着脱可能に装着されている。
【0055】
ガラス扉枠104の下方には、遊技球Bを貯留するための上皿106の一体形成された前飾り枠109が設けられている。また、前面枠103の前面下部には、左右方向ほぼ中央部において下皿107が設けられている。下皿107の側部には、遊技球発射用ハンドル108が設けられている。ハンドル108は図示しない遊技球発射装置に連結されており、遊技者がハンドル108を回転させることにより、遊技球Bが遊技球発射装置から発射される。
【0056】
遊技盤105には、ルータ加工が施されることによって複数の開口部が形成されており、各開口部には、普通入賞チャッカー111、可変入賞装置112、作動チャッカー113、可変表示装置114、スルーチャッカー115等が配設されている。
【0057】
遊技盤105の一側部には、遊技球発射装置によって発射される遊技球Bを遊技盤105の上部に案内する内レール116a及び外レール116bが設けられている。内レール116aの下端部付近において、遊技盤105には遊技球Bを導出するアウト口117が形成されている。そして、遊技盤105の下部に流下した遊技球Bの多くは、このアウト口117を通って図示しない球排出路へと案内される。本実施の形態では、遊技盤105のうち内レール116a及び外レール116bによって囲まれ、可変表示装置114等が配設された部分が、遊技球Bが流下可能な遊技領域となっている。
【0058】
可変表示装置114は、液晶表示部120と、該液晶表示部120を囲むように設けられたセンターフレーム121とを備えている。液晶表示部120には、例えば左図柄列、中図柄列及び右図柄列の3つの表示列が表示される。各図柄列は識別情報としての複数の図柄によって構成されており、これら図柄が各図柄列毎にスクロールするように可変表示される。
【0059】
より詳しくは、可変表示装置114の下方に設けられた作動チャッカー113に遊技球Bが入賞することに基づいて、可変表示装置114の液晶表示部120の図柄が可変表示される。そして、停止された図柄の組合せが予め設定した特定の組合せとなった場合には特別遊技価値が付与される。すなわち、大当たり状態が発生し、可変入賞装置112の大入賞口が所定の開放状態となり(具体的には所定時間、所定回数だけ開く)、遊技球Bが入賞しやすい状態になる。なお、可変入賞装置112は、通常、遊技球Bが入賞できない状態又は入賞し難い状態になっている。
【0060】
また、周知のとおり、遊技盤105の裏側には図示しない裏セット機構が設けられている。裏セット機構は、遊技球Bを貯留するための球タンクをはじめ、タンクレール、払出通路、及び、該払出通路の途中に設けられ、モータ等を具備してなる払出装置等を備えている。前記普通入賞チャッカー111、可変入賞装置112、作動チャッカー113に遊技球Bが入賞することに基づいて、遊技盤105の裏面側に設けられた払出制御装置(払出制御基板)によって、モータ等(払出装置)が駆動制御され、上皿106又は下皿107に対し所定数の景品球(遊技球B)が払い出される。また、遊技盤5には、遊技球Bの流下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0061】
さらに、前記ガラス扉枠104の前面側の一側部には、エラー表示器122が配設されている。このエラー表示器122は、後述するシリンダ錠7の近傍に設けられているものであって、予め定められた数字、文字、又は記号がセグメント表示可能となっている。
【0062】
さて、本実施の形態では、外枠102に対する前面枠103の閉鎖状態において、前面枠103をロック状態に維持するための施錠機構(第1施錠機構)が設けられている。また、前面枠103に対するガラス扉枠104の閉鎖状態において、前記ガラス扉枠104をロック状態に維持するための施錠機構(第2施錠機構)が設けられている。本実施の形態では、両施錠機構は1つの施錠装置で兼用(一体化)されるようになっている。そして、前面枠103の右側部に設けられたシリンダ錠7への所定のキー操作によって前記各ロック状態が解除されるようになっている。
