JP4382180B2 - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス浄化用触媒に関するもので、自動車などの内燃機関からの排ガス中に含まれる有害成分である一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)および窒素酸化物(NOX )を同時に除去する排ガス浄化用触媒に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、排ガス浄化用触媒としては、セラミックスの触媒担体上に耐火性無機酸化物を担持し、該耐火性無機酸化物に触媒となる貴金属元素および貴金属元素を安定化して保持する化合物と共に担持して形成されている。
特開昭63−1116741号公報には、上記の貴金属元素を安定化して保持する化合物として添加されたセリウムが、排ガス浄化条件の高温度下における酸化セリウムの粒成長を抑制し浄化性能を維持するため、ジルコニウム酸化物がセリウム酸化物に一部は複合酸化物ないしは固溶体として存在させた触媒が開示されている。
【0003】
また、特開平2−43951号公報には、高温酸化雰囲気のような厳しい条件下でも優れた耐久性を有し、低温域でも高い浄化性能を有する排ガス浄化用触媒として、ジルコニア又はジルコニアとイットリアおよびカルシアよりなる群から選ばれた1種によって安定化されたセリウム酸化物と、ロジウム、白金およびパラジウムよりなる触媒金属を担持した耐火性無機酸化物の活性アルミナとをハニカム担体に担持した触媒が開示されている。しかしながら、これらの排ガス浄化用触媒は、高温域で活性であってもエンジン始動直後の低温雰囲気では、必ずしも触媒が活性とならなず十分な浄化性能を示さないという不具合を有する。すなわち、ある程度以上の温度に触媒が暖まらないと、排ガスの浄化性能を十分に発揮できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので低温域での触媒活性および触媒自体の耐熱性を向上し、エンジン始動後、速やかに触媒を活性化することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の排ガス浄化用触媒は、触媒担体と、該触媒担体上に形成された貴金属担持層とからなる排ガス浄化用触媒において、前記貴金属担持層は、担持層成分と、該担持層成分に担持された貴金属触媒とを有し、該貴金属触媒はロジウムを含み、該ロジウムを担持する前記担持層成分は、ジルコニウム酸化物及びセリウム酸化物らなる酸化物成分と、該酸化物成分を担持する活性アルミナ粉末とからなり、該活性アルミナ粉末に担持されている前記酸化物成分の中のジルコニウムおよびセリウムの総量を100モル%とすると、前記ジルコニウムの担持量は75モル%以上であることを特徴とする。
【0007】
なお、ジルコニウム、セリウムの総量100モル%は、ジルコニウム、セリウム各原子の原子モルを百分率で表すものである。
前記活性アルミナ粉末はランタンが固溶した安定化アルミナ粉末であることが好ましい。
前記担持層成分は予め前記ジルコニウム酸化物が担持された前記活性アルミナをスラリーから形成されたものであることが好ましい。
【0008】
前記ロジウムを担持する前記担持層成分における前記酸化物成分の中のジルコニウム及びセリウムの総量を100モル%とすると、前記ジルコニウムの担持量は90モル%以上であることが好ましい
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の排ガス浄化用触媒は、触媒担体と該触媒担体上に形成された無機酸化物の担持層と該担持層に担持された貴金属触媒とからなる。
本発明の特徴は、貴金属触媒のロジウムがジルコニウム酸化物を担持した活性アルミナ粉末上に担持された担持層を有することにある。貴金属触媒のロジウムがジルコニウム酸化物の近傍に担持されていることでロジウムによる浄化特性を高めると共にロジウムの安定性や耐久性を保持することができる。
【0011】
ロジウムを活性アルミナ、あるいはセリウム酸化物を含む活性アルミナに担持した場合よりもロジウムの優れた浄化触媒としての効果が発揮できる。
