JP4379469B2 - Iii族窒化物半導体のエッチング方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体のエッチング方法 Download PDF

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Description

本発明は、III族窒化物半導体のエッチング方法に関するものである。
III族窒化物系の材料をエッチングするためには、ウエットエッチングではエッチングがほとんど進行しないため、主として塩素系ガスによるRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)によってエッチングを行なう方法が採用されている。このようなエッチングをIII族窒化物半導体素子に行なうと、選択エッチングができないため、たとえば図13に示すように、p型AlGaNクラッド層108の一部がエッチングできないなどにより加工形状および深さなどを安定的に制御することが困難である。なお、図13は、従来のIII族窒化物半導体を示す断面図である。図13において、従来のIII族窒化物半導体100は、たとえばGaN基板101と、n型GaN層102と、n型AlGaNクラッド層103と、アンドープGaNガイド層104と、活性層105と、p型電子ブロック層106と、p型GaN層107と、p型AlGaNクラッド層108と、p型GaNコンタクト層109と、n型電極121と、p型電極122と、絶縁体膜123とを備えている。
そこで、たとえば特開平10−326940号公報(特許文献1)に、RIEによる選択エッチングを行なうための方法が開示されている。上記特許文献1では、半導体発光素子を製造する際に、Inを含むIII族窒化物系の材料に対しては、塩素系ガスによるRIEによって選択的エッチングを行なう方法が開示されている。
特開平10−326940号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の半導体発光素子では、選択的エッチングをある程度は行なうことはできるものの、加工形状および深さなどを安定的に制御することは十分でない。
その理由としては、従来用いられる塩素系ガスとIII族窒化物材料の組み合わせでは、材料との違いによる物理的強度および反応生成物の沸点の差が小さい。そのために、エッチングされる材料と、エッチングされない材料とのエッチングレートの差を大きくすることができないからである。
それゆえ本発明の目的は、III族窒化物材料を用いるIII族窒化物半導体において加工形状および深さなどを安定的に制御してエッチングを行なうことのできるIII族窒化物半導体のエッチング方法を提供することである。
本願発明者は、ヨウ素原子を含むガスによるエッチングについて鋭意研究した結果、アルミニウム(Al)についてのある組成条件を満たす、III族窒化物系材料が著しくエッチングされにくいことを見出した。すなわち、ヨウ素原子を含むエッチングガスに対するエッチングレートは被エッチング材料のアルミニウムの組成に依存するため、アルミニウムを相対的に多く有する層がエッチングストップ層となることを見出した。
そこで、本発明にしたがったIII族窒化物半導体のエッチング方法は、アルミニウムを相対的に多く有する層と、アルミニウムを相対的に少なく有する層とを含むIII族窒化物半導体のベース部を準備する工程と、ベース部に対してヨウ素原子を含むエッチングガスによりエッチングを行なう工程とを備えている。エッチングを行なう工程では、アルミニウムを相対的に多く有する層がエッチングストップ層となることを特徴としている。
本発明のIII族窒化物半導体のエッチング方法によれば、アルミニウムを相対的に多く有する層がエッチングストップ層となるため、III族窒化物材料を用いるIII族窒化物半導体において加工形状および深さなどを安定的に制御してエッチングを行なうことができる。
上記III族窒化物半導体のエッチング方法において好ましくは、ガスが、ヨウ化水素を含むことを特徴としている。
これにより、アルミニウムを相対的に多く有する層がよりエッチングされにくくなる。よって、III族窒化物半導体において加工形状および深さなどをより安定的に制御してエッチングを行なうことができる。
上記III族窒化物半導体のエッチング方法において好ましくは、アルミニウムを相対的に多く有する層が、Al(x)Ga(1−x)N(x>0.10)であることを特徴としている。上記III族窒化物半導体のエッチング方法においてより好ましくは、アルミニウムを相対的に多く有する層が、Al(x)Ga(1−x)N(x>0.18)であることを特徴としている。
アルミニウムを相対的に多く有する層をAl(x)Ga(1−x)N(x>0.10)にすると、エッチングレートがより小さいことを本願発明者は見出した。よって、III族窒化物半導体において加工形状および深さなどをより安定的に制御してエッチングを行なうことができる。また、アルミニウムを相対的に多く有する層をAl(x)Ga(1−x)N(x>0.18)にすると、エッチングレートがより一層小さいことを本願発明者は見出した。よって、III族窒化物半導体において加工形状および深さなどをより一層安定的に制御してエッチングを行なうことができる。
従来、塩素系ガスと、インジウムを含まないIII族窒化物半導体との組み合わせでは材料の違いによる反応生成物の物理的強度および反応生成物の沸点の差が小さいことが知られている。そのために、これらの組み合わせでは材料の違いによってエッチングレートの差を大きくすることができなかった。しかし、本発明では、インジウムを含まずアルミニウムを含むIII族窒化物半導体において、エッチングレートの差を大きくできる方法を見出した。
本発明の一の局面におけるIII族窒化物半導体素子は、上記III族窒化物半導体のエッチング方法により製造される。