【0063】
ここで、本実施の形態の施錠装置の構成について図2乃至図9を参照して説明する。図2は施錠装置の正面図を、図3はその背面図を示し、図4はその右側面図を、図5はその左側面図を各々示している。さらに、図6は施錠装置の分解背面図を、図7は施錠装置の分解右側面図を、図8はガラス扉枠の解錠時の状態を表す背面図を、図9は使用状態を示す右側面図をそれぞれ示している。施錠装置を構成する縦長の基枠1は、取付板2と支持板3とを備えており、これらが一体となって断面略L字状をなしている。本実施の形態の施錠装置は、その取付板2が前面枠103の内側に縦方向に取付けられている(図9参照)。
【0064】
前記取付板2には複数の取付孔が穿設され、さらにその上部と下部に、矩形状の挿入孔14,15が形成されている。該挿入孔14,15には、ガラス扉枠104の閉時において後述するガラス扉枠鉤部26,27が進入するようになっている。また、その挿入孔14,15の下側の取付板2上には、後述のガラス扉枠施錠部材10,11の摺動をガイドするためのガイドピン2a,2bが取付けられている。
【0065】
支持板3の内側には、摺動杆6が上下に摺動可能に配設されている。基枠1の上部及び下部に設けられた鉤部材4,5は、前記摺動杆6が上方へ移動したときのみ連動して摺動させられるようになっている。なお、前記外枠102の内側には、鉤部材4,5に対応するようにして、受け金具24,25が固定されている。摺動杆6は、金属板により帯状に形成されている。摺動杆6の上部及び下部にはガイド孔6e,6fが設けられ、中間部には手動操作用の操作部6gが突設され、下部のガイド孔6fの上方には、後述の可動板としてのカム板8が係合可能な2個の矩形状の係合部6c,6dが形成されている。前面枠103を解錠する際に、シリンダ錠7に関し時計方向にキー操作したとき、後述するカム板8の第一係合凸部8aが係合部6dに係合する。また、ガラス扉枠104を解錠する際に、シリンダ錠7に関し半時計方向にキー操作したとき、カム板8の第二係合凸部8bが係合部6cに係合する。
【0066】
さて、上部と下部の鉤部材4,5は、三角形頭部を有しており、その先端下部が係合部となっている。また、上下の鉤部材4,5には、各々ガイドピン4a,5aが固定されており、各ガイドピン4a,5aは、支持板3の上部と下部に設けられた小判形のガイド孔3a,3bに係合状態で挿通されている。さらに、鉤部材4,5は、支持板3の上部と下部に設けられたガイド部3c,3d(図6参照)にガイドされる。つまり、当該ガイドピン4a,5aとガイド部3c,3dとによって、鉤部材4,5は、所定の範囲で上下に摺動可能に支持されている。
【0067】
さらに、上記ガイドピン4a,5aは上記摺動杆6のガイド孔6e,6fに挿通されており、かつ、鉤部材4,5と取付板2との間にコイルばね9b,9dが掛けられ、鉤部材4,5は常には下方に引っ張られている。また、ガイドピン4a,5aが摺動杆6のガイド孔6e,6fと支持板3のガイド孔3a,3bの各下側縁部に当接している。従って、摺動杆6が上方に摺動するのに伴って、鉤部材4,5も連動して上方へ移動するようになっている。一方で、各々の鉤部材4,5は、独立して上方に移動可能であり、針金などで上下の鉤部材4,5を上方に移動させようとする場合(不正行為が行われる場合)は、両方の鉤部材4,5に針金を引っ掛けて上に引かなければならない。つまり、一方のみの鉤部材4または5を引っ掛けて上に引いただけでは、不正解錠をすることができないように構成されている。
【0068】