さらに、前記ジルコニウムを担持した活性アルミナに対して劣位量セリウム酸化物を配合した担持層成分にロジウムを担持した担持層も同様にロジウムによる浄化特性を高めると共にロジウムの安定性や耐久性を保持することができる。
【0012】
前記活性アルミナ粉末に担持されているジルコニウム酸化物およびセリウム酸化物の量は、ジルコニウムおよびセリウムの総量を100モル%とすると、該ジルコニウムの担持量は75モル%以上とする。セリウムの添加量が25モル%以上となると触媒の低温活性が失われるので好ましくない。
前記活性アルミナ粉末は、ランタンを固溶すること活性アルミナが安定化され担持している酸化物および貴金属触媒が安定化されて触媒の浄化性能が向上するので好ましい。
【0013】
触媒担体上に形成される上記の担持層は、ジルコニウム酸化物、必要に応じてセリウム酸化物を混合して担持した活性アルミナ粉末にロジウムを担持した混合物をスラリー状にして触媒担体上にコートして担持することで均一な担持層が形成できる。この活性アルミナ粉末などの酸化物をスラリーで担持する際、貴金属触媒のロジウムを予め前記酸化物粉末に担持したスラリーを用いて担持層を形成することが好ましい。これにより、触媒金属のロジウムがジルコニウム酸化物上に均一に分散し、安定化し触媒の耐熱性を高め触媒活性を有効に発揮させることができる。
【0014】
前記触媒担体上には、さらに貴金属触媒の白金やパラジウムなどを担持した活性アルミナ粉末およびセリウム酸化物、ジルコニウム酸化物とからなる担持成分を上記のロジウムを担持した担持成分に混合して均一のスラリーとして触媒担体上に担持して触媒を形成することができる。
前記触媒担体は、例えばセラミックスや金属製のハニカム構造体のモノリス担体が利用できる。
【0015】
参考形態である排ガス浄化用触媒は、ロジウムと、ロジウム以外の他の貴金属触媒とを担持した担持層がジルコニウムとセリウムとの混合酸化物と活性アルミナとの混合物に担持して形成されている。ロジウムを担持した担持層成分を、ジルコニウムに富むセリウムとの混合酸化物で構成することによりロジウムの安定性を保ち浄化用触媒のクロス浄化率をより高めることができる。
【0016】
この混合酸化物は、例えばセリウム、ジルコニウムのそれぞれの溶解液を混合してアンモニア水で共沈殿させて生成物を焼成して形成することができる。この際ジルコニウムの量は、混合酸化物中に75モル%以上存在することが触媒の安定性を高め触媒活性を保持するために好ましい。また、この際ロジウムはジルコニウムとセリウムの混合酸化物に直接担持した後、活性アルミナを混合してスラリー状として担持層を形成してもよい。なお、使用する活性アルミナ粉末はランタンを固溶しなくても安定な担持層の形成が可能となる。
【0017】
参考形態である排ガス浄化用触媒も同様に、貴金属触媒のロジウムに加えて白金を担持した担持層を加えて担持してもよい。白金の担持もロジウムと同様にセリウムとジルコニウムの酸化物に担持して用いることが好ましい。そして、トータルとしてのセリウムとジルコニウムの比率においてもジルコニウムのモル比率が高いもの、すなわちジルコニウムのモル%が75以上であることが好ましい。
【0018】
担持層に担持する酸化物の総量は、触媒容量1リットル当たり、セリウム、ジルコニウム量がそれぞれ0.1〜0.4モル/L、0.1〜0.6モル/Lの範囲であることが望ましい。
触媒中でのセリウム量が0.1モル/L未満の場合、酸素吸蔵量が減少し、触媒活性が低下する。また、0.4モル/Lを超えると性能の向上は僅かでコスト面で好ましくない。ジルコニウム量が0.1モル/L未満の場合、ロジウムの安定性が低下すので好ましくない。また、0.6モル/Lを超えて添加しても触媒の安定性の向上は僅かであり高価となるので好ましくない。
【0019】
