JP2007117380A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】施錠装置に前板を開錠する部材を組み込み集約させて、それら取付作業を簡略化させると共にシリンダー錠の鍵により透明板保持枠等と同様に前板も開錠できるようにして操作性・安全性に優れた遊技機を提供する。
【解決手段】外枠1と、内枠2と、内枠2の前面に軸着される透明板保持枠13と、透明板保持枠13の下方に位置して軸着される前板17と、内枠2の開放側に設けられシリンダー錠32の錠軸32bに設けたカム片39の回動動作により作動する施錠装置31と、を備え、施錠装置31にカム片39と係合しその回動動作により鉛直方向に摺動して透明板保持枠13を開錠し得る第一施錠杆51と、透明板保持枠13が開錠したことを条件にカム片39が係合しその回動動作により鉛直方向に摺動して前板17を開錠し得る第二施錠杆67とを設けた構成からなる。
【選択図】図4

Description

本発明は、シリンダー錠に鍵を差し込み、所定の方向へ回動することによって内枠前面の透明板保持枠に続きその下方の前板も開錠できるようにした遊技機に関するものである。
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、例えば次のような構成からなる。すなわち、該パチンコ遊技機は、方形枠状の外枠の前面に一側を軸着して遊技盤を配設した内枠が開閉自在に取着されている。また、その前面に前記遊技盤の前面を覆う透明板保持枠と、その下方に位置し前面に球皿を装着した前板とが共に同じ一側で開閉自在に軸着されている。前記内枠の開放側には鍵を差し込んで操作し得るシリンダー錠を備えた施錠装置が設けられ、前記鍵を一方向へ回動することにより前記内枠が開錠され、他方向へ回動することにより前記透明板保持枠が開錠するようになっている。
一方、前記前板は、その開放側の裏面に常に上方へ付勢されるスライド爪が設けられ、該スライド爪と対向位置し前記内枠前面に前記スライド爪が上端位置で停止したとき係合して前板を開放不能に施錠する係合片が固着されている。そして、前板を開錠するときは、前記透明板保持枠を開錠した状態で前記前板の裏側に手を差し入れ、前記スライド爪を押し下げスライド爪と係合片との係合を解いて前板を開錠するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−70593号公報(第3−4頁、図1)
しかしながら、前記特許文献1のパチンコ遊技機にあっては、内枠側の施錠装置とは別個に前板裏面側にスライド爪を設けており、このように施錠装置とは別にスライド爪を設けるといった余分な組付作業を強いられ面倒であった。また、前板の裏側に手を這わせてスライド爪を操作しなければならないので、ともすると透明板保持枠が邪魔して操作し難いばかりか、前板の周縁が角張って尖っている個所が多い関係から、その個所に触れて指を怪我するといった課題もあった。
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、施錠装置に前板を開錠する部材を組み込み集約させることにより、それら取付作業を簡略化させると共にシリンダー錠に差し込まれた鍵を何れか一方向へ回動するのみで、透明板保持枠等と同様に前板も開錠できるようにして操作性・安全性に優れた遊技機を提供することを目的とするものである。
かかる目的を達成するため本発明に係る遊技機は、外枠と、前記外枠の前面一側に開閉自在に軸着され遊技盤が配設される内枠と、前記内枠の前面であって該内枠の軸着側と同じ一側に開閉自在に軸着され前記遊技盤の前面を覆う透明板保持枠と、前記内枠の前面であって前記透明板保持枠の下方に位置しかつ該透明板保持枠の軸着側と同じ一側に開閉自在に軸着され前面に球皿が装着される前板と、前記内枠の開放側に設けられシリンダー錠を有すると共に該シリンダー錠の錠軸に設けられたカム片の回動動作により作動する施錠装置と、を備えてなる遊技機であって、前記施錠装置に、前記シリンダー錠のカム片と係合しかつ該カム片の回動動作により摺動して前記透明板保持枠を開錠し得る第一施錠杆と、前記透明板保持枠が開錠したことを条件に前記カム片が係合しかつ該カム片の回動動作により摺動して前記前板を開錠し得る第二施錠杆とを設けた構成からなる。
