JP4383022B2 - 円すい状ネック部分を具備した横部材 - Google Patents

円すい状ネック部分を具備した横部材 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、連続可変変速機の駆動ベルト用の横部材に関し、駆動ベルトを一対で囲む少なくとも一部が円すい形の接触面を有し、かつ、それぞれ2個のプーリシーブを具備している2個のプーリを具備していて、駆動ベルトが、2個のエンドレスキャリヤと、駆動ベルトの軸方向にそれぞれ対向して配置された横部材とを具備している連続可変変速機において、横部材が、両側に、キャリヤを支持する支持面を備えていて、支持面が、一方の側において、プーリシーブの接触面に対して接触するようになっているプーリシーブ接触面になっていて、他方の側において、遷移領域を介して、横部材のネック部分の側面になっているような連続可変変速機の駆動ベルト用の横部材に関する。
【0002】
このような横部材は周知で、連続可変変速機用の駆動ベルトに使用されている。このような駆動ベルトは、閉ループ状に成形された2束のエンドレスバンドから構成されていて、この2束のエンドレスバンドは、多数の横部材キャリヤとして機能している。横部材は、操作中に駆動ベルトを動かす力を伝達することができるように、バンドの全長に沿って連続して配設されている。
【0003】
横部材は、バンドの束を少なくとも部分的に受け容れる凹部を有する両側に配設されている。凹部の内面の一部は、バンドの束を支持する支持面を形成している。
【0004】
さらに、横部材と、連続可変変速機のプーリシーブとの間を接触させるため、両側の横部材は、プーリシーブ接触面を有している。このプーリシーブ接触面は、支持面方向に向かって拡がっている。
【0005】
支持面は、一方の側で、プーリシーブ接触面と接続していて、他方の側で、遷移領域を経て、横部材のネック部分の側面と接続している。このネック部分は、凹部の間に配設された横部材の一部を含んでいる。横部材は、ネック部分の他に、内側部分と外側部分とを具備している。内側部分は、支持面と、プーリシーブ接触面とを具備している。横部材を駆動ベルトに適用する場合は、横部材を位置決めして、内側部分を、駆動ベルトの内周に配置し、外側部分を、駆動ベルトの外周に配置する。
【0006】
外側部分の前面には、突起が設けてあり、外側部分の後面には、孔が穿設されている。突起と孔の位置と寸法は、互いに、横部材の突起が、後続する横部材の孔に受け容れられるようになっている。突起と孔の重要な機能は、駆動ベルトの一部である後続する横部材が、横方向に変位するのを防止することである。
【0007】
外側部分の寸法は、突起と孔とによっても決定される。突起と孔は、好ましくは、横部材を製造する工程で、ダイと、対応するモールドとにより、打抜き法のような方法で、外側部分に形成される。この工程において、ダイとモールドの強度を十分にして、突起と孔を形成している間、横部材を十分に支持するためには、取付面と呼称されている突起と孔を囲む一定の表面が必要である。さらに、横部材には、駆動ベルトに利用するのに適した一定の強度が必要である。
【0008】
前述したように、横部材は、連続可変変速機用の駆動ベルトに適したように設計されている。連続可変変速機は、たとえば、自動車に組込みことができるように設計されている。従って、横部材の重量は、できるだけ軽いことが好ましい。一方、連続可変変速機を操作している間に発生する力を吸収するためには、横部材は、十分な強度がなければならない。
【0009】
本発明は、従来の横部材に比べて、重量軽減を行うものである。この目的のために、本発明による横部材は、ネック部分の少なくとも一部が、支持面方向にテーパー付きになっていることを特徴とする。
【0010】
ネック部分がテーパー付きの形状になっているので、外側部分と内側部分を一層小さくすることができる。そのことにより、ネック部分を具備してはいるが、その側面が、概ね互いに平行になっている従来の横部材と比べて、横部材の重量を軽減することができる。つまり、本発明のテーパー付きの形状は、ネック部分が、外側部分の側面で、比較的大きくなるようになっている。その結果、本発明による横部材において、突起と孔は、従来の横部材と比較して、ネック部分の方向に変位することができる。強度が十分なダイとモールドを得るためにも、また突起と孔を形成している間に横部材を十分に支持するために、他のなによりも必要な突起と、孔の回りに配置された取付面も、ネック部分の方向に変位され、外側部分の一部が除去される。横部材の安定性を保障するために、内側部分の一部も、さらに取り除くことが必要である。外側部分と内側部分において除去される全体部分に比べて、ネック部分に加わる部分は小さいので、重量軽減が可能になる。
