以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3は、本発明を適用してなるパチンコ遊技機の第1実施形態を示しており、当該パチンコ遊技機は、パチンコホール内の設置島に立設されるものである。
このパチンコ遊技機は、図1〜図7のいずれかから分かるように、機枠(図示しない)、遊技盤Pを枠体Hに組み付けてなる遊技機本体と、この遊技機本体に開閉可能に支持される前扉D及びセキュリティ板Sとによって構成されている。なお、図1において、図示左側、右側、上側及び下側を、それぞれ、当該パチンコ遊技機の左側、右側、上側及び下側という。
前扉Dは、セキュリティ板Sを介し、上記遊技機本体の枠体Hにその前面側から開閉可能に支持されているもので、この前扉Dは、扉本体Da(図2参照)と、この扉本体Daの窓穴部11にその裏面側から取り付けたガラス板12とにより構成されている(図1参照)。
前扉Dは、上ヒンジ板21(図2参照)と、下ヒンジ板(図示せず)とにより、枠体Hに上述のごとく開閉可能に支持されており、この前扉Dは、閉じたときに、遊技盤Pをその盤面31側から覆い、また、開いたときに、遊技盤Pをその盤面31側から開放する。なお、上記下ヒンジは、枠体Hの突出部42(図7参照)の左端部上に装着されている。
また、前扉Dは、図7にて示すごとく、遊技球を貯留する球受け皿13、この球受け皿13内の遊技球を遊技盤Pの遊技領域32へと打球するときに操作される発射ハンドル14、遊技者の遊技への参加意識を高めるために所定の演出時に遊技者によりプッシュ操作される演出操作ボタン15などを備えている。
なお、扉本体Daの窓穴部11の外周部のうち各隅角部には、各貫通穴部16〜16が各装飾部品35(後述する)に対応するように形成されている。また、当該各貫通穴部16〜16には、その前側開口部にて、各透明板が嵌着されていてもよい。
また、前扉Dには、施錠装置17が設けられており、この施錠装置17は、キーKの一方向回動操作により、前扉Dを枠体Hに対して施錠し、また、当該キーKの他方向回動操作により、当該前扉Dの枠体Hに対する施錠を解錠する(図6参照)。なお、前扉Dには、工具挿入穴部18が、図7にて示すごとく、後述する如き球噛み解消に用いる軸状工具Tを挿入するために設けられており、この工具挿入穴部18は、後述のごとく内枠62の外枠61に対する上下動を許容するように上下方向に長穴状に形成されている。
遊技盤Pは、図7にて示すごとく、その盤面31にて、外レール33と内レール34とを備えており、これら外レール33及び内レール34は、その内周側にて、遊技盤Pの盤面31上に遊技領域32を形成している。
外レール33は、発射ハンドル14の回動操作により発射された遊技球を遊技領域32へ案内する。遊技領域32には、図示しないが、遊技釘、風車、普通入賞口装置、第1始動口を有するスタートチャッカー、第2始動口を有する電動チューリップ、大入賞口を有するアタッカー、ゲート(スルーチャッカー)、ステージやアウト口などが設けられている。
また、遊技盤Pは電飾部品などの三角柱状の複数の装飾部品35を備えており、これら各装飾部品35は、図7にて示すごとく、それぞれ、遊技盤Pの盤面31の各隅角部に前方に向け突設されている。本第1実施形態では、各装飾部品35は、それぞれ、セキュリティ板Sの各空所G(後述する)及び前扉Dの各貫通穴部16〜16に挿通されて、その前面35aにて遊技盤Pの盤面31の前方を臨むようになっている。なお、遊技盤Pには、その裏面側から、画像表示器、電源回路や遊技制御回路(主基板、サブ基板)などが組付けられている。
枠体Hは、図7にて示すごとく、四角形状の中空部41aを有する四角形状の枠部41と、この枠部41の下端から前方へ突出する突出部42とにより構成されており、枠部41の上壁部41bには、その右端側にて、凹部41cが前方へ開口するように形成されている。なお、遊技盤Pは、枠部41の中空部41a内に嵌装されて、上述のごとく枠体Hに組み付けられている。
ロックレバー機構43は、図7及び図9〜図12のいずれかにて示すごとく、枠部41の凹部41c内に組み付けられており、このロックレバー機構43は、ロックレバー43aと、ピン43bと、捩りばね43cとにより構成されている。
ロックレバー43aは、長板状のもので、当該ロックレバー43aは、そのレバー本体の基端部にて、枠部41の凹部41c内に、ピン43bにより上下方向に傾動可能に組み付けられて、凹部41cからその右側内壁部に沿い前方へ延出している。ここで、ロックレバー43aの上記レバー本体の延出先端部には、フック部43dが、下向きに形成されている(図9参照)。このことは、ロックレバー43aは、上記レバー本体とフック部43bとによりL字状に形成されていることを意味する。
また、ピン43bは、凹部41c内にてその上記右側内壁部から左方に向け突出されており、このピン43bは、ロックレバー43aの上記レバー本体の基端部を上下方向に傾動可能に支持している。また、捩りばね43cは、その捩りばね力にてロックレバー43aの上記レバー本体をその基部を軸として下方に向け傾動させるように付勢すべく、凹部41c内にて、ピン43bに同軸的に支持されている。
セキュリティ板Sは、枠体Hに前後方向に開閉可能に支持されているもので、このセキュリティ板Sは、図8に示すように、矩形状の外枠61と、この外枠61の矩形状中空部内に組付けられる矩形状の内枠62と、変位板部材63とを備えている。