本発明に係る遊技機は、施錠装置に、シリンダー錠のカム片と係合しかつ該カム片の回動動作により摺動して透明板保持枠を開錠し得る第一施錠杆と、透明板保持枠が開錠したことを条件にカム片が係合しかつ該カム片の回動動作により摺動して前板を開錠し得る第二施錠杆とを設けたので、前板を開錠する部材までも施錠装置に組み込み集約させることができ、それら取付作業を簡略化させることができる。また、シリンダー錠に差し込まれた鍵を何れか一方向へ回動することによって透明板保持枠等と同様に前板も開錠できるので、従来のように前板の裏側に手を差し入れて指を怪我するといったこともなく操作性・安全性に優れるという効果が有る。
以下、本発明に係る遊技機の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、本発明はパチンコ遊技機、アレンジボール機または雀球遊技機等の遊技機に適用されるが、その内、その一例としてパチンコ遊技機について説明する。図1は本発明が適用されるパチンコ遊技機の正面図、図2は同透明板保持枠及び前板を開錠した状態の斜視図、図3は同背面図、図4は図3のX−X線断面図、図5は図4のY−Y線断面図をそれぞれ示す。
パチンコ遊技機Pは、縦長方形状の外枠1を備え、該外枠1の前面に一側上下部を軸着3,3して内枠2が開閉自在に取着されている。該内枠2には遊技盤4が配設され、該遊技盤4の前面に外側・内側のガイドレール5a,5bが渦巻状に敷設され、これら外側・内側のガイドレール5a,5bにより囲まれて遊技部4aが成形されている。
前記遊技部4aに、該遊技部4aを流下する遊技球の流れ方向をランダムに変化させ興趣のあるゲーム性を与える多くの障害釘6や風車7、中央に位置する可変表示装置9、遊技球が入賞することにより該可変表示装置9を動作させる始動入賞口10、前記可変表示装置9が特別な図柄を表示し特別遊技状態になったとき一度に多くの入賞球が発生し沢山の賞球が得られる大型の入賞装置11、一回の入賞により所定個数(例えば、13個)の賞球が払い出される一般入賞口12等の所謂盤面部品が配置される。
前記内枠2前面の一側に前記遊技盤4の前面を覆う透明板保持枠13が開閉自在に軸着14される。該透明板保持枠13は、その中央に前記遊技盤4前面の遊技部4aが臨む窓開口15が開設され、該窓開口15に合成樹脂製の前後一対の透明板16,16が装着される。なお、該透明板16はガラス製であっても良い。透明板保持枠13の下方に内枠2の下部前面を覆う前板17が同じく内枠2の前面一側に開閉自在に軸着18される。この前板17の前面には、打球発射レール19の打球発射部19aに供給される賞球または貸し球としての遊技球を貯留するための球皿としての上球皿20が装着される。また、前記内枠2の下端部前面に前記上球皿20から溢れる遊技球を貯留するための球皿としての下球皿21が装着される。該下球皿21の一側に打球の発射力を調整するための操作ハンドル22が装着される。
前記内枠2の裏面に、遊技盤4の裏面に接するように合成樹脂製の機構板23が一側を軸着して開閉自在に設けられている。機構板23はコ字状をなし、その中央開放部23aに前記遊技盤4に装着された可変表示装置9の後部を覆うカバー部材24が介在され後方へ突出している。
前記機構板23の裏面には、その上端部に球タンク25が配置され、その一側に該球タンク25から排出される遊技球を整列させて下方へ誘導するタンクレール26が配置される。該タンクレール26の流下端に球払出装置27が配置される。また、その下方には球排出樋28と球抜き樋29が配置される。30a,30bは機構板23の下部裏面に配置され遊技を電気的に制御するための基板ケースである。
