JP4380213B2 - 樹脂製フロアパネル構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動車等の車両の床面に適用される樹脂製フロアパネル構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、自動車等の車両のフロア(床面)は、従来、鋼板製のフロアパネルで構成されている。
しかしながら、近年では、燃費効率の一層の向上を図る等のために、より一層の車体の軽量化が求められており、かかる要請に応える一環として、車両のフロアについても、フロアパネル自体を樹脂製とすることで軽量化を図ることが試みられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−10542公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、フロアパネル自体を鋼板製のものに替えて樹脂製とすることにより、車両のフロア部分の軽量化を図ることができるのであるが、その反面、強度および剛性が低下するという問題がある。
【0005】
特に、例えば車両のリヤフロアパネルなど、スペアタイヤを収納し支持するために凹状の収納部が設けられたフロアパネルを樹脂製とした場合、重量のあるスペアタイヤを収納・支持する収納部の強度・剛性が、一般に不足しがちになる。また、フロアパネルを樹脂製とした場合、パネル自体が軽量になるのでその共振点が高くなり、フロア部分での振動および騒音の問題がより顕著なものとなるという難点もある。
【0006】
かかる問題に対して、樹脂製フロアパネルの板厚を厚くして対処することが考えられるが、むやみに厚くすれば、重量増加や製造コストの上昇を招き、フロアパネルを樹脂製としたことによる利点が失われかねないという問題があった。
【0007】
この発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、スペアタイヤ収納部が一体的に形成されたフロアパネルを樹脂製とした場合について、比較的簡単な構成で重量増加も招くことなくスペアタイヤ収納部を補強し、また、フロア部分での振動を抑制できるようにすることを、基本的な目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本願発明に係る樹脂製フロアパネル構造は、スペアタイヤ収納部が一体的に形成され、車両の床面に適用される樹脂製のフロアパネルの構造であって、上記スペアタイヤ収納部は、スペアタイヤを載置する底面部と、該底面部からフロアパネルのベース面まで立ち上がる周縁壁部とで構成されており、該周縁壁部および上記フロアパネルのベース面には、上記周縁壁部から上記ベース面の端部まで延設された複数のビード部が一体的に形成され、上記周縁壁部の少なくとも上記ベース面の端部に対向する部分は平面視で曲線状に形成されると共に、該平面視で曲線状の周縁壁部からベース面の端部にまで至る全長の異なる複数のビード部が、車幅方向に間隔を設けて配置されており、上記各ビード部の深さは、その全長が長いほど深く設定されている、ことを特徴としたものである。
【0009】
この場合において、上記ビード部の肉厚は、フロアパネルの他の部分の肉厚よりも厚く設定されていることが好ましい。
【0011】
また、上記の場合において、フロアパネルを支持するフロアフレーム側に向かって延びるビード部が設けられ、上記フロアフレームには車両のサスペンション装置を支持するサスペンション支持部が設けられている場合には、フロアフレーム側に向かって延びるビード部のうち、上記サスペンション支持部を指向するビード部については、そのビード部の端末部が、当該フロアフレームから所定量離間するように位置設定されていることが、より好ましい。
【0012】
更に、上記の場合において、フロアパネルを支持するフロアフレーム側に向かって延びるビード部が設けられ、上記フロアフレームの所定箇所には車輪の上方を覆うタイヤハウスが位置している場合には、上記フロアフレーム側に向かって延びるビード部は、上記タイヤハウス部を指向するように伸長方向が設定されると共に、そのビード部の端末部が上記タイヤハウス部から所定量離間するように位置設定されていることが、より好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、例えば自動車等の車両の車体後部に設けられるトランクルームのフロアパネル構造に適用した場合を例にとって、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施の形態の説明に先立って、まず、参考形態について説明する。
図1は、本発明の参考形態に係る自動車のトランクルームを車体後方から見て概略的に示した説明図である。また、図2は、このトランクルームのフロア構造の基本構成を模式的に示す断面説明図である。