外枠61は、上壁61aと、右壁61bと、左壁61cと、下壁61dとにより、矩形枠状に形成されており、この外枠61は、図7或いは図12にて示すごとく、三角状の上ヒンジ板51及び三角状の下ヒンジ板52により、枠体Hに前後方向に回動可能に支持されている。このことは、セキュリティ板Sが上述のごとく枠体Hに前後方向に開閉可能に支持されていることを意味する。
本第1実施形態において、上ヒンジ板51は、その前端角部にて、外枠61の上壁61aの左端部にヒンジピン53により回動可能に支持されており、当該上ヒンジ板51の後端部は、2つのネジにより、枠体Hの枠部41の上壁部41bの左端部にその下側から締着されている。
一方、下ヒンジ板52は、その前端角部にて、外枠61の下壁61dの左端部にヒンジピン54により回動可能に支持されており、当該下ヒンジ板52の後端部は、2つのネジにより、枠体Hの枠部41の下壁部の左端部にその上側から締着されている。これにより、外枠61は、上述のごとく、枠体Hに前後方向に回動可能に支持されている。
また、外枠61において、上壁61aは、図7或いは図8にて示すごとく、切欠き部61eを有しており、この切欠き部61eは、上壁61aの右端部にその前方から後方に向け横断面矩形凹状に切り欠き形成されている。これにより、当該切欠き部61eは、図7或いは図8にて示すごとく、前方及び上下の各方向に向け開口している。ここで、切欠き部61eの左右方向開口幅は、ロックレバー43aのフック部43dの板厚よりも幾分広くなっている。このことは、ロックレバー43aのフック部43dが、切欠き部61e内のその上側開口部から進入可能であることを意味する。
右壁61b及び左壁61cは、それぞれ、図7或いは図8にて示すごとく、2つの直線状長穴部61fを有しており、右壁61bにおいて、2つの直線状長穴部61fは、右壁61bの内側面(左側面)から外側面(右側面)にかけて、当該右壁62bの上下方向中間部位に上下方向に所定間隔をおいてそれぞれ左右方向に貫通状に形成されている。ここで、各直線状長穴部61fは、それぞれ、図9にて拡大して示すごとく、右壁61bの上下方向中間部位において、図示上下方向に沿い直線状に形成されている。
また、左壁61cにおいて、2つの直線状長穴部61fは、図8にて示すごとく、左壁61cの内側面(右側面)から外側面(左側面)にかけて、当該左壁61cの上下方向中間部位に、右壁61bの各直線状長穴部61fに左右方向においてそれぞれ対向して位置するとともに、左右方向に貫通状に形成されている。ここで、左壁61cの各直線状長穴部61fは、それぞれ、図8にて示すごとく、左壁61cの上下方向中間部位において、図示上下方向に沿い直線状に形成されている。
内枠62は、外枠61の矩形状中空部内に上下方向に移動可能に組み付けられているもので、この内枠62は、図8にて示すごとく、右壁62aと、左壁62bと、上バー62cと、下バー62dとにより構成されている。
右壁62a及び左壁62bは、図8にて示すごとく、それぞれ、2つの傾斜状長穴部62eを有しており、右壁62aにおいて、2つの傾斜状長穴部62eは、右壁62aのうち外枠61の右壁61bの2つの直線状長穴部61fの間の部位に対する各対応部位にて、右壁62aの内側面(左側面)から外側面(右側面)にかけてそれぞれ左右方向には貫通状に形成されている。
ここで、右壁62aの2つの傾斜状長穴部62eは、それぞれ、当該右壁62aの後側上方から前側下方にかけて、上に突な緩やかな湾曲形状に形成されている。換言すれば、当該2つの傾斜状長穴部62eは、それぞれ、後側上端部62fから前側下端部62gにかけて、上に突な緩やかな湾曲形状に形成されている。なお、右壁62aの各傾斜状長穴部62eにおける後側上端部62fと前側下端部62gとの間の傾斜方向間隔は、外枠61の下壁61d上に着座状態にある内枠62の係合突部62l(後述する)の上端面と外枠61の切欠き部61eの上端開口面との間の上下方向間隔に対応する。
また、左壁62bにおいて、2つの傾斜状長穴部62eは、当該左壁62bのうち外枠61の左壁61cの2つの直線状長穴部61fの間の部位に対する各対応部位にて、右壁62aの2つの傾斜状長穴部62eに対向するように、左壁62bの内側面(右側面)から外側面(左側面)にかけてそれぞれ左右方向には貫通状に形成されている。換言すれば、当該左壁62bの2つの傾斜状長穴部62eは、それぞれ、後側上端部62fから前側下端部62gにかけて、上に突な緩やかな湾曲形状に形成されている。
また、当該内枠62は、各2つの案内ピン62i(図8参照)を有しており、これら各案内ピン62iは、2つずつ、右壁62a及び左壁62bの各外面から互いに外方に向け突出されている。
ここで、右壁62aの外面から突出する2つの案内ピン62iは、それぞれ、外枠61における右壁61bの各直線状長穴部61fに左右方向において対向して位置することで、当該各直線状長穴部61fに相対移動可能に挿通されている。また、左壁62bの外面から突出する2つの案内ピン62iは、それぞれ、外枠61における左壁61cの各直線状長穴部61fに左右方向において対向して位置することで、当該各直線状長穴部61fに相対移動可能に挿通されている。