そこで、前記打球発射部19aから発射された打球は、外側のガイドレール5aと内側のガイドレール5bとの間の球飛走通路8を通って遊技部4aに打ち込まれる。その内、打球が例えば一般入賞口12に入賞すると、球払出装置27から所定量の賞球としての遊技球が払い出される。これら賞球は前記上球皿20に貯留される。
前記内枠2の開放側の裏側でありかつその側縁に沿って施錠装置31が装着される。該施錠装置31には、中央よりやや下方の前面に前方へ突出するシリンダー錠32が設けられる。該シリンダー錠32の錠穴部32aは透明板保持枠13を閉塞したとき該透明板保持枠13に開設された差込口33に合致し、前側から前記錠穴部32aに鍵34を差し込み操作するのみで透明板保持枠13、前板17及び内枠2がいずれも開錠できるようになっている。
次に、前記施錠装置31について詳しく説明する。図6は一側から見た施錠装置の斜視図、図7は他側から見た施錠装置の斜視図、図8は分解斜視図である。施錠装置31は金属製であって、内枠2の裏面に取り付けられる縦主杆35を有する。該縦主杆35は平面略L字型に成形され、内枠2の裏面に当接する前側壁35aの中央よりやや下方に前記シリンダー錠32を取着するための取付孔36が設けられる。
そして、シリンダー錠32をその鍵穴部32aを前側にして前記取付孔36に挿通し、後端の取付片37を前側壁35aにビス38止めして取着する。シリンダー錠32の後端から取付片37の後方へ突出する錠軸32bにカム片39が取着され、該カム片39の外周縁に位置を違えて先端が尖った押上片部39aと押下片部39bとがそれぞれ設けられる。該カム片39は、該錠軸32bの回動と共に該錠軸32bに対し直交する面内で回動するようになっている。
前記縦主杆35の内側の内側壁35bの上下端部に、それぞれ後方へ水平かつ平行に突出する上横板部40aと下横板部40bが所定の間隔離して上下に設けられる。これらは内枠2を外枠1に施錠するためのものであって、内枠2を外枠1側へ押し込む際に、それぞれの上横板部40aと下横板部40bとの間に外枠1の一側内面の上下部に設けられた各施錠片41が介入する。前記上横板部40aの先端側下縁と下横板部40bの先端側上縁とには、前記施錠片41が介入し易いように共に後方へ進むに従い漸次その間隔が広がるテーパ42が設けられる。また、下横板部40bの上縁基端部に外側へ折曲して受止板43が設けられている。
縦主杆35の内側壁35bの上下部外側面に接するようにして内枠2を施錠又は開錠するためのロック片44,44が配置される。各ロック片44はほぼ中央部に開設される軸孔45に内側壁35bに固着される軸ピン46が挿通され、該軸ピン46を中心として鉛直面内で回動し得るようになっている。また、各ロック片44の後端に先の窄まった上向きの鉤部47が設けられ、前端側の上端縁には外側へ折曲される掛止片48が設けられる。また、各ロック片44の前端部には外側へ突出する作用ピン49が設けられる。
上部のロック片44は、前記掛止片48と次に説明する第一施錠杆51に設けられた突片54との間に掛止される引張スプリング50により鉤部47側が常に上方へ付勢される。一方、下部のロック片44は、掛止片48と後記する第二施錠杆67に設けられた突片73との間に掛止される引張スプリング50により鉤部47側が常に上方へ付勢される。また、いずれのロック片44,44も、常態では鉤部47が前記下横板部40bに設けられた受止片43に当接して停止しており、しかも、該下横板部40bとほぼ重なるように位置している。