また、ロジウムの担持量は、触媒容量1リットル当たり0.01〜5gであることが望ましい。ロジウムの担持量が0.01g/L未満の場合、十分な触媒活性が得られないので好ましくない。また5g/Lを超えると、それ以上ロジウムの担持量を増加させても性能向上は僅かで高価となり好ましくない。白金を担持する場合の担持量は、0.1〜5gである。担持量が0.1g/L未満の場合、十分な触媒活性が得られないおそれがあり好ましくない。また、5g/Lを超えると、それ以上白金の担持量を増加させても性能の向上は僅かで高価となるので好ましくない。
【0020】
このような貴触媒金属のロジウムをジルコニウム酸化物が富む担持層に担持した構成とすることで、同じ組成で均一に担持した触媒に比較して、低温域での触媒活性度を高くすることができる。すなわち、本発明の触媒では耐久試験後の触媒の50%浄化温度を低くでき低温活性の課題が実現できる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
3モル%のランタンを含有する活性アルミナ粉末を、硝酸ジルコニウム水溶液中に浸漬し、攪拌後、乾燥、焼成してジルコニウムを担持したランタン含有活性アルミナ粉末を得た。
【0022】
このジルコニウム酸化物担持活性アルミナ粉末を硝酸ロジウム水溶液中に浸漬し、乾燥しロジウムを固定した粉末を得た。このロジウムを固定した活性アルミナ粉末と硝酸水溶液、バインダーおよび脱イオン水とでスラリー化しスラリーAを得た。
次に、3モル%のランタンを含有活性アルミナ粉末を、硝酸セリウム溶液と硝酸ジルコニウム溶液を混合した溶液中(セリウムとジルコニウムの比でセリウム量が多い溶液)に浸漬し、攪拌後、該溶液中にアンモニア水を添加し、乾燥、焼成してランタン含有活性アルミナに、セリウム酸化物とジルコニウム酸化物を担持した粉末を得た。
【0023】
更に、この粉末をジニトロジアミン白金溶液中に浸漬し、乾燥し白金を固定したセリウム酸化物とジルコニウム酸化物担持活性アルミナ粉末を得た。この白金を固定したセリウム酸化物とジルコニウム酸化物を担持した活性アルミナ粉末と硝酸水溶液、バインダーおよび脱イオン水でスラリー化しスラリーBを得た。
スラリーAおよびスラリーBを1:1の割合で混合し、直径80mm、長さ100mmのハニカム担体にコート、乾燥、焼成して触媒1を得た。
【0024】
触媒組成は、Pt1.5g/L、Rh0.3g/L、Ce0.21mol/L、Zr0.29mol/L、La0.03mol/Lであった。
(実施例2)
3モル%のランタンを含有活性アルミナ粉末を、硝酸セリウム溶液と硝酸ジルコニウム溶液を混合した溶液中(セリウムとジルコニウムの比でジルコニウム量が多い溶液)に浸漬し、攪拌後、該溶液中にアンモニア水を添加し、乾燥、焼成してランタン含有活性アルミナにセリウム酸化物とジルコニウム酸化物とを担持した粉末を得た。
【0025】
上記酸化物担持活性アルミナ粉末を硝酸ロジウム水溶液中に浸漬し、乾燥しロジウムを固定した粉末を得た。このロジウムを固定した酸化物担持活性アルミナ粉末と硝酸水溶液、バインダーおよび脱イオン水とでスラリー化しスラリーAを得た。
次に、3モル%のランタンを含有活性アルミナ粉末を、硝酸セリウム溶液と硝酸ジルコニウム溶液を混合した溶液中(セリウムとジルコニウムの比でジルコニウム量が多い溶液)に浸漬し、攪拌後、該溶液中にアンモニア水を添加し、乾燥、焼成してランタン含有活性アルミナにセリウム酸化物とジルコニウム酸化物を担持した粉末を得た。
【0026】
更に、上記の酸化物担持粉末をジニトロジアミン白金溶液中に浸漬し、乾燥し白金を固定した活性アルミナ粉末を得た。この白金を固定した上記酸化物を担持した活性アルミナ粉末と硝酸水溶液、バインダーおよび脱イオン水でスラリー化しスラリーBを得た。
スラリーAおよびスラリーBを1:1の割合で混合し、直径80mm、長さ100mmのハニカム担体にコート、乾燥、焼成して触媒2を得た。
【0027】
触媒組成は、Pt1.5g/L、Rh0.3g/L、Ce0.14mol/L、Zr0.36mol/L、La0.03mol/Lであった。
(実施例3)
活性アルミナ粉末にセリウム酸化物とジルコニウム酸化物の担持比率を変えた以外実施例2と同様の操作により触媒3を得た。
【0028】
触媒組成は、Pt1.5g/L、Rh0.3g/L、Ce0.16mol/L、Zr0.34mol/L、La0.03mol/Lであった。