これにより、内枠62は、各案内ピン62iにより、外枠61の各対応の直線状長穴部61fに沿い案内されて、当該各直線状長穴部61fによる前後方向への移動規制のもとに上下方向に移動可能となっている。なお、右壁62aから突出する各案内ピン62iは、右壁62aのうち外枠61の右壁61bの直線状長穴部61fに対する各対応部位に形成した各圧入孔部62hに圧入により嵌着されて上述のように突出している。また、左壁62bから突出する各案内ピン62iは、左壁62bのうち外枠61の左壁61cの直線状長穴部61fに対する各対応部位に形成した各圧入孔部に圧入により嵌着されて上述のように突出している。
また、内枠62において、上バー62cは、その右端部及び左端部にて、それぞれ、外枠61の上壁61aに平行となるように、右壁62a及び左壁62bの各上端部にその前側から装着されており、一方、下バー62dは、それぞれ、右壁62a及び左壁62bの各下端部にその前側から装着されて、上バー62cに平行となっている。
これにより、上バー62c及び下バー62dは、右壁62a及び左壁62bを互いに平行に維持し、内枠62を上述のごとく矩形状に構成している。ここで、右壁62aは、その上端部62lにて、上バー62cの右端部より上方へ突出するように形成されて、外枠61の切欠き部61e内に下方から進入してロックレバー43aのフック部43dに下方から係合可能となっている。以下、上端部62lは、係合突部62lともいう。
上述のように構成した内枠62は、外枠61内にて、その左右両壁61c、61bに対し左右方向には移動不能にかつ上下方向には移動可能に組み付けられている。
また、本第1実施形態では、内枠62は、図8にて例示するごとく、操作ロッド62kを有している。この操作ロッド62kは、内枠62の右壁62aにその上下方向下側中間部位から前方に突出するように設けられており、当該操作ロッド62kは、その把持により内枠62を外枠61に沿い上動させる役割を果たす。なお、前扉Dの扉本体Daのうち操作ロッド62kに対する対応部位には、その後方から盗み部(図示しない)が凹状に形成されており、当該盗み部は、操作ロッド62kをその内部に進入させることで、前扉Dを適正に閉じるようにする役割を果たす。
変位板部材63は、図8にて例示するごとく、正8角形状の保持枠63Aと、正8角形状のガラス板64とを備えており、ガラス板64は、保持枠63Aの正8角形状中空部内に嵌め込まれている。なお、保持枠63Aは、右壁63a、左壁63b、上壁63c、下壁63d及び各傾斜壁63eによって、上述のごとく、正8角形状に形成されている。また、ガラス板64は、本発明にいう対向部位、すなわち、セキュリティ板Sにおいて、遊技盤Pの盤面31に対する対向部位に対応している。
このように構成した変位板部材63は、図7にて示すごとく、次のようにして、内枠62の左右両壁62b、62aの間にて当該左右壁62b、62aに対し前後方向に変位可能となるように組み付けられている。
即ち、変位板部材63は、4つの案内ピン63g(図9参照)を有しており、これら4つの案内ピン63gのうち、2つの案内ピン63gは、保持枠63Aの右壁63aのうち内枠62における右壁62aの両傾斜状長穴部62eに対する各対応部位からそれぞれ右方へ突出されて、当該両傾斜状長穴部62e内に相対変位可能に挿入されている。なお、保持枠63Aの右壁63aから突出する各案内ピン63gは、右壁63aのうち右壁62aの両傾斜状長穴部62eに対する各対応部位に形成された両圧入孔部63fの各々に圧入されて右方へ突出している。
残りの2つの案内ピン63gは、保持枠63Aの左壁63bのうち内枠62における左壁62bの両傾斜状長穴部62eに対する各対応部位からそれぞれ左方へ突出されて、当該両傾斜状長穴部62e内に相対変位可能に挿入されている。なお、保持枠63Aの左壁63bから突出する各案内ピン63gは、左壁63bに上記両圧入孔部63fに対向する各部位にて形成された両圧入孔部の各々に圧入されて左方へ突出している。
これにより、変位板部材63は、上述のごとく、内枠62内にてその左右壁62b、62aの間にて当該左右壁62b、62aに対し各傾斜状長穴部62eに沿い前後方向に変位可能となっている。
なお、保持枠63Aの下壁63dの下面には、両半球状突起63hが、図8にて示すごとく、左右方向に間隔をおいて下方に向けて突設されている。このため、変位板部材63は、保持枠63Aの下壁63dにて、外枠61の下壁61d上にて円滑に変位可能となっている。
また、上述のように変位板部材63を内枠62内に組み付けることで、内枠62の各隅角部と保持枠63Aの各対応の傾斜壁63eとの間には、三角形状の空所Gが、遊技盤Pの各装飾部品35を挿通させる役割を果たすように、図7にて例示するごとく、形成されている。なお、セキュリティ板Sの開閉の際に、各装飾部品35が、各対応の空所Gの内周部と干渉しあわないように、各空所Gの開口形状が大きく形成されている。
また、本第1実施形態においては、パチンコ遊技機は、図1〜図3、図7、図9及び図10のいずれかにて示すごとく、軸状工具Tを付随的に備えている。この工具Tは、円柱状把持部と、この円柱状把持部から同軸的に延出する軸部Tbとを備えており、当該工具Tの軸部Tbは、その先端部Taにて、半径方向に突出する突出片部(図示しない)を有するように形成されている。