前記縦主杆35における内側壁35bの外側のほぼ上半部に、透明板保持枠13を施錠又は開錠するため縦長板状の第一施錠杆51が配置される。該第一施錠杆51は上下端部に開設された縦長のガイド孔52,52に前記内側壁35bの外面に固着されたガイドピン53,53が挿通されて鉛直方向に摺動し得るようになっており、その上部に前記引張スプリング50が掛止される突片54が設けられる。これにより、前記上部のロック片44の鉤部47側が上方へ付勢されると同時に第一施錠杆51が常に上方へ付勢されることになる。また、第一施錠杆51の前端縁の上下端部にそれぞれ前方へ突出する先の窄まった上向きの鉤部55,55が設けられ、中央部よりやや上方の側面に外側へ屈曲する係合片56が設けられる。前記各鉤部55は縦主杆35の前側壁35aに開設された開口51を介して前方へ突出している。更に、各鉤部55は内枠2に開設された透孔を介して該内枠2の前方に突出している。
同様に、前記縦主杆35における内側壁35bの外側であって第一施錠杆51の外側に、上部可動部材58とその下に連接される下部可動部材59が配置される。第一施錠杆51と上部可動部材58はほとんど重なる位置にあるが、下部可動部材59はその上部のみが第一施錠杆51と重なる。上部可動部材58の下端部に折り曲げして連結片60が設けられ、該連結片60が下部可動部材59の上端部に設けられた切欠61に係合している。
上部可動部材58の上部と下部可動部材59の上部とにそれぞれ縦長のガイド孔62,62が開設される。これらガイド孔62,62は前記第一施錠杆51の上下部に設けられたガイド孔52,52と合致する位置にあるが、該ガイド孔52,52よりも縦方向寸法が長く設定されている。そして、上・下部可動部材58,59は、そのガイド孔62,62に前記第一施錠杆51のガイド孔52,52に挿通された同じガイドピン53,53が挿通され、鉛直方向に摺動し得るようになっている。また、前記上・下部可動部材58,59の上・下端部にそれぞれ上・下部のロック片44,44の作用ピン49に係合し該作用ピン49を押上げる係合凹部63が設けられる。
上部可動部材58にはその中央位置よりもやや上方に位置して前記第一施錠杆51の係合片56が係合する係合孔64が開設され、上・下部可動部材58,59の下方への摺動動作に伴い第一施錠杆51を下方へ摺動させるようになっている。
前記下部可動部材59には、その中央に位置して係止凹部65と係止孔66が設けられる。係止凹部65は下部可動部材59の前端縁に設けられ、係止孔66は該係止凹部65より後方かつ下方の所定個所に位置している。そして、カム片39が何れか一方向へ回動することにより係止凹部65に前記カム片39の押下片部39aが係合し、また、係止孔66にはカム片39の押上片部39bが係合するようになっている。
前記縦主杆35における内側壁35bの内面に前記前板17を施錠又は開錠するための第二施錠杆67が配置される。該第二施錠杆67は縦長板状の施錠杆本体67aと該施錠杆本体67aの上方に位置する切替板67bとからなり、切替板67bはその下端前側が施錠杆本体67bの上端前側に軸ピン68により軸着され、鉛直面内で前後に傾動し得るようになっている。
前記施錠杆本体67aの上下部に縦長のガイド孔69,69が開設され、縦主杆35における内側壁35bの内面に固着されたガイドピン70,70が挿通される。また、施錠杆本体67aの前端縁の上下部に前方へ突出しかつ所定の間隔離して前板17の裏面に設けた施錠片71,71に係合し得る先の窄まった上向きの鉤部72,72が設けられている。各鉤部72は内枠2に開設された透孔を介して該内枠2の前方に突出している。施錠杆本体67aの下端部に突片73が設けられ、該突片73と前記下部のロック片44の掛止片48との間に掛止される引張スプリング50により、施錠杆本体67aすなわち第二施錠杆67が常に上方へ付勢されるようになっている。
前記切替板67bは、後端縁のほぼ中央に設けられた突片74と縦主杆35の前側壁35a裏面に設けられた掛止片75との間に掛止された引張スプリング50により上方へ付勢されると共に前方へも付勢されている。また、切替板67bの前端縁に凹欠部76が設けられ、その奥端縁のほぼ中間位置に係合段部77が設けられている。凹欠部76の後方であってやや下方に透孔78が開設される。