【0014】
これらの図に示すように、上記トランクルームは、その床面(フロア)を構成するフロアパネルF(トランクフロア)に、スペアタイヤ(不図示)を収納するために凹状のスペアタイヤ収納部Sが形成されている。上記トランクフロアFは、従来の鋼板製のものに替えて、合成樹脂材料を用いて一体成形されたものである。
尚、具体的には図示しなかったが、上記トランクフロアFの車幅方向における両端部は、車体後部において前後方向に延びる左右一対のフレーム材(リヤサイドフレーム)に支持されている。また、前後の端部は、車幅方向に延びる前側フレーム及び後端フレームでそれぞれ支持されている。
【0015】
また、上記トランクフロアFの上方には、実質的に該トランクフロアFの全体を覆うようにしてトランクボードBが配設されている。このトランクボードBも、合成樹脂材料を用いて一体成形されたものである。
尚、トランクルーム内の車体の左右側壁Wcの比較的前側部分には、左右の後輪(不図示)の上方を覆う左右一対のホイールハウスHwが形成されている。
【0016】
上記トランクボードBの左右の側部は、より好ましくは、車体の左右側壁Wcに対して気密に接しており、該トランクボードBとトランクフロアFとの間に形成された空間部Afの密閉性を高め、フロア下方からの所謂ロードノイズやタイヤ音などの騒音を上記空間部Af内でできるだけ吸収し、室内側に騒音が伝わることを抑制し得るようになっている。
【0017】
尚、上記トランクフロアF,トランクボードBの合成樹脂材料としては、例えばポリプロピレン(PP)樹脂をベースとしたFRP(繊維強化プラスチック)材料などを用いることができる。また、かかる樹脂材料以外にも、例えば、ナイロン,ABS,PPO,PBTなど、他の樹脂材料で強化材を配合したものなど、種々の公知の材料が適用可能である。また、強化材としては、ガラス繊維やカーボン繊維等の繊維強化材に限られず、タルクやガラスビーズ等の強化材を用いることができる。成形方法としては、例えば射出成形法等の公知の方法が適用可能である。
【0018】
上記トランクフロアFのスペアタイヤ収納部Sは、図2から良く分かるように、スペアタイヤを載置させる底面部Sbと、該底面部Sbの周縁部からトランクフロアFの平面的な基準面を成すベース面Fbまで立ち上がる周縁壁部Swとで形成されている。
【0019】
図3は上記トランクフロアFの概略構成を模式的に示す斜視図である。この図に示すように、本参考形態では、上記スペアタイヤ収納部Sの周縁壁部Swには複数のビード部Cが一体成形されている。このビード部Cは、図4からも良く分かるように、上記周縁壁部Swの表面から例えば凹状にへこむようにして形成されている。
【0020】
このように、スペアタイヤ収納部Sの周縁壁部Swに複数のビード部Cを一体的に形成したことにより、非常に簡単な構成でスペアタイヤ収納部Sを効果的に補強することができる。
【0021】
また、スペアタイヤ収納部Sに振動が生じる場合には、周縁壁部Swがビード部Cで補強され剛性が高められていることにより、重量のあるスペアタイヤ(不図示)が載置される底面部Sbが相対的に振動し易くなるように設定できる。このように、底面部Sbが振動し易く、つまり、スペアタイヤ収納部Sに振動が生じる場合にはこの底面部Sbに振動を集中させるように設定した上で、重量物であるスペアタイヤ(不図示)を底面部Sb上に載置することにより、該底面部Sbの振動・騒音(特に、比較的高周波域での振動・騒音)を抑制し、その結果、スペアタイヤ収納部S全体としての振動および騒音を効果的に抑制することが可能になる。
【0022】
すなわち、トランクフロアFを樹脂製とすることで軽量化を達成し、しかも簡単な構成でより効率良くスペアタイヤ収納部Sを補強し、更に、このスペアタイヤ収納部Sでの効果的な振動および騒音制御を行うことができるのである。
【0023】
上記各ビード部Cは、図5に示すように、その肉厚TcがトランクフロアFの他の部分の肉厚Tf(つまり、基準肉厚)よりも、厚くなるように成形されている。これにより、スペアタイヤ収納部Sでの、所謂、こもり音の発生防止を図ることができる。
【0024】
また、上記各ビード部Cは、スペアタイヤ収納部Sの周縁壁部SwからトランクフロアFのベース面Fbの端部まで(図3の例では前端部まで)まで延設されている。
このように、上記ビード部Cをスペアタイヤ収納部Sの周縁壁部SwからトランクフロアFのベース面Fbの端部まで延設することにより、スペアタイヤ収納部Sの底面部Sbを除いて、トランクフロアFの略全面を補強することができる。
【0025】
図6は、上記参考形態をより具体的に示す第1の実施の形態に係るトランクフロア前部の平面説明図である。次に、この第1の実施の形態について説明する。尚、以下の説明において、図1〜図5に示した参考形態における場合と同様の構成を備え、同様の作用をなすものについては、同一の符号を付し、それ以上の説明は省略する。