ここで、本第1実施形態では、帯状挿入溝部62jが、図8にて例示するごとく、内枠62の右壁62aの下側中間部位にて、左右方向に帯状に形成されており、右壁62aのうち帯状挿入溝部62jの後方直上部位の内部には、右壁62aから外枠61の右壁61bのうち上記後方直上部位に対する対応内面部に向けて開口するようにくり抜き穴部(図示しない)がくり抜き形成されている。また、外枠61の右壁61bの上記対応内面部には、切り欠き部(図示しない)が、上記くり抜き穴部に向けて左側へ開口するように形成されている。
しかして、このように構成した工具Tは、次のごとく、操作されるようになっている。即ち、工具Tを、軸Tbにて、その左側に上記突出片部を位置させるようにして、前扉Dの貫通孔部18(図6参照)を通り、セキュリティ板Sの内枠62の帯状挿入溝部62jに挿入した状態にて、当該工具Tを、図9にて図示円弧状矢印にて示すごとく、時計方向に回動すると、この工具Tの上記突出片部は、右壁61bの上記くり抜き穴部内にて軸部Tbの軸周りに上記時計方向に回動して、当該くり抜き穴部から右壁61bの上記切り欠き部内に進入してその内面下部に係合する。
然る後、当該工具Tをさらに時計方向に回動させると、この工具Tは、その回動に伴い、上記突出片部にて、右壁61bの上記切り欠き部の上記内面下部を下方に向け押動する。これに伴い、工具Tが、上記突出片部による上記切り欠き部の上記内面下部に対する押動のもとに、軸部Tbにより、帯状挿入溝部62jの上側内面部を介し内枠62の右壁62aを上方へ押し上げる。このため、内枠62が、各案内ピン62iにより、外枠61の各対応の直線状長穴部61fに沿い案内されて、上動する。
以上のように構成した本第1実施形態において、当該パチンコ遊技機では、図9にて例示するごとく、前扉Dが、セキュリティSとともに、遊技盤Pを介し枠体Hを閉じた状態にあるものとする。
このような状態では、内枠62は、その下壁62dにて、外枠61の下壁61d上に着座し、セキュリティ板Sは、変位板部材63にて、内枠62の後部内に位置している。このことは、セキュリティ板Sにおいて、変位板部材63が上記原位置に維持されていることを意味する(図4及び図9参照)。
このとき、内枠62の各案内ピン62iは、外枠61の各対応の直線状長穴部61f内にてその上端部に下方から当接している。また、変位板部材63の各案内ピン63gは、内枠62の各対応の傾斜状長穴部62e内にてその各後側上端部62fに下方から当接している。
さらに、セキュリティ板Sは、ロックレバー機構43により枠体Hにロックされた状態にある。ここで、ロックレバー機構43のロックレバー43aは、捩りばね43cにより付勢されて、フック部43dにより外枠61の切欠き部61e内に上方から進入係合している。
このような状態においては、セキュリティ板Sが、遊技盤Pを介し上記遊技機本体を閉じている。このため、セキュリティ板Sと上記遊技機本体との間において隙間がわずかでも生じることがない。
従って、隙間が、前扉Dと上記遊技機本体との間に生じていても、上述のようにセキュリティ板Sと上記遊技機本体との間には隙間が発生しない。
このため、不正行為者が、当該パチンコ遊技機に対して不正行為を行うべく、前扉Dと上記遊技機本体との間の隙間からピアノ線などを進入させたとしても、遊技盤Pの盤面31はセキュリティ板Sにより覆われていることから、ピアノ線などをセキュリティ板Sと上記遊技機本体との間から進入させることは困難である。このことは、上述した不正行為を未然に防止し得ることを意味する。
このような状態において、当該パチンコ遊技機による遊技過程にて、遊技球が、変位板部材63と遊技盤Pの盤面31との間に挟まれることで、いわゆる球噛みが、遊技盤Pの盤面31と変位板部材63との間に発生した場合、セキュリティ板Sが、上述のごとく、ロックレバー機構43によりロックされた状態で、閉じたままとなっている。従って、前扉Dを開いてセキュリティ板Sを開こうとしても開くことはできない。
そこで、例えば、ホールの作業者が、工具Tの把持部を把持して、図9に示すように、軸部Tbを前扉Dの工具挿入穴部18(図7参照)に挿入して、軸部Tbの上記突出片部を、当該軸部Tbの左側に位置させるようにして、内枠62の右壁62aの帯状挿入溝部62jに挿入する。
然る後、当該工具Tを、図9にて図示円弧状矢印にて示すごとく、時計方向に回動すると、この工具Tの上記突出片部は、右壁61bの上記くり抜き穴部内にて軸部Tbの軸周りに上記時計方向に回動して、当該くり抜き穴部から右壁61bの上記切り欠き部内に進入してその内面下部に係合する。
このような段階にて、当該工具Tをさらに時計方向に回動させると、この工具Tは、その回動に伴い、上記突出片部にて、右壁61bの上記切り欠き部の上記内面下部を下方に向け押動する。これに伴い、工具Tが、上記突出片部による上記切り欠き部の上記内面下部に対する押動のもとに、軸部Tbにより、帯状挿入溝部62jの上側内面部を介し内枠62の右壁62aを上方へ押し上げる。このため、内枠62が、各案内ピン62iにより、外枠61の各対応の直線状長穴部61fに沿い案内されて、上動する。なお、図9及び図10では、便宜上、前扉Dは示されていない。