そして、前記カム片39の押下片部39aが前記係止凹部65、縦主杆35の内側壁35bに開設した上通孔79aをそれぞれ介して切替板67bの凹欠部76内に介入し得るようになっている。また、前記カム片39の押上片部39bが、前記係止孔66、縦主杆35の内側壁35bに開設した下通孔79bをそれぞれ介して切替板67bの透孔78内に介入し得るようになっている。切替板67bの前側の上端縁に所定の長さ前方ヘ突出する押当片部80が設けられる。
そこで、透明板保持枠13が閉じて施錠されているときは、前記押当片部80の前端が透明板保持枠13の裏側に当接し切替板67bが後方へ傾いて停止している。この状態で、カム片39を一方向へ回動させ押下片部39aを下方へ回動すると、押下片部39aが係止凹部65に係合し上・下部可動部材58,59が上下部の引張スプリング50,50の引張力に抗して下方へ摺動すると共に同時に第一施錠杆51も下方へ摺動する。そして、その上下部の鉤片55,55が下方へ移動して透明板保持枠13の裏面に設けられた施錠片81,81との係合が解かれ、透明板保持枠13を開錠させる。この際、前記カム片39aの押下片部39aによっても第二施錠杆67は下方へ摺動することなく停止している。よって、両鉤部72,72が前板17の裏面に設けられた施錠片71,71に下側から係合したままとなり、前板17は開錠されることはない。
一方、前記透明板保持枠13が開錠されると、第二施錠杆67の切替板67bが支持を失い引張スプリング50の付勢により前側へ傾動する。これにより、前記押下片部39aと凹欠部76内の係合段部77との位置が合致する。そこで、一度回動させた前記カム片39を初めの位置に戻し再度同じ方向へ回動させると、今度は押下片部39aが係合段部77に係合して第一施錠杆51と共に第二施錠杆67を下方へ摺動させる。これにより、施錠杆本体67aの鉤部72と前板17裏面の施錠片71との係合が解かれ前板17が開錠される。なお、透明板保持枠13と前板17とは前板17から先に内枠2側へ押し付けることで、第一・第二施錠杆51,67の各鉤部55,72が透明板保持枠13、前板17の各施錠片71,81に係合して施錠されるようになっている。
前記カム片39を他方向へ回動させると、その押上片部39bが縦主杆35における内側壁35bの下通孔79b、切替板67bの透孔78に介入した状態で、下部可動部材59の係止孔66に係合して上・下部可動部材58,59を上方へ摺動させる。そして、上・下部の係合凹部63,63が前端部の各作用ピン49を引張スプリング50の付勢に抗して押し上げ、各ロック片44の後端部の鉤部47を下げる。これにより、外枠1の各施錠片41との係合が解かれ内枠2が開錠される。また、内枠2を外枠1側へ押し付けるのみで、外枠1の各施錠片41に各ロック片44の鉤部55が下側から係合して内枠2が施錠されるようになる。
本発明に係るパチンコ遊技機Pは上記構成からなり、次に図9乃至図13に基きその作用について説明する。遊技中の状態では、図9(イ)(ロ)、図10に示すように各ロック片44の鉤部47が外枠1の各施錠片41に下側から係合して内枠2が施錠され、第一施錠杆51の各鉤部55が透明板保持枠13裏面の各施錠片81に下側から係合して透明板保持枠13が施錠されている。また、第二施錠杆67における施錠杆本体67aの各鉤部72が前板17裏面の各施錠片71に下側から係合して前板17が施錠されている。もっとも、透明板保持枠13下縁の後方への折曲部82が前板17上縁の横溝83内に介入しているため、透明板保持枠13を開放しない限り、前板17は開放できないことになっている。また、第二施錠杆67における切替板67bは後方へ傾斜しており、カム片39の押下片部39aと係合段部77とは合致しない位置関係にある。