【0026】
この第1の実施の形態では、トランクフロアF1の前端部が車幅方向に延びる前側フレーム10に接合されている。尚、左右の側端部は一対のサイドフレーム(不図示)に支持された上で車体側壁部Wcに接合されている。
上記トランクフロアF1に設けられたスペアタイヤ収納部S1の周縁壁部Sw1の前側部分には、複数(例えば5本)のビード部C1〜C5が形成され、これら各ビード部C1〜C5は何れも、周縁壁部Sw1からトランクフロアF1のベース面Fb1の端部まで延設されている。
【0027】
すなわち、両端2本のビード部C1,C5は共に車体側壁部Wcと交差するまで延設され、中央側の3本のビード部C2,C3,C4は何れも前側フレーム10と交差するまで延設されている。
この場合、ビード部C1及びC5とビード部C2及びC4と真中のビード部C3とはそれぞれ長さが相違することになる。
【0028】
尚、以上のように複数のビード部C2,C3,C4を前側フレーム10と交差するまで延設して形成したことにより、折れが比較的発生しやすいトランクフロアF1の前側フレーム10との接合部分およびその近傍を有効に補強することができる。
【0029】
本実施の形態では、ビードの全長が長いほどビード部の深さが深くなるように設定されている。したがって、ビード部C1及びC5が最も深く設定され、一方、真中のビード部C3が最も浅く設定されている。
この実施の形態では、上記ビード深さを、より好ましくは長さの1乗から1/3乗の範囲で比例するように設定した。
【0030】
尚、この場合、ビード部の深さは、図7に示すように、上記周縁壁部Sw1の上端部における深さ、つまり、周縁壁部Sw1とベース面Fb1が交わる線と、ビード部C1〜C5の周縁壁部Sw1に沿った部分とベース面Fb1に沿った部分の底面どうしが交わる線または点との間の間隔で表示するものとする。
【0031】
このように、複数のビード部C1〜C5の深さについて、その全長が長いほど深く設定することにより、トランクフロアF1の剛性の幅方向についてのバラツキを抑制することができる。
つまり、ビード部またはその延長線がスペアタイヤ収納部の中心から幅方向に外れるほどビード部の全長が長くなるので、ビード深さが同じであれば、ビード部を設けることによる補強効果が一般に低くなって剛性のバラツキが生じる惧れがある。
【0032】
しかしながら、本実施の形態では、上述のように全長が長いビード部ほどビード深さを深く設定することで当該ビード部による補強効果を高めて、トランクフロアF1の車幅方向についての剛性のバラツキを抑制することができるのである。
【0033】
走行中の車体には、基本的な振動モードとして、車体前後方向に波打つような(つまり、前後方向に節部と腹部が並ぶような)振動モードの振動が発生する場合があることが知られているが、このとき、トランクフロアF1の車幅方向の剛性にある程度以上のバラツキがあった場合には、上記振動モードに不規則な乱れが生じ、かかる振動によってスペアタイヤ収納部S1に収納されたスペアタイヤが回転成分を持った挙動(つまり、揺動)を行い、騒音を発生させることがある。
【0034】
本実施の形態では、ビード深さの設定により、全長が異なるビード部C1〜C5による補強効果に極力差がないように設定したので、トランクフロアF1の車幅方向についての剛性のバラツキを抑制することができ、上記のような振動モードの振動が発生した場合には、振動モードの形状を整え、スペアタイヤ収納部S1に収納されたスペアタイヤの不用意な揺動動作を防止することが可能になる。
【0035】
次に、第2の実施の形態について、図8を参照しながら説明する。
図8に示すように、この第2の実施の形態では、上記第1の実施の形態における場合と同様に、トランクフロアF2の前端部が車幅方向に延びる前側フレーム10に接合され、左右の側端部は一対のサイドフレーム12に支持された上で車体側壁部Wcに接合されている。
【0036】
これらサイドフレーム12の前側フレーム10との交差部分の近傍に、リヤサスペンション装置を支持する支持ブラケット14が配設されている。したがって、車両走行中には、これらサイドフレーム12、特に、上記支持ブラケット14を設けた部分がトランクフロアF2に対する振動入力源となる。
【0037】
上記トランクフロアF2に設けられたスペアタイヤ収納部S2の周縁壁部Sw2の前側部分には、第1の実施の形態の場合と同じく、複数(例えば5本)のビード部D1〜D5が形成されている。これらのうち、中央側の3本のビード部D2,D3,D4は何れも前側フレーム10と交差するまで延設されている。
【0038】
一方、両端2本のビード部D1,D5は、トランクフロアF2を支持する左右のサイドフレーム12側に向かって、特に、左右の支持ブラケット14の配設部分を指向するようにして延設されている。