また、ガラス扉枠施錠機構を構成するガラス扉枠施錠部材10,11は、図6、図7に示すように、金属板を断面コ字状に折曲げることにより形成されている。ガラス扉枠施錠部材10,11のうち取付板2側の面には矩形状の係止孔12,13が形成され、当該係止孔12,13が取付板2に形成された前記挿入孔14,15に相対するよう配置されている。また、ガラス扉枠施錠部材10,11には、各々ガイド孔10a,10b、11a,11bが設けられ、ガイド孔10a,11aには、摺動杆6の上部及び下部に固定されたガイドピン6a,6bが係合されている。また、ガイド孔10b,11bには、取付板2の上部と下部に固定されたガイドピン2a,2bが係合されている。そして、ガラス扉枠施錠部材10,11と取付板2との間にコイルばね9a,9cが掛けられている。かかる構成下、ガラス扉枠施錠部材10,11は常には上方に引っ張られ、ガイドピン2a,2bがガラス扉枠施錠部材10,11のガイド孔10b,11bの下側縁部に当接し、かつ、ガイドピン6a,6bがガラス扉枠施錠部材10,11のガイド孔10a,11aの下側縁部に当接した状態で停止する。このようなガラス扉枠施錠部材10,11の停止位置において、その係止孔12,13は、取付板2側の挿入孔14,15の上部に相対して位置する。
【0069】
そして、ガラス扉枠104が閉じられるときには、ガラス扉枠104側に設けられたガラス扉枠鉤部26,27がその係止孔12,13に進入する。このとき、ガラス扉枠施錠部材10,11は、その鉤部26,27によって押され、コイルばね9a,9cの引張力に抗して下方に摺動し、その後、前記コイルばね9a,9cの引張力で元の位置に戻り、ガラス扉枠鉤部26,27を係止する。また、ガラス扉枠施錠部材10,11は、解錠時には、摺動杆6の下方への摺動に伴って下方に摺動する。これにより、ガラス扉枠鉤部26,27と係止孔12,13との係合が解除されるようになっている。
【0070】
さらに、取付板2の下部の拡幅部分には、シリンダ錠7を取り付けるための異形孔が形成されていると共に、該異形孔に対応して取付ブラケット部18が形成されている。取付ブラケット部18は、取付板2の一部を切り欠くとともに、上下の切り欠き片をそれぞれ内側に鉤状に折り曲げることにより形成されている。そして、シリンダ錠7は、基枠1の異形孔に挿入された状態で、その先端部分(遊技者からみて後端部分)が取付ブラケット部18に固定されている。より詳しくは、シリンダ錠7は、その先端部分においてフランジ7aを有しており、シリンダ錠7の本体の一部が基枠1の内側に挿入された状態で、フランジ7aが取付ブラケット部18に対しねじ止め固定されている。
【0071】
シリンダ錠7の錠軸33(図10参照)には第一係合凸部8aと第二係合凸部8bとを備えてなるカム板8が固定される。キー操作によってカム板8が図3の反時計方向に回動された場合、カム板8の第一係合凸部8aが摺動杆6の係合部6dに係合し、摺動杆6が上方に摺動させられる。これにより、鉤部材4,5が上方に摺動させられる。このとき、鉤部材4,5と外枠102側の受け金具24,25との係合が解除され、前面枠103が解錠される。従って、上記鉤部材4,5、摺動杆6、カム板8、シリンダ錠7等によって、外枠102に対する前面枠103の施錠・解錠機構が形成されることになる。
【0072】
一方、キー操作によってカム板8が図3の時計方向に回動させられた場合、カム板8の第二係合凸部8bが摺動杆6の係合部6cに係合し、摺動杆6が下方に摺動させられ、ガラス扉枠施錠部材10,11が下方に摺動させられる。このとき、ガラス扉枠施錠部材10,11とガラス扉枠104側のガラス扉枠鉤部26,27との係合が解除され、ガラス扉枠104が解錠される。従って、ガラス扉枠施錠部材10,11、摺動杆6、カム板8、シリンダ錠7等によって、ガラス扉枠104の施錠・解錠機構が形成されることになる。
【0073】
ここで、従来のこの種の施錠装置では、上下のガラス扉枠施錠部材が一体に形成され、比較的大型のものとなっていたが、本施錠装置では、ガラス扉枠施錠部材10,11が別個に小形化されて形成されているとともに、前面枠用解錠機構の摺動杆6に連係して解錠動作が行われるようになっている。このため、施錠装置の軽量化が図れ、構造も著しい簡単なものとなる。
【0074】
なお、摺動杆6における係合部6dの下側には、ストッパ16がカム板8側に突出して設けられている。このストッパ16は、摺動杆6の不正な上方摺動を防止するもので、施錠状態において、摺動杆6が上方に針金などで不正に移動させられたとき、図3,4の通常位置にあるカム板8の第一係合凸部8aにストッパ16が当接し、摺動杆6と鉤部材4,5とがその解錠位置まで移動することが阻止されるようになっている。