本発明の一の局面におけるIII族窒化物半導体素子によれば、加工形状および深さなどを安定的に制御してエッチングを行なって製造されるので、加工形状および深さなど所望のIII族窒化物半導体素子を得ることができる。
本発明のフォトニック結晶構造を有する素子によれば、上記III族窒化物半導体のエッチング方法により製造される。
これにより、アルミニウムを相対的に多く有する層をエッチングストップ層とすることを利用して、垂直性および平坦性を良好に制御してエッチングを行なってフォトニック結晶を製造することができる。その結果、フォトニック結晶を有する素子を製造できる。
本発明の他の局面におけるIII族窒化物半導体素子によれば、n型クラッド層とp型ブロック層との間に活性層が配置されるIII族窒化物半導体素子であって、n型クラッド層およびp型ブロック層の少なくともいずれか一方がAl(x)Ga(1−x)N(x>0.10)であり、ヨウ素原子を含むガスによりAl(x)Ga(1−x)N(x>0.10)である層がエッチングストップ層となるようなエッチングを行なう工程により形成されてなる。
本発明の他の局面におけるIII族窒化物半導体素子によれば、Al(x)Ga(1−x)N(x>0.10)である層により安定してエッチングを制御できる。よって、加工形状および深さなど所望のIII族窒化物半導体素子を得ることができる。
本発明のレーザは、上記III族窒化物半導体素子を用いて形成されるリッジ構造のレーザであって、リッジ構造と活性層との最も近接する距離が200nm以下である。
本発明のレーザによれば、リッジ構造を活性層に近い部分に形成できるので、活性層部分での電流密度の低下を抑える電流挟窄の効果を高める、優れた特性のレーザとすることができる。
本発明のフォトニック結晶レーザは、上記III族窒化物半導体素子を用いて形成されるフォトニック結晶レーザであって、活性層とフォトニック結晶層との最も近接する距離が200nm以下である。
本発明のフォトニック結晶レーザは、活性層とフォトニック結晶層とを近づけて形成できるので、活性層での発光をフォトニック結晶層に効率的に取り出すことができる。
このように、本発明のIII族窒化物半導体のエッチング方法によれば、アルミニウムを相対的に多く有する層がエッチングストップ層となるので、III族窒化物材料を用いるIII族窒化物半導体において加工形状および深さなどを安定的に制御してエッチングを行なうことができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるIII族窒化物半導体のエッチング方法のフローチャートである。図1を用いて本発明の実施の形態1におけるIII族窒化物半導体のエッチング方法について説明する。
図1に示すように、まず、アルミニウムを相対的に多く有する層と、アルミニウムを相対的に少なく有する層とを含むIII族窒化物半導体のベース部を準備する工程(S10)を実施する。準備する工程(S10)では、たとえば基板をMOCVD(Metal-organic chemical vapor deposition)法によりエピタキシャル成長させてベース部を形成する。
準備する工程(S10)において、アルミニウムを相対的に多く有する層は、Al(x)Ga(1−x)N(x>0.10)とすることが好ましく、さらに好ましくはAl(x)Ga(1−x)N(x>0.18)である。
次に、ベース部に対してヨウ素原子を含むガスによりエッチングを行なう工程(S20)を実施する。エッチングを行なう工程(S20)では、準備する工程(S10)で形成したベース部に対して、たとえばRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)を行なう。エッチングガスは、ヨウ化水素(HI)を含むことが好ましい。エッチングを行なう工程(S20)では、アルミニウムを相対的に多く有する層がエッチングストップ層となる。エッチングを行なう工程(S20)では、たとえばドライエッチングにより行なうことができる。
本発明の実施の形態1におけるIII族窒化物半導体は、III族窒化物半導体のエッチング方法(S10,S20)により製造することができる。
次に、上述した実施の形態1におけるIII族窒化物半導体のエッチング方法を実施することにより、エッチングを行なう工程(S20)でアルミニウムを相対的に多く有する層がエッチングストップ層となることについて、以下説明する。
まず、準備する工程(S10)では、GaN基板上に形成されるアルミニウムを相対的に多く有する層としてアルミニウムの組成(xの値)を変えたAl(x)Ga(1−x)N層を含むベース部を5つ準備した。そして、エッチングを行なう工程(S20)では、ヨウ化水素とキセノン(Xe)との比が0.8:1.0となるようなエッチングガスで、0.3Pa、RF出力ICP/bias=80/150Wの条件で、それぞれのベース部に対してICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)−RIEを行なった。具体的には、当該条件下で、被エッチング物を載置した電極に高周波電力を印加し、発生した負の自己バイアス電圧により、プラズマから生成されたイオンを加速して被エッチング物に衝撃させた。その結果を図2に示す。
図2は、アルミニウムの組成に対するエッチングレートを示す図である。図2において、縦軸はエッチングレート(単位:nm/min)を示し、横軸はAl(x)Ga(1−x)Nのxの値(単位:なし)を示す。図2に示すように、Al(x)Ga(1−x)N(x>0.10)とすると、エッチングレートが20nm/min以下と下がった。Al(x)Ga(1−x)N(x>0.18)とすると、エッチングレートは0nm/minに極めて近づき、エッチングレートが著しく下がった。そのため、アルミニウムが0.1以上含有されるAlGaNは、GaNと比べて著しくエッチングされにくいということがわかった。このことは、本願発明者がヨウ素原子を含むガスを用いたRIEエッチングのエッチングレートをアルミニウムの組成を変えて測定した結果見出した。