本実施の形態では、このように振動入力源に対応する支持ブラケット14側を指向して延設されたビード部D1,D5の端末部は、サイドフレーム12から所定量(例えば、少なくとも10〜50mm程度)離間するように位置設定されている。
【0039】
このように、トランクフロアF2を支持するサイドフレーム12の振動入力源14に対応する部位に向かって延設されたビード部C1,C5の端末部を、当該サイドフレーム12から所定量離間するように位置設定することにより、サイドフレーム12に入力される振動がビード部C1,C2を伝わってスペアタイヤ収納部S2に直接的に入力されることを有効に回避できるのである。
【0040】
次に、第3の実施の形態について、図9を参照しながら説明する。
図9に示すように、この第3の実施の形態では、スペアタイヤ収納部S3の左側に3本のビード部E1,E2,E3が延び、右側に3本のビード部E4,E52,E6が延びている。
サイドフレーム12と前側フレーム10の交差部分にはタイヤハウスHwが位置しており、この場合、このタイヤハウスHwがトランクフロアF3の振動入力源(音源)となる。
【0041】
本実施の形態では、上記ビード部E1〜E6は何れも、左右どちらかのタイヤハウスHwを指向するようにその伸長方向が設定されている。すなわち、左側のタイヤハウスHwには、左側のビード部E3の他、右側の2本のビード部E4,E5が指向しており、右側のタイヤハウスHwには、右側のビード部E6の他、左側の2本のビード部E1,E2が指向している。
【0042】
尚、いずれのビード部E1〜E6も、振動入力源であるタイヤハウスHwに直接に繋がることは無いようにその端末部が位置設定されている。つまり、左側のビード部E3の端末部および右側のビード部E6は共に、タイヤハウスHwから所定量離間するように設定されている。
【0043】
このように、各ビード部を振動入力源に直接に繋がれない範囲で、この振動入力源に集中するように指向させることで、振動を有効に吸収して制振効果を得ることもできる。
上記第2の実施の形態および第3の実施の形態においても、ビード長さとビード深さとの関係を、第1の実施の形態における場合と同様に設定することが好ましい。
【0044】
尚、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】
本願請求項1の発明によれば、スペアタイヤ収納部の周縁壁部に複数のビード部を一体的に形成したことにより、スペアタイヤ収納部を効果的に補強することができる。また、スペアタイヤ収納部に振動が生じる場合には、周縁壁部がビード部で補強され剛性が高められていることにより、スペアタイヤが載置される底面部が相対的に振動し易くなるように設定できる。すなわち、フロアパネルを樹脂製とすることで軽量化を達成し、しかも簡単な構成でより効率良くスペアタイヤ収納部を補強し、更に、このスペアタイヤ収納部での振動および騒音制御を行うことが可能になる。
また更に、上記ビード部をスペアタイヤ収納部の周縁壁部からフロアパネルのベース面の端部まで延設することにより、スペアタイヤ収納部の底面部を除いて、フロアパネルの略全面を補強することができる。
また更に、スペアタイヤ収納部の周縁壁部の少なくともベース面端部に対向する部分が平面視で曲線状に形成され、この平面視曲線状の周縁壁部からベース面端部にまで至る全長の異なる複数のビード部が、車幅方向に間隔を設けて配置されている場合について、上記各ビード部の深さを、その全長が長いほど深く設定することにより、フロアパネルの剛性の車幅方向についてのバラツキを抑制することができる。つまり、ビード部の延長線がスペアタイヤ収納部の中心から車幅方向に外れるほどビード部の全長が長くなり、ビード部を設けることによる補強効果が一般に低くなって剛性のバラツキが生じる惧れがあるが、このように全長が長いビード部ほどビード深さを深く設定することで当該ビード部による補強効果を高めて、車幅方向について剛性のバラツキを抑制することができる。
【0046】
また、本願請求項2の発明によれば、基本的には上記請求項1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上記ビード部の肉厚をフロアパネルの他の部分の肉厚よりも厚く設定することにより、所謂、こもり音の発生防止を図ることができる。
【0049】
また更に、本願請求項3の発明によれば、基本的には上記請求項1又は2の発明と同様の効果を奏することができる。特に、フロアパネルを支持するフロアフレーム側に向かって延びるビード部が設けられ、上記フロアフレームに車両のサスペンション装置を支持するサスペンション支持部が設けられている場合には、フロアフレーム側に向かって延びるビード部のうち、フロアフレームの振動入力源である上記サスペンション支持部を指向するビード部については、そのビード部の端末部が、当該フロアフレームから所定量離間するように位置設定されているので、サスペンション支持部からフロアフレームに入力される振動がビード部を伝わってスペアタイヤ収納部に入力されることを有効に回避できる。