【0075】
続いて、本実施の形態のシリンダ錠7の構成についてより詳細に説明する。
【0076】
上記図2〜図9では説明を省略しているが、前記シリンダ錠7のフランジ7aは、図10に示すように、上下一対のフォトセンサ28,29とともに取付ブラケット部18に対しねじ止め固定されている。
【0077】
さて、シリンダ錠7は、略筒状をなすシリンダ本体31と、シリンダ本体31内部に設けられ、内部に鍵穴32を有してなる錠軸33と、シリンダ本体31の上部外周に設けられた外蓋34と、シリンダ本体31に対し錠軸33が後側へ移動するのを規制するための支持板35とを備えている。シリンダ本体31の先端(図の右端)には前記フランジ7aが一体形成されている。
【0078】
シリンダ本体31の上部には、該シリンダ本体31の内外を連通する3つの透孔36,37,38が形成されている。また、各透孔36〜38に対応するようにして、前記錠軸33にも透孔41,42,43が形成されている。かかる透孔41〜43の鍵穴32側は他の部位よりも小径に形成されている。
【0079】
各透孔36〜38,41〜43は連通可能に設けられている。少なくとも前記透孔36〜38内には、バネ44が収容されている。バネ44の一端は前記外蓋34に当接している。バネ44の他端には台座45が連結されている。台座45には、複数のスペーサ46,47を介してピン48が支持されている。バネ44の伸縮によって、ピン48、スペーサ46,46、台座45は上下動可能となっている。少なくともピン48は、鍵穴32内に出没可能に錠軸33の透孔41〜43に設けられている。但し、ピン48は前記透孔41〜43の鍵穴32側の小径部分に係合され、鍵穴32内に脱落してしまうことがないよう構成されている。
【0080】
図10において、キーKの差込に伴って、キーKの溝に沿って、各ピン54が上下動し、差込完了状態にあっては、各溝に各ピン48がそれぞれ入る。かかるピン48がキーKの溝に入り込んだ状態にあっては、ピン48の基端面、又は、スペーサ46若しくは47の一方の端面と、鍵穴32の内壁面とが面一になるよう設定されている。従って、キーKの差込状態にあっては、キーKの回動操作に伴って錠軸33が回動可能となる。
【0081】
前記錠軸33の両端部分は中間部分と比べて小径となっている。錠軸33の前面側(図の左側)の端部に形成された段差部が前記シリンダ本体31の段差に係合されている。これにより、錠軸33のそれ以上の前端側への移動が規制されている。一方、錠軸33の後側(図の右側)の小径部分は、前記支持板35の孔から突出している。該突出部分に対し、断面非円形状のカラー51及び円板状のフランジ52がねじ止め固定されている。カラー51には、前記カム板8が外嵌されている。従って、前記錠軸33の回動に伴って、カラー51及びカム板8が一体となって回動するようになっている。
【0082】
さらに、前記カム板8及びフランジ52間において、カラー51の外周には、コイルスプリング53が設けられている。つまり、コイルスプリング53の一端は、前記フランジ52に当接しており、他端はカム板8に当接している。かかるコイルスプリング53の付勢力により、カム板83は、常には同図左方に付勢され、図に示す基本位置に保持されるよう構成されている。
【0083】
併せて、前記シリンダ本体31の下部には、挿通孔54が形成されており、該挿通孔54には、別操作部を構成する押圧ボタン55が前後方向にスライド可能に挿通されている。押圧ボタン55の前端(図の左端)は、前面枠103よりも前方へ突出している。また、押圧ボタン55の後端側(図の右端側)は、上方に折曲形成された上で前記カム板8に当接した状態となっている。
【0084】
前記上下一対のフォトセンサ28,29は、断面略F字状に形成され、前後一対の投光部及び受光部を有し、これらの間に凹部が形成されている。通常状態にあっては、前記カム板8は、凹部よりも前面側(左側)に位置する。一方、前記押圧ボタン55が後方に向けて押圧操作されたときには、前記カム板8が、コイルスプリング53の付勢力に抗して、凹部に対応する位置まで移動するよう構成されている。