ヨウ素原子を含むガスを用いることで選択エッチングが可能となる理由は、アルミニウムとヨウ素との化合物の沸点がガリウム(Ga)とヨウ素との化合物の沸点に比べて高いためである。そのため、アルミニウムとヨウ素との化合物からなる不動態が被エッチング材料の表面を覆っていくことにより、エッチングレートが低下する。よって、アルミニウムを相対的に多く有する層は、エッチングストップ層の役割を果たすことがわかった。
以上説明したように、本発明の実施の形態1におけるIII族窒化物半導体のエッチング方法によれば、アルミニウムを相対的に多く有する層と、アルミニウムを相対的に少なく有する層とを含むIII族窒化物半導体のベース部を準備する工程(S10)と、ベース部に対してヨウ素原子を含むガスによりエッチングを行なう工程(S20)とを備え、エッチングを行なう工程(S20)では、アルミニウムを相対的に多く有する層がエッチングストップ層となることを特徴としている。アルミニウムを相対的に多く有する層とアルミニウムを相対的に少なく有する層とのエッチングレートの差を大きくできるので、アルミニウムを相対的に多く有する層がエッチングストップ層となる。そのため、基板に対して非常に垂直性の高いエッチングや効果的なエッチングストップ層を実現できる。また、アルミニウムを相対的に多く有する層をエッチングの進行をストップさせる位置に配置することにより、所望の形状にすることができる。よって、加工形状および深さなどを安定的に制御してエッチングや、基板に対して非常に垂直性の高いエッチングを実現できる。
上記III族窒化物半導体のエッチング方法において好ましくは、ガスが、ヨウ化水素を含む。これにより、アルミニウムを相対的に多く有する層をよりエッチングされにくくすることができる。
上記III族窒化物半導体のエッチング方法において好ましくは、アルミニウムを相対的に多く有する層が、Al(x)Ga(1−x)N(x>0.10)である。さらに好ましくはアルミニウムを相対的に多く有する層が、Al(x)Ga(1−x)N(x>0.18)である。これにより、図2に示すように、アルミニウムを相対的に多く有する層のエッチングレートを著しく遅くできるため、アルミニウムを相対的に多く有する層はエッチングストップ層としての役割を果たすことができる。
また、AlGaNはそのバンドギャップがGaNに比べて大きく、屈折率などの点からも半導体光学素子中で活性層に隣接または近接して用いられることが多い材料である。そのため、AlGaNがアルミニウムを相対的に多く有する層であり、GaNがアルミニウムを相対的に少なく有する層となり、上記AlGaN層をエッチングストップ層として利用することにより、エッチングを行なう工程(S20)でGaN層を選択的にエッチングすることが可能となる。
本発明の実施の形態1におけるIII族窒化物半導体素子は、上記III族窒化物半導体のエッチング方法により製造される。アルミニウムを相対的に多く含む層をエッチングストップ層とすることにより、加工形状および深さなどを安定的に制御してエッチングを行なって製造されるので、加工形状および深さなど所望のIII族窒化物半導体素子を得ることができる。
(実施の形態2)
次に、図1および図3〜図6を参照して、本発明の実施の形態2におけるファブリ・ペロー・レーザを説明する。図3は、本発明の実施の形態2におけるファブリ・ペロー・レーザを示す断面図である。図4は、本発明の実施の形態2におけるファブリ・ペロー・レーザを製造するための準備する工程での断面図である。図5は、本発明の実施の形態2におけるファブリ・ペロー・レーザを製造するためのエッチングを行なう工程での断面図である。図6は、本発明の実施の形態2におけるファブリ・ペロー・レーザを製造するための絶縁体膜を形成する工程での断面図である。実施の形態2におけるファブリ・ペロー・レーザはリッジ構造を有している。
実施の形態2におけるファブリ・ペロー・レーザ10は、図3に示すように、n型クラッド層13とp型ブロック層16との間に活性層15が配置されるIII族窒化物半導体素子であって、n型クラッド層13およびp型ブロック層16の少なくともいずれか一方がAl(x)Ga(1−x)N(x>0.10)であり、ヨウ素原子を含むガスによりAl(x)Ga(1−x)N(x>0.10)である層がエッチングストップ層となるようなエッチングを行なう工程により形成されてなる、III族窒化物半導体である。なお、n型クラッド層13およびp型ブロック層16の少なくともいずれか一方は、Al(x)Ga(1−x)N(x>0.18)とすることがより好ましい。また、リッジ構造10aと活性層15との最も近接する距離L1が200nm以下であることが好ましい。
具体的には、図3に示すように、ファブリ・ペロー・レーザ10は、GaN基板11と、n型GaN層12と、n型クラッド層13と、アンドープガイド層14と、活性層(MQW)15と、p型ブロック層16と、p型ガイド層17と、p型クラッド層18と、p型コンタクト層19とが、この順序で積層されている。ファブリ・ペロー・レーザ10は、p型コンタクト層19からp型ガイド層17にかけてテーパ状のリッジ構造10aを有している。絶縁体膜23は、p型ブロック層16上、p型ガイド層17、p型クラッド層18、およびp型コンタクト層19の側壁(リッジ構造10a)を覆うように形成されている。p型コンタクト層19上および端部を除く絶縁体膜23上にはp型電極22が設けられている。GaN基板11の裏面11aには、一面に(裏面11a全体を覆うように)n型電極21が設けられている。p型電極22およびn型電極21は、たとえばAu(金)などよりなっている。