【0050】
また更に、本願請求項4の発明によれば、基本的には上記請求項1又は2の発明と同様の効果を奏することができる。特に、フロアパネルを支持するフロアフレーム側に向かって延びるビード部が設けられ、上記フロアフレームの所定箇所に車輪の上方を覆うタイヤハウス部が位置している場合には、上記フロアフレーム側に向かって延びるビード部を、フロアフレームの振動入力源である上記タイヤハウス部を指向するように伸長方向を設定することにより、各ビード部を振動入力源に集中するように指向させることで、振動を有効に吸収して制振効果を得ることができる。この場合において、ビード部の端末部は上記タイヤハウス部から所定量離間するように位置設定されているので、タイヤハウス部からフロアフレームに入力される振動がビード部を伝わってスペアタイヤ収納部に入力されることを有効に回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考形態に係る自動車のトランクルームを車体後方から見て概略的に示した説明図である。
【図2】 上記トランクルームのフロア構造の基本構成を模式的に示す断面説明図である。
【図3】 上記トランクルームのトランクフロアの概略構成を示す斜視図である。
【図4】 上記トランクフロアのスペアタイヤ収納部に設けたビード部の正面説明図である。
【図5】 上記ビード部の縦断面説明図である。
【図6】 本発明の第1の実施の形態を示すトランクフロア前部の平面説明図である。
【図7】 上記第1の実施の形態に係るトランクフロアに設けたビード部の深さを模式的に示す説明図である。
【図8】 本発明の第2の実施の形態を示すトランクフロア前部および該トランクフロアを支持する車体フレームの平面説明図である。
【図9】 本発明の第3の実施の形態を示すトランクフロア前部および該トランクフロアを支持する車体フレームの平面説明図である。
【符号の説明】
10…前側フレーム
12…サイドフレーム
14…支持ブラケット
C1〜C5,D1〜D5,E1〜E6…ビード部
F1,F2,F3…トランクフロア(フロアパネル)
Fb1,Fb2,Fb3…(トランクフロアの)ベース面
Hc…タイヤハウス
S1,S2,S3…スペアタイヤ収納部
Sb…底面部
Sw1,Sw2,Sw3…周縁壁部
Tc…ビード部の肉厚
Tf…トランクフロアの基準肉厚
Claims (4)
- スペアタイヤ収納部が一体的に形成され、車両の床面に適用される樹脂製のフロアパネルの構造であって、
上記スペアタイヤ収納部は、スペアタイヤを載置する底面部と、該底面部からフロアパネルのベース面まで立ち上がる周縁壁部とで構成されており、
該周縁壁部および上記フロアパネルのベース面には、上記周縁壁部から上記ベース面の端部まで延設された複数のビード部が一体的に形成され、
上記周縁壁部の少なくとも上記ベース面の端部に対向する部分は平面視で曲線状に形成されると共に、該平面視で曲線状の周縁壁部からベース面の端部にまで至る全長の異なる複数のビード部が、車幅方向に間隔を設けて配置されており、
上記各ビード部の深さは、その全長が長いほど深く設定されている、
ことを特徴とする樹脂製フロアパネル構造。 - 請求項1記載の樹脂製フロアパネル構造において、
上記ビード部の肉厚は、上記フロアパネルの他の部分の肉厚よりも厚く設定されていることを特徴とする樹脂製フロアパネル構造。 - 請求項1又は2に記載の樹脂製フロアパネル構造において、
上記フロアパネルを支持するフロアフレーム側に向かって延びるビード部が設けられ、
上記フロアフレームには、車両のサスペンション装置を支持するサスペンション支持部が設けられており、
上記フロアフレーム側に向かって延びるビード部のうち、上記サスペンション支持部を指向するビード部については、そのビード部の端末部が、当該フロアフレームから所定量離間するように位置設定されていることを特徴とする樹脂製フロアパネル構造。 - 請求項1又は2に記載の樹脂製フロアパネル構造において、
上記フロアパネルを支持するフロアフレーム側に向かって延びるビード部が設けられ、
上記フロアフレームの所定箇所には、車輪の上方を覆うタイヤハウス部が位置しており、
上記フロアフレーム側に向かって延びるビード部は、上記タイヤハウス部を指向するように伸長方向が設定されると共に、そのビード部の端末部が上記タイヤハウス部から所定量離間するように位置設定されていることを特徴とする樹脂製フロアパネル構造。
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