このような内枠62の上動に伴い、セキュリティ板Sにおいては、変位板部材63が、各案内ピン63gにて、内枠62の各対応の傾斜状長穴部62eに沿いその各後側上端部62fから各前側下端部62gに向けて案内されて、前方へ変位(即ち、前進)する。このとき、変位板部材63は、保持枠63Aの上下両壁63c、63dにて、外枠61の上下両壁61a、61dの間に上下方向には移動不能に規制されているから、変位板部材63は、各案内ピン63を、内枠62の上述の上動にあわせて各対応の傾斜状長穴部62eの傾斜方向に沿い移動させながら、前進する。
然る後、各案内ピン63gが、それぞれ、各対応の傾斜状長穴部62eの傾斜方向中間部位に達すると、変位板部材63は、その前進位置に達する(図5及び図10参照)。
このように変位板部材63が原位置から前進位置へ変位することで、変位板部材63は遊技盤Pの盤面31から前方に離れる。このことは、変位板部材63と遊技盤Pの盤面31との間の間隔が、遊技球の直径よりも、一様に広くなることを意味する。その結果、遊技球が、その球噛みから容易に解放され得る。
このように球噛みが解消した状態においては、セキュリティ板Sは、上述のごとく、閉じたままでロックレバー機構43によりロックされている。このとき、セキュリティ板Sにおいては、変位板部材63と遊技盤Pの盤面31との間の間隔が上述のように広くなっても、当該変位板部材63と内枠62或いは外枠61との間の関係は、変位板部材63の原位置における場合と同様であるので、何ら不正を行う余地は発生しない。
上述のようにして遊技球の球噛みを解消した後は、工具Tを上述とは逆に反時計方向に回動させると、この工具Tの上記突出片部は、右壁61bの上記くり抜き穴部内にて軸部Tbの軸周りに上記反時計方向に回動して、右壁61bの上記切り欠き部の内面下部から解離して右壁61bの上記くり抜き穴部の内部に戻る。これに伴い、内枠62が、その自重のもとに、各案内ピン62iを外枠61の各対応の直線状長穴部61fに沿い下方に向け移動させながら下動する。
このような内枠62の下動に伴い、セキュリティ板Sにおいては、変位板部材63が、各案内ピン63gにて、内枠62の各対応の傾斜状長穴部62eに沿い各後側上端部62fに向けて案内されて、内枠62の下動に対し相対的に上動しながら後方へ変位する。このとき、変位板部材63は、保持枠63Aの上下両壁63c、63dにて、外枠61の上下両壁61a、61dの間に上下方向には移動不能に規制されているから、変位板部材63は、各案内ピン63gを、内枠62の上述の下動にあわせて各対応の傾斜状長穴部62eの傾斜方向に沿い移動させながら、後方へ変位する。
然る後、各案内ピン63gが、それぞれ、各対応の傾斜状長穴部62eの後側上端部62fに達すると、変位板部材63は、その原位置に達する(図5及び図10参照)。これにより、変位板部材63と遊技盤Pの盤面との間隔は元の状態に復帰する。なお、この段階では、既に球噛みは上述のごとく解消されているため、特に支障はない。また、上述のように変位板部材63が原位置に戻った後は、工具Tを前扉Dの工具挿入穴部18から抜き取ればよい。
また、何らかの理由によりセキュリティ板Sを開く必要が発生した場合には、キーKを施錠装置17に挿入して一方向回動操作すれば、前扉Dが、施錠装置17による枠体Hとの施錠から解放される。このとき、変位板部材63は、原位置にあるものとする。
このような状態にて、前扉Dを開いた後、操作ロッド62kを把持して内枠62を上動させると、内枠62の係合突部62lが、外枠61の切欠き部61e内に下方から進入して外枠61の上壁61aの切り欠き部61e内にその下方から進入してロックレバー43aのフック部43dに係合する。然る後、内枠62の係合突部62lが、フック部43dを捩りばね43cに抗して押し上げるようにしてロックレバー43aを上方に傾動させる。
これに伴い、ロックレバー43aのフック部43dが外枠61の上壁61aの切り欠き部61eから上方へ解離すると、セキュリティ板Sは、枠体Hとのロックから解放される。換言すると、切り欠き部61eは、内枠62の上動に伴う係合突部62lの上動につれてその容積が縮小してゆくが、内枠62が所定範囲内で上動する間は、当該容積は、係合突部62lによってなくなることはなく、セキュリティ板Sをロック状態に維持し、一方、内枠62が所定範囲を超えて上動したとき上記容積は、係合突部62lによってなくなり、セキュリティ板Sのロック状態は解除される。
また、上述のような内枠62の上動に伴い、内枠62の各案内ピン62iは、外枠61の各対応の直線状長穴部61fに沿い上動する。また、変位板部材63の各案内ピン63gが、内枠62の各対応の傾斜状長穴部62eに沿いその後側上端部62fから前側下端部62gまで移動することで、変位板部材63を前進させる。
上述のように、セキュリティ板Sを枠体Hとのロックから解放した後は、操作ロッド62kにより内枠62を上動させた状態で、当該セキュリティ板Sを枠体Hから開くことができる(図12参照)。なお、セキュリティ板Sを開いた後は、操作ロッド62kを解放すれば、内枠62は、その自重により下動し、変位板部材63が原位置に戻る。
このような状態において、セキュリティ板Sを再び閉じるにあたっては、当該セキュリティ板Sを、枠体Hに向けて押し当てるようにすれば、外枠61の上壁61aがその右端部にてロックレバー43aのフック部43dを捩りばね43bに抗して押し上げながら閉じる。これに伴い、ロックレバー43aのフック部43dが捩りばね43bの弾力のもとに外枠61の切り欠き部61e内に上方から進入して係合する。これにより、セキュリティ板Sがロックレバー機構43により再びロックされる。ついで、前扉Dを閉じ、然る後、キーKにより施錠装置17を介して前扉Dを施錠する。