また、リッジ構造10aと活性層15との最も近接する距離L1が200nm以下であることが好ましい。なお、図13に示す従来のリッジ構造を有するファブリ・ペロー・レーザ100の距離L2と比較して距離L1は短い。また、実施の形態2のファブリ・ペロー・レーザ10のリッジ構造10aの形状は、図13に示す従来のリッジ構造を有するファブリ・ペロー・レーザ100のリッジ構造100aと比較して垂直性の高い側壁である。
活性層15は、たとえばInGaN/GaNよりなる多重量子井戸構造により構成されている。なお、単一の半導体材料よりなっていてもよい。
図3に示すように、n型クラッド層13はたとえばn型AlGaNよりなっている。アンドープガイド層14はたとえばアンドープGaNよりなっている。p型ブロック層16はたとえばp型AlGaNよりなっている。p型ブロック層16はアルミニウムの組成は18%(Al(x)Ga(1−x)N(x=0.18))とし、アルミニウムを相対的に多く有する層、すなわちエッチングストップ層としている。p型ガイド層17はたとえばp型GaNよりなっている。p型クラッド層18はたとえばアルミニウムを2〜10%有するp型AlGaNよりなっている。n型クラッド層13およびp型クラッド層18は、活性層15に与えられるべきキャリアが伝導する導電層として機能する。このため、n型クラッド層13およびp型クラッド層18は、活性層15を挟むように設けられている。また、n型クラッド層13、p型ブロック層16、およびp型クラッド層18は、それぞれ、活性層15にキャリア(電子および正孔)を閉じ込める閉じ込め層として機能する。つまり、n型クラッド層13、活性層15、p型ブロック層16、およびp型クラッド層18は、ダブルヘテロ接合を形成している。このため、発光に寄与するキャリアを活性層15に集中させることができる。
p型コンタクト層19は、p型電極22との接触をオーミック接触にするために形成される。p型コンタクト層19はたとえばp型のGaNよりなっている。絶縁体膜23は、たとえばSiO2よりなっている。
また、実施の形態2におけるファブリ・ペロー・レーザ10の各部分の寸法を例示的に以下に列挙すると、GaN基板11の厚さはたとえば150μmであり、n型GaN層12の厚さはたとえば2μmであり、n型クラッド層13およびp型クラッド層18の各々の厚さはたとえば400nmであり、アンドープガイド層14の厚さはたとえば100nmであり、活性層15の厚さはたとえば3nmと15nmとが3層積層(計54nm)されており、p型ブロック層16の厚さはたとえば20nmであり、p型ガイド層17の厚さはたとえば100nmである。
次に、実施の形態2におけるファブリ・ペロー・レーザ10の製造方法について、図3〜6を参照して説明する。
まず、図4に示すように、アルミニウムを相対的に多く有する層と、アルミニウムを相対的に少なく有する層とを含むIII族窒化物半導体のベース部20を準備する工程(S10)を実施する。
準備する工程(S10)では、具体的には導電性GaNからなるGaN基板11を準備する。そして、たとえばGaN基板11の(0001)面上にMOCVD法を用いて、n型GaN層12、n型クラッド層13、アンドープガイド層14、活性層15、p型ブロック層16、p型ガイド層17、p型クラッド層18、およびp型コンタクト層19よりなるエピタキシャル成長層をこの順序でGaN基板11上にエピタキシャル成長させて、図4に示すようにベース部20を準備する。なお、準備する工程(S10)では、たとえば成膜装置を使用できる。
次に、図5に示すように、ベース部20に対してヨウ素原子を含むガスによりエッチングを行なう工程(S20)を実施する。エッチングを行なう工程(S20)では、アルミニウムを相対的に多く有する層がエッチングストップ層となる。実施の形態2では、アルミニウムを相対的に多く有する層をp型ブロック層16としている。p型ブロック層16は、アルミニウムを10%以上含有することが好ましく、たとえば18%含有するように形成する。
エッチングを行なう工程(S20)では、たとえば準備する工程(S10)で使用した成膜装置(たとえばエピタキシャル成長炉)から取り出して、RIE装置でエッチングを行なう。エッチングガスはヨウ素原子を含んでいれば特に限定されないが、ヨウ化水素を含んでいることが好ましい。
詳細には、エッチングを行なう工程(S20)では、たとえばマスク層を形成する工程と、露光を行なう工程と、現像を行なう工程と、ドライエッチングを行なう工程とを実施する。具体的には、以下のような処理を行なう。
まず、ベース部20上にマスク層を形成する工程を実施する。この工程では、マスク層としては、たとえば、EB(電子ビーム)露光用レジストを用いることができる。なお、この工程では、マスク層としてEB露光用レジストを用いているが、特にこれに限定されない。たとえば、SiNなどの絶縁膜などにEB描写パターンをエッチング転写してマスクとすることもできる。また、多層のマスクを用いることもできる。
次に、露光を行なう工程を実施する。露光は、たとえば、EB(電子ビーム)露光によってベース部20上に塗布された露光用レジストに直接レジストマスクパターンを描写する。このレジストマスクパターンは所定形状とし、本実施の形態では、平面形状が円形状のマスクがベース部20の上端面(図4におけるp型コンタクト層19の表面)上の中央部分に相当するようにしている。
次いで、現像を行なう工程を実施する。この工程では、EBで露光された部分を溶かす。本実施の形態では、上記レジストマスクの形状から、ベース部20の上方に平面形状が円形状のマスク層が形成されている。
