JP4380837B2 - 粘着性再発現方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着シ―ト類(シ―ト、テ―プなど)の粘着剤表面を一時的に非粘着化し、被着体への貼り付け時に粘着性を再発現する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
粘着シ―ト類は、金属、ガラス、木材、紙、ダンボ―ル、プラスチツク材料などの被着体への接着に使用されている。粘着シ―ト類の粘着剤には、アクリル酸ブチルやアクリル酸2−エチルヘキシルなどの単量体の重合体を用いたアクリル系粘着剤や、天然ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロツク共重合体などのゴム質ポリマ―を用いたゴム系粘着剤などが、知られている。
【0003】
このような粘着シ―ト類は、被着体へ貼り付けるまでの間、粘着剤表面を保護したり、巻き戻しや引き剥がしを容易にするため、粘着剤表面が接触するテ―プ背面を剥離処理したり、粘着剤表面に剥離処理したセパレ―タを接触させるようにしている。剥離処理には、一般に、シリコ―ン系、長鎖アルキル系、フツ素系などの剥離性官能基やセグメントを含有する剥離性ポリマ―が用いられ、これを無溶剤でまたは溶剤で希釈して薄層塗工し、必要により、熱、紫外線、電子線などで硬化処理して、皮膜強度を高めた剥離層を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記のような従来方法では、剥離性ポリマ―の薄層を形成する際、塗工液のはじきや塗工精度のばらつきなどによつて、処理欠陥部分を生じ、粘着剤表面の保護が不十分となつたり、粘着シ―ト類の使用時に巻き戻しや引き剥がしが重くなる、剥離不良のトラブルを発生することがあつた。また、セパレ―タを使用する方法は、粘着シ―ト類の貼り付け作業が終了したのちは、セパレ―タが不要廃棄物となるため、地球環境上、好ましくない。
【0005】
本発明は、上記の事情にてらし、テ―プ背面を剥離処理したり、剥離処理したセパレ―タを用いるのではなく、粘着シ―ト類の粘着剤表面に対して直接処理を施すことにより、粘着剤表面を一時的に保護し、また使用時に剥離不良のトラブルが発生するのを防止することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的に対し、鋭意検討した結果、粘着シ―ト類の粘着剤表面に界面接触反応で非粘着性物質を固定して非粘着性薄層を形成し、この薄層を貼り付け時に破壊して粘着性を再発現させる方法によると、上記薄層の形成にて粘着剤表面を一時的に非粘着化でき、これにより被着体への貼り付けまでの間、粘着剤表面の保護を欠陥なく行えるとともに、使用時に剥離不良のトラブルが発生するのを防止でき、しかも貼り付け時には本来の粘着性を再発現できるので、粘着シ―ト類本来の性能を発揮でき、この場合、従来のようにテ―プ背面を剥離処理したり、貼り付け後に不要廃棄物となるセパレ―タを使用する必要がなく、地球環境上も好ましいことを知り、本発明を完成するに至つた。
【0007】
すなわち、本発明は、粘着シ―ト類の粘着剤表面に界面接触反応で非粘着性物質を固定して非粘着性薄層を形成し、被着体への貼り付け時にこの非粘着性薄層を破壊して粘着性を再発現することを特徴とする粘着性再発現方法(請求項1)に係るものである。また、本発明は、上記構成の粘着性再発現方法として、上記の界面接触反応が粘着剤相に含まれる反応性官能基を有する化合物とその反応性官能基と反応する反応性官能基を有する非粘着性物質との間で起こる粘着性再発現方法(請求項2)、また上記の非反応性薄層の破壊方法が粘着シ―ト類の延伸である粘着性再発現方法(請求項3)、さらに上記の非粘着性物質がポリアミン、ポリアクリル酸またはそれらの変性物のうちの少なくとも1種である粘着性再発現方法(請求項4)を、それぞれ提供できるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着シ―ト類に用いられる粘着剤は、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤など公知のいかなるものでもよい。これらの粘着剤にはロジン系、テルペン系、スチレン系、脂肪族石油系、芳香族石油系、キシレン系、フエノ―ル系、クマロンインデン系、それらの水素添加物などの粘着付与樹脂や、液状樹脂、液状ゴム、ポリブデン、プロセスオイル、ジオクチルフタレ―トなどの軟化剤、酸化防止剤、充填剤、顔料、架橋剤などの添加物を適宜配合できる。