【0011】
JP04083841は、横部材とバンド束を開示している。JP04083841では、バンド束が、横部材の支持面上で正常位置にある時のバンド束の直立側の位置と、バンド束が正常位置に対して角変位した時の前記直立側の位置との間の角度を規定している。あるいは、この角変位は、横部材の、バンド束に対する突起の中心の周りの回転として記載することができる。バンド束が角変位する場合に、バンド束の比較的シャープな部分と、横部材のネック部分の側面との間に、線形接触が発生しないようにするために、前記側面の位置が適用される。この位置は、バンド束が横方向に角変位する際、バンド束の直立側と、横部材のネック部分の側面との間が、平面を介して接触し、それによって前記側面が損傷するのを軽減するようになるように選択される。この位置で、側面は、支持面に対して直角に延びる仮想線と角度をなしている。この角度は、横方向に最大角変位したバンドと、支持面との間の角度に等しい。通常、この後者の角度は、1〜2度である。バンド束の最大角変位は、バンド束の幅と高さ、および凹部の幅と高さによって決定されることは明らかである。
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明による横部材に関する記載に基づいて、本発明を詳細に解説する。添付図面では、同一或いは類似の部品には同じ参照番号を付した。
【0013】
図1は、自動車に使用するような連続可変変速機の図解図である。
【0014】
連続可変変速機は、参照番号1で示してある。
【0015】
連続可変変速機1は、別々のプーリシャフト2及び3に取り付けられた2個のプーリ4及び5を具備している。閉ループ状のエンドレス駆動ベルト6が、プーリ4及び5の周りに装着されていて、プーリシャフト2及び3の間に伝導トルクを供給している。各プーリ4及び5は、それぞれ、2個の円すい形シーブ7及び8と、9及び10を具備している。円すい形シーブ7及び8と、9及び10は、組合わさって、一部が円すい形の受け容れ溝11を形成している。受け容れ溝11に、駆動ベルト6が嵌装されている。
【0016】
連続可変変速機1の変速比は、プーリ4及び5の受け容れ溝11に嵌装されている駆動ベルト6の駆動半径の比率によって決定される。駆動半径は、変位手段でプーリシーブ7及び8と、9及び10を、それぞれ、変位させることによって変えることができる。なお、変位手段は、簡略にするために図示していない。この目的のために、各プーリシーブ7及び8と、9及び10の少なくとも一組が、軸方向に可動する方法で取り付けられている。プーリシャフト2及び3の間に伝導トルクを供給するために、プーリ4及び5の受け容れ溝11の中に、駆動ベルト6が一定の締結力で締結されている。
【0017】
図2及び図3に、駆動ベルト6が詳細に図示してある。駆動ベルト6は、互いに隣接して配設された2個のエンドレスキャリヤ12を具備している。本例では、このエンドレスキャリヤ12は、数枚のバンド13から構成されていて、バンド束14を形成している。キャリヤ12の全長に沿って、横部材20が配設されている。横部材20は、互いに、隣接していて、キャリヤ12に対して軸方向に可動である。簡略にするため、図2は、数個の横部材20だけを図示した。
【0018】
図3は、キャリヤ12と横部材20の断面図である。横部材20は、両側に、凹部21を備えている。凹部21の中に、バンド束14の一部が収容されている。さらに、横部材20は、両側に、支持面22を具備している。支持面22には、バンド束14が支持されている。
【0019】
さらに、横部材20は、両側に、プーリシーブ接触面23を備えている。横部材20が、受け容れ溝11の中に納まっている時は、横部材20と、プーリシーブ7、8、9、10の接触面との間の接触は、前記プーリシーブ接触面23を介して、確保される。
【0020】