次いで、ドライエッチングを行なう工程を実施する。この工程では、たとえば、所定の割合のヨウ化水素(HI)ガスとキセノン(Xe)ガスとの雰囲気下で上述したマスク層をマスクとしてICPエッチングを行なう。所定の割合とは、0.1≦Xe/(HI+Xe)≦0.9が好ましく、さらに好ましくは0.3≦Xe/(HI+Xe)≦0.6である。Xe/(HI+Xe)を0.9以下とすることによって、ヨウ化水素とアルミニウムとが不動態を形成して被エッチング材料の表面を覆うため、アルミニウムを相対的に多く有する層のエッチングレートを低下させることができる。0.6以下とすることによって、アルミニウムを相対的に多く有する層のエッチングレートをより低下させることができる。一方、Xe/(HI+Xe)を0.1以上とすることによって、キセノンの物理的にエッチングを進行する性質を利用して、エッチングを施したい箇所のエッチングレートを高めることができる。0.3以上とすることによって、エッチングを施したい箇所のエッチングレートをより高めることができる。なお、所定の割合は、バイアスパワーを調整することや、加工断面の形状や、アルミニウムを相対的に多く有する層のアルミニウムの含有量によって決められるものであり、エッチングガスはヨウ素原子を含んでいればこれに特に限定されない。たとえば、加工断面をテーパ状にする場合には、上記所定の割合よりも低い割合としてもよいし、ヨウ化水素ガスにアルゴンガスなどの不活性ガスを混ぜてもよい。
また、ICPエッチングは、たとえば、雰囲気圧力を0.3Pa〜1Paとし、200Wのバイアスを印加することにより行なう。なお、エッチングを行なう工程(S20)は、ドライエッチング工程であればICPエッチングに特に限定されず、たとえば、平行平板RIEエッチングを行なってもよい。
エッチングを行なう工程(S20)では、マスク層に覆われていない部分においてエッチングが進行して、図5に示すリッジ構造10aを有する形状とできる。
なお、上記のマスク層を除去するために、ドライエッチングを行なった後に、たとえばウエットエッチングを行なうこともできる。
次に、図6に示すように、絶縁体膜23を形成する工程を実施する。絶縁体膜23は、たとえば電子ビーム蒸着法により形成する。
次に、図3に示すように、n型電極21およびp型電極22を形成する工程を実施する。これにより、実施の形態2におけるファブリ・ペロー・レーザ10を製造することができる。
以上の工程(S10,S20)を実施することにより、実施の形態2におけるファブリ・ペロー・レーザ10を製造することができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態2におけるIII族窒化物半導体素子の一例としてのファブリ・ペロー・レーザ10によれば、n型クラッド層13とp型ブロック層16との間に活性層15が配置されるファブリ・ペロー・レーザ10であって、n型クラッド層13およびp型ブロック層16の少なくともいずれか一方がAl(x)Ga(1−x)N(x>0.10)であり、ヨウ素原子を含むガスによりAl(x)Ga(1−x)N(x>0.10)である層(p型ブロック層16)がエッチングストップ層となるようなエッチングを行なう工程(S20)により形成されてなる。p型ブロック層16がエッチングストップ層となることにより、所望の形状にエッチングを施すことができる。そのため、活性層15に近い部分にリッジ構造10aを有するファブリ・ペロー・レーザ10とすることができる。よって、活性層15部分での電流密度の低下を抑える電流挟窄の効果を高めることができる。
また、実施の形態2は、III族窒化物半導体素子を用いて形成されるリッジ構造のレーザの一例であるファブリ・ペロー・レーザ10であって、リッジ構造10aと活性層15との最も近接する距離L1が200nm以下である。L1を短くすることにより、活性層15部分での電流密度の低下を抑える電流挟窄の効果をより高めることができる。なお、図13に示す従来のファブリ・ペロー・レーザ100について距離L2を短くすると、活性層104にダメージを与えてしまうため距離L2よりも短くすることが難しかったが、実施の形態2におけるファブリ・ペロー・レーザ10における距離L1は活性層15にダメージを与えることなく距離L1を200nm以下とすることができる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3におけるフォトニック結晶構造を有する素子を示す図であり、(A)は、上面図であり、(B)は、(A)における線分VII(B)−VII(B)における断面図である。図8は、本発明の実施の形態3におけるフォトニック結晶構造を有する素子を製造するための準備する工程を示す断面図である。図7および図8を用いて、実施の形態3におけるフォトニック結晶構造を有する素子について説明する。
図7(A)および図7(B)に示すように、フォトニック結晶構造を有する素子30は、基板31と、基板31の上に形成されるAlGaN層32と、AlGaN層32上に形成されるフォトニック結晶層33とを備えている。フォトニック結晶層33は、本体部33aと孔部33bとを有している。本体部33aはGaNからなっている。孔部33bは、互いに略同一の形状であり、一定の向きに整列している。実施の形態3では、一定の向きを図7(A)において左右方向および上下方向に延びる方向としている。つまり、フォトニック結晶層33の孔部33bは、四角格子を形成している。ここで、四角格子とは、任意の孔部33bと近接(または隣接)する孔部33bの数が4となる場合を意味する。
なお、フォトニック結晶層33は、四角格子に特に限定されず、たとえば三角格子としてもよい。また、本体部33aは第1の屈折率(GaNの場合2.54)を有し、周期的に形成された孔部33bは第2の屈折率(空気の場合1)を有しているが、孔部33bには本体部33aと異なる物質を埋め込むこともできる。実施の形態3では、第1の屈折率と第2の屈折率との差を大きくとるために、孔部33bには何も埋め込まない状態(気体、たとえば空気が存在する状態)としている。このように屈折率の差を大きくとると、第1の屈折率の媒質内に光を閉じ込めることができる。なお、孔部33bを充填する材料としては本体部33aと孔部33bとの屈折率が異なっていれば特にこれに限定されず、たとえば、低屈折率の誘電体材料としてシリコン酸化膜(SiO2)などを用いてもよい。