【0009】
アクリル系粘着剤は、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これらに必要によりアクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸、無水マレイン酸、ビニルピロリドン、グリシジルメタクリレ―ト、ジメチルアミノエチルメタクリレ―ト、ヒドロキシエチルアクリレ―ト、アクリルアミドなどの改質用単量体を加えてなる単量体の重合体を主剤としたものである。
【0010】
ゴム系粘着剤は、天然ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロツク共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロツク共重合体、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロツク共重合体、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ブチルゴム、クロロプレンゴム、シリコ―ンゴムなどのゴム系ポリマ―を主剤としたものである。
【0011】
本発明の粘着シ―ト類は、上記の粘着剤を使用して、基材上に所望厚さの粘着剤層を形成することにより、テ―プ状やシ―ト状などの形態としたものである。基材としては、プラスチツクフイルム、紙、布などの非剥離性基材のほか、必要により、剥離性基材が用いられる。これらの基材上に、上記の粘着剤を溶液または水分散物として塗工したのち、溶剤や水を乾燥除去するか、ホツトメルト塗工やカレンダ塗工のような手段を用いて、粘着剤層を形成する。また、上記の基材上に主剤ポリマ―を構成する単量体やオリゴマ―を塗工したのち、紫外線を照射して光重合させることにより、粘着剤層を形成してもよい。
【0012】
本発明における非粘着性薄層の形成は、このような粘着剤層に対し適用され、具体的な態様としては、上記粘着剤層からなる固体相または液体相と、非粘着性物質を含む液体相または気体相との間で、界面接触反応させることにより、粘着剤表面に非粘着性物質の固定を行うものである。
【0013】
ここで、非粘着性物質を含む液体相を界面接触反応させるときには、デイツピングや浸漬により行うのが好ましいが、キスコ―タ、ロ―ルコ―タ、スクイズコ―タ、スピンコ―タなどで塗工したのち、余分に付着した塗布物を洗浄により除去する方法で行つてもよい。また、非粘着性物質を含む気体相を界面接触反応させるときには、非粘着性物質を気体として存在させたチヤンバ内に粘着剤相(固体相または液体相)を投入して行えばよい。
【0014】
これらの方法により、粘着剤表面に高密度に非粘着性物質を導入するには、上記の界面接着反応を行う際に、粘着剤表面が溶解したり、また大きく膨潤したりするのは好ましくない。このため、非粘着性物質を含む液体相では、適切な溶媒を選択するのが望ましく、また非粘着性物質を含む気体相では、気体(非粘着性物質)として適切なものを選択するのが望ましい。
【0015】
本発明において、上記の界面接触反応により、粘着剤表面に非粘着性物質を固定するには、粘着剤相に含まれる反応性官能基を有する化合物と、その反応性官能基と反応する反応性官能基を有する非粘着性物質との間で界面接触反応を起こさせるようにすればよい。このような界面接触反応により、粘着剤表面と非粘着性物質とが共有結合、配位結合、水素結合、イオン結合または金属結合などの化学結合によつて強固に結合した状態となる。
【0016】