横部材20において、面22の最高点と、面39の最低点との間に位置していて、図3で点線で示した部分を、以下、ネック部分30として表記する。横部材20において、図3でネック部分30の下に位置する部分を、以下、内側部分31と表記する。内側部分31は、支持面22と、プーリシーブ接触面23とを具備している。駆動ベルト6に横部材20を使用するとき、この内側部分31は、駆動ベルト6の内周面に位置している。横部材20において、図3でネック部分30の上に位置する部分を、以下、外側部分32と表記する。横部材20を駆動ベルト6に使用するとき、外側部分32は、駆動ベルト6の外周面に位置している。
【0021】
2個の後続する横部材20は、接触線25の周りで互いに対して傾斜することができる。図4に示したように、接触線25は、横部材20の前面26の傾斜部分27が、前面26の直線部分28と接続している位置にある。たとえば、駆動ベルト6が駆動している間、横部材20が、プーリ4、5の一方の受け容れ溝11の中を走行しているとき、2個の後続する横部材20の間の相互接触は、接触線25に沿って確実になされる。
【0022】
突起35が、前面26に突設されている。本例の場合、当該突起35は円柱形である。孔36が、裏面29に穿設されている。突起35と孔36の寸法と位置は、横部材20の突起35が、後続する横部材20の孔36の中に収容されるような方法で、相互に適合される。突起35と孔36の重要な機能は、駆動ベルト6の部品となる後続する横部材20が互い変位するのを防止することである。
【0023】
突起35と孔36の両者は、図示していないダイとモールドを使用して、たとえば、打抜き法で製造するのが好ましい。打抜き法の場合、強度が十分なダイとモールドを製造し、突起35と孔36を製造している間、横部材20を十分に支持するためには、突起35と孔36を取り囲む一定の面が必要である。さらに、横部材20は、駆動ベルト6に利用するのに適した一定強度がなければならない。
【0024】
この取付面の設定範囲が、図3に点線Cで示してある。本例では、設定範囲Cは、円形であって、この円形はネック部分30の側面38と、外側部分32の外側面に達している。円形の位置は、円形の直径が、できるだけ大きくなるように選択される。突起35と孔36は、円形の取付面のほぼ中央に位置しているのが好ましい。
【0025】
図3から明らかなように、支持面22は、下方遷移領域37を介して、ネック部分30の側面38に接続している。この下方遷移領域37は、支持面22に対して深絞りされた部分を有している。下方遷移領域37の重要な機能は、駆動ベルト6のバンド束14が、ネック部分30の側面38と接触するのを防止することである。下方遷移領域37は、支持面22の深絞り部分であるので、バンド束14が、ネック部分30に向かってゆっくりと走行するときに沿う面が、ネック部分30の側部で消失することになる。バンド13と、ネック部分30との間が接触していると、バンド13にとって障害になり、その結果、バンド13が損傷し易くなるので、バンド13と、ネック部分30との間の接触を防止することが非常に重要である。
【0026】
外側部分32は、凹部21の内面部分となる上方面39を備えている。この上方面39は、上方遷移領域40を介して、ネック部分30の側面38に接している。本例では、上方遷移領域40は、上方面39に対して深絞りになっている部分を備えている。横部材20を製造している間、研磨ベルトを使用してネック部分を加工することが必要な場合は、上方面に対して深絞り部分を有する上方遷移領域40を、その目的のために必要な隙間と見なすことが重要である。製造している間に、横部材に対して、バレル研磨加工を行う場合、上方面39に対して深絞り部分の形状になっている上方遷移領域40を省略することができる。
【0027】
図5は、横部材20の詳細図である。支持面22の一部と、下方遷移領域37と、ネック部分30の側面38と、上方面39の一部と、上方遷移領域40を示してある。
【0028】
本例では、下方遷移領域37が、半径がR1の凸部を、支持面22の側部に備えている。さらに、下方遷移領域37が、半径がR2の凹部を備えている。同様に、上方遷移領域40は、半径がR3の凸部と、半径がR4の凹部を、上方面39の側部に備えている。
【0029】