【0085】
なお、前記フォトセンサ28,29は、パチンコ機101の制御を司るための制御装置60(本実施の形態では裏セット機構に設けられた主基板が該当する)に電気的に接続されている。また、制御装置60には、遊技盤105等に設けられた各種検出センサ等からの検出信号が入力されるようになっている。さらに、制御装置60は、前記前面枠103に設けられたエラー表示器122に電気的に接続されている。
【0086】
ところで、上記のように構成されたパチンコ機101においては、種々のエラー(異常状態)が発生しうる。エラーの種類について説明すると、例えば、前記タンクレール内が空となって遊技球Bの補填がされていない場合には、所謂「球切れ」が起こったものとして前面側の左上部ランプ(図示略)が点灯状態となる。この場合、一時的に遊技球Bの払出が行われないことがあるものの、遊技者による遊技の継続は許容される。そして、遊技球Bの補填が行われた場合には、その異常状態が解消されることとなり、ランプは自動的に消灯状態となり、通常の遊技状態へと自動復帰しうる。このような比較的軽微であって、自動復帰可能なエラーをここでは第1の異常状態と称することとする。
【0087】
また、払出装置を構成するモータ等が故障した場合には、適切な払出が行われない。この場合、モータ等を点検・修復しなければ遊技の継続に支障を来すこととなるため、遊技球Bの発射が禁止される等して遊技が中断される。そして、モータが交換される等して修復された場合には、遊技場関係者等により裏セット機構に設けられている図示しないリセットスイッチが操作されることで、前記異常状態が解消されることとなる。このような部材、装置等の点検・修復を必要とするエラーを第2の異常状態と称することとする。
【0088】
さらに、上記のいずれにも属さない異常状態が起こりうる。例えば、遊技盤105に設けられた可変表示装置114において図柄が大当たり図柄で停止した場合であっても、ノイズ等によって可変入賞装置112が開放されないといった不具合が起こることがある。この場合、上記不具合は一時的なものであり、各種装置、部品等には故障が生じているわけではないので、事実上遊技の継続は可能である。しかしながら、一方で、遊技者側或いは遊技場側の利益に関わる重大な異常であるため、該異常の報知を行わなかったり、自動的に異常報知を解除するわけにはいかない。このような異常状態を第3の異常状態と称することとする。なお、第3の異常状態としては、その他にも例えば遊技球Bの払出数に関する一時的なエラー(例えば15個の遊技球Bを払い出すべきところ、16個の遊技球Bが払い出されてしまった場合)も含まれる。
【0089】
本実施の形態では、前記エラー表示器122には、第3の異常状態に応じた数値等が表示されるようになっている。すなわち、前記制御装置60は、第3の異常状態が検出された場合、そのエラーに応じた数値をエラー表示器122に点灯表示せしめる(例えばノイズ等の通信エラーの場合には「1」、払出数に関するエラーの場合には「2」がそれぞれ表示されるといった具合)。
【0090】
次に、上記のように構成されてなる本実施の形態における作用効果について説明する。
【0091】
まず、施錠装置に関する基本的な作用について説明すると、パチンコ機101における前面枠103を外枠102に対し閉じると、図9に示すように、施錠装置の上下の鉤部材4,5が、各々独立して、コイルばね9b,9dの引張力に抗して、外枠102側の受け金具24,25に当りながら上方に移動し、その後、コイルばね9b,9dの引張力により戻って受け金具24,25に係止され、施錠状態となる(図9における2点鎖線)。
【0092】
それを解錠する場合は、キーを前記鍵穴32に差し込んだ状態でシリンダ錠7の錠軸33を半時計方向へ回し、カム板8を回動させると、カム板8の第一係合凸部8aが摺動杆6の係合部6dと係合して、摺動杆6が上方へ摺動させられる。そして、摺動杆6の上昇時のみ連動する上下の鉤部材4,5が上に移動させられ、これによって、外枠102の受け金具24,25との係合が外れ、前面枠21は開放可能な状態となる。