(実施例4)
硝酸セリウム溶液と硝酸ジルコニウム溶液を混合した溶液中(セリウムとジルコニウムの比でジルコニウム量が多い溶液)にアンモニア水を添加して生成した、セリウム・ジルコニウムの共沈殿物を、乾燥、焼成してセリウム、ジルコニウム混合酸化物を得た。
【0029】
このセリウム、ジルコニウムの混合酸化物と、活性アルミナ粉末を硝酸ロジウム溶液中に浸漬し、乾燥してロジウムを固定した混合酸化物を含む活性アルミナ粉末を得た。
このロジウムを固定した上記で得た粉末と硝酸水溶液および脱イオン水でスラリー化しスラリーAを得た。
【0030】
硝酸セリウム溶液と硝酸ジルコニウム溶液を混合した溶液中(セリウムとジルコニウムの比でセリウム量が多い溶液)にアンモニア水を添加して生成した、セリウム・ジルコニウムの共沈殿物を、乾燥、焼成してセリウム、ジルコニウム混合酸化物を得た。
このセリウム、ジルコニウムの混合酸化物と、活性アルミナ粉末をジニトロジアミン白金溶液中に浸漬し、乾燥して白金を固定した混合酸化物含有活性アルミナ粉末を得た。
【0031】
このロジウムを固定した上記の粉末と硝酸水溶液および脱イオン水でスラリー化しスラリーBを得た。
スラリーAおよびスラリーBを1:1の割合で混合し、直径80mm、長さ100mmのハニカム担体にコート、乾燥、焼成して触媒4を得た。
触媒組成は、Pt1.5g/L、Rh0.3g/L、Ce0.16mol/L、Zr0.34mol/L、La0.03mol/Lであった。
(実施例5)
硝酸セリウム溶液と硝酸ジルコニウム溶液を混合した溶液中(セリウムとジルコニウムの比でジルコニウム量が多い溶液)にアンモニア水を添加して生成した、セリウム・ジルコニウムの共沈殿物を、乾燥、焼成してセリウム、ジルコニウム混合酸化物を得た。
【0032】
このセリウム、ジルコニウムの酸化物を硝酸ロジウム溶液中に浸漬し、乾燥してロジウムを固定した混合酸化物粉末を得た。
このロジウムを固定したセリウム、ジルコニウムの混合酸化物粉末と活性アルミナと、硝酸水溶液および脱イオン水でスラリー化しスラリーAを得た。
硝酸セリウム溶液と硝酸ジルコニウム溶液を混合した溶液中(セリウムとジルコニウムの比でセリウム量が多い溶液)にアンモニア水を添加して生成した、セリウム・ジルコニウムの共沈殿物を、乾燥、焼成してセリウム、ジルコニウム混合酸化物を得た。
【0033】
このセリウム、ジルコニウムの混合酸化物粉末をジニトロジアミン白金溶液中に浸漬し、乾燥して白金を固定した粉末を得た。
このロジウムを固定したセリウム、ジルコニウム混合酸化物粉末と、活性アルミナ粉末と硝酸水溶液および脱イオン水でスラリー化しスラリーBを得た。
スラリーAおよびスラリーBを1:1の割合で混合し、直径80mm、長さ100mmのハニカム担体にコート、乾燥、焼成して触媒5を得た。
【0034】
触媒組成は、Pt1.5g/L、Rh0.3g/L、Ce0.16mol/L、Zr0.34mol/L、La0.03mol/Lであった。
(比較例1)
3モル%のランタンを含有する活性アルミナを、硝酸ロジウム水溶液中に浸漬し、乾燥してロジウムを固定した粉末を得た。
【0035】
このロジウムを固定した粉末と硝酸水溶液および脱イオン水でスリラー化しスラリーAを得た。
次に3モル%のランタンを含有する活性アルミナをジニトロジアミン白金溶液中に浸漬し、乾燥して白金を固定した粉末を得た。
この白金を固定した粉末と硝酸水溶液および脱イオン水でスリラー化しスラリーBを得た。
【0036】
スラリーAおよびスラリーBを1:1の割合で混合し、直径80mm、長さ100mmのハニカム担体にコート、乾燥、焼成して触媒2を得た。
触媒組成は、Pt1.5g/L、Rh0.3g/L、La0.03mol/Lであった。
(比較例2)
活性アルミナ粉末を硝酸セリウム溶液中に浸漬し、乾燥、焼成してセリウム含有アルミナ粉末を得た。セリウム担持活性アルミナ粉末を硝酸ロジウム溶液中に浸漬し、乾燥してロジウムを固定した粉末を得た。このロジウムを固定した粉末と硝酸水溶液および脱イオン水でスラリー化しスラリーAを得た。
【0037】