半径R1は、好ましくは、0.4mm以上である。事実、実用面では、半径R1の値が0.4mm以下の場合、バンド束14の内側バンド13が、損傷を受けたり、余計な荷重がかかる。また、凹部の半径R2は、十分大きくなければならない。半径R2を、0.7mm以上にすると、横部材20が破断し難くなる。半径R3の値は、半径R1と同じ値にすることが好ましい。半径R4の値は、半径R2と同じ値にすることが好ましい。
【0030】
図5では、角度がaで表記されている。本発明によると、この角度aは、ネック部分30の側面38と、支持面22に垂直な仮想線lとの間の角度である。好ましくは、側面38は、横部材20の同じ側面に位置するプーリシーブ接触面23に対して平行に伸びている。実際には、この角度は、11度である。さらに、側面38を、曲面に成形することもできる。曲面に成形する場合、側面38の角度を比較的大きくして、下方遷移領域37と上方遷移領域40との接触を滑らかにすることが好ましい。
【0031】
連続可変変速機1を操作する間に、支持面22に対して、バンド束14が角変位することがある。この角変位は、外側部分32の上方面39によって画定される。好ましくは、この角度は、横方向に最大角変位しているバンド束14と、支持面22との間の角度に等しい。後者の角度は、通常、約1度〜2度である。好ましくは、この角度は、横方向に最大角変位しているバンド束14と、支持面22との間の角度より大きい。この場合、ネック部分30の側面38と、横部材20の一方の側のプーリシーブ接触面23とは、概ね、互いに対して平行か、或いは前記側面38と、前記プーリシーブ接触面23とは、互いに、比較的小さな角度、たとえば、3度を形成している。
【0032】
図5では、角度がbで表記されている。この角度bは、支持面22に近い下方遷移領域37の凹部と、支持面22との間の角度である。好ましくは、角度bは、85度より小さい。
【0033】
前述したように、本発明によると、角度aは、ネック部分30の側面38と、支持面22に垂直な仮想線lとの間の角度である。このことにより、ネック部30は、支持面22の方向に傾斜する。
【0034】
ネック部分を具備していて、ネック部分の側面が互いに平行に伸びている従来の横部材に比べて、図3に示したように、陰影のついた部分W、X、Y、及びZによって、本発明によるネック部分30の傾斜設計により、横部材20の重量軽減が可能になる。従来の横部材に対して、ネック部分の両側にあるW及びX部分が加えられる。その結果、外側部分32の側部に位置するネック部分30が、従来の横部材のネック部分より、大きくなる。この結果、本発明による横部材20の場合、内側部分31の方向に変位される突起35と、孔36を打抜くたための取付面になる。その結果、円形の取付面が、大きくなったネック部分30の側面38と接触することになる。
【0035】
突起35と孔36は、取付面のほぼ中央にあるのが好ましい。また、突起35と孔36は、内側部分31の方向に変位させることもできる。図3を参照すれば、突起35が、突起35の一部が、ネック部分30の上に位置しているように変位することが分かる。一方、従来の通常の横部材の場合、突起は、単に外側部分に位置しているに過ぎない。突起35の一部が、ネック部分30の上に位置していることは必須ではない。この場合、突起35が、内側部分31の方向に変位することが重要である。
【0036】
ネック部分30が円すい形に成形されているので、WとXで表記した部分が、従来の横部材に対して加えられる。突起35と、孔36を打抜くための取付面が上述したように変位するので、Yで表記される外側部分32を省くことができる。横部材20の安定性に関しては、Zで表記される内側部分31を省くことも重要である。図3を参照すれば、Y部分とZ部分の和が、W部分とX部分の和より大きなことが分かる。このことは、従来の横部材に比べて、本発明による横部材20の重量が軽減されていることを意味している。
【0037】
ネック部分30全体にテーパを設ける必要はない。いずれにしても、外側部分32の側部に位置するネック部分30を実質的に大きくすることによって、上述したように取付面を変位させることが重要である。
【0038】
さらに、突起35と孔36が、上述したように内側部分31の方向に変位することによる別の利点は、突起35と孔36が、接触線25に接近して配置されることである。この利点によって、突起35の寸法を変えないで、後続する横部材20の間の接触が一層確実になされる。このことは、特に、横部材20が、プーリ4、5の一方の受け容れ溝11の中にあって、かつ横部材20が、互いに傾斜している場合に、明らかである。