【0093】
一方、前面枠103内のガラス扉枠104を前面枠103に対し閉じると、図8に示すように、ガラス扉枠104の内側に突出したガラス扉枠鉤部26,27が、挿入孔14,15から基枠1内に進入し、ガラス扉枠施錠部材10,11の係止孔12,13に入る。そして、ガラス扉枠施錠部材10,11をコイルばね9a,9cの引張力に抗して下方に摺動させた後、コイルばね9a,9cの引張力によりガラス扉枠施錠部材10,11が上方に戻り、これにより、ガラス扉枠鉤部26,27が係止孔12,13の縁部に係止され、ガラス扉枠104は施錠状態となる。
【0094】
ガラス扉枠104を解錠する場合は、キーを前記鍵穴32に差し込んだ状態でシリンダ錠7の錠軸33を時計方向へ回し、カム板8を回動させると、カム板8の第二係合凸部8bが摺動杆6の係合部6cと係合し、摺動杆6がコイルばね9a,9cの引張力に抗して下方へ摺動させられる。そして、摺動杆6の下方への摺動時にのみ連動する上下のガラス扉枠施錠部材10,11が下方に摺動させられ、これによってガラス扉枠104のガラス扉枠鉤部26,27と係止孔12,13の縁部の係合が外れ、ガラス扉枠104は開放される。
【0095】
一方、施錠された状態で、パチンコ機101の隙間から針金などが差し込まれ、鉤部材4又は5に引っ掛けられて、鉤部材4又は5を上方に引かれたとしても、一方の鉤部材4又は5は上方に移動するが、他方の鉤部材5又は4は移動しない。このため、不正行為者が針金などにより一方の鉤部材4又は5を解錠方向に移動させたとしても、他方の鉤部材5又は4によって施錠状態が保持され、前面枠103の不正開放が防止される。
【0096】
また、針金などを摺動杆6に引っ掛けてそれを上方に摺動させて解錠しようとした場合には、摺動杆6のカム板8側に設けられたストッパ16が、カム板8の第一係合凸部8aに当たり、摺動杆6の解錠側への移動が阻止され、同様に前面枠103の不正解錠は防止される。
【0097】
さらに、ガラス扉枠施錠部材10,11も、摺動杆6に対しては独立して下方に移動可能に形成されているから、上記同様、不正解錠を防止することができる。
【0098】
さて、本実施の形態では、上記シリンダ錠7の操作によって、前面枠103、ガラス扉枠104の解錠が行われるのみならず、上記第3の異常状態の報知の解除も行われる。すなわち、エラー表示器122を視認することで上記第3の異常状態に気づいた遊技場関係者等は、上記シリンダ錠7を用いた報知解除操作を行う。より詳しくは、図12に示すように、押圧ボタン55に関し押圧操作を行うとともに、キーKを鍵穴32に差込み、時計方向又は半時計方向へと回動させる。すると、押圧ボタン55がコイルスプリング53の付勢力に抗して後方へスライドされられる。そして、かかるスライドによって、カム板8は、前記フォトセンサ28,29の投光部及び受光部間の凹部に対応する位置まで移動する。
【0099】
また、キーKが回動させられることで、錠軸33が回動され前記カム板8が回動される。すると、図13(a)又は(b)に示すように、一対の凹部間を前記カム板8の第一係合凸部8a又は第二係合凸部8bが投受光を遮り、フォトセンサ28又は29によってその旨が検出されることとなる。当該検出信号が制御装置60へと入力され、その入力信号に基づいて制御装置60は、前記エラー表示部122の所定の数値の点灯を消灯させる。これにより、第3の異常状態の報知が解除されることとなる。
【0100】
このように、本実施の形態では、シリンダ錠7に関し、キーKを差し込んだ状態で回動操作が行われることで前面枠103やガラス扉枠104が解錠状態となる。さらに、シリンダ錠7に関し、押圧ボタン55を押圧操作して、キーKを差込んだ状態で回動操作が行われることで、解錠とは別の状態たる、「第3の異常状態の報知(教示)が解除された状態」となる。
【0101】