なお、上述のようにセキュリティ板Sを開くにあたっては、操作ロッド62kに依存することなく、工具Tを内枠62の帯状挿入溝部62jに上述と同様に挿入して時計方向に回動させることで、内枠62を上述のようにロックレバー機構43によるロックから解除するように上動させるようにしてもよい。これによれば、操作ロッド62kという余分な部品の廃止が可能となる。
以上説明したように、本第1実施形態においては、セキュリティ板Sが遊技盤Pを有する遊技機本体と前扉Dとの間に開閉可能に支持されている。
これによれば、セキュリティ板Sを閉じたときには、当該セキュリティ板Sと遊技機本体との間には隙間が形成されない。従って、前扉Dと遊技機本体との間の隙間からピアノ線などを挿入させ得たとしても、当該ピアノ線などを、セキュリティ板Sと遊技機本体との間にまで挿入することは困難である。
このため、上記ピアノ線などは、遊技盤Pの盤面31に到達し得ず、その結果、上述のような不正行為を未然に防止することができる。
また、セキュリティ板Sは、上述のごとく、閉じたとき、ロックレバー機構43により枠体Hにロックされるので、セキュリティ板Sを自由に開けることができない。このため、当該パチンコ遊技機におけるセキュリティが向上する。
また、球噛みが発生した場合には、上述のごとく、前扉Dを閉じた状態でセキュリティ板Sをロックしたままにて、工具Tを用いて内枠62を上動させ、変位板部材63を前進させることで、当該変位板部材63と遊技盤Pとの間隔を遊技球の直径よりも広くするようにしたので、前扉D及びセキュリティ板Sを開くことなく上記球噛みを解消することが可能になり、便利である。このとき、セキュリティ板Sは、上述のごとくロックしたままであるので、当該パチンコ遊技機のセキュリティは、球噛みの解消前と同様に向上する。
また、遊技盤Pは、その盤面31に突設された装飾部品35を備えると共に、セキュリティ板Sは各空所Gを備えている。このため、セキュリティ板Sを閉じたとき、各装飾部品35は各対応の空所Gを貫通してセキュリティ板Sの前方へ突出する。このことは、セキュリティ板Sを装飾部品35により邪魔されることなく枠体Hに対し閉じることができることを意味する。
また、パチンコ遊技機では、一般的に、前扉Dに電飾部品等の装飾部品を設けることで、演出効果を高めることが行われている。ここで、パチンコ遊技機において、遊技盤Pは定期的に交換されるものの、前扉Dは交換されることなくそのまま維持されることが通常である。これでは、パチンコ遊技機としての装飾部品による演出効果を遊技盤の交換にあわせてさらに高めることはできない。
このため、本第1実施形態では、装飾部品35が、前扉Dではなく、遊技盤Pの盤面に突設されているので、パチンコ遊技機としての装飾部品による演出効果を遊技盤の交換毎に新たに高めることができる。
なお、上記第1実施形態は、内枠62を上動させることによって変位板部材63を前進させると共にロック機構43を作動させる構成としたが、内枠63を上動ではなく下動させることによって変位板部材63を前進させると共にロック機構43を作動させる構成とすることは自由である。
また、セキュリティ板Sの形状は、上述した実施形態では四角形状としたが、遊技盤Pの盤面31における遊技領域32の形状に対応する形状(略円形形状)で構成してもよく、装飾部品35がこのセキュリティ板の外側に配置されるようにしてもよい。また、上述した実施形態では、セキュリティ板Sの変位板部材63を前後方向へ移動可能に構成したが、セキュリティ板S全体を前後方向へ移動可能に構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、切欠き部61eをセキュリティ板Sの右上端部に設けているが、セキュリティ板Sの右上端部の下側に切欠き部61eを設け、この切欠き部61eにロックレバー43aを係合可能に配置させ、上述した如き内枠62の動作に応じた動作と同様な動作を行わせる構成としてもよい。
(第2実施形態)
図13及び図14は、本発明に係るパチンコ遊技機の第2実施形態の要部を示している。この第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたパチンコ遊技機の遊技盤Pにおいて、球落下防止装置BCが、付加的に採用されており、この球落下防止装置BCは、図13に示すごとく、遊技盤Pのうち内レール34の下端部近傍部位(符号36にて示すアウト口の近傍部位)に組み付けられている。
当該球落下防止装置BCは、図14にて示すごとく、球受けレール100aと、駆動機構100bとにより構成されている。球受けレール100aは、上記第1実施形態にて述べた内レール34の下面に沿い、後述のごとく前後方向に変位可能に駆動機構100bにより支持されている。
ここで、内レール34の下側レール部34aは、内レール34の全長の半分程度の長さを有する。従って、球受けレール100aの全長も、内レール34の全長の半分程度の長さに相当する。また、球受けレール100aの幅は、セキュリティ板Sにおいて前進位置にあるガラス板64の後面と内レール34の下側レール部34aの前縁部との間隔に相当する幅(遊技球の外径よりも幾分大きい幅)を有する。