【0039】
ネック部分30が円すい形に成形されているので、バンド13が、ネック部分30の側面38と接触し易くなる。このことは、バンド13と、側面38との間の距離が最短距離の場合、バンド束14の上方のバンド13に対して、特に、言えることである。以下、2例の寸法設計に関して記載する。この寸法設計によって、ネック部分30が円すい形であることの効果を中庸にすることができる。
【0040】
第1の寸法設計は、支持面22の設計の適用に関する。有利なことは、支持面22は、全体を平面形状に成形しないで、僅かに、凸状に成形することである。そのことによって、連続可変変速機1を操作している間に、バンド束14自体が、支持面22の中央に配置される。
【0041】
ネック部分30を具備していて、ネック部分30の側面38が、互いに、概ね平行に延設された従来の横部材においては、支持面22の曲面の最高点の位置が、下記の式によって決定されている、
【式2】
Figure 0004383022
ただし、図6を参照して、sは、支持面22の曲面の最高点の位置の近傍で、この最高点と、プーリシーブ接触面23で画定される面との間の距離を表し、wは、バンド13の横方向寸法を表し、fは、プーリシーブ7、8、9、10の接触面に対する、バンド束14の最適接触に関する実験によって得た係数を表している。
【0042】
この実験によって得た係数の値は、0.0mmと0.2mmの間が好ましい。通常、この係数には、0.1mmが使用される。
【0043】
有利なことには、本発明による横部材20では、他の式を利用して、支持面22の曲面の最高点の位置を決定することができる。この式は、
【式3】
Figure 0004383022
である。
ただし、図6を参照して、pは、横部材20の2個のプーリシーブ接触面23で囲まれた角度(図示せず)を表し、hは、バンド束14の高さを表している。
【0044】
通常、角度pは、22度である。
【0045】
2個の式の相互比較から、本発明による横部材20の場合、支持面22の曲面の最高点は、プーリシーブ接触面23で画定された面の方向に、tan(1/2*p)*hの長さの距離だけ変位する。その結果、連続可変変速機1を操作している間、バンド束14自体が、支持面22の上に集中し、バンド束14の形状が図6に示したようになる。この形状になると、バンド束14の全てのバンド13と、ネック部分30の側面38との間の距離が最適になる。即ち、横部材20が、プーリ4、5の受け容れ溝11の中にあるとき、全バンド13が、プーリシーブ7、8、9、10の接触面と最適の状態で接触するので、バンド束14の全てのバンド13と、ネック部分30の側面38との間の距離ができるだけ大きくなる。
【0046】
(図示していない)第2の寸法は、バンド束14の設計に関する。ほぼピラミッド形をしたバンド束14を使用することができる。この場合、内方バンド13の横方向寸法が最大になり、外方バンド13の横方向寸法が最小になる。全てのバンド13が、圧延により等寸法のベースリングで形成されているので、このようなバンド束14は、簡単な方法で製造することができる。バンド13を同じ高さにすると、大きな円周を有するバンド13の横方向寸法を、円周が小さなバンド13よりも、小さくすることができる。
【0047】
本発明の範囲は、上述した例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲から逸脱せずに、幾つかの修正、改良が可能であることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】駆動ベルトを取付けた連続可変変速機の横断面図である。
【図2】図1に示した駆動ベルトを取付けた連続可変変速機の一部の縦断面図である。
【図3】本発明による横部材と、駆動ベルトのキャリヤの断面図である。
【図4】図3に示した横部材の縦断面図である。
【図5】図3に示した横部材の詳細図である。
【図6】本発明による横部材と、駆動ベルトのキャリヤの一部の横断面図である。
【符号の説明】
1 連続可変変速機
2、3 プーリシャフト
4、5 プーリ
6 駆動ベルト
7、8、9、10 プーリシーブ
11 受け容れ溝
12 エンドレスキャリヤ
13 バンド
14 バンド束
20 横部材
21 凹部
22 支持面
23 プーリシーブ接触面