このため、シリンダ錠7の操作に関し、単なる解錠手段としてではなく、別の状態(教示解除状態)を導出させるという、従来にはなかった機能を付与せしめることができ、有効活用を図ることができる。しかも、かかる報知解除状態を導出するための操作手段を、シリンダ錠7とは切り離して別途設けなくてもよいという点で、構造の複雑化を防止することができ、省スペース化を図ることができる。また、部品点数、コストの増大を抑制することができる。しかも、押圧ボタン55の押圧スライド状態でのキーKの回動操作という比較的簡易な操作に基づいて報知解除を行うことができるため、操作性の低下による不具合を払拭できる。
【0102】
なお、上記のような第3の異常状態が発生した場合、エラー表示器122において報知が行われ、該報知に基づき遊技場関係者等は第3の異常状態の発生を把握することができる。そして、前記操作が行われることで、その報知が解除される。このため、かかる解除により、いつまでも報知が継続されることによる不具合、例えばその後何回か第3の異常状態(通信エラーや払出数エラー)が発生しても把握されない等の不具合を回避できる。
【0103】
しかも、第3の異常状態を解除するための手段たるシリンダ錠7がパチンコ機101本体の前面側(前面枠103の前面側)に設けられているため、前記報知に気づいた遊技場関係者等は、ガラス扉枠104等を開放して裏セット機構側での解除操作を行わずとも、容易に解除操作を行うことができる。従って、解除操作に伴う煩わしさを払拭することができる。
【0104】
さらに、前面枠103を施錠状態とするための第1施錠機構及びガラス扉枠104を施錠状態とするための第2施錠機構が1の施錠装置として一体化されているため、より一層の省スペース化を図ることができる。
【0105】
尚、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0106】
(a)上記実施の形態では、押圧ボタン55に関し押圧操作を行うとともに、キーKを鍵穴32に差込み、キーKを時計方向又は反時計方向へと回動させることで、第3の異常状態の報知を解除する構成となっている。これに対し、別操作部に関する他の操作に基づいて第3の異常状態の報知が解除されるような構成としてもよい。
【0107】
例えば、別操作部として、上記押圧ボタン55に代えて、回転操作可能なダイヤル部材を設け、該ダイヤル部材を所定方向に回転操作することによって、押圧手段がカム板8を後方へ移動させるような構成を採用することもできる。
【0108】
(b)上記実施の形態では上下一対のフォトセンサ28,29を設けることとしたが、いずれの方向に回動させても一律に報知解除を行うのであれば、例えば図14に示すように1つのフォトセンサ83のみを設けることとしてもよい。この場合、カム板8には、前記第一係合凸部8a,第二係合凸部8bとは別に突起81,82を設けることとしてもよい。
【0109】
(c)上記実施の形態では特に言及していないが、フォトセンサ28,29の検出結果に基づき、シリンダ錠7の報知解除操作が行われた旨の信号を外部(例えばホールコンピュータやパチンコ機101上方の表示部)に出力可能に構成してもよい。このような構成とすることで、解除が行われた事実を例えば遊技場側で把握することも可能となり、データの採取、不正監視等に役立たせたりすることも可能となる。
【0110】
(d)上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等として実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当り図柄が表示された後に所定の領域に遊技球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。羽根モノと称されるパチンコ機に適用することも可能である。また、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施することも可能である。なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。また、この場合、開閉体としては本体ボックスに対し開閉可能に支持された前面扉によって構成され、解除操作手段を前面扉に設けることが考えられる。