そこで、例えば遊技中に遊技盤4面でのトラブルが生じた場合は、ホールの従業員が前側からシリンダー錠32の錠穴部32aに鍵34を差し込み、図11(イ)矢印に示すように一方向(例えば、内側方向)へ回動する。これにより、カム片39の押下片部39aが下部可動部材59の係止凹部65に係合して上・下部可動部材58,59と共に第一施錠杆51が下方へ摺動して両鉤部55,55と施錠片81,81との係合が解かれる。この状態で、透明板保持枠13が図11(ロ)矢印に示すように開錠され、前記トラブルの解消が図られる。
更に、前板17裏側、例えば打球発射部19aでトラブルが生じた場合は、前記透明板保持枠13を開錠したまま前板17を開錠することになるが、この際、前記切替板67bが引張スプリング50の付勢により前側へ傾き前記カム片39の押下片部39aと凹欠部76内の係合段部77とが合致した位置関係になる。そこで、前記鍵34を初めの位置に戻し再び図12(イ)矢印に示すように同じ方向(内側方向)へ回動する。これにより、押下片部39aが係合段部77に係合して今度は第一施錠杆51と共に第二施錠杆67も下方へ摺動してその各鉤部72の前板17裏面の各施錠片71との係合が解かれる。この状態で、前板17が図12(ロ)矢印に示すように開錠され、前記トラブルの解消が図られる。いずれも、トラブルが解消されれば透明板保持枠13及び前板17を内枠2側へ押し付けることにより、それぞれ各鉤部55,72が各施錠片71,81に係合して透明板保持枠13及び前板17が施錠される。
内枠2の裏側、例えば機構板23でトラブルが生じた場合は、前記鍵34を図13(イ)矢印に示すように他方向(例えば、外側方向)へ回動する。これにより、カム片39の押上片部39bが下部可動部材59の係止孔66に係合し、上・下可動部材58,59を上方へ摺動させて各ロック片44の前端部を押し上げる。これにより、各ロック片44後端部の鉤部47と外枠1の各施錠片41との係合が外れ、図13(ロ)矢印に示すように内枠2が開錠され、前記トラブルが解消される。該トラブルが解消すれば内枠2を外枠1側へ押し付けることにより、各鉤部47が各施錠片41に係合して内枠2が施錠される。
また、一般に、内枠2にはパチンコ球が貯留される球タンク25を初め多くの部材が組み付けられる関係から重量が重く、その反面、内枠2は片持ち式に支持されることから、その開放側が正位置よりも下がり傾き易い。仮に、開放側が下がるように内枠2が傾くと、前記外枠1の各施錠片41に対する第一施錠杆51の各鉤部55の係合状態が悪くなり、係合不良を生ずる可能性が出てくる。
そこで、本発明は内枠2を閉めたとき各施錠片41を介入させるため、外枠1の各施錠片41に対応させて上横板部40aと下横板部40bとが所定の間隔離して突設されている。また、前記上横板部40aの先端側下縁と下横板部40bの先端側上縁とには前記施錠片41が介入し易いように共に後方へ進むに従い漸次その間隔が広がるテーパ42が設けられるので、内枠2を閉める場合、図14に示すように外枠1側の施錠片41がその上端縁を上横板部40aの先端側下縁のテーパ42に接触させつつ上・下横板部40a,40b間に介入する。このように、上横板部40aはガイドの役目を果すので、内枠2が傾いていたとしても、各施錠片41は各上横板部40aにガイドされ上横板部40aと下横板部40bとの間に円滑に導かれる。そして、各施錠片41に各ロック片44の鉤部47が係合する。
また、一般のホールにあっては、図15に示すように列設されるパチンコ遊技機Pとこれと隣接するパチンコ遊技機Pとの間の隙間から裏側へ針金等の不正具Hを差し込み、前記上・下部のロック片44,44を回動させて内枠2を故意に開錠して不正行為を行うというケースが発生している。そこで、本発明は鉤部47が下横板部40bに設けられた受止片43に当接して停止した状態では、各ロック片44が下横板部40bとほぼ重なるように位置させて不正防止を図っている。
すなわち、たとえ図15に示すように不正具Hにより鍵部47と施錠片41との係合を解除すべくロック片44の後端部を押し下げようとしても、途中で不正具Hが下横板部40bの上端縁に当りロック片44をそれ以上下方へ押し下げることができなくなる。これにより、各ロック片44の各施錠片41への施錠は維持され無用に解除されることはない。