また、基板31は、たとえばサファイヤ基板としている。AlGaN層32のアルミニウム含有量は10%以上が好ましく、さらに好ましくは18%以上である。
次に、実施の形態3におけるフォトニック結晶構造を有する素子30の製造方法について説明する。基本的には実施の形態1におけるIII族窒化物半導体のエッチング方法により行なう。
まず、アルミニウムを相対的に多く有する層と、アルミニウムを相対的に少なく有する層とを含むIII族窒化物半導体のベース部を準備する工程(S10)を実施する。準備する工程(S10)では、基板31上にAlGaN層32、およびGaN層34をこの順でたとえばMOCVD法により図8に示すようにベース部を形成する。このとき、AlGaN層32は、アルミニウムの組成を10%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは18%以上とする。
次に、ベース部に対してヨウ素原子を含むガスによりエッチングを行なう工程(S20)を実施する。エッチングを行なう工程(S20)では、たとえばマスク層を形成する工程と、露光を行なう工程と、現像を行なう工程と、ドライエッチングを行なう工程とを実施の形態2と同様に実施した。マスク層を形成する工程は実施の形態2と同様であるので、その説明は繰り返さない。
次いで、露光を行なう工程では、レジストマスクパターンは略同一で一定の方向に整列した円形が抜けた形状としている。また、隣接する円形の中心間の距離であるピッチは、たとえば350nm、円形の直径は、たとえば150nmと微細にしている。
次いで、現像を行なう工程では、上記レジストマスクの形状から、略同一で一定の方向に整列した平面形状が円形の複数の孔を有するマスク層が形成されている。
次いで、エッチングを行なう工程では、実施の形態2と同様にヨウ化水素とキセノンとを含むエッチングガスで行なう。円形の孔が形成されたマスク層により、マスク層に覆われていない円形部分においてエッチングが進行しAlGaN層32のGaN層34と接する側の表面に到達する深さまでエッチングは進行する。これにより、GaN層34においてフォトニック結晶構造の孔部33bを空けることができる。また、孔部33bは、径が150nmで深さが200nmとなる。これにより、GaN層34にエッチングを行なって、フォトニック結晶層33とすることができる。次いで、マスク層を除去する。
以上の工程(S10,S20)を実施することにより、実施の形態3におけるフォトニック結晶構造を有する素子30を製造することができる。
以上説明したように、実施の形態3におけるフォトニック結晶構造を有する素子30によれば、エッチングを行なう工程(S20)で10%以上のアルミニウムを含有するAlGaN層32がエッチングストップ層として機能するので、フォトニック結晶層33の孔部33bの側壁を垂直に近く、かつ孔部33bの底面を平坦にエッチングを行なうことができる。
(実施の形態4)
図1および図7〜図11を参照して本発明の実施の形態4におけるフォトニック結晶レーザを説明する。図9は、本発明の実施の形態4におけるフォトニック結晶レーザを示す断面図である。図10は、本発明の実施の形態4におけるフォトニック結晶レーザの準備する工程を示す断面図である。図11は、本発明の実施の形態4におけるフォトニック結晶レーザのエッチングを行なう工程を示す断面図である。図12は、本発明の実施の形態4におけるフォトニック結晶レーザのエッチング後のエピタキシャル成長させる工程を示す断面図である。
実施の形態4におけるフォトニック結晶レーザ40は、フォトニック結晶構造を有するフォトニック結晶レーザ(2次元DFBレーザ)素子である。フォトニック結晶レーザ40は、図9に示すように、GaN基板41と、n型クラッド層42と、アンドープガイド層43と、活性層44と、p型ブロック層45と、フォトニック結晶層33と、p型クラッド層47と、p型コンタクト層48とが、この順序で積層されている。p型コンタクト層48の表面48a上には円形状のp型電極52が設けられており、GaN基板41の裏面41a上には、一面にn型電極51が設けられている。
活性層44はたとえばInGaN/GaNよりなる多重量子井戸構造により構成されていることは実施の形態2と同様であるのでその説明は繰り返さない。
フォトニック結晶層33は、たとえば上述した実施の形態3におけるフォトニック結晶構造を有する素子30のフォトニック結晶層33と同様であるので、その説明は繰り返さない。
図9に示すように、n型クラッド層42はたとえばn型AlGaNよりなっており、アンドープガイド層43はたとえばアンドープGaNよりなっており、p型ブロック層45はたとえばp型AlGaNよりなっており、p型クラッド層47はたとえばp型のAlGaNよりなっている。p型ブロック層45は、アルミニウムを10%以上含有していることが好ましく、さらに好ましくは18%以上である。
また、p型ブロック層45は、フォトニック結晶層33への電子の進入をブロックするブロック層としても機能する。これにより、フォトニック結晶層33内で電子と正孔とが非発光再結合するのを抑止することができる。特に、孔部33bに空気が充填されている場合には、孔部33bの表面において非発光再結合が起こりやすくなるので、ブロック層としての機能が重要になる。
また、実施の形態4におけるフォトニック結晶レーザ40の各部分の寸法を例示的に以下に列挙すると、GaN基板41の厚さはたとえば100μmであり、フォトニック結晶層33の厚さはたとえば0.2μmであり、n型クラッド層42およびp型クラッド層47の各々の厚みはたとえば0.5μmであり、アンドープガイド層43、活性層44およびp型ブロック層45の各々の厚みはたとえば0.1μmである。すなわち、活性層44とフォトニック結晶層33との最も近接する距離を0.1μmとして、活性層44の近傍にフォトニック結晶層33を設けている。なお、活性層44とフォトニック結晶層33との最も近接する距離は、200nm以下とすることが好ましい。