25 接触線
26 前面
27 傾斜部分
28 直線部分
30 ネック部分
31 内側部分
32 外側部分
35 突起
36 孔
37 下方遷移領域
38 側面
39 上方面
40 上方遷移領域
R1、R2、R3、R4 半径
a、b 角度
c 設定範囲
l 仮想線
W、X、Y、Z 陰影のついた部分

Claims (9)

  1. 一対で駆動ベルトを囲む少なくとも一部が円すい形の接触面を有る2個のプーリを備え、かつ、2個のプーリが、それぞれ、2個のプーリシーブを備えてなる連続可変変速機の駆動ベルト用の横部材であって、
    駆動ベルトには、2個のエンドレスキャリヤと、駆動ベルトの軸方向にそれぞれ対向して配置された横部材と、が設けられ、
    横部材両側には、少なくとも一部のエンドレスキャリヤを受け止める凹部が設けられ、
    凹部の内面によって、エンドレスキャリヤを支持する支持面形成され、
    支持面が、一方の側において、プーリシーブの接触面に接触し、かつ、他方の側において、遷移領域を介して、横部材のネック部分の側面に接触するようにされ、
    ネック部分の少なくとも一部が、支持面に向かって傾斜して、ネック部分の横方向寸法が、支持面の側で最小となるようにされ
    ネック部分(30)の側面(38)と、支持面(22)に垂直な仮想線(1)との間の角度(a)が、横方向に最大角変位したエンドレスキャリヤ(12)と、支持面(22)との間に形成された角度より大きくなるようにされ、そして、
    最大角変位が、エンドレスキャリヤ(12)の幅と高さおよび凹部(21)の幅と高さによって決定される
    ことを特徴とする横部材。
  2. ネック部分(30)の側面(38)と、横部材(20)の1つの側部に位置しているプーリシーブ接触面(23)が、互いに平行して延設されていることを特徴とする請求項1に記載の横部材。
  3. 突起(35)が、横部材(20)の前面(26)に配設されると共に、前面(26)の中側で仮想線(c)の中央に配置され、そして、前記仮想線(c)が、少なくとも、ネック部分(30)の側面(38)か、或いは側面(38)から延設された上方遷移領域(40)と接していることを特徴とする請求項1または2に記載の横部材。
  4. 突起(35)が、横部材(20)の前面(26)に配設され、そして、突起(35)の一部が、ネック部分(30)に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の横部材。
  5. 孔(36)が、横部材(20)の背面(26)に穿設され、そして、孔(36)の一部が、ネック部分(30)に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の横部材。
  6. 支持面(22)が凸状で、支持面(22)の最高点の位置が下記の式で決定される請求項1〜のいずれか1項に記載の横部材。
    【式1】
    Figure 0004383022
    [式中、sは、支持面(22)の曲面の最高点に近い位置で、前記最高点と、プーリシーブ接触面(23)で画定される表面との間の距離を表し、
    wは、エンドレスキャリヤ(12)の横方向寸法を表し、
    fは、0.0mm〜0.2mmの値を有する計数を表し、
    pは、横部材(20)のプーリシーブ接触面(23)で囲まれた角度を表し、
    hは、エンドレスキャリヤ(12)の高さを表す。]
  7. 一対で駆動ベルトを囲む少なくとも一部が円すい形の接触面を有る2個のプーリを備え、かつ、2個のプーリが、それぞれ、2個のプーリシーブを備えてなる連続可変変速機の駆動ベルトであって
    駆動ベルトには、2個のエンドレスキャリヤと、請求項1〜のいずれか1項に記載した横部材と、が設けられ、そして、横部材が、駆動ベルトの軸方向に互いに対向して配置されていることを特徴とする駆動ベルト。
  8. エンドレスキャリヤ(12)が、ピラミッド形のバンド束(14)を具備していて、内側バンド(13)の横方向寸法が最大で、外側バンド(13)の横方向寸法が最小であることを特徴とする請求項7に記載の駆動ベルト。
  9. 請求項7または8に記載した駆動ベルトを有することを特徴とする連続可変変速機。
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