このような界面接触反応は短時間で進行するのが好ましい。この観点により、粘着剤相の反応性官能基と非粘着性物質の反応性官能基との組み合わせは、たとえば、1級または2級のアミノ基とイソシアネ―ト基、酸クロライド基、エポキシ基または無水酸基との間の反応、カルボキシル基とアジリジン基との間の反応、ヒドロキシリル基と水酸基またはビニル基との間の反応、エポキシ基と無水酸基との間の反応、酸クロライド基と水酸基またはメルカプト基との間の反応などが、とくに好ましい例として挙げられる。
【0017】
このような界面接触反応を行うために、粘着剤相中に反応性官能基を有する化合物を含ませるには、粘着剤の主剤ポリマ―に共重合、グラフト反応、側鎖変性反応などにより、1分子中に1個以上の反応性官能基を結合させるか、粘着剤中に上記同様の反応性官能基を有する化合物を添加すればよい。また、希釈溶液の塗工法、スクイズコ―タ、スピンコ―タなどの塗工法により粘着剤表面に上記同様の反応性官能基を有する化合物の薄層を形成してもよい。
【0018】
一方、これと反応させる非粘着性物質は、非粘着性分子鎖セグメントを有し、さらに粘着剤相に含まれる反応性官能基と反応する反応性官能基を1分子中に1個以上有するものであればよい。また、粘着剤表面と結合を形成するための反応性官能基そのものが非粘着性分子鎖セグメントを形成してもよい。
【0019】
非粘着性分子鎖セグメントの好ましい例としては、ガラス転移温度が室温以上のポリマ―セグメントで、延伸操作によりその薄層が容易に破壊するものが挙げられる。たとえば、ポリアリルアミン、ポリアクリル酸、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコ―ル、ポリビニルホルマ―ル、ポリビニルブチラ―ル、セルロ―ス誘導体、ポリビニルピロリドンなどのポリマ―骨格を有するものなどである。また、ポリジメチルシロキサン骨格、長鎖アルキル基、パ―フルオロ基などの剥離性セグメントであつてもよい。これらの中でも、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミンなどのポリアミン、ポリアクリル酸またはそれらの変性物がとくに好ましく用いられる。
【0020】
このようにして粘着剤表面に形成される非粘着性薄層の厚さとしては、通常、1,000nm以下、好ましくは100nm以下であるのがよい。この非粘着性薄層が薄すぎると、粘着剤表面の非粘着化が十分になしえず、また厚すぎると、延伸操作などによる破壊が十分に行われず、好ましくない。
【0021】
本発明において、このようにして粘着剤表面に非粘着性薄層を形成すると、粘着剤表面が上記薄層により非粘着化され、これにより、被着体への貼り付けまでの間、粘着剤表面を確実に保護でき、使用時には容易に巻き戻しまたは引き剥がしでき、剥離不良のトラブルを発生することがない。また、被着体への貼り付け時には、上記非粘着性薄層を破壊することにより、粘着性を再発現できるので、粘着シ―ト類としての本来の性能を十分に発揮させることができる。
【0022】
ここで、非粘着性薄層の破壊方法としては、上記薄層の面方向への延伸操作によるのがとくに好ましい。粘着シ―ト類が粘着剤層だけで形成されている場合、延伸操作は比較的容易に行うことができる。非剥離性基材の片面または両面に粘着剤層が形成されている場合、上記基材として未延伸のプラスチツクフイルム、紙、不織布などを使用すると、容易に延伸できるので、好ましい。
【0023】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお以下、部とあるのは重量部を意味する。また、実施例および比較例で用いた粘着テ―プは、下記の参考例1の方法により、作製したものである。
【0024】
参考例1