活性アルミナ粉末を硝酸セリウム溶液中に浸漬し、乾燥、焼成してセリウム含有アルミナ粉末を得た。セリウム担持活性アルミナ粉末をジニトロジアミン白金溶液中に浸漬し、乾燥して白金を固定した粉末を得た。この白金を固定した粉末と硝酸水溶液および脱イオン水でスラリー化しスラリーBを得た。
スラリーAおよびスラリーBを1:1の割合で混合し、直径80mm、長さ100mmのハニカム担体にコート、乾燥、焼成して触媒2を得た。
【0038】
触媒組成は、Pt1.5g/L、Rh0.3g/L、La0.03mol/Lであった。
(比較例3)
ロジウムの担持部のセリウムとジルコニウムの比率を表1に示したように30:70変え、白金担持部をジルコニウムのみとした以外は実施例2と同様の方法で触媒を調製した。
【0039】
触媒組成は、Pt1.5g/L、Rh0.3g/L、Ce0.75mol/L、Zr0.425mol/L、La0.03mol/Lであった。
(比較例4)
ロジウム担持部および白金担持部のセリウムとジルコニウムの比率を表1に示したように変えた以外は実施例2と同様の方法で触媒を調製した。
【0040】
触媒組成は、Pt1.5g/L、Rh0.3g/L、Ce0.3mol/L、Zr0.2mol/L、La0.03mol/Lであった。
(比較例5)
ロジウム担持部および白金担持部のセリウムとジルコニウムの比率を表1に示したように変えた以外は実施例2と同様の方法で触媒を調製した。
【0041】
触媒組成は、Pt1.5g/L、Rh0.3g/L、Ce0.16mol/L、Zr0.34mol/L、La0.03mol/Lであった。
(比較例6)
3モル%のランタンを含有活性アルミナを、硝酸セリウム溶液と硝酸ジルコニウム溶液を混合した溶液中(セリウムとジルコニウムの比でジルコニウム量が多い溶液)に浸漬し、攪拌後、該溶液中にアンモニア水を添加し、乾燥、焼成してランタン含有活性アルミナと、セリウム、ジルコニウム酸化物含有粉末を得た。 この混合粉末に硝酸水溶液、バインダーおよび脱イオン水でスラリー化しスラリーAを得た。
【0042】
このスラリーAを直径80mm、長さ100mmのハニカム担体にコート、乾燥後、硝酸セリウム溶液および硝酸ジルコニウム溶液に浸漬後、乾燥、焼成してコート層を形成した。
次に上記のコート層をジニトロジアミン白金溶液、および硝酸ロジウム溶液に浸漬し触媒を調製した。
【0043】
触媒組成は、Pt1.5g/L、Rh0.3g/L、Ce0.125mol/L、Zr0.375mol/L、La0.03mol/Lであった。
上記の各触媒の構成と組成およびトータルのCeおよびZrの担持量を表1に示した。
【0044】
【表1】
Figure 0004382180
【0045】
(試験例)
実施例1〜5および比較例1〜6で得られた触媒を2個ずつ別々に排気量4000CCのガソリンエンジンに取り付け、第1図に示すエージング条件で、平均のエンジン回転数3500rpm、触媒入り口排気ガス温度800℃、触媒中央部の排気ガス温度1050℃で20時間の耐久試験を行った。
【0046】
エージング条件は第1図に示すように、1サイクルを30秒とするサイクルで、1サイクル中の初めの10秒は理論空燃費A/F=14.6で制御し、その後、燃料を26秒目まで増大させ10秒目から16秒目までA/F=13前後の状態を保つ。また、16秒目から30秒目まで2次空気を導入することにより、16秒目から25秒目までA/F=14.8に制御し、そのまま30秒目まで続ける制御をするものである。1サイクルの16秒目から触媒中央部の温度が上昇し、1050℃に達し、26秒目からは酸素過剰下で1050℃から温度が降下する耐久試験となる。
【0047】
前記した耐久試験を行った各触媒は、次に排気量2000CCのガソリンエンジンに取り付け、触媒性能を評価した。評価条件はエンジン回転数を1400rpm、理論空燃費A/F=14.6で制御し、触媒入口の温度を変化させてHC、COおよびNOXの50%浄化温度を求めた。また、HC−NOXとCO−NOXのクロス浄化率と、その評価結果を表2に示す。なお、表1中の貴金属触媒の量は全て同じ量であり担持部の組成および担持状態の差異によることを示している。
【0048】
【表2】
Figure 0004382180