【0111】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、遊技球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく、所定量の遊技球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して或いは所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の遊技球が払い出されるものである。この場合、開閉体としては、パチンコ機と同様の構成が考えられる(なお、この場合、パチンコ機のガラス扉枠に代えて、透明部材扉体としてもよい。)。
【0112】
(e)上記実施の形態では特に言及していないが、第3の異常状態の種類に応じて、その報知を解除する操作方法を異ならせてもよい。例えば、通信エラーの場合には半時計方向に回動操作することで報知が解除され、払出数に関するエラーの場合には時計方向に回動操作することで報知が解除されるような構成を採用することもできる。
【0113】
(f)上記実施の形態では、解錠状態とは全く異種の第3の状態(特定の状態)として、第3の異常状態の報知解除状態を例示しているが、別の状態であってもよい。例えば、上記実施の形態において、錠軸33の押圧スライド状態で回動操作されることで、第2の異常状態の報知が解除されるよう構成してもよいし、また、遊技状態がリセット状態(例えばデータ等がクリヤされた初期状態)となるよう構成してもよい。
【0114】
(g)上記実施の形態では、シリンダ本体31の下部に挿通孔54を形成し、該挿通孔54には、押圧ボタン55を設けることとしている。これに対し、シリンダ本体31とは別の部位(例えば下方)に押圧ボタンを設けることとしてもよい。このような構成とすることで、シリンダ本体として一般的なもの(市販のもの)を採用することができ、コストの低減等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】施錠装置を示す正面図である。
【図3】施錠装置を示す背面図である。
【図4】施錠装置を示す右側面図である。
【図5】施錠装置を示す左側面図である。
【図6】施錠装置を示す分解背面図である。
【図7】施錠装置を示す分解右側面図である。
【図8】ガラス扉枠の解錠時の状態を表す背面図である。
【図9】施錠装置の使用状態を示す右側面図である。
【図10】シリンダ錠の断面図及びそれに関する電気的構成を示すブロック図である。
【図11】シリンダ錠(カム板等)を示す背面図である。
【図12】シリンダ錠の作用を説明する断面図である。
【図13】(a),(b)はシリンダ錠の作用を説明する背面図である。
【図14】別の実施の形態におけるシリンダ錠(カム板等)を示す背面図である。
【符号の説明】
7…解錠操作手段としてのシリンダ錠、8…可動板としてのカム板、28,29,83…検出手段を構成するフォトセンサ、31…シリンダ本体、32…鍵穴、33…錠軸、34…外筒、55…別操作部としての押圧ボタン、60…制御装置、101…遊技機としてのパチンコ機、102…外枠、103…開閉体としての前面枠、104…開閉体、透明部材扉体、透明部材扉枠を構成するガラス扉枠、105…遊技盤、122…教示手段を構成するエラー表示器、B…遊技媒体としての遊技球。
Claims (1)
- 所定の解錠操作により、開閉可能に支持された開閉体の施錠状態を解除するための解錠操作手段を備えた遊技機であって、
前記解錠操作手段は、所定の解錠操作とは別の操作を行う別操作部を備え、少なくとも該別操作部の操作に基づいて、前記施錠状態の解除とは別の状態が導出されるよう構成したことを特徴とする遊技機。
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