撹拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却管、滴下ロ―トを備えた1,000mlの四つ口フラスコに、アクリル酸ブチル190g、アクリル酸10g、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.4g、溶剤として酢酸エチル300.6gを仕込み、緩やかに撹拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃に上げた。数分後、発熱が始まり、フラスコの外浴温度をコントロ―ルして、フラスコ内の液温を60℃付近に保つた。重合開始約3時間後に、液の粘度が上昇してきたので、83.5gの酢酸エチルをフラスコ内に滴下して約3時間重合を続けた。その後、さらに83.5gの酢酸エチルをフラスコ内に滴下してから、フラスコ内の液温を80℃まで上げ、2時間重合を続けて、固形分30重量%のアクリル系重合体溶液を調製した。GPC(ゲルパ―ミエ―シヨンクロマトグラフイ―)による測定で、アクリル系重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量は130万であつた。
【0025】
このようにして得たアクリル系重合体溶液に、その固形分100部あたり、3官能性イソシアネ―ト化合物〔日本ポリウレタン工業(株)製の「コロネ―トL」;トリメチロ―ルプロパン1モルと2,4−トリレンジイソシアネ―ト3モルとの付加反応物の固形分75重量%の酢酸エチル溶液〕をその固形分が3部となるように配合して、アクリル系粘着剤溶液を調製した。つぎに、このアクリル系粘着剤溶液を、基材として厚さが60μmの未延伸の低密度ポリエチレンに、乾燥後の厚さが40μmとなるように、アプリケ―タで塗工し、乾燥器中、70℃の熱風で5分間乾燥し、溶剤を揮散して、粘着テ―プを作製した。
【0026】
実施例1
参考例1で得た粘着テ―プを粘着剤中のイソシアネ―ト基が死活しないうちに(4時間以内に)、ポリアリルアミン〔日東紡績(株)製の「PAA−1L−10C(分子量:1,700)」〕の固形分を1,000ml中に0.2g含ませた水溶液に1分間浸漬後、引き上げて風乾した。これにより、粘着剤表面に、イソシアネ―ト基とアミノ基との界面接触反応によつて、上記ポリアリルアミンからなる非粘着性薄層を形成することができた。
【0027】
この状態で、粘着テ―プの180度ピ―ル強度を測定したところ、30g/20mm幅であり、粘着剤表面が非粘着化されていた。また、TEM(Transmission Electron Microscopy)により、粘着剤層の表面に近い部分の断面観察を行つた結果、図1に示すように、粘着剤表面に厚さが数10nmの非粘着性薄層が形成されていることを確認できた。このように粘着剤表面を非粘着化したことにより、粘着剤表面は、被着体へ貼り付けるまでの間、上記薄層により一時的に保護され、また使用時には容易に巻き戻しでき、剥離不良のトラブルを発生することはなかつた。
【0028】
なお、上記粘着テ―プの180度ピ―ル強度は、23℃下で表面を清浄にしたステンレス板(SUS304BA)に貼り付け、重さ2kgのゴムロ―ラで1往復圧着し、約20分後、300mm/分の引張り速度で180度ピ―ル強度を測定したものである。また、TEMによる粘着剤層の表面に近い部分の断面観察は、下記の方法により、行つたものである。
【0029】
<TEMによる粘着剤層の表面に近い部分の断面観察>
電子線照射による試料損傷の軽減と相構造の存在を明瞭にする目的で、ルテニウム酸による染色処理を施した(2重量%のルテニウム酸水溶液上に粘着テ―プ試料を1〜1.5時間さらした)のち、エポキシ樹脂中に包埋し、超薄切方法で断面TEM観察(装置:Hitachi、H−800、加速電圧:100KV)を行つた。この観察では、アミノ基のような極性官能基の濃度の高い部分は強く染色されるため、上記官能基の存在を確認することができる。
【0030】
つぎに、上記の粘着テ―プを、被着体への貼り付け時、23℃下で2倍に一軸延伸し、前記同様に180度ピ―ル強度を測定したところ、210g/20mm幅となり、粘着性が再発現され、被着体へ良好に貼り付けることができた。また、この状態で前記同様にTEMにより粘着剤層の表面に近い部分の断面観察を行つた結果、図2に示すように、粘着剤表面に形成されていた非粘着性薄層が延伸操作により破壊され、粘着剤面が再露出していることを確認できた。
【0031】
実施例2