【0049】
表2に示すように本実施例1からの各触媒は、比較例1から6の各触媒と比較してHC、CO、NOの各50%浄化温度が耐久試験後においても低くなっている。すなわち、低温域においても活性を示し触媒が耐熱性を保持していることが判る。さらにクロス浄化率の値も高くなっている。
比較例6はアルミナにセリウムとジルコニウムを同時に担持したコート層を形成した後に、触媒金属を担持した触媒で、50%浄化温度が高く、クロス浄化率が最も低い。比較例1はアルミナの単独のコート層の場合でクロス浄化率および50%浄化温度は比較例6よりは向上するが50%浄化温度は、各実施例に比べても低い。比較例2は、ジルコニウムを全く含まない場合でクロス浄化率および50%浄化温度も充分でない。比較例3は、セリウムがロジウム担持部で多く、白金担持部では存在しない例で比較例2と同様に充分な浄化性能を示さない。比較例4は、ロジウム、白金担持部共セリウム量が多い場合でこの場合も実施例に比べて充分な浄化性能を示していない。比較例5は、ロジウム担持部のセリウム量が多い場合でありトータルとして同じセリウムとジルコニウム量の実施例3に比べて浄化性能が充分でない。
【0050】
実施例2,3は請求項1に相当する触媒組成であり、実施例45が参考形態に相当する触媒組成を用いている。上記のように本発明の触媒はいずれも優れた排ガス浄化性能を有していることを示している。
また、実施例3と比較例1についての耐久試験後の触媒の50%浄化温度およびクロス浄化率を図2、3に示した。
【0051】
表2および図2、3に示したように、本発明の触媒は耐久試験後においても浄化性能が優れ低温域でも高い排ガス浄化性能を有することを示している。
【0052】
【発明の効果】
本発明の排ガス浄化用触媒は、触媒金属であるロジウムがジルコニウム酸化物リッチの担持層上に担持されているため、ロジウムの安定性が高まり従来の触媒に比べて耐熱性が向上する。耐久試験後においても高い浄化性能を有し、かつ比較的低温域で浄化性能を発揮することができる。したがって、エンジン始動後においても速やかに触媒活性を示して、排ガスを浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例における触媒のエージング条件の説明図である。
【図2】試験例における実施例と比較例1の触媒のHC、CO、NOの50%浄化温度の棒グラフである。
【図3】試験例における実施例と比較例1の触媒のクロス浄化率の棒グラフである。

Claims (4)

  1. 触媒担体と、該触媒担体上に形成された貴金属担持層とからなる排ガス浄化用触媒において、
    前記貴金属担持層は、担持層成分と、該担持層成分に担持された貴金属触媒とを有し、
    該貴金属触媒はロジウムを含み、
    該ロジウムを担持する前記担持層成分は、ジルコニウム酸化物及びセリウム酸化物らなる酸化物成分と、該酸化物成分を担持する活性アルミナ粉末とからなり、該活性アルミナ粉末に担持されている前記酸化物成分の中のジルコニウムおよびセリウムの総量を100モル%とすると、前記ジルコニウムの担持量は75モル%以上であることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記活性アルミナ粉末はランタンが固溶した安定化アルミナ粉末である請求項1記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記担持層成分は予め前記ジルコニウム酸化物が担持された前記活性アルミナをスラリーから形成されたものである請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記ロジウムを担持する前記担持層成分における前記酸化物成分の中のジルコニウム及びセリウムの総量を100モル%とすると、前記ジルコニウムの担持量は90モル%以上である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
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