駆動機構100bは、ケーシング100cを有しており、このケーシング100cは、下側レール部34aの下端部の下側にて遊技盤Pに形成した開口部P1(図14参照)に嵌装されている。ここで、ケーシング100cは、底壁101と、この底壁101の左右両端部から上方へ延出する左右両壁(図示しない)と、この左右両壁の各後端部に沿い底壁101の後端部から上方へ延出する後壁102とにより構成されて、凹所103を形成する。
ここで、当該凹所103は、左右方向には断面コ字状となり、かつ前後方向にはL字状となって、上方及び前方に向けて開口する。このことは、球受けレール100aの後方への変位状態及びセキュリティ板Sの閉状態にあっては、ケーシング100cは、凹所103にて、球受けレール100aの下面及びセキュリティ板Sのガラス板64の後面に向けて開口することを意味する。
また、駆動機構100bは、図14にて示すごとく、上下両側摺動体110、120及び両コイルスプリング130、140を有しており、上下両側摺動体110、120は、それぞれ、ケーシング100cの凹所103内にその前後方向に向けて相対摺動可能に嵌装されている。
上側摺動体110は、図14にて示すごとく、摺動体本体111と、この摺動体本体111の後端部から後方へ延出するロッド112とにより構成されている。摺動体本体111は、平板状のもので、この摺動体本体111は、厚肉部111aと、薄肉部111bとを備えている。
厚肉部111aは、摺動体本体111の後側半分部位からなるもので、この厚肉部111aは、その下側前端隅角部にて、図14にて示すごとく、縦断面傾斜状に切り欠かれている。これにより、厚肉部111aの下側前端隅角部には、図14にて示すごとく、左上側から右下方側に向けて、傾斜面111cが形成されている。
薄肉部111bは、摺動体本体111の前側半分部位からなるもので、この薄肉部111bは、厚肉部111aの前端部から前方へ延出するように当該厚肉部111aと一体的に形成されている。この薄肉部111bの延出端部には、球受けレール100aが、その後縁部の左右方向中央部にて、連結されて、前方へ延出している。これにより、上側摺動体110は、球受けレール100aを、その上面にて、内レール34の下側レール部34aの下面に沿うように支持する。
ロッド112は、摺動体本体111の厚肉部111aの中央後端部から後方に延出してなるもので、このロッド112は、ケーシング100cの後壁102(凹所103の後壁)の凹部102a(後述する)及び後方突出壁104(後述する)の上側貫通穴部104aに軸方向に摺動可能に挿通されている。
ここで、ケーシング100cは、後方突出壁104を有しており、この後方突出壁104は、後壁102の左右方向中央部位から後方へ一体的に突出されている。当該後方突出壁104は、上下両側挿通穴部104a、104bを有しており、これら上下両側挿通穴部104a、104bは、後方突出壁104及び後方突出壁104の双方に亘り形成された上下両側凹部102a、102bと同軸的に位置するように、後方突出壁104に上下に間隔をおいて形成されている。
また、上側貫通穴部104aは、後述のようにロッド112の上下方向への変位を許容するように、ロッド112の上下方向幅よりも、所定値だけ大きく形成されている。なお、上下両側凹部102a、102bは、詳細には、上側摺動体110のロッド112及び下側摺動体120のロッド122(後述する)と前後方向において同軸的に位置するように、後壁102及び後方突出壁104の前側部位に亘り、上下に間隔をおいて形成されている。
下側摺動体120は、図14にて示すごとく、摺動体本体121と、この摺動体本体121の後端部から後方へ延出するロッド122とにより構成されている。摺動体本体121は、平板状のもので、当該摺動体本体121は、ケーシング100cの底壁101(凹所103の底壁)と上側摺動体110との間にて前後方向に摺動可能に凹所103内に収容されて、上記第1実施形態にて述べたセキュリティ板Sの外枠61に設けてなる立ち上がり壁部61gに向けて延出している。なお、立ち上がり壁部61gは、外枠61の下壁61dの後端部から上方へ突出するように形成されている。
また、当該摺動体本体121は、その上側後端隅角部にて、図14にて示すごとく、縦断面傾斜状に切り欠かれている。これにより、摺動体本体121の上側後端隅角部には、図14にて示すごとく、上側摺動体110の傾斜面111cに平行となるように傾斜面121aが形成されている。
本第2実施形態では、球受けレール100aが、その前端部にて、内レール34の下側レール部34aの前端部に下方から重なるように位置するとき、上側摺動体110のロッド112は、その下端面にて、ケーシング100の後方突出壁104の上側貫通穴部104aの下側内面上に位置するととともに、上側摺動体110の傾斜面111cは、下側摺動体120の傾斜面121aに係合する(図16参照)。このような状態で下側摺動体120が後方へ押動されると、上側摺動体110は、その傾斜面111cにて、下側摺動体120の傾斜面121aに沿い上方へ押動されて当該傾斜面121aから解離するとともに、ロッド112は、その上端面にて、ケーシング100の後方突出壁104の上側貫通穴部104aの上側内面に沿い位置する(図14参照)。