次に、実施の形態4におけるフォトニック結晶レーザ40の製造方法について説明する。基本的には実施の形態2のファブリ・ペロー・レーザ10と同様である。
まず、アルミニウムを相対的に多く有する層と、アルミニウムを相対的に少なく有する層とを含むIII族窒化物半導体のベース部を準備する工程(S10)を実施する。準備する工程(S10)では、図10に示すように、GaN基板41上に、たとえばMOCVD法によりn型クラッド層42と、アンドープガイド層43と、活性層44と、p型ブロック層45と、GaN層34とをエピタキシャル成長させる。この際、p型ブロック層45のアルミニウムは10%以上有していることが好ましく、18%以上有していることがさらに好ましい。
次に、GaN層34を実施の形態3におけるフォトニック結晶構造とするために、ベース部に対してヨウ素原子を含むガスにエッチングを行なう工程(S20)を実施する。エッチングを行なう工程(S20)では、図11に示すように、p型ブロック層45をエッチングストップ層としてGaN層34にエッチングを行なう。これにより、良好なフォトニック結晶層33が得られる。また、p型ブロック層45はエッチングを行なう際の活性層44へのダメージを防ぐこともできる。
次に、たとえばエピタキシャル成長させる工程をさらに実施する。具体的には、図12に示すようにフォトニック結晶層33上にp型クラッド層47およびp型コンタクト層48をたとえばMOCVD法により形成する。
次に、図9に示すように、GaN基板41およびp型コンタクト層48上にn型電極51およびp型電極52を形成する。
以上の工程(S10,S20)を実施することにより、実施の形態4におけるフォトニック結晶レーザ40を得ることができる。
次に、製造したフォトニック結晶レーザ40の発光方法について、図9を用いて説明する。
p型電極52に正電圧を印加すると、p型クラッド層47から活性層44へ正孔が注入され、アンドープガイド層43から活性層44へ電子が注入される。活性層44へ正孔および電子(キャリア)が注入されると、キャリアの再結合が起こり、光が発生される。発生される光の波長は、活性層44が備える半導体層のバンドギャップによって規定される。
活性層44において発生された光は、アンドープガイド層43およびp型クラッド層47によって活性層44内に閉じ込められるが、一部の光はエバネッセント光としてフォトニック結晶層33に到達する。フォトニック結晶層33に到達したエバネッセント光の波長と、フォトニック結晶層33が有する所定の周期とが一致する場合には、その周期に対応する波長において光は回折を繰り返し、定在波が発生し、位相条件が規定される。フォトニック結晶層33によって位相が規定された光は、活性層44内の光にフィードバックされ、やはり定在波を発生させる。この定在波は、フォトニック結晶層33において規定される光の波長および位相条件を満足している。
このような現象は、活性層44およびフォトニック結晶層33が2次元的に広がりをもって形成されているので、p型電極52を中心にした領域およびその付近において生じうる。十分な量の光がこの状態に蓄積された場合、波長および位相条件の揃った光が、フォトニック結晶層33の主面に垂直な方向(図9において上下方向)から誘導放出される。
以上説明したように、本発明の実施の形態4におけるフォトニック結晶レーザ40は、III族窒化物半導体を用いて形成されるフォトニック結晶レーザであって、活性層44とフォトニック結晶層33との最も近接する距離が200nm以下とすることができる。加工ダメージを受けることなく活性層44とフォトニック結晶層33とを近づけて配置できるので、活性層44での発光をフォトニック結晶層に効率的に取り出すことができる。
[実施例1]
実施例1では、実施の形態2にしたがってファブリ・ペロー・レーザを製造した。具体的には、アルミニウムを相対的に多く有する層と、アルミニウムを相対的に少なく有する層とを含むIII族窒化物半導体のベース部を準備する工程(S10)で、p型ブロック層16は、アルミニウムを18%含有するように形成した。そして、ベース部に対してヨウ素原子を含むガスによりエッチングを行なう工程(S20)で、ヨウ化水素とキセノンとの比が0.8:1.0の環境下でエッチングを行なった。上記工程(S10,S20)を実施することにより、実施例1におけるファブリ・ペロー・レーザを製造した。
そして、実施例1におけるファブリ・ペロー・レーザについて発振のための閾値を測定したところ、2.3kA/cm2と低い値となった。一方、図13における従来のファブリ・ペロー・レーザについて発振のための閾値を測定したところ、3.0kA/cm2であった。これにより、実施例1におけるファブリ・ペロー・レーザは、活性層へのダメージが少なく、かつ電流挟窄の効果が高まったことが確認できた。
[実施例2]
実施例2では、実施の形態3にしたがってフォトニック結晶構造を有する素子を製造した。具体的には、アルミニウムを相対的に多く有する層と、アルミニウムを相対的に少なく有する層とを含むIII族窒化物半導体のベース部を準備する工程(S10)で、AlGaN層32は、厚みを200nm、アルミニウムの組成を15%とした。そして、ベース部に対してヨウ素原子を含むガスによりエッチングを行なう工程(S20)で、ヨウ化水素とキセノンとの比が0.8:1.0の環境下でエッチングを行なった。工程(S10,S20)を実施することにより、実施例2におけるフォトニック結晶構造を有する素子を製造した。なお、実施例2では、孔部33bは、径を150nm、深さを200nmとした。