本発明では、前板17を上球皿20のみが装着されたものとして説明したが、これにとらわれることなく、例えば前板17を上球皿20と共に下球皿21も一緒に装着されたものとしても本発明が適用できること勿論である。
以上のように、本発明に係るパチンコ遊技機Pは、施錠装置31に、シリンダー錠32のカム片39と係合しかつ該カム片39の回動動作により鉛直方向に摺動して透明板保持枠13を開錠し得る第一施錠杆51と、透明板保持枠13が開錠したことを条件にカム片39が係合しかつ該カム片39の回動動作により鉛直方向に摺動して前板17を開錠し得る第二施錠杆67とを設けたので、前板17を開錠する部材までも施錠装置31に組み込み集約させることができ、それら取付作業を簡略化させることができる。
また、シリンダー錠32に差し込まれた鍵34を何れか一方向へ回動することによって透明板保持枠13等と同様に前板17も開錠できるので、従来のように前板17の裏側に手を差し入れて指を怪我するといったこともなく操作性・安全性に優れる。更に、本発明は内枠2、透明板保持枠13と共に前板17も施錠装置31のシリンダー錠32に差し込まれる鍵34により開錠される構成としたので、従来のように遊技者が前側から前板17の裏側へ手を入れて該前板17を開けてしまうといたことができなくなり、その部位での不正行為が防止されるという効果がある。
本発明が適用されるパチンコ遊技機の正面図。 同透明板保持枠及び前板を開錠した状態の斜視図。 同背面図。 図3のX−X線断面図。 図4のY−Y線断面図。 一側から見た施錠装置の斜視図。 他側から見た施錠装置の斜視図。 同分解斜視図。 (イ)は施錠装置の背面図、(ロ)は同一部の内側から見た側面断面図。 同一部の外側から見た側面断面図。 (イ)は作用を示す施錠装置の背面図、(ロ)は同一部の側面断面図。 (イ)は作用を示す施錠装置の背面図、(ロ)は同一部の側面断面図。 (イ)は作用を示す施錠装置の背面図、(ロ)は同一部の側面断面図。 外枠に内枠を押し込む状態の施錠装置の一部の側面断面図。 不正行為を説明する施錠装置部位の側面断面図。
符号の説明
1 外枠
2 内枠
3 軸着
4 遊技盤
13 透明板保持枠
14 軸着
17 前板
20 球皿(上球皿)
21 球皿(下球皿)
31 施錠装置
32 シリンダー錠
32b 錠軸
39 カム片
51 第一施錠杆
67 第二施錠杆
P 遊技機(パチンコ遊技機)

Claims (1)

  1. 外枠と、前記外枠の前面一側に開閉自在に軸着され遊技盤が配設される内枠と、前記内枠の前面であって該内枠の軸着側と同じ一側に開閉自在に軸着され前記遊技盤の前面を覆う透明板保持枠と、前記内枠の前面であって前記透明板保持枠の下方に位置しかつ該透明板保持枠の軸着側と同じ一側に開閉自在に軸着され前面に球皿が装着される前板と、前記内枠の開放側に設けられシリンダー錠を有すると共に該シリンダー錠の錠軸に設けられたカム片の回動動作により作動する施錠装置と、を備えてなる遊技機であって、
    前記施錠装置に、前記シリンダー錠のカム片と係合しかつ該カム片の回動動作により摺動して前記透明板保持枠を開錠し得る第一施錠杆と、前記透明板保持枠が開錠したことを条件に前記カム片が係合しかつ該カム片の回動動作により摺動して前記前板を開錠し得る第二施錠杆とを設けたことを特徴とする遊技機。
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JP2016116730A (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 サミー株式会社 弾球遊技機

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