ロッド122は、ロッド部122aと、鍔部122bとにより構成されており、ロッド部122aは、摺動体本体121の中央後端部から後方に延出されてケーシング100の後壁102の下側凹部102b及び後方突出壁104の下側貫通穴部104bに同軸的に前後方向に摺動可能に挿通されている。鍔部122bは、ロッド部122aの延出端部に同軸的に固着されて、下側摺動体120の前方への抜け止め部としての役割を果たす。
コイルスプリング130は、上側摺動体110のロッド112に嵌装されており、当該コイルスプリング130は、その前端部にて、上側摺動体110の厚肉部111aの後端部に係止するとともに、その後端部にて、ケーシング100の後壁102の上側凹部102a内に挿入されて後方突出壁104にその前側から係止している。これにより、当該コイルスプリング130は、上側摺動体110の摺動体本体111を前方に向けて付勢する。
また、コイルスプリング140は、下側摺動体120のロッド122に嵌装されており、当該コイルスプリング140は、その前端部にて、下側摺動体120の摺動体本体121の後端部に係止するとともに、その後端部にて、ケーシング100の後壁102の下側凹部102b内に挿入されて後方突出壁104にその前側から係止している。これにより、当該コイルスプリング140は、下側摺動体120の摺動体本体121を前方に向けて付勢する。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第2実施形態において、上記第1実施形態と同様に、セキュリティ板Sの変位板63のガラス板64が、セセキュリティ板Sの閉状態において、原位置にあるとき、球落下防止装置BCの球受けレール100aは、図14にて示すごとく、コイルスプリング130により上側摺動体110の摺動体本体111を介し前方へ付勢されて、原位置にあるガラス板64にその後面側から当接している。このとき、上側摺動体110は、厚肉部111aの下面にて、下側摺動体120の摺動体本体121の上面後部上に位置するとともに、下側摺動体120は、摺動体本体121にて、セキュリティ板Sの外枠61の立ち上がり壁部61gにその後方から当接するとともに、鍔部122bにて、ケーシング100の後方突出壁104から後方に離れて位置している(図14参照)。
このような状態において、上記第1実施形態と同様に球噛みの発生に伴う変位板63のガラス板64の前進位置への変位に応じて、上側摺動体110は、摺動体本体111にて、コイルスプリング130による付勢のもと、前方へ摺動するととともに、球受けレール100aが、上側摺動体110により押し出されて前方へ変位する(図15参照)。
このことは、球受けレール100aが、ガラス板64の前進に追随しながら前方へ変位するように駆動機構100bにより駆動されることを意味する(図18参照)。なお、このとき、下側摺動体120は、鍔部122bにて、ケーシング100の後方突壁104の下側貫通穴部104bの後端開口外周部に、コイルスプリング140の付勢力に抗して、係止する。
従って、上述のようなガラス板64の前進により当該ガラス板64と遊技盤Pの盤面11との間隔が大きくなって、遊技球が内レール34の前縁部とガラス板64との間から落下し易い状態になっても、球受けレール100aが、ガラス板64と内レール34との間隙を塞ぎながら、ガラス板64に追随して前方へ変位する。このため、球噛みの解消により落下する遊技球は、球受けレール100aにより下方から確実に受け止められて、セキュリティ板Sと遊技盤Pとの間から落下することなく、アウト口36内に排出されていく。
然る後、上述のように球噛みを解消した後、上記第1実施形態と同様にセキュリティ板Sの変位板63のガラス板64を原位置に戻した後、セキュリティ板Sを上記第1実施形態にて述べたと同様にして開く。
ついで、球受けレール100aを、図15にて図示矢印にて示す方向に押し込むと、当該球受けレール100aが、その前縁部にて、図19にて示すごとく、内レール34の前端部に重なる位置に変位したとき、上側摺動体110が、その自重により、図16にて示すごとく、傾斜面111cにて、下側摺動体120の傾斜面121aに沿い下方へ変位しながらこの傾斜面121aに係合する。
これに伴い、下側摺動体120が前方へ押し出されるが、鍔部122aがケーシング100の後方突出壁104にその後方から係合するため、下側摺動体120は、図17にて示すごとく、傾斜面121aと傾斜面111cとの係合を維持する。
然る後、上記第1実施形態にて述べたと同様にセキュリティ板Sを閉じると、外枠61が、立ち上がり壁61gにて、下側摺動体120にその前側から当接することで、上述した両傾斜面111c、121a間の係合を良好に維持する。
以上のように、本第2実施形態においては、球噛みの解消が上述のようになされたとき、落下する遊技球が球落下防止装置BCによりその球受けレール100aにより確実に受け止められてアウト口36内に排出されていくので、球噛み解消の際の遊技球がセキュリティ板Sのガラス板64と内レール34との間から当該内レール34の下側へ落下する事態を未然に防止することができる。その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
なお、駆動機構100bは、電磁ソレノイドなど電気的アクチュエータで構成し、セキュリティ板Sの前進時に球受けレール100aを前進させ、セキュリティ板Sの後退時に球受けレール100bを後退させるよう構成してもよい。