JP4380099B2 - 化粧水 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保存安定性、感触、抗菌性に優れた化粧水に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、化粧水に用いられる水溶液には、防腐を目的として種々の抗菌剤等が配合されており、皮膚への刺激が少ない抗菌剤としてココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩を用いることが提案されている（特公昭47-313）。
そして、ココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩の抗菌性を補う目的で、ココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩に加え、塩化セチルピリジニウム、さらにパラベン類を抗菌剤として添加することが知られている。
しかし、パラベン類をもちいた場合、パラベン自体の溶解性が低いため、水溶液が白濁したり、沈殿が生じる等、保存安定性に問題があった。
【０００３】
そこで、パラベン類の溶解性を向上させるためにプロピレングリコールや１，３−ブチレングリコールなどのポリオール類を添加することが行われている。
しかし、パラベン類を溶解させるためにこれらのポリオール類を用いる場合には、これらを多量に配合することが必要となり、パラベン類の溶解性を向上させることができるものの、化粧水として肌に塗布した場合に、ぬるつきやべたつきを感じるという問題があった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、肌への感触が良好で、保存安定性に優れ、抗菌性のある化粧水を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の化粧水が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
（Ａ）ココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩、
（Ｂ）塩化セチルピリジニウムおよび、
（Ｃ）安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、を含有することを特徴とする化粧水である。
【０００６】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩は、アルギニンをヤシ油脂肪酸によりＮ−アシル化し、さらに、エチルエステル化したものをピロリドンカルボン酸により中和したものであり、味の素株式会社より市販されているものを用いることができる（商品名「ＣＡＥ」）。
【０００７】
ココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩の配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、組成物全量に対し０．００１〜１重量％、好ましくは０．０１〜０．５重量％、更に好ましくは０．０３〜０．１％の範囲で用いられる。
【０００８】
次に、本発明に用いられる塩化セチルピリジニウムは、特に制限はなく、通常化粧料に用いられるものを使用することができる。
塩化セチルピリジニウムの配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、組成物全量に対し０．０００１〜１重量％、好ましくは０．００１〜０．５重量％、更に好ましくは０．００５〜０．１％の範囲で用いられる。
【０００９】
また、本発明に用いられる安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩は、特に制限はなく、通常化粧料に用いられるものを使用することができる。
これらは、遊離酸の形態のものでも塩の形態のものでも用いることができるが、溶解性の面からは、塩の形態のものが好ましい。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられるが、溶解性の点でナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
具体的には、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム等を挙げることができる。
【００１０】
安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩は、これらのうち1種を単独で用いても、またはこれらを混合して用いてももちろん差支えない。
【００１１】
安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩の配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、組成物全量に対し０．０００１〜５重量％、好ましくは０．００１〜１重量％、更に好ましくは０．０５〜０．５％の範囲で用いられる。
【００１２】
本発明の化粧水には、本発明の効果を阻害しない範囲において、他の成分として、通常化粧水に用いられる成分を配合することができる。
例えば、界面活性剤、保湿剤、エモリエント剤、pH調整剤、、香料、酸化防止剤、キレート剤、植物エキス、褪色防止剤、消炎剤・皮膚賦活剤・収斂剤等の薬効成分等を上げることができる。
【００１３】
なお、上記の他の成分としては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールや１，３−ブチレングリコールなどのポリオール類も配合することができる。
ただし、上述のようにこれらのポリオール類を多量に配合した場合は、肌への感触が重たくなる場合があるため、組成物全量に対して５重量％以下の配合量で用いるのが好ましい。
【００１４】
本発明の化粧水は、ココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩、塩化セチルピリジニウム、安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩等を水や精製水等に溶解し、必要に応じて通常化粧水に用いられる他の成分をさらに混合して、定法により製造することができる。
【００１５】
【実施例】
以下本発明を実施例に沿って説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【００１６】
＜実施例１〜６＞
表１に示す組成により、各成分を精製水に溶解することにより本発明の化粧水を製造した。なお、実施例１〜６の化粧水につき、抗菌性試験を行ったところ、良好な抗菌性を示していることが確認された。
【００１７】
【表１】
【００１８】
＜保存安定性の評価＞
保存安定性は、実施例1〜６により得られた化粧水を１週間、０℃に保存した後の溶存状態を目視により観察することにより、以下の基準にて評価した。結果を表1に併せて示す。
○透明に溶解している。
× 白濁、又は沈殿物がある。
【００１９】
表1より、本発明の化粧水は、良好な保存安定性を示していることがわかる。
【００２０】
＜肌への感触の評価＞
肌への感触は、実施例１〜６により得られた化粧水を、ティッシュに含浸させ、通常の方法にて使用した際の、皮膚上の感触について、ぬるつき、及びべたつきの二点について評価した。結果を表１に併せて示す。
【００２１】
表1より、本発明の化粧水は、良好な感触を示していることがわかる。
【００２２】
＜実施例７〜１０：化粧水の製造＞
表2に示す処方にて、化粧水を製造した。得られた化粧水は、良好な保存安定性、感触を示した。
【００２３】
【表２】
【００２４】
【発明の効果】
本発明によれば、保存安定性および肌への感触が良好で、抗菌性のある化粧水を提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、保存安定性、感触、抗菌性に優れた化粧水に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、化粧水に用いられる水溶液には、防腐を目的として種々の抗菌剤等が配合されており、皮膚への刺激が少ない抗菌剤としてココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩を用いることが提案されている（特公昭47-313）。
そして、ココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩の抗菌性を補う目的で、ココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩に加え、塩化セチルピリジニウム、さらにパラベン類を抗菌剤として添加することが知られている。