上記工程(S10,S20)により実施例2におけるフォトニック結晶構造を有する素子を製造した。実施例2におけるフォトニック結晶構造を有する素子は、製造する際に、エッチングを行なう工程(S20)で10%以上のアルミニウムを含有するAlGaN層32(Al組成15%)がエッチングストップ層として機能した。その結果、フォトニック結晶層33の孔部33bの側壁を垂直に近く、かつ孔部33bの底面を平坦にエッチングを行なうことができた。垂直性および平坦性を良好に制御してエッチングを行なったことにより、フォトニック結晶構造を有する素子の特性を向上させることができた。
[実施例3]
実施例3では、実施の形態4にしたがってフォトニック結晶レーザを製造した。具体的には、アルミニウムを相対的に多く有する層と、アルミニウムを相対的に少なく有する層とを含むIII族窒化物半導体のベース部を準備する工程(S10)で、p型ブロック層45は、Al(x)Ga(1−x)N(x=0.15)となるように形成した。そして、ベース部に対してヨウ素原子を含むガスによりエッチングを行なう工程(S20)で、ヨウ化水素とキセノンとの比が0.8:1.0の環境下でエッチングを行なった。工程(S10,S20)を実施することにより、実施例3におけるフォトニック結晶レーザを製造した。
そして、製造したフォトニック結晶レーザついて発振のための閾値を測定した。すると、その値は2.5kA/cm2と低い値となった。一方、本発明を用いない従来のフォトニック結晶レーザについて発振のための閾値を測定したところ、3.0kA/cm2であった。なお、従来のフォトニック結晶レーザは、エッチングを行なう工程(S20)で塩素ガスによりエッチングを行なって作製した点を除き、実施例3のフォトニック結晶レーザと同様の構造である。塩素ガスでは選択エッチングができないため、従来のフォトニック結晶レーザでは、そのフォトニック結晶層の加工性が悪く、エッチングによる活性層へのダメージが入ったと考えられる。これにより、実施例3におけるフォトニック結晶レーザは、加工ダメージを受けることなく活性層とフォトニック結晶層とを近づけて配置できたので、活性層での発光がフォトニック結晶層に効率的に取り出されたことが確認できた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1におけるIII族窒化物半導体のエッチング方法のフローチャートである。 アルミニウムの組成に対するエッチングレートを示す図である。 本発明の実施の形態2におけるリッジ構造を有するファブリ・ペロー・レーザを示す断面図である。 本発明の実施の形態2におけるファブリ・ペロー・レーザを製造するための準備する工程での断面図である。 本発明の実施の形態2におけるファブリ・ペロー・レーザを製造するためのエッチングを行なう工程での断面図である。 本発明の実施の形態2におけるファブリ・ペロー・レーザを製造するための絶縁体膜を形成する工程での断面図である。 本発明の実施の形態3におけるフォトニック結晶構造を有する素子を示す図であり、(A)は、上面図であり、(B)は、(A)における線分VII(B)−VII(B)における断面図である。 本発明の実施の形態3におけるフォトニック結晶構造を有する素子を製造するための準備する工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態4におけるフォトニック結晶レーザを示す断面図である。 本発明の実施の形態4におけるフォトニック結晶レーザの準備する工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態4におけるフォトニック結晶レーザのエッチングを行なう工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態4におけるフォトニック結晶レーザのエッチング後のエピタキシャル成長させる工程を示す断面図である。 従来のIII族窒化物半導体を示す断面図である。
符号の説明
10 ファブリ・ペロー・レーザ、10a リッジ構造、11 GaN基板、11a,41a 裏面、12 n型GaN層、13,42 n型クラッド層、14,43 アンドープガイド層、15,44 活性層、16 p型ブロック層、17 p型ガイド層、18,47 p型クラッド層、19,48 p型コンタクト層、20 ベース部、21,51 n型電極、22,52 p型電極、23 絶縁体膜、30 フォトニック結晶構造を有する素子、31 基板、32 AlGaN層、33 フォトニック結晶層、33a 本体部、33b 孔部、34 GaN層、40 フォトニック結晶レーザ、41 GaN基板、45 p型電子ブロック層、L1,L2 距離。

Claims (2)

  1. アルミニウムを相対的に多く有する層と、アルミニウムを相対的に少なく有する層とを含むIII族窒化物半導体のベース部を準備する工程と、
    前記ベース部に対してヨウ化水素を含むガスによりエッチングを行なう工程とを備え、
    前記アルミニウムを相対的に多く有する層が、Al(x)Ga(1−x)N(x>0.10)であり、
    前記エッチングを行なう工程では、前記Al(x)Ga(1−x)N(x>0.10)がエッチングストップ層となることを特徴とする、III族窒化物半導体のエッチング方法。
  2. アルミニウムを相対的に多く有する層と、アルミニウムを相対的に少なく有する層とを含むIII族窒化物半導体のベース部を準備する工程と、
    前記ベース部に対してヨウ化水素を含むガスによりエッチングを行なう工程とを備え、
    前記アルミニウムを相対的に多く有する層が、Al(x)Ga(1−x)N(x>0.18)であり、
    前記エッチングを行なう工程では、前記Al(x)Ga(1−x)N(x>0.18)がエッチングストップ層となることを特徴とする、III族窒化物半導体のエッチング方法。
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