実施例1の方法で粘着剤表面にポリアリルアミンを界面接触反応させたのち、これをさらにポリアクリル酸〔和光純薬(株)製〕の固形分を1,000ml中に1g含む水溶液に1分間浸漬後、引き上げて風乾した。これにより、粘着剤表面に、アミノ基とカルボキシル基との界面接触反応によつて、上記ポリアクリル酸からなる非粘着性薄層を形成することができた。
【0032】
この状態で、粘着テ―プの180度ピ―ル強度を前記同様に測定したところ、10g/20mm幅であり、粘着剤表面が非粘着化されていた。また、前記同様にTEMにより粘着剤層の表面に近い部分の断面観察を行つた結果、粘着剤表面に上記非粘着性薄層が形成されていることを確認できた。このように粘着剤表面を非粘着化したことにより、粘着剤表面は、被着体へ貼り付けるまでの間、上記薄層により一時的に保護され、また使用時には容易に巻き戻しでき、剥離不良のトラブルを発生することはなかつた。
【0033】
つぎに、上記の粘着テ―プを、被着体への貼り付け時、23℃下で2倍に一軸延伸し、前記同様に180度ピ―ル強度を測定したところ、225g/20mm幅となり、粘着性が再発現され、被着体へ良好に貼り付けることができた。また、この状態で前記同様にTEMにより粘着剤層の表面に近い部分の断面観察を行つた結果、粘着剤表面に形成されていた非粘着性薄層が延伸操作により破壊され、粘着剤面が再露出していることを確認できた。
【0034】
比較例1
参考例1で得た粘着テ―プを、粘着剤表面になんらの処理を施すことなく、前記同様に180度ピ―ル強度を測定したところ、430g/20mm幅であつた。またこの粘着テ―プを、被着体への貼り付け時、23℃下で2倍に一軸延伸し前記同様に180度ピ―ル強度を測定したところ、440g/20mm幅であつた。すなわち、粘着剤表面になんらの処理を施さないときは、当然のことながら、延伸操作の有無に関係なく、粘着性を示すものである。このため、従来のように、テ―プ背面を剥離処理したり、剥離処理したセパレ―タを使用する必要があり、この場合、粘着剤表面の一時的な保護が十分になされなかつたり、使用時に剥離不良のトラブルを起こすおそれが多分にある。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、粘着剤相と非粘着性物質を含む相との間の界面接触反応により、粘着剤表面に非粘着性物質を固定して非粘着性薄層を形成したことにより、粘着剤表面の粘着性を均一にかつ大きく低下でき、これにより、粘着剤表面を貼り付け前の保存中一時的に保護し、また使用時に剥離不良のトラブルが発生するのを防止でき、従来のように粘着剤表面を剥離処理したテ―プ背面やセパレ―タで保護する必要がなくなり、しかも貼り付け時には延伸操作などにより上記の非粘着性薄層を破壊して粘着剤表面を再露出させることにより、粘着性を再発現できるので、粘着剤本来の性能を十分に発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の粘着テ―プについて、延伸処理前の粘着剤層の表面に近い部分のTEMによる断面構造を示す写真(倍率:100,000倍)である。
【図2】実施例1の粘着テ―プについて、延伸処理後の粘着剤層の表面に近い部分のTEMによる断面構造を示す写真(倍率:100,000倍)である。
Claims (4)
- 粘着シ―ト類の粘着剤表面に界面接触反応で非粘着性物質を固定して非粘着性薄層を形成し、被着体への貼り付け時にこの非粘着性薄層を破壊して粘着性を再発現することを特徴とする粘着性再発現方法。
- 界面接触反応が粘着剤相に含まれる反応性官能基を有する化合物とその反応性官能基と反応する反応性官能基を有する非粘着性物質との間で起こる請求項1に記載の粘着性再発現方法。
- 非粘着性薄層の破壊方法が粘着シ―ト類の延伸である請求項1または2に記載の粘着性再発現方法。
- 非粘着性物質がポリアミン、ポリアクリル酸またはそれらの変性物のうちの少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の粘着性再発現方法。
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