しかし、パラベン類をもちいた場合、パラベン自体の溶解性が低いため、水溶液が白濁したり、沈殿が生じる等、保存安定性に問題があった。
【０００３】
そこで、パラベン類の溶解性を向上させるためにプロピレングリコールや１，３−ブチレングリコールなどのポリオール類を添加することが行われている。
しかし、パラベン類を溶解させるためにこれらのポリオール類を用いる場合には、これらを多量に配合することが必要となり、パラベン類の溶解性を向上させることができるものの、化粧水として肌に塗布した場合に、ぬるつきやべたつきを感じるという問題があった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、肌への感触が良好で、保存安定性に優れ、抗菌性のある化粧水を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の化粧水が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
（Ａ）ココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩、
（Ｂ）塩化セチルピリジニウムおよび、
（Ｃ）安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、を含有することを特徴とする化粧水である。
【０００６】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩は、アルギニンをヤシ油脂肪酸によりＮ−アシル化し、さらに、エチルエステル化したものをピロリドンカルボン酸により中和したものであり、味の素株式会社より市販されているものを用いることができる（商品名「ＣＡＥ」）。
【０００７】
ココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩の配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、組成物全量に対し０．００１〜１重量％、好ましくは０．０１〜０．５重量％、更に好ましくは０．０３〜０．１％の範囲で用いられる。
【０００８】
次に、本発明に用いられる塩化セチルピリジニウムは、特に制限はなく、通常化粧料に用いられるものを使用することができる。
塩化セチルピリジニウムの配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、組成物全量に対し０．０００１〜１重量％、好ましくは０．００１〜０．５重量％、更に好ましくは０．００５〜０．１％の範囲で用いられる。
【０００９】
また、本発明に用いられる安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩は、特に制限はなく、通常化粧料に用いられるものを使用することができる。
これらは、遊離酸の形態のものでも塩の形態のものでも用いることができるが、溶解性の面からは、塩の形態のものが好ましい。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられるが、溶解性の点でナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
具体的には、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム等を挙げることができる。
【００１０】
安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩は、これらのうち1種を単独で用いても、またはこれらを混合して用いてももちろん差支えない。
【００１１】
安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩の配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、組成物全量に対し０．０００１〜５重量％、好ましくは０．００１〜１重量％、更に好ましくは０．０５〜０．５％の範囲で用いられる。
【００１２】
本発明の化粧水には、本発明の効果を阻害しない範囲において、他の成分として、通常化粧水に用いられる成分を配合することができる。
例えば、界面活性剤、保湿剤、エモリエント剤、pH調整剤、、香料、酸化防止剤、キレート剤、植物エキス、褪色防止剤、消炎剤・皮膚賦活剤・収斂剤等の薬効成分等を上げることができる。
【００１３】
なお、上記の他の成分としては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールや１，３−ブチレングリコールなどのポリオール類も配合することができる。
ただし、上述のようにこれらのポリオール類を多量に配合した場合は、肌への感触が重たくなる場合があるため、組成物全量に対して５重量％以下の配合量で用いるのが好ましい。
【００１４】
本発明の化粧水は、ココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩、塩化セチルピリジニウム、安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩等を水や精製水等に溶解し、必要に応じて通常化粧水に用いられる他の成分をさらに混合して、定法により製造することができる。
【００１５】
【実施例】
以下本発明を実施例に沿って説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【００１６】
＜実施例１〜６＞
表１に示す組成により、各成分を精製水に溶解することにより本発明の化粧水を製造した。なお、実施例１〜６の化粧水につき、抗菌性試験を行ったところ、良好な抗菌性を示していることが確認された。
【００１７】
【表１】
＜保存安定性の評価＞
保存安定性は、実施例1〜６により得られた化粧水を１週間、０℃に保存した後の溶存状態を目視により観察することにより、以下の基準にて評価した。結果を表1に併せて示す。
○透明に溶解している。
× 白濁、又は沈殿物がある。
【００１９】
表1より、本発明の化粧水は、良好な保存安定性を示していることがわかる。
【００２０】
＜肌への感触の評価＞
肌への感触は、実施例１〜６により得られた化粧水を、ティッシュに含浸させ、通常の方法にて使用した際の、皮膚上の感触について、ぬるつき、及びべたつきの二点について評価した。結果を表１に併せて示す。
【００２１】
表1より、本発明の化粧水は、良好な感触を示していることがわかる。
【００２２】
＜実施例７〜１０：化粧水の製造＞
表2に示す処方にて、化粧水を製造した。得られた化粧水は、良好な保存安定性、感触を示した。
【００２３】
【表２】
【発明の効果】
本発明によれば、保存安定性および肌への感触が良好で、抗菌性のある化粧水を提供できる。
Claims (1)
- （Ａ）ココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩、
（Ｂ）塩化セチルピリジニウムおよび、
（Ｃ）安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、を含有することを特徴とする化粧水。
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|---|---|---|---|
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001276731A JP4380099B2 (ja) | 2001-09-12 | 2001-09-12 | 化粧水 |
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Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2001276731A Expired - Fee Related JP4380099B2 (ja) | 2001-09-12 | 2001-09-12 | 化粧水 |
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| JPH11255632A (ja) * | 1998-03-11 | 1999-09-21 | Ajinomoto Co Inc | 化粧料組成物 |
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2001
- 2001-09-12 JP JP2001276731A patent/JP4380099B2/ja not_active Expired - Fee Related
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